JP2017180017A - 建具用面材及び建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルに損傷を来すことなく電気錠の取付作業を容易化する。【解決手段】互いに対向する表面材22の間に配設した芯材23と、ケース本体51,61の側面51a,61aが表面材22のそれぞれに対向する姿勢で表面材22の間の戸先となる部分に配設し、ケース本体51,61の前面にデッドボルト54,63を有するとともに、ケース本体51,61の後端部にケーブル71,72が接続される電気錠50,60と、操作部31,41及び取付部32,42を有し、取付部32,42を介して個々の表面材22の外表面において電気錠50,60に対応する部位に取り付けたハンドル30,40とを備えた扉体20であって、ケース本体51,61の側面51a,61aと表面材22との間にスペーサ80を備えるとともに、ケース本体51,61の周囲となる部分にケーブル71,72を収容するためのケーブル収容空間20Bを有している。【選択図】図4

Description

本発明は、ドアパネル等のように、互いに対向する表面材の間に芯材及び電気錠を備えた建具用面材及び建具に関するものである。
玄関ドアに用いられる建具用面材としては、四周枠組みした骨材の内部に芯材を配設し、さらに骨材の表裏両面に表面材を配設したものがある。芯材としては、面材の断熱性を向上させるため、例えば発泡ウレタン等の断熱性を有したものが多く用いられている。
昨今の面材では、戸先となる部分に電気錠が配設されているものも提供されている。電気錠は、施解錠を行うための電動アクチュエータを内蔵したもので、キーやサムターンによる手動操作の他、コントローラからの電気信号によって施解錠を行うことができ、ドアを開閉する際の利便性を向上させることが可能となる。電気錠は、板厚の薄い箱状を成すケース本体の前面にデッドボルトやラッチボルトを有するもので、ケース本体の側面が表面材のそれぞれに対向する姿勢で面材に取り付けられている。電気錠に施解錠の電気信号を与えたり、通電を行うためのケーブルは、面材の内部に配設され、外部から視認できないため、外観品質が損なわれることはない。電気錠の取付作業においては、面材に設けた取付孔からケーブルを引き出した状態でケーブルを電気錠に接続し、その後、ケーブルを取付孔に収容させながら電気錠を取付孔に装着するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−127351号公報
ところで、面材の戸先部分には、電気錠を挟むようにそれぞれの表面材に取付部を介してハンドルが取り付けられる。ここで、上述のように、電気錠と共にケーブルを取付孔に収容させるようにした取付構造においては、面材の内部でケーブルがどこに位置しているのかを正確に把握することが困難である。このため、例えば、面材の取付孔に収容したケーブルがケース本体の側面と面材との間に配置されている状態で、ハンドルの取付部に設けたボス部を挿通させたり、取付ネジを螺合した場合には、ボス部や取付ネジによってケーブルが噛み込まれる等、ケーブルに損傷を来すおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、ケーブルに損傷を来すことなく電気錠の取付作業を容易化することのできる建具用面材及び建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建具用面材は、互いに対向する表面材の間に配設した芯材と、ケース本体の側面が前記表面材のそれぞれに対向する姿勢で前記表面材の間の戸先となる部分に配設し、前記ケース本体の前面に枠体との係合部材を有するとともに、前記ケース本体の後端部にケーブルが接続される電気錠と、操作部及び取付部を有し、前記取付部を介して個々の表面材の外表面において前記電気錠に対応する部位に取り付けたハンドルとを備えた建具用面材であって、前記ケース本体の側面と前記表面材との間にスペーサを備えるとともに、前記ケース本体の周囲となる部分に前記ケーブルを収容するためのケーブル収容空間を有したことを特徴とする。
この発明によれば、ケース本体の側面と表面材との間にスペーサが配設された構造であるため、電気錠と共にケーブルを表面材の間に配設した場合にもケーブルがケース本体の側面と表面材との間に位置されることはなく、ケース本体の後面に押されてケーブル収容空間に配置されることになる。従って、ハンドルの取付部にネジを螺合した場合にもケーブルに損傷を来すおそれはない。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記スペーサは、前記芯材とは個別に構成してあり、前記芯材は、前記電気錠を配設する部分に収容部を有し、前記スペーサは、前記芯材の収容部を埋めるように形成したブロック状を成し、内部に前記電気錠のケース本体を収容するケース収容孔を有したことを特徴とする。
