JP2017178640A - 硫化水素分解装置、硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽光エネルギーを効率的に利用することにより、単位時間当たりの硫黄及び水素の生成量(即ち、硫化水素の分解量)を増大させる方法及び装置の提供。【解決手段】硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を酸化電極と接触させることにより、前記酸化体を生成する酸化体生成工程と、水を還元電極と接触させることにより、水素を生成する水素生成工程と、前記酸化体生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス液を、前記酸化体生成工程を実施した箇所と異なる箇所に移動させた上、前記異なる箇所にて前記レドックス液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程とを含み、前記酸化体生成工程及び前記水素生成工程を、太陽光の照射により進行させる硫化水素から硫黄と水素を生成する方法。前記方法が実施可能な装置。【選択図】図1
Description
本発明は、硫化水素分解装置、硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法に関する。
従来から、硫化水素を分解して硫黄と水素を生成する技術は存在する(特許文献1や2)。特に、最近、光エネルギーを用い、硫化水素を分解して硫黄と水素を生成する技術が提案されている。例えば、非特許文献1は、図5に示すように、レドックス溶液に浸された酸化電極(n型半導体)に光を照射することにより、(1)レドックス溶液中の還元成分が酸化されて酸化成分が生成し、(2)当該酸化成分が、レドックス溶液中に吹き込まれた硫化水素を還元して硫黄を生成し、(3)光照射により酸化電極で発生した電子が還元電極側に移動し、水が還元されて水素が生成する、という技術である。
本発明は、従来技術と比較し、太陽光エネルギーを効率的に利用することにより、単位時間当たりの硫黄及び水素の生成量(即ち、硫化水素の分解量)を増大させることを課題とする。
本発明者らは、従来技術(例えば、非特許文献1)によると、反応の進行に伴い系内に硫黄が蓄積し、その結果、太陽光エネルギー(特に可視光領域のエネルギー)が酸化電極まで十分に到達しないことに着目し、本発明を完成させた。
[1]硫化水素から硫黄及び水素を生成し得る硫化水素分解装置において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を収納可能なレドックス液収納空間と;前記レドックス液収納空間内に配された酸化電極と;を有する酸化体生成部と、
水を収納可能な水収納空間と;前記水収納空間内に配された、前記酸化電極と電気的に接続された還元電極と;を有する水素生成部と、
液体を収納可能な液体収納空間と;前記液体収納空間内に硫化水素を導入するための硫化水素導入部と;を有する硫黄生成部と、
前記酸化体生成部で生成された前記酸化体を含有するレドックス液を、前記硫黄生成部の前記液体収納空間に導入するためのレドックス液導入部と
を有し、太陽光の照射を契機として、前記酸化電極が前記還元体を前記酸化体に酸化し得るよう機能する一方、前記還元電極が水を水素に還元し得るよう機能し;更に、前記硫黄生成部の前記液体収納空間内に導入された、前記レドックス液中の前記酸化体と硫化水素との反応により、硫黄が生成可能であることを特徴とする硫化水素分解装置。
[2]前記酸化体生成部から前記硫黄生成部に導入された前記レドックス液を、前記酸化体生成部に還流させるためのレドックス液還流部を更に有する、前記[1]の硫化水素分解装置。
[3]前記酸化電極又は前記還元電極が光電極である、前記[1]又は[2]の硫化水素分解装置。
[4]前記酸化電極と前記還元電極との間に、前記酸化電極と前記還元電極と電気的に接続された太陽電池を更に有する、前記[1]又は[2]の硫化水素分解装置。
[5]前記酸化体生成部の前記レドックス液収納空間が、前記酸化電極が全て又は部分的に浸る程度まで、前記レドックス液として無色透明なレドックス液を含有する、前記[1]〜[4]の硫化水素分解装置。
[6]前記無色透明なレドックス液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[5]の硫化水素分解装置。
[7]硫化水素から硫黄及び水素を生成し得る硫化水素分解装置において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分と水とを含有するレドックス水溶液を収納可能なレドックス水溶液収納空間と;前記レドックス水溶液収納空間内に配された光触媒と;を有する酸化体・水素生成部と、
液体を収納可能な液体収納空間と;前記液体収納空間内に硫化水素を導入するための硫化水素導入部と;を有する硫黄生成部と、
