JP2017174666A - 導電積層体 - Google Patents

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慶二 岩永
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Abstract

【課題】カーボンナノチューブを用いた導電積層体において、湿熱耐久性(高温・高湿環境下における表面抵抗値上昇の抑制)が改良された導電積層体を提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面に、基材側から順に、カーボンナノチューブを含む導電層、および厚みが5μm以上である硬化樹脂層を有することを特徴とする導電積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブを用いた導電積層体に関し、詳細には、湿熱耐久性(高温・高湿環境下における表面抵抗値上昇の抑制)が改良された導電積層体に関する。
従来から、抵抗膜式、静電容量式などのタッチパネル用途、電子ペーパー用途、デジタルサイネージ用途などの実に様々な製品に導電積層体が用いられている。導電材料としては、インジウム錫酸化物(以下、ITOと言うこともある。)や銀ナノワイヤー(以下、AgNWと言うこともある。)、カーボンナノチューブ(以下、CNTという言うこともある。)などが用いられている。
上記導電材料の中でも、CNTは、導電性が高く柔軟性が高いことから成型用途の導電材料として注目されている。
CNTを用いた導電積層体として、CNTを含む導電層上に、CNTを保護する目的でオーバーコート層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
特開2011−103231号公報 特開2013−8877号公報 特開2015−115157号公報 特開2016−18714号公報
上述したように、CNTを用いた導電積層体は成型性に優れることから、車載用タッチスイッチ等の用途に好適である。車載用タッチスイッチは、湿熱耐久性(高温高湿下における表面抵抗値の上昇が小さい特性)が求められる。
しかし、CNTを用いた導電積層体は、金属系導電材料、例えば、ITOやAgNWを用いた導電積層体に比べて湿熱耐久性が劣るという問題がある。上述の特許文献に開示されているように、導電層(CNT層)上にオーバーコート層を設けることにより、湿熱耐久性の向上効果が期待できるが、未だ不十分であり、車載用タッチパネルなどの用途では、十分に満足できるものではない。
従って、本発明の目的は、上記問題に鑑み、カーボンナノチューブを用いた導電積層体において、湿熱耐久性(高温・高湿環境下における表面抵抗値上昇の抑制)が改良された導電積層体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
[1]基材の少なくとも一方の面に、基材側から順に、カーボンナノチューブを含む導電層、および厚みが5μm以上である硬化樹脂層を有することを特徴とする導電積層体。
[2]前記硬化樹脂層が熱硬化樹脂層または活性エネルギー線硬化樹脂層である、[1]に記載の導電積層体。
[3]前記硬化樹脂層が加飾層である、[1]または[2]に記載の導電積層体。
[4]湿熱試験(85℃相対湿度85%の環境下に500時間放置)後の下記式(1)で求められる表面抵抗値の変化率(Rv:%)が20%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の導電積層体。
Rv(%)=(R1−R0)/R0×100 式(1)
(式中、R0は湿熱試験前の表面抵抗値、R1は湿熱試験後の表面抵抗値を表す。)
[5]前記基材と導電層との間にアンダーコート層を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の導電積層体。
[6]前記導電層と硬化樹脂層との間に、厚みが20〜400nmであるオーバーコート層を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の導電積層体。
本発明によれば、カーボンナノチューブを用いた導電積層体において、湿熱耐久性(高温・高湿環境下における表面抵抗値上昇の抑制)が改良された導電積層体を提供することができる。
本発明に係る導電積層体の一例を示す模式断面図である。 本発明に係る導電積層体の別の一例を示す模式断面図である。 図1の導電積層体の導電層をパターン化した態様の模式断面図である。 図2の導電積層体の導電層をパターン化した態様の模式断面図である。 電極取り出し部が形成された導電積層体の一例を示す模式平面図である。 図5のA−A線に沿う模式断面図である。 硬化樹脂層が加飾層である態様を示す模式平面図である。 図7のB−B線に沿う模式断面図である。
以下に、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも一方の面に、基材側から順に、カーボンナノチューブを含む導電層、および厚みが5μm以上である硬化樹脂層を有する。
前述したように、CNTを用いた導電積層体は、ITOやAgNWなどの金属系導電材料を用いた導電積層体に比べて湿熱耐久性が劣るが、この理由は以下のように推測される。
CNTを用いた導電層は、一般に、CNTの水系分散液を作製し、このCNT分散液を基材上に湿式コーティングすることによって形成される。このとき、CNTの分散性を上げるために、通常、分散剤が用いられる。このような分散剤を含む導電層は、高温高湿下で分散剤が膨潤し、CNT同士の接点に侵入して接点破壊(離間)を起こすことが、高温高湿下での表面抵抗値上昇の原因となっていると推測される。
