JP2017173582A - ヒータおよび定着装置 - Google Patents

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政行 玉木
Masayuki Tamaki
政行 玉木
中山 敏則
Toshinori Nakayama
敏則 中山
原 伸明
Nobuaki Hara
伸明 原
悠介 山口
Yusuke Yamaguchi
悠介 山口
亮 八代
Akira Yashiro
亮 八代
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Abstract

【課題】記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であるヒータにおける記録材の非通過部昇温を緩和する。【解決手段】通電により発熱する抵抗発熱体620が交互に間隔をあけて配設された複数の共通分岐路642(a〜l)と複数の対向分岐路652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)により複数の小区間発熱体620a〜620lに区分されており、記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱体620が発熱する領域を変えるように共通分岐路と対向分岐路とに対する電圧印加を制御するヒータ600において、抵抗発熱体620の端部には対向分岐路642a・672bが配置されていることを特徴とするヒータ。【選択図】図1

Description

本発明は記録材上の画像を加熱するために用いられるヒータ、および、これを備える定着装置に関するものである。本発明のヒータおよび定着装置は複写機、プリンタ、ファックス、これらの機能を複数備える複合機等の画像形成装置に用いられ得る。
従来から画像形成装置では記録材上にトナー像を形成した後に、定着装置で加熱および加圧を施すことで、記録材上にトナー像を定着させる方式が一般的に用いられている。一方、近年の省エネルギーおよびクイックスタートの要望に対して、薄肉ベルトの内面にヒータを当接させ、ベルトを加熱する方式の定着装置が提案されている(特許文献1)。
また、特許文献1には加熱する記録材の幅サイズに応じてヒータが発熱する領域(発熱幅)を変更する構成が開示されている。図9は特許文献1に記載の定着装置におけるヒータ1006の回路図である。
このヒータ1006は電極1027(1027a〜1027f)を基板1021の長手方向に並べて配置し、各電極から抵抗発熱層1025(1025a〜1025e)に通電することで抵抗発熱層1025を発熱させている。また、このヒータ1006は各電極が基板上に形成された配線層1029(1029a、1029b)に接続されている。詳細には、電極1027bと電極1027dに接続される配線層1029bは基板の長手方向一端へと延びている。電極1027cと電極1027eに接続された配線層1029aは基板の長手方向他端へと延びている。
更に、基板の長手方向の一端において、電極1027aと配線層1029bはそれぞれ配線部材に接続可能となっており、基板の長手方向の他端において、電極1027fと配線層1029aはそれぞれ配線部材に接続可能となっている。基板の長手方向両端部では各配線を保護する為の絶縁層が設けられておらず、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fが露出した状態となっている。そのため、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fの露出した部位に配線部材が接触することで、抵抗発熱層1025は電源供給回路に接続される。
電源供給回路は交流電源とスイッチ1033(1033a、1033b、1033c、1033d)を備えており、スイッチ1033のオン、オフによって各配線の接続パターンを変えることができる。つまり、配線層1029a、1029bは電源供給回路内の接続パターンに応じて電源端子1031a側か電源端子1031b側のいずれかに接続され、加熱される記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱層1025の発熱領域(発熱幅)を変えている。
例えば、図9の(a)のように、スイッチ1033aと1033bがオン、スイッチ1033cと1033dがオフの接続パターンの場合には、抵抗発熱層1025a〜1025eの全てが発熱する。(b)のように、スイッチ1033aと1033bがオフ、スイッチ1033cと1033dがオンの接続パターンの場合には、抵抗発熱層1025b・1025c・1025dが発熱する。
特開2012−37613号公報
ところで、特許文献1においてはヒータにおける配線層および電極に用いる材料の特性、抵抗値等は記載されていないが、一般的に同様な構成のヒータで用いる配線層としては抵抗率が低い材料である銀、若しくは銀とパラジウムを混合したものが使用される。定着装置で用いられるヒータは定着装置の小型化に対する要望から、ヒータの小型化の要求されるため、配線層の幅を狭めることが要求される。また、ヒータの発熱領域の端部は記録材(紙)により熱が奪われないので、所謂非通過部昇温(非通紙部昇温)しやすい。そのため、ヒータの発熱領域端部ほど発熱を細かく調整したい。
