JP2017183431A - コンデンサ - Google Patents
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すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]第1及び第2の電極を有する第1のコンデンサ素子と、
第1のコンデンサ素子に隣接して設けられ、第3及び第4の電極を有する第2のコンデンサ素子と、
第1のコンデンサ素子における第1の電極に接続され、第1の電極に対して第1の電位を接続するための第1の配線と、
第1のコンデンサ素子における第2の電極に接続され、第2の電極に対して第2の電位を接続するための第2の配線と、
第2のコンデンサ素子における第3の電極に接続され、第3の電極に対して第2の電位を接続するための第3の配線と、
第2のコンデンサ素子における第4の電極に接続され、第4の電極に対して第1の電位を接続するための第4の配線と、
を備え、
第1の配線と第3の配線とが隣接して配置され、
第2の配線と第4の配線とが隣接して配置される、
コンデンサ。
[2]第1の配線と第3の配線との間隔、及び、第2の配線と第4の配線との間隔は、所定のインダクタンスを満たすように設定される、前記[1]に記載のコンデンサ。
[3]第1の配線と第3の配線との間隔、及び、第2の配線と第4の配線との間隔は、絶縁耐圧要求を満たすように設定される、前記[1]又は[2]に記載のコンデンサ。
[4]第1及び第3の配線は互いに平行に配置され、
第2及び第4の配線は互いに平行に配置される、
前記[1]〜[3]のいずれかに記載のコンデンサ。
[5]第1及び第3の配線のうちの一方は筒状の配線であり、他方は一方の配線の中心軸上に配置され、
第2及び第4の配線のうちの一方は筒状の配線であり、他方は一方の配線の中心軸上に配置される、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のコンデンサ。
[6]第1のコンデンサ素子の第1の電極と第2のコンデンサ素子の第3の電極とが隣接し、
第1のコンデンサ素子の第2の電極と第2のコンデンサ素子の第4の電極とが隣接する、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のコンデンサ。
[7]第1のコンデンサ素子は巻回されてなり、
第2のコンデンサ素子は第1のコンデンサ素子の外周に巻回されてなる、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のコンデンサ。
[8]第1及び第2のコンデンサ素子は積層されてなる、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のコンデンサ。
[9]第1及び第2のコンデンサ素子は、フィルムコンデンサ、電気二重層コンデンサ、タンタルコンデンサ、電解コンデンサ、又はセラミックコンデンサである、前記[1]〜[8]のいずれかに記載のコンデンサ。
以下、実施形態1に係るコンデンサを図1〜3を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係るコンデンサの構成を示す図であり、図2は、図1に示すII−II線に沿うコンデンサの断面図である。図1及び図2に示すコンデンサ(複合コンデンサ)1は、2つのコンデンサ素子11、12を含むコンデンサ素子(複合コンデンサ素子)10と、コンデンサ素子11に対する一対の引き出し配線41と42、コンデンサ素子12に対する一対の引き出し配線43と44とを備える。
コンデンサ素子10は、第1及び第2のコンデンサ素子11、12と、第1、第2、第3及び第4の電極21、22、23、24と、中芯部材31と、絶縁部材32とを備える。コンデンサ素子10における第1及び第2のコンデンサ素子11、12は、同軸に2重に巻回されている。コンデンサ素子10は、巻回軸が延在する巻回軸方向に延びる柱状をなし、巻回軸方向に交差する方向にプレスされた扁平形状をなす。
第1の配線41は、第1のコンデンサ素子11の一方の端部における第1の電極21に例えば半田又は溶接によって接続される。第1の配線41は、高圧側の電位(第1の電位)に接続される。第2の配線42は、第1のコンデンサ素子11の他方の端部における第2の電極22に例えば半田又は溶接によって接続される。第2の配線42は、低圧側の電位(第2の電位)に接続される。