前記酸化体・水素生成部で生成された前記酸化体を含有するレドックス水溶液を、前記硫黄生成部の前記液体収納空間に導入するためのレドックス水溶液導入部と
を有し、太陽光の照射を契機として、前記光触媒が前記還元体を前記酸化体に酸化し得ると共に水を水素に還元し得るよう機能し;更に、前記硫黄生成部の前記液体収納空間内に導入された、前記レドックス液中の前記酸化体と硫化水素との反応により、硫黄が生成可能であることを特徴とする硫化水素分解装置。
[8]前記酸化体・水素生成部から前記硫黄生成部に導入された前記レドックス水溶液を、前記酸化体・水素生成部に還流させるためのレドックス水溶液還流部を更に有する、前記[7]の硫化水素分解装置。
[9]前記酸化体・水素生成部の前記レドックス水溶液収納空間が、前記光触媒が全て又は部分的に浸る程度まで、前記レドックス水溶液として無色透明なレドックス水溶液を含有する、前記[7]又は[8]の硫化水素分解装置。
[10]前記無色透明なレドックス水溶液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[9]の硫化水素分解装置。
[11]硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を酸化電極と接触させることにより、前記酸化体を生成する酸化体生成工程と、
水を還元電極と接触させることにより、水素を生成する水素生成工程と、
前記酸化体生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス液を、前記酸化体生成工程を実施した箇所と異なる箇所に移動させた上、前記異なる箇所にて前記レドックス液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程と
を含み、
前記酸化体生成工程及び前記水素生成工程を、太陽光の照射により進行させることを特徴とする方法。
[12]前記硫黄生成工程において使用された前記レドックス液を、前記異なる箇所から前記酸化体生成工程を実施した箇所に戻す工程を更に含む、前記[11]の方法。
[13]前記酸化体生成工程において使用する前記酸化電極が、前記レドックス液に全て又は部分的に浸っている光電極であるか、又は、前記水素生成工程において使用する前記還元電極が、水に全て又は部分的に浸っている光電極である、前記[11]又は[12]の方法。
[14]前記酸化体生成工程において使用する前記酸化電極及び前記水素生成工程において使用する前記還元電極が、太陽電池と接続している、前記[11]又は[12]の方法。
[15]前記レドックス液が無色透明である、前記[11]〜[14]の方法。
[16]前記無色透明なレドックス液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[15]の方法。
[17]硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス水溶液内に全て又は部分的に浸された光触媒に太陽光を照射することにより、前記酸化体及び水素を生成する酸化体・水素生成工程と、
前記酸化体・水素生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス水溶液を、前記酸化体・水素発生工程を実施した箇所と異なる箇所に移動した上、前記異なる箇所にて前記レドックス水溶液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程と
を含むことを特徴とする方法。
[18]前記硫黄生成工程において使用された前記レドックス水溶液を、前記異なる箇所から前記酸化体・水素生成工程を実施した箇所に戻す工程を更に含む、前記[17]の方法。
[19]前記レドックス水溶液が無色透明である、前記[17]又は[18]の方法。
[20]前記無色透明なレドックス水溶液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[19]の方法。
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を収納可能なレドックス液収納空間と;前記レドックス液収納空間内に配された酸化電極と;を有する酸化体生成部と、
水を収納可能な水収納空間と;前記水収納空間内に配された、前記酸化電極と電気的に接続された還元電極と;を有する水素生成部と、
液体を収納可能な液体収納空間と;前記液体収納空間内に硫化水素を導入するための硫化水素導入部と;を有する硫黄生成部と、
前記酸化体生成部で生成された前記酸化体を含有するレドックス液を、前記硫黄生成部の前記液体収納空間に導入するためのレドックス液導入部と
