JP2017177603A - ポリイミド積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリイミド積層フィルムを用いるフレキシブル金属張積層板をロールツーロール式で連続的にフレキシブルプリント配線板を製造する際に、アルカリ環境下に起因するクラック発生を抑制できるポリイミド積層フィルムを提供することにある。【解決手段】非熱可塑性ポリイミドの少なくとも片面に,剛直成分を有する酸無水分と剛直成分を有するジアミンから製造される熱可塑性ポリアミド酸を積層し、ガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で加熱処理を行う工程を少なくとも含む製造方法により得られるポリイミド積層フィルム。【選択図】なし
Description
本発明はフレキシブル金属張積層板に好適に用いることができるポリイミド積層フィルムに関する。
近年、スマートフォン、タブレットパソコン、ノートパソコン等を中心としたエレクトロニクス製品の需要拡大に伴い、各種フレキシブルプリント配線板(以下、FPCともいう)の需要が伸びている。
FPCは、例えばポリイミドのような絶縁性フィルム層をコアフィルム(以下、ベースフィルム、また基材と呼ぶこともある)とし、このコアフィルムの表面に、各種接着材料による接着層を介して金属箔層を加熱・圧着することにより貼りあわされたフレキシブル金属張積層板に製造し、さらに回路パターンを形成することで得られる。接着層には従来、エポキシ樹脂やアクリル樹脂が使用されていたが、これらは耐熱性に乏しく、使用用途が限定されてしまう。しかし、接着層として熱可塑性ポリイミドを用いた2層フレキシブルプリント配線板(以下、2層FPCともいう)は、耐熱性、屈曲性に優れることから需要が更に伸びることが期待される。
また、これまで以上に電子機器の軽量化、小型化、薄膜化の要求が進んでおり、市場からはこれを達成するために、実装するFPCも薄膜化することが望まれている。また、生産性向上(コストダウン化)に伴うフレキシブル銅張積層板の製造工程の変更に伴い、ポリイミドフィルムなどの材料にかかる負荷、特に機械強度の向上などの要求も増している。
FPCの従来の製造方法は、現像工程、エッチング処理工程、レジスト剥離工程などからなる製造工程がバッチ式(非連続工程)で行われていた。現像・エッチング処理・レジスト剥離工程で使用するアルカリ溶液に対するポリイミドの耐性を制御した報告はなされており(例えば、特許文献1)、ポリイミドフィルムの高配向化による高強度化に関しても開示されている(例えば、特許文献2)。
本発明者らが鋭意検討した結果、FPCに加工する際には、アルカリ水溶液に接触する工程があり、耐アルカリ性も求められている。連続式の一例であるロールツーロール式においては、従来のバッチ式よりも強い荷重がポリイミド積層フィルム にかかった状態でアルカリ水溶液と接触することとなる。その結果として、特許文献1に開示されたような、従来のバッチ式におけるアルカリ処理では認められていなかったポリイミド積層フィルムにおけるクラックが発生するという課題が顕在化した。
また、特許文献2に開示された材料では、従来のバッチ式のFPC製造工程においては問題にならずとも、ロールツーロール式により連続的にFPCを製造する工程に耐えるには不十分であり、このような工程を経てもクラックが発生しないようなポリイミド材料は、これまで提供されていなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、ロールツーロール式のフレキシブル金属積層板製造工程中のアルカリ環境下において、フィルムに発生するクラックの発生を抑制できるポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、並びに金属張積層体を提供することにある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、ロールツーロール式のフレキシブル金属積層板製造工程中のアルカリ環境下において、フィルムに発生するクラックの発生を抑制できるポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、並びに金属張積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、熱可塑性ポリイミドの一次構造および高次構造を製造方法により制御し、樹脂に凝集構造を形成させることにより、アルカリ環境下でフィルムに発生するクラックを抑制できることを見出した。すなわち、本発明は、以下のポリイミド積層フィルムの製造方法に関する。
1)非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を積層するポリイミド積層フィルムの製造方法であって、少なくとも以下の工程、
(1)剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、
(2)(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、
(3)(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程を含み、
(3)工程の加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことを特徴とする、ポリイミド積層フィルムの製造方法。
2)熱可塑性ポリイミドが、少なくとも剛直を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分を有することを特徴とする、1)に記載のポリイミド多層フィルムの製造方法。
3)熱可塑性ポリイミドが、酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を少なくとも含み、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテルもしくは4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルの少なくとも一方を含むことを特徴とする、1)まはた2)に記載のポリイミド積層フィルムの製造方法。
1)非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を積層するポリイミド積層フィルムの製造方法であって、少なくとも以下の工程、
(1)剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、
(2)(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、
(3)(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程を含み、
(3)工程の加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことを特徴とする、ポリイミド積層フィルムの製造方法。
