JP2017181602A - 光源ユニット - Google Patents

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剛史 石田
Takashi Ishida
剛史 石田
三森 満
Mitsuru Mimori
満 三森
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Abstract

【課題】光学的なレイアウトの自由度を高めた光源ユニットを提供する。【解決手段】光源ユニットは、ビーム形成部、光照射部35等を備え、光照射部35は、被照射体41と、支持体42と、拡散部材43と、照射板(反射型波長変換部材)48と、拡散調整部と、を有し、拡散調整部は第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された光と第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていない光との拡散状態を近づける。【選択図】図2

Description

本発明は、投影装置等に組み込まれる画像表示素子の照明に適する光源ユニットに関する。
照明用の光源として、例えば投影装置の分野では、従来から放電ランプが広く利用されている。しかし、放電ランプについては、寿命が短く信頼性が低いという問題点があり、さらには環境保護の観点で使用の抑制が望まれている。
近年では、半導体レーザーや発光ダイオードといった固体光源の開発が進み、かかる固体光源が投影装置の光源として用いられるようになってきている。ところで、この種の光源では、赤色、緑色、及び青色の三原色の高強度光が必要になるが、例えば半導体レーザーとして、赤色及び青色のレーザーは高輝度のものが実用化されているのに対し、十分に高輝度の緑色のレーザーはまだ実用化されていないという問題がある。そこで、青色レーザー光を波長変換して、緑色その他の高輝度光を生成しようとする試みがある。このような手法は、レーザーを単一色とできること、照明光とする3色を同一光路で処理することができ合成光学系が不要になることなどの観点で、コスト的に有利になる。
上記のように波長変換を利用する光源として、例えば青色の励起光を受けて緑色の蛍光を発生させて逆方向に戻す蛍光発光領域と、青色の励起光を拡散透過させる拡散透過領域とを有する蛍光ホイールを備えるものがある(特許文献1参照)。
また、青色の励起光を受けて緑色及び赤色の蛍光を発生させる光源であって、蛍光基板又は蛍光ホイールの蛍光領域に対向してプリズムアレイを配置して蛍光領域を通過した蛍光の指向性を高めるものがある(特許文献2参照)。
しかしながら、上記2つの光源は、蛍光ホイールで励起光又は蛍光を透過させるものであり、光学系の効率的なレイアウトが制限される。結果的に、製品設計の自由度を狭め、小型化などに支障をきたすことになる。
特開2011−53323号公報 特開2012−27052号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、光学的なレイアウトの自由度を高めた光源ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光源ユニットは、励起光の照射を受けて波長変換した光を戻る方向に射出する第1部分と、励起光を波長変換することなく反射する第2部分とを有する反射型波長変換部材と、反射型波長変換部材に対向して第1及び第2部分を覆うように配置され、第1及び第2部分に入射する励起光と第1及び第2部分からの戻り光とを通過させる配光変更部と、第1部分を経て波長変換された光と第2部分を経て波長変換されていない光との拡散状態を近づける拡散調整部とを備える。
上記光源ユニットでは、反射型波長変換部材を用いているので、波長変換した光と波長変換していない光とを同一方向に折り返すように取り出すことができる。さらに、拡散調整部が第1部分を経て波長変換された光と第2部分を経て波長変換されていない光との拡散状態を近づけるので、光路の共通化が容易になるとともに、光の無駄を低減することができる。結果的に、光学的レイアウトの自由度を高めて、光源ユニットや投影装置の小型化を達成することができる。
本発明の具体的な側面では、上記光源ユニットにおいて、拡散調整部は、拡散状態を近づけるため、第1部分に対応する第1領域での光路長に対して、第2部分に対応する第2領域での光路長を調整する。この場合、光路長の調整によって第2部分でも第1部分に対応する適度な拡散を生じさせることができ、波長変換された光と波長変換していない戻り光との強度や拡散状態のバランスを簡易に確保することができる。
本発明のさらに別の側面では、拡散調整部は、第1及び第2部分に共通する支持体のち第2部分における支持体の光路方向の位置を、第1部分における支持体の光路方向の位置と異なるものとする。この場合、拡散調整部における支持体の光路方向の配置調整によって、波長変換された光の拡散状態と波長変換していない戻り光の拡散状態とを簡易に一致させることができる。
本発明のさらに別の側面では、拡散調整部は、第2部分に対応する第2領域における配光変更部の光路方向の位置を、第1部分に対応する第1領域における配光変更部の光路方向の位置と異なるものとする。この場合、配光変更部の光路方向の配置調整によって、波長変換された光の拡散状態と波長変換していない戻り光の拡散状態とを簡易に一致させることができる。
本発明の別の側面では、拡散調整部は、第2部分に対応する第2領域における配光変更部の厚みを、第1部分に対応する第1領域における配光変更部の厚みと異なるものとする。この場合、配光変更部の厚み調整によって、波長変換された光の拡散状態と波長変換していない戻り光の拡散状態とを簡易に一致させることができる。
本発明の別の側面では、拡散調整部は、第1部分に対応する第1領域と第2部分に対応する第2領域とで対応箇所に屈折率が異なる材料を用いている。この場合、対応箇所を構成する材料の屈折率の調整によって、波長変換された光の拡散状態と波長変換していない戻り光の拡散状態とを簡易に一致させることができる。