この発明によれば、スペーサが芯材と個別であるため、スペーサにケース収容孔を設ける加工を容易化することができる。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記芯材は、一方の表面にケーブル配置溝を有し、前記電気錠は、前記ケーブル配置溝に配設されたケーブルを介して外部に接続されるものであり、前記ケーブル配置溝と前記ケース収容孔とを互いに連通させたことを特徴とする。
この発明によれば、ケーブル配置溝に配設したケーブルがケース収容孔を介してケース本体の後端部に接続されることになる。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記スペーサのケース収容孔は、前記表面材の一方に対向する部位に設けた連通溝を介して前記スペーサの外表面に開口するものであり、前記ケーブル配置溝は、前記芯材において前記一方の表面材に対向する表面に形成したことを特徴とする。
この発明によれば、連通溝を介して芯材のケーブル配置溝とスペーサのケース収容孔とが連通されることになり、芯材のケーブル配置溝を深く形成する必要がない。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記スペーサは、一方の外表面にケーブル配置溝を有し、前記電気錠は、前記ケーブル配置溝に配設されたケーブルを介して外部に接続されるものであり、前記ケーブル配置溝と前記ケース収容孔とを互いに連通させたことを特徴とする。
この発明によれば、ケーブル配置溝に配設したケーブルがケース収容孔を介してケース本体の後端部に接続されることになる。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記スペーサのケース収容孔は、前記表面材の一方に対向する部位に設けた連通溝を介して前記スペーサの外表面に開口するものであり、前記ケーブル配置溝は、前記芯材において前記一方の表面材に対向する表面に形成したことを特徴とする。
この発明によれば、連通溝を介してスペーサのケーブル配置溝とスペーサのケース収容孔とが連通されることになり、スペーサのケーブル配置溝を深く形成する必要がない。
また本発明は、上述した建具用面材において、断熱性を有した部材によって前記芯材を成形し、かつ難燃性を有した部材によって前記スペーサを成形したことを特徴とする。
この発明によれば、表面材に設けられたハンドル取付孔が難燃性材料によって成形したスペーサによって塞がれることになり、例えば火災発生時において表面材のハンドル取付孔が貫通口となる事態を防止することができる。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記ハンドルは、前記操作部の両端部にそれぞれ前記取付部を有したものであり、前記表面材の間には、前記取付部のそれぞれに対応する部位に前記電気錠が個別に配設してあり、前記ケース本体のそれぞれの側面と前記表面材との間に前記スペーサを備えるとともに、前記ケース本体のそれぞれの後面よりも戸尻側となる部位にそれぞれ前記ケーブル収容空間を有したことを特徴とする。
この発明によれば、操作部の両端部に取付部を有したハンドルを備えるものにおいても、ケーブルがケース本体の側面と表面材との間に位置されることはなく、ケース本体の後面に押されてケーブル収容空間に配置されることになる。従って、ハンドルの取付部にネジを螺合した場合にもケーブルに損傷を来すおそれはない。
また本発明は、上述した建具用面材において、前記スペーサは、前記芯材とは個別に構成してあり、前記芯材は、2つの電気錠を配設する部分にわたる収容部を有し、前記スペーサは、前記芯材の収容部を埋めるように形成したブロック状を成し、内部に前記2つの電気錠のケース本体を個別に収容するケース収容孔を有したことを特徴とする。
この発明によれば、2つの電気錠でスペーサを共用しているため、部品点数が増える事態を招来することがない。
また、本発明に係る建具は、上述した面材と、前記面材を開閉可能に支持する枠体とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、ケース本体の側面と面材との間にスペーサが配設された構造であるため、電気錠と共にケーブルを表面材の間に配設した場合にもケーブルがケース本体の側面と面材との間に位置されることはなく、ケース本体の後面に押されてケーブル収容空間に配置されることになる。従って、ハンドルの取付部にネジを螺合した場合にもケーブルに損傷を来すおそれはなく、電気錠の取付作業を容易化することが可能となる。
