JP2017177909A - 電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置用の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置及び電動パワーステアリング装置用の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ラック軸とタイロッドとの間の角度等が変化しても、想定したアシスト力を車輪に伝達することができる電動パワーステアリング装置等を提供することができる。
【解決手段】ステアリングホイール101の操作に対し車輪150を転舵させるアシスト力を、アシスト力を伝達するラック軸105を介して付与する電動モータ110と、電動モータ110の駆動を制御する制御装置10と、を備え、制御装置10は、ラック軸105の位置に関する情報に基づき決定された電流を供給することにより、電動モータ110の駆動を制御する電動パワーステアリング装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置、電動パワーステアリング装置用の制御装置に関する。
近年、車両のステアリング系に電動モータを備え、電動モータの動力にてドライバの操舵力をアシストして車輪を転舵させる電動パワーステアリング装置が提案されている。
この電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動は、制御装置にて制御される。制御装置は、電動モータの駆動を制御するために、まず、操舵トルクや車速などに応じて電動モータに供給する目標電流を設定する。
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置は、トルクセンサからのトルク信号τと車速センサからの車速信号vとを入力し、これらの値に基づいて電流指令値を設定する。
特開平2−193768号公報
ここで電動モータにより発生するアシスト力は、ラック軸に伝達し、さらにラック軸からタイロッドやナックルアームを介して車輪を転舵させる力となる。
しかしながら車輪が転舵するに従い、ラック軸とタイロッドとの間の角度が変化し、これにより想定したアシスト力が車輪に対し、伝達しない場合がある。さらにタイロッドとナックルアームとの間の角度が変化することでも同様の問題が生ずる。
本発明は、ラック軸とタイロッドとの間の角度等が変化しても、想定したアシスト力を車輪に伝達することができる電動パワーステアリング装置等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を、アシスト力を伝達するラック軸を介して付与する電動モータと、電動モータの駆動を制御するモータ制御部と、を備え、モータ制御部は、ラック軸の位置に関する情報に基づき決定された電流を供給することにより、電動モータの駆動を制御する電動パワーステアリング装置である。
さらに本発明は、ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を伝達するラック軸の位置に関する情報を取得する位置情報取得部と、取得した位置に関する情報に基づき、電動モータによるアシスト力を発生させるのに必要な目標電流を補正する補正係数を決定する補正係数決定部と、決定された補正係数に基づき、目標電流を決定する目標電流決定部と、を備える電動パワーステアリング装置用の制御装置である。
本発明は、ラック軸とタイロッドとの間の角度等が変化しても、想定したアシスト力を車輪に伝達することができる電動パワーステアリング装置等を提供することができる。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 ステアリング装置の制御装置の概略構成図である。 目標電流算出部及び制御部の概略構成図である。 (a)〜(b)は、ラック軸、タイロッド、及びナックルアームの位置関係について説明した図である。 図4(b)の状態をさらに詳しく説明した図である。 補正係数算出部の機能構成例を示したブロック図である。 (a)〜(b)は、車輪の位置が通常の場合と、バンプに乗ったときの場合について図示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<電動パワーステアリング装置全体の説明>
図1は、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。ステアリングシャフト102と上部連結シャフト103とが自在継手103aを介して連結されており、上部連結シャフト103と下部連結シャフト108とが自在継手103bを介して連結されている。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の車輪150のそれぞれに連結され、キングピン124を中心に回転するナックルアーム121と、ナックルアーム121に連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。ナックルアーム121とタイロッド104とは、接合部123を中心に回転自在に接合する。またタイロッド104とラック軸105とは、接合部122を中心に回転自在に接合する。
また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
