JP2017180487A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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緩彦 村松
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緩彦 村松
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Abstract

【課題】最大圧縮ストローク時において適正な減衰力を発生させ、最大圧縮ストローク時以外においても適正な減衰力を発生させる油圧緩衝器を提供する。
【解決手段】実施形態の油圧緩衝器10は、ダンパチューブ21と、ダンパチューブ内のインナチューブ22と、インナチューブ内を摺動するピストン120と、下端がピストン120に取り付けられたピストンロッド40と、インナチューブ内でピストン120に区画されたロッド側油室28bと、インナチューブ内でピストン120に区画されたピストン側油室28aと、インナチューブ22とダンパチューブ21との間に設けられた環状油室27と、ピストン側油室28aと環状油室27とを連通する複数の流路を形成する流路形成部材80と、インナチューブ内を軸方向に移動可能に設けられ、複数の流路うちの少なくとも一つの流路を開閉する開閉部材160とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、油圧緩衝器に関する。
従来の油圧緩衝器として、ダンパチューブと、このダンパチューブ内に設けられたインナチューブとからなる二重管構造の油圧緩衝器がある。この油圧緩衝器は、インナチューブとアウタチューブの開口端に固定されたロッドガイドと、このロッドガイドに貫通して支持されたピストンロッドと、このピストンロッドの下端側に設けられ、インナチューブ内を摺動するピストンとを備える。
この油圧緩衝器では、インナチューブの内部にピストンにより区画されるロッド側油室とピストン側油室が形成されている。例えば、ロッド側油室は、ピストンよりも上端側、ピストン側油室は、ピストンよりも下端側となる。インナチューブとダンパチューブとの間の環状隙間には、ピストン側油室に連通する油溜室が形成されている。
また、油圧緩衝器は、ピストンにピストンバルブ装置を備える。このピストンバルブ装置は、ロッド側油室とピストン側油室を連通可能にし、伸側減衰力発生装置を構成する。
さらに、油圧緩衝器は、インナチューブの底部側にボトムバルブ装置を備える。このボトムバルブ装置は、ピストン側油室と油溜室を連通可能にし、圧側減衰力発生装置を構成する。
上記したような油圧緩衝器は、例えば、自動二輪車のリアクッションとして使用される。
このような油圧緩衝器をリアクッションとして備えた自動二輪車において、積載重量が大きくなると、通常の積載重量のときに比べて、ピストンがインナチューブの下端側に押し込まれた状態となる。すなわち、積載重量が大きくなると、通常の積載重量のときに比べて、最大圧縮ストローク(最圧縮)までのストローク量が小さくなる。
これによって、積載重量が大きくなると、通常の積載重量のときに比べて、少ない上下動でも最大圧縮ストロークに至り、この際発生する衝撃が運転者等に伝達される。そのため、自動二輪車の走行時における乗り心地が悪い。
そこで、従来の油圧緩衝器において、最大圧縮ストローク時(最圧縮時)における減衰力を増大させる技術が検討されている。
実開昭58−137143号公報 実開昭53−124994号公報
しかしながら、従来の油圧緩衝器では、例えば、最大圧縮ストローク時には適正な減衰力が発生するが、最大圧縮ストロークに至る工程において、十分な減衰力が得られないことがある。また、従来の油圧緩衝器では、最大圧縮ストロークに至る工程及び最大圧縮ストローク時の双方において、十分な減衰力が得られないことがある。
本発明が解決しようとする課題は、最大圧縮ストローク時において適正な減衰力を発生させるとともに、最大圧縮ストローク時以外においても適正な減衰力を発生させることができる油圧緩衝器を提供することにある。
実施形態の油圧緩衝器は、作動油が封入されたダンパチューブと、前記ダンパチューブ内に設けられたインナチューブと、前記インナチューブの内周面を摺動可能に設けられたピストンと、その下端が前記ピストンに取り付けられると共にその上端が前記ダンパチューブの外部へ向かって延設されたピストンロッドと、前記インナチューブ内で前記ピストンに区画されると共に前記ピストンよりも上端側に形成されたロッド側油室と、前記インナチューブ内で前記ピストンに区画されると共に前記ピストンよりも下端側に形成されたピストン側油室と、前記インナチューブと前記ダンパチューブとの間に設けられた環状油室と、前記ピストン側油室と前記環状油室とを連通する複数の流路を形成する流路形成部材と、前記ピストン側油室に前記インナチューブ内を前記インナチューブの軸方向に移動可能に設けられると共に複数の前記流路うちの少なくとも一つの流路を開閉する開閉部材とを具備する。
本発明では、最大圧縮ストローク時において適正な減衰力を発生させるとともに、最大圧縮ストローク時以外においても適正な減衰力を発生させることができる。
第1の実施の形態の油圧緩衝器の縦断面図である。 第1の実施の形態の緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 図1に示した伸側減衰バルブを拡大して示した断面図である。 圧側行程における、第1の実施の形態の油圧緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 最大圧縮ストローク時(最圧縮時)直前における、第1の実施の形態の油圧緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 伸側行程における、第1の実施の形態の油圧緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 最大伸びストロークの直前における、第1の実施の形態の油圧緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 第2の実施の形態の緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 図8のA−A断面を示す図である。 圧側行程における、第2の実施の形態の油圧緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。 伸側行程における、第2の実施の形態の油圧緩衝器の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の縦断面図である。図2は、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。