2)熱可塑性ポリイミドが、少なくとも剛直を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分を有することを特徴とする、1)に記載のポリイミド多層フィルムの製造方法。
3)熱可塑性ポリイミドが、酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を少なくとも含み、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテルもしくは4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルの少なくとも一方を含むことを特徴とする、1)まはた2)に記載のポリイミド積層フィルムの製造方法。
本発明により得られるポリイミド積層フィルムはロールツーロール式の連続的なFPCの製造工程においてもポリイミドフィルムに発生するクラックを抑制することができる。
本発明の実施の形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」をそれぞれ意味する。
本発明者らは、ポリイミドが特定の高次構造を有することが、アルカリ環境下での強靭化に有効であることを見出した。つまり、ポリイミド積層フィルムのアルカリ環境下での強靭性を改良するためには、動的粘弾性測定によって得られる貯蔵弾性率の温度依存性曲線(以下、DMA曲線ともいう)において、340℃〜360℃に一定の弾性率を保持しようとするショルダー部を有する熱可塑性ポリイミドによって接着層を形成するポリイミド積層フィルムが、耐アルカリ性(デスミア耐性)に良好であることを見出した。このような材料設計をすることによって、アルカリ環境下での強靭性が改良されるという知見は、本発明者らが初めて見出したものである。
本発明の熱可塑性ポリイミドとは、示差走査熱量(DSC)で測定される、ガラス転移温度(Tg)が150℃〜350℃であるものをいう。
本発明の非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドをいう。つまり本発明の非熱可塑性ポリイミドとは、示差走査熱量測定(DSC)で、ガラス転移温度(Tg)を示さないポリイミドをいう。
(ポリイミド積層フィルム)
本発明のポリイミド積層フィルムは、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層(接着層ということがある)を積層するポリイミド積層フィルムであって、熱可塑性ポリイミド層が、熱可塑性ポリイミドを含み、熱可塑性ポリイミドの動的粘弾性測定(5Hz)による貯蔵弾性率の温度依存性曲線(DMA曲線ということもある)がガラス転移温度より高温において変曲点を有し、前記変曲点における貯蔵弾性率が0.6×108Pa〜1.8×108Paである、熱可塑性ポリイミドであることを特徴とするポリイミド積層フィルムであることを特徴とする。
本発明のポリイミド積層フィルムは、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層(接着層ということがある)を積層するポリイミド積層フィルムであって、熱可塑性ポリイミド層が、熱可塑性ポリイミドを含み、熱可塑性ポリイミドの動的粘弾性測定(5Hz)による貯蔵弾性率の温度依存性曲線(DMA曲線ということもある)がガラス転移温度より高温において変曲点を有し、前記変曲点における貯蔵弾性率が0.6×108Pa〜1.8×108Paである、熱可塑性ポリイミドであることを特徴とするポリイミド積層フィルムであることを特徴とする。
ここで、接着層を形成するポリイミドの動的粘弾性は、当該ポリイミドから得られるフィルムを試験片として用い、動的粘弾性を測定して温度に対して貯蔵弾性率をプロットすることにより求めることができる。
本発明において用いられる熱可塑性ポリイミドの貯蔵弾性率の温度依存性曲線(DMA曲線)がガラス転移温度より高温において変曲点を有することが好ましい。熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度より高温において変曲点を有する場合、凝集構造によるクラック発生を抑制する効果を発現しやすい。
本発明において用いられる熱可塑性ポリイミドのDMA曲線の変曲点における貯蔵弾性率が0.6×108Pa〜1.8×108Paであることが好ましく、0.7×108Pa〜1.7×108Paであることがより好ましく、0.8×108Pa〜1.5×108Paであることがさらに好ましい。本発明において用いられる熱可塑性ポリイミドのDMA曲線の変曲点における貯蔵弾性率がこの範囲にある場合は、デスミア液中でクラックの発生を抑制する効果を示す凝集構造の貯蔵弾性率が適切となる。
(熱可塑性ポリイミド)
本発明における熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドは、その前駆体となる熱可塑性ポリアミド酸(以下、熱可塑性ポリアミド酸ともいうことがある)をイミド化して得られる。
本発明における熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドは、その前駆体となる熱可塑性ポリアミド酸(以下、熱可塑性ポリアミド酸ともいうことがある)をイミド化して得られる。
本発明において用いられる熱可塑性ポリアミド酸を構成することができる原料モノマーは、前駆体である熱可塑性ポリアミド酸をイミド化した熱可塑性ポリイミドがガラス転移温度より高温において貯蔵弾性率の変曲点を有し、またDMA曲線の変曲点における貯蔵弾性率が0.6×108Pa〜1.8×108Paであることを発現できれば特に制限されない。ポリアミド酸の合成に通常用いられるジアミンおよび酸ニ無水物を使用可能である。
ジアミンとしては本発明の効果を発現できれば特に制限されないが、芳香族ジアミンが耐熱性などの点において好ましい。例えば、2,2’-ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらを単独または複数併用することができる。
酸二無水物としては、本発明の効果を発現できれば特に制限されないが、芳香族酸二無水物が耐熱性などの点において好ましい。例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、3,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物等が挙げられる。
本発明では、熱可塑性ポリイミドの凝集構造がデスミア液の侵入を抑制し、クラックの発生を防ぐ効果をもたらすと考えられる。本発明における凝集構造とは、局所的な秩序性を有する分子鎖のパッキングを意味する。ポリイミドは芳香環あるいは芳香族複素環などの剛直な構成単位からなるため、絡み合いが少なく、一般的な高分子のように折りたたみ鎖を形成しづらい。一方で、イミド環を有する分子鎖に特有な分子鎖のパッキングが起こり、その局所的な秩序性をもった分子鎖のパッキングが起こる。凝集構造はポリイミドフィルムの製膜条件と熱可塑性ポリイミドの一次構造により、制御することが可能である。熱可塑性ポリイミドの製膜条件による凝集構造を実現する手段としては種々の方法があるが、熱可塑性ポリイミドの加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことによっても達成できる。熱可塑性ポリイミドが剛直成分を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分で凝集構造を形成することがより好ましく、ガラス転移温度Tg以上かつ形成された凝集構造が融解する温度よりも低温で加熱処理することが特に好ましい。