本発明のさらに別の側面では、拡散調整部は、第2部分に対応する第2領域における配光変更部の面形状を、第1部分に対応する第1領域における配光変更部の面形状と異なるものとすることによって拡散状態を近づける。この場合、第2領域における面形状の調整によって、波長変換された光の拡散状態と波長変換していない戻り光の拡散状態とを簡易に一致させることができる。
本発明のさらに別の側面では、拡散調整部は、第2部分に、散乱体を含む光散乱部材を有することによって拡散状態を近づける。この場合、第2領域の光散乱部材によって、波長変換された光の拡散状態と波長変換していない戻り光の拡散状態とを簡易に一致させることができる。
本発明のさらに別の側面では、第2部分は、励起光を反射する際に当該励起光の偏光状態を略維持する。この場合、励起光又は戻り光の偏光状態を維持しつつ励起光を無駄なく活用することができる。
本発明のさらに別の側面では、励起光を射出する励起光源をさらに備える。この場合、反射型波長変換部材と励起光源とを一体化した光源ユニットを提供することができる。
実施形態の光源ユニットを含む投影装置を説明する図である。 (A)は、光源ユニットの光照射部等を説明する拡大図であり、(B)は、(A)に示す光照射部に組み込まれた反射型波長変換部材を説明する図である。 (A)は、図2(B)に示す光照射部のうち第1部分等を説明する断面図であり、(B)は、光照射部のうち第2部分等を説明する断面図であり、(C)は、変形例の第1部分等を説明する断面図であり、(D)は、変形例の第2部分等を説明する断面図である。 (A)は、別の変形例の光照射部のうち第1部分等を説明する断面図であり、(B)は、別の変形例における第2部分等を説明する断面図であり、(C)は、さらに別の変形例における第1部分等を説明する断面図であり、(D)は、さらに別の変形例の第2部分等を説明する断面図である。 (A)は、さらに別の変形例の光照射部のうち第1部分等を説明する断面図であり、(B)は、さらに別の変形例における第2部分等を説明する断面図であり、(C)は、さらに別の変形例における第1部分等を説明する断面図であり、(D)は、さらに別の変形例の第2部分等を説明する断面図である。 (A)は、一具体例の光照射部による光線の発散状態を説明する図であり、(B)は、別の具体例の光照射部による光線の発散状態を説明する図である。 (A)は、さらに別の具体例の光照射部による光線の発散状態を説明する図であり、(B)は、さらに別の具体例の光照射部による光線の発散状態を説明する図であり、(C)は、さらに別の具体例の光照射部による光線の発散状態を説明する図である。 (A)は、図3(A)に示す第1部分等からの配光分布を説明する図であり、(B)は、光源からの直接の配光分布を説明する図であり、(C)は、蛍光体からの射出光の配光分布を説明する図であり、(D)は、図3(B)に示すタイプの第2部分等からの配光分布を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る一実施形態の光源ユニットを組み込んだ投影装置について説明する。
図1に示すように、投影装置2は、多様な映像信号に対応する画像の投影を可能にするものであり、光源ユニット10、照明光学系21、偏光ビームスプリッター22、反射型液晶素子23、投影光学系26、及び回路部29を備える。
投影装置2のうち光源ユニット10は、励起光ELとして機能するレーザー光L1を略平行な状態で射出するビーム形成部31と、励起光ELの光路から蛍光光FL等を含む照明光L2の光路を分離する偏光分離素子32と、レーザー光L1の偏光状態を変化させる位相差板33と、レーザー光L1を励起光ELとして被照射体41上に集光するとともに被照射体41からの蛍光光FL等を略平行な光線として取り出すコンデンサーレンズ34と、レーザー光L1から蛍光光FLを生成するとともにレーザー光L1を反射する被照射体41を有する光照射部35とを備える。
なお、詳細は後述するが、光照射部35は、レーザー光L1の照明下で波長変換した蛍光光FLと波長変換しないで反射したレーザー光L1とを、照明光L2として、順次切り替えつつ射出する。具体的には、光照射部35は、その回転又は被照射体41の回転にともなって、照明光L2としての緑色光、赤色光、及び青色光を周期的に切り換えつつ射出する。
照明光学系21は、光源ユニット10から射出された照明光L2の強度を均一化する均一化光学系36と、照明光L2の反射型液晶素子23への入射角度を調整するフィールドレンズ38とを備える。
偏光ビームスプリッター(PBS)22は、偏光方向に応じて光路を分岐する光学素子である。偏光ビームスプリッター22は、一対の直角プリズムを貼り合わせたものであり、貼合わせ面において、一方の直角プリズムの斜面には、光源ユニット10から照明光学系21を経て入射した所定方向の直線偏光である照明光L2を選択的に反射する偏光分離膜からなる偏光分離面22aが形成されている。この偏光ビームスプリッター22により、光源ユニット10から射出された照明光L2を反射し、後述する反射型液晶素子23に入射させることができる。また、この偏光ビームスプリッター22により、反射型液晶素子23で反射された映像光L3を透過させ、投影光学系26に入射させることができる。ここで、偏光分離面22aは、これを基準とするS偏光を反射しP偏光を透過させるものとなっている。
反射型液晶素子23は、映像光L3を形成するための表示パネルすなわち画像表示素子であり、特に空間的に反射率を変化させることによって照明光L2から映像光L3を形成する点でライトバルブ又は空間光変調素子と言える。反射型液晶素子(画像表示素子)23は、板状の電子部品である画像表示パネルからなる。この反射型液晶素子23は、LCOS(liquid crystal on silicon)とも称されるマイクロディスプレイであり、シリコンチップの表面に直接回路が形成され対向基板との間に液晶層を挟み込んだものである。反射型液晶素子23は、液晶層に対し駆動信号に応じた電圧が画素毎に印加されると、液晶分子の配列を変化させることで照明光L2を変調し、反射によって偏光方向を変調した所望の画像を表示するものである。図示のように、偏光分離面22aを基準とするS偏光を照明光L2として反射型液晶素子23に入射させる構成をとる場合、偏光分離面22aを基準とするP偏光が映像光L3として反射される。