油圧緩衝器10は、例えば、自動二輪車の後部車軸側と車体側との間に設けられる後輪懸架装置を構成する。図1に示すように、油圧緩衝器10は、車軸側に取付けられるダンパ部20と、車体側に取付けられ、ピストン120とともにダンパ部20内を移動するピストンロッド40とを備える。また、ダンパ部20及びピストンロッド40の外周には、油圧緩衝器10の軸方向に配置された懸架スプリング50を備える。
なお、ここで、図1に示すように、油圧緩衝器10の軸方向の上方側を上端側、油圧緩衝器10の軸方向の下方側を下端側と呼ぶ。
ダンパ部20は、ダンパチューブ21と、ダンパチューブ21内に設けられたインナチューブ22とからなる二重管構造である。ダンパチューブ21のボトムキャップ23の下端には、車軸側取付部材60が固定されている。
ピストンロッド40の上端には、車体側取付部材61が固定されている。車体側取付部材61の下端には、半径方向外側に周方向に亘って突出した平板環状のバネ受62が形成されている。なお、ここで半径方向とは、二重管構造のダンパチューブ21の軸方向に垂直な方向である(以下、同じ)。また、車体側取付部材61の下端には、中央にピストンロッド40を貫通して、バンプラバー63が設けられている。
ダンパチューブ21の下端側の外周には、平板環状のバネ受51がばね荷重調整装置70に支持されている。また、バネ受51上には、例えば、ダンパチューブ21と懸架スプリング50との間にダンパチューブ21の外周に沿って上端側に延びる筒状のスプリングガイド52が設けられている。このスプリングガイド52の下端は、周方向に亘って外側に突出した平板部53で形成されている。
そして、懸架スプリング50は、スプリングガイド52の平板部53と、車体側取付部材61のバネ受62との間に備えられ、バネ受51とバネ受62との間に支持されている。なお、ダンパチューブ21の外周に沿ってばね荷重調整装置70を上下動させることで、ばね荷重は調整される。また、スプリングガイド52を備えることで、懸架スプリング50の動作を安定してガイドできる。
ダンパチューブ21とインナチューブ22の上端側の開口端には、ロッドガイド24が固定されている。ロッドガイド24の頭部24aは、ダンパチューブ21に液密に固定されている。また、ロッドガイド24の下端24bは、インナチューブ22内に圧入等して固定されている。ロッドガイド24の頭部24aの上端側には、オイルシール25が設けられている。そして、ピストンロッド40は、ロッドガイド24及びオイルシール25の内径部に、液密に摺動可能に挿入されている。
オイルシール25の上端側には、ワッシャ26が設けられている。そして、ダンパチューブ21の上端が加締められ、ワッシャ26等は、ダンパチューブ21内に固定されている。一方、ダンパ部20の下端は、ボトムキャップ23の外周にダンパチューブ21の下端の内周を嵌合して溶接等することで封鎖されている。
ここで、ダンパチューブ21とインナチューブ22との間には、環状油室27が形成される。この環状油室27は、後述するピストン側油室28aに連通可能である。この環状油室27は、インナチューブ22内に進退するピストンロッド40の体積分のオイル量(油の温度膨張分のオイル量を含む)を補償する。
なお、ダンパチューブ21内には、作動油であるオイルが封入されている。具体的には、インナチューブ22内は、オイルで満たされている。環状油室27においては、上端側が空洞であり、下端側がオイルで満たされている。
図1に示すように、ロッドガイド24の下端には、ピストン120が設けられている。ピストン120は、例えば、ナット(図示しない)等によって、ロッドガイド24に固定される。ピストン120は、インナチューブ22の内周に摺動可能にインナチューブ22内に挿入されている。インナチューブ22内の油室は、ピストン120によって、ピストン側油室28aとロッド側油室28bに区画される。
ピストン側油室28aは、ピストン120よりも下端側に形成され、ロッド側油室28bは、ピストン120よりも上端側に形成されている。ピストン120とロッドガイド24との間には、リバウンドスプリング29が設けられている。例えば、リバウンドスプリング29の上端側は、ロッドガイド24の他端面に取り付けられている。リバウンドスプリング29は、油圧緩衝器10の最大伸長ストローク時(最伸長時)にピストン120と衝合することによって、最伸長ストロークを規制する。
ボトムキャップ23の内側底面上には、流路形成部材80が配置されている。流路形成部材80の中心軸とダンパ部20の中心軸とは、同軸上にある。
流路形成部材80は、ボトムピース90と、ボトムバルブストッパ100とを備える。ボトムピース90は、図2に示すように、円筒状形状を有し、ボトムキャップ23の内側底面上に配置されている。ボトムピース90の中央には、ボトムバルブストッパ100と連結する貫通孔93が形成されている。また、ボトムピース90の貫通孔93の周囲には、周方向に複数の油孔94が形成されている。なお、貫通孔93及び油孔94は、流路形成部材80の軸方向に形成されている。
油孔94よりも上端側には、図2に示すように、周方向に亘って溝部97が形成されている。すなわち、ボトムピース90の上端面には、貫通孔93を囲むように環状凹部の溝部97が形成され、この溝部97よりも下端側に、溝部97と後述するボトムピース90の内部98とを連通する複数の油孔94が形成されている。また、ボトムピース90の上端側の外周には、インナチューブ22の下端を支持する段部99が形成されている。