剛直成分を有する酸二無水物が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を少なくとも含み、かつ、剛直成分を有するジアミンが4,4’−ジアミノジフェニルエーテルまたは4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルの少なくとも一方を含むことがより好ましい。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に対して、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルまたは4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルの少なくとも一方が結合したものであることが特に好ましい。
ジアミンの中でも特に剛直なパラフェニレンジアミンなどを多く含む場合、その剛直さから靭性が失われ、熱可塑性ポリイミド全体がもろくなってしまう。一方で、特に嵩高く柔軟な2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどを含むと、熱可塑性ポリイミド全体が軟化していまい、十分な凝集構造を形成できない。そのため、本発明においては、ジアミンのなかでも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを含むことが特に好ましく、酸ニ無水物のなかでも、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、ピロメリット酸二無水物を含むことが特に好ましい。
(熱可塑性ポリイミド酸製造時の溶媒)
本発明の熱可塑性ポリアミド酸を製造する際に用いられる溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができる。例えば、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用い得る。
本発明の熱可塑性ポリアミド酸を製造する際に用いられる溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができる。例えば、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用い得る。
(ポリイミド積層フィルムの製造方法)
本発明に用いられるポリイミド積層フィルムは以下の工程から得られる。
(1)剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、
(2)(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、
(3)(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程を含み、
(3)工程の加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことを特徴とする、ポリイミド積層フィルムの製造方法。
本発明に用いられるポリイミド積層フィルムは以下の工程から得られる。
(1)剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、
(2)(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、
(3)(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程を含み、
(3)工程の加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことを特徴とする、ポリイミド積層フィルムの製造方法。
(熱可塑性ポリアミド酸の製造方法)
まずは、(1)工程:剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、について説明する。
まずは、(1)工程:剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、について説明する。
本発明の熱可塑性ポリアミド酸の製造方法は、本願の目的を達成できる熱可塑性ポリアミド酸であれば公知のどうような方法も用いることが可能である。
例えば、以下の工程(A−a)〜(A−c):
(A−a)芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族ジアミンが過剰の状態で有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(A−b)工程(A−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを追加添加する工程、
(A−c)更に、工程(A−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程、
によって製造することができる。
(A−a)芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族ジアミンが過剰の状態で有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(A−b)工程(A−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを追加添加する工程、
(A−c)更に、工程(A−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程、
によって製造することができる。
または、以下の工程(B−a)〜(B−c):
(B−a)芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族酸二無水物が過剰の状態で有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る工程、
(B−b)工程(B−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を追加添加する工程、
(B−c)更に、工程(B−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程、
を経ることによってポリアミド酸を得ることも可能である。
(B−a)芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族酸二無水物が過剰の状態で有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る工程、