投影光学系26は、詳細な説明を省略するが、画像表示素子である反射型液晶素子23から得られる像を拡大してスクリーンその他の被投影体(不図示)に投影する。投影光学系26は、複数のレンズ群及び/又は反射面からなり、一部のレンズ群を光軸SX方向に移動させることにより、フォーカシングや変倍を行わせることができる。
回路部29のうち、映像駆動回路25は、コンピューター等の端末機器を含む種々のコンテンツ・ソース(不図示)から入力された映像信号に基づいて反射型液晶素子23に表示動作を行わせる。光源駆動回路27は、光源ユニット10のビーム形成部31に設けたレーザーアレイ51に点灯動作を行わせて、光照射部35の被照射体41に対してレーザー光L1を照射する。
制御回路28は、映像駆動回路25、光源駆動回路27等の動作を統括的に制御する。制御回路28は、光源駆動回路27を介して光源ユニット10を動作させてこれから照明光L2を射出させるとともに、映像駆動回路25を介して反射型液晶素子23に映像信号に対応する駆動信号を出力し画像の表示動作を行わせる。この際、映像駆動回路25は、駆動部39を介して光照射部35又は被照射体41の回転位置を監視しており、光照射部35の回転に伴って光照射部35から順次射出される青色光、緑色光、及び赤色光に同期させて反射型液晶素子23に各色の表示動作を行わせる。
以下、光源ユニット10の構成要素、機能、動作等について詳細に説明する。
まず、ビーム形成部31は、レーザーアレイ51と、コリメーターアレイであるフライアイ光学系52と、ビーム縮小レンズ53とを含む。ここで、レーザーアレイ51は、光照射部35の被照射体41に組み込まれた蛍光体に対する励起光源であるとともに、被照射体41での反射によって取り出される青色用の照明光源ともなっている。レーザーアレイ(励起光源)51は、青色のレーザー光L1を射出する発光源としてのレーザーダイオード51a(以下、LDとも呼ぶ)を2次元的に配列することによって構成されたものであり、偏光方向の揃った光を射出する。なお、レーザー光L1は、偏光分離素子32を基準とするP偏光の青色光である。フライアイ光学系52は、レーザーアレイ51を構成する多数のLD(発光源)51aに対応して多数のレンズ素子を含む。フライアイ光学系52は、レーザーアレイ51を構成する各LD51aから射出されたレーザー光L1(青色光)を略平行光線とする。ビーム縮小レンズ53は、正及び負レンズを組み合わせたアフォーカル系であり、レーザー光L1を略平行光線のままにしてその光線径を減少させ、所望の断面積を有するレーザー光L1とする。
偏光分離素子32は、平板状の光学素子であり、レーザーアレイ(励起光源)51と光照射部35との光路間であって、ビーム形成部31から位相差板33にかけての光路上或いは位相差板33から均一化光学系36にかけての光路上に配置されて、照明光L2を励起光ELの光路から分離する。より詳細には、偏光分離素子32は、青色光についてはP偏光を透過させるとともにS偏光を選択的に反射する通常の偏光分離ミラーとしての機能と、緑色光及び赤色光を選択的に反射するダイクロイックミラーとしての機能とを有する。偏光分離素子32は、平行平板の片面に誘電体多層膜からなる偏光分離面32aを形成したものであり、P偏光である青色の励起光ELを透過させ、光照射部35から青色光のままで戻る方向に逆進し偏光方向を変えられてS偏光となった青色光を反射して均一化光学系36に導く。また、偏光分離素子32は、励起光ELの照射によって光照射部35で発生し励起光ELに対して戻る方向に逆進する緑色及び赤色の蛍光光FLを偏光方向に関わらず反射して均一化光学系36に導く。なお、偏光分離素子32は、プリズムで構成されたものであってもよい。
位相差板33は、複屈折性の材料からなる1/4波長板である。位相差板33は、偏光分離素子32で反射されたP偏光の励起光ELを透過させてP偏光から円偏光とする。また、位相差板33は、波長変換されず光照射部35の被照射体41から戻ってきた青色光(すなわち励起光ELとして用いられなかったレーザー光L1)を透過させて円偏光からS偏光とする。これにより、位相差板33を経て光照射部35の被照射体41から戻ってきた青色光すなわち励起に利用されなかったレーザー光L1は、偏光分離素子32で殆ど反射され、均一化光学系36に効率的に導かれる。
コンデンサーレンズ34は、偏光分離素子32を透過したレーザー光L1を励起光ELとして光照射部35の被照射体41に設けられた蛍光体に集光する。また、コンデンサーレンズ34は、被照射体41の蛍光体で波長変換によって発生した緑色及び赤色の蛍光光FLを集めて偏光分離素子32に導く。
コンデンサーレンズ34は、光照射部35の被照射体41において蛍光体とは別に設けられた拡散性の反射面で反射されたレーザー光L1すなわち青色光を集めて偏光分離素子32に導く役割も有する。
図2(A)及び2(B)に示すように、光照射部35は、回転軸RXのまわりに回転する部材であり、回転軸RXのまわりに配置される環帯状の被照射体41と、これを支持する共通の支持体42と、この支持体42に支持されて被照射体41を覆う透過型の拡散部材43とを有する。これらのうち被照射体41と支持体42とを組み合わせたものを照射板48と呼ぶ。この照射板48は、反射型波長変換部材又は反射型蛍光体ホイールとして機能し、所定のタイミングでレーザー光L1の照射を受けて波長変換した蛍光光FLを戻る方向に射出するとともに、別のタイミングでレーザー光L1を波長変換することなく反射する。
照射板(反射型波長変換部材)48を構成する被照射体41には、3つに分割した領域である3つの要素部AR1〜AR3が設けられている。被照射体41において、第1要素部AR1は、蛍光体を有し、励起光ELの照射によって緑色波長域の蛍光光FLを形成し、励起光ELに対して逆行するように射出する。第2要素部AR2は、第1要素部AR1とは別の蛍光体を有し、励起光ELの照射によって波長が異なる赤色波長域の蛍光光FLを形成し、励起光ELに対して逆行するように射出する。第3要素部AR3は、元の青色のレーザー光L1をその偏光状態を略維持しつつも所定以上に拡散させて反射する。
