JP2017179198A - 水性顔料インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料の分散安定性、経時安定性に優れ、耐水性のある鮮明な筆跡が得られる水性顔料インキ組成物を提供する。
【解決手段】赤色顔料がピグメントレッド258であることを特徴とする水性顔料インキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料の分散安定性、経時安定性に優れ、耐水性のある鮮明な筆跡が得られる水性顔料インキ組成物に関する。
従来、サインペン、マーキングペン、筆ペン、フェルトペン等に用いられる水性インキには、着色剤として主に水溶性の染料が用いられてきた。特に有彩色である赤色の水性インキは着色剤として染料を用いることにより鮮明な筆跡が得られる。しかし、これらの染料インキの筆跡は、耐光性、耐水性が劣り、特にはがきなどの筆跡が水に濡れ、にじんだり、判読不能になることがあった。そこで、近年、これらの物性に優れた顔料を着色剤として使用する試みが行われ、多種の用途に使用されている。
しかしながら、従来のサインペン、マーキングペン、筆ペン、フェルトペン等に顔料インキを適用する場合は、インキ粘度が十分に低く抑えられないとペン先からインキが出渋ったり、早書きでカスレるなど安定した吐出が得られないため、十分な筆跡濃度を得られる顔料の含有量で低粘度に分散できる顔料が限られるものであった。そのため、特に顔料の有彩色インキ組成物は染料インキに比べ筆跡がやや鮮明性に劣るものであった。
特開2011−093983号公報 特開2010−103998号公報
本発明は、顔料の分散安定性、経時安定性に優れ、耐水性のある鮮明な筆跡が得られる赤色の水性顔料インキ組成物を提供することを目的としている。
本発明は、水と、水溶性有機溶剤と、赤色顔料とから少なくともなる赤色の水性顔料インキ組成物において、前記赤色顔料がピグメントレッド258である水性顔料インキ組成物を第1の要旨とし、前記水性顔料インキ組成物が、25℃において、粘度が1.0mPa・s以上50mPa・s未満であり、pHが6.0以上10.0以下であり、表面張力が25mN/m以上60mN/m以下であり、更にマーキングペン用である前記記載の水性顔料インキ組成物を第2の要旨とするものである。
本発明に使用される赤色顔料であるピグメントレッド258は、耐光性、耐水性が良好で、従来の低粘度顔料インキ組成物に使用されている赤色顔料に比べ発色が良いため、低粘度のインキ組成物としても鮮明な発色が得られる顔料インキ組成物である。
以下詳細に説明する。
水はインキの主溶剤として使用するものであり、イオン交換水や精製水を用いることが好ましく、その使用量はインキ組成物全量に対して20重量%以上65重量%以下が好ましく使用できる。
赤色顔料としてピグメントレッド258が使用できる。ピグメントレッド258はナフトールAS系の鮮明な発色の赤色顔料であり、従来汎用されているナフトールAS系のピグメントレッド17などに比べ分散後の流動性が良いため経時安定性に優れ、低粘度でも十分な濃度と鮮明性を持つ筆跡が得られる。ピグメントレッド258は顔料粉体を従来公知の方法で水分散体とすることもできるし、あらかじめ水分散体として提供されているものを使用することもできる。顔料の使用量はインキ組成物全量に対して2.0重量%以上20重量%以下が好ましく、特に鮮明な筆跡と良好な吐出性のためには5.0重量%以上10重量%以下が特に好ましい。また、分散したインキ組成物中の顔料の平均粒子径は0.1μm以上0.5μm以下が好ましく、特に平均粒子径が0.1μm以上0.3μm以下であると、筆跡に適度な隠蔽力と、良好な発色、鮮明性が得られ、筆跡が色沈みせず最適である。使用できるピグメントレッド258としてWAカラーレッドA−01(ピグメントレッド258水分散体、顔料分8%、平均粒子径0.18μm、大日精化工業(株)製)などが挙げられる。
ピグメントレッド258の発色を妨げない程度に、従来公知の染料や顔料を併用して色調などを調整することができる。使用できる染料としては黄色染料のC.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、C.I.アシッドエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同42、C.I.フードエロー3等、赤色染料としてC.I.フードレッド14等、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同50、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同91、同92、同93、同94、同95、同98、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227その他の染料としてアシッドバイオレット15、同17、同49、アシッドオレンジ56などが挙げられる。