(B−b)工程(B−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を追加添加する工程、
(B−c)更に、工程(B−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程、
を経ることによってポリアミド酸を得ることも可能である。
任意のジアミンもしくは酸二無水物に、特定のジアミンもしくは酸二無水物が選択的に結合するように添加順序を設定する合成方法(例えば工程(A−a)〜(A−c)、および(B−a)〜(B−c))を本発明ではシーケンス重合と呼ぶ。これに対し、結合するジアミンと酸二無水物を投入順序で選択しない合成方法を本発明ではランダム重合と呼ぶ。
(熱可塑性ポリアミド酸の固形分濃度)
本発明の熱可塑性ポリアミド酸の製造時の固形分濃度は特に限定されず、5重量%〜35重量%の範囲内であれば非熱可塑性ポリイミドとした際に十分な機械強度を有するポリアミド酸が得られる。
本発明の熱可塑性ポリアミド酸の製造時の固形分濃度は特に限定されず、5重量%〜35重量%の範囲内であれば非熱可塑性ポリイミドとした際に十分な機械強度を有するポリアミド酸が得られる。
(熱可塑性ポリアミド酸のイミド化)
本発明において製造される熱可塑性ポリイミドは化学イミド化法や熱イミド化法などの種々の方法によりイミド化される。化学イミド化剤は脱水剤またはイミド化触媒の少なくとも一方を含む。ここで、脱水剤とは、ポリアミド酸に対し、脱水閉環作用を示すものであり、例えば、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド、ハロゲン化低級脂肪族、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物、またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。中でも入手の容易性、コストの点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ラク酸等の脂肪族酸無水物、またはそれら2種以上の混合物を好ましく用いることができる。脱水剤の好ましい量は、ポリアミド酸中のアミド酸ユニット1モルに対して、0.5モル〜5モル、好ましくは1.0モル〜4モルである。
本発明において製造される熱可塑性ポリイミドは化学イミド化法や熱イミド化法などの種々の方法によりイミド化される。化学イミド化剤は脱水剤またはイミド化触媒の少なくとも一方を含む。ここで、脱水剤とは、ポリアミド酸に対し、脱水閉環作用を示すものであり、例えば、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド、ハロゲン化低級脂肪族、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物、またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。中でも入手の容易性、コストの点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ラク酸等の脂肪族酸無水物、またはそれら2種以上の混合物を好ましく用いることができる。脱水剤の好ましい量は、ポリアミド酸中のアミド酸ユニット1モルに対して、0.5モル〜5モル、好ましくは1.0モル〜4モルである。
また、イミド化触媒とはポリアミド酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分を意味し、例えば、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等が用いられる。中でもイミド化触媒としての反応性の点から、複素環式第三級アミンから選択されるものが特に好ましく用いられる。具体的にはキノリン、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等が好ましく用いられる。イミド化触媒の好ましい量はポリアミド酸中のアミド酸ユニット1モルに対して、0.05モル〜3モル、好ましくは0.2モル〜2モルである。
脱水剤及びイミド化触媒がこれらの範囲内の場合、イミド化が十分に進み、またイミド化フィルム製造途中で破断したり、機械的強度が低下したりすることを減少させることが可能となる。
(熱可塑性ポリアミド酸の組成物)
本発明の熱可塑性ポリアミド酸には、フィラー、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、有機滑剤(例えばワックス)等の、各種添加剤を加えることができる。
本発明の熱可塑性ポリアミド酸には、フィラー、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、有機滑剤(例えばワックス)等の、各種添加剤を加えることができる。
(非熱可塑性ポリイミド)
本発明のポリイミド積層フィルムは、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に本発明の熱可塑性ポリイミド層を有するものを用いることが可能である。以下、本発明において用いられる非熱可塑性ポリイミドフィルムの例を説明する。
本発明のポリイミド積層フィルムは、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に本発明の熱可塑性ポリイミド層を有するものを用いることが可能である。以下、本発明において用いられる非熱可塑性ポリイミドフィルムの例を説明する。
非熱可塑性ポリイミドフィルムに用いられ得る非熱可塑性ポリイミドの製造に使用するジアミンおよびは酸二無水物特に限定されるものではない。例えば、熱可塑性ポリアミド酸で使用されるジアミンおよび酸二無水物を例示することができる。ジアミンとしては4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、メタートリジン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、酸二無水物としてはベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、オキシジフタル酸が熱可塑性ポリイミド層との接着性などの点から好ましい。
非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸(以下、非熱可塑性ポリアミド酸ともいうことがある)は、ジアミンと酸二無水物を有機溶媒中で実質的に略等モルになるように混合、熱処理を行い反応することにより得られる。例えば、原料であるジアミンと酸二無水物の添加順序についても特に限定されない。しかし、原料の化学構造だけでなく、添加順序を制御することによっても、得られる非熱可塑性ポリイミドの特性を制御することが可能である。非熱可塑性ポリイミドの重合方法、重合用溶媒、反応温度や反応時間は特に限定されるのもではない。ポリアミド酸をポリイミドとする際の硬化剤や硬化条件等も特に限定されない。反応させる場合も、熱イミド化や化学イミド化の方法を利用することができる。