図3は、実施形態1に係るコンデンサ1の等価回路図である。図3において、矢印は、第1及び第4の配線41、44が高圧側の電位(第1の電位)に接続され、第2及び第3の配線42、43が低圧側の電位(第2の電位)に接続されたときに、各部に流れる電流の向きを示す。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1及び第2のコンデンサ素子11、12が同軸2重巻回構造により隣接し、第1及び第2のコンデンサ素子11、12の一方の端部にそれぞれ接続された高圧側の第1の配線41と低圧側の第3の配線43とが隣接し、第1及び第2のコンデンサ素子11、12の他方の端部にそれぞれ接続された低圧側の第2の配線42と高圧側の第4の配線44とが隣接する。これにより、隣接した高圧側の第1の配線41と低圧側の第3の配線43において互いに逆方向に電流が流れるので、これらの電流により発生する磁束が互いに打ち消し合い、第1及び第3の配線41、43のインダクタンスが低減される。また、隣接した低圧側の第2の配線42と高圧側の第4の配線44において互いに逆方向に電流が流れるので、これらの電流により発生する磁束が互いに打ち消し合い、第2及び第4の配線42、44のインダクタンスが低減される。
実施形態1では、第1の配線41と第3の配線43とを隣接させるため、また第2の配線42と第4の配線44とを隣接させるため、いわゆる平行2線式の配線構造を採用した。実施形態2では、いわゆる同軸配線構造を採用する。以下、実施形態2に係るコンデンサについて、図4を用いて説明する。
本実施形態では、コンデンサを実装する配線基板上に形成されたパターン配線についてインダクタンスを低減する構成を説明する。以下、実施形態3に係るコンデンサに対するパターン配線ついて、図5を用いて説明する。
実施形態1では、同軸2重巻回構造のコンデンサ素子10について説明した。実施形態4では、同軸3重巻回構造のコンデンサ素子について説明する。以下、実施形態4に係るコンデンサについて、図6を用いて説明する。
本実施形態1〜4では、配線41〜46、41A〜44A、41B〜44Bの構造として、平行2線式及び平行3線式の配線構造、同軸配線構造、パターン配線構造を例示した。本発明の配線構造はこれに限定されず、電流により発生する磁束が打ち消されるように近接した概略平行な種々の配線であればよい。
実施例及び比較例のポリプロピレンフィルムを製造するために使用したポリプロピレン樹脂を、以下に示す。
上記したポリプロピレン樹脂を使用し、実施例及び比較例のポリプロピレンフィルム(未蒸着フィルム)を製造した。樹脂A1(酸化防止剤としてイルガノックス1010を5000ppm添加)と樹脂B1(酸化防止剤としてイルガノックス1010を5000ppm添加)を、A1/B1=65/35(質量比)で、連続的に計量し混合したドライブレンド体を、押出機に供給した。ドライブレンド体を250℃の温度で溶融した後、Tダイを用いて押出し、表面温度を92℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させて、厚さ約125μmのキャスト原反シートを製造した。このキャスト原反シートを140℃の温度で、流れ方向に5倍に延伸し、直ちに室温まで冷却した後、テンターにて165℃の温度で横方向に10倍に延伸して、厚さ2.3μmの非常に薄い二軸延伸ポリプロピレンフィルム(未蒸着フィルム)を得た。
上記した二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、Tマージン蒸着パターンを15Ω/□にてアルミニウム蒸着を施し、実施例及び比較例の厚さ2.3μmの蒸着フィルムを得た。パターン蒸着はワイヤー方式による真空蒸着法に従って行い、ヘビーエッジ蒸着はるつぼ方式による真空蒸着法に従って行った。
<コンデンサ素子10の製作>
素子巻きには、株式会社皆藤製作所製の自動巻取機3KAW-N2型を用い、巻取り張力は250gとした。
第1、第2、第3及び第4の配線41A、42A、43A、44Aとして、長さ85mmの同軸ケーブル1.5D−2V(中心導体の直径0.54mm、外皮導体の内径1.6mm)を2本用意し、それを製作した素子の両端の電極に半田付けした。同軸ケーブルの中心導体を第1及び第2の配線41A、42Aとして、それらの一端を第1のコンデンサ素子11(内側の素子)の端面の電極21、22にそれぞれ接続した。同軸ケーブルの外皮導体を第3及び第4の配線43A、44Aとして、それらの一端を第2のコンデンサ素子12(外側の素子)の端面の電極23、24にそれぞれ接続した。同軸ケーブルの他端において、中心導体の第1の配線41Aと外皮導体の第3の配線43Aとを半田付けし、中心導体の第2の配線42Aと外皮導体の第4の配線44Aとを半田付けして一対の端子とし、実施例1のコンデンサ1Aを得た。この実施例1では、第1のコンデンサ素子11(内側の素子)と第2のコンデンサ素子12(外側の素子)とが並列接続となっており、製作したコンデンサ1Aの一対の端子間には、76μFの静電容量が現れた。
実施例2のコンデンサ1は、実施例1のコンデンサ1Aと比較して、同軸構造の第1及び第3の配線41A、43Aに代えて平行2線構造の第1及び第3の配線41、43を備え、同軸構造の第2及び第4の配線42A、44Aに代えて平行2線構造の第2及び第4の配線42、44を備えた。第1、第2、第3及び第4の配線41、42、43、44として、長さ85mmのAWG16(導体径1.29mm)の被覆銅線を4本用意し、それを上記同様に製作したコンデンサ素子10の両端の電極に半田付けした。第1及び第2の配線41、42の一端を第1のコンデンサ素子11(内側の素子)の端面の電極21、22にそれぞれ接続し、第3及び第4の配線43、44の一端を第2のコンデンサ素子12(外側の素子)の端面の電極23、24にそれぞれ接続した。第1の配線41と第3の配線43とをこれらの間隔(中心間隔)が約4mmとなるように配置し、第2の配線42と第4の配線44とをこれらの間隔(中心間隔)が約4mmとなるように配置した。第1及び第3の配線41、43の他端を半田付けし、第2及び第4の配線42、44の他端を半田付けして一対の端子とし、実施例2のコンデンサ1を得た。このコンデンサ1でも、第1のコンデンサ素子11(内側の素子)と第2のコンデンサ素子12(外側の素子)とが並列接続となっており、製作したコンデンサ1の一対の端子間には、76μFの静電容量が現れた。
実施例3のコンデンサ1Cは、実施例2のコンデンサ1と比較して、同軸2重巻回構造のコンデンサ素子10に代えて同軸3重巻回構造のコンデンサ素子10Cを備え、第5及び第6の配線45、46をさらに備えた。コンデンサ素子10Cとして、未蒸着フィルムを10回巻回した中芯部材31に実施例1、2と同様の2枚1対の蒸着フィルムを400回巻回して第1のコンデンサ素子11を形成し、第1のコンデンサ素子11の外周に未蒸着フィルムを10回巻回して絶縁部材32を形成し、絶縁部材32の外周に実施例1、2と同様の2枚1対の蒸着フィルムを400回巻回して第2のコンデンサ素子12を形成し、第2のコンデンサ素子12の外周に未蒸着フィルムを10回巻回して絶縁部材33を形成し、絶縁部材33の外周に実施例1、2と同様の2枚1対の蒸着フィルムを300回巻回して第3のコンデンサ素子13を形成した(素子部分の総巻回数は実施例1及び2と同じ)。その後、実施例1、2と同様に熱プレス処理及びメタリコン処理(電極形成)等を行い、実施例3のコンデンサ素子10Cを得た。製作した素子において、第1のコンデンサ素子11(内側の素子)の静電容量は24μFであり、第2のコンデンサ素子12(中間の素子)の静電容量は28μFであり、第3のコンデンサ素子13(外側の素子)の静電容量は24μFであった。
図9(a)に、比較例1に係る単一コンデンサ1Xの構成を示す。比較例1の単一コンデンサ1Xは、実施例の第1のコンデンサ素子11からなる1重巻回構造の単一コンデンサ素子10Xと、コンデンサ素子10Xの両端の第1及び第2の電極21X、22Xにそれぞれ接続された第1及び第2の配線41、42とを備える。単一コンデンサ素子10Xとしては、未蒸着フィルムを10回巻回した中芯部材31に、実施例と同様の2枚1対の蒸着フィルムを1100回巻回して第1のコンデンサ素子11を形成して(素子部分の総巻回数は実施例と同じ)、実施例のコンデンサ素子10とほぼ同一の体積を有する素子を製作した。第1及び第2の配線41、42としては、実施例の第1及び第2の配線41、42と同一の長さ85mmを有するAWG16(導体径1.29mm)の被覆銅線を使用した。比較例1の単一コンデンサ1Xの静電容量は、76μFであった。
図9(b)に、比較例2に係るコンデンサ1Yの構成を示す。比較例2のコンデンサ1Yは、コンデンサ素子10Yと一対の配線41、43とを備える。コンデンサ素子10Yは、実施例のコンデンサ素子10において、他方の端部の全面に金属亜鉛を溶射し、第1のコンデンサ素子11の第2の電極22と第2のコンデンサ素子12の第4の電極24とをメタリコン電極42Yで接続した(なお、他方の端部では、全面にメタリコンを行うため、未蒸着フィルム巻回時に中芯部材31及び絶縁部材32を突出させない)。コンデンサ素子10Yの一方の端部では、第1のコンデンサ素子11の第1の電極21及び第2のコンデンサ素子12の第3の電極23に配線41、43をそれぞれ接続した。配線41、43としては、実施例1の第1の配線41と第2の配線42とを足し合わせた長さ(或いは、第3の配線43と第4の配線44とを足し合わせた長さ)170mmの同軸ケーブル1.5D−2Vを使用した(配線の総長は実施例と同じ)。このように、比較例2のコンデンサ1Yは、片側配線のコンデンサであり、特許文献1に開示のコンデンサと類似する。
