JP2017177557A - 3次元造形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3次元造形装置において、エネルギービーム照射に伴い造形ステージ付近で発生するヒュームの拡散を効率よく防止できるようにする。【解決手段】造形ステージ101上に配置された粉末層に対してレーザ光111を走査し、固化層を形成する工程を繰り返し、3次元造形を行う。レーザ光111を通過させるスリットを備え、造形ステージ101上に、粉末層107に対するレーザ光111の照射位置を局所的に包囲し、レーザ光111の照射により生じるヒューム(118)の拡散を抑制する局所カバー104を配置する。移動ステージ126により、局所カバー104は、レーザ光111の走査に応じて、スリットをレーザ光111が通過するようカバーを移動させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、造形ステージに配置された粉末層に対してエネルギービームを走査し、固化層を形成する工程を繰り返し、3次元造形を行う3次元造形装置に関するものである。
いわゆる3Dプリンタなどの名称で、3次元積層造形技術方式の一つである粉末床溶融結合法を利用した3次元造形装置が実現されている。この種の3次元造形装置では、造形ステージ上に配置された粉末層に対してエネルギービームを走査し、固化層を形成する工程を繰り返し、3次元造形を行う。造形ステージ上に材料粉末を配置するには、例えば材料粉末を敷く可動式粉敷きローラが用いられる。また、この種の3次元造形装置では、エネルギービームには、高エネルギーのレーザ光などが用いられる。以下では、造形用のエネルギービームがレーザ光、またその発生源がレーザ光源である場合につき言及する。
この種の3次元造形装置では、造形ステージ上に粉敷きローラにより材料粉末を配置し、レーザの加熱で選択的に融解して、造形ステージ上に成層させる工程を繰り返し、立体形状を造形する。材料粉末の特性などにもよるが、レーザ照射、加熱の工程で、造形ステージの周囲の雰囲気を不活性ガスの充填、減圧などによって不活性化する必要がある場合がある。このため、多くの3次元造形装置では、造形ステージおよびその周辺を覆うチャンバーが配置される。
この種のチャンバーを配置する場合、造形ステージ、および粉敷きローラのような材料粉末の供給手段はチャンバー内に配置される。また、レーザ光源とレーザ光の走査手段はチャンバー外側に配置され、レーザ光チャンバーに設けた透過窓を介して造形ステージ上を例えば2次元走査するように照射される。
レーザ照射による造形時、材料粉末がレーザで融解されると同時に、ヒューム(fume)などと呼ばれる煙状の物質、例えば金属蒸気や樹脂蒸気が放出される。これを放置すると、成層の繰返しにより、最終的に上記のチャンバー内が大量のヒュームで満たされ、レーザ透過窓にヒュームが付着し、レーザを拡散ないし減衰させ、レーザ照射強度が低下する問題を生じる。また、レーザ光路上にヒュームが滞留することにより同様にレーザの拡散・減衰の問題が発生する。これにより、例えば、造形ステージまで届くレーザのエネルギー密度が低下し、加工品質、例えば造形精度などに影響を与える可能性がある。
レーザ照射に伴い発生するヒュームに関しては、下記の特許文献1、2のような構成が提案されている。特許文献1では、チャンバー上部に設けられたレーザ透過窓の下方空間領域を包囲する筒部材を設け、その筒部材の内部に筒部材の下端部の起点からチャンバー内の雰囲気とは異なる温度または種類のガスを供給する。特許文献1では、供給ガスとチャンバー内の雰囲気との温度差或いは密度差に起因した下向きの自然対流によって供給ガスと共にヒュームを下方へと移動させ、回収することにより、レーザ照射強度の低下や造形精度の問題を解決しようとしている。
また、特許文献2では、チャンバー上部に設けられたレーザ透過窓の下方に、照射されるレーザ光を遮断しないような開口部を有する筐体と、筐体内をチャンバー内のガスと同じ種類のガスで充満させる不活性ガス供給路とを備えた機構を有する。開口部からガスを噴出して、前記レーザ光の照射経路に沿ってガスの層流を形成し、レーザ光路からヒュームを除去し、ヒュームによる造形精度とレーザ強度の低下は緩和することもできる。
特許第5764751号公報 特許第5721887号公報
上記の特許文献1、2ともに、粉敷きローラと造形ステージを囲むチャンバーの上部に下降気流を形成する構造を設けている。この下降気流により、造形時に生じるヒュームをチャンバーの透過窓付近とレーザ光路から遠ざけ、回収しようとしている。
しかし、上記のような従来のヒューム回収方法では、レーザ発振器の付近で形成された下降気流がチャンバー内に通過する際、周り空気の抵抗などにより、気流の動圧が低下していくことになる。その結果、造形ステージ付近では、気流の速度が大きく低下し、レーザ光路上におけるヒュームの除去が不充分となり、除去されなかったヒュームがチャンバー内に滞留する可能性がある。また、除去されなかったヒュームがレーザ透過窓を含めたチャンバー内の部品に付着する問題が生じる。
本発明の課題は、上記の問題に鑑み、3次元造形装置において、エネルギービーム照射に伴い造形ステージ付近で発生するヒュームの拡散を効率よく防止できるようにすることにある。