非熱可塑性ポリアミド酸には、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
非熱可塑性ポリアミド酸をイミド化して得られる非熱可塑性ポリイミドフィルム、またはポリイミド積層フィルムとしての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂を混合しても良い。これら樹脂の添加方法も公知の方法を適用することが可能である。
(ポリイミド積層フィルムの製造)
続いて、(2)工程:(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、および(3)工程:(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程、について説明する。
続いて、(2)工程:(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、および(3)工程:(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程、について説明する。
ポリイミド積層フィルムを製造する方法は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を積層することができれば特に制限されない。例えば、非熱可塑性ポリイミドフィルムに、熱可塑性ポリアミド酸を含むポリマー溶液を塗布し、その後熱処理を行う方法や、非熱可塑性ポリアミド酸を含むポリマー溶液と熱可塑性ポリアミド酸を含むポリマー溶液を多層ダイを用いて支持体(例えば、金属、セラミック、ポリマー製のロールまたはベルト)の表面上に流延して、熱処理を行う方法などが挙げられる。
非熱可塑性ポリイミドフィルムを得る方法も特に制限されず、種々の公知の方法を適用できる。例えば、非熱可塑性ポリアミド酸を含むポリマー溶液を支持体(例えば、金属、セラミック、ポリマー製のロールまたはベルト)の表面上に流延して、ポリマー溶液膜を形成する。その後必要に応じて熱処理を行い、ポリマー溶液から溶媒を除去して自己支持性フィルムを得て、さらに加熱処理を行い、イミド化反応を進め、非熱可塑性ポリイミドフィルムを製造する方法が挙げられる。
本発明で得られるポリイミド積層フィルムは、(3)工程の加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことを特徴とする。すなわち、熱可塑性ポリイミドの加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことによって凝集構造を制御する。本発明では、熱可塑性ポリイミドの凝集構造がデスミア液の侵入を抑制し、クラックの発生を防ぐ効果をもたらすと考えられ、熱可塑性ポリイミドの加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことによって凝集構造の制御が達成できる。
(フレキシブル金属張積層板)
本発明のポリイミド積層フィルムを、銅箔などの金属箔と貼り合わせることによりフレキシブル金属張積層板を製造することができる。フレキシブル金属張積層板の製造方法としては、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、装置構成が単純であり保守コストの面で有利であるという点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いることが好ましい。また、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置で金属箔と貼り合わせた場合に特に寸法変化が発生しやすいことから、本発明のポリイミド積層フィルムは、熱ロールラミネート装置で金属箔と張り合わせた場合に顕著な効果を発現する。ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。
本発明のポリイミド積層フィルムを、銅箔などの金属箔と貼り合わせることによりフレキシブル金属張積層板を製造することができる。フレキシブル金属張積層板の製造方法としては、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、装置構成が単純であり保守コストの面で有利であるという点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いることが好ましい。また、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置で金属箔と貼り合わせた場合に特に寸法変化が発生しやすいことから、本発明のポリイミド積層フィルムは、熱ロールラミネート装置で金属箔と張り合わせた場合に顕著な効果を発現する。ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。
(フレキシブル金属箔積層体のデスミアクラック耐性)
本発明によって得られるポリイミド積層フィルムは、ロールツーロール式で連続的にフレキシブルプリント配線板を製造する際に、デスミアクラックの発生を抑制できる。これを調べる方法として、本発明ではフレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性を評価した。この方法で膨潤液に15分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものはアルカリ環境下に起因するクラックの発生を抑制できるという点で好適であり、45分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものが特に好適である。
本発明によって得られるポリイミド積層フィルムは、ロールツーロール式で連続的にフレキシブルプリント配線板を製造する際に、デスミアクラックの発生を抑制できる。これを調べる方法として、本発明ではフレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性を評価した。この方法で膨潤液に15分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものはアルカリ環境下に起因するクラックの発生を抑制できるという点で好適であり、45分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものが特に好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(動的粘弾性測定)
貯蔵弾性率は、SIIナノテクノロジー社製 DMS6100により窒素雰囲気下にて動的粘弾性を測定し、貯蔵弾性率の温度依存性をプロットした。
サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離20mm
測定温度範囲;0℃〜400℃
昇温速度;3℃/分
歪み振幅;10μm
測定周波数;5Hz
最小張力/圧縮力;100mN
張力/圧縮ゲイン;1.5
力振幅初期値;100mN
(フレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性)