本発明によれば、ケース本体の側面と面材との間にスペーサが配設された構造であるため、電気錠と共にケーブルを表面材の間に配設した場合にもケーブルがケース本体の側面と面材との間に位置されることはなく、ケース本体の後面に押されてケーブル収容空間に配置されることになる。従って、ハンドルの取付部にネジを螺合した場合にもケーブルに損傷を来すおそれはなく、電気錠の取付作業を容易化することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態である面材を適用した建具の縦断面図である。 図2は、図1に示した建具の横断面図である。 図3は、図1に示した建具に適用する面材を戸先側から見た要部拡大図である。 図4は、図3に示した面材の要部横断面図である。 図5は、図3に示した面材の要部破断側面図である。 図6は、図5に示した面材の分解図である。 図7は、図3に示した面材に適用する芯材、スペーサ及び電気錠を示す分解斜視図である。 図8は、図3に示した面材に適用する芯材及びスペーサを示す分解斜視図である。 図9は、図3に示した面材に適用するスペーサを示すもので、(a)は戸尻側から見下ろした斜視図、(b)は戸先側から見上げた斜視図である。 図10は、図4に示した面材において電気錠を表面材の相互間に挿入する以前の状態を示す要部横断面図である。 図11は、図4に示した面材において電気錠を表面材の相互間に挿入する途中の状態を示す要部横断面図である。 図12は、図1に示した建具の変形例に適用する面材の芯材、スペーサ及び電気錠を示す分解斜視図である。 図13は、図12に示した芯材及びスペーサを示す分解斜視図である。 図14は、図12に示したスペーサを戸尻側から見下ろした斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具用面材及び建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態である面材を適用した建具を示したものである。本実施の形態で例示する建具は、家屋の玄関に用いられるもので、枠体10と、ヒンジ1を介して枠体10に開閉可能に支持させた扉体(面材)20とを備えている。枠体10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14を四周枠組みすることによって構成したものである。扉体20は、四周枠組みした骨材21の表面にそれぞれ表面材22を配設し、さらに表面材22の相互間において骨材21によって囲まれる領域に芯材23を配設することによって構成してある。表面材22は、鋼材等の金属によって成形した薄板状を成すものである。それぞれの表面材22は、周囲に折り曲げ部分を有しており、折り曲げ部分を介して骨材21の見込み方向に沿った面にリベット接合してある。芯材23は、EPS(Expanded Poly−Styrene)等のように断熱性を有した厚板状を成すものである。芯材23の表面には、接着材によって表面材22が接着してある。
ここで、見込み方向とは、図1及び図2中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向のことである。見込み方向に沿った平面については、見込み面と称する場合がある。また、見付け方向とは、枠体10の上枠11や下枠12等のように水平に沿った部材の場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向であり、枠体10の縦枠13,14等のように上下に沿った部材の場合、見込み方向に直交した水平に沿う方向である。見付け方向に沿った平面については、見付け面と称する場合がある。
この扉体20には、戸先となる部分に室内ハンドル30、室外ハンドル40、メイン電気錠50及びサブ電気錠60が配設してある。室内ハンドル30及び室外ハンドル40は、図3及び図4に示すように、それぞれ操作部31,41の両端部に取付部32,42を備えたものである。これら室内ハンドル30及び室外ハンドル40は、互いに取付部32,42の高さ位置がほぼ同じとなり、操作部31,41が上下に沿う状態で取付部32,42を介してそれぞれの表面材22の表面に取り付けてある。室内ハンドル30の2つの取付部32には、サムターン33が設けてあり、室外ハンドル40の2つの取付部42には、キーシリンダ(図示せず)が設けてある。
