JP2017176005A - 細胞培養物およびその製造方法 - Google Patents
細胞培養物およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017176005A JP2017176005A JP2016066806A JP2016066806A JP2017176005A JP 2017176005 A JP2017176005 A JP 2017176005A JP 2016066806 A JP2016066806 A JP 2016066806A JP 2016066806 A JP2016066806 A JP 2016066806A JP 2017176005 A JP2017176005 A JP 2017176005A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cell culture
- sheet
- sensor chip
- culture
- cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
Description
シート状細胞培養物の治療への応用については、火傷などによる皮膚損傷に対する培養表皮シートの利用、角膜損傷に対する角膜上皮シート状細胞培養物の利用、食道ガン内視鏡的切除に対する口腔粘膜シート状細胞培養物の利用などの検討が進められており、その一部は臨床応用の段階に入っている。
<1>(1)センサチップと細胞懸濁液とを混合し、センサチップを含む細胞懸濁液を調製する工程、
(2)細胞懸濁液に含まれる細胞をセンサチップと共に培養基材上でシート化して、センサチップを含むシート状細胞培養物を形成する工程、
(3)シート状細胞培養物の培養基材からの剥離をセンサチップからの情報に基づき検知する工程、
を含む、シート状細胞培養物の培養基材からの剥離を検知する方法。
<2>(1)センサチップと細胞懸濁液とを混合し、センサチップを含む細胞懸濁液を調製する工程、
(2)細胞懸濁液に含まれる細胞をセンサチップと共に培養基材上でシート化して、センサチップを含むシート状細胞培養物を形成する工程、
(3)シート状細胞培養物の培養基材からの剥離をセンサチップからの情報に基づき検知する工程、
(4)培養基材からの剥離が検知されたシート状細胞培養物を回収する工程
を含む、シート状細胞培養物の製造方法。
<4>センサチップが、張力、圧力、変位、イオン濃度および生理活性物質濃度からなる群から選択される項目を測定可能である、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の方法。
<5>センサチップが、個別の識別情報を記憶している、上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の方法。
<6>シート状細胞培養物に埋め込まれたセンサチップと、前記センサチップからの情報を読み取る読取装置とを備えた、シート状細胞培養物の基材からの剥離を検知するためのシステム。
<8>センサチップが通信機能を有する、上記<7>に記載のシート状細胞培養物。
<9>センサチップが、張力、圧力、変位、イオン濃度および生理活性物質濃度からなる群から選択される項目を測定可能である、上記<7>または<8>に記載のシート状細胞培養物。
<10>センサチップが、個別の識別情報を記憶している、上記<7>〜<9>のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物。
<11>組織の異常に関連する疾患を処置するための、上記<7>〜<10>のいずれか一項に記載の細胞培養物。
<12>センサチップを含む細胞懸濁液と、シート状細胞培養物の製造に用いる要素とを含む、センサチップを含むシート状細胞培養物を製造するためのキット。
<13>センサチップが、個別の識別情報を記憶している、上記<12>に記載のキット。
<15>対象に適用された上記<11>に記載のシート状細胞培養物に含まれるセンサチップから送信される情報を読み取る工程を含む、前記シート状細胞培養物による疾患の処置の効果を検査する方法。
<16>上記<7>〜<11>のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物または請求項12もしくは13に記載のキットに含まれるセンサチップに記憶された識別情報を読み取る工程を含む、シート状細胞培養物が適用される対象を特定する方法。
<17>対象における組織の異常に関連する疾患を処置する方法であって、有効量の上記<7>〜<11>のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、前記方法。
<19>センサチップが通信機能を有する、上記<18>に記載の細胞培養物。
<20>シート状である、上記<18>または<19>に記載の細胞培養物。
<21>心筋細胞がiPS細胞に由来する、上記<18>〜<20>のいずれか一項に記載の細胞培養物。
<22>センサチップが、細胞培養物の拍動、活動電位、イオン濃度および生理活性物質濃度からなる群から選択される項目を測定可能である、上記<18>〜<21>のいずれか一項に記載の細胞培養物。
<23>センサチップが、個別の識別情報を記憶している、上記<18>〜<22>のいずれか一項に記載の細胞培養物。
<24>心疾患を処置するための、上記<18>〜<23>のいずれか一項に記載の細胞培養物。
<26>センサチップを含む心筋細胞懸濁液を含む、上記<18>〜<24>のいずれか一項に記載の細胞培養物を製造するためのキット。
<27>細胞培養物がシート状であり、シート状細胞培養物の製造に用いる要素をさらに含む、上記<26>に記載のキット。
<28>センサチップが、個別の識別情報を記憶している、上記<26>または<27>に記載のキット。
<30>対象に適用された上記<24>に記載の細胞培養物に含まれるセンサチップから送信される情報を読み取る工程を含む、前記細胞培養物による心疾患の処置の効果を検査する方法。
<31>上記<23>もしくは<24>に記載の細胞培養物または上記<28>に記載のキットに含まれるセンサチップに記憶された識別情報を読み取る工程を含む、心筋細胞培養物が適用される対象を特定する方法。
<32>対象における心疾患を処置する方法であって、有効量の上記<18>〜<24>のいずれか一項に記載の細胞培養物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、前記方法。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下で説明する実施形態は本発明を例示することを意図したものであり、本発明を限定するためのものではない。
図1は、本発明に係るセンサチップを含むシート状細胞培養物の断面図である。センサチップ1は、シート状細胞培養物2の下部に、シート状細胞培養物2が産生する細胞外マトリックス層21に埋め込まれる形で存在している。図2は、前記シート状細胞培養物2の底面を示す概念図である。