日置電機株式会社製LCRハイテスター3522−50を用い、0.1Vの電圧を印加して、実施例1〜3及び比較例1、2の静電容量CおよびインダクタンスLの測定を行った。測定周波数は、静電容量の測定時には1kHz、インダクタンスの測定時には100kHzに設定された。この評価結果を図10に示す。
1X 単一コンデンサ
10、10C、10Y コンデンサ素子
10D、10X 単一コンデンサ素子
11 第1のコンデンサ素子
12 第2のコンデンサ素子
13 第3のコンデンサ素子
21 第1の電極
22 第2の電極
23 第3の電極
24 第4の電極
25 第5の電極
26 第6の電極
31 中芯部材
32、33 絶縁部材
41、41A 第1の配線
42、42A 第2の配線
43、43A 第3の配線
44、44A 第4の配線
45 第5の配線
46 第6の配線
41B パターン配線
42B パターン配線
43B パターン配線
44B パターン配線
41C 第1のリードピン
42C 第2のリードピン
43C 第3のリードピン
44C 第4のリードピン
42Y メタリコン電極
Claims (9)
- 第1及び第2の電極を有する第1のコンデンサ素子と、
前記第1のコンデンサ素子に隣接して設けられ、第3及び第4の電極を有する第2のコンデンサ素子と、
前記第1のコンデンサ素子における前記第1の電極に接続され、前記第1の電極に対して第1の電位を接続するための第1の配線と、
前記第1のコンデンサ素子における前記第2の電極に接続され、前記第2の電極に対して第2の電位を接続するための第2の配線と、
前記第2のコンデンサ素子における前記第3の電極に接続され、前記第3の電極に対して前記第2の電位を接続するための第3の配線と、
前記第2のコンデンサ素子における前記第4の電極に接続され、前記第4の電極に対して前記第1の電位を接続するための第4の配線と、
を備え、
前記第1の配線と前記第3の配線とが隣接して配置され、
前記第2の配線と前記第4の配線とが隣接して配置される、
コンデンサ。 - 前記第1の配線と前記第3の配線との間隔、及び、前記第2の配線と前記第4の配線との間隔は、所定のインダクタンスを満たすように設定される、
請求項1に記載のコンデンサ。 - 前記第1の配線と前記第3の配線との間隔、及び、前記第2の配線と前記第4の配線との間隔は、絶縁耐圧要求を満たすように設定される、
請求項1又は2に記載のコンデンサ。 - 前記第1及び第3の配線は互いに平行に配置され、
前記第2及び第4の配線は互いに平行に配置される、
請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ。 - 前記第1及び第3の配線のうちの一方は筒状の配線であり、他方は前記一方の配線の中心軸上に配置され、
前記第2及び第4の配線のうちの一方は筒状の配線であり、他方は前記一方の配線の中心軸上に配置される、
請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ。 - 前記第1のコンデンサ素子の前記第1の電極と前記第2のコンデンサ素子の前記第3の電極とが隣接し、
前記第1のコンデンサ素子の前記第2の電極と前記第2のコンデンサ素子の前記第4の電極とが隣接する、
請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ。 - 前記第1のコンデンサ素子は巻回されてなり、
前記第2のコンデンサ素子は前記第1のコンデンサ素子の外周に巻回されてなる、
請求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサ。 - 前記第1及び第2のコンデンサ素子は積層されてなる、
請求項1〜7のいずれかに記載のコンデンサ。 - 前記第1及び第2のコンデンサ素子は、フィルムコンデンサ、電気二重層コンデンサ、タンタルコンデンサ、電解コンデンサ、又はセラミックコンデンサである、
請求項1〜8のいずれかに記載のコンデンサ。
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