JP2017181542A - ヒータおよび定着装置 - Google Patents

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亮 八代
Akira Yashiro
亮 八代
中山 敏則
Toshinori Nakayama
敏則 中山
原 伸明
Nobuaki Hara
伸明 原
政行 玉木
Masayuki Tamaki
政行 玉木
悠介 山口
Yusuke Yamaguchi
悠介 山口
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Abstract

【課題】シートの幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であり、且つ、長手方向における発熱量が均一なヒータを提供することを目的とする。【解決手段】抵抗発熱体と配線層の接触部分の抵抗を連続的に小さく、抵抗発熱体と共通導体路の接続部分の抵抗を連続的に大きくすることで、抵抗発熱体から電流が流出入する際に部分的に電流密度が集中するのを緩和し、抵抗発熱体と配線層の接触部分に異常昇温を生じることを防止できる。【選択図】図1

Description

本発明はシート上(記録材上)のトナー画像を加熱するために用いられるヒータ、および、これを備える定着装置に関するものである。本発明のヒータおよび定着装置は複写機、プリンタ、ファックス、これらの機能を複数備える複合機等の画像形成装置に用いられ得る。
従来から画像形成装置ではシート上にトナー像を形成した後に、定着装置で加熱および加圧を施すことで、シート上にトナー像を定着させる方式が一般的に用いられている。一方、近年の省エネルギーおよびクイックスタートの要望に対して、薄肉ベルトの内面にヒータを当接させ、ベルトを加熱する方式の定着装置が提案されている(特許文献1)。
また、特許文献1にはシートの幅サイズに応じてヒータが発熱する領域を変更する構成が開示されている。図9は特許文献1に記載の定着装置におけるヒータ1006の回路図である。
このヒータ1006は電極1027(1027a〜1027f)を基板1021の長手方向に並べて配置し、各電極から抵抗発熱層(抵抗発熱体、発熱抵抗体)1025(1025a〜1025e)に通電することで抵抗発熱層1025を発熱させている。また、このヒータ1006は各電極が基板上に形成された配線層1029(1029a、1029b)に接続されている。詳細には、電極1027bと電極1027dに接続される配線層1029bは基板の長手方向一端へと延びている。電極1027cと電極1027eに接続された配線層1029aは基板の長手方向他端へと延びている。
更に、基板の長手方向の一端において、電極1027aと配線層1029bはそれぞれ配線部材に接続可能となっており、基板の長手方向の他端において、電極1027fと配線層1029aはそれぞれ配線部材に接続可能となっている。基板の長手方向両端部では各配線を保護する為の絶縁層が設けられておらず、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fが露出した状態となっている。そのため、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fの露出した部位に配線部材が接触することで、抵抗発熱層1025は電源供給回路に接続される。
電源供給回路は交流電源とスイッチ1033(1033a、1033b、1033c、1033d)を備えており、スイッチ1033のオン、オフによって各配線の接続パターンを変えることができる。つまり、配線層1029a、1029bは電源供給回路内の接続パターンに応じて電源端子1031a側か電源端子1031b側のいずれかに接続され、シートの幅サイズに応じて抵抗発熱層1025の発熱領域を変えている。
例えば、図9の(a)のように、スイッチ1033aと1033bがオン、スイッチ1033cと1033dがオフの接続パターンの場合には、抵抗発熱層1025a〜1025eの全てが発熱する。(b)のように、スイッチ1033aと1033bがオフ、スイッチ1033cと1033dがオンの接続パターンの場合には、抵抗発熱層1025b・1025c・1025dが発熱する。
特開2012−37613号公報
ところで、特許文献1においては配線層および電極に用いる材料の特性、抵抗値等は記載されていないが、一般的に同様な構成のヒータで用いる配線層としては抵抗率が低い材料である銀、若しくは銀とパラジウムを混合したものが使用される。定着装置で用いられるヒータは定着装置の小型化に対する要望から、ヒータの小型化の要求されるため、配線層の幅として1mm未満の幅が要求される。
それ故、抵抗発熱体に給電し加熱する際に、配線層から抵抗発熱体に電流が流入する箇所および、抵抗発熱体から配線−に電流が流出する箇所において、最も抵抗の低い電流パスに部分的に電流密度が集中してしまう。そのため、抵抗発熱体と配線層および共通導体路の接続部分が部分的に異常昇温してしまうという課題がある。
そこで、本発明の目的は、シートの幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であり、且つ、抵抗発熱体と配線層および共通導体路の接続部分が部分的に異常昇温してしまうことを抑制できるヒータを提供ことである。
(1)上記の目的を達成するための本発明に係るヒータの代表的な構成は、シート上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、細長い基板と、前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、前記基板に設けられている共通電極と、前記共通電極から延在している共通導体路と、前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記抵抗発熱体から電流が流出する共通分岐路と、前記基板に設けられている複数の対向電極と、前記複数の対向電極からそれぞれ延在している対向導体路と、前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分しており前記対向電極から前記対向導体路を介して前記前記抵抗発熱体に電流が流入する対向分岐路と、を有し、前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の対向電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、前記抵抗発熱体の領域における前記対向分岐路の抵抗が発熱体に近づくにつれて小さくなることを特徴とする。
