JP2017183434A - 有機半導体層、有機半導体デバイスと有機半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
4561号に記載されているように、側鎖の構造を工夫したりする有機半導体材料自体の工夫や、あるいは下地表面に一定方向の筋をつけたり、特定の方向からのみ蒸発を起こすような膜形成時の工夫など、有機半導体材料が特定の配列になるよう、いろいろな試みがなされている。また特許文献2には、ハロゲン元素で置換された有機半導体材料も開示されている。
すなわち本発明の要旨は、以下に存する。
(1)式(1)で表される有機半導体材料を含む厚さ5nm以上、20nm以下の有機半導体層。
し、X及びYはそれぞれ独立して水素原子あるいはハロゲン原子を表し、nは整数を表す。)
(2)(1)記載の有機半導体層を有する有機半導体デバイス。
(3)該有機半導体デバイスが、基板と基板上に形成された請求項1記載の有機半導体層、該有機半導体層に接するゲート絶縁層を有する有機半導体トランジスタである(2)の有機半導体デバイス。
(4)(1)に記載の式(1)で表される有機半導体材料を溶剤に溶解あるいは分散させた有機半導体インクを調製し、このインクを基板上に滴下した後に溶剤を除去することで有機半導体層を得ることを特徴とする有機半導体デバイスの製造方法。
<有機半導体材料>
本発明の有機半導体層に含まれる有機半導体材料は、以下の式(1)で表される。
、X及びYはそれぞれ独立して水素原子あるいはハロゲン原子を表し、nは整数を表す。)
ここで好ましいR1及びR2としては、通常炭素数3以上、好ましくは6以上、特に好ましくは10以上のアルキル基である。炭素数が10以上であると、塗布時の分子同士が並びやすくなる。一方上限については、塗布しやすさ等を考慮して、通常30以下、好ましくは25以下、特に好ましくは20以下である。このような炭素数の範囲にすることにより、塗布しやすさと、移動度の向上の両方の効果が得られやすくなる。
また、X及びYは、それぞれ独立して水素原子あるいはハロゲン原子である。特にX及びYの一方が水素原子で、他方がハロゲン原子であることが好ましい。またハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素が好ましく、特に好ましくはフッ素である。
本発明においては、式(1)で表される有機半導体材料を、厚さ5nm以上、20nm以下の有機半導体層とすることにより、特に優れた移動度を得ることができ、これを用いたデバイスも優れた特性を有するものである。この有機半導体層の膜厚の下限値としては、5nm以上である。5nm以上とすることにより、下地になる層からの影響を受けにくく、また膜厚が安定するため本発明の効果が得られやすい。この観点から特に好ましくは、7nm以上である。一方上限値としては、20nm以下であるが、本発明の効果である移動度の向上の観点から、特に18nm以下であると、顕著な効果が得られるため好ましい。
まで1V 刻みで走査し、得られた伝達特性から次の計算式(1)で算出する。
しくは5cm2/Vs以上である。この式において、Wはチャネルの幅、Lはチャネルの
長さ、μは半導体中のキャリアの移動度、Cox はキャパシタの単位面積当たりの容量で
ある。
通常の有機半導体材料を用いて3cm2/Vs以上の移動度を得ることはかなり困難で
あるが、本発明の式(1)で表される有機半導体材料を、通常使用されるよりかなり薄い20nm以下の薄膜とすることにより、3cm2/Vs以上の移動度を達成できる。
本発明の有機半導体デバイスを有機TFTに適称する場合の基本的な構造について説明する。
基板としては、一般に使用される種々の基板を使用でき、特に可撓性を持たせる点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)などが好ましい。
基板には、必要に応じ、表面処理を行ってよい。通常行われる表面処理としては、UVオゾン処理、プラズマ処理などの洗浄あるいは密着性向上手段のようなものが挙げられる。
t%でもよい。
膜の塗布法としては、スクリーン印刷、グラビアオフセット印刷、ブレードコート、スピンコート、インクジェット、ディスペンサ、等通常使用される方法を使うことができる。
このほか、有機TFTに必要な、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極に関しては、通常有機半導体デバイスに使用される各種電極や、そのための表面処理や表面への膜掲載などがされていてよい。
[実施例1]
実施例(合成)
本実施例で用いた有機半導体及び比較例に用いた有機半導体は、Chem.Commun.2016,52,3207.及びその実験補遺に記載の方法に従って合成して使用した。
表面にSiO2層が形成されたSi板(フルウチ化学社製、3.0cm×3.0cm)を支持基板とし、この上をチャネル長が W/L=500μm/1,000μm のシャド
ーマスクで覆い、真空蒸着機(アルバック社製「EX−400」)にて、真空度を10-6Torrとして、クロムを1nm、金を50nmの厚さで蒸着することで、ソース電極及びドレイン電極を形成し、ボトムコンタクト素子を作製した。
「2510」)にて、5分間純水洗浄を行った。
純水洗浄後のボトムコンタクト素子をデジルトリクロロシラン溶液へ含浸し、80℃で20分間加熱処理することで、全面に自己集積化単分子膜を形成した。