そこで、本発明では、CNTを含む導電層上に厚みが5μm以上である硬化樹脂層を積層することで、上記課題が解決することを見出し本発明に至った。
本発明の導電積層体は、用途に応じて表面抵抗値が設計されるが、例えば、本発明の導電積層体を、面状発熱体やタッチスイッチ、タッチセンサー、タッチパネル等の入力装置に適用する場合は、表面抵抗値は2,000Ω/□以下であることが好ましく、1,000Ω/□以下であることがより好ましく、500Ω/□以下が特に好ましい。
また、本発明の導電積層体は、湿熱試験(85℃相対湿度85%の環境下に500時間放置)後の下記式(1)で求められる表面抵抗値の変化率(Rv:%)が20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
Rv(%)=(R1−R0)/R0×100 式(1)
式中、R0は湿熱試験前の表面抵抗値(Ω/□)、R1は湿熱試験後の表面抵抗値(Ω/□)を表す。
[基材]
本発明の導電積層体に用いられる基材としては、各種プラスチックフィルムが好ましく用いられる。プラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、耐熱透明樹脂アートン(登録商標)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらを積層して用いてもよい。
本発明の導電積層体は、成形加工性が高いこと(成形加工時の延伸工程が円滑に実施されること)が好ましく、この観点から、好ましい基材としては、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルムとアクリル樹脂フィルムとの積層樹脂フィルムなどが挙げられる。これらの樹脂フィルムは一般に市販されており、これらの市販品の中から選択して用いることができる。
基材の厚みは、成型加工性、コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは350μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、250μm以下が特に好ましい。下限の厚みは、ある程度の強度、例えば、引っ張り破断強度を確保するという観点から、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が特に好ましい。
基材上に導電層あるいは後述するアンダーコート層を積層しやすくするために、あらかじめ基材表面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
[導電層]
導電層は、少なくともカーボンナノチューブを含有する。
導電層におけるカーボンナノチューブの含有量は、比較的高い導電性、例えば、表面抵抗値2,000Ω/□以下を得るという観点から、1〜30mg/mの範囲が好ましく、2〜20mg/mの範囲がより好ましく、特に3〜17mg/mの範囲が好ましい。
また、導電層の全固形分塗布量は、2〜90mg/mの範囲が適当であり、3〜60mg/mの範囲が好ましく、4〜50mg/mの範囲が好ましい。
また、導電層の厚みは、1〜20nmの範囲が好ましく、2〜15nmの範囲がより好ましく、特に3〜10nmの範囲が特に好ましい。
導電層は、カーボンナノチューブ分散液を含む塗液をウェットコーティング法により塗布することによって形成することができる。湿式コーティング法としては、例えばキャストコート法、ディップコート法、スピンコート法、ナイフコート法、キスコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スロットダイコート法、バーコート法等が挙げられる。これらの中でも、スロットダイコート法が好ましく用いられる。
[カーボンナノチューブ]
カーボンナノチューブは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた多層カーボンナノチューブいずれも適用できる。
これらの中でも、グラファイトの1枚面を2層に巻いた特に2層カーボンナノチューブがカーボンナノチューブ100本中に50本以上含まれていると、塗布用カーボンナノチューブ分散液中での分散性が高く、導電性が高くなることから好ましい。さらに、上記2層カーボンナノチューブがカーボンナノチューブ100本中75本以上含まれていることがより好ましく、80本以上が含まれていることが特に好ましい。最も好ましくは全てが2層カーボンナノチューブである。
カーボンナノチューブとしては、直径が0.3〜20nm、長さが0.1〜20μm程度のものが好ましく用いられる。特に、導電層の透明性を高め、表面抵抗を低下させるという観点から、カーボンナノチューブの直径は1〜10nmでかつ長さは1〜10μmであることが好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒を500〜1,200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造した後、カーボンナノチューブを酸化処理することにより、単層〜5層のカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブを得ることができる。カーボンナノチューブは製造した後、酸化処理を施すことにより単層〜5層の割合を、特に2層〜5層の割合を増加させることができる。酸化処理は例えば、硝酸処理する方法により行われる。硝酸はカーボンナノチューブに対するドーパントとして作用するため、好ましい。ドーパントとは、カーボンナノチューブに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、カーボンナノチューブの導電性を向上させるものである。硝酸処理法としては、本発明におけるカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃のオイルバス中で行われる。硝酸処理時間は特に限定されないが、5〜50時間の範囲であることが好ましい。