(2)上記の目的を達成するための本発明に係るヒータの他の代表的な構成は、シート上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、細長い基板と、前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、前記基板に設けられている共通電極と、前記共通電極から延在している共通導体路と、前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記抵抗発熱体から電流が流出する共通分岐路と、前記基板に設けられている複数の対向電極と、前記複数の対向電極からそれぞれ延在している対向導体路と、前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分しており前記対向電極から前記対向導体路を介して前記前記抵抗発熱体に電流が流入する対向分岐路と、を有し、前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の対向電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、前記共通分岐路の前記抵抗発熱体の領域における抵抗が発熱体から遠ざかるにつれて大きくなることを特徴とする。
(3)上記の目的を達成するための本発明に係るヒータの更に他の代表的な構成は、シート上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、細長い基板と、前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、前記基板に設けられている共通電極と、前記共通電極から延在している共通導体路と、前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記抵抗発熱体から電流が流出する共通分岐路と、前記基板に設けられている複数の対向電極と、前記複数の対向電極からそれぞれ延在している対向導体路と、前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分しており前記対向電極から前記対向導体路を介して前記前記抵抗発熱体に電流が流入する対向分岐路と、を有し、前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の対向電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、前記対向分岐路が前記対向導体路から分岐する領域の抵抗が前記対向分岐路の前記抵抗発熱体の領域における抵抗よりも小さくなることを特徴とする。
本発明によれば、シートの幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であり、且つ、抵抗発熱体と配線層および共通導体路の接続部分が部分的に異常昇温してしまうことを抑制できるヒータを提供することができる。
(a)は実施例1のヒータ構成の要部の模式図、(b)は実施例2のヒータ構成の要部の模式図、(c)は実施例1と実施例2において、ヒータに給電を行った際のヒータ上の発熱分布図 実施例のヒータの基本的構成を示した模式図 ヒータに対する給電系統図 ヒータの発熱方式および発熱領域の切り替え方式を説明模式図 ヒータの異常昇温の課題を説明するための模式図 (a)は実施例の定着装置の要部の横断面模式図、(b)は定着ベルトの層構成模式図 定着装置の要部の途中部分省略の縦断正面模式図 実施例における画像形成装置の概略断面図 従来例のヒータ回路図
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。尚、以下の実施例では画像形成装置として電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタを例に説明する。
《実施例1》
[画像形成装置]
図8は本実施例におけるプリンタ1の概略断面図である。このプリンタ1は、タンデム方式−中間転写方式のフルカラープリンタであり、イエロ(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(Bk)色のトナー像を形成する4つの画像形成部UY、UM、UC、UBkを有する。
各画像形成部は、それぞれ、感光ドラム2、帯電器3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写帯電器6、ドラムクリーナ7を有する。なお、図の煩雑を避けるため画像形成部UY以外の画像形成部UM、UC、UBkにおけるこれらの機器に対する符号の記入は省略した。また、これら画像形成部の電子写真プロセスや作像動作は公知であるからその説明は割愛する。
各画像形成部のドラム2から回動する中間転写ベルト8に対して各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト8上に4色重畳のトナー像が形成される。一方、カセット9又は10、或いは手差しトレイ11からシート(記録材)Pが一枚宛給送されて搬送路12を通って所定の制御タイミングでベルト8と二次転写ローラ13との圧接部である二次転写ニップ部に導入される。これにより、シートPに対してベルト8上の4色重畳のトナー像が一括して二次転写される。そのシートPが定着装置40に導入されてトナー像の定着処理を受ける。
定着装置40を出たシートPは片面画像形成モードの場合はフラッパ14の制御により搬送路15の側に誘導されて排出トレイ16上にフェイスダウンで排出される。或いは、搬送路17の側に誘導されて排出トレイ18上にフェイスアップで排出される。
両面画像形成モードの場合は、定着装置40を出たシートPはフラッパ14の制御により搬送路15の側に一旦誘導された後にスイッチバック搬送されて両面搬送路19の側に導入される。そして、表裏反転された状態で再び搬送路12を通って二次転写ニップ部に導入されて他方の面にトナー像が形成される。以後は、片面画像形成の場合と同様に定着装置40に導入され、排出トレイ16又は18に両面画像形成物として排出される。
なお、本実施例のプリンタ1においては、大小各種幅サイズのシートPの搬送は、シート幅中心の所謂中央基準でなされる。以下において、装置に使用可能な最大幅サイズのシートを大サイズシート、それよりも幅狭のシートを小サイズシートと記す。
[定着装置]
