JP2017181410A - 異常落雷判定システム、及び、風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法 - Google Patents

異常落雷判定システム、及び、風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】風車ブレードへの落雷位置がレセプタである正常落雷であるかレセプタ外である異常落雷であるかの区別を判定可能であり、なおかつ既存の風力発電施設にも容易に取り付け可能な、異常落雷判定システムを提供する。【解決手段】異常落雷判定システムは、落雷により一時的に発生する落雷電流を検出する電流センサ25と、ブレード本体36A〜36Cに設けた落雷により一時的に発生する振動を検出する振動センサ26A〜26Cと、電流センサ25の検出電流と振動センサ26A〜26Cの検出振動に基づいてレセプタ18A〜18C以外への落雷(異常落雷)を判定する制御部16とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、異常落雷判定システム、及び、風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法に関する。
一般的に、風力発電施設は風況(風の吹き方)の良好な場所に設置される。例えば洋上や山の尾根等、周りに高い構築物が無い様な場所に風車が建てられる。このような設置環境から、その近辺で雷雲が発生すると、風車が頻繁に落雷を受けることになる。
そこで、風車には外部雷保護システム(避雷システム)が設けられている。外部雷保護システムは、レセプタ、ダウンコンダクタ(引き下げ導体)、及び接地システムを含む。レセプタはブレード本体の先端に設けられる導体部材である。なお、ブレード本体及びレセプタを含んで風車ブレードが構成される。ダウンコンダクタはブレード本体及びタワーの内部に配索(配線)され、レセプタから接地線端子盤までを結ぶ。または、ダウンコンダクタの一部の機能を風車のタワー等の既設構造物に持たせる場合もある(構造体利用)。また接地システムとして、接地線端子盤と、地中に埋設された接地極が設けられる。
このような外部雷保護システムに流れる電流(落雷電流)を測定することで、風車の落雷(受雷、着雷)を検知する技術が知られている。例えば特許文献1では、電撃パラメータとして導電部材を流れる落雷電流を検知する電流センサを備えた、風力発電装置の状態監視システムが開示されている。当該システムでは、雷撃によるブレードの損傷状態を推定するための雷撃パラメータとして、ブレードにおける落雷電流の他、内圧、歪み、温度、振動、ショックパルス測定信号、及び音響信号の少なくとも一つを用い、これらを検出するための圧力センサ、歪みセンサ、温度センサ、振動センサ、ショックパルスセンサ及びマイクロホンの少なくともいずれか一つが用いられる。また、特許文献2では、各風車翼に振動を検出する振動センサを取付け、これら振動センサから得られる振動パターンを比較判定することで、落雷等による風車翼の破壊有無を判定している。また、特許文献3では、風力発電機の状態を検出するブレード等に設けたセンサによる検出情報と、風力発電機またはその周辺への過去の落雷回数等の落雷情報に基づいて、風力発電機の異常程度の判定を行っている。
特許第5614765号公報 特開2001−349775号公報 特開2015−129493号公報
ところで、風車ブレードが落雷を受ける際に、その落雷箇所がレセプタである場合(正常落雷)とレセプタ外である場合(異常落雷)とがある。
正常落雷では、落雷電流はレセプタ→ダウンコンダクタ→接地の経路を流れる。当該経路上の部材はもともと落雷電流に耐え得る仕様で構成されていることから、正常落雷により風車が損傷に至るようなケースは少ない。
一方異常落雷では、レセプタ外、例えばブレード本体に雷が落ちる。この場合、落雷電流は絶縁体であるブレード本体を貫通してダウンコンダクタに到達する。落雷電流が貫通することで、ブレード本体の損傷やこれに伴うブレード本体からのレセプタの脱落等のおそれがある。
このように、風車ブレードへの落雷態様には、損傷の可能性の低い正常落雷と、損傷の可能性の高い異常落雷とがあるが、上記の特許文献1〜3をはじめ、従来の落雷検知技術ではこの両者を区別して判定することについて知見が示されていない。
本発明は、上記課題に鑑みて、風車ブレードが落雷を受けたときに、その落雷に対して正常落雷と異常落雷との区別を判定可能であり、なおかつ既存の風力発電施設にも容易に取り付け可能な、異常落雷判定システム、及び、風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法を提供することを目的とする。
請求項1に対応した異常落雷判定システムは、風車ブレードのブレード本体の先端部に設けた落雷を受けるレセプタと、前記レセプタに接続されたダウンコンダクタと、前記落雷により一時的に発生する落雷電流を検出する電流検出手段と、前記レセプタとローターヘッドハブの間の前記ブレード本体に設けた前記落雷により一時的に発生する振動を検出する振動検出手段と、前記電流検出手段の検出電流と前記振動検出手段の検出振動に基づいて前記レセプタ以外への異常な前記落雷を判定する判定手段とを備える。電流検出手段とは、例えば電流センサを指し、振動検出手段とは、例えば加速度センサを指す。さらに判定手段とは、例えば制御部を指す。
ここで、前記判定手段は、前記振動検出手段で検出した前記検出振動が前記レセプタへの落雷の場合の前記検出振動と比べて有意な大きさである場合に前記落雷を異常と判定することが好ましい。
また、前記判定手段は、前記振動検出手段で検出した前記検出振動の時間的変化の勾配が所定の値を超えた場合に前記落雷を異常と判定することが好ましい。
また、前記判定手段は、前記電流検出手段で検出された落雷電流の立ち上がりと前記検出振動の立ち上がりの時間差に基づいて、前記ブレード本体における前記落雷の位置を特定することが好ましい。
また、前記判定手段は、前記ブレード本体の固体伝播音速に基づいて、前記落雷の前記位置を特定することが好ましい。