本発明の目的は、加熱する記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であり、且つ、抵抗発熱体長手における端部の発熱制御幅を中央部の発熱制御幅より狭くし、非通過部昇温を緩和するヒータを提供することである。また、これを用いた定着装置を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明に係るヒータの代表的な構成は、記録材上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、細長い基板と、前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、前記基板に設けられている共通電極と、前記共通電極から延在している共通導体路と、前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続している共通分岐路と、前記基板に設けられている複数の個別電極と、前記複数の個別電極からそれぞれ延在している対向導体路と、前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分している対向分岐路と、を有し、前記複数の小区間発熱体に関して加熱する記録材の幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の個別電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、前記抵抗発熱体の端部には前記対向分岐路が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、加熱する記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であり、且つ、抵抗発熱体長手における端部の発熱制御幅を中央部の発熱制御幅より狭くし、非通過部昇温を緩和するヒータを提供することができる。また、これを用いた定着装置を提供することができる。
実施例のヒータの構成模式図 比較例のヒータの構成模式図 ヒータの発熱方式および発熱幅の切り替え方式を説明する模式図 比較例のヒータとの対比において実施例のヒータの効果を説明する図 端部温度センサを配設したヒータの構成模式図 実施例における画像形成装置(プリンタ)概略構成図 (a)は実施例における定着装置の要部の横断面模式図、(b)は定着ベルトの層構成模式図 同定着装置の要部の途中部分省略の縦断正面模式図 従来例のヒータ回路図
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。尚、以下の実施例では画像形成装置として電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタを例に説明する。
《実施例1》
[画像形成装置]
図6は本実施例におけるプリンタ1の概略断面図である。このプリンタ1は、タンデム方式−中間転写方式のフルカラープリンタであり、イエロ(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(Bk)色の各色トナーの画像(以降、トナー像)を形成する4つの画像形成部UY・UM・UC・UBkを有する。
各画像形成部は、それぞれ、感光ドラム2、帯電器3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写帯電器6、ドラムクリーナ7を有する。なお、図の煩雑を避けるため画像形成部UY以外の画像形成部UM・UC・UBkにおけるこれらの機器に対する符号の記入は省略した。また、これら画像形成部の電子写真プロセスや作像動作は公知であるからその説明は割愛する。
各画像形成部のドラム2から回動する中間転写ベルト8に対して各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト8上に4色重畳のトナー像が形成される。一方、カセット9又は10、或いは手差しトレイ11から記録材(シート、用紙)Pが一枚宛給送されて搬送路12を通って所定の制御タイミングでベルト8と二次転写ローラ13との圧接部である二次転写ニップ部に導入される。これにより、記録材Pに対してベルト8上の4色重畳のトナー像が一括して二次転写される。その記録材Pが定着装置40に導入されてトナー像の定着処理を受ける。
定着装置40を出た記録材Pは片面画像形成モードの場合はフラッパ14の制御により搬送路15の側に誘導されて排出トレイ16上にフェイスダウンで排出される。或いは、搬送路17の側に誘導されて排出トレイ18上にフェイスアップで排出される。
両面画像形成モードの場合は、定着装置40を出た記録材Pはフラッパ14の制御により搬送路15の側に一旦誘導された後にスイッチバック搬送されて両面搬送路19の側に導入される。そして、表裏反転された状態で再び搬送路12を通って二次転写ニップ部に導入されて他方の面にトナー像が形成される。以後は、片面画像形成の場合と同様に定着装置40に導入され、排出トレイ16又は18に両面画像形成物として排出される。
なお、本実施例のプリンタ1においては、大小各種幅サイズの記録材Pの搬送は、記録材幅中心の所謂中央基準でなされる。以下において、装置に使用可能な最大幅サイズの記録材を大サイズ記録材、それよりも幅狭の記録材を小サイズ記録材と記す。本実施例の画像形成装置は、A4横サイズ記録材を1分間に30枚生産することができる。
[定着装置]
次に、本実施例における定着装置40について説明する。図7の(a)は定着装置40の要部の横断面模式図、(b)は定着ベルトの層構成模式図である。図8は定着装置40の要部の途中部分省略の縦断正面模式図である。定着装置40の正面は記録材導入側から見た面である。
この定着装置40はベルト加熱方式の画像加熱装置であり、大別して、記録材P上の画像を加熱するベルトユニット60と対向部材(ニップ形成部材)としての弾性加圧ローラ70と、これらを収容している装置筐体41と、を有する。
ベルトユニット60は可撓性を有する薄肉の定着ベルト(伝熱部材:エンドレスベルト、以下、ベルトと記す)603をベルト内面に接触するヒータ600により加熱する構成である。そのため、ベルト603を効率良く加熱でき、立ち上げ性能に優れる。ベルト603にはヒータ600と加圧ローラ70の加圧によりニップ部(定着ニップ部)Nが形成され、ニップ部Nに給送された記録材Pを挟持搬送する。この時、ヒータ600で発生した熱はベルト603を介して記録材Pに付与され、記録材P上のトナー画像Tは記録材Pに定着される。
ベルトユニット60は記録材P上の画像を加熱、加圧する為のユニットであり、加圧ローラ70とほぼ平行となるように設けられ、ヒータ600、ヒータホルダ601、支持ステー602、ベルト603を有する。
ヒータ600はニップ部Nが記録材搬送方向aにおいて所望の幅となるように、ベルト603を加圧ローラ70の方向に押圧する。また、ヒータ600は基板610と、基板610上に通電により発熱する抵抗発熱体620(抵抗発熱層:以後、発熱体と呼ぶ)を備え、ヒータホルダ601の下面の凹部601aに固定されている。尚、本実施例では基板610の裏面側(ベルト603と当接しない側)に発熱体620を設けている。しかし、これに限定されるものでは無く、表面側(ベルト603と当接する側)に設けても良い。