上記の課題を解決するため、本発明においては、造形ステージに配置された粉末層に対してエネルギービームを走査し、固化層を形成する工程を繰り返し、3次元造形を行う3次元造形装置において、前記エネルギービームを通過させるスリットを備え、前記造形ステージに配置された前記粉末層に対する前記エネルギービームの照射位置を局所的に包囲し、前記エネルギービームの照射により生じるヒュームの拡散を抑制するカバーと、前記エネルギービームの走査に応じて、前記スリットを前記エネルギービームが通過するよう前記カバーを移動させる移動装置と、を備えた構成を採用した。
上記構成によれば、エネルギービームを通過させるスリットを備え、エネルギービームの照射位置を局所的に包囲し、エネルギービームの照射により生じるヒュームの拡散を抑制するカバーを設けている。このため、エネルギービーム照射に伴い造形ステージ付近で発生するヒュームの拡散を効率よく防止でき、高精度な3次元造形を行える優れた3次元造形装置を提供することができる。
本発明を実施可能な3次元造形装置の構成を示した説明図である。 図1の3次元造形装置の造形ステージ近傍を拡大して示した説明図である。 図1の3次元造形装置のカバー(局所カバー)の構成例(実施例1)を示した斜視図である。 図1の3次元造形装置のカバー、およびその駆動機構の構成例(実施例1)を示した上面図である。 図1の3次元造形装置のカバーの構成例(実施例1)を示した断面図である。 図1の3次元造形装置のカバーの構成例(実施例2)を示した断面図である。 図1の3次元造形装置のカバー、およびその駆動機構の構成例(実施例3)を示した上面図である。 図1の3次元造形装置のカバー、およびその駆動機構の構成例(実施例4)を示した上面図である。 本発明を実施した3次元造形装置のカバーの構成例(実施例5)を示した断面図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
<実施例1>
本発明を実施可能な粉末床溶融結合法を用いた3次元造形装置の構成例の1つにつき、図1と図2を参照して説明する。図1は本発明を実施可能な3次元造形装置の基本構成を示している。図1は、本実施例のみならず、後述の他の実施例にも共通する概略構成を示している。図2は図1の3次元造形装置の造形ステージ近傍を拡大して示しており、特に造形時に材料粉末の融解によって放出されたヒュームのイメージを示している。
図1に示すように、3次元形状の造形物が造形される造形ステージ101を有する。造形ステージ101は造形物の積層の進行に応じて、造形テーブル103により、例えば除々に下降させるように昇降可能である。造形テーブル103の昇降機構102は、例えばモータのような駆動源、ラック&ピニオンのような駆動系を備え、制御部120の制御により造形物の積層の進行に応じて造形ステージ101を昇降駆動する。
図1の3次元造形装置は、造形ステージ101上に材料粉末を供給して粉末層107を形成するために、可動式の粉敷きローラ105を備える。粉敷きローラ105の図示の位置は退避ないし待機位置であり、粉敷きローラ105はこの位置からローラ駆動機構1051によって造形ステージ101上に移動させ、材料粉末を供給して粉末層107を形成することができる。材料粉末は、不図示の容器に収容され例えば適量ずつ粉敷きローラ105に供給される。
造形ステージ101上の粉末層107に照射するエネルギービームとして、本実施例ではレーザ光を用いる。レーザ光111の発生源としてのレーザ光源1091と、レーザ光111を2次元走査するレーザ走査装置109は、例えば造形中に発生するヒュームの影響を避けるため、造形環境中の雰囲気を保持するチャンバー110の外部に配置する。
本実施例のレーザ走査装置109は、造形ステージ101上でレーザ光111を少なくとも2次元(XY)方向に走査できるよう構成される。このため、例えばレーザ走査装置109は造形物の形状に応じて制御される2枚のガルバノミラーを用いて構成される。レーザ走査装置109が2次元走査するレーザ光111は、チャンバー110の上部、例えば造形ステージ101の中心の直上に設けられたレーザ透過窓112を介して造形ステージ101上の照射領域に照射される。このレーザ光111は、造形ステージ101上に敷設された粉末層107を加熱し、造形物の層構造に応じて融解固化させ、固化層106を形成する。
チャンバー110には、供給口113を介してチャンバー110内を満たす雰囲気として不活性ガスを供給する不活性ガス供給機構115が接続されている。不活性ガス供給機構115は、所定の供給圧力をもって、チャンバー110内、および継手133(図4)を介して不活性ガスを供給できるよう構成される。また、不活性ガス供給機構115は、後述のカバー104(局所カバー:図3)の開口129を介してカバー104内部に所定の供給圧力をもって不活性ガスを供給する。
この回収した不活性ガスに含まれている造形時に放出されたヒューム(下記の118)を回収するため、ヒューム回収機構116がチャンバー110の外部に配置されている。ヒューム回収機構116は、基本的にはエアコンプレッサなどを用いた負圧発生装置を含み、チャンバー110の回収口114と接続され、チャンバー110の内部の不活性ガスを回収する。
チャンバー110からヒューム回収機構116の本体に向かう回収経路の途中には、ダクト回収ボックス108を配置することができる。ダクト回収ボックス108は、ヒュームや他の異物粉体などをキャッチし、回収するフィルタや回収容器などから構成する。
また、後述のカバー104(局所カバー)に設けた回収経路(135a)は、回収経路135cを介してダクト回収ボックス108と接続されている。これにより、カバー104の回収経路135aにヒューム回収機構116の負圧を作用させ、カバー104の内部で発生したヒュームをダクト回収ボックス108へと回収する。
不活性ガス供給機構115およびヒューム回収機構116は、チャンバー110の内部の雰囲気の状態を保つとともに、後述のカバー104の内部において、ヒューム(118)を含む雰囲気を整流するための圧力制御に利用される。
図2は図1の3次元造形装置の造形ステージ近傍を拡大して示しており、造形ステージ101上の粉末層107にレーザ光111を照射して固化層106を形成する際、ヒューム118が発生する。このヒューム118は、材料粉末の特性によっても異なるが、例えば金属蒸気や樹脂蒸気(あるいはこれらの微細な粉体など)を含む煙状の物質である。このヒューム118は、レーザ光111の通過領域においてはレーザ光111を拡散させ、粉末層107に到達するエネルギー強度を低下させる可能性がある。また、ヒューム118が図1のレーザ透過窓112に付着し、これを汚染すると、やはりレーザ光111を拡散させ、照射強度を低下させる可能性がある。
本実施例では、造形ステージ101付近のレーザ照射領域で加熱により発生するヒューム118(図2)の拡散を防止するため、図1に示すように、造形ステージ101の上部を局所的に覆うカバー104(局所カバー)を設ける。本実施例のカバー104は、全体として下方が開放された円筒状容器の形状であり、造形ステージ101の上部に配置される。カバー104の上部には、レーザ光111を通過させるためのスリット127が設けられる。このカバー104により、造形ステージ101の上部の照射領域を局所的に覆い、ヒューム118がチャンバー110内に拡散してレーザ光111の通過する空間に滞留し、またレーザ透過窓112に付着したりするのを防止する。
カバー104の構造については、以下で図3〜図6を参照し、さらに詳細に説明する。本実施例のカバー104は、チャンバー110内のヒューム118の拡散を防止する他、カバー104のスリット127を通過するレーザ光111に対する影響を低下させるための機構を有する。この機構は、後述するように、例えば、ヒュームが離間する方向に流れるようヒュームを整流する整流機構から構成することができる。
また、本実施例では、カバー104は、レーザ光111がスリット127を通過することができるよう、レーザ走査装置109のレーザ走査に応じて、カバー104を移動させる移動装置を設ける。この移動装置は、例えば移動ステージ126(図1)により構成することができる。
図1の移動ステージ126は、後述の直動ステージ126a(図4)、126b(図7、図8)などに相当する。ここで、スリット127が、レーザ光111の2次元走査のうち1つの走査方向をカバーする直線形状(例えば図3、図4)であるものとする。この場合、移動ステージ126(図1)は、は少なくとも前記スリット127に交差する走査方向にカバー104を移動可能な直動ステージ126a(図4)として構成する。また、スリット127は、例えばレーザ光111の2次元走査の2走査方向(XY2軸)をカバーするような十字形状(例えば図7、図8)とすることもできる。この場合には、移動ステージ126(図1)はXY2軸に沿ってカバー104を移動可能なXYステージ(図7、図8の126b)として構成することができる。この構成については、後述の実施例3で詳述する。
また、レーザ光111を走査する場合、必ずしも造形ステージ101(ないしそのXY2軸)に対して、直交的に走査するばかりとは限らない。造形条件によっては、レーザ光111を造形ステージ101(ないしそのXY2軸)に対して傾斜した方向に走査したい場合もあり得る。その場合には、カバー104のスリット127は、レーザ光111の1つの走査方向に沿って図8に示すように傾斜させることができるよう構成する必要がある。図8の例では、移動ステージ126(図1)によって、カバー104はXY2軸に沿って直動可能、かつZ軸(例えば図1の上下方向に相当)廻りに回動可能に支持する。そして、XYステージ126bによってカバー104は、XY2軸に沿って走査し、また回動ローラ137などによって例えばスリット中心廻りの回動姿勢を制御可能とする。
このように、図1の移動ステージ126は、レーザ走査の1ないし2軸(X、Y)に沿う方向(1041)、カバー104を移動(走査)するよう構成することができる。さらに、レーザ光111を造形ステージ101のXY平面に対して傾斜した方向に走査する必要がある場合には、移動ステージ126は、カバー104をXY平面に直交する軸(Z軸ないしそれに並行な軸)廻りに回動できるよう構成することができる。この構成については、後述の実施例4で詳述する。
以上のようにレーザ走査装置109によるレーザ光111の走査に応じて移動ステージ126によりカバー104を移動させる動作は、制御部120によって両者を同期させる制御を行うことにより実現できる。
制御部120は、例えば汎用マイクロプロセッサなどから成るCPU121、ROM122、RAM123などを用いて構成することができる。制御部120は、粉敷きローラ105の材料粉末を供給制御、造形ステージ101の昇降機構102の昇降制御、レーザ光源1091の点灯制御およびレーザ走査装置109による走査制御を行うことにより、3次元造形全体の動作を制御する。また、3次元造形動作の進行に伴ない、不活性ガス供給機構115およびヒューム回収機構116を制御する。
特に、3次元造形動作においては、カバー104のスリット127を介してレーザ光111を照射する。このため、制御部120はレーザ走査装置109による走査制御に同期して、レーザ光111が常にスリット127を通過できるよう、移動ステージ126によってカバー104を移動させる制御を行う。この移動ステージ126によるカバー104の移動(走査)制御の詳細については、後ほど詳細に説明する。
制御部120が、カバー104の移動(走査)制御を含む3次元造形動作を制御するための制御手順は、例えばCPU121が実行する制御プログラムとして、ROM122に格納しておくことができる。この制御プログラムを実行する際、CPU121はRAM123をワークエリアとして用いる。また、この制御プログラムをROM122(や不図示の各種フラッシュメモリやHDDのような外部記憶装置)に記録(格納)する場合、これらの記録媒体は、本発明を実施するための制御手順を格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。なお、後述の制御手順を実行させるプログラムは、ROMやHDDのような固定的な記録媒体に格納する他、各種フラッシュメモリや光(磁気)ディスクのような着脱可能なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このような格納形態は、本発明の制御手順を実行させる制御プログラムをインストールしたり更新したりする場合に利用できる。また、本発明の制御手順を実行させるプログラムをインストールしたり更新したりする場合、上記のような着脱可能な記録媒体を用いる他、不図示のネットワーク(イントラネットなど)を介してプログラムをダウンロードする方式を利用してもよい。
さらに、制御部120には、液晶ディスプレイなどを用いた表示部124と、キーボード(あるいはさらにマウスなどのポインティングデバイス)などから成る操作部119を接続することができる。表示部124は、3次元造形動作の進行や、設定時の制御パラメータなどを表示するために用いられる。操作部119は、3次元造形動作の起動、(一時)停止などを指令し、また、設定時の制御パラメータ入力などに用いられる。
図3〜図5を参照して、カバー104の構成例を示す。図3〜図5においては、特にカバー104の空力学的な構成、特にヒュームがスリット127付近から離間する方向に流れるようヒュームを整流する整流機構についても説明する。図3はカバーの斜視図、図4は上面図で、図5は図4で示しているA方向から見た断面図である。カバー104は造形による発生したヒューム118(図2)をカバー104の局所空間の外に拡散しないよう封じ込めるために造形ステージ101上に設置され、造形中の固化層106を包囲する。
図3に示すように、カバー104の本体部は、例えば金属ないし樹脂などの材料から、造形ステージ101側の下方が開放された円筒形状に構成する。即ち、カバー104の本体部は、上部板としての円形の分圧板130と、その下面の周囲を取り囲むように形成された側壁104aから構成される。分圧板130と側壁104aは一体構成でもよく、あるいは接着や溶接、ネジ止めなどの手法により、好ましくはこれら2者の間は気密状態で結合する。
レーザ光111を透過させるスリット127は、例えばカバー104の上部板である分圧板130の直径方向に沿って形成する。
カバー104の上部板を構成する分圧板130は、図示のように側壁104aの部分の頂部よりも低い位置に配置する。そして、側壁104aの部分の頂部には、レーザ光111を透過可能な例えば(耐熱)ガラスなどの材料から成るレーザ透過材131aを接着、その他の手法により好ましくは気密状態で結合する。
かくして、カバー104の上部板を構成する分圧板130とレーザ透過材131aの間に圧力室131が画成される。この圧力室131には、分圧板130よりも上部の側壁104aには、カバー104の外部から気体を導入するための開口129が開いている。図3では、開口129は2個所に図示してあるが、この数は任意であり、例えば4個所に開口129を配置する場合は、図4に示す4個所の継手133(ダクト)とそれぞれ連通させる。
これら継手133には、図1の不活性ガス供給機構115(図1)の不活性ガス供給路を接続する。これにより、4個所の継手133および開口129を介して、分圧板130の上部の圧力室131内に不活性ガスを供給することができる。
なお、カバー104にレーザ光111を通過させるスリット127を設けるため、分圧板130および側壁104aの部位は、例えば遮光性のある不透明材料から構成すればよい。ただし、この分圧板130および側壁104aの遮光性は、本発明に必須の要件ではない。
さらに、図5に示すように、カバー104の下縁部には、例えば円形の溝形状の不活性ガスの回収経路135aを設ける。この回収経路135aは、図1に破線で示したダクト回収ボックス108に向かう回収経路135cと連通させることができる。カバー104の回収経路135aと回収経路135cは、上記の継手133と同様の連通路(不図示)により結合することができる。
上記の分圧板130上部の圧力室131、およびその開口129、スリット127、およびカバー104の下縁の回収経路135aは、カバー104内部の気体の流れ(図4、図5の矢印134a、134b)を整流する整流機構を構成する。