基礎培地は、標準的な組成のまま(例えば、市販されたままの状態で)用いてもよいし、細胞種や培養条件に応じてその組成を適宜変更してもよい。したがって、基礎培地は、公知の組成のものに限定されず、1または2以上の成分が追加、除去、増量もしくは減量されたものを含む。
投与頻度は、典型的には1回の処置につき1回であるが、所望の効果が得られない場合には、複数回投与することも可能である。
図4に、対象に適用された細胞培養物の検査方法の一態様を示す。図4には、対象3の心臓31に適用されたシート状心筋細胞培養物24に埋め込まれたセンサチップ1からの情報を、読取装置4で読み取る工程が示されている。シート状心筋細胞培養物24を構成する心筋細胞は、iPS細胞から誘導されたものである。センサチップ1はパッシブ型であり、読取装置4から送信される電波を電力に変換し、これにより所定の項目の測定および測定値の送信を実行する。パッシブ型のチップおよびかかるチップの読取装置は、RFID技術の分野において周知である。測定される項目としては、細胞培養物の状態や、疾患の処置に係る細胞培養物の機能などに関するものが挙げられる。より具体的には、限定されずに、例えば、細胞培養物の拍動、活動電位、イオン濃度、生理活性物質濃度等が挙げられる。イオンの種類としては、活動電位に関連するもの、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。測定される生理活性物質は、心筋細胞自体が産生するもののみならず、心筋細胞が対象の体内の他の細胞に作用して産生を誘導するものを含み、非限定例としては、例えば、VEGFやbFGF等の血管新生サイトカイン、HGF等の細胞死抑制サイトカイン、SDF−1等の幹細胞ホーミングサイトカインなどが挙げられる。また、センサチップからの情報にはセンサチップの位置に関する情報も含まれる。センサチップの位置の変化は、細胞培養物の適用位置からのずれや脱落、センサチップの脱落などの指標となる。
図5に、シート状細胞培養物の培養基材からの剥離を検知するシステム(以下、剥離検知システムと略す場合がある)の一態様を示す。この態様における剥離検知システム5は、シート状細胞培養物2に埋め込まれたセンサチップ1と、前記センサチップ1からの情報を読み取る読取装置40とを含む。センサチップ1はパッシブ型であり、読取装置40に備えられた通信装置41が発する電波を電力に変換し、種々の処理、例えば、所定の項目の測定や、測定値の送信などを行う。通信装置41は、センサチップ1が送信した情報を受信し、読取装置本体42のプロセッサ421に送る。プロセッサ421は通信装置41から送られたデータを解析し、ディスプレイ422やスピーカ423を介して解析結果を出力する。読取装置40は、読取装置40を制御するためのユーザインターフェイス424、および、読取装置40に電力を供給する電源425を備えている。
2 シート状細胞培養物
21 細胞外マトリックス層
22 細胞層(下層)
23 細胞層(上層)
24 シート状心筋細胞培養物
3 対象
31 心臓
4、40 読取装置
41 通信装置
42 読取装置本体
421 プロセッサ
422 ディスプレイ
423 スピーカ
424 ユーザインターフェイス
425 電源
43 ケーブル
5 剥離検知システム
6 培養基材
7 培地
8 剥離前のセンサチップの位置
9 剥離前の状態
10 剥離後の状態
11 培地の流入
Claims (17)
- (1)センサチップと細胞懸濁液とを混合し、センサチップを含む細胞懸濁液を調製する工程、
(2)細胞懸濁液に含まれる細胞をセンサチップと共に培養基材上でシート化して、センサチップを含むシート状細胞培養物を形成する工程、
(3)シート状細胞培養物の培養基材からの剥離をセンサチップからの情報に基づき検知する工程、
を含む、シート状細胞培養物の培養基材からの剥離を検知する方法。 - (1)センサチップと細胞懸濁液とを混合し、センサチップを含む細胞懸濁液を調製する工程、
(2)細胞懸濁液に含まれる細胞をセンサチップと共に培養基材上でシート化して、センサチップを含むシート状細胞培養物を形成する工程、
(3)シート状細胞培養物の培養基材からの剥離をセンサチップからの情報に基づき検知する工程、
(4)培養基材からの剥離が検知されたシート状細胞培養物を回収する工程
を含む、シート状細胞培養物の製造方法。 - センサチップが通信機能を有する、請求項1または2に記載の方法。
- センサチップが、張力、圧力、変位、イオン濃度および生理活性物質濃度からなる群から選択される項目を測定可能である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- センサチップが、個別の識別情報を記憶している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- シート状細胞培養物に埋め込まれたセンサチップと、前記センサチップからの情報を読み取る読取装置とを備えた、シート状細胞培養物の基材からの剥離を検知するためのシステム。
- センサチップを含む、シート状細胞培養物。
- センサチップが通信機能を有する、請求項7に記載のシート状細胞培養物。
- センサチップが、張力、圧力、変位、イオン濃度および生理活性物質濃度からなる群から選択される項目を測定可能である、請求項7または8に記載のシート状細胞培養物。
- センサチップが、個別の識別情報を記憶している、請求項7〜9のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物。
- 組織の異常に関連する疾患を処置するための、請求項7〜10のいずれか一項に記載の細胞培養物。
- センサチップを含む細胞懸濁液と、シート状細胞培養物の製造に用いる要素とを含む、センサチップを含むシート状細胞培養物を製造するためのキット。
- センサチップが、個別の識別情報を記憶している、請求項12に記載のキット。
- 対象に適用された請求項8〜11のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物に含まれるセンサチップから送信される情報を読み取る工程を含む、前記シート状細胞培養物の状態を検査する方法。
- 対象に適用された請求項11に記載のシート状細胞培養物に含まれるセンサチップから送信される情報を読み取る工程を含む、前記シート状細胞培養物による疾患の処置の効果を検査する方法。
- 請求項7〜11のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物または請求項12もしくは13に記載のキットに含まれるセンサチップに記憶された識別情報を読み取る工程を含む、シート状細胞培養物が適用される対象を特定する方法。