メイン電気錠50及びサブ電気錠60は、図5〜図7に示すように、それぞれがケース本体51,61と、ボスプレート52,62とを備えたものである。ケース本体51,61は、ほぼ矩形の外形形状を有したもので、側面51a,61aの相互間距離が表面材22の相互間隔よりも小さく構成してある。ボスプレート52,62は、メイン電気錠50及びサブ電気錠60において扉体20の外部に露出する部分であり、両端部がケース本体51,61から突出した状態でケース本体51,61の前面となる部分に設けてある。ボスプレート52,62の両端部においてケース本体51,61よりも突出した部分には、それぞれネジ挿通孔52a,62aが設けてある。メイン電気錠50のボスプレート52には、ラッチボルト(係合部材)53及びデッドボルト(係合部材)54が出没可能に設けてあり、サブ電気錠60のボスプレート62には、デッドボルト(係合部材)63が出没可能に設けてある。図には明示していないが、それぞれの電気錠50,60には、デッドボルト54,63を出没させる電動アクチュエータがケース本体51,61の内部に設けてある。
これらの電気錠50,60は、ケース本体51,61の側面51a,61aがそれぞれ表面材22に対向する姿勢で、骨材21に設けた取付孔21aから表面材22の相互間に挿入し、ボスプレート52,62のネジ挿通孔52a,62aを介して骨材21にネジを螺合することによって扉体20に取り付けてある。表面材22の相互間において電気錠50,60を挿入する部分には、予め芯材23に切欠23aを設けることによって矩形状の収容部20Aが構成してある。収容部20Aの奥行き寸法dは、図5に示すように、メイン電気錠50及びサブ電気錠60を取り付けた場合にも、ケース本体51,61の後面51b,61bと芯材23との間にスペースが確保されるだけの長さに設定してある。
メイン電気錠50は、室内ハンドル30及び室外ハンドル40の上方に位置する取付部32,42の相互間となる位置に配設してあり、ラッチボルト53及びデッドボルト54の出没状態を変更できるように、これらのハンドル30,40に連係してある。サブ電気錠60は、室内ハンドル30及び室外ハンドル40の下方に位置する取付部32,42の相互間となる位置に配設してあり、デッドボルト63の出没状態を変更できるように、これらのハンドル30,40に連係してある。具体的には、室内ハンドル30の操作部31を取付部32に対して移動させた場合、あるいは室外ハンドル40の操作部41を取付部42に対して移動させた場合、メイン電気錠50のラッチボルト53を移動させ、ラッチボルト53の先端がボスプレート52の表面と同じ位置となるまでケース本体51の内部に没入させることができる。サムターン33の施解錠操作、あるいはキーによるキーシリンダ(図示せず)の施解錠操作を行った場合には、メイン電気錠50及びサブ電気錠60のデッドボルト54,63を移動させ、ボスプレート52,62からのデッドボルト54,63の出没状態を切り換えることができる。図6に示すように、表面材22においてハンドル30,40の取付部32,42に対応する部位には、ハンドル30,40のボス部34,44や電気錠50,60との連係部材35,45を挿通するためのハンドル取付孔22aが設けてある。
また、サブ電気錠60の後端部には、外部接続ケーブル71が接続してあり、サブ電気錠60の後端部とメイン電気錠50の後端部との間には、連絡ケーブル72が接続してある。外部接続ケーブル71は、サブ電気錠60に対して外部から電源を供給し、かつ図示せぬコントローラとの間の通信を行うためのものである。この外部接続ケーブル71は、芯材23の室内側に位置する表面に設けたケーブル配置溝23bと表面材22との間に配置してある。ケーブル配置溝23bは、図6及び図7に示すように、芯材23に設けた切欠23aに沿って上方に延在したもので、サブ電気錠60から導出された外部接続ケーブル71を収容部20Aから扉体20の上方に案内している。図には明示していないが、扉体20の上方に案内された外部接続ケーブル71は、さらに戸尻側に向けて案内された後、通電ケースを介して扉体20の上部見込み面から外部に導出してあり、上述した電源やコントローラに接続してある。連絡ケーブル72は、サブ電気錠60とメイン電気錠50との間において電源の供給を行い、かつ通信を行うためのもので、ケーブル配置溝23bを介してサブ電気錠60とメイン電気錠50との間に配置してある。
