JP2017181263A - 欠陥検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より精度良く欠陥部分を検出することができる欠陥検出装置を提供すること。
【解決手段】 欠陥検出装置1は、検査対象面W1にレーザー光を照射する照射部22と、検査対象面W1に照射されたレーザー光の反射光を受光する受光部23と、受光部23にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面W1の三次元形状を表す三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を算出する高さデータ補正部33と、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)をローパスフィルタ処理することにより、良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を算出する良品形状データ算出部34と、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)と良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を比較することにより、検査対象面W1の三次元形状に基づく欠陥候補DZを検出する第一欠陥候補検出部37と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 欠陥検出装置1は、検査対象面W1にレーザー光を照射する照射部22と、検査対象面W1に照射されたレーザー光の反射光を受光する受光部23と、受光部23にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面W1の三次元形状を表す三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を算出する高さデータ補正部33と、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)をローパスフィルタ処理することにより、良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を算出する良品形状データ算出部34と、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)と良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を比較することにより、検査対象面W1の三次元形状に基づく欠陥候補DZを検出する第一欠陥候補検出部37と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、検査対象物の表面(検査対象面)に形成されている傷などの欠陥部分を検出するための欠陥検出装置に関する。
車両ドアに取り付けられるアウトサイドハンドルの表面(外側面)は、意匠面であるため、この意匠面には傷、打痕、塗装不良等の欠陥部分が形成されていないのが望ましい。従って、アウトサイドハンドルの表面塗装後に、その表面に欠陥部分が存在するか否かが検査される。この検査に欠陥検出装置が用いられる。
上記したアウトサイドハンドルの表面等の検査対象面上における欠陥部分を検出する欠陥検出手法の一つとして、レーザー光を用いる手法が採用され得る。レーザー光を用いる欠陥検出方法により検査対象面上における欠陥部分を検出する場合、検査対象面にレーザー光が照射されるとともに、照射点における照射光の反射光が受光される。受光された反射光に関する情報から、検査対象面の三次元形状を表す点群データが算出される。そして、算出された点群データを予め取得されている既知の参照データ(マスターデータ)と比較することにより、検査対象面上の欠陥部分が検出される。
特許文献1に示される欠陥検出方法によれば、検査対象面の三次元形状を三次元測定器等で測定して得られた測定点群データの各点と、予め求められている参照点群データ(マスターデータ)の対応点との間の距離に基づいて、測定点群データが非欠陥点群データと欠陥点群データとに分類される。次いで、測定点群データから欠陥点群データが除外された測定点群データを使用して測定点群データと参照点群データとが位置合わせされる。位置合わせされた測定点群データを参照点群データと比較することにより、欠陥点群データが除外された測定点群データの各点における参照点群データの対応点が判別される。そして、元の測定点群データの各点と、その各点における参照点群データの対応点との間の距離に基づいて、測定点群データから欠陥点群データが改めて検出される。検出された欠陥点群データに基づいて、欠陥部分が検出される。
また、特許文献2は、レーザー変位計を用いて2つの母材が突き合わされた状態で溶接されたときに形成される溶接ビード部を含む部分の表面変位を測定し、その変位量により溶接品質(すなわち溶接欠陥)を検査する検査方法を開示する。この検査方法によれば、レーザー変位計により得られた溶接ビード部を含む部分の表面変位データに基づいて、母材の表面形状データと溶接ビード部の表面形状データとが取得される。そして、母材又は母材表面を溶接ビード部に外挿した仮想面(或いは仮想線)を想定し、その仮想面(或いは仮想線)から溶接ビード部の表面までの変位量に基づいて、溶接品質が検査される。
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載の方法によれば、測定点群データの各点を、既知の参照点群データ(マスターデータ)の対応点と比較することによって、欠陥点群データ(欠陥部分)が検出される。しかし、用いる参照点群データ(マスターデータ)には、検査対象面の形状のばらつきまで考慮されていないので、検査対象面の形状のばらつきが欠陥部分として検出される可能性がある。そのため、検出された欠陥部分が、本当に欠陥部分を構成するのか単なる形状のばらつきであるのかを、精度良く判断することができない。つまり、欠陥部分の検出精度が低い。
特許文献1に記載の方法によれば、測定点群データの各点を、既知の参照点群データ(マスターデータ)の対応点と比較することによって、欠陥点群データ(欠陥部分)が検出される。しかし、用いる参照点群データ(マスターデータ)には、検査対象面の形状のばらつきまで考慮されていないので、検査対象面の形状のばらつきが欠陥部分として検出される可能性がある。そのため、検出された欠陥部分が、本当に欠陥部分を構成するのか単なる形状のばらつきであるのかを、精度良く判断することができない。つまり、欠陥部分の検出精度が低い。
また、特許文献2に記載の方法によれば、母材の位置や形状を予め直線或いは曲率等によって設定しておく必要がある。つまり、特許文献2においても、既知の参照データが必要である。よって、特許文献1と同様に、形状のばらつきが検査精度に影響を及ぼす。特に形状のばらつきが大きい場合には精度良く溶接品質を検査することができない。
本発明は、より精度良く欠陥部分を検出することができる欠陥検出装置を提供することを、目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、検査対象面(W1)にレーザー光を照射する照射部(22)と、検査対象面に照射されたレーザー光の反射光を受光する受光部(23)と、受光部にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面の三次元形状を表す三次元形状データを算出する三次元形状データ算出部(31,32,33)と、三次元形状データをローパスフィルタ処理することにより、三次元形状データのうち欠陥部分の形状と考えられるデータが除外された良品形状データを算出する良品形状データ算出部(34)と、三次元形状データと良品形状データとを比較することにより、検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補を検出する第一欠陥候補検出部(37)と、を備える、欠陥検出装置を提供する。
本発明は、検査対象面(W1)にレーザー光を照射する照射部(22)と、検査対象面に照射されたレーザー光の反射光を受光する受光部(23)と、受光部にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面の三次元形状を表す三次元形状データを算出する三次元形状データ算出部(31,32,33)と、三次元形状データをローパスフィルタ処理することにより、三次元形状データのうち欠陥部分の形状と考えられるデータが除外された良品形状データを算出する良品形状データ算出部(34)と、三次元形状データと良品形状データとを比較することにより、検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補を検出する第一欠陥候補検出部(37)と、を備える、欠陥検出装置を提供する。