さらにステアリング装置100は、ステアリングホイール101の操舵角を把握可能な情報としてステアリングホイール101の操舵角を検出する操舵角センサ180が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバーを介して下部連結シャフト108と連結されている。ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクTを検出するトルクセンサ109が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。電動モータ110に実際に流れる実電流の大きさ及び方向は、モータ電流検出部33(図3参照)にて検出される。
そして、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109の出力値であるトルク信号Td、車両の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値である車速信号v、及び操舵角センサ112の出力値である操舵角信号Sdが入力される。本実施の形態では、制御装置10は、電動モータ110の駆動を制御するモータ制御部(電動パワーステアリング装置用の制御装置)として機能する。詳しくは後述するが、制御装置10は、ラック軸105の位置に関する情報に基づき決定された電流を供給することにより、電動モータ110の駆動を制御する。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTをトルクセンサ109にて検出し、その検出トルクに応じて電動モータ110を駆動し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加えるユーザの操舵力をアシストする。言い換えると電動モータ110は、ステアリングホイール101の操作に対し車輪150を転舵させるアシスト力を発生する。このアシスト力は、アシスト力を伝達するラック軸105を介して車輪150に付与される。
<制御装置10の説明>
次に、制御装置10について説明する。
図2は、ステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて車両の速度に応じて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vと、操舵角センサ112にて検出された操舵角Sが出力信号に変換された操舵角信号Sdなどが入力される。
そして、制御装置10は、トルク信号Tdに基づいて目標トルクを算出し、この目標トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
<目標電流算出部20及び制御部30の説明>
次に、目標電流算出部20及び制御部30について詳述する。
図3は、目標電流算出部20及び制御部30の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流Ibを算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限するダンパー補償電流を算出するダンパー補償電流算出部23と、目標電流を補正する補正係数aを算出する補正係数算出部24を備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23、補正係数算出部24にて算出された値に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25とを備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Td、車速信号v、操舵角信号Sd、電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsなどが入力される。回転速度信号Nmsは、例えば3相ブラシレスモータである電動モータ110の回転子(ロータ)の回転位置を検出するセンサ(例えば、回転子の回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路)にて検出された電動モータ110の回転角度が微分されることにより得られた値が出力信号に変換されたものであることを例示することができる。
ベース電流算出部21は、トルク信号Tdと車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流Ibを算出し、このベース電流Ibの情報を含むベース電流信号Imbを出力する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Td及び車速信号vとベース電流Ibとの対応を示すマップに、トルク信号Td及び車速信号vを代入することによりベース電流Ibを算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tdと車速信号vとに基づいて電動モータ110及びシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Td及び車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、トルク信号Td及び車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Td、車速信号v、及び電動モータ110の回転速度信号Nmsに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Td、車速信号v及び回転速度信号Nmsと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、トルク信号Tdと車速信号vと回転速度信号Nmsとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
