JP2017173757A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防振駆動用のアクチュエータ周りの磁力の遮蔽効果が高く、防振駆動を行う際の駆動効率や制御性に優れる撮像装置を得る。【解決手段】被写体画像を得る撮像手段の少なくとも一部を支持する可動部材を、固定部材に対して光学系の光軸上の揺動中心点を中心として球心揺動可能に支持する撮像装置において、それぞれが光軸を中心とする略円弧形状の磁石とコイルで構成される3つのアクチュエータを光軸を中心とする周方向に互いの間隔を空けて設け、光軸を中心とする径方向で3つのアクチュエータの外径側の位置に、磁性体からなり光軸を中心とする円筒部分を含む外囲ヨークを設けた。【選択図】図10

Description

本発明は、防振(像振れ補正)機構を備えた撮像装置に関する。
近年の撮像装置では、手振れなどを起因とする像振れを軽減させるための防振機構の搭載が一般的になっている。防振機構は、撮像装置に加わる振動や姿勢変化を検知して、その影響をキャンセルするように、撮像光学系や撮像素子を光軸に対してシフト(光軸と垂直な平面に沿う移動)やチルト(光軸に対して傾ける動作)させる。
撮像光学系や撮像素子を駆動する防振駆動用のアクチュエータとして、応答性に優れているボイスコイルモータなどが用いられる。撮像装置における防振駆動用のボイスコイルモータは、防振時に動作する光学要素を保持した可動部材と、この可動部材を支持する固定部材の一方に磁石を設け、他方に磁石の磁界内に位置するコイルを設け、コイルに通電して生じる電磁力によって可動部材を駆動する。
防振駆動用のアクチュエータは撮像光学系の光路を遮らない位置に設置する必要があり、撮像光学系の光軸を中心とする径方向における光路の外側にアクチュエータを配置した構成(特許文献1,2及び3)や、光軸方向における光路の延長上にアクチュエータを配置した構成(特許文献4)が知られている。
特開2012−177755号公報 特許第5096496号公報 特開2008−70770号公報 特開2013−246414号公報
近年は撮像装置の用途の多様化を背景として、防振用の光学要素の動作スペック(駆動量、駆動速度、駆動方向の自由度)を向上させることが求められている。例えば、特許文献1の防振機構では防振用の光学要素を光軸と直交する平面に沿ってシフト動作させ、特許文献3の防振機構では防振用の光学要素を光軸中心に回転させるロール動作を行わせているが、特許文献2と特許文献4ではさらに防振用の光学要素の動作が複雑化しており、ピッチング方向とヨーイング方向の成分を含むチルト動作に加えてロール動作を行わせる3軸駆動タイプの防振機構が提案されている。このような駆動方向の自由度が高いタイプの防振機構では、コンパクトでありつつ強力なアクチュエータや、重量バランスに優れて駆動時の負荷が少ないアクチュエータを実現することが難しかった。
また、防振駆動用のアクチュエータとしてボイスコイルモータを用いる場合、撮像装置から外部へ磁力が漏れて外部の機器に対して悪影響を及ぼしたり、撮像装置の外部からアクチュエータに対して磁力が作用して防振駆動の制御性に悪影響を及ぼしたりする可能性があるため、こうした不具合を防ぐことが求められる。特に、防振駆動用のアクチュエータでは強力な磁石を用いることが多いため、部品配置が密な小型の電子機器に搭載することが想定される撮像装置では、外部への漏れ磁束をできるだけ抑制したいという要求がある。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、磁石とコイルを用いて推力を生じさせるアクチュエータで可動部材を球心揺動させて像振れ補正を行う撮像装置であって、アクチュエータ周りの磁力の遮蔽効果が高く、可動部材を駆動する際の駆動効率や制御性に優れる撮像装置を提供することを目的とする。
本発明は、被写体画像を得る撮像手段の少なくとも一部を支持する可動部材と、固定部材に対して可動部材を、撮像手段を構成する光学系の光軸上の揺動中心点を中心として球心揺動可能に支持する支持部と、可動部材に推力を付与して球心揺動による像振れ補正を行わせる駆動部とを備えた撮像装置に関するものである。駆動部は、可動部材が固定部材に対して球心揺動の初期位置に位置する初期状態での光軸を中心とする周方向に互いの間隔を空けて設けた3つのアクチュエータを備え、該3つのアクチュエータはそれぞれ、初期状態の光軸を中心とする略円弧形状の磁石とコイルを備えている。そして、初期状態の光軸を中心とする径方向で3つのアクチュエータの外径側に位置させて、磁性体からなり初期状態の光軸を中心とする円筒部分を含む外囲ヨークを備えたことを特徴としている。
初期状態の光軸に沿う方向で、外囲ヨークと磁石の互いの中心が略一致する位置にあり、かつ外囲ヨークが磁石よりも長いことが好ましい。この条件を満たすことにより、可動部材側に磁石を支持させた場合に、球心揺動を行う際の揺動方向や揺動角の違いに対する吸引力の変動が生じにくく、防振駆動の制御を行いやすくなる。
外囲ヨークの一形態として、周方向で3つのアクチュエータの外径側を覆う範囲に連続する長さの円筒部を有するように設定することができる。この形態の外囲ヨークは、周方向に途切れない完全な筒状体としてもよいし、各アクチュエータと異なる周方向位置で部分的に途切れた不完全な筒状体としてもよい。
外囲ヨークの異なる形態として、周方向で3つのアクチュエータのそれぞれに対応した周方向範囲で分割される部分円筒状をなす3つの外囲ヨークを備えることもできる。
外囲ヨークのさらに異なる形態として、周方向で交互に3つの部分円筒部と3つの穴部を有する構成にして、3つの部分円筒部が3つのアクチュエータの外径側に位置する第1の位置と、3つの穴部が3つのアクチュエータの外径側に位置する第2の位置とを選択可能にしてもよい。
固定部材は内部に可動部材を球心揺動可能に支持する筒部を有しており、外囲ヨークは固定部材の筒部の外周面上に支持されることが好ましい。
固定部材の筒部に周方向に位置を異ならせて径方向に貫通する3つの貫通穴を設け、これら3つの貫通穴にそれぞれ挿入されて可動部材を球心揺動可能に支持する挿入支持体を備え、外囲ヨークは、固定部材の筒部の外周面上に支持された状態で貫通穴からの挿入支持体の外径方向への離脱を規制するように構成するとよい。
固定部材の筒部の外周面上に突出する突起を挿入支持体に設け、この突起に係合可能な係合穴を外囲ヨークに設け、係合穴に突起を係合させて外囲ヨークを固定部材の筒部の外周面上に支持するように構成してもよい。
可動部材の支持機構は、より詳しくは次のように構成することが好ましい。可動部材には、揺動中心点を中心とする球面の一部である3つの被支持面を周方向に位置を異ならせて設ける。挿入支持体の構成要素として、固定部材の貫通穴内で外径側から順に、外囲ヨークの内周面に当接可能な押さえ部材と、弾性変形可能な弾性部材と、可動部材の被支持面を支持する支持部材を配し、支持部材と押さえ部材の間で弾性部材を径方向に圧縮変形した状態で保持する。そして、3つの被支持面と3つの貫通穴の間の周方向位置に3つのアクチュエータを設ける。
3つのアクチュエータはそれぞれ、磁石とコイルに加えて、磁性体からなる内側ヨークを備えてもよい。内側ヨークは、略円弧形状の磁石の内周面に沿う底壁と、該支持面から外径方向に突出する立壁とを有することが好ましい。これにより、外囲ヨークと内側ヨークで囲まれる空間内に各アクチュエータの磁石を収めてアクチュエータの駆動効率を高めることができる。
3つのアクチュエータは周方向に略等間隔で設けられることが好ましい。これにより、各アクチュエータの磁石と外囲ヨークとの間でバランスの良い吸引力が働き、制御の安定性向上などに寄与する。
本発明は、磁石が可動部材に支持され、コイルが固定部材に支持されるタイプの撮像装置に特に好適である。
以上のように本発明は、可動部材を球心揺動させて像振れ補正を行う撮像装置において、球心揺動用の駆動部として、磁石とコイルがそれぞれ光軸中心の略円弧形状をなす3つのアクチュエータを周方向に位置を異ならせて設け、これら3つのアクチュエータの外径側に、磁性体からなり光軸を中心とする円筒部分を含む外囲ヨークを備えている。この構成によると、光学系の周囲に3つのアクチュエータを省スペースにバランス良く配置することによって、コンパクトさと駆動性能の高さを両立させることができる。特に、アクチュエータを構成する磁石やコイルを光軸中心に湾曲した円弧形状にすることにより、光軸を中心とする径方向に小型でありながら推力の大きい理想的な防振機構が得られる。さらに外囲ヨークによって、アクチュエータの磁束強化、アクチュエータを構成する磁石から外部への磁力の漏れの防止、外部からアクチュエータへの磁力の影響の防止などを実現することができる。従って、アクチュエータ周りの磁力の遮蔽効果が高く、可動部材を駆動する際の駆動効率や制御性に優れる撮像装置を得ることができる。
また、3つの略円弧形状のアクチュエータと、各アクチュエータを囲む円筒部分を有する外囲ヨークとの間でバランス良く磁気的な吸引力が働き、可動部材側に磁石を備える(可動部材と共に磁石が動作する)タイプの撮像装置において、アクチュエータの推力に依存せずに可動部材の安定性を得ることができる。そのため、可動部材側に磁石を備える撮像装置に本発明を適用することで、先に述べた効果に加えて、簡単な構成で省電力に可動部材を安定保持することが可能となる。
本発明を適用した第1の実施形態の撮像装置の外観を示す前方斜視図である。 第1の実施形態の撮像装置の後方斜視図である。 第1の実施形態の撮像装置の正面図である。 第1の実施形態の撮像装置の背面図である。 図3のV矢視図である。 蓋部材とイメージセンサユニットを取り外した状態の第1の実施形態の撮像装置の背面図である。 図3のVII-VII線に沿う断面図である。 図3のVIII-VIII線に沿う断面図である。 図5のIX-IX線に沿う断面図である。 第1の実施形態の撮像装置を分解した状態の前方斜視図である。 第1の実施形態の撮像装置を分解した状態の後方斜視図である。 撮像装置を構成する可動ユニットを分解した状態の前方斜視図である。 可動ユニットを分解した状態の正面図である。 可動ユニットを分解した状態の後方斜視図である。 可動ユニットを分解した状態の背面図である。 可動ユニットの正面図である。 可動ユニットの背面図である。 図16のXVIII矢視図である。 図16のXIX矢視図である。 図16のXX矢視図である。 図16のXXI矢視図である。 固定ユニットを分解した状態の前方斜視図である。 固定ユニットを分解した状態の正面図である。 固定ユニットを分解した状態の後方斜視図である。 固定ユニットを分解した状態の背面図である。 分解した状態の球心揺動用の支持機構と固定ユニットの前方斜視図である。 分解した状態の球心揺動用の支持機構と固定ユニットの後方斜視図である。 球心揺動用の支持機構を構成する支持部材の斜視図である。 図28と異なる方向から見た支持部材の斜視図である。 図28のXXX矢視図である。 図28のXXXI矢視図である。 第1の実施形態の撮像装置で支持部材によってバレルホルダを支持している状態を示す正面図である。 図32のXXXIII矢視図である。 図32のXXXIV-XXXIV線に沿う断面図である。 図33のXXXV-XXXV線に沿う断面図である。 第2の実施形態の撮像装置を分解した状態の前方斜視図である。 第2の実施形態の撮像装置の正面図である。 図37のXXXVIII-XXXVIII線に沿う断面図である。 図37のXXXVIII-XXXVIII線に沿う位置で外囲ヨークのみを示した断面図である。 第2の実施形態の撮像装置で球心揺動用の支持機構を構成する押さえ部材の斜視図である。 図40のXXXXI矢視図である。 図40のXXXXII矢視図である。 第3の実施形態の撮像装置の外観を示す前方斜視図である。 第3の実施形態の撮像装置の正面図である。 第3の実施形態の撮像装置で外囲ヨークを取り外した状態を示す前方斜視図である。 第4の実施形態の撮像装置の外観を示す前方斜視図である。 第4の実施形態の撮像装置の正面図である。 第4の実施形態の撮像装置で外囲ヨークを取り外した状態を示す前方斜視図である。 第5の実施形態の撮像装置を構成する外囲ヨークの前方斜視図である。 同外囲ヨークの側面図である。 図50のLI-LI線に沿う断面図である。 第5の実施形態の撮像装置で外囲ヨークをフリー位置に位置させた状態の前方斜視図である。 図52の状態の撮像装置の側面図である。 図52の状態の撮像装置の背面図である。 図53のLV-LV線に沿う断面図である。 第5の実施形態の撮像装置で外囲ヨークをロック位置に位置させた状態の前方斜視図である。 図56の状態の撮像装置の側面図である。 図56の状態の撮像装置の背面図である。 図57のLIX- LIX線に沿う断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る撮像装置10について説明する。撮像装置10は、被写体画像を得るための撮像手段として、撮像光学系Lとイメージセンサユニット19を有する。図中の「O」は撮像光学系Lの光軸であり、以下の説明では、光軸Oに沿う方向(光軸Oとその延長線が延びる方向、または光軸Oと平行な直線が延びる方向)を光軸方向とし、光軸方向における被写体(物体)側を前方、像側を後方とする。また、光軸Oを中心とする放射方向(光軸Oと垂直で光軸Oと交差する直線が延びる方向)を径方向とし、径方向において光軸Oに接近する方向を内径方向、光軸Oから離れる方向を外径方向とする。また、光軸Oを中心とする円周方向を周方向とする。なお、特に断りがない場合、光軸Oとは、後述する可動ユニット17及び鏡筒11の傾動を行っていない設計上の初期状態(以下、初期位置と呼ぶ)での光軸を意味するものとする。
図1ないし図5に撮像装置10の外観を示す。図7ないし図11に示すように、撮像装置10は、鏡筒11を挿入支持するバレルホルダ(可動部材)12を備え、鏡筒11とバレルホルダ12の結合体がコイルホルダ(固定部材)13と蓋部材14からなるハウジング内に可動に支持されるという基本構造を有している。なお、図7では鏡筒11の後端にイメージセンサユニット19が取り付けられた状態を示しているが、図8ではイメージセンサユニット19の図示を省略している。
図7ないし図17、図32、図34、図35に示すように、バレルホルダ12は、光軸Oを囲む筒部12aの内部に光軸方向に貫通する穴である軸方向貫通部12bを有している。軸方向貫通部12bの後端付近には内径方向へ突出して軸方向貫通部12bの内径サイズ(開口径)を小さくさせる環状の挿入規制フランジ12cが形成されている。