図2(A)に示す拡散部材43は、アレイ状の微細な凹凸を有する光透過性の板材であり、被照射体41の近接した上方に被照射体41に対向して配置されている。この拡散部材43は、第1〜第3要素部AR1〜AR3に入射するレーザー光L1又は励起光ELと、第1〜第3要素部AR1〜AR3から波長変換されないで反射された戻り光であるレーザー光L1等を散乱する。これにより、光照射部35から照明光学系21に供給される照明光L2(特にレーザー光L1)の拡散状態をより良好な状態に調整することができる。
図1に戻って、ビーム形成部31から射出され偏光分離素子32を通過したレーザー光L1は、励起光ELとして光照射部35の被照射体41のうち第1要素部AR1や第2要素部AR2に入射した場合、緑色や赤色の蛍光光FLすなわち照明光L2を発生する。また、ビーム形成部31から射出され偏光分離素子32を通過したレーザー光L1は、光照射部35の被照射体41のうち第3要素部AR3に入射した場合、そのまま青色の照明光L2として反射される。つまり、照明光L2には、レーザー光L1から得た緑色及び赤色の蛍光光FLのほかに、レーザー光L1自体である青色光が含まれる。
以上において、第1及び第2要素部AR1,AR2は、励起光ELの照射を受けて波長変換した蛍光光FLを戻る方向に射出する第1部分として機能し、第3要素部AR3は、励起光ELを波長変換することなく反射する第2部分として機能している。
なお、詳細な説明を省略するが、図1に示す均一化光学系36は、偏光分離素子32を通過した照明光L2を集光する集光レンズ36aと、集光レンズ36aからの照明光L2を一端で受けて均一な強度分布の光線束として他端から射出させる導光ロッド36bとを有する。フィールドレンズ38は、図示の例では複数のレンズで構成され、導光ロッド36bの他端から射出される照明光L2が適度の収束角又は発散角で反射型液晶素子23に入射するように調整する。
図3(A)及び3(B)は、同一の光照射部35における異なる2箇所を説明する一組の部分拡大断面図である。一方の図3(A)は、光照射部35のうち、蛍光光FLを射出する第1部分である緑色用の第1要素部AR1及びその周辺を説明する断面図であり、他方の図3(B)は、光照射部35のうち、レーザー光L1を波長変換することなく反射する第2部分である青色用の第3要素部AR3及びその周辺を説明する断面図である。
図3(A)及び3(B)において共通して存在する拡散部材43は、緑色用の第1要素部AR1及び青色用の第3要素部AR3のほか、不図示の赤色用の第2要素部AR2に近接した状態でこれに対向し、これら要素部AR1〜AR3を覆うように配置されている。この拡散部材43は、通過光の配光状態を変更する配光変更部である。拡散部材(配光変更部)43は、第1及び第3要素部AR1,AR3等に入射するレーザー光L1又は励起光ELと、第1及び第3要素部AR1,AR3等からの蛍光光FL又は戻り光とを通過させるとともに、通過するレーザー光L1や蛍光光FLの射出方向を修正する。拡散部材43は、光透過性を有する材料で形成された薄板であり、平板状の基板81と、基板81の表面81a側に形成された凹凸構造82とを有する。凹凸構造82は、微細な凹凸である微細な立体形状を有する。図示の例では、凹凸構造82は、球面状で微細な多数の凸面82aを有し、基板81の元の平面である表面81aは殆ど露出していない。この場合、凹凸構造82を構成する多数の凸面82aは、同一の形状を有し2次元周期的に配列されているが、凸面82aの形状は、凸の球面に限らず様々な形状とできるだけでなく、配置ごとに不規則に変化させることができ、凸面82aの配列周期も不規則に変動させることができる。また、基板81の元の平面である表面81aは、必ずしも露出させる必要はなく、凸面82aの面積的な占有率も、用途に応じて適宜設定することができる。
図3(A)中で、拡散部材(配光変更部)43に対して紙面上で下側に配置された緑色用の第1要素部AR1は、照射板(反射型波長変換部材)48の一部であり、層状の蛍光体として、共通の支持体42の表面42aに接着等よって支持・固定された蛍光体層71を有する。後述する拡散部材43を介して第1要素部AR1に入射した励起光ELは、支持体42上の蛍光体層71中の蛍光物質によって蛍光光FLに変換され、比較的一様に拡散された状態で反対方向に射出される。より詳細には、蛍光体層(蛍光体)71は、これに入射した青色の励起光EL又はレーザー光L1によって励起されて緑色の蛍光光FLを生成し戻る方向である拡散部材43側に射出する。なお、蛍光体層71自体は、指向性のない蛍光光FLを生成するが、支持体42の表面42aが鏡面になっており、蛍光体層71から背後の支持体42側に射出された蛍光光FLも反射され、蛍光体層71から支持体42の反対側に射出された蛍光光FLとともに前方の拡散部材43側に射出される。
なお、赤色用の第2要素部AR2(図2(B)参照)は、緑色用の第1要素部AR1と同一の構造を有し蛍光体層71を構成する蛍光物質が異なるだけであるので、説明を省略する。第2要素部AR2の蛍光体層(蛍光体)71は、これに入射した青色のレーザー光L1によって励起されて赤色の蛍光光FLを生成し、戻る方向である拡散部材43側に射出する。
図3(B)中で、拡散部材(配光変更部)43に対して紙面上で下側に配置された青色用の第3要素部AR3は、照射板(反射型波長変換部材)48の一部であり、ここに入射したレーザー光L1の偏光状態を略維持したままで反射し、照明光L2として拡散部材43を介して偏光分離素子32に戻す働きを有する。第3要素部AR3は、共通の支持体42の表面42aを利用したミラーである。ここで、支持体42は、金属材料製又は樹脂の表面に金属、誘電体多層膜等をコートしたものであり、第3要素部AR3に入射したレーザー光L1を波長変換することなく効率よく反射する。この際、反射されたレーザー光L1つまり照明光L2の偏光状態は略元の円偏光の状態のままに維持される。