色調調整用に併用できる顔料は発色や分散安定性の面から有機顔料が好ましく、黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー1、同3、同12、同13、同18、同24、同42、同61、同62、同74、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同99、同100、同104、同108、同109、同110、同115、同117、同120、同138、同139、同150、同153、同166、同167、同173、同185等、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同206、同207、同209、同216、同245等、その他の顔料として、C.I.ピグメントオレンジ5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.ピグメントバイオレット19、同23、同31、同33、同36、同38、同50などが挙げられる。これらの色調調整用の顔料の使用量は鮮明な発色を得るためにインキ組成物全量に対して5重量%以下が好ましい。
また、所望の隠蔽性や分散安定性、光輝性をインキや筆跡に加えるために従来公知の白色顔料、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウムなどの体質顔料、白色樹脂球、蛍光染料、蛍光顔料、金属粉顔料、光輝性顔料、樹脂粉体に染料や顔料で着色したいわゆるプラスチックピグメント等も使用できる。
顔料を分散するために公知の水溶性樹脂分散剤や各種界面活性剤などを選択し使用することができる。水溶性樹脂分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸又はそのアルキルエステルや、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のモノマー群より選択して重合した合成高分子や、前記モノマー群より2種以上を選択して共重合した合成高分子を、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の形態で使用するものやアラビアガム、ロジン等の天然樹脂やその誘導体、ヒドロキシセルロースやその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
特にスチレンおよび/またはαメチルスチレンとアクリル酸および/またはメタクリル酸の共重合物の水溶性塩が顔料の分散性に優れるため好ましい。市販品としては星光PMC(株)製のハイロスシリーズや、東亞合成(株)製のARUFONの他にジョンクリル52J、同57J、同60J、同61J、同62(以上、BASFジャパン(株)製)などが挙げられその使用量は顔料分に対して10〜50重量%が好ましい。
また、各種界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩等、具体的には、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などが使用できる。なかでもデモールEP、ホモゲノールL−18、ポイズ520、同530(以上、花王(株)製)などのポリカルボン酸型界面活性剤や、デモールN(花王(株)製)などのナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物型界面活性剤などが好ましく使用できる。ノニオン系界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びその誘導体、糖の高級脂肪酸エステル等、具体的には、グリセリンの脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物などが使用でき、なかでもサーフィノールTG、同104E(以上、日信化学工業(株)製)などのアセチレングリコール型活性剤や、ペグノールO−6(東邦化学工業(株)製)、ノイゲンET(第一工業製薬(株)製)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤や、ノナール210、同212(以上、東邦化学工業(株)製)などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤なども好ましく使用でき、特にエマルゲンA−60、同A−90(以上、花王(株)製)などのポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル型界面活性剤がインキの起泡性が低く、かつ顔料の分散安定性に優れていることと浸透性が低めであるため色沈みしにくい界面活性剤として好適である。これらの界面活性剤は、単独あるいは複数混合して使用できる。また、顔料を分散する水溶性樹脂分散剤と併用することもでき、その使用量は、水性顔料インキ全量に対して1〜20重量%添加することが好ましい。顔料の分散性を好適に保つ点で1重量%以上が好ましく、インキとしての流動性を好適に保つ点で20重量%以下であり、インキ組成物の表面張力が25mN/m以上60mN/m以下になるように界面活性剤の種類と量を適宜調節すると吐出安定性が良好になりマーキングペン用インキとしてさらに好ましい。