また、前記ブレード本体に前記振動検出手段を設ける位置は、前記ローターヘッドハブの近傍であることが好ましい。近傍とは、例えばローターヘッドハブの中心から10m以内の領域を指す。
また、前記振動検出手段は、前記ブレード本体を伝播する前記振動の縦波を検出することが好ましい。
また、前記振動検出手段として加速度センサを用いることが好ましい。
また、前記振動検出手段を、前記ブレード本体に有した補強用のスパーの位置を避けて設けることが好ましい。
また、前記電流検出手段と前記振動検出手段及び/又は前記判定手段は、GPS信号に基づいて時刻の特定を行うことが好ましい。
また、前記ダウンコンダクタの振動を検出するダウンコンダクタ用振動検出手段を備え、前記判定手段は前記ダウンコンダクタ用振動検出手段の検出ダウンコンダクタ振動を考慮して、前記レセプタ以外への異常な前記落雷を判定することが好ましい。ダウンコンダクタ用振動検出手段は、例えば加速度センサを指す。
また、ナセルの近傍に複数のマイクロホンを備え、前記判定手段は、前記落雷のあったときの前記マイクロホンで検出される音圧の到達時間差を考慮して、前記落雷の前記位置の特定を補完することが好ましい。
また、前記検出電流の信号と前記検出振動の信号をスピナの内側に設けた無線送信機から送信し、前記スピナ以外の遠隔箇所に設けた無線受信機で受信することが好ましい。
また、請求項14に対応した風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法では、前記異常落雷判定システムを風力発電施設に取り付けるに当り、既存の風力発電施設に後付けで少なくとも前記電流検出手段、前記振動検出手段、及び前記判定手段を取り付ける。
本発明の異常落雷判定システムによれば、前記判定断手段は、落雷により発生する落雷電流と、当該落雷によりブレード本体に発生する振動に基づいて、風車ブレードへの落雷がレセプタへの正常落雷であるかレセプタ以外(例えばブレード本体)への異常落雷であるかを判定する。例えば落雷電流を検知することで風車ブレードが落雷を受けたことが検知され、さらにその際に生じた振動の強度に基づいて、落雷の態様が正常落雷であるか異常落雷であるかが判定される。このような異常落雷判定システムは、例えば外部雷保護システムを備える既存の風車ブレードに対して、振動検出手段等を後付けすることで実現可能となる。
また、前記判定手段は、前記検出振動が前記レセプタへの落雷(正常落雷)の場合の前記検出振動と比べて有意な大きさである場合に前記落雷を異常と判定する。このような判定を行うことで、異常落雷の発生有無を精度良く判定できる。
また、前記判定手段は、前記検出振動の時間的変化の勾配が所定の値を超えた場合に前記落雷を異常と判定する。このような判定を行うことで、異常落雷の発生有無をさらに精度良く判定できる。
また、前記判定手段は、落雷電流の立ち上がりと検出振動の立ち上がりの時間差に基づいて、前記ブレード本体における前記落雷の位置を特定する。落雷位置が特定されることで、損傷箇所の確認作業を速やかに行うことができる。
また、前記判定手段は、前記ブレード本体の固体伝播音速に基づいて、前記落雷の前記位置を特定する。落雷位置の特定に当たりブレード本体の固体伝播音速を用いることで、落雷位置を精度良く特定できる。
また、前記振動検出手段は、前記ローターヘッドハブの近傍に設けられる。振動検出手段を、ブレード本体の根元に当るローターヘッドハブの近傍に設けることにより、落雷電流と振動の立ち上がりの時間差が取れ、ブレード本体の中央部に設ける場合と比較して異常落雷時の落雷の位置が特定し易くなる。また、例えば振動検出手段を既存の風力発電施設に後付けする場合に、その設置箇所を、作業スペースが相対的に狭くまたアクセスが相対的に困難なブレード本体の先端部ではなく、作業スペースが相対的に広くまたアクセスが相対的に容易なローターヘッドハブ近傍とすることで、後付け作業の負担が軽減される。
また、前記振動検出手段は、前記ブレード本体を伝播する前記振動の縦波を検出する。後述するように、雷がブレード本体を貫通する際に生じる特有の波(弾性波)を検出対象とすることで、一層精度良く異常落雷の有無を判定できる。
また、前記振動検出手段として加速度センサを用いることで、工業的に各種製品に用いられる多くの加速度センサの中から性能、コスト、信頼性面で合ったものを選択可能である。
また、前記振動検出手段を、前記ブレード本体に有した補強用のスパーの位置を避けて設ける。スパーはダウンコンダクタが敷設される経路として用いられる場合があり、ダウンコンダクタに落雷電流が流れるとローレンツ力が発生してその結果ダウンコンダクタ及びスパーが振動する。スパーを避けて振動検出手段を設けることで、ローレンツ力によるスパーの振動の検出(誤検出)が回避される。
また、前記電流検出手段と前記振動検出手段及び/又は前記判定手段は、GPS信号に基づいて時刻の特定を行う。これらがGPS信号に基づく共通の信号源による同期を取ることで、落雷電流の立ち上がりと検出振動の立ち上がりの時間差を算出する際の精度が向上する。
また、前記ダウンコンダクタの振動を検出するダウンコンダクタ用振動検出手段を備えることで、異常落雷の有無を電流検出手段と振動検出手段とダウンコンダクタ用振動検出手段とに基づいて精度良く判定できる。例えば振動検出手段が検知したブレード本体の振動が大であり、かつ、ダウンコンダクタ用振動検出手段が検知した振動も大であるような場合には、異常落雷と判定できる。また、振動検出手段が検知したブレード本体の振動が小であり、かつ、ダウンコンダクタ用振動検出手段が検知した振動が大であるような場合には、正常落雷と判定できる。
また、前記判定手段は、前記落雷のあったときの音圧の到達時間差を考慮して、前記落雷の位置特定を補完する。ブレード本体の振動の伝播速度に基づく落雷位置の特定に加えて、音圧の到達時間差に基づく落雷位置の特定を行うことで、確実に落雷位置を特定できる。例えば振動検出手段が故障してもマイクロホンで音圧の到達時間差を検出して落雷位置の特定が可能である。
また、前記検出電流の信号と前記検出振動の信号をスピナの内側に設けた無線送信機から送信し、前記スピナ以外の遠隔箇所に設けた無線受信機で受信する。例えば回転系と静止系とを無線通信させることで、有線通信と比べて配線負担が軽減される。
