JP2017181176A - 時計用部品、ムーブメントおよび時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する際、当該確認を正確かつ確実に行なうことができる時計用部品、かかる時計用部品を備えるムーブメント、および、かかる時計用部品を備える時計を提供する。
【解決手段】時計用部品2は、油OLが注入される油注入部5と、油注入部5の周囲に設けられ、油OLが油注入部5に注入されたときに油OLの一部を保持する油保持部6とを有する。なお、油保持部6に保持された油OLは、油注入部5に油OLが注入された痕跡として用いられるのが好ましい。また、油保持部6は、凹部を有するのが好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、時計用部品、ムーブメントおよび時計に関する。
腕時計等の時計を製造する時計製造工程では、ホゾや歯車等の微小な時計用部品に対して、潤滑性および耐摩耗性を付与するために、微量の油が注油される。そして、この注油後に当該注油が行なわれたか否かを確認する検査工程がある。検査工程では、まず、時計用部品に対して注油された範囲を撮像する。次いで、撮像された画像に基づいて油の状態を認識して、注油が行なわれたか否かを判断していた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、注油しても、油は、部品同士間の隙間に毛細管現象によって吸い込まれてしまい、検査工程での画像には映らない場合があった。この場合、注油が行なわれたか否かの判断結果は、「否」となってしまうという問題があった。
特開2013−242224号公報
本発明の目的は、注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する際、当該確認を正確かつ確実に行なうことができる時計用部品、かかる時計用部品を備えるムーブメント、および、かかる時計用部品を備える時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の時計用部品は、油が注入される油注入部と、
前記油注入部の周囲に設けられ、前記油が前記油注入部に注入されたときに前記油の一部を保持する油保持部とを有することを特徴とする。
これにより、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者が、油保持部に保持された油を視認することができれば、油注入部への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができる。
本発明の時計用部品では、前記油保持部に保持された前記油は、前記油注入部に前記油が注入された痕跡として用いられることが好ましい。
これにより、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者が、この痕跡を視認することができれば、油注入部への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができる。
本発明の時計用部品では、前記油保持部は、凹部を有することが好ましい。
これにより、油を安定して確実に保持することができる。
本発明の時計用部品では、前記油注入部は、貫通孔を有し、
前記凹部は、前記貫通孔に連通し、前記貫通孔よりも浅く形成されていることが好ましい。
これにより、油保持部に保持された油が視認され易い位置に配されることとなり、油注入部への注油が行なわれたという確認を迅速に行なうことができる。
本発明の時計用部品では、前記凹部は、前記貫通孔から延びる溝で構成されていることが好ましい。
これにより、溝に毛細管現象が働き、油を確実に保持することができる。
本発明の時計用部品では、前記油注入部は、貫通孔を有し、前記凹部は、前記貫通孔と連通せず、前記貫通孔よりも浅く形成されていることが好ましい。
これにより、貫通孔に油がすべて吸い込まれることなく、確実に油を保持することができる。
前記凹部は、前記凹部は、前記貫通孔と中心が同じ環状に形成されていることが好ましい。
これにより、貫通孔の周囲に均等に油を保持することができ、容易に視認することができる。
本発明の時計用部品では、前記油注入部は、突出形成された突出部を有し、
前記凹部は、前記突出部の外周部に形成されているのが好ましい。
これにより、油注入部と油保持部とをできる限り近づけることができ、よって、油注入部に油を注入したときに、当該油の一部が迅速に油保持部に保持される。
本発明の時計用部品では、前記油保持部は、粗面で構成された粗面部を有するのが好ましい。
これにより、油の粘度にもよるが、例えば時計を製造する過程で時計用部品に振動が加えられた場合や、表面に撥油処理が施されていた場合でも、当該油が油保持部に確実に留まることができる。
本発明の時計用部品では、前記油は、蛍光材料が含有されたものであるのが好ましい。
これにより、油保持部で油の視認性が高まり、すなわち、油が目立つものとなり、よって、注油確認を正確かつ確実に行なうのに寄与する。
本発明の時計用部品では、当該時計用部品は、クリックばね、クリックばねを回動可能に支持する地板、輪列受のうちのいずれかであるのが好ましい。