補正係数算出部24は、ラック軸105の位置に関する情報に基づき、電動モータ110によるアシスト力に必要な目標電流を補正する補正係数aを決定する。補正係数算出部24については後述する。
目標電流決定部25は、電動モータ110に供給する目標電流を決定する。目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流信号Is、ダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流信号Id、及び補正係数算出部24にて算出された補正係数aに基づいて目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号ITを出力する。目標電流決定部25は、例えば、ベース電流Ibに、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、補償電流と目標電流との対応を示すマップに代入し、さらに補正係数aに基づいて目標電流を算出する。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流を検出し、実電流検出信号Imをモータ駆動制御部31に出力するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流(目標電流信号ITが示す値)と、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流(実電流検出信号Imが示す値)との偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流とモータ電流検出部33にて検出された実電流との偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流と実電流とが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号60aを出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流の値を検出する。
[第1の実施形態]
次に、上述した補正係数aを決定する方法について詳述する。ここではまず補正係数aを決定する方法の第1の実施形態について説明を行なう。
<ラック軸105、タイロッド104、ナックルアーム121の位置関係の説明>
図4(a)〜(b)は、ラック軸105、タイロッド104、及びナックルアーム121の位置関係について説明した図である。
図4(a)〜(b)は、図1の図に向かって左側の車輪150の周辺の拡大図である。
ここで図4(a)は、車輪150を転舵させていない状態を示している。即ち、図4(a)は、車両の進行方向を変えず、直進するときの状態を示している。
また図4(b)は、図4(a)の状態から、ラック軸105を矢印A方向に移動させ車輪150を転舵させた状態を示している。即ち、図4(b)は、車両の進行方向を変えるときの状態を示している。
なお図4(a)〜(b)では、ラック軸105、タイロッド104、ナックルアーム121について車両の上方向から見た場合を図示している。
図4(a)に図示するように、車輪150を転舵させていない状態では、ラック軸105とタイロッド104とは、接合部122を介しほぼ直線上に位置する。またタイロッド104とナックルアーム121とは、接合部123を介しほぼ直交する状態で接合する。
対して図4(b)に図示するように、車輪150を転舵させた状態では、これらの位置関係が変化する。
即ち、ラック軸105とタイロッド104とは、直線上に位置しなくなり、互いに角度を有する位置になる。この場合、ラック軸105を矢印A方向に移動させることにより、タイロッド104は、接合部122を中心に回転しつつ矢印B方向に移動する。そのためラック軸105とタイロッド104とは、接合部122を介し互いに角度を有する位置に変化する。
さらにタイロッド104とナックルアーム121とは、接合部123の位置において直交する状態とはならなくなる。この場合、タイロッド104が矢印B方向に移動することで、タイロッド104とナックルアーム121との接合部123が同様に矢印B方向に押圧される。これによりナックルアーム121は、キングピン124を中心に矢印C方向に回転し、これに応じて車輪150が転舵する。そのためタイロッド104とナックルアーム121とは、接合部123を介し直交する状態とはならなくなる。
図5は、図4(b)の状態をさらに詳しく説明した図である。
図示するようにラック軸105とタイロッド104とは、第1の角度θをなす。なお図4(a)の状態では、第1の角度θは0°である。この第1の角度θは、ラック軸105とラック軸105に接続するタイロッド104とがなす角度の変化量であると捉えることができる。
またタイロッド104とナックルアーム121とは、直交する位置から第2の角度ψだけ変化する。なお図4(a)の状態では、第2の角度ψは0°である。この第2の角度ψは、タイロッド104とタイロッド104に接続するナックルアーム121とがなす角度の変化量であると捉えることができる。
しかしながらラック軸105とタイロッド104との間に第1の角度θが生じると、これにより想定したアシスト力が車輪150に対し、伝達しない場合がある。つまりラック軸105により出力される力(ラック軸出力)をFrとすると、接合部122を介して実際にタイロッド104に作用する力は、ラック軸出力Frのタイロッド104方向への分力であり、Fr・cosθとなる。この場合、Fr>Fr・cosθ(θ>0)である。