更に、インキとしての種々の品質、例えば、低温時でのインキ凍結防止、ペン先でのインキ乾燥防止等の目的で従来公知の有機溶剤を併用することが可能である。有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤やプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独或は混合して使用することができる。その使用量はインキ組成物全量に対して5.0重量%以上50.0重量%以下が使用できる。理由は定かではないが有機溶剤としてグリセリンをインキ組成物全量に対して20.0重量%以上使用すると顔料の分散安定性が向上し、好適である。
着色剤を定着させるためなに各種樹脂を使用することもできる。例えば、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
これらの樹脂は、単独或いは複数混合して使用でき、筆記面への定着性を付与するために添加する場合、その使用量はインキ組成物全量に対し0.1以上10.0重量%以下が好ましく、顔料分散樹脂を定着剤として兼用することもできる。
水性組成物としての適切な流動特性を得るために水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピ化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩を使用することができ、顔料分散樹脂と兼用することもできる。
上記各種樹脂と水溶性高分子化合物、顔料分散剤の量と種類を適宜調整して、顔料インキ組成物の粘度を25℃において1.0mPa・s以上50mPa・s未満に調整するとマーキングペン用インキとして安定した吐出が得られるため、より鮮明な筆跡が得られ好適である。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体、オマジン系などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
水性顔料インキ組成物のpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどの塩基性物質や従来公知の酸性物質を使用することができ、これらの調整剤により水性顔料インキ組成物のpHを6.0以上10.0以下に調整することで顔料の経時分散安定性がさらに向上するため好適である。
さらに、尿素、エチレン尿素、チオ尿素、ソルビトール、ソルビタンなどの湿潤剤や染料溶解助剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤、アスコルビン酸、ハイドロキノンスルホン酸塩などの脱気泡剤といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
水性組成物の製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。動力は電気でも加圧空気でも良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
本発明の水性顔料インキ組成物は、水性筆記具であればどのような筆記具にもインキ組成物として用いることができ、たとえば、中綿またはインキ収容管と樹脂チップまたは金属チップと外装などからなるボールペン、インキ収容管と筆と外装からなる筆ペン、インキ収容間と樹脂ペン先または金属ペン先と外装からなる万年筆などで使用することができ、特にマーキングペンインキとしての使用が好適である。マーキングペンとは繊維束、焼結体又はプラスチックよりなるペン先を有すると共に、外装内にフェルトや繊維束からなる所謂中綿にインキを含浸させてなるインキ貯蔵手段を備え、このようなインキ貯蔵手段からペン先に毛細管現象を利用してインキを供給し、筆記を可能とする中綿式構造と、筒状のインキ収容管または外装内にインキをそのまま、直接に貯蔵し、このインキを各種方法でペン先に供給するようにした直液式構造を持つフェルトペンやサインペンなどと称される筆記具である。
特にインキ組成物の粘度を25℃において1.0mPa・s以上50mPa・s未満とし、pHが6.0以上10.0以下でありかつ表面張力が25mN/m以上60mN/m以下に調整したインキはアクリル繊維収束体からなるペン先を有し、軸体内部にポリエステル繊維からなるインキ吸蔵体を有する水性マーキングペンやペン先にプラスチック体にインキ流路を有し、軸体内部にポリエステルやアクリル繊維からなるインキ吸蔵体を有する水性マーキングペンに使用すると経時安定性や吐出の安定性から特に好適である。
以下に、実施例および比較例を示すが、本発明を何ら制限するものではない。
実施例1
イオン交換水 12.0重量部
グリセリン 12.7重量部
