JP2017180238A - シロッコファン及び遠心送風機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遠心送風機において、ファンの性能を低下させることなく、騒音の発生を抑制する。
【解決手段】回転軸芯を中心とした周方向に多数のブレード3bが配列されたシロッコファンであって、ブレード高さ方向における上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位して配置されている。
【選択図】図4
【解決手段】回転軸芯を中心とした周方向に多数のブレード3bが配列されたシロッコファンであって、ブレード高さ方向における上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位して配置されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、シロッコファン及び遠心送風機に関するものである。
例えば、特許文献1に開示されているように、空気を圧送するファンとして、回転軸芯を中心とした周方向に多数のブレードが配列されたシロッコファンが知られている。一般的に、車室内の調和空気を供給する車両用空気調和装置は、上述のようなシロッコファンを有する遠心送風機を備えており、この遠心送風機で送風された空気流の温度や湿度を調整する。このような遠心送風機は、シロッコファンを収容するスクロールハウジングを備えている。このようなスクロールハウジングは、シロッコファンを囲う円筒状のスクロール部と、スクロール部の略接線方向に直線状に延出する延出部とを有しており、延出部の先端に空気を外部に吐出する吐出開口が形成されている。
ところで、スクロール部と延出部との境界部では、スクロールハウジング内の流路が狭まる。このため、スクロール部と延出部との境界部には、スクロールハウジングの内部に突出するノーズ部が形成されている。一方で、シロッコファンでは、ブレード端部から径方向に放出される渦流が形成される。従来の遠心送風機では、このようにシロッコファンで形成された渦流がスクロールハウジングのノーズ部に衝突することにより、スクロールハウジングが振動して騒音が発生する。このような騒音を防ぐためには、シロッコファンからノーズ部までの距離(いわゆるノーズギャップ)を広げることが効果的である。しかしながら、シロッコファンからノーズ部までの距離を広げると、シロッコファンの外側から内側への逆流する空気流量が増加し、遠心送風機のファン効率を低下させることになる。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、遠心送風機において、ファンの性能を低下させることなく、騒音の発生を抑制することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、回転軸芯を中心とした周方向に多数のブレードが配列されたシロッコファンであって、上記多数のブレードのうち少なくとも1つは、ブレード高さ方向における上部領域の正圧面に対して、ブレード高さ方向における下部領域の正圧面が上記ブレードの配列ピッチ距離の半分の距離だけ変位して配置されているという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、全ての上記ブレードが、ブレード高さ方向における上部領域の正圧面に対して、ブレード高さ方向における下部領域の正圧面が上記ブレードの配列ピッチ距離の半分の距離だけ変位して配置されているという構成を採用する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記上部領域の正圧面に対して、上記下部領域の正圧面は、シロッコファン回転方向の前側に配置されているという構成を採用する。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記上部領域と上記下部領域とは、断面形状が同一に設定されているという構成を採用する。
第5の発明は、上記第1〜第4いずれかの発明において、上記ブレードが、上記上部領域の下端と上記下部領域の上端とに接続され、上記上部領域の下端と上記下部領域の上端との隙間を閉じる接続壁を有するという構成を採用する。
第6の発明は、遠心送風機であって、上記第1〜第5いずれかの発明であるシロッコファンと、上記シロッコファンを収容するスクロールハウジングとを備えるという構成を採用する。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記スクロールハウジングのノーズ部と上記シロッコファンとの間にて上記ブレードの上部領域と下部領域との境界と同一高さに配置されると共に、上記スクロールハウジングのノーズ部と上記シロッコファンとの間の空間を上記回転軸芯に沿う方向にて上下に分割する分割プレートを有するという構成を採用する。