これにより、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者は、クリックばね、地板、輪列受のいずれかに設けられた油保持部中の油を容易に視認することができる。
本発明のムーブメントは、本発明の時計用部品を備えることを特徴とする。
これにより、確実に注油され、安定して使用可能なムーブメントが得られる。
本発明の時計は、本発明の時計用部品を備えることを特徴とする。
これにより、確実に注油された時計を安定して使用し続けることができる。
図1は、本発明の時計を腕時計に適用した場合の第1実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1中の時計が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。 図3は、図2中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図である。 図4は、図3中のB−B線断面図である。 図5は、本発明の時計(第2実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。 図6は、図5中のC−C線断面図である。 図7は、本発明の時計(第3実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。 図8は、図7中の一点鎖線で囲まれた領域[D]の拡大図である。 図9は、図8中のE−E線断面図である。 図10は、本発明の時計(第4実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。 図11は、図10中のF−F線断面図である。 図12は、本発明の時計(第5実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。 図13は、図12中のG−G線断面図である。
以下、本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の時計を腕時計に適用した場合の第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1中の時計が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。図3は、図2中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図である。図4は、図3中のB−B線断面図である。なお、以下では、説明の都合上、腕時計の時刻が表示される側(カバーガラス側)を表、腕に装着される側(裏蓋側)を裏と言う。図1の上側を「表」、下側を「裏」と言い、図4中(図6、図9、図11および図13についても同様)の上側を「裏」、下側を「表」と言い、図2および図3中(図5、図7、図8、図10および図12についても同様)の紙面奥側を「表」、紙面手前側を「裏」と言う。
本発明の時計用部品は、油OLが注入される油注入部5と、油注入部5の周囲に設けられ、油OLが油注入部5に注入されたときに油OLの一部を保持する油保持部6とを有することを特徴とする。
なお、本発明の時計用部品は、例えばクリックばね2、クリックばね2を回動可能に支持する地板3、輪列受7のうちのいずれかに適用可能であり、本実施形態では地板3に適用されている。
このような本発明によれば、後述するように、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者が、地板3に設けられた油保持部6中の油OLを視認することができる。これにより、油注入部5への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができる。
また、本発明のムーブメント10は、本発明の時計用部品を備えることを特徴とする。これにより、確実に注油された信頼性の高いムーブメント10が得られる。
また、本発明の時計1は、本実施形態では腕時計に適用されており、本発明の時計用部品を備えることを特徴とする。これにより、確実に注油された信頼性の高い時計1が得られ、その時計1を安定して使い続けることができる。
以下、各部の構成について説明する。
図1に示す時計1は、胴(ケース)11と、裏蓋13と、カバーガラス(風防)15と、バンド16とを備えている。また、時計1の内部空間、すなわち、胴11と裏蓋13とカバーガラス15とで囲まれた空間には、ムーブメント10や文字板14等が収納されている。
ムーブメント10には、時針101、分針102、秒針103が回転可能に支持されており、ムーブメント10とともに時計1内に収納されている。また、胴11の外周部には、巻真92を介してムーブメント10に連結されたりゅうず12が時計1の外側に引出可能に挿入されている。このりゅうず12を1段位置に引き出すと、時計1が時刻修正モードに設定され、図示しない別途設けられたスイッチを押下操作することにより時針101および分針102の位置を調整することができる。なお、りゅうず12を回転可能に挿入し、このりゅうず12を1段位置に引き出し、かつ、回転操作することにより、その回転力がムーブメント10に伝達されて、時針101および分針102の位置を調整することができるようにしてもよい。