[カーボンナノチューブ分散液]
カーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブの分散剤を含有することが好ましい。
かかる分散剤としては、分散性が高いイオン性分散剤が好ましく用いられる。イオン性分散剤としては、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両性分散剤が挙げられる。これらのイオン性分散剤の中でも、カーボンナノチューブの分散性および分散保持性に優れることから、アニオン性分散剤が好ましく用いられる。アニオン性分散剤の中でも、さらにカルボキシメチルセルロースおよびその塩、例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸の塩等が、カーボンナノチューブを効率的に分散することができるので好ましい。
分散剤の含有量は、カーボンナノチューブの導電性(表面抵抗値)を悪化させずにかつ良好な分散性を確保するという観点から、カーボンナノチューブ100質量部に対して50〜1000質量部の範囲が好ましく、100〜600質量部の範囲がより好ましく、200〜400質量部の範囲が特に好ましい。
カーボンナノチューブ分散液の調製に用いる分散媒は、上記した分散剤を安全に溶解できること、廃液の処理が容易であること等の観点から、水が好ましい。
カーボンナノチューブ分散液は、例えば、カーボンナノチューブと分散剤とを分散媒中で混合分散機、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等を用いて分散することによって調製することができる。これらの混合分散機は単独で用いてもよいし、複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、カーボンナノチューブの分散性が良好であることから好ましい。
カーボンナノチューブを分散せしめるときのカーボンナノチューブの濃度は、分散時の処理時間が短縮できることから、0.003〜0.15質量%の範囲が好ましい。このようにして調製されたカーボンナノチューブ分散液は、さらに希釈して塗布に適した所定濃度に調整される。
カーボンナノチューブ分散液を塗布するに際し、塗布性を高めるために、カーボンナノチューブ分散液にアルコールや界面活性剤を含有させることができる。これらの中でもアルコールが好ましく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールが好ましく用いられる。
[硬化樹脂層]
本発明にかかる導電積層体は、CNTを含む導電層上に硬化樹脂層を有する。CNTを用いた導電積層体の湿熱耐久性を向上させるには、CNTを含む導電層上に硬化樹脂層を積層することが重要であり、かつ硬化樹脂層の厚みが5μm以上であることが重要である。
CNTを含む導電層上に、硬化樹脂層以外の層、例えば熱可塑性樹脂層やシリカ系無機酸化物層を積層しても、湿熱耐久性は十分に向上させることができない。また、硬化樹脂層の厚みが5μm未満である場合も良好な湿熱耐久性が得られない。
本発明の導電積層体の湿熱耐久性を向上させるという観点から、硬化樹脂層の厚みは、8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上が特に好ましい。
一方、硬化樹脂層の厚みが大きくなり過ぎると成型加工性が低下することがあるので、上限の厚みは50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。
硬化樹脂層は、熱硬化樹脂層あるいは活性エネルギー線硬化樹脂層であることが好ましい。
硬化樹脂層が熱硬化性樹脂層である場合、熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂は熱によって重合または架橋する樹脂であり、例えば、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化樹脂層は、上記樹脂を架橋する架橋剤、例えば、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤を含有することができる。
硬化樹脂層が活性エネルギー線硬化樹脂層である場合、活性エネルギー線硬化樹脂を含有する。活性エネルギー線硬化樹脂は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で重合し硬化する樹脂であり、かかる樹脂としては分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(モノマーやオリゴマー)が挙げられる。ここで、エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されない。尚、下記の説明において、「・・・(メタ)アクリレート」なる表現は、「・・・アクリレート」と「・・・メタクリレート」との2つの化合物を含む。
モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエンアクリレートなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化樹脂層は、さらに光重合開始剤を含むことが好ましい。かかる光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