基板610のベルト603と当接する側である表面側には摺動層として厚さ約10μmのポリイミド層(不図示)を設けており、ベルト603とヒータ600との摺擦抵抗を低減することで、ベルト603の内面の磨耗を抑制することでできる。更に、摺擦抵抗低減するためにベルト603の内面にグリス等の潤滑剤を塗布しても良い。
ベルト603は記録材P上のトナー像Tをニップ部Nにて加熱、加圧するための円筒状のベルト(エンドレスベルト)である。本実施例では図7の(b)の層構成模式図のように基材603a上に弾性層603bと離型層603cを設けたものを用いる。具体的に、基材603aとしては外径が30mm、長さ(幅)が340mm、厚みが30μmのニッケル合金から成る円筒形状の部材を用いている。更に、基材603a上には弾性層603bとして厚みが400μmのシリコーンゴム層を形成し、更に弾性層603b上には離形層603cとして厚みが約20μmのフッ素樹脂チューブを被覆している。
ヒータホルダ601(以後、ホルダ601と呼ぶ)はヒータ600をベルト603に向かって押圧した状態で保持する部材である。また、ホルダ601は断面形状がほぼ半円弧形状であり、ベルト603の回転軌道を規制する機能を備えている。ホルダ601には高耐熱性の樹脂等が用いられ、本実施例ではデュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用している。
支持ステー602はホルダ601を介してヒータ600を支持する部材である。支持ステー602は大きな荷重をかけられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304(ステンレス鋼)を使用している。
図8のように、支持ステー602はその長手方向の両端部において、フランジ411a・411bに支持されている。フランジ411a・411bを総称してフランジ411と呼ぶ。フランジ411はベルト603の長手方向の移動、および周方向の形状を規制している。フランジ411には耐熱性の樹脂等が用いられ、本実施例ではPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用している。フランジ411と加圧アーム414(a,b)との間には加圧バネ415(a,b)が縮められた状態で設けられる。
上記構成により、フランジ411、支持ステー602、ホルダ601を介して、加圧バネ415の弾性力がヒータ600に伝わる。そして、ベルト603が加圧ローラ70に対して所定の押圧力で加圧され、記録材搬送方向aにおいて所定幅のニップ部Nが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側と他端側がそれぞれ約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)である。
また、コネクタ700(a,b)はヒータ600に電圧を印加するためにヒータ600と電気的に接続される給電部材であり、ヒータ600の長手方向両端側に着脱可能に取り付けられる。
加圧ローラ70はベルト603と協働して記録材上(シート上)のトナー像Tを加熱するためのニップ部Nを形成するとともにベルト603を回転駆動する駆動回転体である。加圧ローラ70は金属の芯金71上に弾性層72を設け、更に、弾性層72上に離型層73を設けた多層構造である。芯金71としてはステンレス鋼、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、アルミニウムを用いることができる。弾性層72としてはシリコーンゴム、スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴムを用いることができる。離型層73としてはフッ素樹脂材料を用いることができる。
本実施例の加圧ローラ70はステンレス製の芯金71と、発泡シリコーンゴムの弾性層72と、フッ素樹脂チューブの離型層73からなり、外径は約25mm、弾性層の長手長さは330mmである。
図8のように、加圧ローラ70の芯金71の両端部はそれぞれ装置筐体41の一端側と他端側の側板41(a,b)との間に軸受け42(a,b)を介して回転可能に保持されている。芯金71の一方側の端部にはギアGが設けられて、制御回路(制御部)100で制御されるモータ(駆動源)Mの駆動力を芯金71に伝達する。
モータMにより駆動される加圧ローラ70は図6において矢印R70の方向に回転し、ニップ部Nにてベルト603に駆動力を伝達してベルト603を矢印R603の方向に従動回転させる。尚、本実施例では加圧ローラ70の表面速度が200mm/secとなるように、制御回路100によってモータMは制御される。
上記のように、モータMの駆動により加圧ローラ70が回転駆動され、これに伴いベルト603が従動回転する。そして、後述するように、加熱する記録材Pの幅サイズに応じて抵抗発熱体領域が発熱するようにヒータ600に対する通電制御がなされ、かつヒータ600の発熱領域が所定の温度に立ち上げられて温調される。
この定着装置状態において、画像形成部側から定着装置40に未定着のトナー像Tを担持した記録材Pが導入されてニップ部Nに進入して挟持搬送される。これにより、ニップ部Nでトナー像が記録材に加熱加圧定着される。ニップ部Nを通過した記録材Pはベルト603の面から曲率分離して排出搬送されていく。
[ヒータ]
次に、ヒータ600の構成を詳細に説明する。先ず、ヒータの発熱方式および発熱幅の切り替え方式を図3の模式図により説明する。(a)のように、第1導体路710には分岐路715a・715b・715cが接続される。一方、第2導体路720には分岐路725d・725e・725fが接続される。第1導体路710に接続される分岐路715a・715b・715cと第2導体路720に接続される分岐路725d・725e・725fは長手方向において交互に並べて配置され、各分岐路間に発熱体620が電気的に接続するように設けられる。
第1導体路710と第2導体路720間に電圧Vが印加されると、隣接する分岐路間に電位差が生じ、図中の矢印で示す電流の発生によって、発熱体620が発熱(点灯)する。また、(b)のように、分岐路725eと分岐路725f間にスイッチSW設けてスイッチをオフにすると、分岐路715bと分岐路715cが同電位となるため、分岐路715bと分岐路715c間における発熱体620は発熱しない。
つまり、導体路の一部の電気的接続を切断することで、発熱体の一部のみを発熱することができる。尚、長手方向に並ぶ複数の発熱体に通電して発熱させる場合、隣接する発熱体の電流の向きが互い違いとなるように分岐路を配置する構成が好ましい。
発熱体と第2分岐路のその他の配置として、発熱体の両端に異極の分岐路を接続して、長手において電流の向きが同一方向となるようにする構成がある。しかしながら、隣接する発熱体間に2つの分岐路が必要となるため、この分岐路間で短絡が発生する恐れがある。加えて、発熱体間の分岐路の幅が広くなるので、非発熱部が大きくなり、長手方向においてヒータおよびベルトに温度ムラが生じてしまう。従って、隣接する発熱体間の分岐路を兼用するように発熱体と分岐路を配置する構成が望ましい。
次に、本実施例のヒータ600の構成について図1の模式図を用いて詳細に説明する。このヒータ600は、細長い基板610と、この基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体620と、共通電極641と、この共通電極641から発熱体620の長手に沿って延在している共通導体路640と、を有する。また、その共通導体路640から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ発熱体620を横断して発熱体620と電気的に接続している共通分岐路642(a〜f)を有する。
また、複数の個別電極651・661・671と、その複数の個別電極からそれぞれ発熱体620の長手に沿って延在している対向導体路650・660(a,b)・670(a,b)を有する。また、それらの対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)を有する。これらの対向分岐路は、共通分岐路642(a〜f)と交互に配置されていて発熱体620を横断して発熱体620と電気的に接続して共通分岐路642(a〜f)と共に発熱体620を長手に沿って複数の小区間発熱体620(a〜l)に区分している。
本実施例のヒータ600においては、共通電極641は基板610の長手方向の一端部側には配設されている。複数の個別電極、本実施例では3つの個別電極651・661・671は基板610の長手方向の他端部側には並設されている。
そして、共通電極641と複数の個別電極651・661・671の部分を除いて、発熱体620(a〜l)および導体パターンである上記の共通導体路、共通分岐路、対向導体路、対向分岐路の部分は保護層としての絶縁コート層(不図示)で覆われている。即ち、電極641・651・661・671は、コネクタ700(a,b)との電気的接続を確保するため絶縁コート層は設けられず、露出した状態でベルト603と接触するヒータ領域よりも外側に設けられる。
基板610はヒータ600の寸法や形状を決定する部材であり、材料としては耐熱性、熱伝導性、電気絶縁性に優れたアルミナ、窒化アルミ等のセラミック材料が用いられる。本実施例では長手方向の長さが400mm、短手方向の長さが8.0mm、厚さが約1mmのアルミナを用いている。ヒータの熱伝導率は20[W/m*K]である。
基板610上にはスクリーン印刷法によって上記の発熱体620と導体パターンが形成される。本実施例では導体パターンとしては低抵抗率材料である銀ペースト、若しくは銀に少量のパラジウムを混合した合金のペーストを用いている。また、発熱体620には所望の抵抗値となるように銀−パラジウム合金のペーストが用いられる。更に、発熱体620と導体パターンは耐熱性ガラスから成る絶縁コート層が被覆され、リークやショートが生じないように電気的に保護される。
発熱体620(a〜l)は本実施例では基板610上に基板の長手に沿って細長い1つの発熱体として形成されている。本実施例の発熱体620は幅(短手方向の長さ)が約1.5〜2.0mmであり、厚みが約20μm、長手方向の長さが約320mmである。この長さ約320mmはA4サイズ(幅サイズ297mm)の大サイズ記録材Pの全域を加熱できる長さである。また、発熱体620の総抵抗は約10Ωである。
発熱体620上には、共通導体路640が有する6本の共通分岐路642a〜642fが長手方向に間隔をあけて積層されることで、発熱体620は共通分岐路642a〜642fによって7個の区間に区切られる。この7個に区切られた発熱体620の一端部側と他端部側の小区分発熱体620aと620lの長さは約26.7mmである。また、共通分岐路642aと642bの間、同642bと642cの間、同642cと642dの間、同642dと642eの間、同642eと642fの間の小区分発熱体の長さはそれぞれ約53.4mmである。
更に、発熱体620の各小区分発熱体には対向分岐路652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)が積層され、発熱体620は620aから620lの12個の小区分発熱体に分けられる。この12個の小区分発熱体620aから620lの個々の長さは何れも約26.7mmである。
上記の共通分岐路642(a〜f)と対向分岐路652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)は発熱体620と直交するように設けられる。
共通分岐路642(a〜f)及び対向分岐路652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)の抵抗値は、発熱体の抵抗値よりも著しく小さい。そのため、分岐路はほぼ発熱しないので、分岐路の幅(長手方向の長さ)が大きくなると、発熱体620に発熱量のムラが発生する。その結果、分岐路で温度低下が発生し、記録材上の画像の光沢が不均一になる。この現象は分岐路に対向する部分の定着ベルト603の温度が低くなるため、記録材上のトナーを十分に加熱、溶融できないので、光沢が低くなることに起因する。