なお、支持体42の表面42a上に微細な凹凸である微細な立体形状を刻設することもできる。この場合、第2部分である第3要素部AR3は、微細な立体形状を有するものとなる。第3要素部AR3が微細な立体形状を有する場合、ここで反射されるレーザー光L1を適度に拡散させ偏光状態を略維持したままで拡散部材43側に射出する。このようにレーザー光L1を拡散させることにより、青色のレーザー光L1を発散させることができ、スペックルを低減する効果がある。図示の例では、支持体42の表面42aに、微細な立体形状として球面状で微細な多数の凹面73が形成され、支持体42の元の平面である表面42aは殆ど残っていない。凹面73も、表面42aと同様に平滑な鏡面である。図示の場合、第3要素部AR3を構成する多数の凹面73は、同一の形状を有し2次元周期的に配列されているが、凹面73の形状は、凹の球面に限らず様々な形状とできるだけでなく、配置ごとに不規則に変化させることができ、凹面73の配列周期も、不規則に変動させることができる。また、支持体42の元の平面である表面42aは、必ずしも残す必要はなく、凹面73の面積的な占有率も、用途に応じて適宜設定することができる。
以上から明らかなように、光照射部35において、拡散部材43が第1〜第3要素部AR1〜AR3に対向する3つの領域で同一の形状及び構造を有するのに対し、第1〜第3要素部AR1〜AR3は、各領域で異なる構造、機能等を有する。
特に図3(A)及び3(B)を比較すると、第1要素部AR1と第3要素部AR3とでは、共通の支持体42の表面42aから共通の拡散部材(配光変更部)43までの距離が異なったものとなっている。つまり、第3要素部AR3及びこれに対向する拡散部材43に対応する第2領域の光路長は、第1要素部AR1及びこれに対向する拡散部材43に対応する第1領域の光路長に対して異なるように調整されている。見方を変えれば、第3要素部AR3等を含む第2領域における支持体42の光路方向又は光軸SX方向の位置は、第1要素部AR1等を含む第1領域における支持体42の光路方向又は光軸SX方向の位置と異なっている。
具体的には、図3(A)に示す第1要素部AR1について、共通の支持体42の表面42aから共通の拡散部材43の裏面81rまでの距離をd1とし、図3(B)に示す第3要素部AR3について、共通の支持体42の表面42aから共通の拡散部材43の裏面81rまでの距離をd2とした場合、後者の距離d2は、前者の距離d1よりも調整量V1だけ減少したものとなっている。図3(B)に示すように第3要素部AR3に対応する光照射部35において、支持体42から拡散部材43までの距離d2を調整量V1だけ減少させている部分又は状態を、本明細書では拡散調整部60と呼ぶ。拡散調整部60は、第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された蛍光光FL又は戻り光と、第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていないレーザー光L1又は励起光ELとの拡散状態を近づけ或いは揃える役割を有する。つまり、第3要素部AR3からのレーザー光L1は、支持体42の表面42aが平坦な場合は殆ど拡散せず、凹面73のような微細な立体形状を形成しても所望の程度に均一に拡散させることは容易でない。そこで、第3要素部AR3に関連して、支持体42から拡散部材43までの距離d2を第1要素部AR1における距離d1と異なるものとすることにより、拡散部材43でのレーザー光L1の拡散を適度に増加させることができ、第3要素部AR3から拡散部材43を経て取り出されるレーザー光L1の拡散状態と、第1要素部AR1から拡散部材43を経て取り出される蛍光光FLの拡散状態とを相対的に近づけることができる。
なお、以上では、第2要素部AR2ついての詳細な説明を省略したが、第2要素部AR2は、屈折率差を考慮した差異はあるものの第1要素部AR1と実施的に同様の構造を有する。以下の説明では、特に断らない限り第2要素部AR2は第1要素部AR1と同様又は類似の構造を有しているとして、重複する説明を省略する。
図3(C)及び3(D)は、図3(A)及び3(B)に示した光照射部35についての変形例を説明する断面図である。
この場合、図3(D)示す第3要素部AR3又は第2部分における支持体42から拡散部材43までの距離d2は、図3(C)示す第1要素部AR1又は第1部分における支持体42から拡散部材43までの距離d1よりも、調整量V2だけ増加している。つまり、この変形例の拡散調整部60は、第3要素部AR3側で支持体42及び拡散部材43間の距離d2を相対的に増加させることで、第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された蛍光光FLの拡散状態に対して、第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていないレーザー光L1の拡散状態を近づけ或いは揃えている。
なお、第1部分側における距離d1に対しての、第2部分側における距離d2の上記のような調整量V1,V2の具体的な値は、拡散部材43を構成する微細な立体形状の具的的な形状等の光学的なパラメーターに応じて適宜設定される。
また、図3(D)に示す支持体42の表面42aは、平坦にすることができ、この表面42aに、凹面73その他の微細な立体形状を形成することもできる。
以上の説明では、第1要素部AR1側と第3要素部AR3側とで支持体42の光路方向の位置に相違を設けているが、支持体42ではなく拡散部材43について光路方向の位置に相違を設けることもできる。この場合、第3要素部AR3等を含む第2領域における拡散部材(配光変更部)43の光路方向又は光軸SX方向の位置が、第1要素部AR1等を含む第1領域における拡散部材(配光変更部)43の光路方向又は光軸SX方向の位置と異なるものとなる。
図4(A)及び4(B)は、図3(A)及び3(B)に示した光照射部35についての別の変形例を説明する断面図である。