次に、本実施例における定着装置40について説明する。図6の(a)は定着装置40の要部の横断面模式図、(b)は定着ベルトの層構成模式図である。図7は定着装置40の要部の途中部分省略の縦断正面模式図である。定着装置40の正面はシート導入側から見た面である。
この定着装置40はベルト加熱方式の画像加熱装置であり、大別して、シート上の画像を加熱するベルトユニット60と対向部材(ニップ形成部材)としての弾性加圧ローラ70と、これらを収容している装置筐体41と、を有する。
ベルトユニット60は可撓性を有する薄肉の定着ベルト(伝熱部材:エンドレスベルト、以下、ベルトと記す)603をベルト内面に接触するヒータ600により加熱する構成である。そのため、ベルト603を効率良く加熱でき、立ち上げ性能に優れる。ベルト603にはヒータ600と加圧ローラ70の加圧によりニップ部(定着ニップ部)Nが形成され、ニップ部Nに給送されたシートPを挟持搬送する。この時、ヒータ600で発生した熱はベルト603を介してシートPに付与され、シートP上のトナー画像TはシートPに定着される。
ベルトユニット60はシートP上の画像を加熱、加圧する為のユニットであり、加圧ローラ70とほぼ平行となるように設けられ、ヒータ600、ヒータホルダ601、支持ステー602、ベルト603を有する。
ヒータ600はニップ部Nがシート搬送方向aにおいて所望の幅となるように、ベルト603を加圧ローラ70の方向に押圧する。また、ヒータ600は基板610と、基板610上に抵抗発熱体620(抵抗発熱層:以後、発熱体と呼ぶ)を備え、ヒータホルダ601の下面の凹部601aに固定されている。尚、本実施例では基板610の裏面側(ベルト603と当接しない側)に発熱体620を設けている。しかし、これに限定されるものでは無く、表面側(ベルト603と当接する側)に設けても良い。
基板610のベルト603と当接する側である表面側には摺動層として厚さ約10μmのポリイミド層を設けており、ベルト603とヒータ600との摺擦抵抗を低減することで、ベルト603の内面の磨耗を抑制することでできる。更に、摺擦抵抗低減するためにベルト603の内面にグリス等の潤滑剤を塗布しても良い。
ベルト603はシートP上のトナー像Tをニップ部Nにて加熱、加圧するための円筒状のベルト(エンドレスベルト)である。本実施例では図6の(b)の層構成模式図のように基材603a上に弾性層603bと離型層603cを設けたものを用いる。具体的に、基材603aとしては外径が30mm、長さ(幅)が340mm、厚みが30μmのニッケル合金から成る円筒形状の部材を用いている。更に、基材603a上には弾性層603bとして厚みが400μmのシリコーンゴム層を形成し、更に弾性層603b上には離形層603cとして厚みが約20μmのフッ素樹脂チューブを被覆している。
ヒータホルダ601(以後、ホルダ601と呼ぶ)はヒータ600をベルト603に向かって押圧した状態で保持する部材である。また、ホルダ601は断面形状がほぼ半円弧形状であり、ベルト603の回転軌道を規制する機能を備えている。ホルダ601には高耐熱性の樹脂等が用いられ、本実施例ではデュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用している。
支持ステー602はホルダ601を介してヒータ600を支持する部材である。支持ステー602は大きな荷重をかけられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304(ステンレス鋼)を使用している。
図7のように、支持ステー602はその長手方向の両端部において、フランジ411a、411bに支持されている。フランジ411a、411bを総称してフランジ411と呼ぶ。フランジ411はベルト603の長手方向の移動、および周方向の形状を規制している。フランジ411には耐熱性の樹脂等が用いられ、本実施例ではPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用している。フランジ411と加圧アーム414(414a、414b)との間には加圧バネ415(415a、415b)が縮められた状態で設けられる。
上記構成により、フランジ411、支持ステー602、ホルダ601を介して、加圧バネ415の弾性力がヒータ600に伝わる。そして、ベルト603が加圧ローラ70に対して所定の押圧力で加圧され、シート搬送方向aにおいて所定幅のニップ部Nが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側と他端側がそれぞれ約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)である。
また、コネクタ700はヒータ600に電圧を印加するためにヒータ600と電気的に接続される給電部材であり、ヒータ600の長手方向の一端側に着脱可能に装着される。
加圧ローラ70はベルト603と協働してシート上のトナー像Tを加熱するためのニップ部Nを形成するとともにベルト603を回転駆動する駆動回転体である。加圧ローラ70は金属の芯金71上に弾性層72を設け、更に、弾性層72上に離型層73を設けた多層構造である。芯金71としてはステンレス鋼、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、アルミニウムを用いることができる。弾性層72としてはシリコーンゴム、スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴムを用いることができる。離型層73としてはフッ素樹脂材料を用いることができる。
本実施例の加圧ローラ70はステンレス製の芯金71と、発泡シリコーンゴムの弾性層72と、フッ素樹脂チューブの離型層73からなり、外径は約25mm、弾性層の長手長さは330mmである。
図7のように、加圧ローラ70の芯金71の両端部はそれぞれ装置筐体41の一端側と他端側の側板41aと41bとの間に軸受け42a、42bを介して回転可能に保持されている。芯金71の一方側の端部にはギアGが設けられて、モータMの駆動力を芯金71に伝達する。モータMにより駆動される加圧ローラ70は図6において矢印R70の方向に回転し、ニップ部Nにてベルト603に駆動力を伝達してベルト603を矢印R603の方向に従動回転させる。尚、本実施例では加圧ローラ70の表面速度が200mm/secとなるように、制御回路(制御部)100によってモータMは制御される。
630はサーミスタであり、ヒータ600の裏面側に設けられ、ヒータ600の温度を検知してヒータ温度を温調するための温度センサである。このサーミスタ630については後述する。