また、本発明の風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法では、既存の風力発電施設に後付けで少なくとも前記電流検出手段、前記振動検出手段、及び前記判定手段を取り付ける。このようにすることで、既存の風力発電施設に対して、後付けで異常落雷判定システムの一部を取り付けることで、異常な落雷を判定することが可能となる。そして、例えば正常落雷判定時には風力発電装置は停止させず、異常落雷判定時にのみ風力発電装置を停止させるような対応を執ることが可能となり、既存の風力発電装置を含めた発電施設全体の稼働率を従来よりも向上させることが可能となる。
本実施形態に係る風力発電装置の側面一部断面図を例示する図である。 本実施形態に係る風力発電装置の正面図を例示する図である。 制御盤の構成及び制御部への通信について説明する図である。 本実施形態に係る異常落雷判定フローを説明するフローチャートである。 波形の立ち上がり時刻を求める方法を説明する図である。 本実施形態に掛かる異常落雷判定システムに関する放電試験を実施するに当たり、振動センサの配置を説明する図である。 第1の放電試験の概要を説明する図である。 第1の放電試験における入力電流を説明する図である。 第1の放電試験の結果を示す図である。 第2の放電試験の概要を説明する図である。 第2の放電試験における入力電流を説明する図である。 第2の放電試験の結果を示す図である。 第3の放電試験の概要を説明する図である。 第3の放電試験における入力電流を説明する図である。 第3の放電試験の結果を示す図である。 第4の放電試験の概要を説明する図である。 第4の放電試験における入力電流を説明する図である。 第4の放電試験の結果を示す図である。 第5の放電試験の概要を説明する図である。 第5の放電試験における入力電流を説明する図である。 第5の放電試験の結果を示す図である。 弾性波の伝播速度について説明する図である。 第6の放電試験の概要を説明する図である。 第6の放電試験の結果(1回目)を示す図である。 第6の放電試験の結果(2回目)を示す図である。
<全体構成>
図1に、本実施形態に係る風力発電装置10を例示する。風力発電装置10は、風車12、変圧器14、及び制御部16を含んで構成される。本実施形態に係る異常落雷判定システムは、レセプタ18A〜18C、ダウンコンダクタ20A〜20D、電流センサ25、振動センサ26A〜26C、マイクロホン27A〜27C、ダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49C、制御盤31、及び制御部16を含んで構成される。また、レセプタ18A〜18Cがブレード本体36A〜36Cの先端部に設けられ、レセプタ18A〜18Cとブレード本体36A〜36Cを含んで風車ブレード29A〜29Cが構成される。
風車12により風力エネルギーが電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーは変圧器14によって電圧変換されて商用電源等の系統に連結される(交流リンク方式)。
また、風車ブレード29A〜29Cが落雷を受けた(受雷または着雷)場合、電流センサ25が落雷電流を検出する。さらに落雷時にブレード本体36A〜36Cに生じた振動を、振動センサ26A〜26Cが検出する。制御部16は、電流センサ25が検出した落雷電流及び振動センサ26A〜26Cが検出したブレード本体36A〜36Cの振動をそれぞれ受信して、これらの測定値に基づいて異常落雷の有無判定を行う。異常落雷ではない、つまり正常落雷と判定されると風力発電装置10の運転が継続される。異常落雷と判定されると管理者等により、風力発電装置10の運転が停止され、点検、補修等が行われる。
<各構成の詳細>
風車12は、タワー22、ナセル30、主軸32、ハブ34(ローターヘッドハブ)、スピナ35、及び風車ブレード29A〜29Cを含んで構成される。なお、以下では、風車12として3枚の風車ブレードから構成される3枚羽タイプのものを例示する。
タワー22は、ナセル30やブレード本体36A〜36C等を地上から所定の高さに支持するための架台であって、例えば高さ60m程度の鋼鉄製の円筒形状から構成される。単一のタワー22を山の尾根や洋上等に運搬することが困難な場合があり、タワー22は複数の分割体から構成される。例えば図1ではタワー22が5つの分割円筒から構成されている。分割体の両端にあるフランジを位置合わせしてボルト留め等により固定して分割体を組み上げる。タワー22は中空となっており、主回路盤38や接地線端子盤24が収容される。接地線端子盤24の一端にはタワー22から引き出されたダウンコンダクタ20Dが接続され、他端はグランドに接続される。
主回路盤38は発電機42と変圧器14とを中継する中継局としての機能を備えており、また、風車12の運転動作を設計限界以内に保つように保護する保護制御機能も備えている。接地線端子盤24は、地中に埋設された接地極と避雷導線とを中継するための端子を備えている。また、接地線端子盤24は、接地抵抗値を測定するための測定用端子を備えていてもよい。
また、タワー22の周囲を取り囲むようにして電流センサ25(電流検出手段)が設けられる。電流センサ25は例えばロゴスキーコイル型のセンサであってよい。風車ブレード29A〜29Cに落ちた雷はダウンコンダクタ20A〜20Cやタワー22を通って接地に流れる。電流センサ25は、落雷により一時的に発生する落雷電流を検出する。
ナセル30はタワー22の上部に配置され、主軸32、増速機40や発電機42等を収容する筐体である。主軸32の回転が増速機40に伝達され、さらに増速後の回転駆動力が発電機42に伝達されることで発電が行われる。また、ナセル30内には、スピナ35内の制御盤31に電力を供給する電源33が設けられている。
ハブ34はローターヘッドハブとも呼ばれ、風車ブレード29A〜29Cを主軸32に固定する。ハブ34は中空構造であり、図1に示す例では、この中に振動センサ26A〜26Cと制御盤31を結ぶ信号線、電源33と制御盤31を結ぶ電源線、及びダウンコンダクタ20A〜20Cが配索(配線)されている。
スピナ35はハブ34やその周辺機器を収容するカバー部材である。スピナ35は繊維強化プラスチック(FRP)等の耐候性の高い部材から構成される。スピナ35はナセル30のケースと回動可能な状態で接続されており、作業者はナセル30内及びスピナ35内での作業が可能となっている。スピナ35にはハブ34の他に制御盤31が収容される。
制御盤31は、各種制御のパイロット信号や警報信号、メンテナンス用照明の電力等を出力する。制御盤31は、ナセル30内の電源33から電力供給を受ける。例えば、電源33からスリップリング19を介して中空状の主軸32内に電源線を引き込み、さらにハブ34内から制御盤31に当該電源線が引き出される。
また制御盤31は、振動センサ26A〜26Cやマイクロホン27A〜27Cの信号を受信する。図3に示すように、制御盤31は、チャージアンプ37A〜37F、マイク用アンプ39A〜39C、A/Dコンバータ41、コンピュータ43、及び無線送信機45を備える。チャージアンプ37A〜37Fは、振動センサ26A〜26C及びダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cの各信号を増幅させる。マイク用アンプ39A〜39Cは、マイクロホン27A〜27Cの各信号を増幅させる。
A/Dコンバータ41は、チャージアンプ37A〜37F及びマイク用アンプ39A〜39Cで増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/Dコンバータ41は、汎用のものであってよく、例えば1μSec程度の分解能を持つものであってよい。後述するように、ブレード本体36A〜36Cの固体伝播速度を約3000m/秒とすると、3mm程度の落雷位置分解能を備えることになる。
コンピュータ43は変換されたデジタル信号を演算処理する。例えば振動センサ26A〜26Cから出力された電圧信号を加速度(G)に変換する。またマイクロホン27A〜27Cで捉えた音圧を電圧信号に変換する。
無線送信機45は、コンピュータ43により演算処理された加速度や音圧(電圧信号)のデータを、制御部16の無線受信機47に送信する無線通信手段である。このように、回転系であるスピナ35と、スピナ35以外の遠隔箇所である静止系とを無線通信させることで、有線通信と比べて配線負担が軽減される。
なお、無線受信機47は、制御部16以外の場所に設けてもよい。要するに回転系から切り離された静止系に信号が送信されればよいことから、例えばナセル30内に無線受信機47を設置してもよい。またタワー22の上部空間に無線受信機47を設置してもよい。
また、図3では、制御盤31内にコンピュータ43を設置していたが、この形態に限らない。例えばコンピュータ43を制御部16内に設置し、A/Dコンバータ41にて変換されたデジタル信号を無線送信機45から出力してもよい。
図1に戻り、風車ブレード29A〜29Cはブレード本体36A〜36C及びレセプタ18A〜18Cを含んで構成される。ブレード本体36A〜36Cは例えばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等の絶縁体から構成され、また軽量化を図るため中空構造を採っている。ブレード本体36A〜36Cの根元部分は円筒状フランジ構造となっており、ハブ34のフランジにボルト固定される。ブレード本体36A〜36Cの先端(最外径端)にはレセプタ18A〜18Cが取り付けられている。レセプタ18A〜18Cはアルミニウム等の導電性材料から構成され、主に落雷を受ける部位(受雷部)として機能する。なお、図1に示す例ではブレード本体36A〜36Cの先端形状に沿ったいわゆるキャップタイプのレセプタ18A〜18Cを例示したが、この形態に限らない。例えばディスク形状またはロッド形状のレセプタをブレード本体36A〜36Cの先端等に複数配置してもよい。
また、ブレード本体36A〜36C内には、破線で示すダウンコンダクタ20A〜20Cが収容されている。ダウンコンダクタ20A〜20Cの一端はレセプタ18A〜18Cに接続され、他端は結線された後、ブラシ等の摺動接触機構を経由してタワー22に接続される。
加えて、本実施形態における風車12においては、ブレード本体36A〜36Cの内部にそれぞれ振動センサ26A〜26C(振動検出手段)及びダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cが設けられ、スピナ35の、ブレード本体36A〜36Cとの接続箇所近傍にそれぞれマイクロホン27A〜27Cが設けられている。
振動センサ26A〜26Cは例えば加速度センサから構成される。具体的には振動センサ26A〜26Cはピエゾ抵抗型加速度センサ等の、圧電型加速度センサであることが好適である。圧電型の加速度センサとすることで、加速度センサへの給電線が不要となり、信号線を配線するだけで済むので、配線の作業負担が軽減される。また工業的に各種製品に用いられる多くの加速度センサの中から性能、コスト、信頼性面で合ったものを選択可能である。
なお、風車ブレード29A〜29Cのピッチ角を可変にできる機構を備えている場合には、振動センサ26A〜26Cと制御盤31とを結ぶ信号線が、ピッチ角の変動で切断されないように配線する必要がある。例えばピッチ角の変動を信号線(シールド線)のねじれで吸収可能なように、ある程度の弛みを持たせた状態で信号線を配線する。また、風車ブレード29A〜29Cとハブとの相対回転時に両者のフランジに信号線が挟まれると切断のおそれがあることから、フランジの中心軸付近に信号線を配線することが好適である。
振動センサ26A〜26Cは、ブレード本体36A〜36Cに生じる振動のうち縦波を検出する。すなわち振動センサ26A〜26Cは、ブレード本体36A〜36Cの長手方向の加速度を検出する。例えば振動センサ26A〜26Cは、検出面が長手方向を向くように配置される。
異常落雷が発生すると、雷がブレード本体36A〜36Cを貫通する。その際にブレード本体36A〜36Cが急激に膨張(熱膨張)する。このような急激な密度変化の発生に伴って、ブレード本体36A〜36Cに弾性波(縦波)が生じる。本実施形態に係る異常落雷判定システムでは、このような落雷により一時的に発生する振動(縦波)を検出することで、異常落雷の発生有無を判定している。異常落雷の発生時に特有の現象を捉えることで、異常落雷の発生有無を精度よく判定することが可能となる。
上記のような検出原理から、振動センサ26A〜26Cは基本的にはブレード本体36A〜36Cのどの箇所に設けてもよい。例えば、ブレード本体36A〜36Cの、ハブ34近傍の箇所に振動センサ26A〜26Cを設けてもよい。具体的には図2に示すように、ハブ34(スピナ35)の中心から10m以内、より好適には5m以内の箇所に振動センサ26A〜26Cを設ける。
図2に示されているように、ブレード本体36A〜36Cは略先細りの形状を有しており、先端に行くほど内部のスペース(空洞)は狭くなる。また当然に、ブレード本体36A〜36Cの先端に行くほどそのアクセスは困難となる。本実施形態では、先端と比べてスペースが広く、またアクセスが容易なハブ34近傍の箇所に振動センサ26A〜26Cを設置可能とすることで、既存の風力発電施設(風車12)にも容易に振動センサ26A〜26Cの後付けが可能となっている。
また、例えばブレード本体36A〜36Cへの落雷箇所が、ブレード本体36A〜36Cの長手方向中央部から先端までの領域であることが相対的に多いような場合に、振動センサ26A〜26Cを、ブレード本体36A〜36Cの根元に当たるローターヘッドハブ34の近傍に設けることにより、落雷電流と振動の立ち上がりの時間差が取れ、ブレード本体36A〜36Cの中央部に設ける場合と比較して異常落雷時の落雷の位置が特定し易くなる。
なお、ブレード本体36A〜36Cの内部には補強用のスパー48A〜48C(ビームやリブとも呼ばれる)が長手方向に沿って設けられている。スパー48A〜48Cはブレード本体36A〜36Cの補強だけでなく、ダウンコンダクタ20A〜20Cの固定にも用いられる。すなわち、スパー48A〜48Cに沿ってダウンコンダクタ20A〜20Cが配索され、例えば等間隔に固定具が打ち込まれる。
後述するように、ブレード本体36A〜36Cやレセプタ18A〜18Cに雷が落ちてダウンコンダクタ20A〜20Cに落雷電流が流れると、ダウンコンダクタ20A〜20Cにローレンツ力が発生してダウンコンダクタ20A〜20C及びこれを固定するスパー48A〜48Cが振動する。この振動をブレード本体36A〜36Cの弾性波振動と誤検出しないために、振動センサ26A〜26Cはスパー48A〜48Cを避けた位置に設けることが好適である。
なお、本実施形態では、振動センサ26A〜26Cの他に、敢えてダウンコンダクタ20A〜20Cの振動(ダウンコンダクタ振動)を検出するための、ダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cが設けられている。ダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cはスパー48A〜48Cに設けられる。ダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cは振動センサ26A〜26Cと同様に、圧電型の加速度センサから構成されてよい。またハブ34(スピナ35)の中心から10m以内、より好適には5m以内の箇所にダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cを設ける。
異常落雷の有無判定では、ダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cが検出した振動を考慮してもよい。正常落雷と異常落雷とを問わず、ダウンコンダクタ20A〜20Cには落雷電流が流れる。したがって正常落雷と異常落雷とを問わず、ダウンコンダクタ20A〜20C及びスパー48A〜48Cには振動が発生する。一方、異常落雷の際にはブレード本体36A〜36Cに弾性波(縦波)が生じるが、正常落雷の際にはそのような弾性波は殆ど生じない。
このことから、電流センサ25にて落雷電流を検知したときに、振動センサ26A〜26Cの少なくともいずれか一つで縦波を検出し、かつダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cの少なくともいずれか一つで振動を検出した場合には、異常落雷と判定できる。一方、電流センサ25にて落雷電流を検知したときに、振動センサ26A〜26Cのいずれにも縦波が検出されず、かつダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cの少なくともいずれか一つで振動を検出した場合には、正常落雷と判定できる。
マイクロホン27A〜27Cは、落雷時にブレード本体36A〜36Cに生じた音を記録する集音手段である。ブレード本体36A〜36Cの固体振動音の集音を抑制するために、マイクロホン27A〜27Cはブレード本体36A〜36Cとは非接触であることが好適である。例えば図1に示すように、マイクロホン27A〜27Cは、スピナ35先端の外表面上であって、ブレード本体36A〜36Cのそれぞれ前方に設置される。このようにすることで、ブレード本体36A〜36Cが落雷を受けたときに生じる空気伝播音を集音可能となる。
制御部16(判定手段)は、電流センサ25、振動センサ26A〜26C、マイクロホン27A〜27C、及びダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cから受信した信号をもとに、風車ブレード29A〜29Cへの落雷有無、及び、その落雷が正常落雷であるか異常落雷であるかを判定する。制御部16はコンピュータから構成され、図示しないメモリには、下記に説明する異常落雷判定プログラムが記憶され、図示しない演算部が当該プログラムを実行することで、異常落雷判定が行われる。
<異常落雷判定>
図4には、本実施形態に係る異常判定フローが例示されている。制御部16は、電流センサ25から受信する電流値が、所定の閾値Aを超過したときに、風車12が落雷を受けたと判定し、異常判定フローを起動させる。
制御部16は、振動センサ26A〜26Cから振動(加速度)を受信し、これら検出振動の少なくともいずれか一つにてその振動が有意に大きいときに、その振動を検出した振動センサ26A〜26Cが取り付けられているブレード本体36A〜36Cに異常落雷が生じたと判定する。例えば、振動センサ26A〜26Cの少なくともいずれか一つにてその振動が所定の閾値Bを超過しているか否かを判定し(S10)、超過しているときに、制御部16は異常落雷と判定する(S12)。振動センサ26A〜26Cが検出したいずれの振動も、閾値B以下であるような場合には、制御部16は正常落雷と判定する(S14)。
閾値Bは、例えば振動センサ26A〜26Cで検出される振動のノイズレベルの二倍の値に設定される。さらに詳しくは、落雷電流の検知後25msec以内に振動センサ26A〜26Cで検出される振動レベルに対してノイズレベルの二倍の値に設定される。25msecの根拠は、縦波の伝播速度が3000m/s、ブレード本体36A〜36Cの長さを80m、また振動センサ26A〜26Cの設置位置をブレード本体36A〜36Cの先端から75mと想定して導かれる値であり、落雷直後、この時間内に有意な振動が検知されれば、レセプタ18A〜18C以外への落雷による振動と判定する。
また、異常落雷の有無を判定するパラメータとして、振動の大きさに代えて、振動の時間的変化の勾配を用いてもよい。具体的には振動の時間変化を監視して、その勾配を順次求める。その勾配の値が所定の閾値B’を超過するときに、制御部16は異常落雷と判定する。
また、異常落雷の有無判定において、補助的にダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cの検出値も参照してもよい。具体的には、制御部16は、ダウンコンダクタ用振動センサ49A〜49Cが検出した振動(加速度)の少なくともいずれか一つが所定の閾値Cを超過している場合に、正常落雷または異常落雷があったものと判定する。さらに、振動センサ26A〜26Cが検出した振動の少なくともいずれか一つが閾値Bを超過したときには、その振動を検出した振動センサ26A〜26Cが取り付けられたブレード本体36A〜36Cに異常落雷が生じたと判定する。振動センサ26A〜26Cが検出したいずれの振動も、閾値B以下であるような場合には、制御部16は正常落雷と判定する。
異常落雷が生じたと判定されると、制御部16はその落雷位置を特定する。制御部16は、電流センサ25において落雷電流の電流値が閾値Aを超過したときの波形の立ち上がり時刻t1を求める(S16)。
図5には時刻t1の導出例が示されている。なおこの例では電流センサ25の波形の代わりに、振動センサ26A〜26Cの波形(電圧波形)が示されている。制御部16はセンサから受信した値を順次プロットし、所定の閾値を超過するような値を含む波形が表れると、その波形の極大値Vmaxの10%の値及び90%の値を求める。さらに制御部16はVmax90%とVmax10%のプロットを結ぶ線分と横軸(V=0)との交点を求める。この交点に対応する時刻を立ち上がり時刻t1とする。
次に制御部16は、振動センサ26A〜26Cの値を参照し、立ち上がり時刻t1を起点として、閾値Bを超過する値を含む振動の第一波の立ち上がり時刻t2を求める(t18)。立ち上がり時刻t2の求め方は上記と同様である。
制御部16は、落雷電流の立ち上がり時刻t1から振動の立ち上がり時刻t2までの時間差に基づいて、落雷位置を特定する。具体的に制御部16は、立ち上がり時刻t1及びt2の時間差と、ブレード本体36A〜36Cの固体伝播音速に基づいて、落雷位置を特定する。ブレード本体36A〜36Cがガラス繊維強化プラスチック(GFRP)で構成されている場合、その固体伝播音速は約3000m/Secであることが知られている。制御部16は、この固体伝播音速と落雷電流の立ち上がり時刻t1から振動の立ち上がり時刻t2までの時間差を掛けることで、振動センサ26A〜26Cから落雷位置までの距離を求める(S20)。
なお、落雷電流の立ち上がり時刻t1から振動の立ち上がり時刻t2までの時間差を求めるに当たり、制御部16、電流センサ25及び振動センサ26A〜26Cの間で同期を取ることが好適である。例えば制御部16は、GPS信号に基づいて時刻t1及びt2を特定する。これらがGPS信号に基づく共通の信号源による同期を取ることで、落雷電流の立ち上がりと検出振動の立ち上がりの時間差を算出する際の精度が向上する。具体的には制御部16はGPS信号を受信するとともに、電流センサ25と振動センサ26A〜26Cの値を、GPS衛星から受信した時刻信号に応じてプロットする。
また制御部16は、落雷位置の特定に当たり、補助的にマイクロホン27A〜27Cの値を参照してもよい。または、振動センサ26A〜26Cが故障した際に、マイクロホン27A〜27Cで音圧の到達時間差を検出して落雷位置を特定してもよい。
例えばマイクロホン27A〜27Cで検出される音圧(電圧信号)の到達時間差を考慮して、落雷位置の特定を補完する。具体的には、落雷電流の立ち上がり時刻t1から、マイクロホン27A〜27Cの音圧(電圧信号)値の立ち上がり時刻t3の時間差を求める。
立ち上がり時刻t3の求め方は上述と同様である。すなわち、所定の閾値を超過するような音圧(電圧信号)値を含む波形が表れると、その波形の極大値Vmaxの10%の値及び90%の値を結ぶ線分と横軸(0dB)との交点を求める。この交点に対応する時刻を立ち上がり時刻t3とする。
さらに制御部16は、立ち上がり時刻t1とt3との時間差に、空気中の音速約330m/sを掛けることで、マイクロホン27A〜27Cから落雷位置までの距離を求める。
<実施例>
図6〜図26を用いて、本実施形態に係る異常落雷判定システムによる実施例を説明する。図6には、ブレード本体36に振動センサ26を取り付けたときの様子が示されている。ブレード本体36の表面には、振動センサ26_No.1、26_No.3、26_No.4、26_No.5が設けられ、裏面(ナセル30側の面)には、振動センサ26_No.2、26_No.6が設けられる。振動センサ26_No.1、26_No.2、26_No.3、26_No.5、26_No.6はいずれもブレード本体36の根元(ハブ34との接続箇所)近傍に設けられ、振動センサ26_No.4はブレード本体36の先端から1500mmの箇所に設けられている。なお、ブレード本体36は長さ4000mmのものを用いた。