本発明のシロッコファンによれば、ブレード高さ方向における上部領域の正圧面に対して、ブレード高さ方向における下部領域の正圧面がブレードの配列ピッチ距離の半分の距離だけ周方向に変位して配置されたブレードを備えている。ノーズ部に空気流が衝突することにより発生するスクロールハウジングの振動周期は、シロッコファンのブレードの配列ピッチに依存する。このため、本発明のシロッコファンを用いることにより、ブレードの上部領域により形成された空気流によるスクロールハウジングの振動周期と、ブレードの下部領域により形成された空気流によるスクロールハウジングの振動周期とが、この周期の半ピッチ分だけずれることになる。この結果、スクロールハウジングからは周期が半ピッチずれた騒音が発せられることになり、これらの騒音同士が干渉することにより騒音の低減を図ることができる。したがって、本発明によれば、ノーズギャップを広げることなく、騒音の低減を図ることができる。よって、本発明によれば、遠心送風機において、ファンの性能を低下させることなく、騒音の発生を抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るシロッコファン及び遠心送風機の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態の車両用遠心送風機1(遠心送風機)の概略構成を示す縦断面図である。本実施形態の車両用遠心送風機1は、車両に搭載される車両用空気調和装置の一部を構成し、内外気切替装置を介して供給される空気をクーラーユニット等に向けて吐出する。このような車両用遠心送風機1は、例えば車両の車室内前方に配置されている。
車両用遠心送風機1は、図1に示すように、内外気切替装置のケースと接続されるスクロールハウジング2と、スクロールハウジング2の内部に収容されるシロッコファン3と、シロッコファン3を回転駆動するモータ4と、スクロールハウジング2の内部に配置される分割プレート5(図2参照)を備えている。
スクロールハウジング2は、上側スクロールハウジング2aと、下側スクロールハウジング2bとに分割形成されており、上側スクロールハウジング2aと下側スクロールハウジング2bとが組み付けられることにより形成される中空部材である。図2は、スクロールハウジング2を含む模式的な斜視図である。この図に示すように、スクロールハウジング2は、シロッコファン3を囲う円筒状のスクロール部2cと、スクロール部2cの略接線方向に直線状に延出する延出部2dとを有している。スクロール部2cは、シロッコファン3の回転軸芯Lと同心状に配置されている。また、シロッコファン3の回転軸芯Lに沿う方向から見てスクロール部2cの中央部には吸入開口2eが形成されている。このような吸入開口2eからスクロールハウジング2の内部に空気が取り込まれる。このスクロール部2cは、図1に示すように、回転軸芯Lに沿う方向において、シロッコファン3よりも下方(図1の下側方向)に膨出するように設けられている。このため、スクロール部2cの内部流路は、シロッコファン3の下方にまで広がって形成されている。
さらに、スクロールハウジング2は、吸入開口2eの縁部に沿って形成される開口縁部2fを有している。この開口縁部2fは、上側スクロールハウジング2aに形成されており、上側スクロールハウジング2aの本体部に対して吸入開口2eの全域を囲うように立設されている。このような開口縁部2fは、根元が上側スクロールハウジング2aの本体部に接続され、シロッコファン3の回転軸芯Lに沿うように上側スクロールハウジング2aの外側に向けて延出されている。また、開口縁部2fの先端部は、シロッコファン3の後述するシュラウド3cの先端部を覆うように、吸入開口2eの径方向内側に向けて湾曲されている。
延出部2dは、図2に示すように、シロッコファン3の回転軸芯Lに沿う方向から見て、スクロール部2cから、スクロール部2cの接線方向に突出するように形成されている。このような延出部2dの内部流路は、スクロール部2cの内部流路に接続されている。また、延出部2dの先端には、スクロール部2cから供給された空気をスクロールハウジング2(すなわち車両用遠心送風機1)の外部に吐出するための吐出開口2gが形成されている。
このような形状のスクロールハウジング2では、延出部2dがスクロール部2cの周方向の一部と接続されている。このため、図2に示すように、延出部2dとスクロール部2cとの接続箇所においては、曲率半径が小さな湾曲部となるノーズ部2hが形成される。このノーズ部2hは、スクロールハウジング2の内部流路に大きく張り出すように形成されている。
シロッコファン3は、図1に示すように、ベース部3aと、複数のブレード3bと、シュラウド3cとを有している。ベース部3aは、ブレード3bを支える部位であり、中央が隆起すると共に内側が中空とされた椀型とされている。このベース部3aの内側には、モータ4の出力軸が固定される。
ブレード3bは、下端がベース部3aに固定されており、シロッコファン3の軸芯に沿う方向から見て、周方向に等間隔で複数配列されている。これらのブレード3bは、モータ4によりベース部3aが回転駆動されると、シロッコファン3の軸芯を中心として回転され、複数のブレード3bで囲まれた領域から径方向外側に向けて空気を掻き出すことにより空気流を形成する。