本発明によれば、検査対象面の三次元形状をローパスフィルタ処理することによって、良品形状データが算出される。ここで、検査対象面の形状のばらつき(正規品に対する個々の製品の寸法誤差)の大きさが、欠陥部分の大きさよりも大きい場合、ローパスフィルタ処理によって、算出された三次元形状データから、形状のばらつきを残しつつ欠陥部分のみを除去した良品形状データを得ることができる。従って、本発明に係る良品形状データには、検査対象面の形状のばらつきが反映されることになる。こうして形状のばらつきが反映された良品形状データと元の三次元形状データとを比較することによって欠陥候補を検出することにより、形状のばらつきによる影響が抑制され、その結果、従来よりも精度の良い欠陥部分の検出を実現することができる。
本発明において、三次元形状データをローパスフィルタ処理する場合においては、一般的な欠陥を表すような大きさ及び形状を構成する三次元形状データが除外されるように、フィルタ長を設定しておくのがよい。そのようなフィルタ長は、検査対象面の形状に応じて異なるので一概に特定することはできないが、検査対象の製品に合わせて任意の曲率半径の部分がカットされるようなフィルタ長であるのがよい。
上記発明において、三次元形状データ算出部は、検査対象面の三次元形状データを算出するために、反射光に関する情報を入力する。ここで、反射光に関する情報とは、例えば、反射光の受光タイミングである。反射光の受光タイミングと照射光の照射タイミングとの位相差に基づいて、照射部(或いは後述する測定ヘッド)から検査対象面までの距離を得ることができ、得られた距離から検査対象面の三次元形状を算出することができる。
また、「欠陥候補」とは、欠陥と考えられる部分という意味であり、「欠陥部分」のみとは限らない。よって、「欠陥候補」には、真の欠陥部分も含まれるし、欠陥ではない部分も含まれる可能性がある。この場合、さらに検査精度を高めるために、各種の欠陥固有の特徴量と欠陥候補の対応する特徴量とを比較することによって、真の欠陥を抽出するような処理を施してもよい。
また、本発明に係る欠陥検出装置は、受光部にて受光した反射光の強度を表す反射強度データを算出する反射強度データ算出部(32)と、反射強度データをローパスフィルタ処理することにより、反射強度データのうち欠陥部分における反射強度と考えられるデータが除外された良品反射強度データを算出する良品反射強度データ算出部(35)と、反射強度データと良品反射強度データとを比較することにより、検査対象面の反射強度に基づく欠陥候補を検出する第二欠陥候補検出部(38)と、を備えるとよい。
検査対象面上に欠陥が形成されている場合、欠陥部分における反射強度は、欠陥部分でない部分における反射強度とは異なる可能性がある。従って、反射強度に基づいて欠陥候補を検出することができる。上記発明においては、三次元形状に基づく欠陥候補に加え、反射強度に基づく欠陥候補が検出される。つまり、異なる二つの情報に基づいて、それぞれ欠陥候補が検出される。従って、三次元形状に基づいて検出された欠陥候補と反射強度に基づいて検出された欠陥候補とを照合することにより、より精度良く、真の欠陥部分を検出することができる。また、例えば、第一欠陥候補検出部では検出できなかった欠陥候補が、第二欠陥候補検出部で検出されることもある。或いは、第二欠陥候補検出部では検出できなかった欠陥候補が、第一欠陥候補検出部で検出されることもある。このため、欠陥部分の検出漏れを効果的に防止することができる。
さらにこの場合、本発明に係る欠陥検出装置は、三次元形状データに基づいて、検査対象面の傾斜変化率を算出する傾斜変化率算出部(36)と、傾斜変化率に基づいて、検査対象面の傾斜変化率に基づく欠陥候補を検出する第三欠陥候補検出部(39)と、を備えるとよい。この場合、本発明に係る欠陥検出装置は、第一欠陥候補検出部が検出した検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補、第二欠陥候補検出部が検出した検査対象面の反射強度に基づく欠陥候補、及び、第三欠陥候補検出部が検出した検査対象面の傾斜変化率に基づく欠陥候補、に基づいて、検査対象面上における欠陥部分の有無を判断する欠陥判定部(40)を備えるとよい。
検査対象面上に欠陥が形成されている場合、欠陥部分における傾斜変化率は、欠陥部分でない部分における傾斜変化率とは異なる場合がある。従って傾斜変化率に基づいても欠陥候補を検出することができる。上記発明においては、三次元形状に基づく欠陥候補、反射強度に基づく欠陥候補に加え、検査対象面の傾斜変化率に基づく欠陥候補が検出される。従って、これら複数の情報に基づく欠陥候補を照合することにより、より一層精度良く、真の欠陥部分を検出することができる。また、いずれかの欠陥候補検出部では検出できなかった欠陥候補が、他の欠陥候補検出部で検出されることもある。このため、欠陥部分の検出漏れをより一層効果的に防止することができる。
上記において、「検査対象面の傾斜変化率」は、検査対象面内のある微小面の法線とその微小面に隣接する微小面の法線とのなす角により表される。すなわち、傾斜変化率とは、検査対象面内の微小面とそれに隣接する微小面が、相対的にどの程度角度変化しているかを表す量である。
また、三次元形状データ算出部は、受光部にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面の三次元形状を表す測定点群データを算出し、算出した測定点群データを反射強度データを参照して補正することにより、三次元形状データを算出するとよい。これによれば、測定点群データが反射強度データにより補正される。具体的には、反射強度データが小さい部分における測定点群データの信頼性は低いので、そのような信頼性の低い部分の測定点群データが削除される。そして、削除された部分のデータは、それに隣接するデータによって補完される。このようにして測定点群データを補正して三次元形状データを算出し、算出した三次元形状データを欠陥候補の検出に利用することにより、より精度良く、検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補を検出することができる。
以下、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置について図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、欠陥部分の検出対象物としてのワークWは、車両のドアに取り付けられるグリップタイプのアウトサイドハンドルである。ワークW(アウトサイドハンドル)は長尺状に形成されていて、意匠面である外表面を有する。本実施形態に係る欠陥検出装置は、ワークWの外表面上における欠陥部分を検出する。従って、ワークWの外表面が、検査対象面W1である。検査対象面W1は三次元的に湾曲した曲面形状である。検査対象面W1の各位置は三次元座標により表現することができる。
図1は、本実施形態に係る欠陥検出装置1の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る欠陥検出装置1は、ワーク移動装置10と、表面形状測定部20と、制御装置30と、モニタ50とを備える。
ワーク移動装置10は、例えば6自由度の多関節ロボットアームであり、ワークWの位置を移動させることができるように構成される。ワーク移動装置10は、土台部11と、支持部12と、第一アーム部13と、第二アーム部14と、ワーク取付治具15とを備える。
土台部11は、欠陥検出装置1が設けられている検査室の床面上に設置される。支持部12は床面に設置された土台部11の上面から上方に向かって立設される。支持部12の先端部(上端部)に第一アーム部13の一方端(基端)が三次元的に回転可能に連結される。また、第一アーム部13の他方端(先端)には、第二アーム部14の一方端(基端)が三次元的に回転可能に連結される。そして、第二アーム部14の他方端(先端)に、ワーク取付治具15が取り付けられる。ワーク取付治具15は、検査対象物であるワークWを把持する。
支持部12に対する第一アーム部13の回転動作、及び、第一アーム部13に対する第二アーム部14の回転動作、によって、ワーク取付治具15に把持されているワークWの三次元的な位置及び姿勢が変化する。第一アーム部13の回転動作及び第二アーム部14の回転動作は、制御装置30により制御される。
表面形状測定部20は、本実施形態では、TOF(Time Of Flight)方式のレーザースキャン装置により構成される。TOF方式のレーザースキャン装置は、周知のように、検査対象面W1及び基準面にレーザー光を照射するとともに、検査対象面W1における照射点にて反射した反射光及び基準面における照射点にて反射した反射光をそれぞれ受光する。そして、基準面からの反射光の受光タイミング(反射時間)と、検査対象面W1からの反射光の受光タイミング(反射時間)との時間差に基づいて、後述する測定ヘッド21と検査対象面W1との間の距離が計測される。
図1に示すように、表面形状測定部20は、測定ヘッド21を備える。測定ヘッド21は、図示しない支持部によって所定の位置に固定される。測定ヘッド21内には、照射部22と、第一受光部231と第二受光部232とを有する受光部23が配設される。照射部22は、レーザー光を出射するレーザー光源221と、光学系222とを有する。光学系222は、第一ハーフミラー222a、第二ハーフミラー222b、カルバノミラー222c、基準面222d、及びレンズ222eを備える。レーザー光源221から出射されるレーザー光は、第一ハーフミラー222a、第二ハーフミラー222b、ガルバノミラー222c、レンズ222eを経由して測定ヘッド21の外部に放たれて、検査対象面W1に照射される。ガルバノミラー222cは、モータドライバにより駆動されるガルバノモータの駆動により回転する。ガルバノミラー222cが回転することにより、レーザー光の測定ヘッド21からの出射方向(出射角度)が変化する。レーザー光の測定ヘッド21からの出射角度が変化すると、検査対象面W1へのレーザー光の照射点が変化する。こうして照射点を変化させることにより、検査対象面W1内の所定のエリアがレーザー光によりスキャンされる。また、第一ハーフミラー222aで反射されたレーザー光源221からのレーザー光は、基準面222dに照射される。そして、基準面222dでの反射光が第一ハーフミラー222aを透過して第一受光部231に受光される。一方、検査対象面W1での反射光は第二ハーフミラー222bにて反射された後に、第二受光部232に受光される。第一受光部231及び第二受光部232は、受光した反射光に関する情報を出力する。本実施形態においては、第一受光部231及び第二受光部232は、反射光の受光タイミング及び受光強度を、反射光に関する情報として出力する。
制御装置30は、CPU、ROM、RAMを主要構成として備えるマイクロコンピュータにより構成される。制御装置30は、ワーク移動装置10及び表面形状測定部20と電気的に接続されており、ワーク移動装置10及び表面形状測定部20の動作を制御する。また、制御装置30は、表面形状測定部20の受光部23が受光した反射光に関する情報を入力する。
モニタ50は、制御装置30に電気的に接続されており、制御装置30からの制御指令に基づいて、後述する高さの2.5次元マップ及び反射強度の2.5次元マップを表示する。
図2は、制御装置30の構成のうち、本実施形態に関連する構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置30は、計測処理部31と、2.5次元マップ作成部32と、高さデータ補正部33と、良品形状データ算出部34と、良品反射強度データ算出部35と、傾斜変化率算出部36と、第一欠陥候補検出部37と、第二欠陥候補検出部38と、第三欠陥候補検出部39と、欠陥判定部40とを有する。
計測処理部31は、ワーク移動装置10の動作及び表面形状測定部20の動作を制御する。また、計測処理部31は、表面形状測定部20の受光部23が受光した反射光に関する情報を入力するとともに、入力した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面W1の三次元形状を表す測定点群データ(Xi,Yi,Zi)及び、検査対象面W1における反射強度を表す反射強度データαiを算出する。そして、計測処理部31は、算出した測定点群データ(Xi,Yi,Zi)及び反射強度データαiを出力する。2.5次元マップ作成部32は、後述する高さの2.5次元マップ及び反射強度の2.5次元マップを作成し、作成したマップのデータを出力する。高さデータ補正部33は、2.5次元マップ作成部32が出力した高さの2.5次元マップデータに表されるZ座標としての高さデータを補正し、高さデータが補正された高さの2.5次元マップデータを三次元形状データとして出力する。
良品形状データ算出部34は、三次元形状データから欠陥部分を表すデータが除去された良品形状データを算出する。良品反射強度データ算出部35は、反射強度の2.5次元マップデータから欠陥部分を表すデータが除去された良品反射強度データを算出する。傾斜変化率算出部36は、検査対象面W1の各所における傾きの変化を表す傾斜変化率を算出する。
第一欠陥候補検出部37は、検査対象面W1の三次元形状データに基づいて、検査対象面W1の三次元形状に基づく欠陥候補DZを検出し、検出した欠陥候補DZを出力する。第二欠陥候補検出部38は、反射強度の2.5次元マップに基づいて、検査対象面W1の反射強度に基づく欠陥候補Dαを検出し、検出した欠陥候補Dαを出力する。第三欠陥候補検出部39は、検査対象面W1の傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβを検出し、検出した欠陥候補Dβを出力する。欠陥判定部40は、各欠陥候補検出部37,38,39が出力した各欠陥候補DZ、Dα、Dβに基づいて、検査対象面W1上における欠陥部分の有無を判断する。
上記構成の欠陥検出装置1を用いてワークWの検査対象面W1上における欠陥部分の有無を検査する場合、まず、作業者が、ワークWをワーク移動装置10のワーク取付治具15にセットする。次いで、作業者が、制御装置30に備えられている検査開始スイッチを押下する。すると、制御装置30の計測処理部31が、計測処理ルーチンを実行する。
図3は、計測処理部31が実行する計測処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、計測処理部31は、まず、図3のステップ(以下、ステップをSと略記する)101にて、ワークWが初期位置に移動するように、ワーク移動装置10の動作を制御する。ここで、ワークWが初期位置に位置した場合、図1に示すように、ワークWは表面形状測定部20の直下に位置する。また、図1において、水平方向のうち左右方向をX方向と定義し、水平方向のうち紙面に垂直な方向をY方向と定義し、上下方向をZ方向と定義した場合、ワークW(アウトサイドハンドル)の長手方向がX方向に一致し、幅方向がY方向に一致し、且つ、検査対象面W1が上側を向くように、ワークWの初期位置及び姿勢が定められる。そして、この初期位置にて、ワークWの検査対象面W1が表面形状測定部20の測定ヘッド21に正対し、且つ、測定ヘッド21から出射されるレーザー光が検査対象面W1の所定のエリアに照射されるように、測定ヘッド21に対してワークWが位置決めされる。このようにワークWが位置決めされた場合、ワークWの検査対象面W1の三次元形状は、X座標Xi、Y座標Yi及びZ座標Ziからなる点群データにより表すことができる。また、点群データにより表されるX座標Xiが、ワークWの長手方向における検査対象面W1の位置を表し、Y座標Yiが、ワークWの幅方向における検査対象面W1の位置を表し、Z座標Ziが、ワークWの高さ方向(長手方向及び幅方向に垂直な方向)における検査対象面W1の位置(高さ位置)を表す。以下において、検査対象面W1のX−Y平面における各位置を、X−Y平面画素と呼ぶこともある。
ワークWの初期位置への移動が完了した後に、計測処理部31は、図3のS102にて、表面形状測定部20の動作を制御することによって、レーザースキャンを実行する。レーザースキャンが開始されると、レーザー光源221から所定のタイミングでレーザー光が出射される。出射されたレーザー光の一部は、光学系222を経由して、測定ヘッド21に正対しているワークWの検査対象面W1に照射される。また、ガルバノミラー222cの回転によってレーザー光の出射方向(出射角度)が変化させられることにより、検査対象面W1へのレーザー光の照射点が変化していく。これにより、検査対象面W1内の所定のエリアにレーザー光が照射されて、所定のエリアがレーザースキャンされる。
検査対象面W1に照射されたレーザー光は、照射点にて反射する。反射光のうち、測定ヘッド21に向かう反射光は、ガルバノミラー222c及び第二ハーフミラー222bで反射された後に、測定ヘッド21内の第二受光部232にて受光される。第二受光部232は、反射光に関する情報、具体的には、検査対象面W1での反射光の受光タイミング及び反射強度を、制御装置30の計測処理部31に出力する。このようにして、計測処理部31が、検査対象面W1の所定のエリア内における反射光に関する情報を得ることができる。また、レーザー光源221から出射されたレーザー光の一部が第一ハーフミラー222aで反射した後に、測定ヘッド21内の基準面222dに照射される。基準面222dに照射されたレーザー光の反射光が第一受光部231にて受光される。第一受光部231は、反射光に関する情報、具体的には、基準面222dでの反射光の受光タイミング及び反射強度を、制御装置30の計測処理部31に出力する。
所定のエリア(以下、スキャンエリアということもある)内におけるレーザースキャンが完了した後に、計測処理部31は、S103にて、スキャンエリアの三次元形状を表す測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を算出する。ここで、測定点群データのX座標Xi及びY座標Yiは、レーザー光の出射方向(出射角度)から求めることができる。また、Z座標Ziは、測定ヘッド21と検査対象面W1へのレーザー光の照射点との間の距離から求めることができる。さらに、測定ヘッド21と照射点との間の距離は、第一受光部231から出力される受光情報(基準面222dで反射した反射光の受光情報)と、第二受光部232から出力される受光情報(検査対象面W1で反射した反射光の受光情報)とを用いて、反射時間の差から求めることができる。具体的には、測定ヘッド21と照射点との間の距離は、第一受光部231による基準面222dからの反射光の受光タイミング(反射時間)と、第二受光部232による検査対象面W1からの反射光の受光タイミング(反射時間)との差から、求めることができる。
次いで、計測処理部31は、測定ヘッド21から入力したスキャンエリア内の各照射点におけるそれぞれの反射強度データαiを取得する(S104)。続いて、計測処理部31は、ワークWの検査対象面W1の全エリアをレーザースキャンしたか否かを判断する(S105)。全エリアをレーザースキャンしていない場合(S105:No)、計測処理部31はS106に処理を進め、ワーク移動装置10の動作を制御してワークWを移動させる。この場合、ワークWは、長手方向がX方向に一致し、幅方向がY方向に一致し、且つ、前回にレーザースキャンされたスキャンエリアに隣接するエリアがレーザースキャンされるように、ワーク移動装置10により移動される。
S106にてワークWを移動させた後に、計測処理部31は、S102に処理を戻す。そして、S102〜S104の処理を繰り返すことにより、スキャンエリア内の各位置における測定点群データ(Xi,Yi,Zi)及び反射強度データαiを取得する。
また、S105にて、全エリアをレーザースキャンしたと判断した場合(S105:Yes)、計測処理部31はS107に処理を進める。S107では、計測処理部31は、ワークWを移動させて複数回レーザースキャンして得た各スキャンエリアの測定点群データを結合して、検査対象面W1の測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を作成する。次いで、計測処理部31は、ワークWを移動させて複数回レーザースキャンして得た各スキャンエリアの反射強度データを結合して、検査対象面W1の反射強度データαiを作成する(S108)。続いて、計測処理部31は、検査対象面W1の測定点群データ(Xi,Yi,Zi)及び反射強度データαiを出力する(S109)。その後、計測処理部31は、このルーチンを終了する。
2.5次元マップ作成部32は、計測処理部31が出力した検査対象面W1の三次元点群データ(Xi,Yi,Zi)及び反射強度データαiを入力する。2.5次元マップ作成部32は、測定点群データ(Xi,Yi,Zi)及び反射強度データαiを入力した場合、2.5次元マップ作成処理を実行する。
図4は、2.5次元マップ作成部32が実行する2.5次元マップ作成処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、2.5次元マップ作成部32は、まず、図4のS201にて、入力した測定元点群データ(Xi,Yi,Zi)及び反射強度データαiを読み出す。次いで、X−Y平面座標上の同一画素における測定点群データ(Xi,Yi,Zi)と反射強度データαiが対応するように、測定点群データ(Xi,Yi,Zi)と反射強度データαiとを対応付ける(S202)。
続いて、2.5次元マップ作成部32は、測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を整理することによって、高さの2.5次元マップを作成する(S203)。高さの2.5次元マップとは、等間隔に区分けされたX−Y座標平面内に割り当てられた各X−Y平面内の各画素(以下、X−Y平面画素(Xa,Yb)と呼ぶこともある)に、その画素(Xa,Yb)に対応するZ座標のデータ(Zab)が表されるように構成されるマップである。なお、Z座標のデータを、高さデータということもある。図13に、高さ(Z座標)の2.5次元マップの構成例を示す。図13に示すように、高さの2.5次元マップは、等間隔に区切られたX−Y平面内の各画素に、その画素におけるZ座標(高さデータ)が示されている。高さの2.5次元マップに表される各データは、高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)と表される。
次いで、2.5次元マップ作成部32は、検査対象面W1の反射強度データαiを整理することによって、反射強度の2.5次元マップを作成する(S204)。反射強度の2.5次元マップとは、等間隔に区分けされたX−Y座標平面内に割り当てられた各X−Y平面画素(Xa,Yb)に、その画素(Xa,Yb)に対応する反射強度のデータαabが表示されるように構成されるマップである。図14に、反射強度の2.5次元マップの構成例を示す。図14に示すように、反射強度の2.5次元マップは、等間隔に区切られたX−Y平面内の各画素に、その画素における反射強度が示されている。反射強度の2.5次元マップに表される各データは、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)と表される。
次に、2.5次元マップ作成部32は、高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)及び反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を出力する(S205)。その後、2.5次元マップ作成部32は、このルーチンを終了する。
2.5次元マップ作成部32が出力した高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)及び反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)は、モニタ50に入力される。これにより、モニタ50に、高さの2.5次元マップ及び反射強度の2.5次元マップが表示される。この場合において、高さの2.5次元マップを表示するにあたり、X−Y座標平面内の各画素(Xa,Yb)が、その画素に対応する高さデータZabの大きさに応じた明るさ(輝度)となるように、高さの2.5次元マップがマップデータ(Xa,Yb,Zab)に基づいて表示される。同様に、反射強度の2.5次元マップを表示するにあたり、X−Y座標平面内の各画素(Xa,Yb)が、その画素に対応する反射強度データαabの大きさに応じた明るさ(輝度)となるように、反射強度の2.5次元マップがマップデータ(Xa,Yb,αab)に基づいて表示される。
図15に、モニタ50に表示される高さの2.5次元マップ及び反射強度の2.5次元マップを示す。図15(a)が高さの2.5次元マップの一部を示し、図15(b)が反射強度の2.5次元マップの一部を示す。図15(a),(b)に示すように、両2.5次元マップは、図1のZ方向(高さ方向)から検査対象面W1を撮像した写真画像と同じような画像を表すデータ画像である。
2.5次元マップ作成部32が出力した高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)及び反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)は、高さデータ補正部33にも入力される。高さデータ補正部33は、高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)及び反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を入力した場合、高さデータ補正処理を実行する。図5は、高さデータ補正部33が実行する高さデータ補正処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、高さデータ補正部33は、まず、図5のS301にて、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を参照して、高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)を補正する(S301)。この場合において、高さデータ補正部33は、高さの2.5次元マップデータを補正するにあたり、高さの2.5次元マップデータにより表される各X−Y平面画素のうち、反射強度の2.5次元マップデータに表される反射強度データαabが予め定められた下限強度αlowよりも小さいX−Y平面画素に対応するX−Y平面画素を抽出する。ここで、抽出されたX−Y平面画素、すなわち反射強度が小さいX−Y平面画素は、そのX−Y平面画素に対応する高さデータの信頼性、すなわち測定点群データにおけるZ座標Ziの信頼性が低い可能性がある。よって、高さデータ補正部33は、抽出したX−Y平面画素に対応する高さデータを、高さデータの2.5次元マップ(Xa,Yb,Zab)から削除する。
上記のようにして反射強度が小さい画素に対応する高さデータを削除することにより、高さデータの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)中に高さデータが欠落した箇所が存在することになる。欠落した箇所の高さデータは、その周囲の高さデータにより補完される。例えば、高さデータが欠落したX−Y平面画素の周囲の4画素の高さデータの算術平均値によって、欠落している箇所の高さデータが補完される。このようにして、高さデータが補正される。
次に、高さデータ補正部33は、補正後の高さデータのばらつきを、近傍箇所における高さデータを用いて平均化する(S302)。上述のS301における補正処理及びS302における平均化フィルタ処理を高さデータに施すことにより、高さ補正データZab_cが作成される。続いて、高さデータ補正部33は、作成した高さ補正データZab_cをX−Y平面画素に対応させることによって、高さの2.5次元補正マップを作成する(S303)。高さの2.5次元補正マップとは、等間隔に区分けされたX−Y座標平面内に割り当てられた各X−Y平面画素(Xa,Yb)に、その画素(Xa,Yb)に対応する高さ補正データ(Zab_c)が表されるように構成されるマップである。図16に、高さの2.5次元補正マップの構成例を示す。図16に示すように、高さの2.5次元補正マップは、等間隔に区切られたX−Y平面内の各画素に高さ補正データZab_cが示されている。高さの2.5次元補正マップに表される各データは、高さの2.5次元補正マップデータ(Xa,Yb,Zab_c)と表される。高さの2.5次元補正マップを作成した後に、高さデータ補正部33は、高さの2.5次元補正マップデータ(Xa,Yb,Zab_c)を、検査対象面W1の三次元形状データとして出力する(S304)。その後、高さデータ補正部33はこのルーチンを終了する。
高さデータ補正部33が出力した三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)は、良品形状データ算出部34、傾斜変化率算出部36、第一欠陥候補検出部37、及び、第三欠陥候補検出部39に入力される。良品形状データ算出部34は、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を入力した場合に、良品形状データ算出処理を実行する。図6は、良品形状データ算出部34が実行する良品形状データ算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図6に示す良品形状データ算出処理ルーチンが起動すると、良品形状データ算出部34は、まず、図6のS401にて、入力した三次元形状データ(Xa,Yb.Zab_c)をローパスフィルタ処理する。具体的には、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)により表される高さ補正データZab_cをローパスフィルタ処理する。この場合において、図16に示す三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)に表される高さ補正データZab_cをX方向(横方向)及びY方向(縦方向)に順にサンプリングし、サンプリングした高さ補正データZab_cにローパスフィルタ処理を施す。このときにおけるローパスフィルタの各種の設定値(縦横のフィルタ長)は、検査対象面W1の形状に合わせて予め設定されている。特に、製品形状面を表すような高さ補正データと考えられる部分はローパスフィルタ処理にて通過され、傷等の欠陥部分の形状を表すような高さ補正データと考えられる部分はローパスフィルタ処理にてカットされるように、各種の設定値が設定される。この場合、一般的に欠陥部分の高さの変化率は大きく、製品形状面の高さの変化率は小さい。従って、所定の変化率以下の高さ補正データのみを通過させるようにローパスフィルタを設計することで、三次元形状データ(Xa,Yb.Zab_c)から欠陥部分の形状と考えられる部分のデータが除外される。S401のローパスフィルタ処理によって、三次元形状データ(Xa,Yb.Zab_c)から欠陥部分と考えられるデータが除外されることにより、欠陥部分を含まない良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)が作成される。
次いで、良品形状データ算出部34は、作成した良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を出力する(S402)。その後、良品形状データ算出部34は、このルーチンを終了する。
良品形状データ算出部34が出力した良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)は、第一欠陥候補検出部37に入力される。第一欠陥候補検出部37は、高さデータ補正部33から三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を入力し、且つ、良品形状データ算出部34から良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を入力した場合、第一欠陥候補検出処理を実行する。図7は、第一欠陥候補検出部37が実行する第一欠陥候補検出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図7に示す第一欠陥候補検出処理ルーチンが起動すると、第一欠陥候補検出部37は、まず、図7のS501にて、良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)と三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)とを比較し、同一のX−Y座標平面画素(Xa,Yb)における高さデータの差分δZab(=Zab*−Zab_c)を、全てのX−Y平面画素について演算する。続いて、第一欠陥候補検出部37は、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)の中で、S501にて演算した差分δZabが所定の閾値δZth以上である箇所を抽出する(S502)。
次に、第一欠陥候補検出部37は、S502にて抽出した箇所をそれぞれ膨張或いは収縮させることによって、その近傍の抽出箇所と連結させる(S503)。これにより、差分δZabが閾値δZth以上であると考えられる連続領域が、ブロブとして作成される。続いて、第一欠陥候補検出部37は、ブロブを表す設定量が閾値S1th以上のブロブを検出する(S504)。ここで、ブロブを表す設定量は、上記のようにして作成されたブロブにより表される部分が欠陥部分であると仮定した場合に、その欠陥部分が製品として許容できる大きさであるか否かを表す量であり、例えば、ブロブのX方向長さ、Y方向長さ、面積、体積、ブロブの長軸長、短軸長等である。また、閾値S1thは、設定量がその値以上の欠陥部分は欠陥部分として許容することができず、設定量がその値未満である欠陥部分は欠陥部分として許容することができる値として予め定められる。従って、設定量が閾値S1th以上であるブロブは、それが許容できない程度の大きさの欠陥部分である可能性が高い。また、設定量が閾値S1th未満であるブロブは、単なるノイズであって欠陥部分でないか、若しくは許容できる程度の大きさの欠陥部分である可能性が高い。