を有し、太陽光の照射を契機として、前記酸化電極が前記還元体を前記酸化体に酸化し得るよう機能する一方、前記還元電極が水を水素に還元し得るよう機能し;更に、前記硫黄生成部の前記液体収納空間内に導入された、前記レドックス液中の前記酸化体と硫化水素との反応により、硫黄が生成可能であることを特徴とする硫化水素分解装置。
[2]前記酸化体生成部から前記硫黄生成部に導入された前記レドックス液を、前記酸化体生成部に還流させるためのレドックス液還流部を更に有する、前記[1]の硫化水素分解装置。
[3]前記酸化電極又は前記還元電極が光電極である、前記[1]又は[2]の硫化水素分解装置。
[4]前記酸化電極と前記還元電極との間に、前記酸化電極と前記還元電極と電気的に接続された太陽電池を更に有する、前記[1]又は[2]の硫化水素分解装置。
[5]前記酸化体生成部の前記レドックス液収納空間が、前記酸化電極が全て又は部分的に浸る程度まで、前記レドックス液として無色透明なレドックス液を含有する、前記[1]〜[4]の硫化水素分解装置。
[6]前記無色透明なレドックス液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[5]の硫化水素分解装置。
[7]硫化水素から硫黄及び水素を生成し得る硫化水素分解装置において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分と水とを含有するレドックス水溶液を収納可能なレドックス水溶液収納空間と;前記レドックス水溶液収納空間内に配された光触媒と;を有する酸化体・水素生成部と、
液体を収納可能な液体収納空間と;前記液体収納空間内に硫化水素を導入するための硫化水素導入部と;を有する硫黄生成部と、
前記酸化体・水素生成部で生成された前記酸化体を含有するレドックス水溶液を、前記硫黄生成部の前記液体収納空間に導入するためのレドックス水溶液導入部と
を有し、太陽光の照射を契機として、前記光触媒が前記還元体を前記酸化体に酸化し得ると共に水を水素に還元し得るよう機能し;更に、前記硫黄生成部の前記液体収納空間内に導入された、前記レドックス液中の前記酸化体と硫化水素との反応により、硫黄が生成可能であることを特徴とする硫化水素分解装置。
[8]前記酸化体・水素生成部から前記硫黄生成部に導入された前記レドックス水溶液を、前記酸化体・水素生成部に還流させるためのレドックス水溶液還流部を更に有する、前記[7]の硫化水素分解装置。
[9]前記酸化体・水素生成部の前記レドックス水溶液収納空間が、前記光触媒が全て又は部分的に浸る程度まで、前記レドックス水溶液として無色透明なレドックス水溶液を含有する、前記[7]又は[8]の硫化水素分解装置。
[10]前記無色透明なレドックス水溶液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[9]の硫化水素分解装置。
[11]硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を酸化電極と接触させることにより、前記酸化体を生成する酸化体生成工程と、
水を還元電極と接触させることにより、水素を生成する水素生成工程と、
前記酸化体生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス液を、前記酸化体生成工程を実施した箇所と異なる箇所に移動させた上、前記異なる箇所にて前記レドックス液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程と
を含み、
前記酸化体生成工程及び前記水素生成工程を、太陽光の照射により進行させることを特徴とする方法。
[12]前記硫黄生成工程において使用された前記レドックス液を、前記異なる箇所から前記酸化体生成工程を実施した箇所に戻す工程を更に含む、前記[11]の方法。
[13]前記酸化体生成工程において使用する前記酸化電極が、前記レドックス液に全て又は部分的に浸っている光電極であるか、又は、前記水素生成工程において使用する前記還元電極が、水に全て又は部分的に浸っている光電極である、前記[11]又は[12]の方法。
[14]前記酸化体生成工程において使用する前記酸化電極及び前記水素生成工程において使用する前記還元電極が、太陽電池と接続している、前記[11]又は[12]の方法。
[15]前記レドックス液が無色透明である、前記[11]〜[14]の方法。
[16]前記無色透明なレドックス液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[15]の方法。
[17]硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス水溶液内に全て又は部分的に浸された光触媒に太陽光を照射することにより、前記酸化体及び水素を生成する酸化体・水素生成工程と、