実施例ならびに比較例で得られたフレキシブル金属箔積層体から長手方向に10cm、幅5cmの大きさに切り取り、切り取った積層体の片側の金属箔層をエッチング処理した。このテストピースをクッション材に挟み、180℃、17.23kgf/cm2の条件で90分間熱プレスを行った。その後、50℃に保った膨潤液に90秒、70℃に保ったデスミア液に600秒、室温に保った中和液に40秒、順次浸漬した。浸漬後、水で洗浄した後に60℃で10分間乾燥させた。その後、上記のテストピースを以下のようにプレス処理した。まず、テストピースをクッション材に挟み、180℃、17.23kgf/cm2の条件で90分間熱プレスを行った。この時、FR4基板は1.0cm×2.5cm×8箇所の穴がくり抜かれているものを使用した。以上のテストピースを膨潤液に90秒浸漬後、FR4基板の穴ごとに2.2cm×5.0cmのサイズに切り落とし測定用の試験片とした。上記の測定用試験片を70℃に保ったデスミア液に所定の時間(15、30、45、60分間)浸漬させ、室温に保った中和液に40秒、順次浸漬させた。浸漬後、水で洗浄・60℃で10分間乾燥させた試験片におけるFR4の空洞部分を観察に使用した。観察は光学顕微鏡を用い、50倍〜200倍で観察し、クラックの発生有無を判定した。膨潤液に45分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものを◎、15分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものを○、15分浸漬させた際にクラックが確認されたものを×とした。
貯蔵弾性率は、SIIナノテクノロジー社製 DMS6100により窒素雰囲気下にて動的粘弾性を測定し、貯蔵弾性率の温度依存性をプロットした。
サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離20mm
測定温度範囲;0℃〜400℃
昇温速度;3℃/分
歪み振幅;10μm
測定周波数;5Hz
最小張力/圧縮力;100mN
張力/圧縮ゲイン;1.5
力振幅初期値;100mN
(フレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性)
実施例ならびに比較例で得られたフレキシブル金属箔積層体から長手方向に10cm、幅5cmの大きさに切り取り、切り取った積層体の片側の金属箔層をエッチング処理した。このテストピースをクッション材に挟み、180℃、17.23kgf/cm2の条件で90分間熱プレスを行った。その後、50℃に保った膨潤液に90秒、70℃に保ったデスミア液に600秒、室温に保った中和液に40秒、順次浸漬した。浸漬後、水で洗浄した後に60℃で10分間乾燥させた。その後、上記のテストピースを以下のようにプレス処理した。まず、テストピースをクッション材に挟み、180℃、17.23kgf/cm2の条件で90分間熱プレスを行った。この時、FR4基板は1.0cm×2.5cm×8箇所の穴がくり抜かれているものを使用した。以上のテストピースを膨潤液に90秒浸漬後、FR4基板の穴ごとに2.2cm×5.0cmのサイズに切り落とし測定用の試験片とした。上記の測定用試験片を70℃に保ったデスミア液に所定の時間(15、30、45、60分間)浸漬させ、室温に保った中和液に40秒、順次浸漬させた。浸漬後、水で洗浄・60℃で10分間乾燥させた試験片におけるFR4の空洞部分を観察に使用した。観察は光学顕微鏡を用い、50倍〜200倍で観察し、クラックの発生有無を判定した。膨潤液に45分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものを◎、15分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものを○、15分浸漬させた際にクラックが確認されたものを×とした。
(フレキシブル金属張積層板の吸湿半田耐熱性)
実施例ならびに比較例で得られた両面フレキシブル金属張積層板について、3.5cm角に切り出し、片面(便宜的にA面とする)は2.5cm角の銅箔層がサンプル中央に残るように、反対面(便宜的にB面とする)は銅箔層が全面に残るように、エッチング処理で余分な銅箔層を除去してサンプルを五つ作製した。得られたサンプルを85℃、85%R.H.の加湿条件下で、72時間放置し、吸湿処理を行った。吸湿処理後、サンプルを300℃の半田浴に10秒間浸漬させた。半田浸漬後のサンプルについて、B面の銅箔層をエッチングにより完全に除去し、銅箔が重なっていた部分の外観に変化が無い場合は○(良)、多層ポリイミド層の白化、膨れ、銅箔層の剥離のいずれかが確認された場合は×(悪)とした。
実施例ならびに比較例で得られた両面フレキシブル金属張積層板について、3.5cm角に切り出し、片面(便宜的にA面とする)は2.5cm角の銅箔層がサンプル中央に残るように、反対面(便宜的にB面とする)は銅箔層が全面に残るように、エッチング処理で余分な銅箔層を除去してサンプルを五つ作製した。得られたサンプルを85℃、85%R.H.の加湿条件下で、72時間放置し、吸湿処理を行った。吸湿処理後、サンプルを300℃の半田浴に10秒間浸漬させた。半田浸漬後のサンプルについて、B面の銅箔層をエッチングにより完全に除去し、銅箔が重なっていた部分の外観に変化が無い場合は○(良)、多層ポリイミド層の白化、膨れ、銅箔層の剥離のいずれかが確認された場合は×(悪)とした。
(熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
(合成例1)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.68gに、ODA12.25gを添加した。続いてBAPB22.54gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA25.20gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA7.21gを添加し30分間攪拌を行った。0.80gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はランダム重合によって合成された。
(合成例1)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.68gに、ODA12.25gを添加した。続いてBAPB22.54gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA25.20gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA7.21gを添加し30分間攪拌を行った。0.80gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はランダム重合によって合成された。