ここで、溝部97よりも内径側のボトムピース90の上端面96は、後述する圧側減衰バルブ110の一部を配置するため、溝部97よりも外径側のボトムピース90の上端面95よりも下端側に位置している。ボトムピース90の外縁の下端には、周方向に亘って複数の脚部91が設けられている。脚部91間は、図2に示すように、油路92となる。
ボトムピース90の貫通孔93は、上端側において半径方向外側に広がり、段部93aを有する。この貫通孔93には、ボトムバルブストッパ100が連結されている。
ボトムバルブストッパ100は、図2に示すように、筒状部材で構成され、下端側がボトムピース90の貫通孔93に嵌合して固定される小径部103と、この小径部103よりも上端側において半径方向外側に広がる大径部104とを備える。大径部104の外周には、半径方向外側に環状に突出したバネ受105が形成されている。このバネ受105は、後述するスプリング152を支持する。
また、ボトムバルブストッパ100は、図2に示すように、中央の軸方向に貫通する円柱状の油孔101を有する。このように、油孔101は中央に1つ形成されている。この油孔101は、下端側に形成された小径油孔101aと、上端側に形成された大径油孔101bとを備える。小径油孔101aと大径油孔101bとの間には、水平面からなる段部102が形成されている。
ボトムピース90の上端とボトムバルブストッパ100のバネ受105との間には、隙間が形成され、ボトムピース90の上端面96上には、圧側減衰バルブ110が配置されている。圧側減衰バルブ110は、ピストン120が下端側へ移動する圧側行程において、圧側減衰バルブ110を通過するオイルの流れにより圧側減衰力を発生させる。なお、圧側減衰バルブ110は、圧側減衰力発生機構として機能する。
圧側減衰バルブ110は、例えば、環状の板バルブ111と、周方向に複数の油孔112aを有する環状の平板112と、環状の皿バネ113とを備える。板バルブ111、平板112及び皿バネ113は、ボトムバルブストッパ100の小径部103に貫通して設けられている。そして、ボトムピース90の上端面96側から、板バルブ111、平板112、皿バネ113の順に積層されている。
なお、ここでは、この圧側減衰バルブ110を、ボトムピース90の溝部97、ボトムピース90の油孔94からなる流路に備えた一例を示している。
板バルブ111の外径は、平板112の油孔112aを下端側から覆い、かつ溝部97の外周面には接触しないように設定されている。そのため、板バルブ111は、圧側行程において、平板112の油孔112aを通過するオイルによって下端側に力を受け、外縁が下端側に撓む。これによって、減衰力が発生する。
平板112の外径は、平板112の外縁がボトムピース90の上端面95に支持されるように設定される。これによって、平板112は、内縁及び外縁の双方がボトムピース90により下方から支持されている。
皿バネ113の外径は、平板112の油孔112aに至らないように設定される。この皿バネ113の上端は、例えば、バネ受105の下端面105aに当接している。そして、皿バネ113は、平板112を下端側に押圧している。
なお、圧側減衰バルブ110は、ボトムピース90の上端面96上に固定されることなく、積層して配置されている。さらに、板バルブ111、平板112、皿バネ113は、流路形成部材80の軸方向に移動可能にボトムバルブストッパ100の小径部103に貫通している。そのため、伸側工程の際には、圧側減衰バルブ110は、油孔94及び溝部97を上端側に向かうオイルの流れによって押し上げられ、ボトムピース90の上端面96から上端側に離れる。
ここで、図2に示すように、ボトムキャップ23の内周には、例えば、脚部91の油路92と環状油室27とを連通させるように周方向に亘って油路30が形成されている。すなわち、環状油室27は、油路30及び油路92を介してボトムピース90の内部98に連通している。
また、ボトムピース90の内部98は、油孔94及び溝部97を介して、ピストン側油室28aに連通可能に設けられている。さらに、ボトムピース90の内部98は、ボトムバルブストッパ100の油孔101を介して、ピストン側油室28aに連通可能に設けられている。
すなわち、ボトムバルブストッパ100の油孔101、ボトムピース90の内部98、油路92及び油路30は、ピストン側油室28aと環状油室27とを連通させる流路である。なお、油孔101は、内側流路として機能する。
また、ボトムピース90の溝部97、ボトムピース90の油孔94、ボトムピース90の内部98、油路92及び油路30は、ピストン側油室28aと環状油室27とを連通させる流路である。この流路には、前述した圧側減衰バルブ110が介在している。なお、ボトムピース90の溝部97及び油孔94は、外側流路として機能する。
流路形成部材80の上端側には、開閉部材160が備えられている。この開閉部材160は、ボトムバルブストッパ100の油孔101を開閉可能に設けられている。開閉部材160は、例えば、ピストン側油室28aに、インナチューブ22内をその軸方向に移動可能に設けられる。
開閉部材160は、スライダー130と、オイルロック弁140と、カラー150と、ナット151と、スプリング152、153とを備える。
スライダー130は、中央の軸方向にオイルロック弁140を貫設する貫通孔131を有する円筒体である。貫通孔131の周囲には、その軸方向に複数の油孔132が形成されている。オイルは、これらの油孔132を通り、スライダー130よりも下端側、又はスライダー130よりも上端側へ流れる。
スライダー130の外周には、半径方向外側に周方向に亘って突出した環状のバネ受133が形成されている。このバネ受133の外周面133aは、例えば、インナチューブ22の内周面に摺動可能に設けられている。また、バネ受133の上端面133b及び下端面133cは、例えば、水平面である。
オイルロック弁140は、棒状部材で構成され、スライダー130の貫通孔131に貫設されている。このオイルロック弁140は、ロック弁として機能する。オイルロック弁140の下端側は、半径方向外側に周方向に亘って突出した環状の弁体部141と、この弁体部141から下端側に先細りの形状になるテーパ部142とを備える。