前記酸化体・水素生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス水溶液を、前記酸化体・水素発生工程を実施した箇所と異なる箇所に移動した上、前記異なる箇所にて前記レドックス水溶液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程と
を含むことを特徴とする方法。
[18]前記硫黄生成工程において使用された前記レドックス水溶液を、前記異なる箇所から前記酸化体・水素生成工程を実施した箇所に戻す工程を更に含む、前記[17]の方法。
[19]前記レドックス水溶液が無色透明である、前記[17]又は[18]の方法。
[20]前記無色透明なレドックス水溶液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、前記[19]の方法。
尚、本明細書及び本特許請求の範囲にいう「無色透明」とは、一般的な意味と同一であり、例えば、高さ1mの円柱容器(内径1m:アクリル製)にレドックス液を満たし、当該円柱の軸方向と垂直方向から太陽光を照射した際、入射時の360nm〜830nmの可視光領域の光量に対し、例えば出射時の同領域積算光量が60%以上、より好ましくは80%以上、更に好適には90%以上、特に好適には95%であることを意味する。なお、光量測定は光パワーメーター、照度計などの測定器で測定する。
本発明によれば、従来技術と比較し、太陽光エネルギー(特に可視光領域のエネルギー)を効率的に利用できる結果、単位時間当たりの硫黄及び水素の生成量(即ち、硫化水素の分解量)を増大させることが可能になるという効果を奏する。また、半導体光電極を用いた従来の硫化水素分解システム(以下、従来系と記述する)において、可視光領域において高い吸光係数を持つ遷移金属レドックス対を使用しているため、n型半導体を応用しにくい。他方、レドックス液として無色透明なレドックス液を使用した本発明に関しては、可視光領域において吸収が少ないので、より多くの光エネルギーを利用できる。更に、製油所からの水素化脱硫装置で発生する硫化水素を電気的反応で硫黄分と水素を分解し、水素をリサイクル的に使用できる。
以下、本発明の好適形態を説明する。尚、本発明は当該好適形態に限定されるものではない。
≪第一形態≫
以下、図1に従い、本発明の第一形態を説明する。
<レドックス酸化用セル>
(電極)n型半導体光触媒電極であり、バンドギャップが3.5eVより小さいことが望ましい。また、価電子帯の上限電位は、レドックス対の還元体を酸化できる電位より貴側であり、2Vvs.NHE(pH0)より貴側であることが望ましい。
(レドックス液)H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上が含まれる水が望ましい。従来系においては、メンテナンス時において、遷移金属レドックス対イオンを含む溶液の処理はコストがかかる。また、多くの遷移金属イオンは有害物質であるため、溶液漏れ等が発生した時、環境負荷が大きい。この点、前記のレドックス成分は環境負荷も少ない点でも優れている。
(容器)可視光領域における吸収が少ない(透過率が90%以上)材質で作られた容器が望ましい。例えば、石英ガラス、Pyrex(登録商標)ガラス、ソーダガラス、アクリル樹脂、PET樹脂等が挙げられる。尚、本明細書における「透過率」は、JIS K0115に基づき、近赤外―可視―紫外分光光度計にて測定された値を指す。
(反応機構)
以下、上記で例示したレドックス成分の、レドックス酸化用セル内で起こる反応式(半反応式)を記載する。
<水素発生用セル>
(電極)電極は特に限定されず、黒鉛電極;金属電極、例えば、Pt、Ni;化合物電極、例えば、NiFeOx;p型半導体光触媒電極、例えば、CuInS(Se)2、CuGaInS(Se)2、CuO、p-Si等;が挙げられる。
(液)支持電解質を含む水が使用できる。支持電解質の濃度は0.01mol L−1〜飽和までが望ましい。
(容器)耐薬品性の材質で作られた容器が使用できる。ただし、水素発生電極はp型半導体光触媒電極を使用する場合、可視光領域における吸収が少ない(透過率が90%以上)材質で作られた容器が望ましい。例えば、石英ガラス、Pyrex(登録商標)ガラス、ソーダガラス、アクリル樹脂、PET樹脂等が挙げられる。
(反応機構)
<硫黄生成用セル>
(硫化水素導入管)硫化水素導入管は、液内に硫化水素を導入するための管である。当該管としては、耐薬品性材質で作られた管が使用でき、耐酸性材質のものが望ましい。尚、当該材質は当業界にて当該用途にて一般的な材料を使用し得る。尚、容器内に硫化水素が吹き込まれればよいので、必ずしも管で硫化水素を吹き込まなくとも、例えば、側面や下方に吹き込み孔を設ける等し、当該吹き込み孔から硫化水素を吹き込むように構成してもよい。