次に、第一欠陥候補検出部37は、S504にて検出したブロブを、三次元形状に基づく欠陥候補DZとして設定し(S505)、続いて、三次元形状に基づく欠陥候補DZを出力する(S506)。その後、第一欠陥候補検出部37は、このルーチンを終了する。このようにして、本実施形態においては、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)とその三次元形状データを基にして算出した良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)とを比較することによって、検査対象面W1の三次元形状に基づく欠陥候補DZが検出される。
また、図2に示すように2.5次元マップ作成部32が出力した反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)は、良品反射強度データ算出部35に入力される。良品反射強度データ算出部35は、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を入力した場合、良品反射強度データ算出処理を実行する。図8は、良品反射強度データ算出部35が実行する良品反射強度データ算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図8に示す良品反射強度データ算出処理ルーチンが起動すると、良品反射強度データ算出部35は、まず、図8のS601にて、入力した反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)をローパスフィルタ処理する。具体的には、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)により表される反射強度データαabをローパスフィルタ処理する。この場合において、図14に示す反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)に表される反射強度データαabをX方向(横方向)及びY方向(縦方向)に順にサンプリングし、サンプリングした反射強度データαabにローパスフィルタ処理を施す。このときにおけるローパスフィルタの各種の設定値(縦横のフィルタ長)は、検査対象面W1の形状に合わせて予め設定されている。特に、製品形状面における反射強度データと考えられる部分はローパスフィルタ処理にて通過され、傷等の欠陥部分における反射強度データと考えられる部分はローパスフィルタ処理にてカットされるように、各種の設定値が設定される。この場合、一般的に欠陥形状面の反射強度データの変化率は大きく、製品形状面の反射強度データの変化率は小さい。従って、所定の変化率以下の反射強度データのみを通過させるようにローパスフィルタを設計することで、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)から欠陥部分の反射強度と考えられる部分のデータが除外される。S601のローパスフィルタ処理によって、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)から欠陥部分と考えられるデータが除外されることにより、欠陥部分における反射強度データを含まない良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)が作成される。
次いで、良品反射強度データ算出部35は、作成した良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)を出力する(S602)。その後、良品反射強度データ算出部35は、このルーチンを終了する。
良品反射強度データ算出部35が出力した良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)は、第二欠陥候補検出部38に入力される。また、第二欠陥候補検出部38には、2.5次元マップ作成部32が出力した反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)も入力される。第二欠陥候補検出部38は、良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)及び反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を入力した場合、第二欠陥候補検出処理を実行する。図9は、第二欠陥候補検出部38が実行する第二欠陥候補検出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図9に示す第二欠陥候補検出処理ルーチンが起動すると、第二欠陥候補検出部38は、まず、図9のS701にて、良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)と反射強度データ(Xa,Yb,αab)とを比較し、同一のX−Y座標平面画素(Xa,Yb)における反射強度データの差分δαab(=αab*−αab)を、全てのX−Y平面画素について演算する。続いて、第二欠陥候補検出部38は、反射強度データ(Xa,Yb.αab)の中で、S701にて演算した差分δαabが所定の閾値δαth以上である箇所を抽出する(S702)
次に、第二欠陥候補検出部38は、S702にて抽出した箇所をそれぞれ膨張或いは収縮させることによって、その近傍の抽出箇所と連結させる(S703)。これにより、差分δαabが閾値δαth以上であると考えられる連続領域が、ブロブとして作成される。続いて、第二欠陥候補検出部38は、ブロブを表す設定量が閾値S2th以上のブロブを検出する(S704)。ここで、ブロブを表す設定量は、例えば、上記のようにして作成されたブロブにより表される部分が欠陥部分であると仮定した場合に、その欠陥部分が製品として許容できる大きさであるか否かを表す量であり、例えば、ブロブのX方向長さ、Y方向長さ、面積、ブロブの長軸長、短軸長、或いは、そのブロブにおける反射強度である。また、閾値S2thは、設定量がその値以上の欠陥部分は欠陥部分として許容することができず、設定量がその値未満である欠陥部分は欠陥部分として許容することができる値として予め定められる。従って、設定量が閾値S2th以上であるブロブは、それが許容できない程度の大きさの欠陥部分である可能性が高い。また、設定量が閾値S2th未満であるブロブは、単なるノイズであって欠陥部分でないか、若しくは許容できる程度の大きさの欠陥部分である可能性が高い。
次に、第二欠陥候補検出部38は、S704にて検出したブロブを、反射強度に基づく欠陥候補Dαとして設定し(S705)、続いて、反射強度に基づく欠陥候補Dαを出力する(S706)。その後、第二欠陥候補検出部38は、このルーチンを終了する。このようにして、本実施形態においては、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)と良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)とを比較することによって、検査対象面W1の反射強度に基づく欠陥候補Dαが検出される。
また、上述したように、高さデータ補正部33が出力した三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)は、傾斜変化率算出部36に入力される。傾斜変化率算出部36は、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を入力した場合、傾斜変化率算出処理を実行する。図10は、傾斜変化率算出部36が実行する傾斜変化率算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図10に示す傾斜変化率算出処理ルーチンが起動すると、傾斜変化率算出部36は、まず図10のS801にて、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)の隣接する3点に囲まれた微小面の法線ベクトルを、全ての微小面について演算する。次いで、傾斜変化率算出部36は、隣接する法線ベクトルのなす角を、全ての法線ベクトルについて演算する(S802)。続いて、傾斜変化率算出部36は、演算した全てのなす角のそれぞれを、傾斜変化率βiとして出力する(S803)。その後、傾斜変化率算出部36は、このルーチンを終了する。このように、傾斜変化率算出部36は、検査対象面W1内の微小面とそれに隣接する面が、相対的にどのていど角度変化しているかを表す量を、傾斜変化率βiとして算出する。
