JP2017180637A - 締結用部品 - Google Patents

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Takeshi Yagyu
健 柳生
雅弘 奥村
Masahiro Okumura
雅弘 奥村
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Shinya Kato
真也 加藤
善則 久保
Yoshinori Kubo
善則 久保
忠彦 平
Tadahiko Taira
忠彦 平
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【課題】 パーティクル等が発生し難く、耐久性も高い締結用部品を提供する。【解決手段】 サファイアからなる締結用部品であって、表面の少なくとも一部に、X線を照射して測定されるアルミナ単結晶のA面(11-20)を示すX線回折ピークの半値幅が0.04°以下である第1領域を有することを特徴とする締結用部を提供する。【選択図】 図1

Description

本開示は、ボルト、ナット、座金等の締結用部品に関する。
ボルトやナット等の締結用部品は、様々な装置や場所に使用されている。例えば下記特許文献1には、腐食性ガスに曝される環境で使用するボルトの一例が開示されている。特許文献1に開示のボルトは、腐食性ガスに曝される外面が、耐腐食性が比較的高いアルミナ質のセラミックスで構成されている。また近年は、非特許文献1に記載されているように、全体がサファイアからなるねじ等も提案が始まっている。
実開昭61−141809号公報
http://www.hikis.co.jp/jirei.html
例えば、分析機器や半導体製造装置など、プラズマや腐食性ガスに曝される部分に使用されるボルトやナットの場合、アルミナ質セラミックスで構成されたボルトやナットを用いた場合であっても、プラズマや腐食性ガスに曝されることによる強度劣化やパーティクルの発生等の問題が生じることがあった。また、サファイアを研削等の機械加工によって削ってボルトを作製した場合など、サファイアは硬度が高いために加工性が低いので、表面に細かな割れ(マイクロクラック等)が発生している場合が多く、機械的強度を所望されるレベルまで高くすることが難しかった。
本実施形態のサファイアからなる締結用部品は、表面の少なくとも一部に、X線を照射して測定されるアルミナ単結晶のA面(11-20)を示すX線回折ピークの半値幅が0
.04°以下である第1領域を有する。
また、本実施形態のサファイアからなる締結用部品は、表面の少なくとも一部に、外周面または内周面における算術平均粗さRaが0.1μm以上であって、粗さ曲線要素における平均長さRsmが7μm以上である第2領域を有する。
本実施形態の締結用部品は、パーティクル等が発生し難く、耐久性も高い。
本実施形態の締結用部品の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は図1(a)のA部を拡大した断面図である。 本実施形態の締結用部品の他の例を示す斜視図である。 本実施形態の締結用部品の他の例を示す斜視図である。 本実施形態の締結用部品の他の例を示す斜視図である。 本実施形態の締結用部品の他の例を示す斜視図である。 (a)および(b)は、本実施形態の締結用部品にX線を照射して測定されるX線回折パターンの一例である。 本実施形態の締結用部品の製造方法の一例を示す工程フロー図である。
以下、図面を参照して、本実施形態の締結用部品の一例について詳細に説明する。図1は、本実施形態の締結用部品の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は図1(a)のA部を拡大した断面図である。
また、図2〜5は、本実施形態の締結用部品の他の例を示す斜視図である。
図1に示す締結用部品は、凹部11を備えるねじ頭部1bと、外表面に形成されたねじ山部1aとを有する、いわゆるボルトである。以下、ボルト1と記載する。ねじ頭部1bにおける凹部11は、六角形状となっており、例えばいわゆる六角レンチやドライバー等の工具等が嵌め合わされる部位である。図2に示すボルト2および図3に示すボルト3は、ねじ頭部2bおよびねじ頭部3bがいずれも六角柱形状となった、いわゆる六角ボルトである。ボルト2は、ねじ頭部2b以外の領域全体にねじ山(ねじ山部2a)が設けられている。これに対して、ボルト3は、ねじ頭部3bとねじ山部3aとの間に、ねじ山を有さない曲面状領域3cを有している。