また、光重合開始剤は一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173等、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46等、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
硬化樹脂層は、湿式コーティングにて塗布し、乾燥、硬化(加熱硬化もしくは活性エネルギー線照射による硬化)されて形成される。湿式コーティング法としては、例えばキャストコート法、ディップコート法、スピンコート法、ナイフコート法、キスコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スロットダイコート法、バーコート法、各種印刷法、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法、パット印刷法等が挙げられる。
本発明の硬化樹脂層は、加飾層であることが好ましい。加飾層は、加飾インクを上記した印刷法を用いて塗布し硬化して形成することできる。
加飾インクとしては、熱硬化型インクあるいは活性エネルギー線硬化性硬化型インクが好ましく用いられる。
熱硬化型インクとしては、特に限定されないが、例えば、ポリイソシアネートプレポリマーとポリオールからなるポリウレタン系インク、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤(例えば、アミン類、アミド樹脂、ポリイソシアネート等)からなるエポキシ系インキ、尿素樹脂やメラミン樹脂等のアミノ樹脂とアルキッド樹脂からなるアミノ・アルキッド樹脂インクが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型インクとしては、紫外線硬化型インクが好ましく用いられる。紫外線硬化型インクとしては、特に限定されないが、例えば、モノマー、オリゴマー、光重合開始剤などから構成されるインクが挙げられる。かかるモノマー、オリゴマー、光重合開始剤としては、前述したものと同様の化合物を用いることができる。
加飾インクは、必要に応じて、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、浸透剤などの添加剤を含有することができる。
加飾インクは、顔料や染料などの着色剤を含有することができる。耐候性や耐光性に優れる顔料を使用することが好ましい。顔料は、有機、無機を問わず使用することができる。
有機顔料としては、例えばニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類、ピロロピロール類などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)、金属粉類などが挙げられる。
染料としては、例えばアゾ類、アントラキノン類、インジゴイド類、フタロシアニン類、カルボニウム類、キノンイミン類、メチン類、キサンテン類、ニトロ類、ニトロソ類のような油溶性染料、分散染料、酸性染料、反応染料、カチオン染料、直接染料などが挙げられる。
[導電積層体の構成]
本発明の導電積層体は、基材と導電層との間にアンダーコート層を配置することが好ましく、また、導電層と硬化樹脂層との間にオーバーコート層を配置することが好ましい。
図1および図2は、それぞれ、本発明の導電積層体の一例を示す模式断面図である。
図1は、基材(1)上に、CNT(2)を含有する導電層(3)と、硬化樹脂層(4)とが順次積層された導電積層体の例である。図2は、基材(1)上に、アンダーコート層(5)、CNT(2)を含有する導電層(3)、オーバーコート層(6)、硬化樹脂層(4)が順次積層された導電積層体の例である。
また、図3は、図1の導電積層体の導電層がパターンされた態様の模式断面図であり、図4は、図2の導電積層体の導電層がパターンされた態様の模式断面図である。導電層のパターン化については、詳細は後述する。
[アンダーコート層]
基材と導電層との間にアンダーコート層が配置されることにより、基材と導電層との密着性を向上させることができる。
アンダーコート層は延伸可能な熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。具体的にはウレタン樹脂、カーボネート樹脂、エステル樹脂、エーテル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂およびオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これらの中でも高伸度で耐水性、耐溶剤性に優れる点からウレタン樹脂が特に好ましい。
また、アンダーコート層は、アンダーコート層表面の親水性を高めるために粒子を含有することが好ましい。かかる粒子としては、無機粒子が好ましく、特にシリカ粒子が好ましい。
上記したようなアンダーコート層、即ち、熱可塑性樹脂と粒子、特にシリカ粒子を含有するアンダーコート層を基材と導電層との間に配置することにより、導電積層体の表面抵抗値が低下するという利点がある。
アンダーコート層の厚みは、50〜1500nmの範囲が好ましく、100〜1000nmの範囲がより好ましく、200〜800nmの範囲が特に好ましい。
アンダーコート層は、前述した湿式コーティング法を用いて塗布することができる。
[オーバーコート層]
導電層と硬化樹脂層との間にオーバーコート層を配置することができる。オーバーコート層は、硬化樹脂層の塗布性向上や導電層と硬化樹脂層との密着性向上などの効果がある。また、導電層上にオーバーコート層と硬化樹脂層を積層することにより、さらに湿熱耐久性が向上する。