傾斜変化率算出部36が出力した傾斜変化率βiは、第三欠陥候補検出部39に入力される。また、上述したように、第三欠陥候補検出部39には、高さデータ補正部33が出力した三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)も入力される。第三欠陥候補検出部39は、傾斜変化率βi及び三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を入力した場合、第三欠陥候補検出処理を実行する。図11は、第三欠陥候補検出部39が実行する第三欠陥候補検出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図11に示す第三欠陥候補検出処理ルーチンが起動すると、第三欠陥候補検出部39は、まず、図11のS901にて、入力した傾斜変化率βi及び三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)に基づいて、傾斜変化率の2.5次元マップを作成する。傾斜変化率の2.5次元マップとは、等間隔に区分けされたX−Y座標平面内に割り当てられた各X−Y平面画素(Xa,Yb)に、その画素(Xa,Yb)に対応する傾斜変化率βabが表されるように構成されるマップである。図17に、傾斜変化率の2.5次元マップの構成例を示す。図17に示すように、傾斜変化率の2.5次元マップは、等間隔に区切られたX−Y平面内の各画素に、その画素における傾斜変化率が示されている。なお、図17に示される傾斜変化率の2.5次元マップにおけるX座標Xa及びY座標Ybによって表されるX−Y平面画素(Xa,Yb)は、三次元形状データの隣接する3点に囲まれた面の中心点である。この傾斜変化率の2.5次元マップに表される各データは、傾斜変化率の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,βab)と表される。
次いで、第三欠陥候補検出部39は、傾斜変化率の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,βab)の中で、傾斜変化率βabが閾値βth以上である箇所を抽出する(S902)。続いて、第三欠陥候補検出部39は、S902にて抽出した箇所をそれぞれ膨張或いは収縮させることによって、その近傍の抽出箇所と連結させる(S903)。これにより、傾斜変化率βabが閾値βth以上であると考えられる連続領域が、ブロブとして作成される。
次に、第三欠陥候補検出部39は、ブロブを表す設定量が閾値S3th以上のブロブを検出する(S904)。ここで、ブロブを表す設定量は、上記のようにして作成されたブロブにより表される部分が欠陥部分であると仮定した場合に、その欠陥部分が製品として許容できる大きさであるか否かを表す量であり、例えば、ブロブのX方向長さ、Y方向長さ、面積、ブロブの長軸長、短軸長等である。また、閾値S3thは、設定量がその値以上の欠陥部分は欠陥部分として許容することができず、設定量がその値未満である欠陥部分は欠陥部分として許容することができる値として予め定められる。従って、設定量が閾値S3th以上であるブロブは、それが許容できない程度の大きさの欠陥部分である可能性が高い。また、設定量が閾値S3th未満であるブロブは、単なるノイズであって欠陥部分でないか、若しくは許容できる程度の大きさの欠陥部分である可能性が高い。
次に、第三欠陥候補検出部39は、S904にて検出したブロブを、傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβとして設定し(S905)、続いて、傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβを出力する(S906)。その後、第三欠陥候補検出部39は、このルーチンを終了する。このようにして、本実施形態においては、検査対象面W1の傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβが検出される。
以上の説明からわかるように、第一欠陥候補検出部37は、検査対象面W1の三次元形状(具体的には高さ)に基づく欠陥候補DZを検出し、第二欠陥候補検出部38は、検査対象面W1の反射強度に基づく欠陥候補Dαを検出し、第三欠陥候補検出部39は、検査対象面W1の傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβを検出する。検出されたそれぞれの欠陥候補DZ,Dα、Dβに関する情報は、欠陥判定部40に入力される。欠陥判定部40は、これらの欠陥候補DZ,Dα,Dβに関する情報を入力した場合、欠陥判定処理を実行する。図12は、欠陥判定部40が実行する欠陥判定処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図12に示す欠陥判定処理ルーチンが起動すると、欠陥判定部40は、まず、図12のS1001にて、各欠陥候補DZ,Dα,DβのX−Y平面における位置合わせを行う。これにより、X−Y平面内にて、各欠陥候補DZ,Dα,Dβの位置が重ね合わされる。次いで、欠陥判定部40は、X−Y平面内にていずれかの欠陥候補DZ,Dα,Dβが位置する部分、或いは、2つ以上の欠陥候補が重ね合わさって位置する部分を、欠陥ブロブKとして抽出する(S1002)。そして、欠陥判定部40は、S1002にて抽出した欠陥ブロブKを、欠陥部分として判定する(S1003)。欠陥部分として判定された欠陥ブロブKは、検査対象面W1内での位置がわかるように、モニタ50に表示される。その後、欠陥判定部40は、このルーチンを終了する。なお、S1003の判定を行うにあたり、抽出した欠陥ブロブKの特徴量を、各種の欠陥の特徴量と比較し、特徴量が閾値以上であるブロブのみを、欠陥部分であると判定してもよい。
以上のように、本実施形態に係る欠陥検出装置1は、検査対象面W1にレーザー光を照射する照射部22と、検査対象面W1に照射されたレーザー光の反射光を受光する受光部23と、受光部23にて受光した反射光に関する情報(具体的には、反射光の受光タイミング)に基づいて、検査対象面W1の三次元形状を表す三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を算出する三次元形状データ算出部(計測処理部31、2.5次元マップ作成部32、高さデータ補正部33)と、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)をローパスフィルタ処理することにより、三次元形状データのうち欠陥部分の形状と考えられるデータが除外された良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)を算出する良品形状データ算出部34と、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)と良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)とを比較することにより、検査対象面W1の三次元形状に基づく欠陥候補DZを検出する第一欠陥候補検出部37と、を備える。
本実施形態に係る欠陥検出装置1によれば、検査対象面W1の三次元形状データをローパスフィルタ処理することによって、良品形状データが算出される。つまり、測定点群データを補正処理した三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)から、マスターデータである良品形状データ(Xa,Yb,Zab*)が作成される。よって、ローパスフィルタのフィルタ長を適切に設定することによって、形状のばらつきを残しつつ、欠陥部分のみを除去した良品形状データを得ることができる。こうして得られた良品形状データには、個々の検査対象物の形状のばらつきが反映される。そして、形状のばらつきが反映された良品形状データと元の三次元形状データとを比較することによって、形状のばらつきに影響されることのない精度の良い欠陥部分の検出を実現することができる。
また、本実施形態に係る欠陥検出装置1は、受光部23にて受光した反射光の強度を表す反射強度データαiの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を算出する反射強度データ算出部としての2.5次元マップ作成部32と、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)をローパスフィルタ処理することにより、欠陥部分における反射強度と考えられるデータが除外された良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)を算出する良品反射強度データ算出部35と、反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)と良品反射強度データ(Xa,Yb,αab*)を比較することにより、検査対象面W1の反射強度に基づく欠陥候補Dαを検出する第二欠陥候補検出部38と、を備える。