上記のように、モータMの駆動により加圧ローラ70が回転駆動され、これに伴いベルト603が従動回転する。そして、後述するように、加熱するシートPの幅サイズに応じて発熱体領域が発熱するようにヒータ600に対する通電制御がなされ、かつヒータ600の発熱領域が所定の温度に立ち上げられて温調される。
この定着装置状態において、画像形成部側から定着装置40に未定着のトナー像Tを担持したシートPが導入されてニップ部Nに進入して挟持搬送される。これにより、ニップ部Nでトナー像TがシートPに加熱加圧定着される。ニップ部Nを通過したシートPはベルト603の面から曲率分離して排出搬送されていく。
[ヒータ]
次に、ヒータ600の構成を詳細に説明する。先ず、ヒータの発熱方式および発熱領域の切り替え方式を説明する図4の模式図により説明する。
図4の(a)のように、第1導体路710には分岐路715a、分岐路715b、分岐路715cが接続される。一方、第2導体路720には分岐路725d、分岐路725e、分岐路725fが接続される。
第1導体路710に接続される分岐路715a・715b・715cと第2導体路720に接続される分岐路725d・725e・725fは長手方向において交互に並べて配置され、各分岐路間に抵抗発熱体が電気的に接続するように設けられる。第1導体路710と第2導体路720間に電圧Vが印加されると、隣接する分岐路間に電位差が生じ、図中の矢印で示す電流の発生によって、抵抗発熱体620が発熱する。
また、図4の(b)のように、分岐路725eと分岐路725f間にスイッチSWを設けてスイッチSWをオフにすると、分岐路715bと分岐路715cが同電位となるため、分岐路715bと分岐路715c間における発熱体620は発熱しない。
つまり、導体路の一部の電気的接続を切断することで、発熱体の一部のみを発熱することができる。尚、長手方向に並ぶ複数の発熱体に通電して発熱させる場合、隣接する発熱体の電流の向きが互い違いとなるように分岐路を配置する構成が好ましい。
その他の発熱体と第2分岐路の配置として、発熱体の両端に異極の分岐路を接続して、長手において電流の向きが同一方向となるようにする構成がある。然しながら、隣接する発熱体間に2つの分岐路が必要となるため、この分岐路間で短絡が発生する恐れがある。加えて、発熱体間の分岐路の幅が広くなるので、非発熱部が大きくなり、長手方向においてヒータ600および定着ベルト603に温度ムラが生じてしまう。従って、隣接する発熱体間の分岐路を兼用するように発熱体と分岐路を配置する構成が望ましい。
上記を踏まえて、本実施例におけるヒータ600の構成を詳細に説明する。図2は本実施例のヒータ600の基本的構成を示した模式図、図3このヒータ600に対する給電系統図である。
ヒータ600は、細長い板状の基板610を有する。また、基板610上に形成された、発熱体620(a〜l)と、導体パターン640、650、660(a・b)、642(a〜g)、652(a〜d)、662(a・b)と、電極641・651・661を有する。また、電極641・651・661の部分を除いて、発熱体620と導体パターンの部分を覆う絶縁コート層(不図示)を有する。
基板610はヒータ600の寸法や形状を決定する部材であり、材料としては耐熱性、熱伝導性、電気絶縁性に優れたアルミナ、窒化アルミ等のセラミック材料が用いられる。本実施例では長手方向の長さが400mm、短手方向の長さが8.0mm、厚さが約1mmのアルミナを用いている。
基板610上にはスクリーン印刷法によって発熱体620と導体パターンが形成される。本実施例では導体パターンとしては低抵抗率材料である銀ペースト、若しくは銀に少量のパラジウムを混合した合金のペーストを用いている。また、発熱体620には所望の抵抗値となるように銀−パラジウム合金のペーストが用いられる。更に、発熱体620と導体パターンは耐熱性ガラスから成る絶縁コート層が被覆され、リークやショートが生じないように電気的に保護される。
基板610の長手方向の一端側には電源(電源部)110とコネクタ700等を介して電気的に接続される複数の電極641・651・661が設けられる。更に、基板610には発熱体620と分岐路642(a〜g)・652(a〜d)・662(a・b)が設けられる。尚、分岐路は共通導体路640、第1対向導体路650、第2対向導体路660a、第3対向導体路660bと発熱体620を電気的に接続する導体路である。
発熱体620(a〜l)は、本実施例においては、基板610上に1つの発熱体として形成されている。本実施例の発熱体620は幅(短手方向の長さ)が約1.5〜2.0mmであり(詳細は後に記載)、厚みが約20μm、長手方向の長さが約320mmであり、A4サイズ(幅サイズ297mm)の大サイズシートPの全域を加熱できる長さを有する。また、発熱体620の総抵抗は約10Ωである。
発熱体620上には7本の共通分岐路642a〜642gが長手方向に等間隔をあけて積層することで、発熱体620は共通分岐路642a〜642gによって6個の区間に区切られる。尚、共通分岐路の幅は通常0.1mm程度の細幅とされ、抵抗値は発熱体620の抵抗と比べて無視できるほど小さい。発熱体620の各区間の長さは約53.3mmである。
更に、発熱体620の各区間の中央部には6本の対向分岐路662(a・b)・652(a〜d)が積層され、発熱体620は620a〜620lの12個の小区間発熱体に分けられる。尚、各小区間発熱体620a〜620lの長さはそれぞれ約26.7mmである。
上記のヒータ構成をまとめると次のとおりである。ヒ−タ600は、細長い基板610と、基板610の長手に沿って延在している抵抗発熱体620を有している。また、基板の長手方向の一端部側に設けられている複数の電極641・651・661と、その複数の電極のそれぞれから抵抗発熱体620の長手に沿って延在している複数の導体路640・650・660を有している。
また、その複数の導体路のそれぞれから長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の分岐路642・652・662を有している。それらの分岐路は抵抗発熱体620を横断して抵抗発熱体620と電気的に接続して分岐路間で前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体620a〜620lに区分している。
共通分岐路642及び対向分岐路662(a・b)・652(a〜d)の抵抗値は、発熱体620の抵抗値よりも著しく小さい。そのため、分岐路の幅(長手方向の長さ)が大きくなると、発熱体620に発熱量のムラが発生するためヒータ600およびベルト603の長手方向において温度のムラが発生する。結果、ベルト603に温度のムラが発生すると、シート上の画像の光沢が不均一になる。この現象は分岐路に対向する部分のベルト603の温度が低くなるため、シート上のトナーを十分に加熱、溶融できないので、光沢が低くなることに起因する。