オーバーコート層の厚みは、上記観点から20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上が特に好ましい。オーバーコート層の上限の厚みは、後述の電極取り出しはオーバーコート層を介して行われるため、電極と導電層との導通を確保する必要があり、この観点から、400nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が特に好ましい。
CNTで形成された導電層上にオーバーコート層を積層すると、オーバーコート層の樹脂成分がCNTの間に浸透し、導電層とオーバーコート層との界面が不明瞭となることがあるが、この場合のオーバーコート層の厚みは導電層を含めた厚みとする。
オーバーコート層を構成する樹脂成分としては、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、エステル樹脂、エーテル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂およびオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂を用いることが好ましい。中でも成型性が高く、膜の架橋密度が高いウレタンアクリレート樹脂が好ましい。ウレタンアクリレート樹脂をCNT間に存在させることで、成型時のCNTの断裂、CNT分散剤のクラック発生を抑制することができる。
オーバーコート層は、前述した湿式コーティング法を用いて塗布することができる。
[導電積層体の製造]
本発明の導電積層体を構成する各層(導電層、硬化樹脂層、必要に応じて設けられるアンダーコート層やオーバーコート層)は、ロール・ツー・ロール方式で連続的に、順次塗り重ねる方式、枚葉方式で順次塗り重ねる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式を採用することができる。
本発明の導電積層体を、タッチスイッチ、タッチセンサー、タッチパネル等の入力装置に適用するには、導電積層体の端部の一部に電極取り出し部を形成することが必要となる。
図5は電極取り出し部が形成された導電積層体の模式平面図であり、図6は図5のA−A線に沿う模式断面図である。電極取り出し部(10)に硬化樹脂層(4)が存在すると、導電層(3)との導通がとれなくなることがあるので、電極取り出し部(10)には、硬化樹脂層(4)は積層されていないことが好ましい。
このように、導電積層体の端部の一部に電極取り出し部を形成するには、導電積層体の端部の一部に硬化樹脂層の未塗布部を設ける必要があり、これに対応する塗布方法としては、印刷法と枚葉方式の組み合わせた方式(枚葉印刷方式)が好ましい。
また、本発明の導電積層体を上記した入力装置に適用するために、導電層をパターン化することがあるが、導電層上に硬化樹脂層が積層された状態では、導電層のパターン化が難しくなるため、硬化樹脂層が積層される前の状態でパターン化し、導電層のパターン化後に硬化樹脂層を積層することが好ましい。この場合の硬化樹脂層の塗布も、上記の枚葉印刷方式が好ましい。導電層のパターン化については、詳細を後述する。
本発明の硬化樹脂層は、加飾層であることが好ましい。加飾層は、導電層上の全域に設けられていてもよいし、前述したように電極取り出し部を除く全域に設けられていてもよいし、額縁状に設けられていてもよい。
図7は硬化樹脂層が加飾層である態様を示す模式平面図であり、図8は図7のB−B線に沿う模式断面図である。導電層(3)上に、額縁状の黒色加飾層(4a)が設けられ、額縁状の黒色加飾層(4a)の内側は、透明な加飾層(4b)が設けられている。ここで、額縁状の加飾層の色は、黒色に限定されず、白色、赤色、青色、金色、銀色等を採用することができる。ここで、電極取り出し部(10)には、加飾層は存在しない。
本発明の導電積層体を、タッチスイッチ、タッチセンサー、タッチパネル等の入力装置に適用する場合には、導電積層体の製造方法は、ロール・ツー・ロール方式と枚葉方式を組み合わせることが好ましい。つまり、導電層および必要に応じて設けられるアンダーコート層やオーバーコート層は、ロール・ツー・ロール方式で塗布し、硬化樹脂層(加飾層)は枚葉方式で塗布することが好ましい。
[導電層のパターン化]
本発明の導電積層体を、タッチスイッチ、タッチセンサー、タッチパネル等の入力装置に適用する場合、導電層はパターン化されることが好ましい。パターンの形成方法としては公知の方法を用いることができるが、レーザー光によるパターン形成方法が、コスト、加工精度の面で好ましい。
レーザー光によるパターン化は、導電層側よりレーザー光を照射することによって行われる。レーザーの励起媒体としては、YAGやYVOなどの固体やエキシマや炭酸ガスなどの気体が用いられるが、機器のメンテナンスや加工コストの面から固体がさらに好ましい。レーザー波長については、355nm、532nm、1,064nmのいずれも用いることができるが、基材へのダメージを低減するという観点から、波長1,064nmのレーザーが好ましい。またパルス幅については、ピコ秒、ナノ秒共に良好なパターニング性を得ることができる。
パターンの形状は、導電積層体が適用される用途に応じてパターンが選択採用されるが、パターン形状としては、例えば、ストライプ状、格子状、あるいはこれらの組み合わせ等が挙げられ、また、タッチパネル用途としては、特開2006−344163号公報、特開2011−128896号公報等に開示されているパターンが挙げられる。
[導電積層体の適用例]
本発明の導電積層体は、タッチスイッチ、タッチセンサー、タッチパネル等の入力装置、面状発熱体、電磁波シールド、アンテナ部材などに適用することができる。特に、本発明の導電積層体は、湿熱耐久性が良好であることから、車載用のタッチスイッチに好適である。
また、本発明の導電積層体は、成型加工に好適である。家電製品や車載用タッチスイッチに適用するに際し、成型することによりデザイン性が向上する。
[成型加工]
本発明の導電積層体は、様々な成型方法を用いて成型体を得ることができる。真空成型、圧空成型、真空成型と圧空成型を組み合わせた圧空真空成型、プレス成型、プラグ成型、ラミネート成型、インモールド成型、インサート成型などの成型方法で成型することが可能である。これらの成型方法の中でも、生産性の観点から、フィルムインサート成型、真空成型、3次元ラミネート成型、熱プレス成型が好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれによりなんら制限されるものではない。本実施例で用いた評価方法を以下に示す。
[評価方法]
(1)表面抵抗値(Ω/□)の測定
導電積層体の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)社製の「NC−10」)を用いて、渦電流方式でサンプル(50×100mmサイズ)の中央部分を測定した。測定環境は23℃相対湿度55%である。
(2)湿熱耐久性の評価
導電積層体を85℃、相対湿度85%に設定した恒温恒湿器(エスペック(株)社製の「LHU−113」)に入れ、500時間経過後、取り出し、常温(23℃相対湿度55%)で1時間放置後、上記(1)に従って表面抵抗値(R1)を測定した。
また、上記した湿熱試験を行う前の導電積層体の表面抵抗値(R0)に対する、湿熱試験後の表面抵抗値(R1)の変化率(Rv:%)を下記式(1)から求めた。
Rv(%)=(R1−R0)/R0×100 式(1)
(3)アンダーコート層、オーバーコート層、硬化樹脂層の厚みの測定
導電積層体の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定した。測定する導電積層体の断面を収束イオンビーム装置(FIB、Focused Ion Beam)(株式会社日立ハイテクノロジー製「FB2000A」)で薄膜化し、透過型電子顕微鏡(TEM、TRnsmission Electron Microscope)(株式会社日立ハイテクノロジー製「H7100FA」)を用いて観察した。得られた像のコントラスト差より、界面を判断し、計測した。観察は2,000倍から100,000倍の範囲で行い、各層の厚みが1視野内の縦方向で50%以上に収まる倍率を選択して計測した。なお、導電層とオーバーコートが混合して界面が不明な場合は、オーバーコート層の厚みは導電層を含めた厚みとした。
[塗布液の調製]
[アンダーコート層用塗布液の調製]
ポリウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬(株)製の「スーパーフレックス150」、固形分濃度30質量%)に、シリカ粒子の水分散体(日産化学工(株)製の「スノーテックスOUP」、固形分濃度15質量%)と、純水とを、5.25:4.5:5.25の質量比で混合し、固形分濃度15質量%のアンダーコート層塗布液を調製した。
[導電層用塗布液の調製]
[触媒調製例:マグネシアへの触媒金属塩の担持]
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業(株)社製)をメタノール(関東化学(株)社製)に溶解させ、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)社製、MJ−30)を加え、撹拌機で撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径を回収した。上記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
[カーボンナノチューブ集合体製造例:カーボンナノチューブ集合体の合成]
反応器は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管であり、中央部に石英焼結板を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管、上部には廃ガス管を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉を具備する。また反応管内の温度を検知するために熱電対を具備する。
触媒調製例で調製した固体触媒体を、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒層を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラーを用いて窒素ガスを16.5L/分で供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラーを用いてメタンガスを0.78L/分で60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の質量(W)をメタンの流量(F)で割った接触時間(W/F)は、169分・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/秒であった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/分通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。加熱を停止させ、室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を取り出した。
[カーボンナノチューブ集合体の精製および酸化処理]