本実施形態の締結用部品は、図1〜図3に示すものに限定されるものではなく、ねじ頭部の形状も、図2,3に示すような六角柱形状に限定されず、四角柱形状、円柱形状など、任意の形状とすることができる。凹部11の形状についても、六角穴形状に限定されず、例えば、いわゆる、すりわり形状や十字穴形状であってもよく、特に限定されない。
図4は、締結用部品の他の実施形態であり、内表面にねじ山4aが設けられた六角ナット4である。図5は、締結用部品の他の実施形態であり、座金5である。
以下の記載において、各図に示す締結用部材に特化した場合は、各図に基づいた符号を用いて説明し、図1〜5に示す締結用部品に共通する記載においては、締結用部品10として記載する。
本実施形態の締結用部品10は、サファイアからなる締結用部品であって、表面の少なくとも一部に、X線を照射して測定されるアルミナ単結晶のA面(11-20)を示すX
線回折ピークの半値幅が0.04°以下である第1領域を有する。
アルミナの単結晶であるサファイアは、硬度が高く、プラズマや反応性ガスに対する耐腐食性も高い。A面(11-20)を示すX線回折ピークの半値幅が0.04°以下であ
る第1領域を表面の少なくとも一部に有する本実施形態の締結用部品10は、機械的強度が高いため外部から衝撃が加わった場合に破損し難く、プラズマや反応性ガスに対する耐腐食性も高く、耐久性が高い。
ボルト1〜3において、第1領域をねじ山部1a,2a,3aに有するとき、第1領域に相当する部分は、機械的強度が高いため、比較的強い力で締め付けてもねじ山部1a,2a,3aの破損等が少ない。ねじ山部1a,2a,3aの表面の全てが第1領域であることが好ましい。
またボルト1〜3において、ねじ頭部1b,2b,3bは、例えば半導体製造装置において、エッチング装置の電極部材を締結する用途に使用する場合など露出しているものであるため、反応性ガスやプラズマ等に曝される。ボルト1〜3において、第1流域をねじ頭部1b,2b,3bに有するときには、反応性ガスやプラズマ等に曝されても、アウト
ガスやパーティクルの発生が少ない。ねじ頭部1b,2b,3bの表面の全てが第1領域であることが好ましい。
さらに、ボルト1のように凹部11を有するものであるとき、凹部11の内面も第1領域であることが好ましい。このような構成を満たすときには、六角レンチやドライバーなどが嵌め合わされて外力がかかった場合も、凹部11のいわゆる「潰れ」や、ねじ頭部1bの外形状の欠けや割れ等が発生し難い。ボルト1では、このような凹部11の「潰れ」や外形状の欠けや割れ等にともなうパーティクル等の発生が抑制されている。
図6は、本実施形態の締結用部材10の表面の一部にX線を照射して測定されるX線回折パターンの一例である。言い換えれば、図6は、第1領域を示すX線回折パターンである。図6に示すX線回折パターンは、(a)、(b)いずれもPANalytical社製のX線回折装置(X‘Pert PRO−MRD)を用いて、X線の出力を1.8kW(45kV,40mA)として、図1(b)に示すねじ山部1aの頂面1tの一部にX線の1種であるCuKα線を照射して得られるX線回折パターンである。
このX線回折パターンの測定では、まず、円周面状および螺旋状に連続したねじ山部1aの頂面1tから、サファイア単結晶のA面(11-20)の法線ベクトルの方向を特定
する。この際、ボルト1の中心軸に向けて垂直な方向にX線を照射しながら、ボルト1を中心軸周りに回転させる。この操作では、X線は、サファイア単結晶のA面(11-20
)の法線ベクトル方向を複数回通過することになる。このX線照射の回折パターンをモニタリングすることで、回折結果がサファイア単結晶のA面(11-20)を示すX線照射
方向を特定することができる。具体的には、例えばリガク社製のX線カット面検査機「2991F2」を用い、ボルト1を中心軸周りに回転させながら、ボルト1の頂面1tに向けてX線を照射する。X線の出力は例えば2mAとする。例えば、この照射によって顕著なピークを示す照射方向を抽出し、このピークを示す照射方向と、既知であるサファイア単結晶のA面に対するX線回折照射データ(例えばいわゆるJCPDSカードのデータ)とを比較することで、どの方向にX線を照射した場合に、A面を示す回折角度(2θ)が顕著に現れるかを確認することができる。