弁体部141の上端面141a及び下端面141bは、例えば、水平面である。また、開閉部材160が下端側に移動した際、弁体部141の下端面141bは、ボトムバルブストッパ100の油孔101の段部102に当接する。これによって、ボトムバルブストッパ100の油孔101を通過するオイルの流れを制限する。
ここで、テーパ部142の最大外径部の外径は、ボトムバルブストッパ100の小径油孔101aの内径よりも小さく構成されている。また、弁体部141の外径は、大径油孔101b内を流路形成部材80の軸方向に移動可能かつ弁体部141の側面と大径油孔101bの内面との間をオイルが流れるように、大径油孔101bの内径よりも若干小さく構成されている。
弁体部141とスライダー130との間には、図2に示すように、円筒状のカラー150が設けられている。このカラー150は、スライダー130の貫通孔131から下端側へ突出するオイルロック弁140の長さを調整する。すなわち、カラー150の軸方向の長さを調整することで、スライダー130の貫通孔131から下端側へ突出するオイルロック弁140の長さが調整される。
なお、カラー150を弁体部141の周囲に取り付けたときのカラー150の外径は、大径油孔101b内を流路形成部材80の軸方向に移動可能かつ弁体部141の側面と大径油孔101bの内面との間をオイルが流れるように、大径油孔101bの内径よりも小さく構成されている。
カラー150を取り付けた後、オイルロック弁140の上端をナット151で固定することで、スライダー130、オイルロック弁140およびカラー150が一体化する。
スライダー130のバネ受133と、ボトムバルブストッパ100のバネ受105との間には、スプリング152が設けられている。スプリング152は、例えば、その両端部が固定されずに、バネ受133とバネ受105との間に載置されている。なお、例えば、スプリング152の上端がバネ受133の下端面113cに固定され、スプリング152の下端がバネ受105の上端面105bに固定されてもよい。
また、スライダー130のバネ受133の上端面133b上には、スプリング153が設けられている。スプリング153は、例えば、その下端側が固定されずに、バネ受133上に載置されている。なお、スプリング153の下端側をバネ受133の上端面133bに固定してもよい。
なお、スプリング152は、第2の弾性部材として機能し、スプリング153は、第1の弾性部材として機能する。スプリング152及びスプリング153の代わりに、弾性部材として、例えば、ゴム材等を使用してもよい。
スライダー130は、例えば、油圧緩衝器10が作動していない状態において、図2に示すように、スプリング152に下端側から支持されることで、所定の軸方向位置にある。この状態では、ボトムバルブストッパ100の油孔101は開状態である。すなわち、オイルは、オイルロック弁140の下端と、ボトムバルブストッパ100の大径油孔101bの内周との間を通り、ボトムバルブストッパ100の油孔101を流通可能となる。
ここで、ロッドガイド24の下端に設けられたピストン120には、図1に示すように、ピストン120が上端側へ移動する伸側行程において、ロッド側油室28bからピストン側油室28aに流れるオイルにより伸側減衰力を発生させる伸側減衰バルブ170を備える。なお、伸側減衰バルブ170は、伸側減衰力発生機構として機能する。
図3は、図1に示した伸側減衰バルブ170を拡大して示した断面図である。図3に示すように、ピストン120は、ピストンロッド40が貫通する中央の貫通孔121を有する。ピストン120の上端側には、ピストンロッド40が貫通するとともに、リバウンドスプリング29の下端側を支持するバネ受122が設けられている。
貫通孔121の周囲には、周方向に複数の油孔123が流路形成部材80の軸方向に形成されている。油孔123よりも上端側には、図3に示すように、周方向に亘って溝部124が形成されている。すなわち、ピストン120の上端面には、貫通孔121を囲むように環状の溝部124が形成され、この溝部124よりも下端側に、溝部124に連通する複数の油孔123が形成されている。
ここで、溝部124よりも内径側のピストン120の上端面125は、伸側減衰バルブ170の一部を配置するため、溝部124よりも外径側のピストン120の上端面126よりも下端側に位置している。
伸側減衰バルブ170は、例えば、環状の板バルブ171と、周方向に複数の油孔172aを有する環状の平板172と、環状の皿バネ173とを備える。板バルブ171、平板172及び皿バネ173は、バネ受122の小径部122aに貫通して設けられている。そして、ピストン120の上端面125側から、板バルブ171、平板172、皿バネ173の順に積層されている。
板バルブ171の外径は、平板172の油孔172aを下端側から覆い、かつ溝部124の外周面には接触しないように設定されている。そのため、板バルブ171は、伸側行程において、平板172の油孔172aを通過するオイルによって上端側から下端側に力を受け、外縁が下端側に撓む。これによって、ロッド側油室28bから油孔123を介してピストン側油室28aへ流れるオイルにより伸側減衰力を発生させる。
平板172の外径は、平板172の外縁がピストン120の上端面126に支持されるように設定される。これによって、平板172は、内縁及び外縁の双方が下方から支持されている。
皿バネ173の外径は、平板172の油孔172aに至らないように設定される。この皿バネ173の上端は、例えば、外周側に環状に突出したバネ受122の大径部122bの下端面122cに当接している。そして、皿バネ173は、平板172を下端側に押圧している。
なお、伸側減衰バルブ170は、ピストン120の上端面125上に固定されることなく、積層して配置されている。さらに、板バルブ171、平板172、皿バネ173は、ピストン120の軸方向に移動可能に、バネ受122の小径部122aに貫通している。そのため、圧側工程の際には、伸側減衰バルブ170は、油孔123及び溝部124を上端側に向かうオイルの流れによって押し上げられ、ピストン120の上端面125から上端側に離れる。
(油圧緩衝器10の作用)
次に、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の作用について説明する。