図2に示すように、ムーブメント10は、代表的な部品として、地板3と、クリックばね2と、オシドリ4と、巻真92と、モーターコイル93と、モーターコイル94と、複数枚の歯車(番車)951で構成された歯車群95と、電波受信用アンテナ96とを有し、これらの部品とその他多数の部品とを組み立ててなるものである。また、ムーブメント10は、ボタン電池17が設置されるボタン電池設置部91も有している。ボタン電池17は、1次電池であってもよいし、充電可能な2次電池であってもよい。
地板3は、ムーブメント10を構成するクリックばね2等の部品を支持する部材である。図3に示すように、地板3は、円盤状をなす円盤部31と、円盤部31から突出形成された軸32および軸33とを有している。
円盤部31は、その外周部が胴11の内周部に支持、固定されている。これにより、ムーブメント10は、時計1内で安定して内蔵された状態となる。
軸32は、円盤部31から裏側に向かって円柱状に突出している。この軸32は、クリックばね2を回動可能に支持することができる。
軸33は、軸32と異なる位置、すなわち、本実施形態では軸32よりも円盤部31の外周側に配置され、円盤部31から裏側に向かって円柱状に突出している。この軸33は、オシドリ4を回動可能に支持することができる。
なお、軸32および軸33は、円盤部31と一体的に形成されたものであってもよいし、円盤部31と別体で構成され、当該別体を円盤部31に接合したものであってもよい。
オシドリ4は、小片で構成され、その中央部に軸33が挿入される貫通孔41が形成されている。これにより、オシドリ4は、軸33回りに回動することができる。
また、オシドリ4の一端部には、巻真92の長手方向の途中に形成された縮径部921
に係合する係合部42が設けられている。これにより、オシドリ4は、巻真92が長手方向に沿って移動操作された際、その移動に連動して、軸33を中心に回動することができる。
オシドリ4の係合部42と反対側の他端部には、クリックばね2と係合する係合部43が設けられている。
クリックばね2は、全体として長尺な板状をなし、その長手方向の中央部に位置する基部21と、基部21の両側からそれぞれ延出したアーム部22およびアーム部23とを有している。
基部21には、軸32が挿入される貫通孔211が形成されている。これにより、クリックばね2は、軸32回りに回動することができる。
アーム部22には、オシドリ4に臨む部分に溝221、溝222、溝223が形成されている。そして、オシドリ4の係合部43は、溝221、溝222、溝223のうちのいずれかと係合することができる。これにより、りゅうず12の押込み時および引き出し時に、オシドリ4の位置を規制し、巻真92の位置、すなわち、りゅうず12の位置を、0段位置、1段位置、2段位置に規制するとともに、時計1の使用者にクリック感を与えることができる。なお、オシドリ4の係合部43は、りゅうず12が0段位置にあるときには溝221と係合し、りゅうず12が1段位置にあるときには溝222と係合し、りゅうず12が2段位置にあるときには溝223と係合する。
アーム部23は、アーム部22がオシドリ4の係合部43に係合する方向に付勢する付勢部となっている。
さて、ムーブメント10を構成する部品同士が互いに摺動し合う場合、時計1を製造する製造過程では、その摺動部に潤滑性と耐摩耗性とを付与するために油OLが注油される。本実施形態では、摺動し合う部品同士として、地板3とクリックばね2とを代表的に挙げて説明する。
なお、油OLとしては、特に限定されないが、例えば、ポリαオレフィン系(シチズン時計社製、AOシリーズ)、アルキル−アリルオキシジブチレングリコール(Alkyl-Aryloxidibutylenglycoles)(MOEBIUS社製、MOEBIUS SYNT-LUBE)等が挙げられる。
また、油OLは、蛍光材料が含有されたものであるのが好ましい。これにより、後述する油保持部6で油OLの視認性が高まり、すなわち、油OLが目立つものとなり、よって、注油確認を正確かつ確実に行なうのに寄与する。蛍光材料としては、蛍光染料、有機蛍光顔料、無機蛍光顔料が挙げられる。蛍光材料は、時計用部品に対して油OLを注油する本来の目的が損なわれない範囲で、かつ、油OL中に均一に分散する程度に添加される。
注油方式としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット式注油、オバマ式注油、注射針式注油、スタンプ式注油等が挙げられる。
地板3とクリックばね2との間では、地板3の軸32と、クリックばね2の貫通孔211とが摺動部となっている。そして、図4に示すように、軸32の外周面321と貫通孔211の内周面212との間の微小な隙間を、油OLが注入される油注入部5として用いると、当該注入された油OLは、毛細管現象によって吸い込まれていく。これにより、地板3とクリックばね2との間での潤滑性および耐摩耗性が向上する。