サンアイパックP−100(防腐剤、三愛石油(株)製) 0.3重量部
WAカラーレッドA−01(ピグメントレッド258水分散体、顔料分8%、
グリセリン18%、大日精化工業(株)製) 75.0重量部
上記配合にて室温でプロペラ攪拌機で3時間攪拌して粘度4.2mPa・sでpH8.3、表面張力40.0mN/mの赤色の顔料インキ組成物を得た。
実施例2
イオン交換水 18.7重量部
エチレングリコール 10.0重量部
サンアイパックP−100(同上) 0.3重量部
WAカラーレッドA−01(同上) 70.0重量部
エマルゲンA−60(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、花王(株)製
) 1.0重量部
上記配合にて室温でプロペラ攪拌機で3時間攪拌して粘度3.4mPa・sでpH9.3、表面張力36.0mN/mの赤色の顔料インキ組成物を得た。
比較例1
イオン交換水 69.3重量部
エチレングリコール 20.0重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)社製) 0.2重量部
ノイゲンP(界面活性剤、第一工業製薬(株)社製) 1.0重量部
トリエタノールアミン(pH調整剤) 2.0重量部
WaterPink2(赤色染料、オリエント化学工業(株)社製)5.0重量部
WaterYellow6(黄色染料、オリエント化学工業(株)製))
2.5重量部
上記配合にて室温でプロペラ攪拌機で3時間攪拌して粘度2.5mPa・sでpH9.4、表面張力38.0mN/mの赤色の染料インキ組成物を得た。
比較例2
イオン交換水 53.7重量部
エチレングリコール 20.0重量部
サンアイパックP−100(同上) 0.3重量部
ファーストスカーレットR−WA(ピグメントレッド17水分散体、顔料分25%、
住化カラー(株)製) 25.0重量部
水酸化ナトリウム25%水溶液(pH調整剤) 1.0重量部
上記配合にて室温でプロペラ攪拌機で3時間攪拌して粘度4.5mPa・sでpH8.5、表面張力55.0mN/mの赤色の顔料インキ組成物を得た。
上記実施例1〜2および比較例1〜2で得た筆記具用赤色水性インキ組成物を、アクリル繊維収束体からなるペン先を有し、軸体内部にポリエステル繊維からなるインキ吸蔵体を有する水性マーキングペンである、ぺんてる株式会社製サインペン(製品符号S520)に2.4g充填して試験用筆記具を得た。
筆記試験、経時分散安定性試験、筆跡耐水性試験を行い測定した結果を表1に示す。
筆記試験
上質紙(JIS P 3201準拠)に手書きで連続した丸を筆記し、目視で観察した。
経時分散安定性試験
上記水性マーキングペンサンプルを、キャップをした状態でそれぞれ上向、下向で50℃3ヶ月静置し、室温に3時間放置後上質紙(JIS P 3201準拠)に手書きで連続した丸を筆記し、上向サンプルと下向サンプルの筆跡の色を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:上向保管サンプルと下向保管サンプルの筆記線の色調に差がない
△:上向保管サンプルと下向保管サンプルの筆記線の色調にわずかな差がある
×:上向保管サンプルと下向保管サンプルの筆記線の色調に明らかな差がある
筆跡耐水性試験
筆記試験で筆記した上質紙を蒸留水に24時間浸漬した後風乾し、筆記線を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:筆跡のにじみや色調の変化がない
○:わずかに筆跡のにじみや色調の変化があるが問題のない程度
△:明らかな筆跡のにじみや色調の変化がある
×:筆記線が認識できない
Figure 2017179198
以上のように赤色顔料としてピグメントレッド258を使用した実施例1〜2の顔料インキ組成物は顔料の分散安定性に優れ、耐水性のある鮮明な筆跡が得られるものである。
比較例1の赤色染料インキは筆記線は鮮明であるが筆記線の耐水性が非常に劣るものである。また、比較例2の赤色顔料インキは耐水性は良好であるが筆跡の鮮明さに欠け、ややくすんだ色調の筆記線となるものであった。

Claims (2)

  1. 水と、水溶性有機溶剤と、赤色顔料とから少なくともなる赤色の水性顔料インキ組成物において、前記赤色顔料がピグメントレッド258である水性顔料インキ組成物。
  2. 前記水性顔料インキ組成物が、25℃において、粘度が1.0mPa・s以上50mPa・s未満であり、pHが6.0以上10.0以下であり、表面張力が25mN/m以上60mN/m以下であり、更にマーキングペン用である請求項1に記載の水性顔料インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023104218A (ja) * 2022-01-17 2023-07-28 三菱鉛筆株式会社 筆記具用水性インク組成物、この水性インク組成物を搭載した筆記具

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