(圧側行程)
まず、圧側行程における作用について説明する。
図4は、圧側行程における、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。図5は、最大圧縮ストローク時(最圧縮時)直前における、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。なお、図4及び図5には、オイルの流れを矢印で示している。また、図4及び図5には、ピストン120の移動する方向を白抜きの矢印で示している。
圧側行程では、ピストンロッド40がダンパ部20に対して相対的に下動(下端側に移動)する。すなわち、圧側行程においては、ピストン120がピストンロッド40とともに、インナチューブ22内を下端側に移動する。その際、ピストン側油室28a内のオイルがピストン120によって圧縮されてその圧力が高くなる。
そして、図4に示すように、伸側減衰バルブ170は、油孔123及び溝部124を上端側に向かうオイルの流れによって押し上げられ、ピストン120の上端面125から上端側に離れる。この伸側減衰バルブ170の上端面125からの離脱によって、ピストン側油室28aとロッド側油室28bとが油孔123を介して連通した状態となる。
そのため、油孔123及び溝部124を上端側に向かうオイルは、ロッド側油室28bへ流出する。このように、ピストン側油室28a内のオイルの一部は、油孔123及び溝部124を通り、ロッド側油室28bへ流出する。
一方、ピストン側油室28a内のオイルの他の一部は、図4に示すように、下端側へ流れる。そして、油孔101に流入したオイルは、ボトムピース90の内部98へ流れる。インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間に流入したオイルは、圧側減衰バルブ110を通過して溝部97、油孔94を通りボトムピース90の内部98へ流れる。圧側減衰バルブ110を通過する際、圧側減衰力を発生させる。
ここで、オイルが圧側減衰バルブ110を通過する際、平板112の油孔112aを通過するオイルが、板バルブ111の外縁を下端側に押し、板バルブ111の外縁が下端側に撓む。これによって、圧側減衰力が発生する。
ボトムピース90の内部98へ流れたオイルは、油路92、油路30を通り環状油室27に流入する。
さらに、ピストン120が下端側に移動すると、ピストン120の下端がスプリング153に接触し、スプリング153を下端側へ押し下げる。これによって、スライダー130及びスプリング152も下端側へ押し下げられる。この際、オイルロック弁140は、ボトムバルブストッパ100の油孔101内を下端側へ移動する。
そして、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前には、図5に示すように、オイルロック弁140の弁体部141の下端面141bがボトムバルブストッパ100の油孔101の段部102に当接し、ボトムバルブストッパ100の油孔101を通過するオイルの流れを制限する。
最圧縮の直前では、オイルロック弁140の下端のテーパ部142が、油孔101の小径油孔101a内に進入し、オイルが流れる流路面積を徐々に減少させる。そして、オイルロック弁140の弁体部141の下端面141bがボトムバルブストッパ100の油孔101の段部102に当接することで、油孔101が完全に遮断される。
油孔101を通過するオイルの流れが完全に遮断されると、下端側へ流れるオイルは、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間にのみに流入する(図5参照)。そして、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間に流入したオイルは、圧側減衰バルブ110を通過して、溝部97、油孔94を通りボトムピース90の内部98へ流れる。
ボトムピース90の内部98へ流れたオイルは、油路92、油路30を通り環状油室27に流入する。なお、圧側減衰バルブ110を通過する際、圧側減衰力が発生する。
このように、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前には、中央の油孔101が閉鎖され、上端側から下端側へ流れるオイルは、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間、圧側減衰バルブ110、溝部97、油孔94、ボトムピース90の内部98、油路92、油路30を通り環状油室27に流入する。
そのため、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前には、下端側へ流れるオイルの流路が減少し、上端側から下端側へ流れるオイルのすべてが圧側減衰バルブ110を通過することになる。そのため、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前における減衰力を増加することができる。これによって、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前においても適正な減衰力を発生させることができ、乗り心地の悪化を抑制できる。
なお、圧側行程において、環状油室27に流入するオイルの流量は、インナチューブ22内に進入するピストンロッド40の体積分のオイル量(油の温度膨張分のオイル量を含む)に相当する。
(伸側行程)
次に、伸側行程における作用について説明する。
なお、ここでは、伸側行程は、図5に示した最大圧縮ストローク時(最圧縮時)から伸側行程に入る場合を想定して説明する。
図6は、伸側行程における、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。図7は、最大伸びストロークの直前における、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。なお、図6及び図7には、オイルの流れを矢印で示している。また、図6及び図7には、ピストン120の移動する方向を白抜きの矢印で示している。