この場合、拡散部材43のうち図4(B)示す第3要素部AR3に対向する部分における基板81は、図4(A)示す第1要素部AR1に対向する部分の基板81よりも厚くなっている。つまり、第3要素部AR3等を含む第2領域における拡散部材(配光変更部)43の厚みと、第1要素部AR1等を含む第1領域における拡散部材(配光変更部)43の厚みとは、異なるものとなっている。具体的には、図4(B)示す第3要素部AR3又は第2部分に対向する拡散部材43の基板81の厚みt2は、図4(A)示す第1要素部AR1又は第1部分に対向する拡散部材43の基板81の厚みt1よりも、Δtだけ厚くなっている。つまり、この変形例の拡散調整部60は、第3要素部AR3側で拡散部材43の基板81の厚みt2を相対的に増加させることで、第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された蛍光光FLと、第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていないレーザー光L1との拡散状態を近づけ或いは揃えている。
なお、第1部分側にける基板81の厚みt1に対しての、第2部分側における基板81の厚みt2の上記のような変化量Δtの具体的な値は、拡散部材43を構成する微細な立体形状の具体的な形状等の光学的なパラメーターに応じて適宜設定され、正の値のみならず負の値とすることができる。
また、図4(B)に示す支持体42の表面42aは、平坦であるが、この表面42aに、凹面その他の微細な立体形状を形成することができる。
図4(C)及び4(D)は、図3(A)及び3(B)に示した光照射部35のさらに別の変形例を説明する断面図である。
この場合、図4(B)示す第3要素部AR3において、共通の支持体42の表面42a上に光学的補償部材として屈折率調整層66が設けられている。この変形例の場合、屈折率調整層66が拡散調整部60として機能する。この屈折率調整層66は、空気や蛍光体層71の屈折率とは異なる屈折率を有しており、表面42a上に接着されている。屈折率調整層66は、第3要素部AR3において、共通の支持体42の表面42aから共通の拡散部材43の裏面81rまでの距離を保ったまま光路長を変化させる役割を有する。つまり、拡散調整部60は、第1要素部AR1を含む第1領域と第3要素部AR3を含む第2領域とで、対応箇所において屈折率が異なる材料を用いたものとなっている。結果的に、拡散調整部60である屈折率調整層66は、第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された蛍光光FLと、第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていないレーザー光L1との拡散状態を近づけ或いは揃える役割を有する。
なお、第3要素部AR3又は第2部分側に屈折率調整層66を設けるだけでなく、図3(B)に示すように支持体42及び拡散部材43間の距離についても、第1及び第2部分間で差を設けることができる。さらに、図4(B)に示すように拡散部材43の基板81の厚みについて、第1及び第2部分間で差を設けることができる。
図5(A)及び5(B)は、図3(A)及び3(B)に示した光照射部35のさらに別の変形例を説明する断面図である。
この場合、拡散部材43のうち図5(B)示す第3要素部AR3に対向する部分に設けた凹凸構造82の形状は、図5(A)示す第1要素部AR1に対向する部分に設けた凹凸構造82の形状と異なっている。具体的には、図5(B)示す第3要素部AR3又は第2部分に対応する拡散部材43に設けた凹凸構造82の凸面82aの形状は、比較的尖ったものとなっており、図5(A)示す第3要素部AR3又は第2部分に対応する拡散部材43に設けた凹凸構造82の凸面82aのように球状となっていない。つまり、この変形例の拡散調整部60は、第1要素部AR1及び第3要素部AR3間で拡散部材43に設けた凹凸構造82の凸面82aの形状に差を設けることによって実現される。このような拡散調整部60によっても、第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された蛍光光FLと、第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていないレーザー光L1との拡散状態を近づけ或いは揃えることができる。
以上では、第1要素部AR1に対向する拡散部材43に設けた凹凸構造82の面形状と、第3要素部AR3に対向する拡散部材43に設けた凹凸構造82の面形状とを異なるものとしているが、その面形状の相違は、球面、円錐面、角錐面、楕円面といった形状の相違に限らず、曲率半径の違いといったサイズの違いを含み、配列のピッチといった配列密度の相違等を含む。
なお、図5(B)に示す支持体42の表面42aは、平坦であるが、この表面42aに、凹面その他の微細な立体形状を形成することができる。
図5(C)及び5(D)は、図3(A)及び3(B)に示した光照射部35のさらに別の変形例を説明する断面図である。
この場合、図5(D)示す第3要素部AR3において、共通の支持体42の表面42a上に光散乱部材として光散乱層67が設けられている。この変形例の場合、光散乱層67が拡散調整部60として機能する。この光散乱層(光散乱部材)67は、プラスチックその他の光透過性を有する材料中に屈折率が異なるガラスその他の微小散乱体を混合して均一に分散させたものであり、表面42a上に接着されている。光散乱層67中の微小散乱体は、入射したレーザー光L1を一部透過させつつも均一に散乱させる役割を有する。さらに、支持体42の表面42aがミラーとして機能する。これにより、第3要素部AR3は、ここに入射したレーザー光L1を反射するとともに反射されたレーザー光L1をその偏光状態を維持しつつ適度に拡散させることができる。つまり、拡散調整部60である光散乱層67は、第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された蛍光光FLと、第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていないレーザー光L1との拡散状態を近づけ或いは揃える役割を有する。
詳細な説明を省略するが、図3(B)、4(B)、4(D)、5(B)及び5(D)に例示する拡散調整部60を2つ以上組み合わせて用いることもできる。
図6(A)及び6(B)は、具体的な光照射部35についてシミュレーションを行った結果を示しており、第2部分としての第3要素部AR3と透過型の拡散部材43とによる光線の拡散を説明する図である。