図6ないし図18、図20に示すように、バレルホルダ12の筒部12aの外面には3つの揺動案内面(支持部、被支持面)20が形成されている。3つの揺動案内面20は周方向に位置を異ならせて設けられており、それぞれを符号20A,20B,20Cで区別する。各揺動案内面20A,20B,20Cは光軸O上の所定の点を中心とする同一の球面の一部であり、この球面の中心を球心揺動中心(揺動中心点)Q(図7、図8、図34)とする。揺動案内面20A,20B,20Cは周方向に略同じ幅を有しており、かつ周方向に略等間隔(120度間隔)で配されている。図7、図8及び図34に、光軸O(可動ユニット17及び鏡筒11の初期位置での光軸O)に対して略垂直で球心揺動中心Qを通る仮想平面P1を示した。
図6ないし図8、図11、図14、図15、図17ないし図21、図33、図34に示すように、バレルホルダ12の後端面には、光軸方向後方へ突出する複数の傾動制限突起30が設けられている。傾動制限突起30は、揺動案内面20Aの両側の周方向位置に設けられた一対の傾動制限突起30A,30Bと、揺動案内面20Bの両側の周方向位置に設けられた一対の傾動制限突起30C,30Dと、揺動案内面20Cの両側の周方向位置に設けられた一対の傾動制限突起30E,30Fの計6つからなる。各傾動制限突起30は先端(光軸方向後方の端部)が半球面状の突起であり、バレルホルダ12の後端面からのそれぞれの突出量が略等しい(図18ないし図21、図33、図34参照)。
図9ないし図18、図21、図32、図35に示すように、バレルホルダ12の揺動案内面20A上には、周方向に離間する一対のロール範囲制限突起31が設けられている。球心揺動中心Q(図7、図8、図34)を中心とする球面の一部である揺動案内面20Aは、光軸方向における前端と後端から中央に進むにつれて光軸Oからの距離が大きくなり、一対のロール範囲制限突起31は、光軸Oからの揺動案内面20Aの距離が最も大きくなる光軸方向の中央付近(仮想平面P1上)に設けられている。すなわち、揺動案内面20Aのうち最も外径方向に突出している箇所にロール範囲制限突起31が設けられている。
図12ないし図17、図32、図33に示すように、バレルホルダ12は、3つの揺動案内面20A,20B,20Cの間の周方向位置に3つの支持座21,22,23を有している。支持座21は揺動案内面20Aと揺動案内面20Cの間に位置し、支持座22は揺動案内面20Aと揺動案内面20Bの間に位置し、支持座23は揺動案内面20Bと揺動案内面20Cの間に位置している。支持座21,22,23はそれぞれ、光軸Oを中心とする同一の円筒面の一部である支持面21a,22a,23aと、支持面21a,22a,23aよりも外径方向に突出する磁石支持突起21b,22b,23bを有している。支持面21a,22a,23aはそれぞれ支持座21,22,23の周方向の両端部分に一対が設けられており、各一対の支持面21a,22a,23aの間は凹状になっている。
図8ないし図15、図18、図20、図21、図32、図33、図35に示すように、磁石支持突起21bと磁石支持突起22bは、光軸方向の厚みが小さく周方向に長手方向を向けた板状の突起であり、互いの形状は略共通である。磁石支持突起21bと磁石支持突起22bのそれぞれの光軸方向の前面と後面は、互いに略平行で光軸Oに対して略垂直な平面となっている。磁石支持突起21bと磁石支持突起22bはそれぞれ、支持座21と支持座22の光軸方向の略中央に位置している。図6、図7、図9、図12ないし図17、図19、図32ないし図35に示すように、磁石支持突起23bは周方向の厚みが小さく光軸方向に長手方向を向けた板状の突起である。磁石支持突起23bの周方向の両側面は、互いに略平行で光軸方向に延びる平面となっている。磁石支持突起23bは支持座23の周方向の略中央に位置している。
3つの支持座21,22,23は、磁石支持突起21b,22b,23bを除く基礎部分(支持面21a,22a,23a)の形状が略共通であり、この基礎部分が周方向に略等間隔(120度間隔)で配されている。図9、図12ないし図17に示すように、支持座21上にヨーク(駆動部、内側ヨーク)24が支持され、支持座22上にヨーク(駆動部、内側ヨーク)25が支持され、支持座23上にヨーク(駆動部、内側ヨーク)26が支持される。各ヨーク24,25,26は金属製の磁性体で形成されており、支持面21a,22a,23aに沿う湾曲形状の底壁24a,25a,26aと、底壁24a,25a,26aの周方向の両端から外径方向に突出する各一対の立壁24b,25b,26bを有する。ヨーク24の底壁24aとヨーク25の底壁25aには周方向に長手方向を向けた長穴24c,25cが貫通形成されており、ヨーク26の底壁26aには光軸方向に長手方向を向けた長穴26cが貫通形成されている。長穴24cと長穴25cはそれぞれ磁石支持突起21bと磁石支持突起22bを挿入可能な形状であり、長穴26cは磁石支持突起23bを挿入可能な形状である。各磁石支持突起21b,22b,23bは対応する長穴24c,25c,26cに対してガタつきなく挿入される断面形状を有しており、この挿入状態でバレルホルダ12に対する各ヨーク24,25,26の光軸方向及び周方向の位置が決まる。3つのヨーク24,25,26は、底壁24a,25a,26aと立壁24b,25b,26bについては略共通の形状を有しており、長穴24c及び長穴25cに対する長穴26cの形状のみが異なっている。
図9、図16、図17に示すように、ヨーク24,25,26はそれぞれ、湾曲形状の底壁24a,25a,26aの内周面を支持面21a,22a,23a上に載せて支持座21,22,23上に支持される。このとき磁石支持突起21b,22b,23bがそれぞれ長穴24c,25c,26cを通して外径方向に突出する。ヨーク24,25,26が支持座21,22,23上に支持された状態で、光軸Oを中心とする同一の円筒面上に底壁24a,25a,26aが位置する。図7、図8、図18ないし図21に示すように、ヨーク24,25,26の光軸方向の長さはバレルホルダ12の光軸方向の長さと略一致しており、各磁石支持突起21b,22b,23bと各長穴24c,25c,26cの係合によって位置を定めた状態で、ヨーク24,25,26の前縁部とバレルホルダ12の前端面の光軸方向位置が重なり、ヨーク24,25,26の後縁部とバレルホルダ12の後端面の光軸方向位置が重なる。
図6、図8、図9ないし図18、図20、図21に示すように、ヨーク24上に第1磁石ユニット(駆動部)27が支持され、ヨーク25上に第2磁石ユニット(駆動部)28が支持される。第1磁石ユニット27は周方向に長手方向を向けた円弧形状をなす一組の永久磁石27-1と永久磁石27-2からなり、第2磁石ユニット28も同様に周方向に長手方向を向けた円弧形状をなす一組の永久磁石28-1と永久磁石28-2からなる。永久磁石27-1と永久磁石27-2は同形状であり、光軸Oを中心とする円筒面の一部である内周面27aと、内周面27aを含む円筒面よりも径の大きい同心状の円筒面の一部である外周面27bを有している。また、永久磁石27-1と永久磁石27-2はそれぞれ、長手方向の両端に位置して内周面27aと外周面27bを径方向に接続する一対の長手方向端面27cと、一対の長手方向端面27cの間を長手方向に延びて内周面27aと外周面27bを径方向に接続する一対の側面27d,27eを有している。永久磁石28-1と永久磁石28-2はいずれも永久磁石27-1及び永久磁石27-2と同形状の磁石であり、永久磁石27-1,27-2と同様の内周面28a、外周面28b、一対の長手方向端面28c、一対の側面28d,28eを有している。
第1磁石ユニット27は、永久磁石27-1が前方、永久磁石27-2が後方となる関係で光軸方向(永久磁石27-1と永久磁石27-2の短手方向)に並列してヨーク24上に配置される。図9、図16ないし図18、図21に示すように、永久磁石27-1と永久磁石27-2のそれぞれの内周面27aが底壁24a上に載置され、一対の長手方向端面27cが一対の立壁24bに対向する。内周面27aは底壁24aに沿う湾曲面であり、内周面27aと底壁24aの当接によって永久磁石27-1と永久磁石27-2が径方向に安定して支持される。また、一対の長手方向端面27cを一対の立壁24bで挟むことによって永久磁石27-1と永久磁石27-2の周方向の位置が定められる。さらに、長穴24cを通して突出する磁石支持突起21bを永久磁石27-1の側面27eと永久磁石27-2の側面27dの間に挟むことによって、永久磁石27-1と永久磁石27-2は光軸方向に所定の間隔をもって離間して並列する。磁石支持突起21bは永久磁石27-1と永久磁石27-2よりも周方向に短く、永久磁石27-1と永久磁石27-2の長手方向の中央付近に磁石支持突起21bが挟まれることにより、永久磁石27-1の側面27eと永久磁石27-2の側面27dの間に接着剤注入空間M1が形成される(図18、図21)。以上のヨーク24と磁石支持突起21bによる支持状態で、永久磁石27-1の側面27dはバレルホルダ12の前端面(ヨーク24の前縁部)と略同じ光軸方向位置にあり、永久磁石27-2の側面27eはバレルホルダ12の後端面(ヨーク24の後縁部)と略同じ光軸方向位置にある(図18、図21)。つまり、永久磁石27-1と磁石支持突起21bと永久磁石27-2のそれぞれの光軸方向の幅の和が、バレルホルダ12やヨーク24の光軸方向長と略一致しており、第1磁石ユニット27はバレルホルダ12の前後に突出せずに支持される。
第2磁石ユニット28は、永久磁石28-1が前方、永久磁石28-2が後方となる関係で光軸方向(永久磁石28-1と永久磁石28-2の短手方向)に並列してヨーク25上に配置される。図8、図9、図16ないし図18、図20に示すように、永久磁石28-1と永久磁石28-2のそれぞれの内周面28aが底壁25a上に載置され、一対の長手方向端面28cが一対の立壁25bに対向する。内周面28aは底壁25aに沿う湾曲面であり、内周面28aと底壁25aの当接によって永久磁石28-1と永久磁石28-2が径方向に安定して支持される。また、一対の長手方向端面28cを一対の立壁25bで挟むことによって永久磁石28-1と永久磁石28-2の周方向の位置が定められる。さらに、長穴25cを通して突出する磁石支持突起22bを永久磁石28-1の側面28eと永久磁石28-2の側面28dの間に挟むことによって、永久磁石28-1と永久磁石28-2は光軸方向に所定の間隔をもって離間して並列する。磁石支持突起22bは永久磁石28-1と永久磁石28-2よりも周方向に短く、永久磁石28-1と永久磁石28-2の長手方向の中央付近に磁石支持突起22bが挟まれることにより、永久磁石28-1の側面28eと永久磁石28-2の側面28dの間に接着剤注入空間M2が形成される(図18、図20)。以上のヨーク25と磁石支持突起22bによる支持状態で、永久磁石28-1の側面28dはバレルホルダ12の前端面(ヨーク25の前縁部)と略同じ光軸方向位置にあり、永久磁石28-2の側面28eはバレルホルダ12の後端面(ヨーク25の後縁部)と略同じ光軸方向位置にある(図8、図18、図20)。つまり、永久磁石28-1と磁石支持突起22bと永久磁石28-2のそれぞれの光軸方向の幅の和が、バレルホルダ12やヨーク25の光軸方向長と略一致しており、第2磁石ユニット28はバレルホルダ12の前後に突出せずに支持される。
図6、図9ないし図17、図19、図20に示すように、ヨーク26上に第3磁石ユニット(駆動部)29が支持される。第3磁石ユニット29は、光軸方向に長手方向を向けた一組の永久磁石29-1と永久磁石29-2からなる。永久磁石29-1と永久磁石29-2は同形状であり、光軸Oを中心とする円筒面の一部である内周面29aと、内周面29aを含む円筒面よりも径の大きい同心状の円筒面の一部である外周面29bを有している。また、永久磁石29-1と永久磁石29-2はそれぞれ、長手方向の両端に位置して内周面29aと外周面29bを径方向に接続する一対の長手方向端面29cと、一対の長手方向端面29cの間を長手方向に延びて内周面29aと外周面29bを径方向に接続する一対の側面29d,29eを有している。
第1磁石ユニット27や第2磁石ユニット28と異なり、第3磁石ユニット29は、永久磁石29-1と永久磁石29-2を周方向(永久磁石29-1と永久磁石29-2の短手方向)に並列させてヨーク26上に配置される。図7、図9、図16、図17、図19に示すように、永久磁石29-1と永久磁石29-2のそれぞれの内周面29aが底壁26a上に載置され、永久磁石29-1の側面29dが一対の立壁26bの一方に対向し、永久磁石29-2の側面29eが一対の立壁26bの他方に対向する。内周面29aは底壁26aに沿う湾曲面であり、内周面29aと底壁26aの当接によって永久磁石29-1と永久磁石29-2が径方向に安定して支持される。長穴26cを通して突出する磁石支持突起23bを永久磁石29-1の側面29eと永久磁石29-2の側面29dの間に挟むことによって、永久磁石29-1と永久磁石29-2は周方向に所定の間隔をもって離間して並列する。磁石支持突起23bは永久磁石29-1と永久磁石29-2よりも光軸方向に短く、永久磁石29-1と永久磁石29-2の長手方向の中央付近に磁石支持突起23bが挟まれることにより、永久磁石29-1の側面29eと永久磁石29-2の側面29dの間に接着剤注入空間M3が形成される(図19)。磁石支持突起23bを挟んだ状態の永久磁石29-1と永久磁石29-2が一対の立壁26bで両側から挟まれて第3磁石ユニット29の周方向の位置が定められる。別言すれば、永久磁石29-1と磁石支持突起23bと永久磁石29-2のそれぞれの周方向の幅の和が、周方向におけるヨーク26の一対の立壁26bの間隔と略一致している。また、永久磁石29-1と永久磁石29-2のそれぞれの光軸方向の長さ(一対の長手方向端面29cの間隔)はバレルホルダ12やヨーク26の光軸方向の長さと略一致しており、永久磁石29-1と永久磁石29-2はそれぞれ、一対の長手方向端面29cがバレルホルダ12の前後の端面(ヨーク26の前後の縁部)と重なり、その前後に突出せずに支持される(図19)。
接着剤注入空間M1,M2,M3のそれぞれに接着剤を注入する。接着剤注入空間M1に注入した接着剤によってヨーク24と第1磁石ユニット27がバレルホルダ12(磁石支持突起21b)に対して固定され、接着剤注入空間M2に注入した接着剤によって、ヨーク25と第2磁石ユニット28がバレルホルダ12(磁石支持突起22b)に対して固定され、接着剤注入空間M3に注入した接着剤によって、ヨーク26と第3磁石ユニット29がバレルホルダ12(磁石支持突起23b)に対して固定される。つまり、接着剤注入空間M1,M2,M3内に、各接着剤注入空間27,28,29を構成する各磁石をそれぞれ磁石支持突起21b,22b,23bとヨーク24,25,26に対して接着固定する接着固定部が形成される。