伸側行程では、ピストンロッド40がダンパ部20に対して相対的に上動(上端側に移動)する。すなわち、伸側行程においては、ピストン120がピストンロッド40とともに、インナチューブ22内を上端側へ移動する。その際、ロッド側油室28b内のオイルがピストン120によって圧縮されてその圧力が高くなる。
そして、図6に示すように、ロッド側油室28b内のオイルは、ピストン120に備えられた伸側減衰バルブ170を通過して、油孔123を通り、ピストン側油室28aへ流入する。オイルが伸側減衰バルブ170を通過する際、伸側減衰力が発生する。
ここで、オイルが伸側減衰バルブ170を通過する際、平板172の油孔172aを通過するオイルが、板バルブ171の外縁を下端側に押し、板バルブ171の外縁が下端側に撓む。これによって、オイルは、伸側減衰バルブ170を通過するとともに、伸側減衰力を発生させる。
また、ピストン120が上端側に移動することで、ロッド側油室28b内のオイルは、ピストン側油室28aへ流れる。環状油室27内のオイルは、図6に示すように、油路30、油路92を通り、ボトムピース90の内部98へ流れる。
そして、ボトムピース90の内部98からの一部の流れは、油孔94、溝部97を通ってインナチューブ22の上端側に向かう。圧側減衰バルブ110は、この上端側に向かうオイルの流れによって押し上げられ、ボトムピース90の上端面96から上端側に離れる。
この圧側減衰バルブ110の上端面96からの離脱によって、油路30、油路92、ボトムピース90の内部98、油孔94、溝部97を介して、環状油室27とピストン側油室28aとが連通した状態となる。そのため、油孔94及び溝部97を介してインナチューブ22の上端側に向かうオイルは、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間を通り、ピストン側油室28aへ流出する。
また、ボトムピース90の内部98からの残りの流れは、油孔101を上端側に向かって流れる。油孔101を流れるオイルは、ピストン側油室28aへ流出する。
なお、最大圧縮ストローク時(最圧縮時)から伸側行程に入ると、ピストン120の下端がスプリング153を下端側に押圧する力が減少し、オイルロック弁140が上端側に移動する。そのため、オイルロック弁140の弁体部141の下端面141bがボトムバルブストッパ100の油孔101の段部102から離脱し、油孔101を上端側へ向かってオイルが流れる。
このように、環状油室27内のオイルの一部は、ピストン側油室28aへ流出する。なお、環状油室27からピストン側油室28aへ流出するオイルの流量は、インナチューブ22内から退出するピストンロッド40の体積分のオイル量(油の温度膨張分のオイル量を含む)に相当する。
さらに、ピストン120が上端側に移動し、最大伸びストローク(最伸長)の直前には、図7に示す状態となる。
このように、伸側行程では、伸側減衰バルブ170によって伸側減衰力を発生させることができる。さらに、最大圧縮ストローク時(最圧縮時)から伸側行程に入ると、油孔101が開弁され、ピストンロッド40の体積分のオイル量を適正に環状油室27からピストン側油室28aへ流出させることができる。
上記したように第1の実施の形態の油圧緩衝器10によれば、最大圧縮ストロークの直前における減衰力を増加することができる。そのため、最大圧縮ストローク時において適正な減衰力を発生させるとともに、最大圧縮ストローク時以外においても適正な減衰力を発生させることができる。これによって、この油圧緩衝器10を自動二輪車に装着した場合、最大圧縮ストローク時以外に限らず、最大圧縮ストローク時においても、優れた乗り心地を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態の油圧緩衝器11の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。図9は、図8のA−A断面を示す図である。なお、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の構成と同一の構成部分には同一の符号を付して重複する説明を省略又は簡略する。
第2の実施の形態の油圧緩衝器11においては、圧側減衰バルブ110の構成が第1の実施の形態の油圧緩衝器10の圧側減衰バルブ110構成と異なる。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
図8に示すように、ボトムキャップ23の内側底面上には、流路形成部材80が配置されている。流路形成部材80は、ボトムピース90と、ボトムバルブストッパ100とを備える。
ボトムピース90は、図8に示すように、円筒状形状を有し、ボトムキャップ23の内側底面上に配置されている。ボトムピース90の中央には、ボトムバルブストッパ100と連結する貫通孔93が形成されている。また、ボトムピース90の貫通孔93の周囲には、周方向に複数の油孔94が形成されている。なお、貫通孔93及び油孔94は、流路形成部材80の軸方向に形成されている。
ボトムピース90の上流側の上端面200は平面である。また、前述したように、ボトムピース90の外周には、インナチューブ22の下端を支持する段部99が形成されている。その段部99の上端側には、インナチューブ22の内径とほぼ同径の圧入部211があり、インナチューブ22が圧入部211に嵌合されている。
さらに、ボトムピース90の上端側の外周には、圧入部211の外径よりも小径の小径部212を有し、この小径部212の下端と圧入部211の上端との間に段部210が周方向に亘って形成されている。
ボトムピース90の上端面200において、図8及び図9に示すように、油孔94側から半径方向外側に向かって、スリット201が形成されている。このスリット201は、例えば、上端面200に形成された溝部で構成される。これらのスリット201は、油孔94が設けられた溝部97に連通している。
ボトムピース90の上端面200とボトムバルブストッパ100のバネ受105との間には、隙間が形成され、ボトムピース90の上端面200上には、環状の平板115、環状の皿バネ113がこの順に積層されている。平板115及び皿バネ113は、ボトムバルブストッパ100の小径部103に貫通して設けられている。ここで、スリット201、平板115、皿バネ113によって圧側減衰バルブ110を構成する。
圧側減衰バルブ110は、ピストン120が下端側へ移動する圧側行程において、圧側減衰バルブ110を通過するオイルの流れにより圧側減衰力を発生させる。なお、圧側減衰バルブ110は、圧側減衰力発生機構として機能する。
平板115の外径は、ボトムピース90のスリット201の外周と同径に設定される。すなわち、平板115をスリット201上に設置した状態において、上端側から見ると スリット201は閉じられているように見えるが、スリット201の側部は開口している。そのため、スリット201を介して、段部210と溝部97とが連通した状態となっている。
皿バネ113は、平板115上に設置され、皿バネ113の上端は、例えば、バネ受105の下端面105aに当接している。そして、皿バネ113は、平板115を下端側に押圧している。
なお、平板115及び皿バネ113は、ボトムピース90の上端面200上に固定されることなく、積層して配置されている。さらに、平板115及び皿バネ113は、流路形成部材80の軸方向に移動可能にボトムバルブストッパ100の小径部103に貫通している。そのため、伸側工程の際には、平板115及び皿バネ113は、油孔94を上端側に向かうオイルの流れによって押し上げられ、ボトムピース90の上端面96から上端側に離れる。
(油圧緩衝器11の作用)
次に、第2の実施の形態の油圧緩衝器11の作用について説明する。なお、第1の実施の形態の油圧緩衝器10の作用と同じ作用についての説明は省略する。
(圧側行程)
まず、圧側行程における作用について説明する。
図10は、圧側行程における、第2の実施の形態の油圧緩衝器11の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。なお、図10には、オイルの流れを矢印で示している。また、図10には、ピストン120の移動する方向を白抜きの矢印で示している。
圧側行程においては、ピストン120がピストンロッド40とともに、インナチューブ22内を下端側に移動する。その際、ピストン側油室28a内のオイルがピストン120によって圧縮されてその圧力が高くなる。
この際の伸側減衰バルブ170の作用は、第1の実施の形態における作用と同じである。すなわち、ピストン側油室28a内のオイルの一部は、油孔123及び溝部124を通り、ロッド側油室28bへ流出する。
一方、ピストン側油室28a内のオイルの他の一部は、図10に示すように、下端側へ流れる。そして、油孔101に流入したオイルは、第1の実施の形態において説明したとおり、ボトムピース90の内部98へ流れる。
また、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間に流入したオイルは、圧側減衰バルブ110を通過して油孔94を通りボトムピース90の内部98へ流れる。オイルが圧側減衰バルブ110を通過する際、圧側減衰力が発生する。
ここで、オイルが圧側減衰バルブ110を通過する際、平板115によって覆われていないスリット201の側部の開口からオイルがスリット201内に流入する。この際に、圧側減衰力が発生する。
ボトムピース90の内部98へ流入したオイルの流れは、第1の実施の形態において説明したとおりである。
さらに、ピストン120が下端側に移動し、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前には、第1の実施の形態で説明したとおり、オイルロック弁140の弁体部141の下端面141bがボトムバルブストッパ100の油孔101の段部102に当接し、ボトムバルブストッパ100の油孔101を通過するオイルの流れを制限する。
油孔101を通過するオイルの流れが完全に遮断されると、下端側へ流れるオイルは、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間にのみに流入する(図5参照)。そして、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間に流入したオイルは、前述したように、平板115によって覆われていないスリット201の側部の開口からスリット201内に流入する。
そして、スリット201内に流入したオイルは、油孔94を通りボトムピース90の内部98へ流れる。ボトムピース90の内部98へ流入したオイルの流れは、第1の実施の形態において説明したとおりである。
このように、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前には、下端側へ流れるオイルの流路が減少し、下端側へのオイルのすべての流れが圧側減衰バルブ110を通過することになる。そのため、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前における減衰力を増加することができる。これによって、最大圧縮ストローク(最圧縮)の直前においても適正な減衰力を発生させることができ、乗り心地の悪化を抑制できる。
(伸側行程)
次に、伸側行程における作用について説明する。
なお、ここでは、伸側行程は、最大圧縮ストローク時(最圧縮時)から伸側行程に入る場合を想定して説明する。
図11は、伸側行程における、第2の実施の形態の油圧緩衝器11の下端側の構成を拡大して示した縦断面図である。なお、図11には、オイルの流れを矢印で示している。また、図11には、ピストン120の移動する方向を白抜きの矢印で示している。
伸側行程においては、ピストン120がピストンロッド40とともに、インナチューブ22内を上端側へ移動する。その際、ロッド側油室28b内のオイルがピストン120によって圧縮されてその圧力が高くなる。
この際の伸側減衰バルブ170の作用は、第1の実施の形態における作用と同じである。すなわち、ロッド側油室28bからピストン側油室28aへ流入するオイルが伸側減衰バルブ170を通過することによって伸側減衰力が発生する。
また、ピストン120が上端側に移動することで、ロッド側油室28b内のオイルは、ピストン側油室28aへ流れる。環状油室27内のオイルは、図11に示すように、油路30、油路92を通り、ボトムピース90の内部98へ流れる。
そして、ボトムピース90の内部98からの一部の流れは、油孔94を上端側に向かって流れる。圧側減衰バルブ110、すなわち、平板115及び皿バネ113は、この上端側に向かうオイルの流れによって押し上げられ、ボトムピース90の上端面200から上端側に離れる。
平板115及び皿バネ113の上端面200からの離脱によって、油路30、油路92、ボトムピース90の内部98、油孔94を介して、環状油室27とピストン側油室28aとが連通した状態となる。そのため、油孔94を上端側に向かうオイルは、インナチューブ22とボトムバルブストッパ100との間を通り、ピストン側油室28aへ流出する。
また、ボトムピース90の内部98からの残りの流れは、第1の実施の形態において説明したとおり、油孔101を上端側に向かって流れ、ピストン側油室28aへ流出する。
さらに、ピストン120が上端側に移動し、最大伸びストローク(最伸長)の直前における状態は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
このように、伸側行程では、オイルが伸側減衰バルブ170を通過することによって伸側減衰力を発生させることができる。さらに、最大圧縮ストローク時(最圧縮時)から伸側行程に入ると、油孔101が開弁され、ピストンロッド40の体積分のオイル量を適正に環状油室27からピストン側油室28aへ流出させることができる。
上記したように第2の実施の形態の油圧緩衝器11によれば、最大圧縮ストロークの直前における減衰力を増加することができる。そのため、最大圧縮ストローク時において適正な減衰力を発生させるとともに、最大圧縮ストローク時以外においても適正な減衰力を発生させることができる。これによって、この油圧緩衝器11を自動二輪車に装着した場合、最大圧縮ストローク時以外に限らず、最大圧縮ストローク時においても、優れた乗り心地を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,11…油圧緩衝器、20…ダンパ部、21…ダンパチューブ、22…インナチューブ、23…ボトムキャップ、24…ロッドガイド、24a…頭部、24b…下端、25…オイルシール、26…ワッシャ、27…環状油室、28a…ピストン側油室、28b…ロッド側油室、29…リバウンドスプリング、30,92…油路、40…ピストンロッド、50…懸架スプリング、51,62,105,122,133…バネ受、52…スプリングガイド、53…平板部、60…車軸側取付部材、61…車体側取付部材、63…バンプラバー、70…荷重調整装置、80…流路形成部材、90…ボトムピース、91…脚部、93,121,131…貫通孔、93a,99,102,210…段部、94,101,112a,123,132,172a…油孔、95,96,105b,125,126,133b,141a,200…上端面、97,124…溝部、98…内部、100…ボトムバルブストッパ、101a…小径油孔、101b…大径油孔、103,122a,212…小径部、104,122b…大径部、105a,113c,122c,133c,141b…下端面、110…圧側減衰バルブ、111,171…板バルブ、112,115,172…平板、113,173…皿バネ、120…ピストン、130…スライダー、140…オイルロック弁、141…弁体部、142…テーパ部、150…カラー、151…ナット、152,153…スプリング、160…開閉部材、170…伸側減衰バルブ、201…スリット、211…圧入部。

Claims (6)

  1. 作動油が封入されたダンパチューブと、
    前記ダンパチューブ内に設けられたインナチューブと、
    前記インナチューブの内周面を摺動可能に設けられたピストンと、
    その下端が前記ピストンに取り付けられると共にその上端が前記ダンパチューブの外部へ向かって延設されたピストンロッドと、
    前記インナチューブ内で前記ピストンに区画されると共に前記ピストンよりも上端側に形成されたロッド側油室と、
    前記インナチューブ内で前記ピストンに区画されると共に前記ピストンよりも下端側に形成されたピストン側油室と、
    前記インナチューブと前記ダンパチューブとの間に設けられた環状油室と、
    前記ピストン側油室と前記環状油室とを連通する複数の流路を形成する流路形成部材と、
    前記ピストン側油室に前記インナチューブ内を前記インナチューブの軸方向に移動可能に設けられると共に複数の前記流路うちの少なくとも一つの流路を開閉する開閉部材と
    を具備することを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 複数の前記流路が、
    中央に形成された一つの内側流路と、
    前記内側流路の周囲に形成された外側流路と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器。
  3. 前記開閉部材の上端に設けられた第1の弾性部材と、
    前記開閉部材と前記流路形成部材との間に設けられた第2の弾性部材と
    を備え、
    前記ピストンが下端側へ移動する圧側行程の際、前記ピストンが前記第1の弾性部材と当接し、前記開閉部材を下端側に移動させて前記内側流路を閉鎖することを特徴とする請求項2記載の油圧緩衝器。
  4. 前記内側流路が、
    上端側が大径部、下端側が小径部で形成された円柱状の流路で構成され、
    前記開閉部材が、
    前記内側流路の前記小径部に進入する先細りの先端部を有する棒状のロック弁を備えることを特徴とする請求項3記載の油圧緩衝器。
  5. 前記外側流路は、前記ピストンが下端側へ移動する圧側行程において、圧側減衰力を発生させる圧側減衰力発生機構を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の油圧緩衝器。
  6. 前記ピストンは、前記ピストンが上端側へ移動する伸側行程において、伸側減衰力を発生させる伸側減衰力発生機構を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の油圧緩衝器。
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