次に、式(1)記載の有機半導体材料に該当する下記式(3)で表される有機半導体材料(以下「PCDTFBT」という)を、窒素雰囲気下、室温においてクロロホルムに溶解させて作製した1mg/mlクロロホルム溶液を、前記で作製したボトムコンタクト素子上に1,000rpmでスピンコートし、乾燥させて層を形成した後、200℃で8分間加熱処理することで、電界効果型トランジスタを得た。
得られた電界効果トランジスタについて、5個をランダムに選び、以下に示す方法で、電界効果移動度、及びOn/Off比を算出した。この結果の平均値は、それぞれ、7.0×10-2cm2 /Vs、及び3.6×105であった。
この結果を図1に示す。また各測定点での最大値と最小値を結び誤差バーとして示す。
半導体パラメーターアナライザー(Agilent社製「4155C」)を用いて、ゲート電圧印加時の電圧−電流曲線を求め、算出した。
(実施例2、比較例1,2)
式(3)で表される有機半導体のクロロホルム溶液の濃度を、それぞれ2mg/ml(
実施例2)、4mg/ml(比較例1)、8mg/ml(比較例2)に変えた以外は実施例
1と同様にして、電界効果型トランジスタを得た。これを実施例1と同様にAFMにて膜厚を測定したところ、それぞれ17nm、35nm、60nmであった。また電界効果移動度は、それぞれ5個をランダムに選択し、その平均値を求めた結果、3.0×10-2cm2 /Vs、2.0×10-2cm2 /Vs、2.4×10-2cm2 /Vsであった。この結果を実施例1同様、図1に示す。誤差バーは最大値、最小値の幅を示している。またOn/Off比は、5.7×106、3.6×106、9.3×106であった。
式(3)で表される有機半導体のクロロホルム溶液の濃度を、それぞれ0.25mg/ml(比較例3)、0.5mg/ml(比較例4)に変えた以外は実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタを得た。実施例1と同様の方法にて膜厚を測定したところ、比較例3,4共に5nm未満であることが確認できたが正確な値を得ることが難しかった。他の実施例、比較例で得られた濃度と膜厚の関係と、実際の測定値から、それぞれ2nm、4nm程度と推定される。得られた有機TFTからそれぞれ5個をランダムに選択し、電界効果移動度の平均値を求めた結果、比較例3、4とも0.8×10-2cm2 /Vsであった。図1には膜厚を正確に特定できなかったため、測定点は記載していないが、傾向を示す破線はこの2つの結果も参考にして引いている。
使用する有機半導体を、式(4)で記載されるもの(以下「PCDTPT」と呼ぶことがある。)に変えた以外は、実施例1と同様にして電界効果トランジスタを得た。実施例1と同様の方法にて膜厚を測定したところ、5nmであった。また電界効果移動度、及びOn/Off比を算出した結果、それぞれ、1.1×10-2cm2 /Vs、及び1.1×106であった。また比較例2−4は、それぞれ実施例2−4の有機半導体を式(4)に示すものに変えた以外は、同様に実験を行った。その結果、それぞれの膜厚は、9nm、22nm、46nmであった。また電界効果移動度は、それぞれ1.6×10-2cm2 /Vs、3.3×10-2cm2 /Vs、2.4×10-2cm2 /Vsであった。この結果を実施例1同様、図1に示す。誤差バーは最大値、最小値の幅を示している。またOn/Off比は、1.4×106、1.7×106、8.9×105であった。
Claims (4)
- 請求項1記載の有機半導体層を有する有機半導体デバイス。
- 該有機半導体デバイスが、基板と基板上に形成された請求項1記載の有機半導体層、該有機半導体層に接するゲート絶縁層を有する有機半導体トランジスタである請求項2記載の有機半導体デバイス。
- 請求項1に記載の式(1)で表される有機半導体を溶剤に溶解あるいは分散させた有機半導体インクを調製し、このインクを基板上に滴下した後に溶剤を除去することで有機半導体層を得ることを特徴とする有機半導体デバイスの製造方法。
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JP2016066778A JP2017183434A (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 有機半導体層、有機半導体デバイスと有機半導体デバイスの製造方法 |
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CN110190188A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-08-30 | 东北师范大学 | 一种聚合物半导体薄膜制备方法及应用 |
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2016
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CN110190188A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-08-30 | 东北师范大学 | 一种聚合物半导体薄膜制备方法及应用 |
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