共通分岐路642(a〜f)は、共通導体路640、共通電極641、コネクタ700a等を介して電源(電源部)110の一方側の端子110aと電気的に接続される。対向分岐路652・662・672は、それぞれ、第1乃至第5の対向導体路650、660、670、個別電極651・661・671、コネクタ700b等を介して電源110の他方側の端子110bに電気的と接続される。
つまり、共通分岐路642(a〜f)と対向分岐路652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)は発熱体620の長手方向において交互に配置される。共通導体路640は基板610の長手方向に沿って形成され、各共通分岐路642(a〜f)に接続され、一端は共通電極641に接続される。
同様に、第1対向導体路650、第2対向導体路660a、第3対向導体路660b、第4対向導体路670a、第5対向導体路670bは、基板610の長手方向に沿って形成される。第1対向導体路650は対向分岐路652(a〜c)に接続され、一端は個別電極651に接続される。また、第2および第3対向導体路660a・660bはそれぞれ対向分岐路662(a,b)に接続され、一端は個別電極661に接続される。また、第4および第5対向導体路670(a,b)はそれぞれ対向分岐路672(a,b)に接続され、一端は個別電極671に接続される。
以上のように、本実施例のヒータ600の発熱体620は電源110と、コネクタ、電極、共通導体路および対向導体路、分岐路を介して電気的に接続される。
[ヒータへの給電]
ヒータ600への給電は、上記の複数の小区間発熱体620a〜620lに関して加熱する記録材Pの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するようになされる。これは、共通電極641と複数の個別電極651・661・671の少なくとも1つとの間に電圧が印加されることでなされる。即ち、発熱体620(a〜l)の発熱領域に関して加熱する記録材Pの幅サイズに応じた複数の発熱幅、本実施例では大幅の発熱幅A、中幅の発熱幅B、小幅の発熱幅Cの3つの発熱幅に変更可能である。
この給電方法について図1を用いて説明する。電源(電源部)110はヒータ600に対する電力供給回路である。本実施例では単相交流の実効値が約100Vの商用交流電源を用いており、電源端子110aと電源端子110bとを備えている。尚、ヒータ600に電力を供給する機能を有していれば、電源110は直流電源でも良い。
制御回路100はスイッチ(SW)643・653・663・673を制御するため夫々のスイッチに電気的に接続される。スイッチ643は電源端子110aと共通電極641の間に設けられたスイッチ(リレー)であり、制御回路100からの指示に従って、電源端子110aと共通電極641を接続するか否か(オン、オフ)の切り替えを行う。
スイッチ653は電源端子110bと個別電極651の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと個別電極651を接続するか否かの切り替えを行う。
また、スイッチ663は電源端子110bと個別電極661の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと個別電極661を接続するか否かの切り替えを行う。
スイッチ673は電源端子110bと個別電極671の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと個別電極671を接続するか否かの切り替えを行う。
制御回路100はプリントジョブ(印刷ジョブ)の実行指示の受信に伴って、記録材Pの幅サイズ情報を取得し、この幅サイズ情報に応じてスイッチ643・653・663・673のオン、オフを制御する。即ち、制御回路100は、発熱体620(a〜l)の長手における発熱領域が、取得した幅サイズ情報に対応した幅サイズの記録材Pを定着処理するのに適した発熱幅となるように制御する。本実施例のプリンタ1は記録材の搬送が記録幅中心の中央基準でなされるので、発熱体620(a〜l)の上記の発熱幅の変更制御も発熱体620(a〜l)の長手中心の中央基準で実行される。
この記録材Pの幅方向のサイズに応じて発熱体620(a〜l)の発熱幅を変える方法を具体的に説明する。まず、記録材PがA4横サイズ(幅サイズ297mm)等の大サイズの場合、制御回路100は発熱体620において発熱幅Aの範囲が発熱するように制御する。本実施例においては小区間発熱体620a〜620lの全長域が装置に使用可能な最大幅サイズの記録材の幅に対応している。
具体的には、制御回路100はスイッチ643・653・663・673の全てをオン状態にする。この場合は、ヒータ600には共通電極641と3つの全ての個別電極651・661・671との間に電圧が印加される。これにより、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lの全てが発熱する。この時、ヒータ600は約320mmの発熱体620の全長領域が発熱するので、A4横サイズの記録材Pの定着処理を行うのに適した発熱状態である。
記録材PがA4縦サイズ(A4Rサイズ:幅サイズ210mm)等の中サイズの場合、制御回路100は発熱体620において発熱幅Bの範囲が発熱するように制御する。具体的には、制御回路100はスイッチ643・653・663をオン状態にし、スイッチ673をオフ状態にする。
この場合は、ヒータ600には共通電極641と2つの個別電極651・661との間に電圧が印加される。これにより、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lのうち小区間発熱体620b〜620kの10区間が発熱する。この時、ヒータ600は約267mmの領域が発熱するので、A4縦サイズの記録材Pの定着処理を行うのに適した発熱状態である。従って、A4縦サイズのような記録材の定着処理を行う場合であっても、記録材が通過しない部分に対応する小区間発熱体620aと620lは発熱しないので、無駄な電力を使用することは無い。
記録材PがA5縦サイズ(幅方向のサイズ148.5mm)等の小サイズの場合、制御回路100は発熱体620において発熱幅Cの範囲が発熱するように制御する。具体的には、制御回路100はスイッチ643・653をオン状態にし、スイッチ663・673をオフ状態にする。