共通分岐路642(a〜g)は発熱体620と直交するように設けられ、更に、発熱体620の長手方向一端から奇数番目に設けられる。共通分岐路642は第1導体路640、共通電極641、コネクタ700等を介して電源110の一方側の端子110aと電気的に接続される。
対向分岐路652・662は発熱体620と直交するように設けられ、更に、発熱体620の長手方向一端から偶数番目に設けられる。対向分岐路652・662は対向導体路650・660、対向電極651・661、コネクタ700等を介して電源110の他方側の端子110bに電気的と接続される。
つまり、共通分岐路642と対向分岐路652・662は発熱体620の長手方向において交互に配置される。共通導体路640は基板610の長手方向に沿って形成され、各共通分岐路642に接続され、一端は共通電極641に接続される。
同様に、第1対向導体路650、第2対向導体路660a、第3対向導体路660bも基板610の長手方向に沿って形成される。第1対向導体路650は対向分岐路652(a〜d)に接続され、一端は対向電極651に接続される。また、第2および第3対向導体路660a、660bはそれぞれ対向分岐路662a、662bに接続され、一端は対向電極661に接続される。
尚、本実施例では発熱体620の長手方向一端から奇数番目を共通分岐路、偶数番目を対向分岐路としたが、この構成に限定されるものでは無い。発熱体620の長手方向一端から偶数番目を共通分岐路、奇数番目を対向分岐路としても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
電極641・651・661は、基板610の長手方向の一端側に並設され、コネクタ700との電気的接続を確保するため絶縁コート層は設けられず、露出した状態でベルト603と接触する領域よりも外側に設けられる。
以上より、本実施例のヒータ600の発熱体620は電源110と、コネクタ700、電極641・651・661、共通導体路410および対向導体路650・660、分岐路642・652・662を介して電気的に接続される。
なお、図2において、610aは、共通電極641と複数の対向電極651、661を配設した基板610の長手方向の一端側の領域部分であり、この基板領域部分にコネクタ700が着脱可能に装着される。610cは発熱体620を配設した基板領域部分である。610bは領域部分610aと領域部分610cの間の基板領域部分である。
[ヒータへの給電]
ヒータ600への給電は、小区間発熱体620a〜620lにおいて使用されるシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように電極641・651・661に対して選択的に電圧が印加される。
この給電方法について図3を用いて説明する。電源110はヒータ600に対する電力供給源である。本実施例では単相交流の実効値が約100Vの商用交流電源を用いており、電源端子110aと電源端子110bとを備えている。ヒータ600に電力を供給する機能を有していれば、電源110は直流電源でも良い。制御回路100はスイッチSW643、スイッチSW653、スイッチSW663を制御するため夫々のスイッチに電気的に接続される。
スイッチA643は電源端子110aと電極641の間に設けられたスイッチ(リレー)であり、制御回路100からの指示に従って、電源端子110aと電極641を接続するか否か(オン、オフ)の切り替えを行う。
スイッチSW653は電源端子110bと電極651の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと電極651を接続するか否かの切り替えを行う。
同様に、スイッチ663は電源端子110bと電極661の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと電極661を接続するか否かの切り替えを行う。
制御回路100はプリントジョブ(印刷ジョブ)の実行指示の受信に伴って、シートPの幅サイズ情報を取得する。そして、取得した幅サイズ情報に応じてスイッチSW643・SW653・スイッチSW663のオン、オフを制御し、発熱体620の発熱領域がシートPを定着処理するのに適した発熱領域となるように制御する。即ち、発熱体620の長手における発熱領域が取得した幅サイズ情報に対応した幅サイズのシートPを定着処理するのに適した発熱領域となるように中央基準で制御する。
次に、シートPの幅方向のサイズに応じて発熱体620の発熱領域を変える方法について説明する。まず、シートPがA4横サイズ(幅方向のサイズ297mm)等の幅広の大サイズシートの場合、制御回路100は発熱体620として発熱幅Aが発熱するように制御する。本実施例においては小区間発熱体620a〜620lの全長域が使用可能な最大幅シートの幅サイズに対応している。
具体的には、制御回路100はスイッチSW643、スイッチSW653、スイッチSW663の全てをオン状態とする。この場合は、ヒータ600には電極641・651・661から給電が行われる。即ち、全ての電極641・651・661に対して電源110からコネクタ700のケーブル712・732・722を介して電圧が印加されて、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lの全てが発熱する。この時、ヒータ600は約320mmの発熱体の全ての領域が発熱するので、A4横サイズのシートPの定着処理を行うのに適した発熱状態である。
次に、シートPがA4縦サイズ(幅方向のサイズ210mm)等の幅狭の小サイズシートの場合、制御回路100は発熱体620として発熱幅Bが発熱するように制御する。具体的には、制御回路100はスイッチSW643とスイッチSW653をオン状態にし、スイッチSW663をオフ状態にする。この場合は、ヒータ600には電極641、651から給電が行われる。即ち、電極641・651に対して電源110からコネクタ700のケーブル712・732を介して電圧が印加されて、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lのうち小区間発熱体620c〜620jの8区間が発熱する。