次に、特定されたA面方向を基準にX線を照射して、A面の結晶性の程度を表せる図6(a)および図6(b)に示すような詳細なX線回折パターンを得ることができる。このX線回折パターンを得るには、予め、回折角度(2θ)の測定範囲を、37.5°以上38.1°以下に設定して、A面の法線方向からX線を照射して、回折パターンのデータを得ればよい。
図6に示す破線は、サファイアを機械加工して形状を整えた状態の表面にX線を照射して得られる、X線回折パターンである。単に機械加工することのみによって形成された表面には、機械加工の際に生じたマイクロクラックが数多く存在している。このようなマイクロクラックで生じる多くの回折や、マイクロクラック部分の結晶性の乱れ等に起因し、X線回折パターンの半値幅が広がっている。破線で示すような、機械加工のみによって形成されたボルトでは、表面の結晶性が低いので、機械強度も低くかつ耐腐食性も低い。
一方、本実施形態のボルト1は、表面の結晶性が高いので、X線回折パターンの半値幅が比較的低い。このような本実施形態のボルト1は、後述する特徴的な加熱・徐冷工程によって形成することができる。本実施形態のボルト1は、上述のように表面の結晶性が高いので、機械強度も高く、かつ耐腐食性も高い。
なお、回折角2θが37.776°±0.1°におけるピークは、サファイアのA面(11-20)におけるピークである。ここで、半値幅は半値全幅とも呼ばれ、図6では、FWMHとして示している。
また、本実施形態の他の態様の締結用部品は、表面の少なくとも一部に、外周面または内周面における算術平均粗さRaが0.1μm以上であって、粗さ曲線要素における平均長さRsmが7μm以上である第2領域を有する。粗さ曲線要素における平均長さRsmとは、表面のうねりの周期の大きさの程度を表すものである。例えばある透光体の表面が、約7μm程度のうねりの周期を有する表面であれば、この表面における可視光線の散乱が少なく透光性が高い。上述したような構成であることにより、ボルトに到達した可視光線は、表面領域における散乱が少ないため、ゴミ等が表面領域に付着しても目視によって容易に発見することができる。
例えば、分析機器の試料処理室の内面や、半導体製造装置の処理室の内面等に露出した表面領域を有する場合、この表面領域が上述の特徴をもつことで、処理室の内面に付着したゴミ等を簡単かつ早期に発見することができる。特に、粗さ曲線要素における平均長さRsmは20μm以上であることが好適である。
ここで、上記外周面とは、図1〜3に示すボルトのねじ山部1a〜3aの頂面である。また、上記内周面とは、図4に示すナットのねじ山部4aの頂面および図5に示す座金5の内周面である。また、図3に示すねじの切られていない円筒部3cの外周面も算術平均粗さRaが0.1μm以上であって、粗さ曲線要素における平均長さRsmが7μm以上である表面領域を有することが好適である。このような構成であると、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の締結用部品は、表面領域における粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であることが好適である。粗さ曲線の最大高さRzは、表面の凹凸の高さの程度を表しており、この凹凸の高さが大きいほど、表面の凹凸での散乱の程度が大きくなり、白っぽく着色した状態に視認され易くなる。ボルト1は、締結用部品の表面領域における粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であるので、この表面領域を透過する可視光線の散乱が比較的小さく、表面の付着物を目視によって発見し易くすることができる。
上述した算術平均粗さRa、平均長さRsmおよび最大高さRzは、JIS B 0601−2001に準拠して求められ、例えば、キーエンス社製レーザー顕微鏡装置VK−9510等を用いて測定することができる。レーザー顕微鏡VK−9510を用いる場合、例えば、測定モードをカラー超深度、測定倍率を1000倍、測定ピッチを0.05μm、λs輪郭曲線フィルタを2.5μm、λc輪郭曲線フィルタを0.08mm、測定長さを100〜200μmとして求めればよい。