また、図4に示すように、軸32の外周面321には、当該軸32の中心線方向に沿った溝(凹部)322が1つ形成されている。この溝322は、油OLが油注入部5に注入されたときに当該油OLの一部を保持する油保持部6として機能する。なお、油保持部6の容積や形状、平面視での面積等は、例えば、油OLの粘度、保持されるべき油OLの保持量等の諸条件によって決定される。また、溝322の形成数は、本実施形態では1つであるが、これに限定されず、例えば、複数であってもよい。また、溝322の形状は、本実施形態では円柱の一部を構成する形状であるが、これに限定されず、例えば直方体の一部を構成する形状であってもよい。
そして、時計1の製造過程の途中では、油注入部5への注油後に当該注油が行なわれたか否かを確認する検査工程が行なわれる。検査工程では、油保持部6に保持された油OLは、油注入部5に油OLが注入された痕跡として用いられる。これにより、例えば検査工程を担当する担当作業者がこの痕跡を視認することができれば、油注入部5への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができ、検査効率が向上することとなる。これとは反対に、担当作業者が、前記痕跡が不十分であると判断した場合、ムーブメント10は、注油を行なう工程に戻される。
以上のようにムーブメント10では、油注入部5は、突出形成された突出部で構成された軸32と、軸32が挿入される貫通孔211とを有し、当該油注入部5の周囲に油保持部6が設けられている。そして、油保持部6は、軸32(突出部)の外周部に形成された溝(凹部)322を有する構成となっている。このような構成により、前述したように注油確認を正確かつ確実に行なうことができる。
また、油注入部5を介して注入された油OLは、時計1を使い続けるうちに経時的に消耗していくが、その消耗分を、油保持部6に保持された油OLで補うこともできる。これにより、時計1を安定して長期的に使い続けることができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の時計(第2実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側、すなわちムーブメントが時計に固定された際に裏蓋側から見た斜視図である。図6は、図5中のC−C線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、油保持部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
前記第1実施形態でも述べたように、本発明の時計用部品は、例えばクリックばね2、クリックばね2を回動可能に支持する地板3、輪列受7のうちのいずれかに適用可能である。そして、本実施形態では、本発明の時計用部品はクリックばね2に適用されている。これにより、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者は、クリックばね2に設けられた油保持部6中の油OLを視認することができ、よって、油注入部5への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができる。
図5に示すように、クリックばね2の裏面24には、油注入部5の周囲に凹部241が形成されている。図6に示すように、凹部241は、貫通孔211に連通し、貫通孔211よりも浅く形成されている。このように形成された凹部241は、油OLが油注入部5に注入されたときに当該油OLの一部を保持する油保持部6として機能する。これにより、検査工程での作業者が、油保持部6に保持された油OLを視認することによって、注入確認を正確かつ確実に行なうことができる。また、前記第1実施形態の溝(凹部)322の平面視における面積よりも本実施形態の凹部241の平面視における面積の方が大きいため、本実施形態で視認される油OLの面積は、前記第1実施形態で視認される油OLの面積よりも大きい。これにより、油保持部6での油OLの視認性が向上し、よって、検査効率の向上に寄与する。
なお、本実施形態においても、油保持部6の容積や形状、平面視での面積は、例えば、油OLの粘度、保持されるべき油OLの保持量等の諸条件によって決定される。凹部241の形成数は、本実施形態では1つであるが、これに限定されず、例えば、複数であってもよい。また、凹部241の形状は平面視で半円形であるが、これに限定されず、例えば矩形であってもよい。
<第3実施形態>
図7は、本発明の時計(第3実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。図8は、図7中の一点鎖線で囲まれた領域[D]の拡大図である。図9は、図8中のE−E線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、油注入部および油保持部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
前記第1実施形態でも述べたように、本発明の時計用部品は、例えばクリックばね2、クリックばね2を回動可能に支持する地板3、輪列受7のうちのいずれかに適用可能である。そして、本実施形態では、本発明の時計用部品は輪列受7に適用されている。これにより、後述するように、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者は、輪列受7に設けられた油保持部6中の油OLを視認することができ、よって、油注入部5への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができる。