さらにタイロッド104とナックルアーム121との間の角度が第2の角度ψだけ変化することでも同様の問題が生ずることがある。この場合、接合部123に作用する力は、タイロッド104に作用する力と同様となり、Fr・cosθである。そして実際にナックルアーム121に作用する力は、ナックルアーム121に直交する方向への分力であり、Fr・cosθ・cosψとなる。この場合、Fr・cosθ>Fr・cosθ・cosψ(θ>0、ψ>0)である。
即ち、第1の角度θや第2の角度ψが生ずることで、ラック軸105から伝達する力Frが、減殺され、これにより車輪150に付与するアシスト力が減少することになる。この場合、ラック軸出力Frは、cosθ・cosψ倍に減少する。
なおタイロッド104の長さがより短いほど第1の角度θは、大きくなりやすく、ラック軸出力Frがより大きく減少する。また車輪150の転舵の角度がより大きい場合も第1の角度θは、より大きくなり、ラック軸出力Frがより大きく減少する。そのためこのような場合は、特にアシスト力の減少が問題になりやすい。
なお上述したように図4は、上から見た図であるため、第1の角度θ及び第2の角度ψは、水平面(XY平面)における角度と考えることができる。
<補正係数算出部24の説明>
そこで本実施の形態では、補正係数算出部24を設け、この問題の抑制を図っている。
以後、補正係数算出部24の動作について説明を行なう。
図6は、補正係数算出部24の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように補正係数算出部24は、位置情報取得部241と、角度決定部242と、補正係数決定部243と、補正係数出力部244とを備える。
位置情報取得部241は、ラック軸105の位置に関する情報を取得する。ここで位置情報取得部241が取得するのは、ラック軸105の位置に関する情報であればよく、ラック軸の位置の情報を直接取得する必要はない。即ち、ラック軸105の位置に関する情報は、ラック軸105の位置に対応する情報であればよい。本実施の形態では、位置情報取得部241は、ラック軸105の位置に関する情報として、ステアリングホイール101の操舵角の情報を取得する。ステアリングホイール101の操舵角とラック軸105の位置とは、対応関係があるため、ステアリングホイール101の操舵角からラック軸の位置を求めることができる。
角度決定部242は、位置情報取得部241で取得したラック軸105の位置に関する情報を基に、上述した第1の角度θ及び第2の角度ψを求める。これは、例えば、ラック軸105の位置に関する情報と第1の角度θ及び第2の角度ψとの対応を示すマップに、ラック軸105の位置に関する情報を代入することにより第1の角度θ及び第2の角度ψを求めることができる。またラック軸105の位置に関する情報と第1の角度θや第2の角度ψとの対応を示す数式を予め作成し、この数式にラック軸105の位置に関する情報を代入することで求めてもよい。
補正係数決定部243は、角度決定部242により求められた第1の角度θ及び第2の角度ψからアシスト力を補正する補正係数を算出する。補正係数の算出方法については、後述する。この場合、補正係数決定部243は、ラック軸105の位置に関する情報に基づき、電動モータ110によるアシスト力を発生するのに必要な目標電流を補正する補正係数を決定すると言うこともできる。
補正係数出力部244は、補正係数決定部243により求められた補正係数を、目標電流決定部25に対して出力する。
以後、目標電流決定部25では、補正係数出力部244から出力された補正係数に基づき、目標電流の補正を行ない、最終的な目標電流を決定する。
<補正係数及び補正後の目標電流値の算出方法の説明>
次に補正係数の算出方法及び補正後の目標電流値の算出方法について説明を行なう。
補正前のラック軸出力Frは、下記(1)式で表すことができる。ここでFsは、ユーザがステアリングホイール101を操舵することで出力されるステアリング操舵出力である。またFmは、電動モータ110により出力されるアシスト出力である。
Fr=Fs+Fm …(1)
また補正後のラック軸出力をFr1とし、補正前のラック軸出力Frを補正後のラック軸出力Fr1に補正するための補正係数をaとすると、Fr1=a・Frである。そして補正係数aは、下記(2)式で表すことができる。
a=(1/cosθ)・(1/cosψ)=secθ・secψ>1 …(2)
よって補正後のラック軸出力Fr1は、下記(3)式で表すことができる。
Fr1=a・Fr=a・(Fs+Fm)=a・Fs+a・Fm …(3)
なおステアリング操舵出力Fsが変化しないとした場合、補正後のアシスト出力Fm1は、下記(4)式となる。
Fm1=Fr1−Fs=a・Fs+a・Fm−Fs=Fs・(a−1)+a・Fm …(4)
このとき(I)Fs・(a−1)及び(II)a・Fmを出力するときに相当する電流値は、下記(5)式及び下記(6)式のように決定することができる。
(I)Fs・(a−1)を出力するときの電流値
→(Fs・(a−1)/Fm)・(アシスト出力Fm出力時の電流値) …(5)
(II)a・Fmを出力するときの電流値
→a・(アシスト出力Fm出力時の電流値) …(6)
(5)式で求められる電流値をHsとし、(6)式で求められる電流値をHmとすると、下記(7)式が、補正後のアシスト出力Fm1を出力するときの目標電流値となる。
(補正後のアシスト出力Fm1を出力するときの目標電流値)=Hs+Hm …(7)
[第2の実施形態]
次に、補正係数aを決定する方法の第2の実施形態について説明を行なう。