(固液分離部)固液分離部は、例えば、反応により液内に生成した懸濁状態の硫黄を沈殿させる成分(例えば二酸化炭素)を液内に投入するための部である。当該成分として二酸化炭素を例に採り説明すると、硫黄が生成した懸濁水溶液に二硫化炭素を入れ、硫黄を溶かす。二硫化酸素は水とお互いに不溶なので、効率的な液─液分離の方法で回収できる。分離した硫黄含有二硫化炭素液を蒸留し、固体の硫黄と二硫化炭素を分離する。
(液)硫黄生成用セル内の溶液は、レドックス酸化用セルで生成され且つ送液された、レドックスの酸化体が含む溶液である。
(反応機構)
以下、上記で例示したレドックス成分の、硫黄生成セル内で起こる反応式を記載する。
<相互セルの連絡>
(レドックス酸化用セルと水素発生用セル)
・レドックス酸化用セルと水素発生用セルは、セパレータの形態であることが望ましい。
・電気的連絡:電気的に連絡可能であれば特に限定されないが、金属導線が望ましい。
・液間連絡:塩橋、イオン交換膜又は0.01〜数μm程度の微粒子を透過できる高分子膜が望ましい。
(レドックス酸化用セルと硫黄生成用セル)
・流路1(レドックス酸化用セル→硫黄生成用セル)耐薬品性の管と耐薬品性のポンプが望ましい。ポンプは溶液互換時に作動することが望ましい。常時運転でもよい。
・流路2(硫黄生成用セル→レドックス酸化用セル)耐薬品性の管と耐薬品性のポンプが望ましい。ポンプは溶液互換時に作動することが望ましい。常時運転でもよい。
以下、図1に従い、本発明の第一形態を説明する。
<レドックス酸化用セル>
(電極)n型半導体光触媒電極であり、バンドギャップが3.5eVより小さいことが望ましい。また、価電子帯の上限電位は、レドックス対の還元体を酸化できる電位より貴側であり、2Vvs.NHE(pH0)より貴側であることが望ましい。
(レドックス液)H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上が含まれる水が望ましい。従来系においては、メンテナンス時において、遷移金属レドックス対イオンを含む溶液の処理はコストがかかる。また、多くの遷移金属イオンは有害物質であるため、溶液漏れ等が発生した時、環境負荷が大きい。この点、前記のレドックス成分は環境負荷も少ない点でも優れている。
(容器)可視光領域における吸収が少ない(透過率が90%以上)材質で作られた容器が望ましい。例えば、石英ガラス、Pyrex(登録商標)ガラス、ソーダガラス、アクリル樹脂、PET樹脂等が挙げられる。尚、本明細書における「透過率」は、JIS K0115に基づき、近赤外―可視―紫外分光光度計にて測定された値を指す。
(反応機構)
以下、上記で例示したレドックス成分の、レドックス酸化用セル内で起こる反応式(半反応式)を記載する。
<水素発生用セル>
(電極)電極は特に限定されず、黒鉛電極;金属電極、例えば、Pt、Ni;化合物電極、例えば、NiFeOx;p型半導体光触媒電極、例えば、CuInS(Se)2、CuGaInS(Se)2、CuO、p-Si等;が挙げられる。
(液)支持電解質を含む水が使用できる。支持電解質の濃度は0.01mol L−1〜飽和までが望ましい。
(容器)耐薬品性の材質で作られた容器が使用できる。ただし、水素発生電極はp型半導体光触媒電極を使用する場合、可視光領域における吸収が少ない(透過率が90%以上)材質で作られた容器が望ましい。例えば、石英ガラス、Pyrex(登録商標)ガラス、ソーダガラス、アクリル樹脂、PET樹脂等が挙げられる。
(反応機構)
<硫黄生成用セル>
(硫化水素導入管)硫化水素導入管は、液内に硫化水素を導入するための管である。当該管としては、耐薬品性材質で作られた管が使用でき、耐酸性材質のものが望ましい。尚、当該材質は当業界にて当該用途にて一般的な材料を使用し得る。尚、容器内に硫化水素が吹き込まれればよいので、必ずしも管で硫化水素を吹き込まなくとも、例えば、側面や下方に吹き込み孔を設ける等し、当該吹き込み孔から硫化水素を吹き込むように構成してもよい。
(固液分離部)固液分離部は、例えば、反応により液内に生成した懸濁状態の硫黄を沈殿させる成分(例えば二酸化炭素)を液内に投入するための部である。当該成分として二酸化炭素を例に採り説明すると、硫黄が生成した懸濁水溶液に二硫化炭素を入れ、硫黄を溶かす。二硫化酸素は水とお互いに不溶なので、効率的な液─液分離の方法で回収できる。分離した硫黄含有二硫化炭素液を蒸留し、固体の硫黄と二硫化炭素を分離する。
(液)硫黄生成用セル内の溶液は、レドックス酸化用セルで生成され且つ送液された、レドックスの酸化体が含む溶液である。
(反応機構)
以下、上記で例示したレドックス成分の、硫黄生成セル内で起こる反応式を記載する。
<相互セルの連絡>
(レドックス酸化用セルと水素発生用セル)
・レドックス酸化用セルと水素発生用セルは、セパレータの形態であることが望ましい。
・電気的連絡:電気的に連絡可能であれば特に限定されないが、金属導線が望ましい。
・液間連絡:塩橋、イオン交換膜又は0.01〜数μm程度の微粒子を透過できる高分子膜が望ましい。
(レドックス酸化用セルと硫黄生成用セル)