図3は、複数のブレード3bの下端部近傍を拡大した斜視図である。また、図4は、複数のブレード3bの模式図であり、(a)がシロッコファン3の径方向内側から見た正面図であり、(b)がシロッコファン3の回転軸芯Lに沿う方向から見た平面図である。なお、図4(b)においては、ブレード3bの後述する上側部3b1を実線で示し、ブレード3bの後述する下側部3b2を仮想線で示している。また、図3及び図4においては、説明の便宜上、ブレード3bを4枚のみ示しているが、実際にはさらに多数のブレード3bがシロッコファン3には設置されている。
図3及び図4に示すように、各々のブレード3bは、上側部3b1(上部領域)と、下側部3b2(下部領域)と、接続壁3b3とを有している。上側部3b1及び下側部3b2は、ブレード3bの高さ方向(回転軸芯Lに沿う方向)に配列されている。つまり、上側部3b1が下側部3b2の上方に配置されている。これらの上側部3b1と下側部3b2とは、断面形状が同一の翼形状に設定されており、シロッコファン3の回転方向の上流側に向けて正圧面(窪んだ面)が向けられるように配置されている。なお、シロッコファン3の回転方向は、吸入開口2e側から見て、時計回りとされている。
また、図4に示すように、本実施形態の車両用遠心送風機1の各々のブレード3bにおいて、上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけシロッコファン3の周方向に変位して配置されている。なお、本実施形態の車両用遠心送風機1の全てのブレード3bにおいて、上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がシロッコファン3の回転方向の前側に配置されている。
接続壁3b3は、上側部3b1の下端と下側部3b2の上端とに接続され、上側部3b1の下端と下側部3b2の上端との隙間を閉じている。このような接続壁3b3は、同一のブレード3bを構成する上側部3b1と下側部3b2との隙間から空気が漏れて隣のブレード3b間に流れ込むことを防止する。
シュラウド3cは、全てのブレード3bの上端(吸入開口2e側の端部)に接続される環状の部位である。シュラウド3cは、図1に示すように、スクロールハウジング2の開口縁部2fと僅かな隙間を空けた状態で近接配置されている。このようなシュラウド3cは、スクロールハウジング2の開口縁部2fと共にシュラウド3cとスクロールハウジング2の開口縁部2fとの間の隙間を介してスクロールハウジング2の内部の空気がスクロールハウジング2の外部に漏出することを防止する。
モータ4は、シロッコファン3を回転駆動するための動力を生成するものであり、スクロールハウジング2の吸入開口2eと反対側に配置されている。このモータ4は、不図示の制御部に電気的に接続されており、制御部の制御の下、所定の回転数にてシロッコファン3を回転駆動させる。
また、分割プレート5は、図2に示すように、スクロールハウジング2のノーズ部2hとシロッコファン3との間に配置されている。この分割プレート5は、表裏面がシロッコファン3の回転軸芯Lと直交するように姿勢設定された板部材であり、スクロールハウジング2のノーズ部2hとシロッコファン3との間の空間を回転軸芯Lに沿う方向にて上下に分割している。このような分割プレート5は、図2に示すように、ブレード3bの上側部3b1と下側部3b2との境界と同一高さ(すなわち接続壁3b3と同一高さ)に配置され、スクロールハウジング2のノーズ部2hに固定されかつシロッコファン3に対しては非接触とされている。
このような分割プレート5は、シロッコファン3が回転駆動されたときに複数のブレード3bの上側部3b1によって形成される圧力波と、複数のブレード3bの下側部3b2によって形成される圧力波とがノーズ部2hに到達する前に混ざり合うことを防止する。すなわち、このような分割プレート5によって、シロッコファン3が回転駆動されたときに複数のブレード3bの上側部3b1から発生する圧力波と、複数のブレード3bの下側部3b2から発生する圧力波とが混ざり合うことなくノーズ部2hに到達する。
このような構成の本実施形態の車両用遠心送風機1では、モータ4によってシロッコファン3が回転駆動されると、スクロールハウジング2の開口縁部2fからスクロールハウジング2の内部に空気が取り込まれる。スクロールハウジング2の内部に取り込まれた空気は、シロッコファン3のブレード3bに囲まれた領域に供給され、ブレード3bによってシロッコファン3の径方向外側の領域に圧送される。シロッコファン3の径方向外側に圧送された空気は、スクロールハウジング2の内部流路を案内されて吐出開口2gから車両用遠心送風機1の外部に吐出される。