図7に示すように、ムーブメント10は、代表的な部品として、地板3と、輪列受7と、巻真92と、モーターコイル93と、複数枚の歯車951で構成された歯車群95とを有し、これらの部品とその他多数の部品とを組み立ててなるものである。また、ムーブメント10は、ボタン電池17が設置されるボタン電池設置部91も有している。ボタン電池17は、第1実施形態と同様に、1次電池であってもよいし、充電可能な2次電池であってもよい。
輪列受7は、地板3の円盤部31に対して固定されている。この輪列受7は、各歯車951を回転可能に支持したり、各歯車951の位置決めをしたりする時計用部品である。
また、図9に示すように、輪列受7の裏面71には、凹部72が形成されている。この凹部72の底部721の中央部には、貫通孔73が形成されており、歯車951の軸952が回動可能に支持されている。このように底部721は、軸受けとしての機能を有している。なお、軸受けとしての機能する部分は、本実施形態では輪列受7と一体的に形成されているが、輪列受7と別体で構成され、当該別体を輪列受7に圧入したものであってもよい。
輪列受7と歯車951との間では、輪列受7の貫通孔73と、歯車951の軸952とが摺動部となっている。そして、図9に示すように、貫通孔73の内周面731と軸952の外周面953との間の微小な隙間を、油OLが注入される油注入部5として用いると、当該注入された油OLは、毛細管現象によって吸い込まれていく。これにより、輪列受7と歯車951との間での潤滑性および耐摩耗性が向上する。
また、凹部72の底部721には、貫通孔73から放射状に延びる溝(凹部)74が形成されている。各溝(凹部)74は、貫通孔73に連通し、貫通孔73よりも浅く形成されている。このように形成された溝74は、油OLが油注入部5に注入されたときに当該油OLの一部を保持する油保持部6として機能する。これにより、例えば注油後にその注油が行なわれたか否かを確認する作業を行なう作業者は、油保持部6中の油OLを視認することができる。よって、作業者は、油注入部5への注油が行なわれたという確認を正確かつ確実に行なうことができる。また、通常、注油した油OLが注油対象の表面で濡れ広がり過ぎないように撥油処理を施すが、油保持部6の形状によっては注入した油OLが毛細管力によりすべて貫通孔73に吸い込まれ、油保持部6内の油OLを確認できなくなる可能性がある。しかし、油保持部6が溝74、すなわち3面が壁で構成された管状に構成されていることにより、溝74にも毛細管現象が働き、注入される油OLを確実に溝74に留めることができる。
なお、溝74の形成数は、本実施形態では4つであるが、これに限定されず、例えば、1つ、2つ、3つまたは5つ以上であってもよい。
<第4実施形態>
図10は、本発明の時計(第4実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。図11は、図10中のF−F線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、油保持部の構成が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図10、図11に示すように、凹部72の底部721には、貫通孔73の周囲にさらに凹部75が形成されている。凹部75は、貫通孔73に連通し、貫通孔73よりも浅く形成されている。この凹部75は、油OLが油注入部5に注入されたときに当該油OLの一部を保持する油保持部6として機能する。
そして、図11に示すように、油保持部6として機能する凹部75は、その底部751に粗面で構成された粗面部を有する、すなわち、底部751が梨地となっている。これにより、撥油処理を施されていても、油を油保持部に確実に留めることができる。また、油OLの粘度にもよるが、例えば時計1を製造する過程でムーブメント10に振動が加えられた場合でも、当該油OLが油保持部6に確実に留まることができる。
なお、底部751での表面粗さとしては、特に限定されない。
<第5実施形態>
図12は、本発明の時計(第5実施形態)が備える本発明のムーブメントの一部を裏側から見た斜視図である。図13は、図12中のG−G線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、油保持部の構成が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図12、図13に示すように、凹部72の底部721には、油保持部6として機能する凹部76が貫通孔73と同心的に形成されている。すなわち、凹部76は、貫通孔73の中心と同じ中心を有する環状の溝として形成されている。また、凹部76と貫通孔73とは連通していない。通常、注油対象の部品には油OLが拡散しないように撥油処理を施すが、油保持部6と貫通孔73とが連通している場合、油保持部6表面の撥油性と油注入部5の毛細管力により貫通孔73に油OLがすべて吸い込まれ油保持部6に保持されない可能性がある。しかし、このように形成された油保持部6では、凹部76と貫通孔73とは連通していないので、確実に油OLを油保持部6に確実に留めることができる。また、凹部76は貫通孔73と中心が同じ中心を持つように形成されているため、貫通孔73の周囲に均等に油OLを保持させることができ、注油検査を行う際の視認性がよい。なお、凹部76は全てがつながった円環状でなくてもよく、円環状の一部に切れ目を有していてもよい。また、円環の凹部76の断面形状は、矩形でなくても、三角形でも欠円等でもよく、また円環は1重だけでなく複数の円環となっていてもよい。