図5〜図7に示すように、扉体20の収容部20Aには、スペーサ80が配設してある。スペーサ80は、芯材23と同様、断熱性を有した部材によって成形したもので、収容部20Aに嵌合する外形形状のブロック状に構成してある。このスペーサ80には、メイン電気錠50のケース本体51及びサブ電気錠60のケース本体61を配設する位置にそれぞれケース収容孔81,82が設けてある。ケース収容孔81,82は、図6〜図8に示すように、スペーサ80の一方の側面80aから他方の側面80bにわたって貫通した孔である。ケース収容孔81,82の見込み方向に沿った寸法は、電気錠50,60のケース本体51,61を配置した場合に側面51a,61aとの間の隙間がゼロ、もしくは外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72の外径よりも小さくなるように設定してある。ケース収容孔81,82の上下方向に沿った寸法は、ケース本体51,61よりも大きな寸法であれば良い。
このケース収容孔81,82は、連通溝83,84を介してスペーサ80の室内側に位置する外表面80cに開口している。連通溝83,84は、ケース収容孔81,82の上端部から室内側に向けて形成した切欠であり、外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を挿通することのできる幅を有している。図からも明らかなように、芯材23のケーブル配置溝23bは、それぞれの連通溝83,84を介して2つのケース収容孔81,82に連通している。図中の符号85は、ハンドル30,40のボス部34,44や電気錠50,60との連係部材35,45を挿通するための挿通孔である。
上記のように構成した扉体20において、メイン電気錠50及びサブ電気錠60を取り付けるには、図10に示すように、戸先となる見込み面にエッジ材90を取り付けた後に、エッジ材90の取付孔90a及び骨材21の取付孔21aを介して表面材22の相互間に挿入する作業を行う。このとき、外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72は、予めケーブル配置溝23bと表面材22との間に配置してあり、それぞれの端部が連通溝83,84及びケース収容孔81,82を介して扉体20の外部に導出された状態にある。従って、メイン電気錠50及びサブ電気錠60に対して外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を接続する場合には、扉体20の外部で視認しながら行うことができ、煩雑な作業を要しない。
メイン電気錠50及びサブ電気錠60に外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を接続した後においては、エッジ材90の取付孔90a及び骨材21の取付孔21aを介して外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72と共に表面材22の相互間にケース本体51,61を挿入し、ボスプレート52,62のネジ挿通孔52a,62aを介して骨材21にネジを螺合させれば、メイン電気錠50及びサブ電気錠60を扉体20に取り付けることが可能となる。
ここで、電気錠50,60と共に外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を表面材22の相互間に収容させた場合には、表面材22の相互間で外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72がどこに位置しているのかを正確に把握することが困難である。しかしながら、上述の扉体20においては、表面材22とケース本体51,61の側面51a,61aとの間にスペーサ80が介在することになり、しかもスペーサ80とケース本体51,61の側面51a,61aとの間には外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72が配置できる隙間が存在しない。このため、表面材22の相互間に挿入された外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72は、スペーサ80のケース収容孔81,82においてケース本体51,61の後面51b,61bに押されて順次奥方に案内され、ケース収容孔81,82と芯材23との隙間やケース収容孔81,82においてケース本体51,61の周囲となる部分に確保されるケーブル収容空間20Bに収容されることになり、ケース本体51,61の側面51a,61aと表面材22との間に配置されるおそれはない。従って、この状態からハンドル30,40を取り付けた場合にも、ボス部34,44や連係部材35,45、取付ネジ等によって外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72に損傷を来すおそれはなく、電気錠50,60の動作を保証することが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、操作部31,41の両端部に取付部32,42を備えたハンドル30,40を適用しているが、必ずしもこれに限定されず、単一の取付部を介して表面材に取り付けるようにしたハンドルを適用しても良い。