・流路1(レドックス酸化用セル→硫黄生成用セル)耐薬品性の管と耐薬品性のポンプが望ましい。ポンプは溶液互換時に作動することが望ましい。常時運転でもよい。
・流路2(硫黄生成用セル→レドックス酸化用セル)耐薬品性の管と耐薬品性のポンプが望ましい。ポンプは溶液互換時に作動することが望ましい。常時運転でもよい。
≪第二形態≫
以下、図2に従い、本発明の第二形態を説明する。尚、第二形態が第一形態と相違する点は、酸化電極が光電極でなく、且つ、酸化電極と還元電極との間に太陽電池が配されている点である。以下、第一形態との相違点のみ説明する。
<酸化電極・還元電極>電極は特に限定されず、黒鉛電極;金属電極、例えばPt、Au、Ni等;化合物電極、例えば、NiFeOx、RuO2、IrO2、NiOx、NiOOH、CoOx等;が挙げられる。
<太陽電池>単結晶、多結晶及びアモルファスSi太陽電池、カルコゲナイド系化合物太陽電池(CISやCIGS、CZTS等)、III−V族太陽電池(GaAs、InP等)及びCdTe太陽電池が使用できる。
以下、図2に従い、本発明の第二形態を説明する。尚、第二形態が第一形態と相違する点は、酸化電極が光電極でなく、且つ、酸化電極と還元電極との間に太陽電池が配されている点である。以下、第一形態との相違点のみ説明する。
<酸化電極・還元電極>電極は特に限定されず、黒鉛電極;金属電極、例えばPt、Au、Ni等;化合物電極、例えば、NiFeOx、RuO2、IrO2、NiOx、NiOOH、CoOx等;が挙げられる。
<太陽電池>単結晶、多結晶及びアモルファスSi太陽電池、カルコゲナイド系化合物太陽電池(CISやCIGS、CZTS等)、III−V族太陽電池(GaAs、InP等)及びCdTe太陽電池が使用できる。
ここで、図3は、本発明の第二形態の応用例である。当該例は、酸化還元成分は水であり、還元体は水であり、酸化体は過酸化水素である。レドックス酸化用セル内で生成された過酸化水素を含有する水が硫黄生成用セルに送られると、過酸化水素と硫化水素とが酸化還元反応を起こし、過酸化水素は還元されて水に戻り、硫化水素は硫黄に酸化される。尚、この応用例の場合、水素と硫黄のみならず、過酸化水素も生成する。したがって、余剰の過酸化水素を系から取り出すことで、結果的に過酸化水素も生成されることになる。
≪第三形態≫
以下、図4に従い、本発明の第三形態を説明する。尚、第三形態が第一形態と相違する点は、レドックス酸化用セル及び水素発生用セルの両機能を備えたレドックス酸化用・水素発生用セルを採用している点である。尚、従来系の手法では製造コストの安い粉末光触媒を用いることができず、本発明の手法にてはじめて用いることができた点にも留意すべきである。以下、第一形態との相違点のみ説明する。
<光触媒>粉末状態である。360nmより長波長の可視光応答性が有し、かつ伝導帯の下限電位は0V vs. NHE(pH0)より卑側に有する酸化物{SrTiO3:Rh、SrTiO3:Rh,Sb、SrTiO3:Cr,Sb、TiO2: Rh,Sb、TiO2: Cr,Sb、InNbO4:Ni等}、(酸)窒化物{TaON,Ta3N5、NbON、ATaO2N(A=Ca,Sr、Ba)、LaTiO2N、TiO2、SrTiO3、AlxGayInzN(x+y+z=1)、GaN:ZnO等}及び(酸)硫化物{カルコパイライド系Ag1−xCuxIn1−yGayS2(0<x<1, 0<y<1)、ケステライト化合物Ag2−xCuxZnSnS4(0<x<2)、Zn置換したAg1−xCuxIn1−yGayS2(0<x<1, 0<y<1)等}である光触媒が望ましい。
以下、図4に従い、本発明の第三形態を説明する。尚、第三形態が第一形態と相違する点は、レドックス酸化用セル及び水素発生用セルの両機能を備えたレドックス酸化用・水素発生用セルを採用している点である。尚、従来系の手法では製造コストの安い粉末光触媒を用いることができず、本発明の手法にてはじめて用いることができた点にも留意すべきである。以下、第一形態との相違点のみ説明する。
<光触媒>粉末状態である。360nmより長波長の可視光応答性が有し、かつ伝導帯の下限電位は0V vs. NHE(pH0)より卑側に有する酸化物{SrTiO3:Rh、SrTiO3:Rh,Sb、SrTiO3:Cr,Sb、TiO2: Rh,Sb、TiO2: Cr,Sb、InNbO4:Ni等}、(酸)窒化物{TaON,Ta3N5、NbON、ATaO2N(A=Ca,Sr、Ba)、LaTiO2N、TiO2、SrTiO3、AlxGayInzN(x+y+z=1)、GaN:ZnO等}及び(酸)硫化物{カルコパイライド系Ag1−xCuxIn1−yGayS2(0<x<1, 0<y<1)、ケステライト化合物Ag2−xCuxZnSnS4(0<x<2)、Zn置換したAg1−xCuxIn1−yGayS2(0<x<1, 0<y<1)等}である光触媒が望ましい。