上述した例では、第1の角度θ及び第2の角度ψは、水平面における角度として考えたが、本実施の形態では、鉛直面(XZ平面)についても加味した第1の角度θ及び第2の角度ψを考える。
鉛直面においてラック軸105とタイロッド104とが第1の角度θを生じる場合は、例えば、図1に図示する一対の車輪150のうち一方の位置が他方に対して鉛直方向に変化する場合が考えられる。これは例えば、一対の車輪150のうち一方がパンプ(道路の隆起部)に乗った場合や、道路の溝や窪みに入った場合などが挙げられる。
図7(a)〜(b)は、車輪150の位置が通常の場合と、バンプに乗ったときの場合について図示した図である。図7(a)〜(b)では、図4(a)のVIIab方向から見た図として図示している。
このうち図7(a)は、通常の場合の車輪150の位置を示している。また図7(b)は、バンプに乗ったときの車輪150の位置を示している。
図示するように、図7(b)の場合は、図7(a)の場合に比較して、車輪150がバンプにより矢印D方向に持ち上がり、それによりタイロッド104が矢印E方向に回転する。そのためラック軸105とタイロッド104とのなす角度が、θからθに変化することがわかる。そのため車輪150に付与するアシスト力が変化する。そこで本実施の形態では、鉛直面において車輪150の位置が変化したときに生じる第1の角度θ、第2の角度ψの変化をさらに加味して、補正係数aを求める。
鉛直面における車輪150の位置の変化は、例えば、車輪150に接続される図示しないダンパのストローク量を取得することで把握することができる。また光学的センサを設け、車輪150の位置をモニタリングしたり、キングピン124の位置をモニタリングしてもよい。
以上説明したように、上記構成をとることで、ラック軸出力Frが減少しにくくなり、想定したアシスト力が車輪150に対し、伝達しやすくなる。
[第3の実施形態]
上述した例では、補正係数aを常に考慮して目標電流を決定する場合を示したが、これに限られるものではない。例えば、補正係数aを考慮しない方法で算出した目標電流を別途算出し、これと補正係数aを考慮した補正後の目標電流との何れかを選択する方法でもよい。
選択の方法としては、例えば、車輪150の舵角が小さいときは、上述した第1の角度θ及び第2の角度ψは小さく、アシスト力の減少の問題が生じにくいため、補正係数aを考慮しない目標電流値を選択する。また車輪150の舵角が大きいときは、上述した第1の角度θ及び第2の角度ψは大きくなり、アシスト力の減少の問題が生じやすくなるため、補正係数aを考慮した目標電流値を選択する。より具体的には、操舵角信号Sdに予め定められた閾値を設け、操舵角信号Sdがこの閾値以下の場合は、補正係数aを考慮しない目標電流値を選択し、この閾値を超えた場合は、補正係数aを考慮した目標電流値を選択するようにする。また選択の方法として、何れか大きい方を選択するようにしてもよい。
10…制御装置、20…目標電流算出部、30…制御部、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、109…トルクセンサ、110…電動モータ、104…タイロッド、105…ラック軸、121…ナックルアーム、124…キングピン、150…車輪、170…車速センサ、180…操舵角センサ

Claims (7)

  1. ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を、当該アシスト力を伝達するラック軸を介して付与する電動モータと、
    前記電動モータの駆動を制御するモータ制御部と、
    を備え、
    前記モータ制御部は、前記ラック軸の位置に関する情報に基づき決定された電流を供給することにより、前記電動モータの駆動を制御する電動パワーステアリング装置。
  2. 前記モータ制御部は、前記ラック軸と当該ラック軸に接続するタイロッドとがなす角度の変化量である第1の角度を使用して前記電流を補正する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モータ制御部は、前記タイロッドと当該タイロッドに接続するナックルアームとがなす角度の変化量である第2の角度を使用して前記電流を補正する請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記モータ制御部は、水平面における前記第1の角度及び/又は前記第2の角度を使用する請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記モータ制御部は、鉛直面において前記車輪の位置が変化したときに生じる前記第1の角度及び/又は前記第2の角度の変化をさらに加味する請求項3又は4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記ラック軸の位置に関する情報は、前記ステアリングホイールの操舵角の情報である請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を伝達するラック軸の位置に関する情報を取得する位置情報取得部と、
    取得した前記位置に関する情報に基づき、電動モータによるアシスト力を発生させるのに必要な目標電流を補正する補正係数を決定する補正係数決定部と、
    決定された前記補正係数に基づき、前記目標電流を決定する目標電流決定部と、
    を備える電動パワーステアリング装置用の制御装置。
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