なお、2つの取付部32,42を備えたハンドル30,40を適用し、それぞれに電気錠50,60を連係させるようにした扉体20において本実施の形態では、芯材23に共通の収容部20Aを形成し、かつ2つのケース収容孔81,82を有したスペーサ80を適用しているため、部品点数が増える事態を招来しないが、それぞれの電気錠50,60を個別に収容するように別個の収容部及びスペーサを設けるようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、スペーサ80として芯材23と同じ材質からなるものを適用しているため、収容部20Aを形成した場合に生じる切除部分をそのままスペーサとして適用することができ、製造コストの点で有利となるが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、MDF(Medium Density Fiberboard)や難燃性ウレタン等の難燃性材料によってスペーサを成形すれば、火災時等の高温状態となった場合にも、表面材22に形成したハンドル取付孔22aが火炎の貫通口となる事態を有効に防止することができ、防火性の点で有利となる。
さらに、上述した実施の形態では、芯材23の表面にケーブル配置溝23bを設け、サブ電気錠60に対して外部から電源を供給し、かつ図示せぬコントローラとの間の通信を行うための外部接続ケーブル71をケーブル配置溝23bに配置するようにしているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図12〜図14の変形例に示すように、スペーサ80にケーブル配置溝86を設けるようにしても構わない。すなわち、この変形例では、実施の形態で示した芯材23のケーブル配置溝23bを省略し、代わりにスペーサ80の室内側に位置する外表面80cにケーブル配置溝86を形成するようにしている。ケーブル配置溝86は、スペーサ80の上端縁部から芯材23との境界となる部分に沿って下方に延在し、下方のケース収容孔82に設けた連通溝84に連通する部位まで形成してある。ケーブル配置溝86を設ける部材以外の構成については実施の形態と同様であるため、同一の符号を付してそれぞれの説明を省略することとする。
上記のように構成した変形例のスペーサ80を適用する扉体20においても、メイン電気錠50及びサブ電気錠60を取り付けるには、図12に示すように、外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を、予めケーブル配置溝86と表面材(図示せず)との間に配置しておく。この場合、変形例の扉体20においては、芯材23と骨材との間の空間を通して外部接続ケーブル71をスペーサ80のケーブル配置溝86まで案内しておけば良い。外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72の端部が連通溝83,84及びケース収容孔81,82を介して扉体20の外部に導出された状態にあるのは実施の形態と同様である。従って、メイン電気錠50及びサブ電気錠60に対して外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を接続する場合には、扉体20の外部で視認しながら行うことができ、煩雑な作業を要しない。
メイン電気錠50及びサブ電気錠60に外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72を接続した後においては、外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72と共にケース本体51,61をケース収容孔81,82に挿入すれば、メイン電気錠50及びサブ電気錠60を表面材の相互間に配置することができる。この変形例においても、表面材とケース本体51,61の側面51a,61aとの間にスペーサ80が介在することになり、しかもスペーサ80とケース本体51,61の側面51a,61aとの間には外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72が配置できる隙間が存在しない。このため、表面材の相互間に挿入された外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72は、スペーサ80のケース収容孔81,82においてケース本体51,61の後面51b,61bに押されて順次奥方に案内され、ケース収容孔81,82と芯材23との隙間やケース収容孔81,82においてケース本体51,61の周囲となる部分に確保されるケーブル収容空間に収容されることになり、ケース本体51,61の側面51a,61aと表面材との間に配置されるおそれはない。従って、この状態からハンドルを取り付けた場合にも、ボス部や連係部材、取付ネジ等によって外部接続ケーブル71及び連絡ケーブル72に損傷を来すおそれはなく、電気錠50,60の動作を保証することが可能となる。