この時、ヒータ600は約213mmの領域が発熱するので、A4縦サイズのシートPの定着処理を行うのに適した発熱状態である。従って、A4縦サイズのような幅方向のサイズが小さいシートの定着処理を行う場合であっても、シートが通過しない部分はヒータ600が発熱しないので、無駄な電力を使用することは無い。
[温度センサ]
ヒータ温度を検知する温度センサとしてのサーミスタ(TH)630はヒータ裏面側において絶縁コート層(不図示)の表面に接着されて配設されており、絶縁コート層により発熱体620や導体パターンとは電気的に絶縁されている。本実施例のプリンタ1においてはシートPの搬送が中央基準でなされる。そこで、サーミスタ630は発熱体620の長手方向のほぼ中央部に対応するヒータ部分の温度を検知すべく、小区間発熱体620fと同620gの両者に跨る部分に対応するヒータ裏面部分に配設されている。
サーミスタ630は、リード線630aとA/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続しており、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。制御回路100は、各種制御に伴う演算を行うCPUと、各種プログラムを記憶したROM等の不揮発性記憶媒体を備えた回路である。このROMにはプログラムが記憶されており、CPUがこれを読みだして実行することで、各種制御を実行する。なお、制御回路100としては、同様の機能を果たせばASIC等の集積回路などでもよい。
また、制御回路100は、電源110の通電内容を制御するように電源110と電気的に接続されている。また、制御回路100は、サーミスタ630の出力を取得するようにサーミスタ630に電気的に接続されている。制御回路100はサーミスタ630から取得(入力)した検知温度情報を電源110の通電制御に反映させている。
つまり、制御回路100は、サーミスタ630の出力をもとに、電源110を介してヒータ600へ供給する電力を制御している。本実施例では、制御回路100が電源110の出力の波数制御を行うことで、ヒータ600の発熱量を調整する。このような制御をおこなうことで、ヒータ600は定着を行う所定の温度(例えば、約180℃)に立ち上げられてほぼ一定に維持される。
[実施例ヒータの特徴構成]
上述したように、配線である共通分岐路642及び対向分岐路652・662の抵抗値は、発熱体620の抵抗値よりも著しく小さい。図5はこのことによる異常昇温の課題を説明するための模式図である。(b)は(a)のヒータ600の(b)−(b)線に沿う拡大横断面模式図、(c)は(c)−(c)線に沿う拡大横断面模式図である。
共通分岐路642及び対向分岐路652・662の抵抗値は、発熱体620の抵抗値よりも著しく小さい。そのため、図5の(c)に示すように、対向分岐路652や662から発熱体620に電流が流入する接続部において、シートの連続導入(導入枚数100K枚)中に電流密度が著しく増加し、上記接続部が部分的に異常に昇温する問題が発生する。これは、図5の(b)に示すように、発熱体620から電流が流出する共通分岐路642との接続部分においても同様に発生する問題である。
この異常昇温の原因は上述したように、発熱体620と各分岐路642・652・662の接続部分において電流密度が著しく増加するためであり、上記原因を緩和させる為には、発熱体と各分岐路の接続部分における電流密度を減少させれば良い。
その為に、本実施例1においては、発熱抵抗体620と配線層の接続部分の抵抗を連続的に小さく、かつ、発熱体と共通導体路の接続部分の抵抗を連続的に大きくすることで、発熱抵抗体から電流が流出入する際に部分的に電流密度が集中するのを緩和させる。
具体的には、図1の(a)に示すように、対向分岐路652、662の幅(長手方向長さ)を、発熱体620に電流が流入する方向に連続的に大きくし、発熱体620と対向分岐路652、662の接続部の電気抵抗を低下させる。これにより、電流密度を低下させる。即ち、発熱体620の領域における対向分岐路652、662の抵抗が発熱体に近づくにつれて小さくなることを特徴とする。
本実施例1では、対向導体路650、660から分岐した対向分岐路652、662の幅にテーパー形状を設ける。具体的には、分岐点での対向分岐路652、662の幅0.1mmから、対向分岐路652、662が発熱体620と接続する部分の太さが0.3mmになるように、電流が流入する方向に連続的に対向分岐路652、662の幅を大きくさせる。
また、同様に、発熱体620と共通分岐路642の接続部分においても、電流が流出する方向に、共通分岐路642の幅が細くなるようにテーパー形状を設ける。即ち、共通分岐路642の発熱体620の領域における抵抗が発熱体から遠ざかるにつれて大きくなることを特徴とする。
具体的には、共通分岐路642が発熱体620と接続する部分の太さが0.3mm、共通分岐路642が共通導体路640と接続する部分の太さが0.1mmとなるように、電流が流出する方向に連続的に共通分岐路642の幅を小さくする。これにより、発熱体620から共通分岐路642に流出する電流の電流密度を低下させることが可能となる。
本実施例1を施すことにより、表1に示すように、シートを連続して300K枚導入した際においても、発熱体620と配線である各分岐路の接続部における異常昇温が発生しないことが実験により確認できた。
《実施例2》
実施例1では、図1の(a)のように、対向分岐路652、662の幅は、発熱体620に近づくにつれて連続的に太くなり、発熱体620上(発熱体620の領域)の対向分岐路652、662の幅は上記接続部と同等の太さで設けている。
しかしながら、上述したように、共通分岐路642及び対向分岐路652、662の抵抗値は、発熱体620の抵抗値よりも著しく小さい。そのため、発熱体620上において、分岐路の幅(長手方向の長さ)が大きくなると、発熱体620に発熱量のムラが発生する。これは発熱体620の分岐路上では抵抗が低く、分岐路上が発熱体と比べて昇温しないことが原因である。
つまり、実施例1では、発熱体620と分岐路との接続部における異常昇温は抑制できるが、ヒータ600およびベルト603の長手方向において温度ムラが発生するという新たな課題がでてくる。
以上のことから、発熱体620と対向分岐路652、662の接続部分においては、対向分岐路652、662の幅は太いことが望ましいが、発熱体620上の対向分岐路652、662の幅は細いことが望ましい。
それ故、本実施例2においては、上記課題を解決するために、発熱体620と対向分岐路652、662との接続部においては対向分岐路652、662の幅を太くし、発熱体620上においては、対向分岐路652、662の幅を細くする。即ち、対向分岐路652、662が対向導体路650,660から分岐する領域の抵抗が、対向分岐路652、662の発熱体620の領域における抵抗よりも小さくなることを特徴とする。