図6(A)において、拡散部材43には、凹凸構造82として、一定のピッチで非球面の凸面82aが設けられている。図示を省略するが、凸面82aは、千鳥配置で紙面に垂直な方向にも配列されている。なお、基板81の厚みは0.03mmである。支持体42の表面42aには、微細な立体形状として多数の球面状の凹面73が形成されている。凹面73は、千鳥配置で紙面に垂直な方向にも配列され、この凹面73の曲率半径は0.08mmで、深さは0.03mmである。凹面73は、拡散部材43の凸面82aと同一のピッチで配列されている。支持体42と拡散部材43との間隔は0.02mmであり、これらの間に0.02mmの空気層が形成されていることになる。そして、拡散部材43には、コリメートされたレーザー光L1が入射し、光照射部35の対向箇所には、集光した状態でレーザー光L1が入射している。
図6(B)の場合、図6(A)の状態に対して支持体42と拡散部材43との間隔のみを変更している。具体的には、図6(B)の場合、支持体42と拡散部材43との間隔は0mmであり、これらの間に空気層が存在しない。なお、凹凸構造82の曲率半径や基板81の厚みには変更がない。また、支持体42の凹面73の曲率半径や深さにも変更がない。
以上の図6(A)及び6(B)から明らかなように、支持体42と拡散部材43との間隔の調整によってレーザー光L1の拡散状態を変化せ得ることが分かる。なお、図6(A)又は6(B)の状態は、図3(B)の状態に対応しており、距離d2の調整によって、第3要素部AR3から拡散部材43を経て取り出されるレーザー光L1の拡散状態と、第1要素部AR1から拡散部材43を経て取り出される蛍光光FLの拡散状態とを相対的に近づけ得ることが分かる。
図7(A)は、図6(A)の状態に対して拡散部材43の基板81の厚みのみを変更している。具体的には、図7(A)の場合、基板81の厚みが0.01mmであり、図6(A)における基板81の厚みが0.03mmであるので、図7(A)に示す拡散部材43の基板81の厚みは相対的に薄くなっている。図6(A)と比較すると明らかなように、拡散部材43の基板81の厚みの調整によってレーザー光L1の拡散状態を変化させ得ることが分かる。なお、図7(A)の状態は、図4(B)の状態に対応している。
図7(B)は、図6(A)の状態に対して支持体42と拡散部材43との間に空気以外の光透過性を有する屈折率媒体である屈折率調整層66を配置している。この屈折率調整層66の屈折率は1.5である。つまり、図7(B)の場合、支持体42と拡散部材43との間の媒質の屈折率が図6(A)の1から1.5に増加したことになる。図6(A)と比較すると明らかなように、支持体42と拡散部材43との屈折率の調整によってレーザー光L1の拡散状態を変化させ得ることが分かる。なお、図7(B)の状態は、図4(D)の状態に対応している。
図7(C)は、支持体42の表面42a上に凹面73を形成する代わりに光散乱層67を設けたものとなっている。光散乱層67中には、直径15μmのガラスビーズが74%の密度で分散する。図6(A)と比較すると明らかなように、光散乱層67を設けることによってレーザー光L1の拡散状態を変化させ得ることが分かる。なお、図7(C)の状態は、図5(D)の状態に対応している。
図8(A)〜8(C)は、光照射部35による配光分布を説明する図であり、紙面上側の90°の方向が光軸SXに沿った正面方向を意味し、中心点Oから曲線までの間隔が照度を示している。
図8(A)は、光照射部35の第1要素部AR1から拡散部材43を経て射出された照明光L2の配光特性を示している。この場合、正面方向に強いがその周囲にもある程度の広がりを有する配光であることが分かる。図8(B)は、光源からの直接の配向特性である。この場合、正面方向のみに射出され極めて指向性が高い配光であることが分かる。図8(C)は、拡散部材43を省略した光照射部35の第1要素部AR1から拡散部材43を経ることなく射出された照明光L2の配光特性を示している。この場合、周囲に均等に拡散して射出され指向性のないランバーシャン型の配光であることが分かる。図8(D)は、光照射部35の第3要素部AR3が平坦な表面42aのみであった場合であって、拡散部材43が表面42aから適度に離れた場合に相当する。この場合、正面方向に強いがその周囲にもある程度の広がりを有する配光であることが分かる。
つまり、図8(D)に示すような光照射部35の第3要素部AR3から射出される青色の照明光L2の配光特性は、図8(A)に示すような光照射部35の第1要素部AR1から射出される緑色の照明光L2の配向特性と近似したものとなっている。結果的に、波長変換した緑色の照明光L2と、波長変換していない戻り光である青色の照明光L2とを同様の拡散状態にすることができ、光路の共通化が容易になる。
なお、例えば光照射板35により波長変換され拡散部材43を通過した照明光L2の配光の半値全角と、光照射板35により波長変換されないで拡散部材43を通過した青色の照明光L2の配光の半値全角との差が±10度以内である場合、波長変換した緑色光と波長変換していない青色光とが同様の拡散状態となっているといえる。具体的には、波長変換された蛍光光の拡散角が±30°(つまり全角又は広がり角60°)で、波長変換していない元のレーザー光の拡散角が±25〜35°(つまり全角又は広がり50°〜70°)であれば、同様の拡散状態が確保されているということができ、コンデンサーレンズ34等を経ても同様の光束径とすることができる。
以上の実施形態で説明した光源ユニット10では、照射板(反射型波長変換部材)48を用いているので、波長変換した光(蛍光光FL)と波長変換していない光(レーザー光L1)とを同一方向に折り返すように取り出すことができる。さらに、拡散調整部60が第1部分に相当する第1要素部AR1を経て波長変換された光(蛍光光FL)と第2部分に相当する第3要素部AR3を経て波長変換されていない光(レーザー光L1)との拡散状態を近づけるので、光路の共通化が容易になるとともに、光の無駄を低減することができる。結果的に、光学的レイアウトの自由度を高めて、光源ユニットや投影装置の小型化を達成することができる。