この場合は、ヒータ600には共通電極641と1つの個別電極651との間に電圧が印加される。これにより、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lのうち小区間発熱体620d〜620iの6区間が発熱する。この時、ヒータ600は約160mmの領域が発熱するので、A5縦サイズの記録材Pの定着処理を行うのに適した発熱状態である。従って、A5縦サイズのような幅方向のサイズが小さい記録材の定着処理を行う場合であっても、記録材が通過しない部分に対応する小区間発熱体620a〜620c、620jj〜620lは発熱しないので、無駄な電力を使用することは無い。
[ヒータの温調制御]
図1において、630は加熱する記録材の幅サイズに対応する領域幅の幅内のヒータ部分の温度を所定の温度に制御するための温調用温度センサとしてのサーミスタである。本実施例のプリンタ1は記録材Pの搬送が中央基準でなされる。そこで、この温調用サーミスタ630はヒータ600の発熱体620(a〜l)の長手中央部に対応するヒータ裏面(大小どの幅サイズの記録材も通過するヒータ領域部分)の絶縁コート層部分に当接して配設されている。
温調用サーミスタ630はA/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続され、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。制御回路100は各種制御に伴う演算を行うCPUとROM等の不揮発記憶媒体を備えた回路である。このROMにはプログラムが記憶されており、CPUがこれを読み出して実行することで、各種制御は実行される。制御回路100は電源110の通電を制御するように電源110と電気的に接続される。
また、制御回路100は温調用サーミスタ630から取得(入力)した温度情報を電源110の通電制御に反映させている。つまり、制御回路100は温調用サーミスタ630の出力をもとに、ヒータ600へ供給する電力を制御している。本実施例では電源110の出力に対して波数制御または位相制御を行うことで、ヒータ600の発熱量を調整する方式を用いており、記録材上のトナーを定着する際、ヒータ600は所定の温度に立ち上げられて維持される。
[実施例ヒータの特徴構成]
実施例ヒータの特徴構成は、上記のように、複数の共通分岐路と複数の対向分岐路とで複数の小区分発熱体620a〜620lに区分されている抵抗発熱体620の端部には対向分岐路672a・672bが配置されている構成にある。これにより、発熱体620の端部は複数の小区間発熱体のひとつの小区間発熱体で通電制御でき、中央部は複数の小区間発熱体で通電制御できる。換言すると、発熱体620の端部の発熱制御幅が中央の発熱制御幅より狭いことが特徴である。
発熱体620の端部は電流の流れ方向が1方向のみであるため、小区間発熱体1個を独立に発熱(点灯)できる。発熱体620の端部以外の隣接する小区間発熱体における電流の流れ方向が左右にあるため、小区間発熱体を2個同時に制御している。そうする理由は、端部は記録材でベルトの熱が奪われなく、非通過部昇温しやすいので、端部の発熱制御幅を細かく制御したいためである。
この実施例のヒータ600を図2の構成模式図に示した比較例のヒータ600Aと比較しながら説明する。図2の比較例のヒータ600Aは、複数の小区分発熱体620a〜620lに区分されている抵抗発熱体620の端部に共通分岐路642a・642gが配置されている構成である。
この比較例のヒータ600Aにおいては、個別電極671には対向導電路670(a、b)、対向分岐路672(a、b)を介して小区間発熱体620a、620b、620k、620lが接続されている。個別電極661には対向導電路660(a、b)、対向分岐路662(a、b)を介して小区間発熱体620c、620d、620i、620jが接続されている。また、個別電極651には対向導電路650、対向分岐路652(a、b)を介して小区間発熱体620e〜620hが接続されている。その他のヒータ構成は実施例のヒータ600と同じである。
よって、比較例のヒータ600Aでは、個別電極671に通電しないと、片側では、620a、620bの2つ分の小区間発熱体が発熱しなくなる。他の片側では620k、620lの2つ分の小区間発熱体が発熱しなくなる。そのため、比較例のヒータ600Aにおける変更可能な発熱幅はA、B’、C’である。
発熱幅Aは制御回路100によりスイッチ643・653・663・673の全てがオンにされた時の発熱幅である。この場合は、ヒータ600には電極641・651・661・671から給電が行われ、発熱体620は12個全ての小区間発熱体620a〜620lに通電がなされて発熱体620の約320mmの全長域が発熱する。この発熱幅Aは本実施例の発熱幅と同じである。
発熱幅B’は制御回路100によりスイッチ643・653・663がオンにされ、スイッチ673がオフにされた時の発熱幅である。この場合は、ヒータ600には電極641・651・661から給電が行われ、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lのうち小区間発熱体620c〜620jの8区間に通電がなされて発熱体620の約213mmの領域が発熱する。この約213mmの発熱幅B’は本実施例における約267mmの発熱幅Bよりも幅狭である。
発熱幅C’は制御回路100によりスイッチ643・653がオンにされ、スイッチ663・673がオフにされた時の発熱幅である。この場合は、ヒータ600には電極641・651から給電が行われ、発熱体620は12個の小区間発熱体620a〜620lのうち小区間発熱体620e〜620hの4区間に通電がなされて発熱体620の約107mmの領域が発熱する。この約107mmの発熱幅C’は本実施例における約160mmの発熱幅Cよりも幅狭である。
本実施例のヒータ600と比較例のヒータ600Aを用いてそれぞれB4サイズ(幅サイズ257mm)の記録材を加熱する場合について説明する。
本実施例ではこのB4サイズの記録材を加熱する場合は発熱幅Bまで発熱させて記録材を導入している。そのとき、発熱幅Bの長さは約267mmであり、B4サイズの幅サイズ257mmとの差分は約10mmである。