図1に示す装置を用いて、硫化水素を分解する。ここで、レドックス液としては水(酸化還元成分=水、還元体=水、酸化体=過酸化水素)を用い、酸化電極としてはn型半導体(WO3,BiVO4,Fe2O3,TaON,Ta3N5、NbON、ATaO2N(A=Ca,Sr、Ba)、LaTiO2N、TiO2、SrTiO3、AlxGayInzN(x+y+z=1)、GaN:ZnO、n−Si)を用い、還元電極としては(金属電極:Pt、Ni、化合物電極NiFeOx、p型半導体電極:CuInS(Se)2、CuGaInS(Se)2、CuO、p−Si)、AlxGayInzN(x+y+z=1)を用いる。このような系にて、レドックス酸化用セルの酸化電極に太陽光の照射を開始し、レドックスの酸化体がある程度蓄積した後、レドックス酸化用セルと硫黄生成用セルとの間のポンプを作動させる。その後、十分量の酸化体を含有する水が硫黄生成用セル内に蓄積したと考えられるタイミングにて、硫黄生成用セル内に蓄えられた水に硫化水素を吹き込む。当該操作を継続し、水素発生用セル、レドックス酸化用セル及び硫黄生成用セルをそれぞれ観察すると、まず、水素発生用セルにおいては、継続的に水素が発生する。次に、レドックス酸化用セルにおいては、レドックス液の無色透明性が維持される。最後に、硫黄生成用セルにおいては、硫化水素を吹き込んだ後、発生した硫黄による白濁化が進行する。その後、固液分離部による硫黄除去により白濁の程度は略一定となる。尚、固液分離部から分離された硫黄は、時間と共に増加していく。
Claims (20)
- 硫化水素から硫黄及び水素を生成し得る硫化水素分解装置において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を収納可能なレドックス液収納空間と;前記レドックス液収納空間内に配された酸化電極と;を有する酸化体生成部と、
水を収納可能な水収納空間と;前記水収納空間内に配された、前記酸化電極と電気的に接続された還元電極と;を有する水素生成部と、
液体を収納可能な液体収納空間と;前記液体収納空間内に硫化水素を導入するための硫化水素導入部と;を有する硫黄生成部と、
前記酸化体生成部で生成された前記酸化体を含有するレドックス液を、前記硫黄生成部の前記液体収納空間に導入するためのレドックス液導入部と
を有し、太陽光の照射を契機として、前記酸化電極が前記還元体を前記酸化体に酸化し得るよう機能する一方、前記還元電極が水を水素に還元し得るよう機能し;更に、前記硫黄生成部の前記液体収納空間内に導入された、前記レドックス液中の前記酸化体と硫化水素との反応により、硫黄が生成可能であることを特徴とする硫化水素分解装置。 - 前記酸化体生成部から前記硫黄生成部に導入された前記レドックス液を、前記酸化体生成部に還流させるためのレドックス液還流部を更に有する、請求項1記載の硫化水素分解装置。
- 前記酸化電極又は前記還元電極が光電極である、請求項1又は2記載の硫化水素分解装置。
- 前記酸化電極と前記還元電極との間に、前記酸化電極と前記還元電極と電気的に接続された太陽電池を更に有する、請求項1又は2記載の硫化水素分解装置。
- 前記酸化体生成部の前記レドックス液収納空間が、前記酸化電極が全て又は部分的に浸る程度まで、前記レドックス液として無色透明なレドックス液を含有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の硫化水素分解装置。
- 前記無色透明なレドックス液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、請求項5記載の硫化水素分解装置。
- 硫化水素から硫黄及び水素を生成し得る硫化水素分解装置において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分と水とを含有するレドックス水溶液を収納可能なレドックス水溶液収納空間と;前記レドックス水溶液収納空間内に配された光触媒と;を有する酸化体・水素生成部と、
液体を収納可能な液体収納空間と;前記液体収納空間内に硫化水素を導入するための硫化水素導入部と;を有する硫黄生成部と、
前記酸化体・水素生成部で生成された前記酸化体を含有するレドックス水溶液を、前記硫黄生成部の前記液体収納空間に導入するためのレドックス水溶液導入部と
を有し、太陽光の照射を契機として、前記光触媒が前記還元体を前記酸化体に酸化し得ると共に水を水素に還元し得るよう機能し;更に、前記硫黄生成部の前記液体収納空間内に導入された、前記レドックス液中の前記酸化体と硫化水素との反応により、硫黄が生成可能であることを特徴とする硫化水素分解装置。 - 前記酸化体・水素生成部から前記硫黄生成部に導入された前記レドックス水溶液を、前記酸化体・水素生成部に還流させるためのレドックス水溶液還流部を更に有する、請求項7記載の硫化水素分解装置。