以上では、具体的な実施形態の光源ユニットについて説明したが、本発明に係る光源ユニットは、上記のものには限られない。例えば、光源ユニット10、照明光学系21、投影光学系26等の具体的な構成は、図示のものに限らず用途等に応じて適宜変更することができる。また、本発明の光源ユニットは、上記投影装置2に限らず、様々な光学系に組み込むことができる。
また、投影装置2において、画像表示素子として、反射型液晶素子23に代えてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いることができる。この場合、偏光ビームスプリッター22に代えてDMDに照明光を入射させ、DMDからの反射光を投影光学系26に導くプリズムを配置すればよい。さらに、画像表示素子として、反射型液晶素子23に代えて透過型の液晶素子又は液晶パネルを用いてもよい。
ビーム形成部31において、レーザーアレイ51に代えてLEDアレイを用いることもできるが、この際、LEDアレイからの光の偏光方向を偏光分離素子32への入射前に揃えることが望ましい。
上記実施形態では、光照射部35の被照射体41で緑色及び赤色の蛍光光FLを発生させているが、被照射体41で緑色の蛍光光FLのみを発生させることができる。この場合において、3原色の表示を可能にするには、図1の光学系において、例えばダイクロイックミラー等を適所に組み込んで赤色光を照明光L2の光路に導くことができ、或いは偏光分離素子32を挟んで均一化光学系36の反対側に赤色の光源を配置するとともに偏光分離素子32の光学特性を変更し、赤色光を偏光分離素子32で透過させて照明光L2の光路に導くことができる。
反射型液晶素子23は、偏光ビームスプリッター22の反射特性の切り換えや光源ユニット10に対する配置関係の変更によって、偏光ビームスプリッター22を挟んでフィールドレンズ38の反対側に配置することができる。この場合、偏光ビームスプリッター22により、光源ユニット10から射出された照明光L2を透過させ、反射型液晶素子23に入射させることができるとともに、反射型液晶素子23で反射された映像光L3を反射させ、投影光学系26に入射させることができる。
AR1-AR3…要素部、 EL…励起光、 FL…蛍光光、 L1…レーザー光、 L2…照明光、 SX…光軸、 2…投影装置、 10…光源ユニット、 21…照明光学系、 22…偏光ビームスプリッター、 23…反射型液晶素子、 29…回路部、 31…ビーム形成部、 32…偏光分離素子、 35…光照射部、 36…均一化光学系、 39…駆動部、 41…被照射体、 42…支持体、 42a…表面、 43…拡散部材、 48…照射板、 60…拡散調整部、 66…屈折率調整層、 67…光散乱層、 71…蛍光体層、 81…基板、 81a…表面、 82…凹凸構造

Claims (10)

  1. 励起光の照射を受けて波長変換した光を戻る方向に射出する第1部分と、励起光を波長変換することなく反射する第2部分とを有する反射型波長変換部材と、
    前記反射型波長変換部材に対向して前記第1及び第2部分を覆うように配置され、前記第1及び第2部分に入射する励起光と前記第1及び第2部分からの戻り光とを通過させる配光変更部と、
    前記第1部分を経て波長変換された光と前記第2部分を経て波長変換されていない光との拡散状態を近づける拡散調整部と、を備えることを特徴とする光源ユニット。
  2. 前記拡散調整部は、拡散状態を近づけるため、前記第1部分に対応する第1領域での光路長に対して、前記第2部分に対応する第2領域での光路長を調整することを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
  3. 前記拡散調整部は、前記第1及び第2部分に共通する支持体のち前記第2部分における支持体の光路方向の位置を、前記第1部分における支持体の光路方向の位置と異なるものとすることを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。
  4. 前記拡散調整部は、前記第2部分に対応する第2領域における前記配光変更部の光路方向の位置を、前記第1部分に対応する第1領域における前記配光変更部の光路方向の位置と異なるものとすることを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。
  5. 前記拡散調整部は、前記第2部分に対応する第2領域における前記配光変更部の厚みを、前記第1部分に対応する第1領域における前記配光変更部の厚みと異なるものとすることを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。
  6. 前記拡散調整部は、前記第1部分に対応する第1領域と前記第2部分に対応する第2領域とで対応箇所に屈折率が異なる材料を用いていることを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。
  7. 前記拡散調整部は、前記第2部分に対応する第2領域における前記配光変更部の面形状を、前記第1部分に対応する第1領域における前記配光変更部の面形状と異なるものとすることによって拡散状態を近づけることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
  8. 前記拡散調整部は、前記第2部分に、散乱体を含む光散乱部材を有することによって拡散状態を近づけることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
  9. 前記第2部分は、前記第1部分と共通する支持体の表面上に刻設された微細な立体形状を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光源ユニット。
  10. 前記励起光を射出する励起光源をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源ユニット。
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