具体的には、図1の(b)に示すように、発熱体620と対向分岐路652、662との接続部においては、実施例1と同様のテーパー形状を施す。そして、発熱体620上においては、接続部における対向分岐路652、662の幅0.3mmから、0.1mmに対向分岐路652、662の幅を連続的に細くする逆テーパー形状を設ける。
本実施例で、対向分岐路652、662の幅を連続的に細くする理由は、例えば、対向分岐路652、662の幅を階段状に段階的に細くした場合、分岐路の幅が、急激に細くなる箇所において、電流密度が上昇し、異常昇温が発生することが挙げられる。このことは、実施例1における、分岐路のテーパー形状においても同様である。
図1の(c)は、実施例1と実施例2において、ヒータ600に給電を行った際のヒータ上の発熱分布を示している。
実施例1においては、対向分岐路652、662の幅が0.3mmであるため、対向分岐路652、662が発熱しない領域が顕著であり、ヒータ上の発熱分布に発熱段差(発熱ムラ)が発生してしまうことが確認できる。
実施例2においては、発熱体上の対向分岐路652、662の幅が0.1mmであり、実施例1と比べてヒータ上の発熱分布に発熱段差(発熱ムラ)が発生しないことが確認できる。また、実施例2においても、実施例1と同様に、表1に示すように発熱体620と各分岐路の接続部における異常昇温が発生しないことが実験により確認できることは言うまでもない。
なお、実施例1および実施例2では、各分岐路の抵抗を変化させる為に、分岐路の幅を変化させる手段を用いたが、分岐路の抵抗を変化させる手段はこれに限ったことではなく、例えば、各分岐路の厚みを連続的に変化させる等の手段を用いても良い。
以上の実施例1と2のヒータ構成をまとめる次のとおりである。抵抗発熱体と配線層の接触部分の抵抗を連続的に小さく、抵抗発熱体と共通導体路の接続部分の抵抗を連続的に大きくする。これにより、抵抗発熱体から電流が流出入する際に部分的に電流密度が集中するのを緩和し、抵抗発熱体と配線層の接触部分に異常昇温を生じることを防止できる。
なお、電源110が直流電源の場合において、対向電極651・661が正極、共通電極が負極となる。
《その他の実施例》
(1)実施例で例示した寸法等の数値は一例であって、この数値に限定されるものではない。本発明を適用できる範囲において数値は適宜選択できる。また、本発明を適用できる範囲において実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。
(2)ヒータ600の発熱領域の広狭変更制御は中央基準には限られない。例えば、ヒータ600の発熱領域の広狭変更制御を端部基準にしてもよい。したがって、小サイズシートの発熱領域を大サイズシートの発熱領域にするとき、小サイズのシートの幅方向両端側の発熱領域が拡大するのではなく、小サイズのシートの幅方向一端側の発熱領域が拡大する構成であってもよい。
(3)ヒータ600の発熱領域の変更パターンは大サイズシートと小サイズシートの2パターンのみには限られない。例えば、3パターン以上の発熱領域の変更制御を有していてもよい。
(4)発熱体620の形成方法は、実施例に記載の方法のみには限られない。詳細には、実施例では、基板610の長手方向に沿って延びた発熱体620上に共通分岐路642と対向分岐路652、662を積層している。基板610の長手方向に分岐路を並べて形成し、隣り合う各分岐路間に発熱体620a〜620lをそれぞれ形成する構成であってもよい。
(5)また、電極641、651、661の数は3つには限られない。全ての電極が基板610の一端側610aに配置された構成であれば、4つ以上の電気接点を有していてもよい。例えば、実施例において、基板610の一端側610aにおいて、電気接点641、651、661とは異なる電気接点が設けられていてもよい。複数の電極が基板610の一端側610aと他端側に振り分けられて配設されていてもよい。
(6)また、電源端子110a側に接続される電極は、電極641のみには限られない。例えば、基板の一端側610aにおいて、電源端子110a側に接続される電極であって電極641とは異なる電気接点を設けてもよい。
(7)ベルト603は、ヒータ600によってその内面を支持され、ローラ70によって駆動される構成に限られない。例えば、複数のローラに架け渡されてこれらの複数のローラのいずれかによって駆動されるベルトユニット方式であってもよい。
(8)ベルト603とニップ部Nを形成するニップ形成部材は、ローラ70のようなローラ部材には限られない。例えば、複数のローラにベルトを架け渡した加圧ベルトユニットを用いてもよい。
(9)定着装置はシートに形成された未定着のトナー像を固着像として加熱定着する装置としての使用に限られない。シートに一旦定着された或いは仮定着されたトナー像を再度加熱加圧して画像の光沢度を向上させるなどの画像の表面性状を調整する装置としても有効である(このような装置についても定着装置と呼ぶ)。
(10)画像形成装置は実施例のようなフルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
600・・ヒータ、610・・基板、620・・抵抗発熱体、620a〜620l・・小区間発熱体、641・・共通電極、640・・共通導体路、642(a〜g)・・共通分岐路、651・661・・対向電極、650・660・・対向導体路、652・662・・対向分岐路、P・・シート(記録材)、T・・画像

Claims (13)

  1. シート上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、
    細長い基板と、
    前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、
    前記基板に設けられている共通電極と、
    前記共通電極から延在している共通導体路と、
    前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記抵抗発熱体から電流が流出する共通分岐路)と、
    前記基板に設けられている複数の対向電極と、
    前記複数の対向電極からそれぞれ延在している対向導体路と、
    前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分しており前記対向電極から前記対向導体路を介して前記前記抵抗発熱体に電流が流入する対向分岐路と、を有し、