また、本実施形態の締結用部品は、複数の分析装置用の締結用部品であって、サファイアからなるものである。分析装置は、例えば反応ガスやプラズマ等で測定対象物に何らかの処理を施し、この処理状態によって測定対象物のパラメータを測定するものも多い。これら反応ガスやプラズマは、分析装置を構成する部品自体にも悪影響を及ぼし、例えばこれら部品からアウトガスを発生させる場合もある。発生したアウトガスは、例えば分析結果に悪影響を及ぼす場合もある。本実施形態の締結用部品は、このような分析装置に用いた場合、サファイアなのでアウトガスが少なく、またパーティクル等の発生も少ないので、測定結果に及ぼす影響が少ない。すなわち、サファイアは硬度が高く、しかも硬度の低い粒界相が存在しないことから、サファイアからなる締結用部品によって複数の分析用容器を締結しても、締結用部品からパーティクルが発生するおそれが低減し、信頼性の高い分析結果を得ることができる。
同様に、本実施形態の締結用部品は、半導体製造装置用の締結用部品として用いること
ができ、この場合も、アウトガスやパーティクルの発生が少なく、半導体製造プロセスにおいて与える悪影響が少ない。
例えば、分析装置用の分析用容器の一部は、互いに対向する面が平坦である下部容器および上部容器であって、下部容器および上部容器の少なくともいずれか一方は被分析用試料を収容するための空間部を備えてなり、下部容器と上部容器とが双方の周縁部で締結されてなるものである。
また、本実施形態の分析用容器は、下部容器および上部容器の少なくともいずれかは酸化アルミニウムを99.5質量%以上含むセラミック焼結体からなる分析用容器であることが好適である。
このような構成であると、セラミック焼結体における粒界相の占める比率が低くなるので、分析用容器からパーティクルが発生するおそれが低減し、信頼性の高い分析結果を得ることができる。
特に、酸化アルミニウムを99.5質量%以上含むセラミック焼結体は、焼結助剤を用いない固相焼結によって得られるセラミック焼結体であることがより好適である。
サファイアを含む酸化アルミニウムは、X線回折装置を用い、JCPDSカードと照合して同定することができる。また、酸化アルミニウムの含有量は、セラミック焼結体の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸などの溶液に溶解した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP 例えば、(株)島津製作所製(ICPS−8100))を用いて得られるアルミニウムの含有量から酸化物に換算することによって求められる。
なお、上述した本実施形態のサファイアからなる締結用部品は、不可避不純物、例えば、ナトリウム、バリウムおよびバナジウムを含んでいてもよく、これらの不可避不純物の含有量は、締結用部品を構成する成分100質量%に対して、それぞれ1質量ppm以下であることが好適である。
次に、本実施形態の締結用部品の製造方法について説明する。
図7は、本実施形態の締結用部品の製造方法の一例を示す工程フロー図である。
本実施形態の締結用部品の製造方法は、サファイアからなる円柱状や環状の基体を準備して、算術平均粗さRaが0.1μm以上であって、粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm未満である外周面または内周面を形成する工程(加工工程)と、加工した基体(以下、加工体という。)を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、6時間以上かけて室温まで冷却する工程(徐冷工程)とを有する。
サファイアからなる基体は、例えばEFG法、カイロポーラス法、HEM法等の結晶成長方法で育成される。なお、締結用部品が六角ナットまたは座金である場合、基体には、下穴が予め形成される。加工工程では、基体は図1〜3に示すボルト、図4に示すナットまたは図5に示す座金の形状に加工される。
具体的には、締結用部品が六角ボルトの場合、平面研削盤を用い、回転する砥石に基体を摺接させて、頭部の側面を形成する。
ここで、ねじの切られていない円筒部を有する六角ボルトを得る場合には、円筒研削盤を用い、回転する砥石に基体を摺接させて、円筒部の外周面を形成する。
そして、六角ボルトのねじ山部は、マシングセンタまたはNC工作機械の主軸の先端に、ダイヤモンド砥粒層を備えた電着工具を装着し、この電着工具を円筒部の外周面に回転させながら摺接させることにより得られ、本実施形態の六角ボルトとすることができる。
また、締結用部品が六角ナットの場合、平面研削盤を用い、回転する砥石に基体を摺接させて、側面を形成する。そして、六角ナットのねじ山部は、マシングセンタまたはNC工作機械の主軸の先端に、ダイヤモンド砥粒層を備えた電着工具を装着し、この電着工具を下穴の内周面に回転させながら摺接させることにより得られ、本実施形態の六角ナットとすることができる。