一方、比較例のヒータ600Aの場合は、約213mmの発熱幅B’はB4記録材の幅サイズ257mmよりも狭いので定着不良が発生してしまう。そこで、B4記録材の加熱は発熱体を発熱幅Aで発熱させる必要がある。この場合、発熱幅Aの長さは320mmであり、B4サイズの幅サイズ257mmとの差分は約63mmになる。
図4に本実施例のヒータ600と比較例のヒータ600AのそれぞれにおいてB4サイズの記録材を連続して導入して加熱した時のベルト603の表面の温度推移を示す。ベルト603の表面温度はベルト603の幅中央から140mmの端部で測定している。ベルト603の表面温度の測定は、KEYENCE社製FT−H20の測定機を使い測定をしている。記録材が通る部分(記録材通過部:通紙域)のベルト表面温度は160℃にしている。
図4の横軸はB4記録材の連続の導入枚数(通紙枚数)、縦軸は記録材非通過部(非通紙部)の温度を示している。非通過部の温度の上限値は230℃に設定している。温度が230℃を超えると、ベルト603の基材603aと弾性層603bとの接着剤が劣化し、ベルトの弾性層603bが基材603aから剥がれる事象が発生する可能性がある。
そのため、非通過部の温度を230℃以下になるように制御している。具体的には、図5のように、発熱幅A、同B、同Cの各発熱幅の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する端部温度センサとしての端部サーミスタ630a・630b・630cを配設している。これらの端部サーミスタは加熱する記録材Pの幅サイズに対応する領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体における前記領域幅の外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する。これにより、発熱幅A、同B、同Cのそれぞれにおいて記録材非通過部と成り得るヒータ部分の温度を検知して制御回路100にフィードバックしている。
そして、制御回路100は端部サーミスタから入力する検知温度情報に基づいて記録材非通過部温度が所定の温度(本実施例では230℃)を超える場合は、超えないようにヒータ600に対する通電制御を変更する。例えば、制御回路100は記録材非通過部の温度が所定の温度を超える場合は超えないように装置の生産性を落とす制御を実行する。
この場合において、図4から明らかなように、本実施例のヒータ構成にすることにより、比較例のヒータに比べて非通過部昇温が緩慢であることから、上記制御による生産性を低下させずに非通過部昇温を抑えることができた。
尚、本実施例のヒータ600では発熱体620の発熱領域の変更可能な幅を大幅の発熱幅Aと中幅の発熱幅Bと小幅の発熱幅Cの3つの幅とした構成である。しかし、この構成に限られるものでは無く、4パターン以上の発熱領域を有する構成においても適用可能であることは言うまでも無い。
以上のように本実施例のヒータ600は加熱する記録材の幅サイズに応じて発熱体620の発熱幅を変えることが可能である。且つ、発熱体の長手における端部の発熱制御幅を中央部の発熱制御幅より狭くし、非通過部昇温を緩和することができる。ヒータを提供することができる。また、これを用いた定着装置を提供することができる。
《その他の実施例》
(1)実施例で例示した寸法等の数値は一例であって、この数値に限定されるものではない。本発明を適用できる範囲において数値は適宜選択できる。また、本発明を適用できる範囲において実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。
(2)ヒータ600の発熱領域の発熱幅の広狭変更制御は中央基準には限られない。記録材の搬送が片側基準でなされる場合には発熱幅の広狭変更制御は片側基準となる。
(3)実施例のヒータ600では基板610の長手方向に沿って伸びた発熱体620上に複数の共通分岐路と複数の対向分岐路を交互に間隔をあけて積層して複数の小区間発熱体620a〜620lに区分している。基板610の長手方向に沿って複数の共通分岐路と複数の対向分岐路を交互に間隔をあけて並べて形成し、隣り合う各分岐路間に発熱体620a〜620lをそれぞれ形成する構成であってもよい。
(4)電極641・651・661・671の数は実施例のヒータ600の4つには限られない。3つあるいは5つ以上にしたヒータ構成にすることもできる。複数の電極は実施例のヒータ600のように基板610の長手方向の一端部側と他端部側に分かれて位置されている構成に限られない。全ての電極を基板610の長手方向の一端部側または他端部側に位置させた構成にすることもできる。
(5)ベルト603は、ヒータ600によってその内面を支持され、ローラ70によって駆動される構成に限られない。例えば、複数のローラに架け渡されてこれらの複数のローラのいずれかによって駆動されるベルトユニット方式であってもよい。
(6)ベルト603とニップ部Nを形成するニップ形成部材は、ローラ70のようなローラ部材には限られない。例えば、複数のローラにベルトを架け渡した加圧ベルトユニットを用いてもよい。
(7)定着装置は記録材に形成された未定着のトナー像を固着像として加熱定着する装置としての使用に限られない。記録材に一旦定着された或いは仮定着されたトナー像を再度加熱加圧して画像の光沢度を向上させるなどの画像の表面性状を調整する装置としても有効である(このような装置についても定着装置と呼ぶ)。
(8)画像形成装置は実施例のようなフルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
40・・定着装置、600・・ヒータ、610・・基板、620・・抵抗発熱体、620a〜620l・・小区間発熱体、641・・共通電極、651・661・671・・個別電極、640・・共通導体路、650・660・670・・対向導体路、642(a〜f)・・共通分岐路、652(a〜c)・662(a,b)・672(a,b)・・対向分岐路、630・・温調用温度センサ、630a・630c・・端部温度センサ、100・・制御部、110・・電源部

Claims (15)

  1. 記録材上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、
    細長い基板と、
    前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、