    前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の対向電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、
    前記抵抗発熱体の領域における前記対向分岐路の抵抗が発熱体に近づくにつれて小さくなることを特徴とするヒータ。
  2. シート上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、
    細長い基板と、
    前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、
    前記基板に設けられている共通電極と、
    前記共通電極から延在している共通導体路と、
    前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記抵抗発熱体から電流が流出する共通分岐路)と、
    前記基板に設けられている複数の対向電極と、
    前記複数の対向電極からそれぞれ延在している対向導体路と、
    前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分しており前記対向電極から前記対向導体路を介して前記前記抵抗発熱体に電流が流入する対向分岐路と、を有し、
    前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の対向電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、
    前記共通分岐路の前記抵抗発熱体の領域における抵抗が発熱体から遠ざかるにつれて大きくなることを特徴とするヒータ。
  3. シート上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、
    細長い基板と、
    前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、
    前記基板に設けられている共通電極と、
    前記共通電極から延在している共通導体路と、
    前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記抵抗発熱体から電流が流出する共通分岐路)と、
    前記基板に設けられている複数の対向電極と、
    前記複数の対向電極からそれぞれ延在している対向導体路と、
    前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分しており前記対向電極から前記対向導体路を介して前記抵抗発熱体に電流が流入する対向分岐路と、を有し、
    前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の対向電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、
    前記対向分岐路が前記対向導体路から分岐する領域の抵抗が前記対向分岐路の前記抵抗発熱体の領域における抵抗よりも小さくなることを特徴とするヒータ。
  4. 前記共通電極と前記複数の対向電極が前記基板の長手方向の一端側に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のヒータ。
  5. ヒータ温度を検知する温度センサが配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のヒータ。
  6. 前記複数の小区間発熱体の全長域が使用可能な最大幅のシートの幅サイズに対応していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のヒータ。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載のヒータと、
    前記ヒータに接して摺動しつつ移動する伝熱部材と、
    前記ヒータとの間に前記伝熱部材を挟んで当接するニップ形成部材と、を有し、
    前記伝熱部材と前記ニップ形成部材との間に形成されるニップ部でシートを挟持搬送してシート上の画像を加熱することを特徴とする定着装置。
  8. 前記伝熱部材がエンドレスベルトであることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 電源部と、
    前記ヒータの前記共通電極および前記複数の対向電極が設けられた部分に着脱可能に装着されて前記電源部から前記ヒータに給電するコネクタと、
    前記電源部から前記ヒータへの給電を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は前記複数の小区間発熱体に関して加熱するシートの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極および前記複数の対向電極の内の少なくともの1つの対向電極に対して電圧を印加することを特徴とする請求項7又は8に記載の定着装置。
  10. 装置に使用可能な最大幅サイズのシートを加熱する場合は、前記制御部は前記共通電極および前記複数の対向電極の全てに電圧を印加することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 装置に使用可能な最大幅サイズのシートよりも幅狭のシートを加熱する場合は、前記制御部は前記共通電極および前記複数の対向電極の内の所定の対向電極に電圧を印加することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  12. 前記電源部は交流電源であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載の定着装置。
  13. ヒータ温度を検知する温度センサを有し、前記制御部は前記温度センサから入力する検知温度情報に基づいて前記領域幅におけるヒータ部分の温度が所定の温度に維持されるように前記電源部から前記コネクタを介して前記ヒータに給電する電力を制御することを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108936815A (zh) * 2018-08-01 2018-12-07 董立军 一种气溶胶发生器的发热装置

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