ここで、本実施形態の車両用遠心送風機1では、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位して配置されたブレード3bを備えている。ノーズ部2hに空気流(圧力波)が衝突することにより発生するスクロールハウジング2の振動周期は、シロッコファン3のブレード3bの配列ピッチに依存する。このため、本実施形態におけるシロッコファン3を用いることにより、ブレード3bの上側部3b1により形成された空気流(圧力波)によるスクロールハウジング2の振動周期と、ブレード3bの下側部3b2により形成された空気流によるスクロールハウジング2の振動周期とが、この周期の半ピッチ分だけずれることになる。この結果、スクロールハウジング2からは周期が半ピッチずれた音が発せられることになり、これらの騒音同士が干渉することにより騒音の低減を図ることができる。したがって、本実施形態の車両用遠心送風機1によれば、ノーズギャップを広げることなく、騒音の低減を図ることができ、ファンの性能を低下させることなく、騒音の発生を抑制することができる。
なお、ブレード3bが回転駆動されることにより発生する圧力波の周期は、シロッコファン3の回転数に依存して変化する。このため、スクロールハウジング2の振動周期もシロッコファン3の回転数に依存して変化する。しかしながら、本実施形態の車両用遠心送風機1では、ブレード3bの上側部3b1の正圧面と、下側部3b2の正圧面とがブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ変位している。このため、シロッコファン3の回転数が変化した場合であっても、常に、ブレード3bの上側部3b1により形成された空気流(圧力波)によるスクロールハウジング2の振動周期と、ブレード3bの下側部3b2により形成された空気流によるスクロールハウジング2の振動周期とが、半ピッチずれる。したがって、本実施形態の車両用遠心送風機1によれば、複雑な制御を行うことなく、シロッコファン3の回転数に関わらず騒音を低減することが可能となる。
また、本実施形態の車両用遠心送風機1においては、全てのブレード3bにおいて、ブレード3bの上側部3b1の正圧面と、下側部3b2の正圧面とがブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ変位している。このため、シロッコファン3の回転角度に関わらず、常に、ブレード3bの上側部3b1により形成された空気流(圧力波)によるスクロールハウジング2の振動周期と、ブレード3bの下側部3b2により形成された空気流によるスクロールハウジング2の振動周期とを、半ピッチずらすことができる。
また、本実施形態の車両用遠心送風機1においては、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面は、シロッコファン3の回転方向の前側に配置されている。このため、下側部3b2によって形成された空気流が遅れて上側部3b1により圧送されることになり、シロッコファン3から径方向に吐き出される空気流の上方に向かう成分を僅かに強めることができる。この結果、通常であれば、シロッコファン3の下方に溜りやすい空気を上方に案内してスクロールハウジング2の内部流路を効率的に使用することが可能となる。
また、本実施形態の車両用遠心送風機1においては、ブレード3bの上側部3b1と下側部3b2とは、断面形状が同一の翼形状に設定されている。このため、ブレード3bの上側部3b1から発生する圧力波の波形と、ブレード3bの下側部3b2から発生する圧力波の波形とをより近づけることができ、より騒音の低減効果を図ることが可能となる。
また、本実施形態の車両用遠心送風機1においては、上側部3b1の下端と下側部3b2の上端とに接続され、上側部3b1の下端と下側部3b2の上端との隙間を閉じる接続壁3b3を各々のブレード3bが有している。このため、同一のブレード3bを構成する上側部3b1と下側部3b2との隙間から空気が漏れて隣のブレード3b間に流れ込むことを接続壁3b3により防止することができ、ファン効率を高めることが可能となる。
また、本実施形態の車両用遠心送風機1においては、スクロールハウジング2のノーズ部2hとシロッコファン3との間にてブレード3bの上側部3b1と下側部3b2との境界と同一高さに配置されると共に、スクロールハウジング2のノーズ部2hとシロッコファン3との間の空間を回転軸芯Lに沿う方向にて上下に分割する分割プレート5を有する。このため、シロッコファン3が回転駆動されたときに複数のブレード3bの上側部3b1から発生する圧力波と、複数のブレード3bの下側部3b2から発生する圧力波とが混ざり合うことなくノーズ部2hに到達する。したがって、スクロールハウジング2が、干渉することにより打ち消し合う音を確実に発生させる。よって、より確実に騒音を低減させることができる。
続いて、本実施形態の車両用遠心送風機1による騒音の低減効果について、図5及び図6のグラフを参照して説明する。図5(a)は、ブレードが上端から下端まで同一の位置に正圧面が配置された従来のシロッコファンを備える遠心送風機の騒音レベルを示すグラフである。また、図5(b)は、本実施形態の車両用遠心送風機1に対して分割プレート5を備えていない構成を有する車両用遠心送風機の騒音レベルを示すグラフである。また、図6(a)は、本実施形態の車両用遠心送風機1の騒音レベルを示すグラフである。また、図6(b)は、図5(a)、図5(b)及び図6(a)のグラフを重ね合わせて示すグラフである。なお、図5及び図6において、横軸は騒音の周波数を示し、縦軸は音圧レベルを示している。さらに、図5及び図6の音圧グラフにおいて、縦軸縮尺レベルは全て同一に設定されている。
図5(a)に示すように、従来のシロッコファンを備える遠心送風機では、2000Hz近傍に大きな騒音ピークが確認できる。一方で、図5(b)に示すように、分割プレート5を備えない遠心送風機では、2000Hz近傍の騒音ピークが低減している。これは、図6からも明らかである。したがって、分割プレート5を備えなくとも、本実施形態の車両用遠心送風機1のように、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位して配置することにより、騒音を低減できることが分かった。また、図6(a)に示すように、分割プレート5を備える本実施形態の車両用遠心送風機1によれば、2000Hz近傍の騒音ピークが極めて低減できることが分かった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、全てのブレード3bにおいて、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位して配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともいずれか1つのブレード3bにおいて、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位されていれば良い。全てのブレード3bにおいて、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面がブレード3bの配列ピッチ距離d1の半分の距離d2だけ周方向に変位して配置されていることが望ましいが、少なくとも1つのブレード3bが同様の形状であれば、少なからず効果が得られる。
また、上記実施形態においては、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面が、シロッコファン3の回転方向の前側に配置されている構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ブレード3bの上側部3b1の正圧面に対して、下側部3b2の正圧面が、シロッコファン3の回転方向の後側に配置されていても良い。
1……車両用遠心送風機(遠心送風機)、2……スクロールハウジング、2c……スクロール部、2d……延出部、2g……吐出開口、2h……ノーズ部、3……シロッコファン、3b……ブレード、3b1……上側部(上部領域)、3b2……下側部(下部領域)、3b3……接続壁、5……分割プレート、L……回転軸芯
Claims (7)
- 回転軸芯を中心とした周方向に多数のブレードが配列されたシロッコファンであって、
前記多数のブレードのうち少なくとも1つは、ブレード高さ方向における上部領域の正圧面に対して、ブレード高さ方向における下部領域の正圧面が前記ブレードの配列ピッチ距離の半分の距離だけ前記周方向に変位して配置されていることを特徴とするシロッコファン。 - 全ての前記ブレードが、ブレード高さ方向における上部領域の正圧面に対して、ブレード高さ方向における下部領域の正圧面が前記ブレードの配列ピッチ距離の半分の距離だけ変位して配置されていることを特徴とする請求項1記載のシロッコファン。
- 前記上部領域の正圧面に対して、前記下部領域の正圧面は、シロッコファン回転方向の前側に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のシロッコファン。
- 前記上部領域と前記下部領域とは、断面形状が同一に設定されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のシロッコファン。
- 前記ブレードは、前記上部領域の下端と前記下部領域の上端とに接続され、前記上部領域の下端と前記下部領域の上端との隙間を閉じる接続壁を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のシロッコファン。
- 請求項1〜5いずれか一項に記載のシロッコファンと、
前記シロッコファンを収容するスクロールハウジングと
を備えることを特徴とする遠心送風機。 - 前記スクロールハウジングのノーズ部と前記シロッコファンとの間にて前記ブレードの上部領域と下部領域との境界と同一高さに配置されると共に、前記スクロールハウジングのノーズ部と前記シロッコファンとの間の空間を前記回転軸芯に沿う方向にて上下に分割する分割プレートを有することを特徴とする請求項6記載の遠心送風機。
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