    前記基板に設けられている共通電極と、
    前記共通電極から延在している共通導体路と、
    前記共通導体路から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続している共通分岐路と、
    前記基板に設けられている複数の個別電極と、
    前記複数の個別電極からそれぞれ延在している対向導体路と、
    前記対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路であって、前記共通分岐路と交互に配置されていて前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して前記共通分岐路と共に前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱体に区分している対向分岐路と、を有し、
    前記複数の小区間発熱体に関して加熱する記録材の幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の個別電極の少なくとも1つとの間に電圧が印加されるヒータにおいて、
    前記抵抗発熱体の端部には前記対向分岐路が配置されていることを特徴とするヒータ。
  2. 前記抵抗発熱体の端部は前記複数の小区間発熱体のひとつの小区間発熱体で通電制御でき、中央部は複数の小区間発熱体で通電制御できることを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記領域幅の幅内のヒータ部分の温度を所定の温度に制御するための温調用温度センサが配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒータ。
  4. 前記領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体における前記領域幅の外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する端部温度センサが配設されている請求項1乃至3の何れか一項に記載のヒータ。
    ことを特徴とするヒータ。
  5. 前記共通電極と前記個別電極は前記基板の長手方向の一端部側と他端部側に分かれて配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のヒータ。
  6. 前記複数の小区間発熱体の全長域が使用可能な最大幅の記録材の幅サイズに対応していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のヒータ。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載のヒータと、
    前記ヒータに接して摺動しつつ移動する伝熱部材と、
    前記ヒータとの間に前記伝熱部材を挟んで当接するニップ形成部材と、を有し、
    前記伝熱部材と前記ニップ形成部材との間に形成されるニップ部で記録材を挟持搬送して記録材上の画像を加熱することを特徴とする定着装置。
  8. 前記伝熱部材がエンドレスベルトであることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記ヒータに給電する電源部と、前記電源部から前記ヒータへの給電を制御する制御部と、を有し、前記制御部は前記複数の小区間発熱体に関して加熱する記録材の幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように前記共通電極と前記複数の個別電極の少なくとも1つとの間に電圧を印加することを特徴とする請求項7又は8に記載の定着装置。
  10. 装置に使用可能な最大幅サイズの記録材を加熱する場合は、前記制御部は前記共通電極と前記複数の全ての個別電極との間に電圧を印加することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 装置に使用可能な最大幅サイズの記録材よりも幅狭の記録材を加熱する場合は、前記制御部は前記共通電極と前記複数の個別電極のうち一部の個別電極との間に電圧を印加することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  12. 前記電源部は商用交流電源であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に何れか一項に記載の定着装置。
  13. 前記領域幅の幅内のヒータ部分の温度を所定の温度に制御するための温調用温度センサが配置されており、前記制御部は前記温調用温度センサから入力する検知温度情報に基づいて前記ヒータ部分の温度が所定の温度に維持されるように前記電源部から前記ヒータに給電する電力を制御することを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の定着装置。
  14. 前記領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体における前記領域幅の外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する端部温度センサが配設されており、前記制御部は前記端部温度センサから入力する検知温度情報に基づいて前記ヒータの発熱領域における記録材非通過部の温度が所定の温度を超えないように前記ヒータに対する通電制御を変更することを特徴とする請求項9乃至13の何れか一項に記載の定着装置。
  15. 前記領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体における前記領域幅の外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する端部温度センサが配設されており、前記制御部は前記端部温度センサから入力する検知温度情報に基づいて装置の生産性を落とす制御を実行することを特徴とする請求項9乃至13の何れか一項に記載の定着装置。
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