また、油保持部6と貫通孔73とが連通していないため、注油が行なわれたか否かを確認するためには、油保持部6と貫通孔73の両方に注油する必要がある。この場合油保持部6と貫通孔73との間や貫通孔73の中心に、油保持部6と貫通孔73の両方にかかる量の油を1回で注油することが効率化のために好ましい。そのため、注油方式としては、油の吐出位置と量とを制御しやすいインクジェット式注油が好ましい。
以上、本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、時計用部品、ムーブメントおよび時計を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の時計用部品、ムーブメントおよび時計は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の時計用部品が適用されるものとしては、前記第1実施形態では地板、前記第2実施形態ではクリックばね、前記第3実施形態〜前記第5実施形態では輪列受であったが、これらに部品に限定されないのは言うまでもない。
また、油保持部は、プラズマ処理等のような親油性を有する処理が施されてもよい。
また、注油後にその注油が行なわれたか否かの確認は、前記各実施形態では作業者の目視により行なわれているが、これに限定されず、画像を撮像する撮像装置を用いて行なわれてもよい。
1…時計、2…クリックばね、21…基部、211…貫通孔、212…内周面、22…アーム部、221…溝、222…溝、223…溝、23…アーム部、24…裏面、241…凹部、3…地板、31…円盤部、32…軸、321…外周面、322…溝(凹部)、33…軸、4…オシドリ、41…貫通孔、42…係合部、43…係合部、5…油注入部、6…油保持部、7…輪列受、71…裏面、72…凹部、721…底部、73…貫通孔、731…内周面、74…溝(凹部)、75…凹部、751…底部、76…凹部、91…ボタン電池設置部、92…巻真、921…縮径部、93…モーターコイル、94…モーターコイル、95…歯車群、951…歯車(番車)、952…軸、953…外周面、96…電波受信用アンテナ、10…ムーブメント、101…時針、102…分針、103…秒針、11…胴(ケース)、12…りゅうず、13…裏蓋、14…文字板、15…カバーガラス(風防)、16…バンド、17…ボタン電池、OL…油

Claims (13)

  1. 油が注入される油注入部と、
    前記油注入部の周囲に設けられ、前記油が前記油注入部に注入されたときに前記油の一部を保持する油保持部とを有することを特徴とする時計用部品。
  2. 前記油保持部に保持された前記油は、前記油注入部に前記油が注入された痕跡として用いられる請求項1に記載の時計用部品。
  3. 前記油保持部は、凹部を有する請求項1または2に記載の時計用部品。
  4. 前記油注入部は、貫通孔を有し、
    前記凹部は、前記貫通孔に連通し、前記貫通孔よりも浅く形成されている請求項3に記載の時計用部品。
  5. 前記凹部は、前記貫通孔から延びる溝で構成されている請求項4に記載の時計用部品。
  6. 前記油注入部は、貫通孔を有し、
    前記凹部は、前記貫通孔と連通せず、前記貫通孔よりも浅く形成されている請求項3に記載の時計用部品。
  7. 前記凹部は、前記貫通孔と中心が同じ環状に形成されている請求項6に記載の時計用部品。
  8. 前記油注入部は、突出形成された突出部を有し、
    前記凹部は、前記突出部の外周部に形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の時計用部品。
  9. 前記油保持部は、粗面で構成された粗面部を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の時計用部品。
  10. 前記油は、蛍光材料が含有されたものである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の時計用部品。
  11. 当該時計用部品は、クリックばね、クリックばねを回動可能に支持する地板、輪列受のうちのいずれかである請求項1ないし10のいずれか1項に記載の時計用部品。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の時計用部品を備えることを特徴とするムーブメント。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の時計用部品を備えることを特徴とする時計。
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