以上のようにしてヨーク24,25,26と磁石ユニット27,28,29をバレルホルダ12に組み付けることで、図16ないし図21に示すサブアッセンブリである可動ユニット17になる。可動ユニット17では、ヨーク24と第1磁石ユニット27(磁石支持突起21bを含む)のセットと、ヨーク25と第2磁石ユニット28(磁石支持突起22bを含む)のセットと、ヨーク26と第3磁石ユニット29(磁石支持突起23bを含む)のセットは、それぞれが周方向と光軸方向に略同じサイズとなり、これら3つのセットが周方向に略等間隔(120度間隔)で配置される。
図6、図9、図16、図17に示すように、可動ユニット17における各磁石ユニット27,28,29は、それぞれの外周面27b,28b,29bが光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置し、外周面27b,28b,29bを含む円筒面よりも径が小さく光軸Oを中心とする別の同一の円筒面上にそれぞれの内周面27a,28a,29aが位置する。
可動ユニット17で第1磁石ユニット27,第2磁石ユニット28,第3磁石ユニット29を構成する各永久磁石のN極とS極を図13、図15ないし図17に符号「N」と「S」で概念的に表した。各永久磁石は径方向にN極とS極が並ぶように着磁されており、永久磁石27-1と永久磁石28-2と永久磁石29-1はそれぞれ内径側がS極で外径側がN極であり、永久磁石27-2と永久磁石28-1と永久磁石29-2はそれぞれ内径側がN極で外径側がS極となっている。各磁石ユニット27,28,29を短手方向に並列する2つの永久磁石に分割した構成にすることで、各磁石ユニット27,28,29を一つの大型の永久磁石で構成する場合よりも着磁を行いやすく、軽量化の面でも有利となる。
図7、図8、図10、図11、図22ないし図27に示すように、コイルホルダ13は、光軸Oを囲む筒部13aの内部に光軸方向に貫通する軸方向貫通部13bを有している。コイルホルダ13の前端には内径方向に突出する前壁13cが形成されており、前壁13cの内縁部として形成された円形の中央開口13dは、軸方向貫通部13bよりも開口径が小さい。筒部13aの後端には、外径方向に突出する3つの取付突起13eが周方向に略等間隔(120度間隔)で設けられている。各取付突起13eには光軸方向に向けてビス挿通穴が形成されており、撮像装置10を電子機器などに取り付ける際に、取付突起13eのビス挿通穴に固定用のビスを螺合させることができる。
図6ないし図11、図22、図24ないし図27に示すように、コイルホルダ13には、筒部13aの内周面から内径方向へ突出する3つの肉厚部40が設けられている。3つの肉厚部40は周方向に略等間隔(120度間隔)で設けられており、それぞれを符号40A,40B,40Cで区別する。各肉厚部40は内径方向に進むにつれて周方向の幅を狭くする楔状の断面形状を有しており、径方向に貫通する貫通穴41が内部に形成されている。貫通穴41は光軸方向の長さが周方向の幅よりも大きい長穴であり、外径側に位置する外径穴部41aが、内径側に位置する内径穴部41bよりも光軸方向に長くなっている(図7、図8)。また、外径穴部41aは内径穴部41bよりも周方向の幅がわずかに大きい(図9)。貫通穴41内にはさらに、外径穴部41aと内径穴部41bの間の径方向位置にフランジ嵌合部41cが形成されている(図7、図8)。フランジ嵌合部41cは、周方向の幅が内径穴部41bと略同じであり、光軸方向には、内径穴部41bよりも長く外径穴部41aよりもわずかに短い。フランジ嵌合部41cの内径側の底部には、外径方向に向く面である規制面41dが形成されている(図7、図8)。
図7ないし図9、図22、図24、図25に示すように、コイルホルダ13の筒部13aには、径方向に貫通する3つの貫通穴45,46,47が形成されている。貫通穴45,46,47は3つの肉厚部40の間の周方向位置にあり、肉厚部40Aと肉厚部40Cの間に貫通穴45が位置し、肉厚部40Aと肉厚部40Bの間に貫通穴46が位置し、肉厚部40Bと肉厚部40Cの間に貫通穴47が位置する。貫通穴45,46はそれぞれ周方向に長手方向を向けた長穴であり、筒部13aを平面状に展開した場合に略矩形となる展開形状を有している。貫通穴45と貫通穴46の周方向長は略等しく、貫通穴45と貫通穴46の光軸方向長も略等しい。貫通穴47も筒部13aを平面状に展開した場合に略矩形となる展開形状を有しているが、周方向長と光軸方向長の比率が貫通穴45及び貫通穴46とは異なっており、貫通穴47の周方向長は貫通穴45及び貫通穴46の周方向長よりも小さく、貫通穴47の光軸方向長は貫通穴45及び貫通穴46の光軸方向長よりも大きい。周方向における貫通穴45,46,47の長さの中央をそれぞれ周方向の基準位置とした場合、3つの貫通穴45,46,47の基準位置は周方向に略等間隔(120度間隔)の関係である。
図8ないし図11、図22ないし図27に示すように、コイルホルダ13の筒部13aの外周面上には、貫通穴45,46,47の周囲に有底の支持凹部48,49,50が形成されている。支持凹部48,49は周方向に長手方向が向く凹部であり、互いの周方向長と光軸方向長が略等しい。支持凹部50は、支持凹部48,49よりも周方向には短く光軸方向には長い凹部である。
図7ないし図11、図22ないし図27に示すように、支持凹部48,49,50上にそれぞれコイル支持板51,52,53が支持される。コイル支持板51,52,53は筒部13aの外周面に沿う湾曲形状の板状部材であり、支持凹部48,49,50上に支持される状態でコイル支持板51,52,53の外面が筒部13aの外周面と略面一になる。すなわち、コイル支持板51,52,53が光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置する。コイル支持板51とコイル支持板52は略共通の形状であり、それぞれの周方向及び光軸方向の中央付近に、内径方向へ突出するコイル支持突起51a,52aが形成され、各コイル支持突起51a,52aの裏側にセンサ支持凹部51b,52bが形成されている。コイル支持板53は、コイル支持板51及びコイル支持板52よりも周方向には短く光軸方向には長い。コイル支持板53の周方向及び光軸方向の中央付近に、内径方向へ突出するコイル支持突起53aが形成され、コイル支持突起53aの裏側にセンサ支持凹部53bが形成されている。コイル支持板51,52,53にはさらに径方向に貫通する貫通穴51c,52c,53cが形成されている。
コイル支持板51に第1コイル54が支持され、コイル支持板52に第2コイル55が支持され、コイル支持板53に第3コイル56が支持される。第1コイル54と第2コイル55はそれぞれ、周方向に延びる各一対の長辺部54a,55aの周方向端部を光軸方向に延びる各一対の短辺部54b,55bで接続した空芯コイルである。第3コイル56は、光軸方向に延びる一対の長辺部56aの光軸方向端部を周方向に延びる一対の短辺部56bで接続した空芯コイルである。第1コイル54と第2コイル55は略同じ形状であり、互いの長辺部54a,55aの周方向長が略等しく、かつ互いの短辺部54b,55bの光軸方向長が略等しい。第3コイル56の長辺部56aの光軸方向長は第1コイル54及び第2コイル55の短辺部54b,55bの光軸方向長よりも大きく、第3コイル56の短辺部56bの周方向長は第1コイル54及び第2コイル55の長辺部54a,55aの周方向長よりも小さい。各コイル54,55,56は、コイル支持板51,52,53の内周面に沿う円筒面の一部である湾曲した外周面54c,55c,56cと、外周面54c,55c,56cを含む円筒面よりも小径の円筒面上に位置する湾曲した内周面54d,55d,56dを有している。
第1コイル54は、一対の長辺部54aと一対の短辺部54bで囲まれる中空部にコイル支持突起51aを挿入し、外周面54cをコイル支持板51の内周面に当接させてコイル支持板51に取り付けられる。コイル支持板51と第1コイル54は接着などで固定される。この状態でコイル支持板51をコイルホルダ13の支持凹部48上に支持させると、第1コイル54が貫通穴45内に挿入されて内周面54dがコイルホルダ13の内径側に向く(図6、図9、図27)。
第2コイル55は、一対の長辺部55aと一対の短辺部55bで囲まれる中空部にコイル支持突起52aを挿入し、外周面55cをコイル支持板52の内周面に当接させてコイル支持板52に取り付けられる。コイル支持板52と第2コイル55は接着などで固定される。この状態でコイル支持板52をコイルホルダ13の支持凹部49上に支持させると、第2コイル55が貫通穴46内に挿入されて内周面55dがコイルホルダ13の内径側に向く(図6、図8、図9)。
第3コイル56は、各一対の長辺部56aと短辺部56bで囲まれる中空部にコイル支持突起53aを挿入し、外周面56cをコイル支持板53の内周面に当接させてコイル支持板53に取り付けられる。コイル支持板53と第3コイル56は接着などで固定される。この状態でコイル支持板53をコイルホルダ13の支持凹部50上に支持させると、第3コイル56が貫通穴47内に挿入されて内周面56dがコイルホルダ13の内径側に向く(図6、図7、図9、図27)。
コイル支持板51,52,53を介してコイルホルダ13に取り付けられた状態の各コイル54,55,56の位置関係を図9に示す。図9から分かるように、各コイル54,55,56は、それぞれの外周面54c,55c,56cが光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置し、外周面54c,55c,56cを含む円筒面よりも径が小さく光軸Oを中心とする別の同一の円筒面上にそれぞれの内周面54d,55d,56dが位置する。
図7ないし図11、図22ないし図27に示すように、コイル支持板51,52,53のセンサ支持凹部51b,52b,53b内にホールセンサ(磁気センサ)57,58,59が取り付けられる。センサ支持凹部51b,52b,53bはそれぞれ、内径方向に突出するコイル支持突起51a,52a,53aの内部空間を利用して凹設されており、外径方向に向けて開放された凹部となっている。そのため、センサ支持凹部51b,52b,53b内に取り付けられたホールセンサ57,58,59は、各コイル54,55,56の中空部分の内側に収まる状態で保持される(図7ないし図9参照)。図9に示すように、この保持状態における各ホールセンサ57,58,59は、周方向に略等間隔(120度間隔)で位置し、かつ光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置する(光軸Oからの径方向距離が略等しい)。また、各ホールセンサ57,58,59は光軸方向において仮想平面P1上に位置する。
以上のようにしてコイル支持板51,52,53を介して第1コイル54,第2コイル55,第3コイル56とホールセンサ57,58,59をコイルホルダ13に組み付けることで、図10、図11、図26、図27に示すサブアッセンブリである固定ユニット18が構成される。
可動ユニット17は固定ユニット18に対して、球心揺動中心Qを中心とする方向自在な回転動作(球心揺動)を行うことが可能に支持される。図7ないし図11、図26、図27に示すように、可動ユニット17を球心揺動可能に支持する支持機構の構成要素として、コイルホルダ13の3つの貫通穴41のそれぞれの内部に、内径側から順に支持部材(支持部、挿入支持体)42と弾性部材(支持部、挿入支持体)43と押さえ部材(支持部、挿入支持体)44が配設されている。
図28ないし図35に示すように、支持部材42は、外径側に位置するフランジ42aから内径方向に向けて突出部42bを突出させており、フランジ42aの外径側の端部に平面状の挟持面42cが形成され、突出部42bの内径側の端部に支持面42dが形成されている。支持面42dは凹状の円筒面であり、その詳細については後述する。支持部材42の周方向の両側には、フランジ42aと突出部42bに連続して略平行な一対の側面42eが形成されている。フランジ42aと突出部42bのそれぞれの光軸方向の両端部は、一対の側面42eを接続する湾曲面になっている。突出部42bは、光軸方向の長さと周方向の幅が貫通穴41の内径穴部41bに対応している。フランジ42aは、突出部42bよりも光軸方向に長く、光軸方向の長さと周方向の幅が貫通穴41のフランジ嵌合部41cに対応している。すなわち、フランジ42aは、貫通穴41の外径穴部41aを通過してフランジ嵌合部41cまで挿入可能であるが、規制面41dにより規制されて内径穴部41bには挿入できない形状である。
図7や図8に示すように、支持部材42は、支持面42dを内径側に向けて外径穴部41aの外径側の開口から貫通穴41内に挿入され、フランジ42aが規制面41dに当接することで、それ以上の内径側への移動(挿入)が規制される。このとき、支持面42dを含む突出部42bの内径側の一部が、内径穴部41bを貫通して各肉厚部40A,40B,40Cの内径側に突出する(図6ないし図9)。この貫通穴41への挿入状態において支持部材42は、一対の側面42eが貫通穴41(内径穴部41bとフランジ嵌合部41c)の内面に当接して周方向の位置が定まり、一対の側面42eを接続する前後の湾曲面が貫通穴41(内径穴部41bとフランジ嵌合部41c)の内面に当接して光軸方向の位置が定まる。つまり、貫通穴41に対して支持部材42は、外径方向への移動のみ可能で、それ以外の方向への移動が規制された状態となる。
弾性部材43は弾性変形可能な材質からなり、貫通穴41の外径穴部41a内に収まる大きさ(光軸方向の長さと周方向の幅)を有する略矩形の板状部材である。弾性部材43は、貫通穴41内で支持部材42の挟持面42c上に支持される。
押さえ部材44は、外径側を向く被押圧面44aと、内径側を向く挟持面44bと、略平行な一対の側面44cと、被押圧面44aの前後に位置する一対のテーパ面44dを有している。被押圧面44aと挟持面44bは互いに略平行な平面である。押さえ部材44の光軸方向の両端部は、一対の側面44cを接続する湾曲面になっている。各テーパ面44dは、被押圧面44aから離れて光軸方向の端部(湾曲面)に近づくにつれて外径側から内径側に進む(挟持面44bに近づく)傾斜面である。押さえ部材44は、光軸方向の長さと周方向の幅が貫通穴41の外径穴部41aに対応しており、一対の側面44cが貫通穴41(外径穴部41a)の内面に当接して周方向の位置が定まり、一対の側面44cを接続する前後の湾曲面が貫通穴41(外径穴部41a)の内面に当接して光軸方向の位置が定まる。また、挟持面44bが弾性部材43に当接することで、内径側への押さえ部材44の移動(挿入)が制限される。このとき押さえ部材44は、被押圧面44aとテーパ面44dを含む外径側の一部が、外径穴部41aから(筒部13aの外周面よりも)外径方向にわずかに突出する。
弾性部材43と押さえ部材44の組み付けの手順として、支持部材42を貫通穴41に挿入した後で貫通穴41内へ順次挿入してもよいし、支持部材42と共にまとめて貫通穴41内へ挿入してもよい。いずれの形態でも、支持部材42と弾性部材43と押さえ部材44はそれぞれ、外径穴部41aの外径側の開口から内径方向に向けて貫通穴41内に挿入される。
以上のように、貫通穴41に支持部材42と弾性部材43と押さえ部材44を挿入すると、フランジ42aが規制面41dに当接することで支持部材42の径方向位置が定まり、支持部材42の挟持面42cと押さえ部材44の挟持面44bの間に弾性部材43が挟まれる。貫通穴41の外径側を塞いでいない状態では、自由状態にある弾性部材43上に支持されている押さえ部材44が外径穴部41aから外径方向に所定量突出している。なお、貫通穴41、支持部材42、弾性部材43及び押さえ部材44はそれぞれ、仮想平面P1(図7、図8、図34)に関して略対称な形状であり、支持部材42と弾性部材43と押さえ部材44はいずれも光軸方向に任意の向きで貫通穴41に挿入することができる。
各貫通穴41に支持部材42、弾性部材43及び押さえ部材44を挿入した状態で、コイルホルダ13の筒部13aの外側に外囲ヨーク60を取り付ける。外囲ヨーク60は金属製の磁性体からなる筒状体である。外囲ヨーク60はコイルホルダ13の筒部13aよりも大径であり、コイルホルダ13に外囲ヨーク60を取り付ける前の状態で外囲ヨーク60の中心軸と筒部13aの中心軸を一致させると、貫通穴41から外径方向に突出する3つの押さえ部材44のテーパ面44dが外囲ヨーク60の光軸方向の延長上に位置する関係となる。
外囲ヨーク60の後端部に、コイルホルダ13の3つの取付突起13eが嵌合可能な3つの嵌合凹部60aが周方向に略等間隔(120度間隔)で形成されている。図1ないし図8に示すように、各嵌合凹部60aと各取付突起13eが嵌合するまで、外囲ヨーク60に対してコイルホルダ13を光軸方向に挿入する(コイルホルダ13に対して外囲ヨーク60を被せる)。具体的には、取付突起13eがコイルホルダ13の後端部に設けられているため、外囲ヨーク60の後端側からコイルホルダ13の前端部を挿入する(コイルホルダ13の前端側から外囲ヨーク60を被せる)。この挿入の際に、各貫通穴41内に挿入された押さえ部材44のテーパ面44d(一対のテーパ面44dのうち光軸方向前方のテーパ面44d)に対して外囲ヨーク60の後端部が当接し、外囲ヨーク60により加わる光軸方向の力から、テーパ面44dの傾斜形状によって押さえ部材44を内径方向へ押圧する分力が生じる。この分力によって内径方向に押し込まれた押さえ部材44が、挟持面44bで弾性部材43を押圧して圧縮(弾性変形)させる。
図1ないし図8に示す外囲ヨーク60の取り付け完了状態では、押さえ部材44の被押圧面44aが外囲ヨーク60の内周面に当接して外径方向の移動が規制され、弾性部材43を圧縮変形させた状態が維持される。圧縮された弾性部材43が復元しようとする力によって、支持部材42に対して内径方向への押圧力が働き、押さえ部材44に対して外径方向への押圧力が働く。支持部材42と押さえ部材44はそれぞれ当該押圧方向への移動が規制されているため、径方向における支持部材42と押さえ部材44の位置が定まる。別言すれば、外囲ヨーク60と押さえ部材44と弾性部材43によって支持部材42を内径側に押し付ける力を付与し、規制面41dが位置基準となるように支持部材42の径方向位置を安定させている。規制面41dにフランジ42aを当接させた状態の支持部材42の径方向位置(図6ないし図9、図32ないし図35に示す位置)を支持位置とする。各支持部材42が支持位置にある状態で、支持部材42の内径側の端部に設けられた支持面42dは、球心揺動中心Qを通り光軸Oに対して略垂直な線(図7や図8の紙面に対して略垂直な線)を中心とする円筒面(円筒凹面)の一部となる。
コイルホルダ13の筒部13aの外側に取り付けられた外囲ヨーク60は、周方向に位置を異ならせた3つの押さえ部材44との間で摩擦力が働くため、筒部13aに対して位置ずれせずに安定して保持される。また、磁石ユニット27,28,29からの磁気的吸引力によっても外囲ヨーク60は安定する。さらに、3つの嵌合凹部60aを取付突起13eに嵌合させていることで、コイルホルダ13に対する外囲ヨーク60の位置が確実に定まる。このようにコイルホルダ13に対して取り付けた状態で、外囲ヨーク60の中心軸は光軸Oと略一致する。なお、コイルホルダ13に対する外囲ヨーク60の保持をさらに確実にするために、必要に応じて接着などの手段で固定させてもよい。
可動ユニット17は、バレルホルダ12に形成した揺動案内面20A,20B,20Cの周方向位置をそれぞれ肉厚部40A,40B,40Cに対応させて(径方向に対向させて)、軸方向貫通部13b内に挿入される。図6ないし図8に示すように、支持位置にある支持部材42の突出部42bのうち最も内径方向に突出している部分は、バレルホルダ12の揺動案内面20A,20B,20Cのうち最も外径方向に突出している部分よりも内径側に位置している(図6のように光軸Oに沿って見たときに、球面の一部である揺動案内面20A,20B,20Cと円筒面の一部である支持面42dが径方向にオーバーラップした関係にある)。そのため、3つの支持部材42が全て支持位置にある状態では、固定ユニット18(コイルホルダ13)に対する可動ユニット17(バレルホルダ12)の光軸方向への挿入が支持部材42による制限を受けてしまう。従って、外囲ヨーク60の取り付けによる各支持部材42の支持位置への最終的な保持は、少なくとも固定ユニット18内に可動ユニット17を組み付けた後で行うことが望ましい。外囲ヨーク60を取り付ける前の段階では、各支持部材42は対応する貫通穴41内で外径方向への移動が許されるため、支持部材42を外径方向に退避させて(揺動案内面20A,20B,20Cと干渉しない状態にさせて)固定ユニット18内への可動ユニット17の挿入を行うことができる。固定ユニット18内に可動ユニット17を挿入した後で外囲ヨーク60を取り付けて各支持部材42を支持位置に保持する。なお、固定ユニット18に可動ユニット17を挿入する段階では、支持部材42、弾性部材43及び押さえ部材44のいずれも貫通穴41に挿入せず、可動ユニット17の挿入後に、貫通穴41への支持部材42、弾性部材43及び押さえ部材44の挿入と外囲ヨーク60の組み付けを行ってもよい。
固定ユニット18への可動ユニット17の組み付けが完了し、かつ各支持部材42が支持位置に保持されると、図7ないし図9に示すように、肉厚部40Aから内径方向に突出する支持部材42の支持面42dが揺動案内面20Aに対向し、肉厚部40Bから内径方向に突出する支持部材42の支持面42dが揺動案内面20Bに対向し、肉厚部40Cから内径方向に突出する支持部材42の支持面42dが揺動案内面20Cに対向する。そして、各支持面42dに沿って揺動案内面20A,20B,20Cが案内されることで、固定ユニット18(コイルホルダ13)の軸方向貫通部13b内に支持された可動ユニット17(バレルホルダ12)は、揺動案内面20A,20B,20Cを含む球面の中心である球心揺動中心Qを中心とする球心揺動を行うことが可能になる。
図32ないし図35は、支持位置にある支持部材42と揺動案内面20(20A)の関係を示したものである。球心揺動中心Qを中心とする球面の一部である揺動案内面20(20A)と、球心揺動中心Qを通り光軸Oと略垂直な線を中心とする円筒面の一部である支持面42dは、光軸Oに沿って延びる円弧状の線状領域で接触する。より詳しくは、光軸Oを含む断面上(図34)では、支持面42dは球心揺動中心Qを中心とする半径rの円弧に沿う形状であり、この半径rは揺動案内面20の半径と略一致する。一方、光軸Oと垂直な断面上(図35)では、支持面42dは揺動案内面20(20A)に対する接線の形状となり、周方向において点状の領域のみで支持面42dが揺動案内面20(20A)に接触する。従って、揺動案内面20(20A)と支持面42dは、支持部材42の周方向の中心を通り光軸Oを含む図34の断面内で、球心揺動中心Qを中心とする円弧状の線状領域で接触する。
図32と図35に示すように、揺動案内面20Aの周方向の幅は、支持面42dの周方向の幅よりも大きい。図33と図34に示すように、揺動案内面20Aが形成される光軸方向の範囲は、支持面42dが形成される光軸方向の範囲よりも広い。そのため、可動ユニット17(バレルホルダ12)は、揺動案内面20Aが支持面42dに対向して上述の円弧状の線状領域で接触する状態を維持しながら、所定量の球心揺動を行うことができる。
図32ないし図35に示す揺動案内面20Aと同様に、揺動案内面20Bと揺動案内面20Cは、対応する支持部材42の支持面42dに対して、球心揺動中心Qを中心として光軸Oに沿って延びる円弧状の線状領域で接触しながら、可動ユニット17の球心揺動を案内することができる。
このように、各揺動案内面20A,20B,20Cに対して支持面42dが球心揺動中心Qを中心とする円弧状の線状領域で接触する構成は、凸状の球面と凹状の球面を面接触させて球心揺動可能に支持する構成に比して摺動抵抗が少なく、アクチュエータへの負荷が小さい円滑な球心揺動を実現することができる。また、凸状の球面と凹状の球面を面接触させる構成に比して、部品の精度誤差が動作精度に及ぼす影響(感度)が低く、部品の製造や組み付けにおける精度管理が容易になる。また、凸状の球面に対して球体を当接(点接触)させて球心揺動可能に支持する構成に比べて荷重を受ける領域が広いため、衝撃が加わったときに、各揺動案内面20A,20B,20Cと支持面42dとの間で局所的な荷重の集中による変形や破損(例えば揺動案内面20A,20B,20C上への打痕)が生じにくく、耐衝撃性、耐久性に優れている。
コイルホルダ13の軸方向貫通部13bの後端に蓋部材14が組み付けられる。図2、図4、図7、図8、図10、図11に示すように、蓋部材14は軸方向貫通部13bの内周部に嵌る径の円盤状部材であり、径方向の中央に位置する円形の中央開口14aと、中央開口14aの外径側を囲む板状の蓋部14bとを有している。蓋部14bの前面側には、中央開口14aを囲む環状の領域に傾動規制面14cが形成されている。図7と図8に示すように、蓋部材14は、蓋部14bの前面を3つの肉厚部40(40A,40B,40C)の後端面に当接させる位置でコイルホルダ13に固定される。この状態で、傾動規制面14cは光軸Oに対して略垂直な平面となる。
可動ユニット17を構成するバレルホルダ12内に鏡筒11が支持される。鏡筒11は複数のレンズで構成される撮像光学系L(図7、図8参照)を内部に保持した筒状体である。図7、図8、図10、図11に示すように、鏡筒11は光軸方向に進むにつれて段階的に径の大きさを変化させており、光軸方向の最前部に最も径が大きい大径部11aを有し、その後方に大径部11aよりも小径の中間部11bを有し、光軸方向の最後部に最も径が小さい小径部11cを有する。
鏡筒11は、小径部11cを後方に向けて前方からバレルホルダ12の軸方向貫通部12bに挿入され、中間部11bと小径部11cの間の段部が挿入規制フランジ12cの前面に当接することで光軸方向へのそれ以上の挿入が規制される(図7、図8)。図1、図2、図5、図7、図8に示すように、この状態で小径部11cは挿入規制フランジ12cの内側を通ってバレルホルダ12の後方に突出し、大径部11aは軸方向貫通部12bに挿入されずにバレルホルダ12の前方に位置する。バレルホルダ12から後方に突出した小径部11cの外周面には周面ネジ11d(図7、図8、図10、図11)が形成されており、周面ネジ11dに対して押え環15が取り付けられる。押え環15は周面ネジ11dに螺合するネジ溝を内周面に有する環状体であり、挿入規制フランジ12cの後面に当て付くまで押え環15を締め付けることで、バレルホルダ12に対して鏡筒11が固定される。図7や図8に示すように、蓋部材14の中央開口14aの開口径は押え環15の径よりも大きく、コイルホルダ13に蓋部材14を取り付けた後に、中央開口14aを通して押え環15の着脱が可能である。
鏡筒11の大径部11aとバレルホルダ12はそれぞれ、コイルホルダ13の前壁13cの中央開口13dを通過しない径方向の大きさを有しているため、鏡筒11はコイルホルダ13の軸方向貫通部13bに対して光軸方向前方から挿入可能で、バレルホルダ12はコイルホルダ13の軸方向貫通部13bに対して光軸方向後方から挿入可能となる。撮像装置10の組み立ての手順として、コイルホルダ13の軸方向貫通部13bに対してバレルホルダ12を含む可動ユニット17を後方から挿入した上で蓋部材14を取り付け、続いてバレルホルダ12の軸方向貫通部12bに対して前方から鏡筒11を挿入し、蓋部材14の中央開口14aを通して押え環15を組み付けてバレルホルダ12に鏡筒11を固定させるとよい。可動ユニット17の取り付けに際しては、一対のロール範囲制限突起31の間に肉厚部40A(厳密には、肉厚部40Aから内径方向に突出する支持部材42の突出部42b)が位置するように周方向位置を定める。
バレルホルダ12の軸方向貫通部12bに挿入した状態の鏡筒11は、大径部11aがコイルホルダ13の前方に突出し、小径部11bの後端部分がコイルホルダ13の後方に突出しており、小径部11bの後端部分にイメージセンサユニット19を取り付ける。鏡筒11と可動ユニット17は、先に述べた球心揺動中心Qを中心とする球心揺動を一体的に行う。鏡筒11の後端部分にイメージセンサユニット19を取り付けた状態で、鏡筒11と可動ユニット17からなる可動部分の重心が球心揺動中心Qと略一致する。
イメージセンサユニット19は光軸O上に受光面が位置するイメージセンサ19a(図7)を有しており、撮像光学系Lを通して得られる被写体像がイメージセンサ19aにより光電変換され、その画像信号がフレキシブル基板19bを通して伝送される。フレキシブル基板19bは撮像装置10を制御する制御回路35(図7に概念的に示す)に接続し、制御回路35において画像信号の処理を行い、表示デバイスへの画像表示や記録媒体への画像データの記録を行う。制御回路35にはさらに、撮像装置10の姿勢を検知する姿勢検知センサ36(図7)からの信号が入力される。
コイルホルダ13に対する各コイル54,55,56と各ホールセンサ57,58,59の組み付けは、コイルホルダ13に外囲ヨーク60を取り付ける前に行う。前述のように、各コイル54,55,56を取り付けた状態のコイル支持板51,52,53をコイルホルダ13の支持凹部48,49,50上に載せて接着などで固定することで、各コイル54,55,56が貫通穴45,46,47内に挿入される。貫通穴45を通してコイルホルダ13の軸方向貫通部13b内に露出した第1コイル54の内周面54dが、可動ユニット17を構成する第1磁石ユニット27の各永久磁石27-1,27-2の外周面27bに対向して位置する。同様に、貫通穴46を通してコイルホルダ13の軸方向貫通部13b内に露出した第2コイル55の内周面55dが、第2磁石ユニット28の各永久磁石28-1,28-2の外周面28bに対向して位置し、貫通穴47を通してコイルホルダ13の軸方向貫通部13b内に露出した第3コイル56の内周面56dが、第3磁石ユニット29の各永久磁石29-1,29-2の外周面29bに対向して位置する。径方向に対向する第1コイル54と第1磁石ユニット27が第1のアクチュエータを構成し、径方向に対向する第2コイル55と第2磁石ユニット28が第2のアクチュエータを構成し、径方向に対向する第3コイル56と第3磁石ユニット29が第3のアクチュエータを構成する。
第1のアクチュエータでは第1磁石ユニット27と共にヨーク24が磁気回路を形成し、第2のアクチュエータでは第2磁石ユニット28と共にヨーク25が磁気回路を形成し、第3のアクチュエータでは第3磁石ユニット29と共にヨーク26が磁気回路を形成する。ヨーク24,25,26は、底壁24a,25a,26aと立壁24b,25b,26bで各磁石ユニット27,28,29を囲み、立壁24b,25b,26bの先端を外径方向に位置するコイル54,55,56に向けることによって、各磁石ユニット27,28,29の磁力線をコイル54,55,56側(外周面27b,28b,29bと立壁24b,25b,26bの先端の間)に集中させて、コイル54,55,56に作用する磁力を増幅させる。先に述べたように、ヨーク24,25,26はさらに、対応する磁石ユニット27,28,29を保持する機能を有する。
さらに、コイルホルダ13の外側に取り付けた磁性体からなる外囲ヨーク60も各アクチュエータにおける磁気回路の構成要素となる。図6や図9に示すように、外囲ヨーク60はコイルホルダ13の筒部13aの外側を全周的に覆っており、各磁石ユニット27,28,29の磁力線をコイル54,55,56側に集中させると共に、撮像装置10の外部への磁束の漏れを防ぐことができる。この外囲ヨーク60の機能については後述する。
各ホールセンサ57,58,59は、コイル支持板51,52,53のセンサ支持凹部51b,52b,53b内に組み付けられることで、各磁石ユニット27,28,29の外周面27b,28b,29bに対して径方向に若干の隙間を有する状態で位置する(図7ないし図9参照)。各ホールセンサ57,58,59は、対応する各コイル54,55,56の長手方向及び短手方向の略中心(径方向に延びる直線に沿って各コイル54,55,56を平面視したときの各コイル54,55,56の外形中心)に位置している(図7ないし図11、図22ないし図27参照)。ホールセンサ57によって第1のアクチュエータ(第1磁石ユニット27)における磁界の変化を検出し、ホールセンサ58によって第2のアクチュエータ(第2磁石ユニット28)における磁界の変化を検出し、ホールセンサ59によって第3のアクチュエータ(第3磁石ユニット29)における磁界の変化を検出する。センサ支持凹部51b,52b,53bは内径方向に突出するコイル支持突起51a,52a,53aの内部空間を利用して凹設されているので、優れたスペース効率でホールセンサ57,58,59を配置することができる。また、ホールセンサ57,58,59を磁石ユニット27,28,29に近づけて位置させて、検出の精度を高めることができる。
コイル支持板51,52,53の外周面上に図示を省略するフレキシブル基板が配設される。フレキシブル基板は、センサ支持凹部51b,52b,53b内のホールセンサ57,58,59に接続するセンサ接続部と、貫通穴51c,52c,53cを通して第1コイル54と第2コイル55と第3コイル56のそれぞれに接続するコイル接続部を有している。フレキシブル基板は制御回路35(図7)に接続し、ホールセンサ57,58,59で得られる磁界の情報がフレキシブル基板を介して制御回路35に送られ、このセンサ情報に基づいて可動ユニット17と鏡筒11の姿勢が検出される。また、制御回路35によって第1コイル54,第2コイル55,第3コイル56への通電制御が行われる。なお、図7では制御回路35と第3コイル56及びホールセンサ59の接続関係のみを示しているが、第1コイル54、第2コイル55、ホールセンサ57,58についても同様に制御回路35と電気的に接続される。
第1のアクチュエータでは、第1コイル54の一対の長辺部54aと第1磁石ユニット27の各永久磁石27-1,27-2のそれぞれの長手方向が周方向を向き、前側の長辺部54aと永久磁石27-1が径方向に対向し、後側の長辺部54aと永久磁石27-2が径方向に対向している。永久磁石27-1と永久磁石27-2はそれぞれ図13、図15ないし図17に示すように着磁されているため、第1コイル54に通電すると、フレミングの左手の法則により、第1コイル54の長辺部54aに沿って電流の流れる方向と、永久磁石27-1,27-2による長辺部54a周りの磁界の向きに対して略垂直な方向の推力が働く。この第1のアクチュエータによる推力を図18と図21に矢印F11と矢印F12で概念的に示した。第1コイル54の電流の方向によって推力の作用方向がF11とF12に切り替わる。第1のアクチュエータでは、第1磁石ユニット27の長手方向と第1コイル54の長辺部54aがそれぞれ周方向に長く延びている。これによって推力F11,F12を効率良く生じさせることができる。
第2のアクチュエータでは、第2コイル55の一対の長辺部55aと第2磁石ユニット28の各永久磁石28-1,28-2のそれぞれの長手方向が周方向を向き、前側の長辺部55aと永久磁石28-1が径方向に対向し、後側の長辺部55aと永久磁石28-2が径方向に対向している。永久磁石28-1と永久磁石28-2はそれぞれ図13、図15ないし図17に示すように着磁されているため、第2コイル55に通電すると、フレミングの左手の法則により、第2コイル55の長辺部55aに沿って電流の流れる方向と、永久磁石28-1,28-2による長辺部55a周りの磁界の向きに対して略垂直な方向の推力が働く。この第2のアクチュエータによる推力を図18と図20に矢印F21と矢印F22で概念的に示した。第2コイル55の電流の方向によって推力の作用方向がF21とF22に切り替わる。第2のアクチュエータでは、第2磁石ユニット28の長手方向と第2コイル55の長辺部55aがそれぞれ周方向に長く延びている。これによって推力F21,F22を効率良く生じさせることができる。
第3のアクチュエータでは、第3コイル56の一対の長辺部56aと第3磁石ユニット29の各永久磁石29-1,29-2のそれぞれの長手方向が光軸方向に延び、一方の長辺部56aと永久磁石29-1が径方向に対向し、他方の長辺部56aと永久磁石29-2が径方向に対向している。永久磁石29-1と永久磁石29-2はそれぞれ図13、図15ないし図17に示すように着磁されているため、第3コイル56に通電すると、フレミングの左手の法則により、第3コイル56の長辺部56aに沿って電流の流れる方向と、永久磁石29-1,29-2による長辺部56a周りの磁界の向きに対して略垂直な方向の推力が働く。この第3のアクチュエータによる推力を図19と図20に矢印F31と矢印F32で概念的に示した。第3コイル56の電流の方向によって推力の作用方向がF31とF32に切り替わる。第1及び第2のアクチュエータと異なり、第3のアクチュエータでは、第3磁石ユニット29の長手方向と第3コイル56の長辺部56aが延びる方向がそれぞれ、周方向ではなく光軸方向になっている。これによってローリング方向の推力F31,F32を効率良く生じさせることができる。
各コイル54,55,56はコイルホルダ13に固定的に支持されているので、各アクチュエータの推力は、各磁石ユニット27,28,29を有する可動ユニット17を動作させる力として働く。前述の通り、可動ユニット17は球心揺動中心Qを中心として回転自在に支持されており、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータの推力F11,F12,F21,F22によって、可動ユニット17と鏡筒11は球心揺動中心Qを中心として光軸Oを傾けるチルト動作を行う。例えば、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータの中間の周方向位置を通りチルト前の光軸Oを含む仮想平面P2(図3)と、仮想平面P2に垂直でチルト前の光軸Oを含む仮想平面P3(図3)を設定し、仮想平面P2に沿う可動ユニット17と鏡筒11の傾動をピッチング方向の動作、仮想平面P3に沿う可動ユニット17と鏡筒11の傾動をヨーイング方向の動作とすると、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータの推力F11,F12,F21,F22によって、ピッチング方向の成分とヨーイング方向の成分を含むあらゆる方向のチルト動作を可動ユニット17と鏡筒11に行わせることができる。
また、第3のアクチュエータの推力F31,F32によって、可動ユニット17と鏡筒11は光軸Oを中心とするローリング方向の回転動作(周方向の角度変化)を行う。可動ユニット17と鏡筒11が第1と第2のアクチュエータの駆動によって初期位置からチルトした状態にあるときには、第3アクチュエータの推力F31,F32のうち、チルトした状態の光軸を中心とする回転方向の推力成分により回転動作を行う。
ピッチング方向やヨーイング方向の成分を含む可動ユニット17のチルト動作が所定量まで達すると、バレルホルダ12に計6つ設けた傾動制限突起30A,30B, 30C,30D,30E,30Fのいずれかが、蓋部材14の傾動規制面14cに当接し、それ以上の可動ユニット17の傾動が機械的に制限される。6つの傾動制限突起30A,30B, 30C,30D,30E,30Fは、光軸Oからの径方向距離が略同じで、光軸方向の位置も同じであり、かつ隣り合う2つの傾動制限突起30の周方向間隔が全て略一致している。別言すれば、図15や図17のように光軸Oに沿って見た状態で、周方向に隣り合う傾動制限突起30A,30B, 30C,30D,30E,30Fの中心を順に直線で接続すると正六角形となる。このように配置したことで、可動ユニット17のチルト動作量を、特定の方向に偏りを持たずに概ね均等に制限することができる。特に、光軸Oを含む平面のうち、隣接する2つの傾動制限突起30から等距離を通る平面に沿って可動ユニット17が傾動した場合には、該2つの傾動制限突起30が共に傾動規制面14cに当接する。例えば、第1コイル54の周方向の中央を通り光軸Oを含む平面に沿って可動ユニット17が傾動した場合、傾動制限突起30A,30Fのペアまたは傾動制限突起30C,30Dのペアが傾動規制面14cに当接する。第2コイル55の周方向の中央を通りと光軸Oを含む平面に沿って可動ユニット17が傾動した場合、傾動制限突起30B,30Cのペアまたは傾動制限突起30E,30Fのペアが傾動規制面14cに当接する。第3コイル56の周方向の中央を通り光軸Oを含む平面(仮想平面P2)に沿って可動ユニット17が傾動した場合、傾動制限突起30A,30Bのペアまたは傾動制限突起30D,30Eのペアが傾動規制面14cに当接する。2つの傾動制限突起30が傾動規制面14cに当接するこれらの状態では、1つの傾動制限突起30が傾動規制面14cに当接する状態よりも可動ユニット17の高い安定性と精度を得ることができ、撮像装置10の起動時や防振機能が無効状態から有効状態に切り替わったときなどに、これらの傾動の機械的移動端を基準位置として参照して、チルト動作に関するホールセンサ57,58,59(特にホールセンサ57,58)による検出のイニシャライズ(初期化)を行う。特に、第1コイル54の周方向の中央を通り光軸Oを含む平面に沿って可動ユニット17が傾動する場合(傾動制限突起30A,30Fのペアまたは傾動制限突起30C,30Dのペアが傾動規制面14cに当接する場合)と、第2コイル55の周方向の中央を通り光軸Oを含む平面に沿って可動ユニット17が傾動する場合(傾動制限突起30B,30Cのペアまたは傾動制限突起30E,30Fのペアが傾動規制面14cに当接する場合)が、ホールセンサ57,58で検出される磁束密度変化量が大きいため、この2つの平面に沿う傾動方向でイニシャライズを行うと効果的である。
6つの傾動制限突起30A,30B, 30C,30D,30E,30Fの光軸方向の突出量を等しくすることで、イニシャライズ時の移動量計算や部品管理が容易になるという利点がある。但し、各傾動制限突起30の突出量を異なるものにすることも可能である。
ローリング方向に可動ユニット17が回転動作すると、その動作方向に応じて、バレルホルダ12の揺動案内面20A上に設けた一対のロール範囲制限突起31の一方と他方が、コイルホルダ13の肉厚部40Aから突出する支持部材42の突出部42bの一方と他方の側面42eに当接することで、動作範囲が制限される。図6と図9に示すように、一対のロール範囲制限突起31の周方向間隔は支持部材42の一対の側面42eの周方向幅よりも大きく、各ロール範囲制限突起31と支持部材42の側面42eとの間の周方向の隙間が、ローリング方向への可動ユニット17(バレルホルダ12)の可動量となる。撮像装置10の起動時や防振機能が無効状態から有効状態に切り替わったときなどに、各ロール範囲制限突起31が支持部材42の側面42eに当接する機械的移動端を基準位置として参照して、ロール動作に関するホールセンサ57,58,59(特にホールセンサ59)による検出のイニシャライズを行う。
以上のように、第1から第3のアクチュエータを用いて、可動ユニット17と鏡筒11にピッチング、ヨーイング、ローリングの各動作成分を含む自在な方向の動作(球心揺動中心Qを中心とする回転)を行わせることができる。この動作によって、光軸Oの向き(イメージセンサ19aの受光面の傾き)や、光軸Oを中心とするイメージセンサ19aの回転方向位置を変化させることができる。例えば、撮像装置10に手振れによる振動などが作用した場合に、その姿勢変化に伴うイメージセンサ19a上での画像の振れを軽減させる方向及び大きさに可動ユニット17と鏡筒11を動作させて撮影画像品質の低下を軽減する防振(像振れ補正)制御を行うことができる。防振制御は、姿勢検知センサ36(図7)による撮像装置10の姿勢情報と、ホールセンサ57,58,59による可動ユニット17及び鏡筒11の位置情報に基づいて、制御回路35が各コイル54,55,56の通電を制御することで実行される。特に本実施形態の撮像装置10では、撮像光学系Lとイメージセンサユニット19を支持する鏡筒11を方向自在に回転可能に支持することで、光軸Oと垂直な平面に沿って光学系を動作させるタイプの撮像装置に比して、コンパクトな構成でありながら対応可能な像振れ補正角を大きくすることが可能になっている。そのため、手持ちで撮影することを前提としたカメラのみならず、身体の任意の位置に取り付けられるウエアラブルカメラや、自動車などの移動機械に搭載されるカメラのような、大きな像振れが生じやすい条件の撮像装置においても、優れた像振れ補正効果を得ることができる。
また、可動ユニット17と鏡筒11とイメージセンサユニット19を含む可動部分の重心と球心揺動中心Qが略一致するため、可動ユニット17と鏡筒11を駆動する際の負荷変動が少なく、小型軽量な第1,第2及び第3のアクチュエータでレスポンス良く高精度に可動ユニット17と鏡筒11の動作を制御することができる。
撮像装置10における防振駆動用の3つのアクチュエータ(ボイスコイルモータ)を構成する3つの磁石ユニット27,28,29は、それぞれの内周面27a,28a,29aが光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置し、それぞれの外周面27b,28b,29bが光軸Oを中心とする別の同一の円筒面上に位置する(図6、図9)。3つのコイル54,55,56は、それぞれの内周面54d,55d,56dが光軸Oを中心とする同一の円筒上に位置し(図6、図9)、それぞれの外周面54c,55c,56cが光軸Oを中心とする別の同一の円筒面上に位置する。また、3つの磁石ユニット27,28,29と共に磁気回路を形成する3つのヨーク24,25,26は、底壁24a,25a,26aが光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置し(図6、図9)、3つのコイル54,55,56を支持する3つのコイル支持板51,52,53は、光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置する(図9)。さらに、3つのホールセンサ57,58,59は、光軸Oを中心とする同一の円筒面上に位置する(図9)。これらの構成要素が位置する複数の円筒面は全て、光軸Oを中心とする半径が互いに異なっており、光軸Oを中心とする同心状の関係にある。
このように3つのアクチュエータを構成する要素を略同心の円弧状(円筒状)の形状に設定することにより、磁石ユニット27,28,29やコイル54,55,56を撮像光学系Lの光路の外側に省スペースに収めながら、強い推力を付与することが可能になる。
また、各磁石ユニット27,28,29と各コイル54,55,56を略同心の円弧状(円筒状)に形成したことにより、防振駆動を行わせたときの第1磁石ユニット27(外周面27b)と第1コイル54(内周面54d)の間、第2磁石ユニット28(外周面28b)と第2コイル55(内周面55d)の間、第3磁石ユニット29(外周面29b)と第3コイル56(内周面56d)の間のギャップ(径方向の間隔)変動が少なくなる。特に、これらの対向面が光軸Oを中心とする円筒面の一部であるため、第3磁石ユニット29と第3コイル56により推力(F31、F32)を発生させて光軸O中心のロール動作を行わせたときの各対向面間のギャップ変動がほとんど生じない。各磁石ユニット27,28,29と各コイル54,55,56間のギャップ変動が少ないと、各コイル54,55,56に所定の大きさの電流を流したときに生じる不要な推力の変動が抑制され、磁力を有効利用して実効的な出力を高めることができる。別言すれば、ギャップ変動に起因する推力の大きな変動に対応するための高出力で大型のアクチュエータを用いずに、コンパクトな構造のアクチュエータで所要の駆動性能を得ることができる。
また各磁石ユニット27,28,29の上記の円弧状(円筒状)形状により、防振駆動を行わせたときの第1磁石ユニット27(外周面27b)とホールセンサ57の間、第2磁石ユニット28(外周面28b)とホールセンサ58の間、第3磁石ユニット29(外周面29b)とホールセンサ59の間のギャップ(径方向の間隔)変動も少なくなる。各磁石ユニット27,28,29と各ホールセンサ57,58,59間のギャップ変動が少ないと、各ホールセンサ57,58,59の検出感度への影響を小さく抑えることができ、防振駆動における制御の負担軽減や精度向上といった効果が得られる。
3つのアクチュエータは、第3コイル56の光軸方向と周方向の長さが第1コイル54及び第2コイル55と異なっている(第3コイル56は、第1コイル54と第2コイル55に比して、光軸方向にわずかに長く、周方向にわずかに短い)点を除いて、各磁石ユニット27,28,29や各ヨーク24,25,26のサイズや重量が概ね等しくなっている。図6、図9、図12ないし図17に示すように、ヨーク24の一対の立壁24bの周方向間隔と、ヨーク25の一対の立壁25bの周方向間隔と、ヨーク26の一対の立壁25bの周方向間隔は略等しくなっており、第1磁石ユニット27とヨーク24の結合体と、第2磁石ユニット28とヨーク25の結合体と、第3磁石ユニット29(永久磁石29-1,29-2の間に磁石支持突起23bを挟んだ状態)とヨーク26の結合体がそれぞれ周方向に占めるスペースは略同じである。また、図18ないし図21に示すように、第1磁石ユニット27(永久磁石27-1,27-2の間に磁石支持突起21bを挟んだ状態)と第2磁石ユニット28(永久磁石28-1,28-2の間に磁石支持突起21bを挟んだ状態)と第3磁石ユニット29のそれぞれの光軸方向前方と後方の端部は、概ねバレルホルダ12の前端と後端に重なる位置にある。つまり、3つの磁石ユニット27,28,29が光軸方向に占めるスペースは略同じである。そして、3つの磁石ユニット27,28,29とそれを支持するヨーク24,25,26は、周方向に略等間隔(120度間隔)で配置されている。従って、ヨーク24,25,26を含む3つの磁石ユニット27,28,29は、球心揺動中心Qに関して概ね均等な関係の重量バランスになっている。このように、3つのアクチュエータにおける可動部分(磁石ユニット27,28,29とヨーク24,25,26)の重量バランスが取れた構成及び配置にすることで、防振動作を行わせる際の負荷変動を小さく抑えることができる。その結果、アクチュエータの負担が軽減され、制御のしやすさにおいても有利になる。
各アクチュエータは、周方向に略等間隔(120度ずつの中心角)で配されており、この各アクチュエータの間の周方向のスペースを、3つの肉厚部40A,40B,40C(貫通穴41内に挿入される支持部材42、弾性部材43、押さえ部材44)と3つの揺動案内面20A,20B,20Cの配置スペースとして活用している。すなわち、固定ユニット18に対して可動ユニット17を球心揺動可能に支持する支持機構が、3つのアクチュエータの間のスペースに設けられている。図6や図9に示すように、各アクチュエータの間の周方向位置には、内径側から外径側に進むにつれて徐々に周方向の間隔を広くする扇状のスペースが形成されており、各肉厚部40A,40B,40Cはこの扇状のスペースに所定の周方向間隔をもって収まる楔状(台形状)の形状をなしている。そして、各肉厚部40A,40B,40C内に配した支持部材42は、各アクチュエータの周方向間隔に対応した略等間隔(120度間隔)で可動ユニット17(バレルホルダ12)を支持するため、可動ユニット17に対する支持の安定性も良い。これらの要素により、3つのアクチュエータに加えて可動ユニット17の支持機構を含めた全体として、スペース効率や支持精度や重量バランスに優れた構成が実現されている。
さらに、以上のような光軸Oを中心とする略円弧形状をなす3つのアクチュエータの外径側を、金属製の磁性体からなる外囲ヨーク60で覆っている。外囲ヨーク60は、可動ユニット17側に設けたヨーク24,25,26と共に、各磁石ユニット27,28,29の磁力線をコイル54,55,56側に集中させる機能を有し、各アクチュエータの駆動効率(磁力の利用効率)を向上させることができる。つまり、所定の推力を得るための磁石ユニット27,28,29やコイル54,55,56の小型軽量化に寄与する。外囲ヨーク60は、可動ユニット17の初期位置における各磁石ユニット27,28,29の外周面27b,28b,29bとの径方向の間隔が略均一な円筒形状であるため、各磁石ユニット27,28,29から各コイル54,55,56に向かう磁束に悪影響を及ぼさない。
図8に、光軸方向における第2磁石ユニット28の範囲(長さ)28Zと、光軸方向における外囲ヨーク60の範囲(長さ)60Zを示した。前方の永久磁石28-1の側面28dから後方の永久磁石28-2の側面28eまでの間隔が第2磁石ユニット28の光軸方向範囲28Zとなる。図8から分かる通り、第2磁石ユニット28の光軸方向範囲28Zの中心と、外囲ヨーク60の光軸方向範囲60Zの中心は、いずれも球心揺動中心Qを通る仮想平面P1上に位置している(光軸方向範囲28Zの中心、光軸方向範囲60Zの中心、球心揺動中心Qが同じ光軸方向位置にある)。さらに、第2コイル55の光軸方向範囲の中心も仮想平面P1上に位置している。このように光軸方向においてチルト動作用のアクチュエータ(特に第2磁石ユニット28)と外囲ヨーク60の互いの中心位置を一致させることにより、可動ユニット17が球心揺動(特にチルト動作)を行ったときに、外囲ヨーク60と第2磁石ユニット28の間に働く吸引力が揺動方向の違いによって変化することがなく、防振駆動の制御を行いやすい。
また、図8に示すように、第2磁石ユニット28の光軸方向範囲28Zよりも外囲ヨーク60の光軸方向範囲60Zの方が大きい(外囲ヨーク60が第2磁石ユニット28よりも光軸方向に長い)。この光軸方向範囲60Zと光軸方向範囲28Zの差は、可動ユニット17が最大に(傾動制限突起30が傾動規制面14cに当接するまで)チルト動作を行ったときに、第2磁石ユニット28が外囲ヨーク60の光軸方向の前後端から前後に突出せずに、常に外囲ヨーク60の内部空間に第2磁石ユニット28の全体が収まるように設定されている。このように第2磁石ユニット28よりも外囲ヨーク60を光軸方向に長くすることにより、可動ユニット17が球心揺動(特にチルト動作)を行うときに、揺動角に対する吸引力(外囲ヨーク60と第2磁石ユニット28の間に働く吸引力)の変動を抑制することができる。
図7に、光軸方向における第3磁石ユニット29の範囲(長さ)29Zと、光軸方向における外囲ヨーク60の範囲(長さ)60Zを示した。各永久磁石29-1,29-2の一対の長手方向端面29cの間隔が第3磁石ユニット29の光軸方向範囲29Zとなる。図7から分かる通り、第3磁石ユニット29の光軸方向範囲29Zの中心と、外囲ヨーク60の光軸方向範囲60Zの中心は、いずれも球心揺動中心Qを通る仮想平面P1上に位置している(光軸方向範囲29Zの中心、光軸方向範囲60Zの中心、球心揺動中心Qが同じ光軸方向位置にある)。さらに、第3コイル56の光軸方向範囲の中心も仮想平面P1上に位置している。このように光軸方向においてロール動作用のアクチュエータ(特に第3磁石ユニット29)と外囲ヨーク60の互いの中心位置を一致させることにより、可動ユニット17が球心揺動(特にチルト動作)を行ったときに、外囲ヨーク60と第3磁石ユニット29の間に働く吸引力が揺動方向の違いによって変化することがなく、防振駆動の制御を行いやすい。
また、図7に示すように、第3磁石ユニット29の光軸方向範囲29Zよりも外囲ヨーク60の光軸方向範囲60Zの方が大きい(外囲ヨーク60が第3磁石ユニット29よりも光軸方向に長い)。この光軸方向範囲60Zと光軸方向範囲29Zの差は、可動ユニット17が最大に(傾動制限突起30が傾動規制面14cに当接するまで)チルト動作を行ったときに、第3磁石ユニット29が外囲ヨーク60の光軸方向の前後端から前後に突出せずに、常に外囲ヨーク60の内部空間に第3磁石ユニット29の全体が収まるように設定されている。このように第3磁石ユニット29よりも外囲ヨーク60を光軸方向に長くすることにより、可動ユニット17が球心揺動(特にチルト動作)を行うときに、揺動角に対する吸引力(外囲ヨーク60と第3磁石ユニット29の間に働く吸引力)の変動を抑制することができる。
従って、第2磁石ユニット28の光軸方向範囲28Zと外囲ヨーク60の光軸方向範囲60Zについて図8に示す条件を満たし、第3磁石ユニット29の光軸方向範囲29Zと外囲ヨーク60の光軸方向範囲60Zについて図7に示す条件を満たすことで、外囲ヨーク60を設けた場合において制御性に優れた防振駆動を実現することができる。なお、図8は第2磁石ユニット28についての形状と配置の条件を示したものであるが、第1磁石ユニット27も第2磁石ユニット28と同じ条件(形状と配置)を満たすように構成されており、第1磁石ユニット27と外囲ヨーク60の関係においても上述の効果が得られる。
また、3つのアクチュエータの外径側を囲む外囲ヨーク60によって、各磁石ユニット27,28,29から各コイル54,55,56を超えて外径方向に向かう磁束を吸収して、撮像装置10の外部への磁力の漏れを防ぐことができる。そのため、撮像装置10の外部の機器に対して磁力による悪影響が及びにくくなる。一般に防振駆動用のアクチュエータには強力な磁石が用いられるため、この構成の有効性が高い。さらに外囲ヨーク60によって、撮像装置10の外部からのアクチュエータへの磁力の影響を軽減することができ、撮像装置10に外部の磁性体を近づけても防振駆動の制御性に悪影響が生じにくい。つまり外囲ヨーク60は、撮像装置10の内外の間の磁力の遮蔽手段として機能する。
外囲ヨーク60は、上述のように各磁石ユニット27,28,29と光軸方向の中心位置を略一致させている(図7、図8参照)と共に、径方向にも磁石ユニット27,28,29と同心状の関係にある(図6、図9参照)。そして、3つの磁石ユニット27,28,29は周方向に略等間隔で配置されている。この構成によって、外囲ヨーク60と可動ユニット17の間には、可動ユニット17と鏡筒11とイメージセンサユニット19を含む可動部分を初期位置に保持させようとする磁気的な吸引力(保持力)が働く。そのため、各アクチュエータで推力を発生させていない状態やごく小さい推力のみを発生させている状態で可動部分を初期位置に安定させることができ、可動部分を初期位置に保持するための消費電力を抑えることができる。また、可動部分を初期位置に保持させるための機械的な構造を要さないので、撮像装置10の構成の簡略化にも寄与する。さらに、各磁石ユニット27,28,29と外囲ヨーク60の間にバランスよく吸引力が働くので、防振駆動時の制御の安定性も向上する。なお、可動部分の重心が球心揺動中心Qと略一致する構成になっているため、アクチュエータによる推力を付与しない状態での可動部分の安定性に優れているが、磁石ユニット27,28,29と外囲ヨーク60の間の吸引力はさらに、初期位置以外の位置で停止した状態の可動部分を初期位置に復帰させる(復帰させやすくする)ように作用する。
さらに外囲ヨーク60は、可動ユニット17を球心揺動可能に支持する支持機構を構成する押さえ部材44を貫通穴41内に保持する抜け止め手段としても機能する。逆に外囲ヨーク60を基準にすると、押さえ部材44との間に働く摩擦力がコイルホルダ13に対して外囲ヨーク60を保持させる。つまり、外囲ヨーク60と押さえ部材44は互いの保持に寄与する関係となっている。
また、可動ユニット17の各揺動案内面20A,20B,20Cから支持部材42に加わる荷重を、弾性部材43と押さえ部材44を経て、コイルホルダ13を全周的に覆う外囲ヨーク60で受ける構成は、可動ユニット17に対する支持強度の確保という点でも優れている。外囲ヨーク60は金属製で高い剛性を有する筒状部材であるため、弾性部材43からの付勢力や支持部材42を外径方向に突発的に押し込もうとする衝撃力が押さえ部材44から外囲ヨーク60に作用しても、外囲ヨーク60は容易に変形することがなく、支持部材42の高精度で安定した保持に寄与する。外囲ヨーク60はさらに、コイルホルダ13を含む撮像装置10全体の剛性向上にも寄与する。
また、光軸Oを中心とする円弧状のアクチュエータの外側を同心状の外囲ヨーク60で覆う構成であるため、全体として部品配置の収まりが良く、優れた防振駆動性能を備えながらコンパクトな撮像装置10を得ることができる。
図36ないし図38に第2の実施形態の撮像装置110を示す。撮像装置110のうち第1の実施形態の撮像装置10と共通する部分については、同じ符号で示して説明を省略する。
図40ないし図42に示すように、撮像装置110では、可動ユニット17を球心揺動可能に支持する支持機構を構成する押さえ部材(支持部、挿入支持体)144が、外径側を向く被押圧面44a上に突出する係合突起70を有している。係合突起70は、光軸方向前方を向く側にテーパ面70aが設けられた四角柱状の突起であり、光軸方向後方に向く面は径方向に延びる抜け止め面70bとなっている。テーパ面70aは、光軸方向前方から後方に進むにつれて外径方向への突出量を徐々に大きくする傾斜面である。
外囲ヨーク160は金属製の磁性体からなり、固定ユニット18の外側に取り付けた状態での光軸方向の長さ等の寸法的条件は第1の実施形態の外囲ヨーク60と共通している。図38には、外囲ヨーク160の光軸方向範囲160Zと第3磁石ユニット29の光軸方向範囲29Zを図示している。図36と図39に示すように、外囲ヨーク160は周方向に位置を異ならせて3つの係合穴60bを有している。3つの係合穴60bは周方向に略等間隔(120度間隔)で配されており、各係合穴60bの光軸方向後方に嵌合凹部60aが位置している。各係合穴60bは、外囲ヨーク160を径方向に貫通しており、光軸方向の長さと周方向の幅が押さえ部材144の係合突起70に対応している。
支持部材(支持部、挿入支持体)142及び弾性部材43と共に押さえ部材144をコイルホルダ13の貫通穴41内に挿入した状態で、係合突起70はコイルホルダ13の筒部13aの外径方向に突出する。なお、図38に示すように、支持部材142の内径側の端部には、先の実施形態の支持面42dに代えてボール保持凹部42fが形成されており、ボール保持凹部42f内に複数のガイドボール(支持部)71が光軸方向に並べて配置されている。バレルホルダ12の各揺動案内面20A,20B,20Cに対して、支持部材142は当接せずにガイドボール71が当接する。
そして、3つの係合穴60bと3つの押さえ部材144の係合突起70の周方向の位置関係を合わせながら、外囲ヨーク160に対して固定ユニット18(コイルホルダ13)を光軸方向後方から挿入する(固定ユニット18に対して外囲ヨーク160を光軸方向前方から被せる)。すると、各押さえ部材144のテーパ面44dが外囲ヨーク160に押圧されて、各押さえ部材144を内径方向に押し込む分力が生じる。さらに、係合突起70のテーパ面70aによって同様の内径方向への分力が生じ、係合突起70と干渉せずに外囲ヨーク160の組み付けを行うことができる。
3つの嵌合凹部60aが3つの取付突起13eに嵌合するまで外囲ヨーク160と固定ユニット18(コイルホルダ13)を光軸方向に相対移動させると、図37と図38に示すように各係合穴60bに各係合突起70が係合して、各係合突起70の先端付近が外囲ヨーク160からわずかに外径方向に突出した状態になる。この状態で、各係合突起70の抜け止め面70bが各係合穴60bの光軸方向後方の縁部に対向して、固定ユニット18に対して外囲ヨーク160が光軸方向前方に移動(離脱)することを規制する。外囲ヨーク160は各嵌合凹部60aが各取付突起13eに嵌合することで光軸方向後方への移動が規制される。また、各係合穴60bと各係合突起70、各嵌合凹部60aと各取付突起13eのそれぞれの関係によって、外囲ヨーク160は周方向への回転も規制される。従って、図37及び図38に示す外囲ヨーク160の取り付け状態を、安定して維持させることができる。特に係合穴60bと係合突起70を係合させることで、接着などの固定手段を別途用いることなく、コイルホルダ13上に外囲ヨーク160を簡単かつ強固に支持させることができる。
外囲ヨーク160は、係合穴60bが形成されている点以外については第1の実施形態の外囲ヨーク60と共通の構成であり、外囲ヨーク60と同様の効果を得ることができる。
図43ないし図45に第3の実施形態の撮像装置210を示す。撮像装置210のうち第1の実施形態の撮像装置10と共通する部分については、同じ符号で示して説明を省略する。
撮像装置210を構成する外囲ヨーク260は金属製の磁性体からなり、固定ユニット18の外側に取り付けた状態での光軸方向の長さ等の寸法的条件は第1の実施形態の外囲ヨーク60と共通している。外囲ヨーク260にはスリット60cが形成されている。スリット60cは、外囲ヨーク260を径方向に貫通し、かつ外囲ヨーク260の光軸方向の前後端部を連通する貫通溝であり、3つの嵌合凹部60aのうち1つと同じ周方向位置に形成されている。スリット60cを形成したことによって、外囲ヨーク260は周方向の一部が開かれた不完全な(C字状の)筒状体となる。
コイルホルダ13では3つの取付突起13eと3つの貫通穴41の周方向位置が同じである(図26,図27)。そのため、図43及び図44のようにコイルホルダ13の外側に外囲ヨーク260を取り付けて各取付突起13eに対して各嵌合凹部60aを嵌合させると、周方向におけるスリット60cの位置が、コイルホルダ13の一つの貫通穴41と一致する。図9に示すように、球心揺動用のアクチュエータを構成する各磁石ユニット27,28,29、各コイル54,55,56、各ヨーク24,25,26は、3つの貫通穴41とは異なる周方向位置(3つの貫通穴41の間の周方向位置)に配されている。そのため、スリット60cは各アクチュエータとは周方向位置を異ならせており、外囲ヨーク260のうちスリット60c以外の部分で各アクチュエータの外径側を覆って先の各実施形態の外囲ヨーク60,160と同様の効果を得ることができる。
スリット60cの周方向幅は、各貫通穴41内に挿入された押さえ部材44の周方向幅(一対の側面44cの間隔、図26及び図27参照)よりも小さく設定されている。そのため、図43に示すように、スリット60cと一つの押さえ部材44の互いの周方向位置が一致する場合でも、この押さえ部材44の被押圧面44aの周方向の両縁部付近が、スリット60cの両側で外囲ヨーク260の内周面に当接して、押さえ部材44がスリット60cを通して貫通穴41から離脱することを防ぐ。つまり、外囲ヨーク260によって全ての押さえ部材44の抜け止めを行うことができる。また、外囲ヨーク260は、各押さえ部材44との間に働く摩擦力や、磁石ユニット27,28,29との間に働く磁気的吸引力によってコイルホルダ13の外側への取り付け状態を維持することができる。さらに外囲ヨーク260を強固に支持させるために、接着などの固定手段を別途用いてもよい。
図46ないし図48に第4の実施形態の撮像装置310を示す。撮像装置310のうち第1の実施形態の撮像装置10と共通する部分については、同じ符号で示して説明を省略する。
撮像装置310では、固定ユニット18の外側に、金属製の磁性体からなる3つの外囲ヨーク360が取り付けられる。3つの外囲ヨーク360は、第1の実施形態の外囲ヨーク60のうち嵌合凹部60aが位置する周方向の一部を取り除いて3分割した構成であり、個々の外囲ヨーク360は光軸Oを中心とする円筒の一部である。
各外囲ヨーク360の光軸方向の長さは、第1の実施形態の外囲ヨーク60と略同じである。各外囲ヨーク360の周方向の長さは、コイルホルダ13上での各貫通穴41及び各取付突起13eの周方向間隔よりもわずかに小さい。そのため各外囲ヨーク360は、図46及び図47に示すように、コイルホルダ13の筒部13aの外周面のうち、貫通穴41と取付突起13eが位置する一部の周方向領域を除いた略全体を覆う形態で取り付けることができる。そして、3つのアクチュエータの外径側を3つの外囲ヨーク360で覆うことにより、先の各実施形態の外囲ヨーク60,160,260と同様の効果を得ることができる。
なお、各外囲ヨーク360はコイルホルダ13の各貫通穴41を覆わないため、外囲ヨーク360とは異なる手段(例えば接着)によって、各貫通穴41内への押さえ部材44の保持を行わせる。また、各外囲ヨーク360に対して各押さえ部材44からの摩擦力が作用しないが、各外囲ヨーク360は、磁石ユニット27,28,29との間に働く磁気的吸引力によってコイルホルダ13の外側への取り付け状態を維持することができる。さらに外囲ヨーク360を強固に支持させるために、接着などの固定手段を別途用いてもよい。
図49ないし図59に第5の実施形態の撮像装置410とその構成要素である外囲ヨーク460を示す。撮像装置410のうち第1の実施形態の撮像装置10と共通する部分については、同じ符号で示して説明を省略する。
外囲ヨーク460は金属製の磁性体からなる。図49ないし図51に示すように、外囲ヨーク460には、3つの穴部60dと3つの部分円筒部60eが周方向に交互に設けられている。各穴部60dは、外囲ヨーク460を平面状に展開した場合に略矩形となる形状であり、外囲ヨーク460を径方向に貫通している。図51に示すように、各穴部60dと各部分円筒部60eの周方向の長さは略等しい。外囲ヨーク460の光軸方向の前端部には、部分円筒部60eよりも径方向への肉厚が大きい操作環61が設けられている。外囲ヨーク460の光軸方向の後端部には、後方へ突出する3つの制限突起60fが設けられている。各制限突起60fは、部分円筒部60と同一周面上に位置する部分的な円筒形状を有しており、周方向の一方の端部にフリー位置決め部60gを有し、周方向の他方の端部にロック位置決め部60hを有している。3つの制限突起60fの周方向の長さは略等しく、かつ周方向の間隔も略等しい。
外囲ヨーク460をコイルホルダ13の外側に取り付けた状態で、3つの制限突起60fの間の周方向位置に3つの取付突起13eが位置する。3つの制限突起60fの互いの周方向の間隔(周方向に隣り合う2つの制限突起60fのフリー位置決め部60gとロック位置決め部60hの間隔)は、取付突起13eの周方向の幅よりも大きく、各取付突起13eに制限突起60fのフリー位置決め部60gとロック位置決め部60hが当接するまでの範囲で、コイルホルダ13に対して外囲ヨーク460を回転させることができる。
図52ないし図55は、各取付突起13eに対して各制限突起60fのフリー位置決め部60gが当接するフリー位置(第2の位置)に外囲ヨーク460がある状態を示している。図55に示すように、外囲ヨーク460のフリー位置では、3つの磁石ユニット27,28,29のそれぞれの外径側に穴部60dが位置し、各貫通穴41の外径側に部分円筒部60eが位置している。
図56ないし図59は、各取付突起13eに対して各制限突起60fのロック位置決め部60hが当接するロック位置(第1の位置)に外囲ヨーク460がある状態を示している。図59に示すように、外囲ヨーク460のロック位置では、3つの磁石ユニット27,28,29のそれぞれの外径側に部分円筒部60eが位置し、各貫通穴41の外径側に穴部60dが位置している。
外囲ヨーク460のロック位置では、球心揺動用のアクチュエータを構成する3つの磁石ユニット27,28,29の外径側に磁性体からなる3つの部分円筒部60eが位置するため(図59)、各磁石ユニット27,28,29と各部分円筒部60eの間に強い磁気的な吸引力が働く。そのため、各コイル54,55,56への通電を解除してアクチュエータによる位置制御を行わない状態でも、磁気的な吸引力によって可動ユニット17を含む可動部分を概ね初期位置に保持することができる。また、外囲ヨーク460のロック位置では、各磁石ユニット27,28,29から撮像装置10の外部への磁力の漏れを有効に防ぐことができる。
外囲ヨーク460のフリー位置では、3つの磁石ユニット27,28,29の外径側に穴部60dが位置して(図55)、外囲ヨーク460と各磁石ユニット27,28,29との間に磁気的な吸引力が生じなくなる(アクチュエータの駆動負荷として無視できる程度に吸引力が弱まる)。そのため、可動ユニット17を含む可動部分を初期位置に保持させようとする力が解消され、少ない駆動負荷でアクチュエータによって可動ユニット17を球心揺動させることができる。
このように外囲ヨーク460をロック位置とフリー位置に回転させることで、可動ユニット17に対する磁気的な保持力や、アクチュエータ周りの磁力の遮蔽状態が変化する。そのため、駆動負荷が小さくなる外囲ヨーク460のフリー位置で通常の防振動作を行い、防振動作(撮影)を行わない撮像装置410の持ち運び時などでは、外囲ヨーク460をロック位置に回転させてアクチュエータの通電によらずに可動部分を初期位置に保持させる、といった状況に応じた使い分けが可能になる。外囲ヨーク460の回転は操作環61を把持して行うとよい。外囲ヨーク460の部分円筒部60eよりも径の大きい操作環61は、把持して回転操作を行う際に力を伝えやすい。なお、操作環61の把持性や操作性を高めるべく、操作環61の外周面上に、ローレットなどの形状加工を施したり、摩擦係数の高い材質を設けたりしてもよい。