カーボンナノチューブ集合体製造例で得られた触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を用いて4.8Nの塩酸水溶液2,000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液を濾過した後、濾取物を再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した(脱MgO処理)。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥質量分に対して、約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業(株)社製、1級、Assay60〜61質量%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ集合体を得た。
[カーボンナノチューブ分散液の調製]
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ集合体、6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)社製、セロゲン5A(質量平均分子量:8万))水溶液、イオン交換水、ジルコニアビーズ(東レ(株)社製、“トレセラム”(登録商標)、ビーズサイズ:0.8mm)を容器に加え、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いてpH10に調整した。(分散剤/カーボンナノチューブ質量比=2.5)この容器を振動ボールミル((株)入江商会社製、VS−1、振動数:1,800cpm(60Hz))を用いて2時間振盪させ、カーボンナノチューブペーストを調製した。
次にこのカーボンナノチューブペーストをカーボンナノチューブの濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈し、その希釈液10gに対して再度28質量%アンモニア水溶液でpH10に調整した。その水溶液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)社製、VCX−130)の出力を20Wとし、1.5分間(0.6kW・分/g)、氷冷下分散処理した。その際、分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機((株)トミー精工、MX−300)にて10,000G、15分間遠心処理し、カーボンナノチューブ分散液を得た。その後、水を添加して終濃度でカーボンナノチューブ集合体の濃度が0.06質量%となるように調製してカーボンナノチューブ分散液とした。
[オーバーコート層用塗布液の調製]
ウレタンアクリレート樹脂(大成ファインケミカル株式会社製「アクリット8UX−015A」)95質量部、光重合開始剤(BASF社製「IRGACURE184」)5質量部を酢酸エチルで固形分濃度が1.0質量%となるように希釈して調製した。
[実施例1]
厚み200μmのポリカーボネート樹脂フィルム(旭硝子(株)製の「カーボグラス」)の一方の面に、アンダーコート層、導電層および硬化樹脂層をこの順に積層して導電積層体を作製した。
<アンダーコート層の積層>
上記で調製したアンダーコート用塗布液をスロットダイコート法により塗布し、125℃で1分間乾燥して、アンダーコート層を形成した。このアンダーコート層の厚みは約600nmであった。
<導電層の積層>
上記で調製したカーボンナノチューブ分散液をスロットダイコート法により塗布し、80℃で1分間乾燥さて導電層を形成した。導電層に含まれるカーボンナノチューブ量は約6mg/mである。
<硬化樹脂層の積層>
下記の硬化樹脂層用塗布液をスロットダイコート法により塗布し、125℃で乾燥後、紫外線を1000mJ/cm照射し硬化させて硬化樹脂層を形成した。この硬化樹脂層の厚みは、10μmであった。
<硬化樹脂層用塗布液>
ウレタンアクリレート(共栄社化学株式会社製「UF−8001G」)93質量部、光重合開始剤(BASF社製「IRGACURE184」)7質量部を、有機溶媒(イソプロピルアルコール:酢酸エチル=7:3(質量比))で固形分濃度が30質量%となるように調製した。
[実施例2]
実施例1と同様にして、基材の一方の面に、アンダーコート層と導電層を積層した後、下記の要領でオーバーコート層を積層した。次に、このオーバーコート層の上に、実施例1と同様にして硬化樹脂層を積層して導電積層体を作製した。
<オーバーコート層の積層>
上記で調製したオーバーコート層塗布液をスロットダイコート法により塗布し、125℃で1分乾燥して、オーバーコート層を形成した。このオーバーコート層の厚みは80nmであった。
[実施例3]
硬化樹脂層の厚みを7μmに変更する以外は、実施例2と同様にして導電積層体を作製した。
[実施例4]
硬化樹脂層の厚みを15μmに変更する以外は、実施例2と同様にして導電積層体を作製した。
[比較例1]
硬化樹脂層の厚みを3μmに変更する以外は、実施例2と同様にして導電積層体を作製した。
[比較例2]
実施例2において、オーバーコート層の厚みを1000nm(1μm)に変更し、かつ硬化樹脂層を積層しないこと以外は、実施例2と同様にして導電積層体を作製した。
[比較例3]
実施例2の硬化樹脂層用塗布液を下記の熱可塑性樹脂塗布液に変更する以外は、実施例2と同様にして導電積層体を作製した。
<熱可塑性樹脂塗布液>
熱可塑性樹脂であるポリウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス150」固形分濃度:30質量%)を用いた。
[実施例5]