振動センサ26_No.1はその検出面がブレード本体36の長手方向を向いており、ブレード本体36表面に生じた縦波を検出可能となっている。振動センサ26_No.2もその検出面がブレード本体36の長手方向を向いており、ブレード本体36裏面に生じた縦波を検出可能となっている。
振動センサ26_No.3は横波検出用であり、その検出面がブレード本体36の表面に貼り付けられている。振動センサ26_No.4は、他の振動センサと比較して落雷位置近傍に設けられている。またその検出面はブレード本体36の長手方向を向いており、ブレード本体36表面に生じた縦波を検出可能となっている。
振動センサ26_No.5は高分解能のオシロスコープへの入力用センサであり、ブレード本体36表面に生じた縦波を検出可能(検出面が長手方向に向いている)となっている。振動センサ26_No.6も高分解能のオシロスコープへの入力用センサであり、ブレード本体36裏面に生じた縦波を検出可能(検出面が長手方向に向いている)となっている。
図7には、第1の放電試験の概要が示されている。この試験は空中放電によるノイズの影響を確認するために行われたものである。図8には入力電流の波形が示されている。入力電流の波高値(ピーク値)Ipkは84.328[kA]、波頭長T1は7.748[μSec]、波尾長T2は22.157[μSec]とした。
図9には、空中放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.4の波形が示されている。縦軸には振動の大きさを表す加速度が示され、横軸には時刻が示されている。振動センサ26_No.1、26_No.4ともにゼロ近傍の値を示しており、センサケーブル等への電磁ノイズは無視できることが理解される。
図10には、第2の放電試験の概要が示されている。この試験はレセプタ18に導体を繋いで放電した際のノイズの影響を確認するために行われたものである。図11には入力電流の波形が示されている。入力電流の波高値(ピーク値)Ipkは42.239[kA]、波頭長T1は27.669[μSec]、波尾長T2は64.789[μSec]とした。
図12には、放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.4の波形が示されている(縦軸:加速度、横軸:時刻)。図示されているように、計測された加速度は比較的小さい。
図13には、第3の放電試験の概要が示されている。この試験は正常落雷時の波形を確認するために行われたものであり、レセプタ18上で火花放電(模擬雷)を発生させた。図14には入力電流の波形が示されている。入力電流の波高値(ピーク値)Ipkは41.114[kA]、波頭長T1は28.368[μSec]、波尾長T2は66.098[μSec]とした。
図15には、火花放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.4の波形が示されている(縦軸:加速度、横軸:時刻)。図示されているように、第2の放電試験(導体からレセプタ18に放電)と略同様の結果であることが理解される。
図16には、第4の放電試験の概要が示されている。この試験は異常落雷時の波形を取るために行われたものであり、ブレード本体36上で火花放電を発生させた。落雷位置であるアークエントリーポイントは、ブレード本体36の先端から1000mmの箇所であり、振動センサ26_No.4に近接している。図17には入力電流の波形が示されている。入力電流の波高値(ピーク値)Ipkは39.238[kA]、波頭長T1は27.951[μSec]、波尾長T2は65.684[μSec]とした。
図18には、火花放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.4の波形が示されている(縦軸:加速度、横軸:時刻)。図示されているように、第1〜第3の放電試験と比較して、非常に大きな加速度が計測されている。また、相対的に落雷位置から離れた振動センサ26_No.1について、第1〜第3の放電試験と比較して、有意な差が表れていることが理解される。
図19には、第5の放電試験の概要が示されている。この試験は第4の放電試験と同様、異常落雷時の波形を取るために行われたものであるが、第4の放電試験と比較して入力電流を絞っている。図20には入力電流の波形が示されている。入力電流の波高値(ピーク値)Ipkは18.962[kA]、波頭長T1は28.377[μSec]、波尾長T2は68.099[μSec]とした。また図19に示すように、落雷位置であるアークエントリーポイントは、ブレード本体36の先端から1250mmの箇所であり、第4の放電試験と比較して、より振動センサ26_No.4寄りの位置に火花放電を発生させている。
図21には、火花放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.4の波形が示されている(縦軸:加速度、横軸:時刻)。図示されているように、第1〜第3の放電試験と比較して、大きな加速度が計測されている。また、相対的に落雷位置から離れた振動センサ26_No.1について、第1〜第3の放電試験と比較して、有意な差が表れていることが理解される。
図22には、ブレード本体36を伝播する弾性波(縦波)の速度を計測した結果が表に示されている。この表には、火花放電を3回実施したときの、放電時刻から振動センサ26_No.5に弾性波の第一波が到達するまでに掛かった時間、落雷位置から振動センサ26_No.5までの距離、及び弾性波の伝播速度が示されている。また、グラフには弾性波の伝播速度が示されている。測定誤差を考慮して、±5m/sのエラーバーを付している。これらの伝播速度に示されているように、いずれの火花放電においても、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の固体伝播音速である約3000m/Secに概ね一致していることが理解される。
図23〜図25には、第6の放電試験の概要が示されている。この試験では、ダウンコンダクタ20A〜20Cによるローレンツ力の影響を確認している。この試験では火花放電を2回実施している。