また、締結用部品が座金の場合、円筒研削盤で外周面を、内面研削盤で内周面をそれぞれ形成すればよい。
研削された後の六角ボルトの頭部の側面、円筒部の外周面、ねじ山部を含む表面等は、算術平均粗さRaが、例えば、0.1μm以上である。
また、これらの表面は、サファイアが機械的に破壊されたマイクロクラックが無数に存在しており、粗さ曲線要素の平均長さRsmは7μm未満と比較的小さくなっている。このため、加工工程の直後は、可視光線はこれらの表面で散乱されて、白く濁って視認されるので、プラズマによって変色する成分が表面領域に付着、変色しても目視による発見が難しい。
本実施形態では、加工工程の後に、加工体を1800℃〜2000℃に加熱する工程(加熱工程)と、6時間以上かけて室温まで降温させる工程(徐冷工程)とを経ることで、上記表面を透明にする。なお、本実施形態では、これら加熱工程および徐冷工程を、加工体を希ガス雰囲気中に配置した状態で行う。
加熱工程ではまず、加熱炉のチャンバー内に加工体を配置し、チャンバー内を希ガスであるアルゴン(Ar)ガスで置換する。その後、約14時間かけてチャンバー内の温度を1950℃まで昇温させ、1950℃の状態で約5時間維持する。サファイアの融点は約2070℃程度である。加熱工程ではこのように、加工体をサファイアの融点に近い温度に昇温させて長時間維持する。この加熱工程によって、加工体の表面は、一部が溶融するなど原子単位で移動し易い状態となり、原子位置の再配列が進行していく。この過程において、加工工程で表面に形成されたマイクロクラックは修復される。また、表面エネルギーのポテンシャルが小さくなるように、すなわち表面積が小さくなるように原子の再配列が進行することで、非常に細かい凹凸は平坦化されていくと考えられる。
このような加熱工程の後、6時間以上かけて室温まで冷却する。このように長時間かけて徐冷することで、最表面の結晶化が進行する。すなわち、加工工程によって機械的に破壊された結晶部分が、その破壊部分の下層の結晶部分に対応するように再度結晶化されていく。このように長時間かけて徐冷して再結晶化を促進することで、マイクロクラックは修復され、凹凸はより平坦化される。
このような加熱・徐冷工程を加工体に施すことによって、表面状態が変化して、外周面または内周面における算術平均粗さRaが0.1μm以上であり、かつ粗さ曲線要素の平均長さRsmが7μm以上である締結用部品を得ることができる。このように加熱炉を用いた加熱・徐冷工程では、複数の加工体を同時に加熱・徐冷できるので、パーティクルが発生しにくく、プラズマに対する耐食性が高い締結用部品を比較的安価に量産することができる。
1,2,3 六角ボルト
1a,2a,3a ねじ山部
1b,2b,3b ねじ頭部
4 六角ナット
5 座金

Claims (8)

  1. サファイアからなる締結用部品であって、
    表面の少なくとも一部に、X線を照射して測定されるアルミナ単結晶のA面(11-20
    )を示すX線回折ピークの半値幅が0.04°以下である第1領域を有することを特徴とする締結用部品。
  2. ねじ山部を備え、
    前記第1領域を前記ねじ山部に有することを特徴とする請求項1記載の締結用部品。
  3. ねじ山部およびねじ頭部を備え、
    前記第1領域を前記ねじ頭部に有することを特徴とする請求項1記載の締結用部品。
  4. サファイアからなる締結用部品であって、
    表面の少なくとも一部に、算術平均粗さRaが0.1μm以上であって、粗さ曲線要素における平均長さRsmが7μm以上である第2領域を有することを特徴とする締結用部品。
  5. 前記第2領域における粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であることを特徴とする請求項4に記載の締結用部品。
  6. ねじ山部を備え、
    前記第2領域を前記ねじ山部に有することを特徴とする請求項4または5に記載の締結用部品。
  7. ねじ山部およびねじ頭部を備え、
    前記第2領域を前記ねじ頭部に有することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の締結用部品。
  8. 前記第2領域における粗さ曲線の最大高さRzが2.5μm未満であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の締結用部品。
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