- 前記酸化体・水素生成部の前記レドックス水溶液収納空間が、前記光触媒が全て又は部分的に浸る程度まで、前記レドックス水溶液として無色透明なレドックス水溶液を含有する、請求項7又は8記載の硫化水素分解装置。
- 前記無色透明なレドックス水溶液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、請求項9記載の硫化水素分解装置。
- 硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス液を酸化電極と接触させることにより、前記酸化体を生成する酸化体生成工程と、
水を還元電極と接触させることにより、水素を生成する水素生成工程と、
前記酸化体生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス液を、前記酸化体生成工程を実施した箇所と異なる箇所に移動させた上、前記異なる箇所にて前記レドックス液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程と
を含み、
前記酸化体生成工程及び前記水素生成工程を、太陽光の照射により進行させることを特徴とする方法。 - 前記硫黄生成工程において使用された前記レドックス液を、前記異なる箇所から前記酸化体生成工程を実施した箇所に戻す工程を更に含む、請求項11記載の方法。
- 前記酸化体生成工程において使用する前記酸化電極が、前記レドックス液に全て又は部分的に浸っている光電極であるか、又は、前記水素生成工程において使用する前記還元電極が、水に全て又は部分的に浸っている光電極である、請求項11又は12記載の方法。
- 前記酸化体生成工程において使用する前記酸化電極及び前記水素生成工程において使用する前記還元電極が、太陽電池と接続している、請求項11又は12記載の方法。
- 前記レドックス液が無色透明である、請求項11〜14のいずれか一項記載の方法。
- 前記無色透明なレドックス液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、請求項15記載の方法。
- 硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法において、
酸化体と還元体を採り得る酸化還元成分を含有するレドックス水溶液内に全て又は部分的に浸された光触媒に太陽光を照射することにより、前記酸化体及び水素を生成する酸化体・水素生成工程と、
前記酸化体・水素生成工程で生成した前記酸化体を含有するレドックス水溶液を、前記酸化体・水素発生工程を実施した箇所と異なる箇所に移動した上、前記異なる箇所にて前記レドックス水溶液に硫化水素を導入し、前記酸化体により硫化水素を酸化させて硫黄を生成する硫黄生成工程と
を含むことを特徴とする方法。 - 前記硫黄生成工程において使用された前記レドックス水溶液を、前記異なる箇所から前記酸化体・水素生成工程を実施した箇所に戻す工程を更に含む、請求項17記載の方法。
- 前記レドックス水溶液が無色透明である、請求項17又は18記載の方法。
- 前記無色透明なレドックス水溶液中の前記酸化還元成分が、H2O(還元体)/H2O2(酸化体)、Cl−(還元体)/HClO(酸化体)及びSO4 2−(還元体)/S2O8 2−(酸化体)から選択される一種以上である、請求項19記載の方法。
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JP2016064079A JP2017178640A (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 硫化水素分解装置、硫化水素から硫黄及び水素を生成する方法 |
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CN114807956A (zh) * | 2022-04-11 | 2022-07-29 | 西南石油大学 | 应用于硫化氢制氢的原位生长纳米阵列催化剂的制备方法 |
-
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- 2016-03-28 JP JP2016064079A patent/JP2017178640A/ja active Pending
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CN114807956A (zh) * | 2022-04-11 | 2022-07-29 | 西南石油大学 | 应用于硫化氢制氢的原位生长纳米阵列催化剂的制备方法 |
CN114807956B (zh) * | 2022-04-11 | 2024-05-17 | 西南石油大学 | 应用于硫化氢制氢的原位生长纳米阵列催化剂的制备方法 |
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