(合成例2)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.68gに、ODA12.25gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながらBPDA16.20gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、BAPB22.54gを添加した。続いて、BPDA9.00gを徐々に添加した後、PMDA7.21gを添加し、30分間攪拌を行った。0.80gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はシーケンス重合によって合成された。
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.68gに、ODA12.25gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながらBPDA16.20gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、BAPB22.54gを添加した。続いて、BPDA9.00gを徐々に添加した後、PMDA7.21gを添加し、30分間攪拌を行った。0.80gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はシーケンス重合によって合成された。
(合成例3)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.68gに、BAPB22.54gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながらBPDA16.20gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、ODA12.25gを添加した。続いて、BPDA9.00gを徐々に添加した後、PMDA7.21gを添加し、30分間攪拌を行った。0.80gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はシーケンス重合によって合成された。
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.68gに、BAPB22.54gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながらBPDA16.20gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、ODA12.25gを添加した。続いて、BPDA9.00gを徐々に添加した後、PMDA7.21gを添加し、30分間攪拌を行った。0.80gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はシーケンス重合によって合成された。
(合成例4)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.77gに、ODA10.93gを加え、続けてBAPBを20.11g添加した。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながらBPDA21.41gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA2.65gを添加し30分間攪拌した。その後、BAPP4.98gを添加した後、PMDA7.14gを添加し、30分間攪拌を行った。0.79gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はシーケンス重合によって合成された。
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.77gに、ODA10.93gを加え、続けてBAPBを20.11g添加した。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながらBPDA21.41gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA2.65gを添加し30分間攪拌した。その後、BAPP4.98gを添加した後、PMDA7.14gを添加し、30分間攪拌を行った。0.79gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はシーケンス重合によって合成された。
(合成例5)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.51gに、ODA9.97gを添加した。続いてBAPB22.92gを添加し、PDAを1.35g添加した。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA25.63gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA7.33を添加し30分間攪拌を行った。0.81gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はランダム重合によって合成された。
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.51gに、ODA9.97gを添加した。続いてBAPB22.92gを添加し、PDAを1.35g添加した。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA25.63gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA7.33を添加し30分間攪拌を行った。0.81gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。得られた熱可塑性ポリイミド前駆体はランダム重合によって合成された。
(非熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
(合成例6)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF657.82gに、ODA10.53gを添加した。続いてBAPP32.39gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BTDA16.95gを徐々に添加した。BTDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA14.34gを添加し、続けてPDA14.22g、PMDA32.70gを添加した後、30分間攪拌を行った。1.72gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が2000ポイズに達した時点で重合を終了した。
(合成例6)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF657.82gに、ODA10.53gを添加した。続いてBAPP32.39gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BTDA16.95gを徐々に添加した。BTDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA14.34gを添加し、続けてPDA14.22g、PMDA32.70gを添加した後、30分間攪拌を行った。1.72gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が2000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.8)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×90秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
合成例1〜6のモノマー添加順序(モル比)、重合方法、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
(実施例1)
合成例6で得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した。続いて、300℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmの積層ポリイミドフィルムを得た。
合成例6で得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した。続いて、300℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmの積層ポリイミドフィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたフレキシブル金属張積層板の吸湿半田耐熱性を評価した。結果を表2に示す。
続いて、合成例1で得られたポリアミック酸溶液をアルミ箔にコンマコーターを用いて塗布し、120℃で180秒間乾燥した。その後、250℃で60秒、更に300℃で200秒加熱し、アルミ箔をエッチング処理することで接着層のポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの貯蔵弾性率の測定を行った。結果を表2に示す。
(実施例2〜比較例9)
熱可塑性ポリイミド前躯体を合成例2から合成例5に変え、それぞれイミド化温度を320℃〜390℃に変えた以外は、実施例1と同様に行い、フレキシブル金属箔積層体・接着層のポリイミドフィルムを作製し、吸湿半田耐熱評価ならびに貯蔵弾性率を測定した。結果を表2に示す。
熱可塑性ポリイミド前躯体を合成例2から合成例5に変え、それぞれイミド化温度を320℃〜390℃に変えた以外は、実施例1と同様に行い、フレキシブル金属箔積層体・接着層のポリイミドフィルムを作製し、吸湿半田耐熱評価ならびに貯蔵弾性率を測定した。結果を表2に示す。
(考察)
表2の結果から、貯蔵弾性率の温度依存性曲線(DMA曲線)がガラス転移温度より高温において変曲点を有し、前記変曲点における貯蔵弾性率が0.6×108Pa〜1.8×108Paである、熱可塑性ポリイミドはデスミアクラック耐性に優れることがわかる。
表2の結果から、貯蔵弾性率の温度依存性曲線(DMA曲線)がガラス転移温度より高温において変曲点を有し、前記変曲点における貯蔵弾性率が0.6×108Pa〜1.8×108Paである、熱可塑性ポリイミドはデスミアクラック耐性に優れることがわかる。
1.実施例1の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
2.実施例2の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
3.実施例3の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
4.比較例1の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
5.比較例2の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
6.本発明の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率のショルダー部分
7.本発明の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の変曲点
2.実施例2の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
3.実施例3の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
4.比較例1の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
5.比較例2の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の温度依存性
6.本発明の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率のショルダー部分
7.本発明の動的粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率の変曲点
Claims (3)
- 非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を積層するポリイミド積層フィルムの製造方法であって、少なくとも以下の工程、
(1)剛直成分を有する酸二無水物と剛直成分を有するジアミンを用いて、熱可塑性ポリアミド酸を製造する工程、
(2)(1)工程で得られた熱可塑性ポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層するポリイミド積層フィルムの前駆体を得る工程、
(3)(2)工程で得られたポリイミド積層フィルムの前駆体を加熱処理することによりポリイミド積層フィルムを得る工程を含み、
(3)工程の加熱処理をガラス転移温度Tg℃〜(Tg+100)℃の温度範囲で行うことを特徴とする、ポリイミド積層フィルムの製造方法。 - 熱可塑性ポリイミドが、少なくとも剛直を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分を有することを特徴とする、請求項1に記載のポリイミド多層フィルムの製造方法。
- 熱可塑性ポリイミドが、酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を少なくとも含み、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテルもしくは4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルの少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1まはた2に記載のポリイミド積層フィルムの製造方法。
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