1回目の火花放電に当たり、振動センサ26_No.2を、ダウンコンダクタ20が固定されたスパー48に取り付けた。また振動センサ26_No.1と26_No.2の火花放電位置からの距離はほぼ等しいものとした。2回目の火花放電に当たり、振動センサ26_No.2を、スパー48から外れるようにスパー48から200mm前方に取り付けた。また、入力電流値は2回ともに39[kA]とした。
図24には、1回目の火花放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.2、26_No.3、26_No.4の波形が示されている。火花放電位置から等しい距離にある振動センサ26_No.1及び26_No.2で、第一波のピーク位置に大きなずれが生じているのが理解される。
図25には、2回目の火花放電を実施したときの振動センサ26_No.1、26_No.2、26_No.3、26_No.4の波形が示されている。この例では、振動センサ26_No.1及び26_No.2の波形は概ね一致しており、ローレンツ力による振動の影響が取り除かれていることが理解される。
18A〜18C レセプタ、20A〜20C ダウンコンダクタ、26A〜26C 振動センサ、27A〜27C マイクロホン、29A〜29C 風車ブレード、36A〜36C ブレード本体、48A〜48C スパー、49A〜49C ダウンコンダクタ用振動センサ、10 風力発電装置、12 風車、16 制御部、25 電流センサ、45 無線送信機、47 無線受信機。

Claims (14)

  1. 風車ブレードのブレード本体の先端部に設けた落雷を受けるレセプタと、
    前記レセプタに接続されたダウンコンダクタと、
    前記落雷により一時的に発生する落雷電流を検出する電流検出手段と、
    前記レセプタとローターヘッドハブの間の前記ブレード本体に設けた前記落雷により一時的に発生する振動を検出する振動検出手段と、
    前記電流検出手段の検出電流と前記振動検出手段の検出振動に基づいて前記レセプタ以外への異常な前記落雷を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする異常落雷判定システム。
  2. 前記判定手段は、前記振動検出手段で検出した前記検出振動が前記レセプタへの落雷の場合の前記検出振動と比べて有意な大きさである場合に前記落雷を異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の異常落雷判定システム。
  3. 前記判定手段は、前記振動検出手段で検出した前記検出振動の時間的変化の勾配が所定の値を超えた場合に前記落雷を異常と判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異常落雷判定システム。
  4. 前記判定手段は、前記電流検出手段で検出された落雷電流の立ち上がりと前記検出振動の立ち上がりの時間差に基づいて、前記ブレード本体における前記落雷の位置を特定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  5. 前記判定手段は、前記ブレード本体の固体伝播音速に基づいて、前記落雷の前記位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の異常落雷判定システム。
  6. 前記ブレード本体に前記振動検出手段を設ける位置は、前記ローターヘッドハブの近傍であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  7. 前記振動検出手段は、前記ブレード本体を伝播する前記振動の縦波を検出することを特徴とする請求項1から請求項6のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  8. 前記振動検出手段として加速度センサを用いることを特徴とする請求項1から請求項7のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  9. 前記振動検出手段を、前記ブレード本体に有した補強用のスパーの位置を避けて設けたことを特徴とする請求項1から請求項8のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  10. 前記電流検出手段と前記振動検出手段及び/又は前記判定手段は、GPS信号に基づいて時刻の特定を行うことを特徴とする請求項1から請求項9のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  11. 前記ダウンコンダクタの振動を検出するダウンコンダクタ用振動検出手段を備え、
    前記判定手段は前記ダウンコンダクタ用振動検出手段の検出ダウンコンダクタ振動を考慮して、前記レセプタ以外への異常な前記落雷を判定することを特徴とする請求項1から請求項10のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  12. ナセルの近傍に複数のマイクロホンを備え、
    前記判定手段は、前記落雷のあったときの前記マイクロホンで検出される音圧の到達時間差を考慮して、前記落雷の前記位置の特定を補完することを特徴とする請求項4から請求項11のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  13. 前記検出電流の信号と前記検出振動の信号をスピナの内側に設けた無線送信機から送信し、前記スピナ以外の遠隔箇所に設けた無線受信機で受信することを特徴とする請求項1から請求項12のうちの1項に記載の異常落雷判定システム。
  14. 請求項1から請求項13のうちの1項に記載した異常落雷判定システムを風力発電施設に取り付けるに当り、既存の風力発電施設に後付けで少なくとも前記電流検出手段、前記振動検出手段、及び前記判定手段を取り付けることを特徴とする風力発電施設への異常落雷判定システムの取り付け方法。
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