検査対象面W1上に欠陥が形成されている場合、欠陥部分における反射強度は、欠陥部分でない部分における反射強度とは異なる可能性がある。従って、検査対象面W1の三次元形状のみならず、検査対象面W1の反射強度に基づいても、欠陥候補を検出することができる。本実施形態においては、三次元形状に基づく欠陥候補DZに加え、反射強度に基づく欠陥候補Dαが検出される。従って、2つの手法により得られる欠陥候補を用いて、より精度良く、真の欠陥部分を検出することができる。
さらに、本実施形態に係る欠陥検出装置1は、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)に基づいて、検査対象面W1の傾斜変化率βiを算出する傾斜変化率算出部36と、傾斜変化率βiに基づいて作成される傾斜変化率の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,βab)に基づいて、検査対象面W1の傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβを検出する第三欠陥候補検出部39と、を備える。そして欠陥判定部40は、第一欠陥候補検出部37が検出した検査対象面W1の三次元形状に基づく欠陥候補DZ、第二欠陥候補検出部38が検出した検査対象面W1の反射強度に基づく欠陥候補Dα、及び、第三欠陥候補検出部39が検出した検査対象面の傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβ、に基づいて、検査対象面W1上における欠陥部分の有無を判断する。
検査対象面W1上に欠陥が形成されている場合、欠陥部分における傾斜変化率は、欠陥部分でない部分における傾斜変化率とは異なる場合がある。従って、傾斜変化率に基づいても欠陥候補を検出することができる、本実施形態においては、三次元形状に基づく欠陥候補DZ、反射強度に基づく欠陥候補Dαに加え、検査対象面W1の傾斜変化率に基づく欠陥候補Dβが検出される。従って、これら複数の情報に基づく欠陥候補を用いて、より一層精度良く、真の欠陥部分を検出することができる。また、いずれかの欠陥候補検出部では検出できなかった欠陥候補が、他の欠陥候補検出部で検出されることもある。このため、欠陥部分の検出漏れをより一層効果的に防止することができる。
また、本実施形態において、三次元形状データ算出部は、受光部にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面の三次元形状を表す測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を算出する計測処理部31と、計測処理部31が算出した測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を基にして高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)を作成する2.5次元マップ作成部32と、2.5次元マップ作成部32にて作成した高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)を反射強度の2.5次元マップデータ(Xa,Yb,αab)を参照して補正することにより、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を算出する高さデータ補正部33と、を備える。すなわち、本実施形態に係る三次元形状データ作成部(計測処理部31、2.5次元マップ作成部32、高さデータ補正部33)は、受光部23にて受光した反射光に関する情報に基づいて、検査対象面W1の三次元形状を表す測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を算出し、算出した測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を反射強度データ(Xa,Yb,αab)を参照して補正することにより、三次元形状データ(Xa,Yb,Zab_c)を算出する。これによれば、測定点群データ(Xi,Yi,Zi)を基にして作成された高さの2.5次元マップデータ(Xa,Yb,Zab)が反射強度データ(Xa,Yb,αab)により補正される。具体的には、反射強度データが小さい部分における測定点群データの信頼性が低いので、そのような信頼性の低い部分の測定点群データに対応する高さの2.5次元マップデータが削除される。そして、削除された部分のデータは、それに隣接するデータによって補完される。このように測定点群データ(高さの2.5次元マップデータ)を補正して三次元形状データを算出し、算出した三次元形状データを欠陥候補の検出に利用することにより、より精度良く、検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補を検出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば上記実施形態においては、検査対象面W1の三次元形状を得るために、TOF方式のレーザースキャンを実施しているが、検査対象面W1の三次元形状を取得できる方式であれば、他の方式を採用してもよい。例えば、レーザー光等を利用した三角測量の原理によって、検査対象面W1の三次元形状を取得してもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…欠陥検出装置、10…ワーク移動装置、20…表面形状測定部、21…測定ヘッド、22…照射部、221…レーザー光源、222…光学系、23…受光部、30…制御装置、31…計測処理部(三次元形状データ算出部)、32…2.5次元マップ作成部(三次元形状データ算出部、反射強度データ算出部)、33…高さデータ補正部(三次元形状データ算出部)、34…良品形状データ算出部、35…良品反射強度データ算出部、36…傾斜変化率算出部、37…第一欠陥候補検出部、38…第二欠陥候補検出部、39…第三欠陥候補検出部、40…欠陥判定部、50…モニタ、DZ…三次元形状に基づく欠陥候補、Dα…反射強度に基づく欠陥候補、Dβ…傾斜変化率に基づく欠陥候補、W1…検査対象面
Claims (5)
- 検査対象面にレーザー光を照射する照射部と、
前記検査対象面に照射されたレーザー光の反射光を受光する受光部と、
前記受光部にて受光した反射光に関する情報に基づいて、前記検査対象面の三次元形状を表す三次元形状データを算出する三次元形状データ算出部と、
前記三次元形状データをローパスフィルタ処理することにより、前記三次元形状データのうち欠陥部分の形状と考えられるデータが除外された良品形状データを算出する良品形状データ算出部と、
前記三次元形状データと前記良品形状データとを比較することにより、前記検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補を検出する第一欠陥候補検出部と、
を備える、欠陥検出装置。 - 請求項1に記載の欠陥検出装置において、
前記受光部にて受光した反射光の強度を表す反射強度データを算出する反射強度データ算出部と、
前記反射強度データをローパスフィルタ処理することにより、前記反射強度データのうち前記欠陥部分における反射強度と考えられるデータが除外された良品反射強度データを算出する良品反射強度データ算出部と、
前記反射強度データと前記良品反射強度データとを比較することにより、前記検査対象面の反射強度に基づく欠陥候補を検出する第二欠陥候補検出部と、
を備える、欠陥検出装置。 - 請求項2に記載の欠陥検出装置において、
前記三次元形状データに基づいて、前記検査対象面の傾斜変化率を算出する傾斜変化率算出部と、
前記傾斜変化率に基づいて、前記検査対象面の傾斜変化率に基づく欠陥候補を検出する第三欠陥候補検出部と、
を備える、欠陥検出装置。 - 請求項2又は3に記載の欠陥検出装置において、
前記三次元形状データ算出部は、前記受光部にて受光した反射光に関する情報に基づいて、前記検査対象面の三次元形状を表す測定点群データを算出し、算出した前記測定点群データを前記反射強度データを参照して補正することにより、前記三次元形状データを算出する、欠陥検出装置。 - 請求項3又は4に記載の欠陥検出装置において、
前記第一欠陥候補検出部が検出した前記検査対象面の三次元形状に基づく欠陥候補、前記第二欠陥候補検出部が検出した前記検査対象面の反射強度に基づく欠陥候補、及び、前記第三欠陥候補検出部が検出した前記検査対象面の傾斜変化率に基づく欠陥候補、に基づいて、前記検査対象面上における欠陥部分の有無を判断する欠陥判定部を備える、欠陥検出装置。
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