実施例1と同様にして、基材上に、アンダーコート層および導電層が積層された中間積層体を作製した。次に、この中間積層体の導電層上に、下記の要領で加飾層(硬化樹脂層)を積層して導電積層体を作製した。
<加飾層の積層>
上記の中間積層体をスクリーン印刷機(マイクロ・テック(株)製の「MT−320T」)のステージ上に設置し、中間積層体の導電層上に、下記の加飾インクをスクリーン版(200メッシュ、テトロン製)を用いてスクリーン印刷法で塗布した。塗布後、80℃設定した熱風オーブンに投入し、10分間乾燥した後、さらに90℃で60分間加熱して加飾層(硬化樹脂層)を形成した。この加飾層の厚みは10μmであった。
<加飾インク>
熱硬化型加飾インクとして、黒色スクリーンインキ(帝国インキ製造(株)製の「IPX−HF979墨」)と硬化剤(帝国インキ製造(株)製の「106硬化剤」)とを、質量比50:7で混合したものを用いた。
[実施例6]
実施例2と同様にして、基材上に、アンダーコート層、導電層およびオーバーコート層が積層された中間積層体を作製した。次に、次に、この中間積層体のオーバーコート層上に、実施例5と同様にして加飾層(硬化樹脂層)を積層して導電積層体を作製した。
[実施例7]
実施例6において、熱硬化型加飾インクの塗布回数を2回(重ね塗り)に変更した以外は実施例6と同様にして導電積層体を作製した。この加飾層の厚みを20μmであった。
[実施例8]
下記の熱硬化型加飾インクに変更する以外は、実施例7と同様にして導電積層体を作製した。この加飾層(硬化樹脂層)の厚みは10μmであった。
<加飾インク>
熱硬化型加飾インクとして、透明スクリーンインキ(帝国インキ製造(株)製の「IPX−HF000メジウム」)と硬化剤(帝国インキ製造(株)製の「106硬化剤」)とを、質量比50:7で混合したものを用いた。
[実施例9]
実施例2と同様にして、基材上に、アンダーコート層、導電層およびオーバーコート層が積層された中間積層体を作製し、この中間積層体を200mm×300mmサイズのシート状にカットした。次に、このシート状中間積層体のオーバーコート層上に、図7に示すように、額縁状の黒色加飾層(4a)と、その内側に透明加飾層(4b)を積層した。尚、額縁状の加飾層(4a)の塗布に際し、電極取り出し部(10)を未塗布とした。
額縁状の黒色加飾層(4a)は、黒色スクリーンインキ(帝国インキ製造(株)製の「IPX−HF979墨」)と硬化剤(帝国インキ製造(株)製の「106硬化剤」)とを質量比50:7で混合したものを用いて、厚みが10μmとなるように形成した。
内側の透明加飾層(4b)は、透明スクリーンインキ(帝国インキ製造(株)製の「IPX−HF000メジウム」)と硬化剤(帝国インキ製造(株)製の「106硬化剤」)とを質量比50:7で混合したものを用いて、厚みが10μmとなるように形成した。
[実施例10]
実施例9と同様にしてシート状の中間積層体を作製し、レーザーにより導電層に格子状パターンを形成した。次に、実施例9と同様にして額縁状黒色加飾層(4a)および透明加飾層(4b)を積層して、パターン化された導電積層体を作製した。レーザーとしては、波長1,064nmのYVO4固体レーザーを用いた。
[評価]
上記で作製した各実施例および比較例の導電積層体について、上述の測定方法に従って表面抵抗値をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す
Figure 2017174666
実施例1〜10は、いずれも湿熱耐久性(湿熱試験後の表面抵抗値の変化率)が良好である(変化率Rvが20%以下である)。
一方、比較例1は、硬化樹脂層の厚みが5μm未満であるので、湿熱耐久性が劣っている。比較例2は、オーバーコート層の厚みが1000nm(1μm)と比較的大きくなっているが、硬化樹脂層が積層されていないので、湿熱耐久性が劣っている。比較例3は硬化樹脂層に替えて熱可塑性樹脂層を積層したものであり、湿熱耐久性が劣っている。
本発明の導電積層体は、湿熱耐久性の改良が求められるあらゆる用途に適用可能であり、とくに車載用タッチパネルなどに好適なものである。
1 基材
2 カーボンナノチューブ
3 導電層
4 硬化樹脂層
4a 黒色加飾層
4b 透明加飾層
5 アンダーコート層
6 オーバーコート層
10 電極取り出し部

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、基材側から順に、カーボンナノチューブを含む導電層、および厚みが5μm以上である硬化樹脂層を有することを特徴とする導電積層体。
  2. 前記硬化樹脂層が熱硬化樹脂層または活性エネルギー線硬化樹脂層である、請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記硬化樹脂層が加飾層である、請求項1または2に記載の導電積層体。
  4. 湿熱試験(85℃相対湿度85%の環境下に500時間放置)後の下記式(1)で求められる表面抵抗値の変化率(Rv:%)が20%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
    Rv(%)=(R1−R0)/R0×100 式(1)
    (式中、R0は湿熱試験前の表面抵抗値、R1は湿熱試験後の表面抵抗値を表す。)
  5. 前記基材と導電層との間にアンダーコート層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体。
  6. 前記導電層と硬化樹脂層との間に、厚みが20〜400nmであるオーバーコート層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体。
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