即ち、レーザ光111照射による造形中、図5に示すように、開口129を介して不活性ガス供給機構115(図1)から陽圧の不活性ガスを供給する。一方、カバー104の下縁の回収経路135aには、ダクト回収ボックス108(図1)を介してヒューム回収機構116の負圧を印加する。これにより、分圧板130上部の圧力室131の陽圧と、分圧板130より下の陰圧により、分圧板130の上下に圧力差が生じ、カバー104の内部の気体の流れは、図4、図5の矢印134a、図5の矢印134bのように整流される。
即ち、開口129(、129…)から流入した不活性ガスは、図4、図5の矢印134aのように分圧板130のスリット127に向かって集中する。そして、図5の矢印134bのようにスリット127から下方に向かって吹き出し、さらにカバー104の下縁の回収経路135aから印加される負圧によって回収経路135aの方向に向かう。
上記のようにして、カバー104の内部の気体の流れは矢印134a、134bのように整流される。即ち、圧力室131の内部では、開口129から分圧板130のスリット127に向かうよう気流が整流される(矢印134a)。また、カバー104下部、固化層106の上部の照射領域においては、カバー104の下縁の回収経路135aから印加される負圧によって、ヒューム118は回収経路135aの方向に向かうよう整流される(矢印134b)。
即ち、レーザ光111の照射により生じるヒューム118は、スリット127から離間するように整流されるとともに、カバー104の下縁周囲の回収経路135aに向かうよう整流される。また、圧力室131の陽圧、およびカバー104の下縁の回収経路135aからの負圧を作用させることにより、ヒューム118を含む雰囲気はカバー104に漏れ出し、拡散することなく、回収経路135aを介して回収される。
以上のように、カバー104の整流機能を実現することができる。これにより、レーザ光111の照射により生じるヒューム118をカバー104内の局所空間にほぼ封じ込め、例えば、ヒューム118がチャンバー110内に拡散するのを抑制することができる。
即ち、上記構成によれば、スリット127上部に圧力室131を配置し不活性ガス供給機構115(図1)から陽圧で不活性ガスを供給する。一方、カバー104の下縁の回収経路135aには、ダクト回収ボックス108(図1)を介してヒューム回収機構116の負圧を印加する。このため、不活性ガスが圧力室131からスリット127を介して下方へ吹き出すよう整流(134b)することができ、スリット127付近のレーザ光111の通過経路からヒューム118が近づくことなく、むしろそこから離間するような整流が起きる。これにより、スリット127付近のレーザ光111の通過経路におけるヒューム118によるレーザ照射強度の低下を抑制することができる。
また、レーザ光111の照射により生じるヒューム118は、速やかにカバー104の下縁の回収経路135aに向かって離心的に固化層106の上部から離間するよう流れ、回収経路135aを介して回収される。従って、ヒューム118がチャンバー110内に拡散し、例えばレーザ透過窓112に付着してレーザ照射強度を低下させるのを抑制することができる。
以上のようにして、本実施例のカバー104によれば、レーザ(エネルギービーム)の照射に伴い造形ステージ101付近で発生するヒューム118の拡散を効率よく防止することができる。これにより、ヒューム118に起因するレーザ照射強度の低下などを抑制し、高精度な3次元造形を実現することができる。
ここで、図4を参照して、3次元造形時に制御部120が実行する移動ステージ126によるカバー104の移動(走査)制御につき説明する。
図4は、図1の上方向から造形ステージ101(破線)を取り囲む造形テーブル103の周囲の部位を示している。図1の左方向は図4の上方向に相当する。造形ステージ101は、例えば破線で示すような矩形(正方形)であり、制御部120は、ローラ駆動機構1051により粉敷きローラ105を造形ステージ101を往復移動させるよう制御することができる。例えば、1層の固化層106(図1、図5)を形成するに先立ち、制御部120は、ローラ駆動機構1051により粉敷きローラ105を造形ステージ101上で移動させる。これにより、不図示の供給容器から適量分の材料粉末が造形ステージ101ないしその上に既に形成された固化層106に供給する。
しかる後に、制御部120は、粉敷きローラ105を図4の初期(退避)位置に退避させ、レーザ光源1091を点灯させ、レーザ走査装置109によるレーザ光111の2次元(XY)走査を開始させる。このレーザ光111の2次元(XY)走査には、例えば2枚のガルバノミラーを用いて行うことができる。その場合、1枚のガルバノミラーにより主走査(X)方向にレーザ光111を走査し、1主走査が終了すると他方のガルバノミラーにより副走査(Y)方向にレーザ光111の反射方向を切り換える。
図4において、破線の矩形範囲は、造形ステージ101の上面の形状で、例えば上記の2次元(XY)走査によってレーザ光111が照射(走査)される走査範囲に相当する。ここで、図4において上記のレーザ光111の主走査(X)方向は例えば図の左右方向に、また、副走査(Y)方向は例えば図の上下方向に相当するものとする。この場合、カバー104のスリット127は、レーザ光111の主走査(X)方向に沿って配置されている。
このような構成において、ある1層の固化層106を形成する時、当然ながら、制御部120はその層の形成に必要な照射パターンでレーザ光111を造形ステージ101上に照射するようレーザ走査装置109を制御する。そして、レーザ光111をある主走査(X方向)に1走査する時、制御部120は、直動ステージ126aを制御して、照射点に向かうレーザ光111がスリット127を通過できる位置にカバー104を移動させる。さらに、制御部120は、レーザ光111の主走査(X方向)が終了する毎に図4の直動ステージ126aを副走査(Y)方向に副走査ピッチずつ移動させる。以上のようなレーザ走査およびカバー104移動の同期制御を行うことにより、造形ステージ101上の加熱の必要な範囲をスリット127を経由したレーザ光111によって走査することができる。
また、制御部120は、上記のレーザ走査による加熱、3次元造形動作の期間中、不活性ガス供給機構115およびヒューム回収機構116を動作させる。即ち、上述のようにカバー104の圧力室131へ陽圧により不活性ガスを供給するとともに、カバー104下縁の回収経路135aにヒューム回収機構116からの負圧を作用させる。これにより、レーザ走査による加熱、3次元造形動作の期間中、上述のようにしてヒューム(118)の整流、および回収が行われ、カバー104外部へのヒューム(118)の拡散が抑制される。従って、スリット127付近のヒューム(118)滞留や、チャンバー110のレーザ透過窓112の汚染などが防止され、ヒューム118に起因するレーザ照射強度の低下などを抑制し、高精度な3次元造形を実現できる。
特に、本実施例では、レーザ走査およびカバー104移動の同期制御を行うことによって、造形ステージ101上のレーザ照射範囲は、カバー104はスリット127とある特定の位置関係を保つよう、同期制御される。大まかに言えば、カバー104およびスリット127の位置は、これらのほぼ中心の下部の一定範囲に造形ステージ101上のレーザ照射位置が来るように同期制御される。これにより、主なヒューム118の発生部位であるレーザ照射位置が、常に上述のカバー104の整流機構(図5)のほぼ中心に一致するよう制御される。このため、造形ステージ101上で1層の造形を行う間を通して、ほぼ均等なヒューム拡散防止ないし回収特性を維持でき、1層の造形を通してむらのないレーザ照射特性を実現でき、高精度な3次元造形を行うことができる。
続いて、以下に実施例2〜5として、上述の3次元造形装置の一部の構成を変更した変形例につき説明する。以下の各実施例でも、図1〜図5に示した基本構成は同一であるものとし、以下では特に上記実施例1の構成と異なる部分について詳細に説明し、それ以外の部分については重複した説明は省略するものとする。
<実施例2>
上記実施例1では、カバー104の下縁に溝状の回収経路135aを配置し、この回収経路135aにヒューム回収機構116からの負圧を作用させて、ヒューム118を回収している(図5)。ヒューム回収経路は、カバー104の下縁以外の位置に配置することができる。例えば図6に示すように、カバー104の側壁104aの下縁よりも高い位置に回収経路135b(、135b…)を1ないし数個配置してもよい。この回収経路135bは、回収経路135aと同様に、ヒューム回収機構116のダクト回収ボックス108に向かう回収経路135cと接続する。
このような構成によれば、回収経路135aに加え、回収経路135bからもヒューム118を回収できる。
また、図5のように回収経路135bの無い構成では、スリット127から離間するよう下方に向かう下降気流(134b)によってカバー104の中位の高さの部位に渦流136が発生する可能性がある。そして、このような渦流136が発生すると、カバー104の内側面がヒューム118の付着によって汚染される可能性がある。そして、もし、カバー104の内側面に付着したヒューム118に起因する物質が剥離し、造形ステージ101上に落下したりすれば、実行中の層造形に影響を与える可能性がある。
これに対して、図6のように回収経路135bをカバー104の側壁104aの比較的高さのある部位に配置して、回収経路135bから回収負圧を印加することにより、カバー内部の雰囲気を回収経路135bに向かうよう整流できる。即ち、カバー104の中位の高さにおいて、渦流136を発生させることなくカバー104の内部の雰囲気を回収経路135bから回収することができる。このため、カバー104の内側面に対するヒューム118の付着、汚染を抑制することができる。このように、回収経路135bをカバー104の側壁104aの比較的高さのある部位に配置することにより、カバー104内の圧力と気流速度の分布を整え、カバー104の内壁を汚染することなく効率よくヒューム118を回収することができる。
<実施例3>
レーザ走査装置109に複数のガルバノミラーなどを用いる場合、レーザ光111の走査パターンは、上記のように直線的な主走査を副走査方向に移動しつつ繰り返す単純な走査パターンに限定されない。要求される造形物の形状によっては、走査方向の異なる複数の走査線を用いてレーザ光111を走査する場合も考えられる。
そこで、カバー104の上部板としての分圧板130に配置するスリット127は、図4に示したような1条の直線的な形状のみならず、異なる方向に沿って複数形成することが考えられる。例えば、実施例1でも触れたが、スリット127は、図7に示すように、直交する2条から成る十字型に構成することが考えられる。その他の部材の構成は、実施例1で説明したものと同様である。
このような構成によれば、ある走査区間では、スリット127の直交する2条のうち一方を介してレーザ光111を走査する。また、他の走査区間では、スリット127の2条のうち他方を介してレーザ光111を走査する、といった走査パターンを利用できるようになる。また、1層の固化層を造形する間に、レーザ光111の走査方向を垂直2軸方向に交互に切り換えつつ、文字通り十字型を描くよう走査させる走査パターンも利用することができる。
カバー104の上部に、異なる方向に沿ってスリット127を複数形成する場合には、移動ステージ126(図1)も走査方向に対応する数の軸方向にカバー104を移動できるよう構成する必要がある。例えば図7のような直交する十字型のスリット127の構成では、移動ステージ126(図1)は、少なくとも図中に交差する矢印で示す2軸方向にカバー104を移動(走査)可能な直動ステージ126bとして構成する。このような直動ステージ126bは例えばXYステージとして構成することできる。制御部120(図1)は、レーザ走査装置109によるレーザ光111の走査パターンに応じて、直動ステージ126bによるカバー104移動(XY走査)位置を決定する制御を行うことができる。
<実施例4>
実施例1でも触れたが、造形物の造形条件によっては、レーザ光111を造形ステージ101(ないしそのXY2軸)に対して傾斜した方向に走査する需要が生じる場合もあり得る。この場合には、カバー104の移動装置には、レーザ光111の走査線の方向に沿うようにカバー104(のスリット127)を回動させる回動機構を含める必要がある。例えば、図8に示すように、カバー104の円筒形状を利用し、その周囲に円形のレール139を配置し、回動ローラ137でレール139を回転駆動し、カバー104の回動姿勢(角度)を選択できるよう構成する。その他の部材の構成は、実施例1で説明したものと同様である。
このような構成により、制御部120(図1)は、スリット127の方向がレーザ光111の走査線の方向に合致するようなカバー104の回動姿勢(角度)を選択することができる。
従って、本実施例4によれば、実施例1や実施例3では対応できない垂直な2軸方向に直交する方向の主および副走査方向のみならず、それ以外のレーザ光111の走査線の方向に対応することができる。また、図8の構成では、図7と同様に2軸方向にカバー104を移動(走査)可能な直動ステージ126bを採用している。このため、造形ステージ101(ないしそのXY2軸)に対して傾斜した走査線を用いる場合でも、少なくとも2方向の副走査方向へのカバー104の移動(走査)が可能である。このような構成により、造形ステージ101(ないしそのXY2軸)に対して例えば30°、45°といった傾斜した走査線を用いる場合でも、制御部120(図1)は、スリット127が走査線を追従するようカバー104を移動させることができる。
<実施例5>
図5では、カバー104のスリット127が設けられる上部板である分圧板130の上に配置される圧力室131の上部は、レーザ透過材131aによって画成している。このレーザ透過材131aは、エネルギービーム透過部であり、スリット127に向かうレーザ光(エネルギービーム)を通過させる光透過材料から構成する。
しかしながら、スリット127の上部の圧力室131を画成する上部の部材は、スリットに向かうエネルギービーム透過部(レーザ透過部)として構成されていればよく、必ずしもガラスや樹脂のようなレーザ透過材131aを用いる必要はない。
そこで、図5のレーザ透過材131aは、スリット127の上部にエネルギービーム透過部としての開口131dを設けたその他の部位は遮光性のある金属や樹脂の板材131cに置換してもよい。開口131dの開口面積や形状は、スリット127に向かうレーザ光111を妨害しないような形状であれば任意である。
この場合、好ましくは、制御部120は、不活性ガス供給機構115によるチャンバー110内部への供給圧と、回収経路135aに作用させるヒューム回収機構116からの負圧の圧力差を十分大きくとるよう制御する。これにより、例えば、圧力室131から開口131dを介して上方向に向かうような気流が発生しないよう整流することができる。
このような構成によって、圧力室131の上部を構成する板材131cの開口131dは、開口129と同様に不活性ガスの供給路として機能し、カバー104の雰囲気は、実施例1と同様に下降気流(134b)に整流される。このような構造によっても、実施例1で説明したのとほぼ同様の整流機構を実現でき、レーザ光111の照射によって発生したヒューム118をカバー104下縁の回収経路135aを介して回収することができる。
また、不活性ガス供給機構115によるチャンバー110内部への供給圧と、回収経路135aに作用させるヒューム回収機構116からの負圧のバランスなどの条件によっては、上記の圧力室131を排した構成を採用することもできる。
例えば、図9に示すように、カバー104をスリット127を形成した分圧板130(上部板)と、円筒形状の側壁104aのみによって構成し、上述の圧力室131を省略する構成である。図9は、図5(実施例1)、図6(実施例2)などと同様の様式で造形テーブル103より上のカバー104を含む断面構造を示している。図9の構成では、当然ながら、制御部120が、不活性ガス供給機構115によるチャンバー110内部への不活性ガスの供給圧を陽圧とし、ヒューム回収機構116によって回収経路135aに作用させる回収圧を負圧とする。
図9の構成においては、スリット127はレーザ光111の通過経路として機能するとともに、図5の開口129と同様に、カバー104内への不活性ガスの供給路として機能する。即ち、図9の構成においても、分圧板130の上下に圧力差を生じさせることができ、カバー104内の気体は図示のようにスリット127付近から離間し、下縁周囲の回収経路135aへと向かう下降気流(134b)に整流することができる。このため、実施例1の場合と同様に、スリット127付近にレーザ照射により発生したヒューム118が滞留し、付着するのが防止される。また、発生したヒューム118はカバー104内に局所的に封じ込められ、チャンバー110内への拡散が抑制される。従って、チャンバー110内、あるいはその天井部のレーザ透過窓112の汚染などが防止され、ヒューム118に起因するレーザ照射強度の低下などを抑制し、高精度な3次元造形を実現できる。
101…造形ステージ、102…昇降機構、103…造形テーブル、104…局所カバー、105…粉敷きローラ、106…固化層、107…粉末層、108…ダクト回収ボックス、109…レーザ走査装置、1091…レーザ光源、110…チャンバー、111…レーザ光、112…レーザ透過窓、113…供給口、114…排出口、115…不活性ガス供給機構、116…ヒューム回収機構、118…ヒューム、126…移動ステージ、126a…直動ステージ、126b…XYステージ、127…スリット、130…分圧板、131…圧力室、133…継手。

Claims (14)

  1. 造形ステージに配置された粉末層に対してエネルギービームを走査し、固化層を形成する工程を繰り返し、3次元造形を行う3次元造形装置において、
    前記エネルギービームを通過させるスリットを備え、前記造形ステージに配置された前記粉末層に対する前記エネルギービームの照射位置を局所的に包囲し、前記エネルギービームの照射により生じるヒュームの拡散を抑制するカバーと、
    前記エネルギービームの走査に応じて、前記スリットを前記エネルギービームが通過するよう前記カバーを移動させる移動装置と、
    を備えた3次元造形装置。
  2. 請求項1に記載の3次元造形装置において、前記造形ステージおよび前記カバーを収容し、外部に配置された発生源から照射される前記エネルギービームを透過させる透過窓を備えたチャンバーを有する3次元造形装置。
  3. 請求項1または2に記載の3次元造形装置において、前記カバーが、前記スリットを備えた上部板と、この上部板の下面の周囲を取り囲むように形成され、前記造形ステージの側が開放された側壁を備える3次元造形装置。
  4. 請求項3に記載の3次元造形装置において、前記カバーが、前記カバーの内部において、前記エネルギービームが通過する前記スリットから前記ヒュームが離間する方向に流れるよう前記ヒュームを整流する整流機構を備えた3次元造形装置。
  5. 請求項4に記載の3次元造形装置において、前記整流機構は、前記カバーの前記上部板の上部に前記カバーの外部から気体を導入する開口を有する圧力室を含む3次元造形装置。
  6. 請求項5に記載の3次元造形装置において、前記開口を介して不活性ガス供給機構から前記整流機構の圧力室に前記不活性ガスが供給される3次元造形装置。
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記カバーの前記側壁の下縁に配置された回収経路を介して前記カバーの内部で発生した前記ヒュームを回収するヒューム回収機構を備えた3次元造形装置。
  8. 請求項5から7のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記圧力室の上部に前記上部板のスリットに向かう前記エネルギービームを通過させるエネルギービーム透過部が設けられた3次元造形装置。
  9. 請求項8に記載の3次元造形装置において、前記エネルギービーム透過部が前記上部板のスリットに向かう前記エネルギービームを通過させる光透過材料から成る3次元造形装置。
  10. 請求項8に記載の3次元造形装置において、前記エネルギービーム透過部が前記上部板のスリットに向かう前記エネルギービームを通過させる開口から成る3次元造形装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記スリットが前記カバーに異なる方向に沿って複数形成された3次元造形装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記移動装置が、前記エネルギービームの走査に応じて前記カバーを移動させる際、前記エネルギービームの走査方向に応じて定まる1つの方向に前記カバーを移動させる3次元造形装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記移動装置が、前記エネルギービームの走査方向に応じて前記スリットを前記エネルギービームが通過するよう前記カバーを回動させる回動機構を含む3次元造形装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記エネルギービームがレーザ光である3次元造形装置。
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