図56や図59に示すように、外囲ヨーク460のロック位置では、各穴部60dが各貫通穴41と重なるので、貫通穴41内の押さえ部材44の被押圧面44aを外囲ヨーク460によって押さえることが可能な位置関係ではなくなる。そのため、押さえ部材44は、外囲ヨーク460とは別の手段(接着など)によって貫通穴41から外径方向への脱落を防ぐようにするとよい。
以上の各実施形態の撮像装置におけるアクチュエータは、防振動作時に移動する可動部材(可動ユニット17)に磁石を支持し、防振動作時に移動しない固定部材(コイルホルダ13)にコイルを支持した、いわゆるムービングマグネットタイプのボイスコイルモータであるが、本発明を適用する撮像装置では、この配置関係を逆にしたムービングコイルタイプのボイスコイルモータを用いることもできる。図示の撮像装置の部材配置を維持しながらムービングコイルタイプのボイスコイルモータに変更する場合、可動ユニット17の外径側に位置するコイルホルダ13に磁石(磁石ユニット27,28,29)が保持され、径方向における磁石と外囲ヨーク(60,160,260,360,460)の間隔が近くなる。
外囲ヨークによる磁束強化や磁力の遮蔽効果は、ムービングマグネットとムービングコイルのいずれのタイプのボイスコイルモータを用いた場合でも得ることができる。ムービングマグネットタイプのボイスコイルモータにおいてはさらに、本発明を適用した場合に、可動部材上の磁石と外囲ヨークの間に働く磁力によって、可動部材が安定して駆動時の制御性が向上すると共に、駆動(コイルへの通電)を行わない状態における可動部材の保持効果も得ることができる。そのため、ムービングマグネットタイプのボイスコイルモータを備えた撮像装置に本発明を適用すると、外囲ヨークによる効果が複合的なものになり、より高度な有用性が得られる。
以上、図示実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は要旨の範囲内において図示実施形態とは異なる形態にすることが可能である。例えば、実施形態の撮像装置で3つのアクチュエータを構成する磁石ユニット27,28,29はいずれも、磁石支持突起21b,22b,23bを挟んで2分割された構成であるが、分割されていない形態の磁石によって各アクチュエータを構成してもよい。
実施形態の撮像装置は、可動部分(鏡筒11、可動ユニット17、イメージセンサユニット19)をチルト動作させるための2つのアクチュエータ(第1磁石ユニット27,第2磁石ユニット28、第1コイル54,第2コイル55、ヨーク24,25)と、可動部分をロール動作させるための1つのアクチュエータ(第3磁石ユニット29、第3コイル56、ヨーク26)を備えている。これと異なり、周方向に位置を異ならせて配した3つのアクチュエータによって、可動部分にチルト動作を行わせる(ロール動作を含まない球心揺動を行わせる)形態にすることも可能である。具体的には、実施形態の第3磁石ユニット29を、第1磁石ユニット27や第2磁石ユニット28と同様に周方向に長手方向を向けた配置にすることで、他の2つのアクチュエータと同様に第3のアクチュエータにおいてもチルト動作方向の推力を発生させることができる。この場合、3つのアクチュエータを構成する磁石ユニット、コイル及びヨークをそれぞれ共通の形状及び大きさにすることで、重量や推力のバランスが良好なものになる。可動部分の動作態様をロール動作を含まない球心揺動にする場合、以上のようなアクチュエータの仕様変更に加えて、バレルホルダ12とコイルホルダ13の間にロール動作を規制する機械的な回転規制部を設けてもよい。この回転規制部の一例として、バレルホルダ12の磁石保持突起23bから外径方向に延びる突起を設け、この突起が挿入される光軸方向への長溝をコイルホルダ13(あるいはコイル支持板53でもよい)に形成することができる。
本発明は、固定部材に対して可動部材を球心揺動可能に支持する構造については任意のものを採用することができる。例えば実施形態では、支持部材42の円筒状の支持面42dによってバレルホルダ12の揺動案内面20A,20B,20Cを支持するタイプの撮像装置10(410)や、支持部材142のボール保持凹部42f内に保持した複数のガイドボール71によってバレルホルダ12の揺動案内面20A,20B,20Cを支持するタイプの撮像装置110を適用例としているが、これ以外に、固定ユニット18側に設けた球面(凹状の球面)によって揺動案内面20A,20B,20Cを支持する構成なども適用が可能である。
また、実施形態では、バレルホルダ12に設ける3つの揺動案内面20A,20B,20Cが、球心揺動中心Qを中心とする同一球面の一部である(球心揺動中心Qを中心とする揺動案内面20A,20B,20Cの径が同一である)が、揺動案内面20A,20B,20Cに代えて、球心揺動中心Qを中心とする互いの径が異なる3つの球面をバレルホルダ12側の被支持面とすることも可能である。この場合、3つの球面の間の周方向位置に配する3つのアクチュエータについては、実施形態と同様に形状や大きさのバランスがとれたものとすることが好ましい。
また、実施形態の撮像装置では、バレルホルダ12に3つの揺動案内面20A,20B,20Cを設け、これに対応する3つの支持部材42(142)をコイルホルダ13側に支持し、周方向の位置が異なる3箇所の支持によってバレルホルダ12を球心揺動可能に支持している。このように周方向の支持位置を3箇所にすることで、安定性が良く高精度な支持を実現できると共に、3つのアクチュエータに対するスペース効率も高めることができる。しかし、3つのアクチュエータとのスペース的な干渉を生じないことを前提として、周方向の位置が異なる4つ以上の支持箇所によって可動部材を球心揺動可能に支持することも可能である。
このように、本発明は球心揺動用の支持機構の詳細を限定するものではないが、固定部材(コイルホルダ13)に対して球心揺動用の支持機構の構成要素(支持部材42,142、弾性部材43、押さえ部材44,144、ガイドボール71)を外径側から挿入して組み込むという実施形態の構成は、組み立て時の作業性に優れるという利点がある。その上で、球心揺動用の支持機構の構成要素(特に、最も外径側に位置する押さえ部材44,144)を外径側から保持する形態の外囲ヨーク(外囲ヨーク60,160,260)を用いることで、外囲ヨークの機能が複合的なものとなり、発明の有用性が向上する。
各実施形態の撮像装置では、撮像光学系Lとイメージセンサユニット19を含む撮像手段の全体にチルト動作やロール動作を行わせているが、撮像光学系Lの一部のレンズ(レンズ群)やイメージセンサ19aのみを動作させて像振れ補正を行うタイプの撮像装置にも本発明を適用可能である。
10 110 210 310 410 撮像装置
11 鏡筒
11a 大径部
11b 中間部
11c 小径部
11d 周面ネジ
12 バレルホルダ(可動部材)
12a 筒部
12b 軸方向貫通部
12c 挿入規制フランジ
13 コイルホルダ(固定部材)
13a 筒部
13b 軸方向貫通部
13c 前壁
13d 中央開口
13e 取付突起
14 蓋部材
14a 中央開口
14b 蓋部
14c 傾動規制面
15 押え環
17 可動ユニット
18 固定ユニット
19 イメージセンサユニット(撮像手段)
19a イメージセンサ
19b フレキシブル基板
20(20A 20B 20C) 揺動案内面(支持部、被支持面)
21 22 23 支持座
21a 22a 23a 支持面
21b 22b 23b 磁石支持突起
24 25 26 ヨーク(駆動部、内側ヨーク)
24a 25a 26a 底壁
24b 25b 26b 立壁
24c 25c 26c 長穴
27 第1磁石ユニット(駆動部)
28 第2磁石ユニット(駆動部)
29 第3磁石ユニット(駆動部)
27-1 28-1 29-1 永久磁石
27-2 28-2 29-2 永久磁石
27a 28a 29a 内周面
27b 28b 29b 外周面
27c 28c 29c 長手方向端面
27d 27e 28d 28e 29d 29e 側面
30(30A 30B 30C 30D 30E 30F) 傾動制限突起
31 ロール範囲制限突起
32 回転規制ピン
33 回転規制穴
33a 対向面
34 貫通部
35 制御回路
36 姿勢検知センサ
40(40A 40B 40C) 肉厚部
41 貫通穴
41a 外径穴部
41b 内径穴部
41c フランジ嵌合部
41d 規制面
42 142 支持部材(支持部、挿入支持体)
42a フランジ
42b 突出部
42c 挟持面
42d 支持面
42e 側面
42f ボール保持凹部
43 弾性部材(支持部、挿入支持体)
44 144 押さえ部材(支持部、挿入支持体)
44a 被押圧面
44b 挟持面
44c 側面
44d テーパ面
45 46 47 貫通穴
48 49 50 支持凹部
51 52 53 コイル支持板
51a 52a 53a コイル支持突起
51b 52b 53b センサ支持凹部
51c 52c 53c 貫通穴
54 第1コイル(駆動部)
55 第2コイル(駆動部)
56 第3コイル(駆動部)
54a 55a 56a 長辺部
54b 55b 56b 短辺部
54c 55c 56c 外周面
54d 55d 56d 内周面
57 58 59 ホールセンサ
60 160 260 360 460 外囲ヨーク
60a 嵌合凹部
60b 係合穴
60c スリット
60d 穴部
60e 部分円筒部
60f 制限突起
60g フリー位置決め部
60h ロック位置決め部
61 操作環
70 係合突起
70a テーパ面
70b 抜け止め面
71 ガイドボール(支持部)
L 撮像光学系(撮像手段)
M1 M2 M3 接着剤注入空間
O 光軸
Q 球心揺動中心

Claims (12)

  1. 被写体画像を得る撮像手段の少なくとも一部を支持する可動部材と、
    固定部材に対して上記可動部材を、上記撮像手段を構成する光学系の光軸上の揺動中心点を中心として球心揺動可能に支持する支持部と、
    上記可動部材に推力を付与して上記球心揺動による像振れ補正を行わせる駆動部と
    を備えた撮像装置において、
    上記駆動部は、
    上記可動部材が上記固定部材に対して上記球心揺動の初期位置に位置する初期状態での上記光軸を中心とする周方向に互いの間隔を空けて設けた3つのアクチュエータを備え、該3つのアクチュエータはそれぞれ、上記初期状態の光軸を中心とする略円弧形状の磁石とコイルを備え、
    上記初期状態の光軸を中心とする径方向で上記3つのアクチュエータの外径側に、磁性体からなり上記初期状態の光軸を中心とする円筒部分を含む外囲ヨークを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、上記初期状態の光軸に沿う方向で、上記外囲ヨークと上記磁石の互いの中心が略一致する位置にあり、かつ上記外囲ヨークは上記磁石よりも長い撮像装置。
  3. 請求項1または2記載の撮像装置において、上記外囲ヨークは、上記周方向で上記3つのアクチュエータの外径側を覆う範囲に連続する長さの円筒部を有する撮像装置。
  4. 請求項1または2記載の撮像装置において、上記周方向で上記3つのアクチュエータのそれぞれに対応した周方向範囲で分割される部分円筒状をなす3つの上記外囲ヨークを有する撮像装置。
  5. 請求項1または2記載の撮像装置において、上記外囲ヨークは、上記周方向で交互に3つの部分円筒部と3つの穴部を有し、上記3つの部分円筒部が上記3つのアクチュエータの外径側に位置する第1の位置と、上記3つの穴部が上記3つのアクチュエータの外径側に位置する第2の位置とを選択可能である撮像装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の撮像装置において、上記固定部材は、内部に上記可動部材を球心揺動可能に支持する筒部を有し、上記外囲ヨークは上記固定部材の上記筒部の外周面上に支持される撮像装置。
  7. 請求項6記載の撮像装置において、
    上記固定部材の上記筒部を上記径方向に貫通する、周方向に位置を異ならせて3つ設けた貫通穴と、
    上記3つの貫通穴にそれぞれ挿入されて上記可動部材を球心揺動可能に支持する挿入支持体と、
    を備え、上記外囲ヨークは上記固定部材の上記筒部の外周面上に支持された状態で上記貫通穴からの上記挿入支持体の外径方向への離脱を規制する撮像装置。
  8. 請求項7記載の撮像装置において、
    上記挿入支持体は、上記固定部材の上記筒部の外周面上に突出する突起を有し、
    上記外囲ヨークは上記突起に係合可能な係合穴を有し、
    上記外囲ヨークは上記係合穴に上記突起を係合させて上記固定部材の上記筒部の外周面上に支持される撮像装置。
  9. 請求項7または8記載の撮像装置において、
    上記可動部材は、上記揺動中心点を中心とする球面の一部である3つの被支持面を上記周方向に位置を異ならせて有し、
    上記挿入支持体は、上記貫通穴内で上記外径側から順に、上記外囲ヨークの内周面に当接可能な押さえ部材と、弾性変形可能な弾性部材と、上記可動部材の上記被支持面を支持する支持部材とを有し、上記支持部材と上記押さえ部材の間で上記弾性部材を上記径方向に圧縮変形した状態で保持し、
    上記3つのアクチュエータは、上記3つの被支持面と上記3つの貫通穴の間の周方向位置に設けられている撮像装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の撮像装置において、上記3つのアクチュエータはそれぞれ磁性体からなる内側ヨークを有し、該内側ヨークは、略円弧形状の上記磁石の内周面に沿う底壁と、該支持面から上記外径方向に突出する立壁とを有している撮像装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項記載の撮像装置において、上記3つのアクチュエータは、上記周方向に略等間隔で設けられている撮像装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項記載の撮像装置において、上記磁石が上記可動部材に支持され、上記コイルが上記固定部材に支持される撮像装置。
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