10 枠体、20 扉体、20A 収容部、20B ケーブル収容空間、22 表面材、23 芯材、23b ケーブル配置溝、30,40 ハンドル、31,41 操作部、32,42 取付部、50,60 電気錠、51,61 ケース本体、51a,61a 側面、51b,61b 後面、53 ラッチボルト、54,63 デッドボルト、71 外部接続ケーブル、72 連絡ケーブル、80 スペーサ、80c 外表面、81,82 ケース収容孔、83,84 連通溝、86 ケーブル配置溝

Claims (10)

  1. 互いに対向する表面材の間に配設した芯材と、
    ケース本体の側面が前記表面材のそれぞれに対向する姿勢で前記表面材の間の戸先となる部分に配設し、前記ケース本体の前面に枠体との係合部材を有するとともに、前記ケース本体の後端部にケーブルが接続される電気錠と、
    操作部及び取付部を有し、前記取付部を介して個々の表面材の外表面において前記電気錠に対応する部位に取り付けたハンドルと
    を備えた建具用面材であって、
    前記ケース本体の側面と前記表面材との間にスペーサを備えるとともに、前記ケース本体の周囲となる部分に前記ケーブルを収容するためのケーブル収容空間を有したことを特徴とする建具用面材。
  2. 前記スペーサは、前記芯材とは個別に構成してあり、
    前記芯材は、前記電気錠を配設する部分に収容部を有し、
    前記スペーサは、前記芯材の収容部を埋めるように形成したブロック状を成し、内部に前記電気錠のケース本体を収容するケース収容孔を有したことを特徴とする請求項1に記載の建具用面材。
  3. 前記芯材は、一方の表面にケーブル配置溝を有し、
    前記電気錠は、前記ケーブル配置溝に配設されたケーブルを介して外部に接続されるものであり、
    前記ケーブル配置溝と前記ケース収容孔とを互いに連通させたことを特徴とする請求項2に記載の建具用面材。
  4. 前記スペーサのケース収容孔は、前記表面材の一方に対向する部位に設けた連通溝を介して前記スペーサの外表面に開口するものであり、
    前記ケーブル配置溝は、前記芯材において前記一方の表面材に対向する表面に形成したことを特徴とする請求項3に記載の建具用面材。
  5. 前記スペーサは、一方の外表面にケーブル配置溝を有し、
    前記電気錠は、前記ケーブル配置溝に配設されたケーブルを介して外部に接続されるものであり、
    前記ケーブル配置溝と前記ケース収容孔とを互いに連通させたことを特徴とする請求項2に記載の建具用面材。
  6. 前記スペーサのケース収容孔は、前記表面材の一方に対向する部位に設けた連通溝を介して前記スペーサの外表面に開口するものであり、
    前記ケーブル配置溝は、前記芯材において前記一方の表面材に対向する表面に形成したことを特徴とする請求項5に記載の建具用面材。
  7. 断熱性を有した部材によって前記芯材を成形し、かつ難燃性を有した部材によって前記スペーサを成形したことを特徴とする請求項1に記載の建具用面材。
  8. 前記ハンドルは、前記操作部の両端部にそれぞれ前記取付部を有したものであり、
    前記表面材の間には、前記取付部のそれぞれに対応する部位に前記電気錠が個別に配設してあり、
    前記ケース本体のそれぞれの側面と前記表面材との間に前記スペーサを備えるとともに、前記ケース本体のそれぞれの後面よりも戸尻側となる部位にそれぞれ前記ケーブル収容空間を有したことを特徴とする請求項1に記載の建具用面材。
  9. 前記スペーサは、前記芯材とは個別に構成してあり、
    前記芯材は、2つの電気錠を配設する部分にわたる収容部を有し、
    前記スペーサは、前記芯材の収容部を埋めるように形成したブロック状を成し、内部に前記2つの電気錠のケース本体を個別に収容するケース収容孔を有したことを特徴とする請求項8に記載の建具用面材。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載した面材と、前記面材を開閉可能に支持する枠体とを備えたことを特徴とする建具。
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