- 対象における組織の異常に関連する疾患を処置する方法であって、有効量の請求項7〜11のいずれか一項に記載のシート状細胞培養物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、前記方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016066806A JP6756502B2 (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 細胞培養物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016066806A JP6756502B2 (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 細胞培養物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017176005A true JP2017176005A (ja) | 2017-10-05 |
JP6756502B2 JP6756502B2 (ja) | 2020-09-16 |
Family
ID=60003120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016066806A Active JP6756502B2 (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 細胞培養物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6756502B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021065156A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 京セラ株式会社 | 無線センサ装置および無線センサシステム |
WO2023153415A1 (ja) * | 2022-02-08 | 2023-08-17 | テルモ株式会社 | 画像の時間差分によるシート状細胞培養物形成状態検出方法、システム及びコンピュータープログラム |
-
2016
- 2016-03-29 JP JP2016066806A patent/JP6756502B2/ja active Active
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021065156A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 京セラ株式会社 | 無線センサ装置および無線センサシステム |
JP7308718B2 (ja) | 2019-10-23 | 2023-07-14 | 京セラ株式会社 | 無線センサ装置および無線センサシステム |
WO2023153415A1 (ja) * | 2022-02-08 | 2023-08-17 | テルモ株式会社 | 画像の時間差分によるシート状細胞培養物形成状態検出方法、システム及びコンピュータープログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6756502B2 (ja) | 2020-09-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6861627B2 (ja) | シート状細胞培養物の凍結保存方法 | |
JP6850456B2 (ja) | 網膜色素上皮細胞の純化方法 | |
WO2016060260A1 (ja) | 組織片 | |
US9587222B2 (en) | Three-dimensional tissue structure | |
JP2016052271A (ja) | シート状細胞培養物とフィブリンゲルとの積層体の製造方法 | |
JP6599089B2 (ja) | 補強部を有するシート状細胞培養物とフィブリンゲルとの積層体 | |
Cho et al. | From engineered heart tissue to cardiac organoid | |
Hansen et al. | Development of a contractile cardiac fiber from pluripotent stem cell derived cardiomyocytes | |
JP7282232B2 (ja) | 接着状態の細胞培養物の改変方法 | |
JP6706948B2 (ja) | 細胞培養物およびその製造方法 | |
JP6756502B2 (ja) | 細胞培養物およびその製造方法 | |
Ehlinger et al. | Insensitivity of dental pulp stem cells migration to substrate stiffness | |
WO2016158897A1 (ja) | 細胞のシート形成能の評価方法 | |
Marshall et al. | In vitro and in vivo osteogenic differentiation of human adipose-derived stromal cells | |
KR102658161B1 (ko) | 피브린 시트의 제조 방법 | |
VeDepo et al. | Chemokine-induced PBMC and subsequent MSC migration toward decellularized heart valve tissue | |
JPWO2015129764A1 (ja) | 目的細胞の純度が高い細胞集団の製造方法 | |
JP2015062348A (ja) | 細胞からエンドトキシンを除去する方法 | |
JP2021052661A (ja) | 多能性幹細胞を含む凍結保存細胞の希釈用緩衝液 | |
Siegenthaler et al. | There's no place like home for a neural stem cell | |
JP6599310B2 (ja) | シート状細胞培養物の品質評価方法 | |
US20220265901A1 (en) | Method for enhancing activity in a graft | |
WO2021065986A1 (ja) | 生細胞分離用容器 | |
JP2011030574A (ja) | 筋細胞の出力装置及び筋細胞の出力評価方法 | |
US20200390936A1 (en) | Method for cryopreserving cells |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170316 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200312 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200827 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6756502 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |