JP2017173592A - レーザ顕微鏡 - Google Patents

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治彦 楠瀬
寿幸 轟
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寿幸 轟
允 鳥澤
Makoto Torisawa
允 鳥澤
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【課題】完全コンフォーカル画像を撮像するレーザ顕微鏡を実現する。【解決手段】本発明のレーザ顕微鏡では、照明系は、レーザ光源(1)と、音響光学素子(3)と、回折格子(10)とを有し、主走査方向にマルチビームスキャンを行う。検出系は、主走査方向と対応する方向に配列した複数の受光素子を有するラインセンサ(22)を有し、ラインセンサ上にN画素の間隔で複数のスポット像を形成する。主走査方向に1回スキャンする期間中に、ラインセンサからN回読み出す。この結果、ラインセンサの各受光素子はスポット像により順次間欠的に照明されるので、副走査方向及び主走査方向にコンフォーカルな画像を撮像することができる。さらに、i番目の画素の信号強度について、隣接する(i−1)及び(i+1)番目の画素の信号強度を用いて修正することにより、コントラストが一層増強された完全コンフォーカル画像を撮像することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、完全コンフォーカル画像を高速で撮像できるレーザ顕微鏡に関するものである。
さらに、本発明は、高速撮像モードと高分解能撮像モードとの間で切り換え可能なレーザ顕微鏡に関するものである。
さらに、本発明は、コントラストが大幅に増強されたコンフォーカル画像を撮像するハイパーコンフォーカルレーザ顕微鏡に関するものである。
レーザ顕微鏡は、試料の高解像度画像を撮像できると共に試料表面の高さ方向にも高い分解能を有する特性があり、種々の試料を撮像するために広く実用化されている。レーザ顕微鏡により試料表面を観察する場合、低倍率で広い視野を観察して特異点を検出し、検出された特異点を高倍率で撮像して詳細な観察が行われる。従って、レーザ顕微鏡においては、試料を高速で撮像するモードと試料表面を高分解能で撮像するモードとを有することが望まれている。さらに、製造工程中の半導体デバイスの表面を高分解能で観察することも望まれており、半導体デバイスの微細化に伴い、分解能の一層高いレーザ顕微鏡の開発も望まれている。さらに、試料の種類や観察目的によっては、回折限界付近におけるコントラストが一層増強された高解像度画像を撮像することも望まれている。
従来のレーザ顕微鏡として、レーザ光源から出射したレーザビームにより試料表面を2次元走査し、試料表面からの反射光をフォトマルチプライヤーチューブで検出するレーザ顕微鏡が既知である(例えば、特許文献1参照)。このレーザ顕微鏡は、単一のレーザビームにより試料表面を走査するため、試料表面を高分解能で撮像できる利点がある。しかしながら、単一のレーザビームにより試料表面を多数回走査しなければならず、撮像時間が相当長くなる欠点があった。また、音響光学素子の偏向角にも制限があるため、主走査方向のスキャン長が制限され、広い視野の画像を撮像できない欠点もあった。さらに、試料からの反射光をフォトマルチプラヤチューブで検出する光学系では、位置精度がスキャナのスキャン角度で決まるため、位置精度が劣る欠点が指摘されている。
別の撮像装置として、光源から出射した照明光をシリンドリカルレンズ及びスリットを通過させてライン状の照明ビームに変換し、ライン状の照明ビームにより試料表面を走査する撮像装置が既知である(例えば、特許文献2参照)。ライン状の照明ビームにより試料表面を走査する場合、単一のレーザビームにより走査するレーザ顕微鏡と比較して、高速で走査できる利点がある。しかしながら、ライン状の照明ビームを用いる撮像装置では、副走査方向にはコンフォーカリティを有するものの、照明ビームの延在方向にはコンフォーカリティを有しないため、撮像される画像は1次元コンフォーカル画像である。従って、完全なコンフォーカル光学系ではないため、十分に高い分解能が得られない欠点があった。
別のレーザ顕微鏡として、レーザ光源から出射したレーザビームを音響光学素子により主走査方向に周期的に偏向し、音響光学素子から出射したレーザビームを回折格子により複数の離散的なサブビームに変換して試料表面に投射するレーザ顕微鏡が既知である(例えば、特許文献3参照)。
特開昭61−121022号公報 特開2002−122553号公報 特開2016−1274号公報
上述した特許文献3に記載されたレーザ顕微鏡では、主走査方向に整列した複数のサブビーム全体が音響光学素子により主走査方向に周期的に偏向されるので、広い視野の画像を高速で撮像できる利点が達成される。また、音響光学素子のリトレース期間が短縮されるので、スキャン時間が短縮されると共に照明効率が増大する利点も達成される。従って、レーザ顕微鏡として、様々な有益な特性を発揮することが可能である。
しかしながら、上述したレーザ顕微鏡では、音響光学素子が1回スキャンする毎にラインセンサに生じた電荷を読み出しているため、試料表面をライン状のレーザビームで走査したものと同様であり、主走査方向にはコンフォーカリティが得られず、1次元コンフォーカル撮像装置となってしまう。この結果、完全なコンフォーカル顕微鏡に至らず、解像度の点において改良の余地があった。
さらに、レーザ顕微鏡は、通常の2次元撮像装置と比べて高い解像度の画像を撮像できる利点があるものの、観察目的や検査目的によっては、一層解像度の高い画像を撮像することも望まれている。特に、光学系の解像限界付近におけるコントラストが高い画像が撮像できれば、一層鮮明な画像情報を得ることができ、種々の用途に有益な撮像装置が期待される。
さらに、レーザ顕微鏡の使用方法として、広い視野を高速でスキャンして特異点を検出し、検出された特異点について高倍率で観察する手法が用いられている。従って、広い視野を高速で撮像できると共に探索された特異点を高分解能で観察できるレーザ顕微鏡、すなわち高速撮像モードと高解像度撮像モードの両方を兼ね備えるレーザ顕微鏡の開発も強く期待されている。さらに、ラインセンサは画素ピッチ寸法が固定されているため、位置測定精度が高く、微細な試料の寸法を直接測定するのに有益である。従って、ラインセンサを用いて2次元コンフォーカル画像(完全コンフォーカル画像)が撮像できれば、微細な構造物を一層高い解像度で撮像でき、寸法測定に有用なレーザ顕微鏡が実現される。
本発明の目的は、完全なコンフォーカル画像(2次元コンフォーカル画像)を高速で撮像できるレーザ顕微鏡を実現することにある。
また、本発明の別の目的は、高速撮像モードと高解像度撮像モードの両方を兼ね備えるレーザ顕微鏡を実現することにある。
さらに、本発明の別の目的は、従来のレーザ顕微鏡よりも一層増強された画像コントラストを有するハイパーコンフォーカルレーザ顕微鏡を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、ラインセンサを用いて完全コンフォーカル画像を撮像できるレーザ顕微鏡を実現することにある。
本発明によるレーザ顕微鏡は、照明ビームを発生するレーザ光源と、
レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的にスキャンする第1のビーム偏向手段と、
前記照明ビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
前記照明ビームを試料に向けて投射し、試料上に光スポットを形成する対物レンズと、
前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサと、
前記試料上の光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記ラインセンサ上に結像し、ラインセンサ上にスポット像を形成する結像光学系と、
前記ラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
Nを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段のスキャンにより、前記スポット像によりN個の受光素子がスキャンされ、
前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンする期間中に、ラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出すことを特徴とする。
ラインセンサの各受光素子は、電荷を読み出すことにより初期化される。従って、主走査方向のスキャンにより、スポット像がラインセンサ上でN画素分移動する場合、主走査方向に1回スキャンする期間中にラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出せば、各受光素子は「受光による電荷発生」と「初期化」の2つの動作をセットにしてN回繰り返すことになる。よって、各受光素子は、毎回一旦初期化された後に受光動作を行うので、スポット像により間欠的に照明された状態になり、各受光素子は点像照明された状態となる。この結果、主走査方向にもコンフォーカリティが実現され、副走査方向及び主走査方向の両方においてコンフォーカルな関係が成立し、完全コンフォーカル画像を撮像することができる。
さらに、光検出手段としてラインセンサを用いた場合であっても、完全コンフォーカル画像が撮像される。よって、横方向に優れた測定精度を有する高解像度画像を撮像することが可能になる。この結果、レーザ顕微鏡により、微細な構造体の寸法を一層高精度に測定することができる。
本発明によるレーザ顕微鏡は、照明ビームを発生するレーザ光源と、
レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的に偏向する第1のビーム偏向手段と、
Mを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段から出射した照明ビームを、主走査方向にそって整列したM本のサブビームに変換する回折格子と、
前記サブビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
前記M本のサブビームを試料に向けて投射し、試料上に主走査方向に整列したM個の光スポットを形成する対物レンズと、
前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサと、
前記試料上に形成された各光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記ラインセンサ上に結像してスポット像を形成する結像光学系と、
前記ラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
Nを2以上の自然数とした場合に、前記ラインセンサ上には、M個のスポット像がN個の受光素子の間隔で形成され、
前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンすることにより、各スポット像によってそれぞれN個の受光素子がスキャンされ、
前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンする期間中に、ラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出すことを特徴とする。
本発明では、ラインセンサ上に形成されるスポット像間の間隔をN画素に設定し、第1のビーム偏向手段(音響光学素子)により1回スキャンする期間中に各スポット像によりそれぞれN個の受光素子をスキャンし、ラインセンサの受光素子に蓄積された電荷をN回読み出す。従って、ラインセンサの各受光素子は、電荷が読み出されるごとに初期化され、続いて1画素分移動した次の部位からの反射光が入射する。これにより、主走査方向において隣接する部位の照明による影響を受けない画像信号が出力される。
ここで重要なことは、主走査方向にマルチビームスキャンを行うことにより、完全コンフォーカル画像を高速で撮像できる利点が達成されることである。すなわち、単一の照明ビームにより主走査する場合、1回のスキャン長が長いため、1回のスキャン期間中に多数回の読み出し動作が必要であり、高速性に難点がある。これに対して、主走査方向にマルチビームスキャンを行えば、スキャン長が短くなり、1回のスキャン中の読み出し回数も減少する。この結果、完全コンフォーカル画像を高速で撮像することが可能になる。例えば、回折格子を用いて64本のマルチビームを形成し、1024画素のラインセンサを用いる場合、1回のスキャン中に16回読み出すだけであり、単一ビームで走査する場合と比較して主走査速度を64倍高速にできる。この結果、完全コンフォーカル画像を高速で撮像することが可能になる。すなわち、ラインセンサを用いて完全コンフォーカル画像を撮像する場合、撮像速度の観点より、主走査方向にマルチビームスキャンを行うことによる効果は大きい。
本発明では、信号処理装置は、iを式1≦i≦Nを満たす整数とした場合に、ラインセンサの読出開始後にi回目にi番目の受光素子から読み出された画像信号を選択する画像信号選択手段、及び、選択された画像信号を用いて2次元画像を形成する画像合成手段を有することを特徴とする。
本発明では、ラインセンサに発生した電荷を1回読み出すごとにスポット像が位置する受光素子の画像信号を選択して2次元画像を合成する。すなわち、読み出し開始後i回目に電荷を読み出した場合配列位置がi番目の受光素子から出力された画像信号を選択する。この動作により、スポット像が位置する受光素子の画像信号だけを用いて1次元画像を形成することができる。このようにして、N個の画像信号を取得し、N個の画像信号を1次元配列して1次元画像を形成する。得られた1次元画像を合成して2次元画像を形成する。i回目にi番目の受光素子から読み出された画像信号は、当該受光素子上にスポット像が形成された時に得られた画像信号である。この画像信号は、隣接する部位の照明による影響を受けないから、完全コンフォーカル画像が形成される。
本発明によるレーザ顕微鏡の好適実施例は、i番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をIとし、i番目の受光素子と隣接する(i−1)番目及び(i+1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIi−1及びIi+1とした場合に、信号処理装置は、信号強度Iを少なくとも信号強度Ii−1及びIi+1を用いて修正する修正手段を有し、修正された信号強度をi番目の画素の画素値として用いることを特徴とする。
i回目の電荷の読出の際に読み出されるi番目の受光素子と隣接する(i−1)番目及び(i+1)番目の受光素子から出力される画像信号は、i番目の画像信号と同様にも個別に形成され別の画素の照明による影響を受けない独立の画像信号である。この特徴は、光検出手段としてフォトマルチプライヤチューブ等の単一素子を用いる場合には得られない、本発明の重要な技術的特徴である。この特徴に基づき、注目する画素及び隣接する画素から出力される画像信号を用いてi番目の受光素子から出力される画像信号を修正すれば、コントラストが一層増強された画像信号を形成することが可能になる。
本発明によるレーザ顕微鏡の好適実施例は、前記修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=I+k(Ii−1+Ii+1
に基づいて定められることを特徴とする。
一般的にコンフォーカル顕微鏡のピクセルサイズは光学系の点像の大きさより小さくなるように設計される。その状態では、中心画素に隣接画素からの情報が重畳されることになる。従って、これを除去することにより、解像限界付近の微細な構造に対する横方向のコントラストを改善することができる。この効果は、後述する図11(A)に示す本発明の横方向分解能特性に示される。尚、上記式において、係数kは光学系の点像分布を考慮して決定する事ができる。例えば撮像に先立って、表面が均一な部位を撮像し、その点像分布から最適値を決定することができる。また、コンフォーカル顕微鏡は光軸方向に対するコントラストを有する。点像分布は合焦点で最小となり、中心画素の信号強度は最大となる。一方、焦点からずれるに従って点像分布が大きくなるため、中心画素の信号強度は低下する。つまり合焦時には中心画素の信号強度最大になるため、この特徴を利用することにより、高さ方向の分解能を有する。一方、隣接画素の信号強度は合焦点で最小になり、焦点からずれるに従って増加する。従って、隣接する受光素子の信号強度を中心画素の信号強度から減算することによって高さ方向のコントラストをより高くすることができる。この効果は、後述する図11(B)の高さ方向分解能特性に示される。
本発明によるレーザ顕微鏡は、照明ビームを発生するレーザ光源と、
レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的に偏向する第1のビーム偏向手段と、
Mを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段から出射した照明ビームを、主走査方向にそって整列したM本のサブビームに変換する回折格子と、
前記サブビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
前記M本のサブビームを試料に向けて投射し、主走査方向に整列したM個の光スポットを試料上に形成する対物レンズと、
前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子をそれぞれ有し、互いに直接隣接するように配置された第1〜第3の3つのラインセンサを含む光検出手段と、
前記試料上に形成された各光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記光検出手段上に結像してスポット像を形成する結像光学系と、
前記第1〜第3のラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
Nを2以上の自然数とした場合に、前記第1〜第3のラインセンサ上には、受光素子の配列方向に沿ってM個のスポット像がN個の受光素子の間隔で形成され、
前記第1〜第3のラインセンサは互いに同期して読み出され、
前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンすることにより、N個の受光素子がスポット像によりスキャンされ、
前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンする期間中に、第1〜第3のラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出すことを特徴とする。
試料表面から出射した反射光を受光する光検出手段として、単一のラインセンサだけでなく、互いに平行に直接隣接するように配置された3つのラインセンサを用いることができる。この場合、スポット像は3つのラインセンサの隣接する受光素子上に形成される。よって、i番目の受光素子から読み出された画像信号を修正する際、受光素子の配列方向だけでなく、受光素子の配列方向と直交する方向に拡がった反射光を利用して修正することができる。この場合、i番目の受光素子から読み出された画像信号を2方向から修正できるので、一層コントラストが一層増強されたコンフォーカル画像を形成することができる。
本発明によるレーザ顕微鏡の好適実施例は、第1〜第3のラインセンサのi番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIA,i、IB,i及びIC,iとし、i番目の受光素子と隣接する(i−1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIA,i−1 、IB,i−1及びIC,i−1とし、隣接する(i+1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIA,i+1、IB,i+1及びIC,i+1 とした場合に、信号処理装置は、第2のラインセンサのi番目の受光素子から読み出された信号強度IB,iを少なくとも信号強度IA,i、IB,i−1、IB,i+1、及びIC,iを用いて修正する修正手段を有し、修正された信号強度をi番目の画素の画素値として用いることを特徴とする。
さらに、修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=IB,i−k(IB,i−1+IB,i+1+IA,i+IC,i
に基づいて定めることができる。
さらに、修正されたi番目の画素値をI’とし、k及びjは、式0≦k≦1、式0≦j≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=IB,i−k(IB,i−1+IB,i+1+IA,i+IC,i)−j(IA,i−1+IC,i−1+IA,i+1+IC,i+1
に基づいて定めることができる。
本発明による別のレーザ顕微鏡は、照明ビームを発生するレーザ光源と、
レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的に偏向する第1のビーム偏向手段と、
Mを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段から出射した照明ビームを、主走査方向にそって整列したM本のサブビームに変換する回折格子と、
前記サブビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
前記M本のサブビームを試料に向けて投射し、試料上に主走査方向に整列したM個の光スポットを形成する対物レンズと、
前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサと、
前記試料上に形成された各光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記ラインセンサ上に結像してスポット像を形成する結像光学系と、
前記ラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
Nを2以上の自然数とした場合に、前記ラインセンサ上には、M個のスポット像がN個の受光素子の間隔で形成され、
前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンすることにより、N個の受光素子がスポット像によりスキャンされ、
前記第1のビーム偏向手段を1回スキャンするごとに、ラインセンサの電荷を1回読み出す高速撮像モードと、前記第1のビーム偏向手段を1回スキャンする間に、ラインセンサの電荷をN回読み出す高分解能撮像モードとを有することを特徴とする。
本発明のレーザ顕微鏡では、第1のビーム偏向手段(音響光学素子)の駆動周波数を2段階で切り換えるだけで、高速撮像モードと高分解能撮像モードに設定することができる。高速撮像モードでは、広い視野を高速で撮像できるので、特異点の探索に有効である。また、高分解能撮像モードでは、検出した特異点を高分解能で観察できる利点がある。従って、高速性及び高分解能の両方を備えることにより、一層有益なレーザ顕微鏡が実現される。
本発明によれば、主走査方向にマルチビームスキャンを行うと共に、主走査手段が1回スキャンする期間中にラインセンサに発生した電荷をN回読み出す構成としているので、完全コンフォーカル画像を高速で撮像することが可能になる。
さらに、i回目にi番目の受光素子と隣接する(i−1)及び(i+1)番目の受光素子も他の部位の照明による影響を受けない独立した画像信号を出力するので、隣接した受光素子の画像信号を用いてi番目の受光素子から出力される画像信号を修正することができる。修正処理を行うことにより、従来のコンフォーカル画像よりもコントラストが一層増強されたハイパーコンフォーカル画像を撮像することができる。
光検出手段としてラインセンサを用いて完全コンフォーカル画像が撮像できるので、ラインセンサの利点を活用しつつ高解像度画像を撮像することができる。
本発明によるレーザ顕微鏡の全体構成を示す図である。 試料上に形成される光スポット列を示す図である。 ラインセンサ上におけるスポット像の変位及び1ライン画像の形成過程を示す図である。 本発明によるレーザ顕微鏡の信号処理の一例を示す図である。 ハイパーコンフォーカルを説明するための図である。 隣接する受光素子からの出力信号を用いて修正する方法を説明するための図である。 隣接する受光素子からの出力信号を用いて修正する方法を説明するための図である。 ラインセンサ上に形成されるスポット像のフォーカス依存性を説明するための図である。 ラインセンサ上に形成されるスポット像のフォーカス依存性を説明するための図である。 3つのラインセンサを平行に配置した実施例を示す図である。 本発明によるレーザ顕微鏡のハイパーコンフォーカルモードにおける光学特性を示すグラフである。
図1は本発明によるレーザ顕微鏡の全体構成を示す図である。照明光源としてレーザ光源1を用いる。本例では、レーザ光源1として、波長が405nmの光ビームを発生するレーザダイォードを用いる。レーザ光源1から出射した光ビームは、エキスパンダ光学系2により拡大平行光束に変換されて第1のビーム偏向手段である音響光学素子3に入射する。音響光学素子3は、入射した光ビームを主走査方向である第1の方向(例えば、図1の紙面と直交する方向)に周期的に偏向する。音響光学素子3は、駆動信号形成回路4から出力される駆動信号により駆動制御され、スキャン周波数fでビームスキャンが行われる。駆動信号形成回路は、信号処理装置5から供給される制御信号により制御する。スキャン周波数fは、切り換え可能に設定され、例えば広い視野を高速で観察する高速撮像モードでは60kHzに設定され、検出された特異点を高分解能で観察する高分解能撮像モードの場合60kHz/Nに設定する。ここで、Nは、後述する回折格子から出射するサブビームの間隔であり、本例では、ラインセンサ上において16画素の間隔に設定する。
本例では、音響光学素子3は、音響光学結晶体として音速が一番遅い二酸化テレル結晶体を有し、その開口径はできるだけ小さく設定し、例えば2.0mmに設定する。このように、音響光学素子を音速の遅い結晶体で構成すると共にその開口径を小さくすることにより、リトレース期間が短縮され入射した光ビームを高速で偏向することが可能になり、例えば60kHzのラインレートで周期的にスキャンすることができる。尚、音響光学素子の偏向幅は、後述する回折格子の隣接するサブビーム間の離間距離に等しくなるように設定する。
音響光学素子3から出射し、第1の方向に周期的にスキャンされた光ビームは、第1のリレーレンズ6、全反射ミラー7、第2のリレーレンズ8及び全反射ミラー9を経て回折格子10に入射する。第1のリレーレンズ6及び第2のリレーレンズ8は第1のリレー光学系を構成し、音響光学素子3から出射した光ビームの径を拡大して回折格子10上に投影する。
回折格子10は、入射する光ビームを第1の方向と対応する方向に等角度間隔でライン状に整列した複数(M本)のサブビームに変換し、本例では、64本のサブビームを形成する。回折格子は、等間隔で形成された多数の格子線を有し、格子線の本数及びその長さは自在に設定することができる。従って、第1のリレー光学系により拡大された照明ビームがリレーされても、さらに周期的に偏向された光ビームが入射してもなんら不都合が生じることはない。回折格子10により形成された64本のサブビームは、音響光学素子3の偏向作用によりサブビーム全体が第1の方向に所定の偏向角だけ一律に周期的に偏向される。従って、回折格子10から60kHzの周波数で周期的に偏向された64本のサブビーム群が出射する。
回折格子10から出射した64本のサブビームは、第3のリレーレンズ11を介して偏光ビームスプリッタ12に入射する。サブビームは、偏光ビームスプリッタ12で反射し、第4のリレーレンズ13を経て第2のビーム偏向手段(副走査手段)であるガルバノミラー14に入射する。第3及び第4のリレーレンズ11及び13は同一の焦点距離のレンズで構成され、回折格子10から出射した照明光束は等倍でガルバノミラー14にリレーされる。ガルバノミラー14は、瞳がリレーされ、入射した64本のサブビームを第1の方向と直交する第2の方向、すなわち副走査方向に周期的に偏向する。ガルバノミラーの偏向周波数は、例えば60Hzに設定する。ガルバノミラーの代わりに他のビーム偏向手段を用いることができ、ポリゴンミラー等の種々の回転ミラー偏向装置を用いることができる。
ガルバノミラー14により副走査方向に偏向されたサブビームは、第5のリレーレンズ15、第6のリレーレンズ16、及び1/4波長板17を介して対物レンズ18に入射する。第5のリレーレンズ15と第6のリレーレンズ16は第2のリレー光学系を構成し、ガルバノミラーの瞳を対物レンズ上に投影する。
対物レンズ18は、入射した64本のサブビームを集束してステージ19上に配置した試料20に向けて投射し、64個の光スポットを含む光スポット列を試料上に形成する。本発明では、対物レンズの特性として、視野の大きな画像を形成するため長い焦点距離を有し、且つ高解像度の画像を形成するため大きな開口数(NA)を有する対物レンズを用いる。従って、対物レンズの大きな瞳は、拡大された照明光束により満たされることになる。すなわち、本発明では、小さい開口径の音響光学素子から出射した光ビームを第1及び第2の2つのリレー光学系を用いて大径の照明光束に変換して対物レンズに入射させているので、対物レンズの大きな瞳径を十分に満たす照明光束を形成することができる。
試料表面の各光スポットから出射した反射光は、対物レンズ18により集光され、光路を反対方向に伝搬する。すなわち、対物レンズにより集光された反射光は、1/4波長板17、第6のリレーレンズ16、第5のリレーレンズ15を経てガルバノミラー14に入射し、デスキャンされる。ガルバノミラー14から出射した反射光は、リレーレンズ13を経て偏光ビームスプリッタ12を透過して光検出手段として機能するラインセンサ22に入射する。リレーレンズ13は結像レンズとしても機能するので、試料上の各光スポットから出射した反射光はラインセンサ22上に微小スポット状に結像され、主走査方向と対応する方向に整列した点状のスポット像を形成する。
ラインセンサ22は、主走査方向と対応する方向に整列した1,024個の受光素子を有し、各受光素子に発生した電荷は所定の読出レートで1ラインごとに読み出し、信号処理装置(図示せず)に供給する。すなわち、ラインセンサ22上には、64個のスポット像が16画素の間隔で形成される。また、各スポット像は音響光学素子3のスキャン周波数で受光素子の配列方向にそって周期的に移動する。そして、各受光素子に発生した電荷は、読出信号形成手段23から供給される読出信号により所定の読出周波数で1ラインごとに読み出され、信号処理装置5に供給される。信号処理装置は、入力した画像信号を処理して、試料の2次元画像、3次元画像及び視野全体にわたって合焦した全焦点画像を形成することができる。
図3は、ラインセンサ22上に形成されるスポット像を示すと共に1ライン画像の形成過程を示す。図3において、横方向はラインセンサの受光素子(画素)の配列方向を示し、小さな四角の区域は画素(受光素子)を示し、丸のエリアはスポット像を示す。ラインセンサ上に形成されるスポット像は、例えば図面の左側から右側に16画素(音響光学素子のスキャン幅に対応する)だけ周期的に移動する。尚、図面上において、スポット像のサイズは受光素子のサイズよりも小さく図示したが、実際にはスポット像のサイズは受光素子のサイズよりも大きくなるように設定する。
図3(A)は音響光学素子のスキャン周波数(f)をラインセンサの読出周波数(f)に等しくなるように設定した第1のモード、すなわち音響光学素子が1回スキャンするごとに(スポット像が16個の画素を走査するごとに)受光素子に発生した電荷を読み出すモード(高速撮像モード)を示す。図3(B)は音響光学素子のスキャン周波数をラインセンサの読出周波数の1/N(本例の場合、1/16)に設定した第2のモード、すなわち音響光学素子が1回スキャンする間に(スポット像が16個の画素を走査する間に)、受光素子に発生した電荷を16回読み出すモード(高分解能撮像モード)を示す。尚、図3(B)において、ラインセンサ上のスポット像の位置を示すため、16個のタイミングでラインセンサ画像を並列に配置した。
図3(A)に示すように、音響光学素子のスキャン周波数を読出周波数と等しく設定し、音響光学素子の1回のスキャン毎にラインセンサの電荷を読み出して1次元画像を形成する場合、高速で撮像することができる。しかしながら、各受光素子に入射する試料からの反射光は、スポット像が当該受光素子上に位置する時に入射する反射光だけでなく、スポット像が隣接する受光素子上に位置する際に入射する反射光も含まれ、さらに、光学部品表面からの反射や散乱による迷光成分等も含まれる。よって、各受光素子に入射する試料からの反射光成分は、隣接する受光素子(画素)に入射する反射光成分と連なった状態にあり、ラインセンサ上にはライン状の反射光が入射した場合と等価である。すなわち、ラインセンサはスポット像により走査されるものの、主走査方向にはライン照明と等価であり、この結果、主走査方向にはコンフォーカルとはならず、副走査方向についてだけコンフォーカルとなる。従って、1次元コンフォーカル画像が形成され、十分に満足できる解像度の画像は撮像されない。
これに対して、図3(B)に示すように、音響光学素子のスキャン周波数をラインセンサの読出周波数の1/Nに設定し(f=f/N)、音響光学素子が1回スキャンする間にラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出して1次元画像を形成する場合、各受光素子は、独立した点像(スポット像)により照明された場合と等価であり、スポット像が隣接する画素上に位置する際の情報を含まない。従って、この場合、主走査方向及び副走査方向の両方についてコンフォーカルとなり、2次元コンフォーカル画像が形成される。
すなわち、本例では、スポット像がラインセンサ上を(i−1)番目、i番目、(i+1)番目、(i+2)番目の画素の順序で移動する場合、スポット像が(i−1)番目の受光素子上に位置してスポット像照明が行われ、その後全ての受光素子の電荷が読み出され、全ての受光素子がリセットされる。続いて、スポット像はi番目の受光素子に移動してスポット像照明が行われ、発生した電荷が読み出され、全ての受光素子がリセットされる。次に、スポット像が(i+1)番目の画素に移動し、同様な操作が行われる。ここで、i番目の画素に注目すると、スポット像が1つ前の(i−1)番目の受光素子上に位置してスポット像照明が行われた後、1ライン分の全ての受光素子の電荷が読み出され、全ての受光素子の状態がリセットされ、フレッシュな状態に設定される。続いて、スポット像が当該i番目の受光素子上に移動してスポット像照明が行われ、i番目の受光素子を含めて全ての受光素子の電荷が読み出され、リセットされる。この場合、i番目の受光素子の信号強度は、スポット像が当該i番目の受光素子上に位置する時の入射光の光量だけにより決定され、隣接する(i−1)番目及び(i+1)番目の受光素子による影響を受けない。さらに、時間的な観点より判断するに、ラインセンサの各受光素子は、その配列順序に沿って所定の時間間隔で順次間欠的に点像照明されたものと等価である。従って、本例の場合、各受光素子から出力される画像信号は、隣接する受光素子から出力される画像信号との関連性が断ち切られ、点像照明が行われる。この結果、2次元コンフォーカル光学系が構成され、高解像度画像が撮像される。
図3(B)に示すモードにおける1次元画像の形成方法について説明する。iを1≦i≦Nの整数とした場合、読出開始後にi回目に読み出した画像信号としてi番目の受光素子から出力される画像信号を用いる。すなわち、読み出し開始後1回目に読み出す場合、1番目の受光素子の画像信号を用い、2回目に読み出す場合2番目の受光素子の画像信号を用いる。本例では、64個のスポット像が16画素の間隔で形成されるため、各光スポットのスキャンごとに1番目から16番目の受光素子の画像信号を順次選択する。選択した画像信号を1次元に配列して1次元画像を形成する。形成された1次元画像を副走査方向に順次配列して2次元画像が形成される。
=fの場合、1次元コンフォーカル画像となるため、比較的解像度が低い画像が形成される。しかしながら、ライン照明に等しい照明時間で2次元画像が形成されるため、高速撮像が可能になる。従って、スキャン周波数と読出周波数とを等しく設定したモードを、高速撮像モードと称する。この高速撮像モードでは、広い視野を高速で撮像できるため、詳細な観察に先立って行われる特異点を探索するモードとして有効である。
=f/Nの場合、2次元コンフォーカル画像が形成され、解像度が一層高い高解像度画像を撮像することが可能になる。従って、この撮像モードは、高分解能撮像モードと称する。この場合、広い視野観察により探索された特異点を高分解能で観察するのに有益である。
図4は本発明によるレーザ顕微鏡の信号処理の一例を示す図である。本例では、高分解能撮像モードと高速撮像モードの2つの撮像モードを有し、これら2つの撮像モードを切り換え可能に設定する。初めに、高分解能モードにおける信号処理について説明する。60kHzのクロック信号を発生するクロック信号発生手段30を設ける。このクロック信号をベースとして各要素の駆動制御を行う。60kHzのクロック信号は、分周器31に供給される。分周器31は、入力したクロック信号を1/16に分周し、3.75kHzの分周信号を出力する。この分周信号は、スイッチ32を介して音響光学素子駆動回路4に供給する。音響光学素子駆動回路4は、入力した信号を用いて音響光学素子3を3.75kHzで駆動する駆動信号を形成する。
クロック信号発生手段30から発生する60kHzのクロック信号は、ラインセンサ22の読出信号を発生する読出信号形成手段23にも供給される。よって、ラインセンサは60kHzの読出周波数で順次読み出される。
ラインセンサ22から1ラインごとに読み出された画像信号は、スイッチ33を介して画像信号選択手段34に供給される。画像信号選択手段34には60kHzのクロック信号も供給する。画像信号選択手段34は、読み出し開始後i回目に読み出す際、i番目の受光素子から出力される画像信号を選択する。すなわち、1回目から16回目にわたって1番目から16番目の受光素子から順次出力される画像信号を順次選択する。選択された画像信号は、画像合成手段35に供給する。画像合成手段は、1次元画像形成手段36及び2次元画像形成手段37を有する。順次選択された画像信号は1次元画像形成手段36に供給され、1次元画像が形成される。形成された1次元画像は2次元画像形成手段37に供給され、2次元画像が形成される。
次に、高速撮像モードについて説明する。高速撮像モードでは、スイッチ32及び33は反対側に切り換える。クロック信号発生手段30から発生した60kHzのクロック信号は、スイッチ32を介して音響光学素子駆動回路4に供給する。音響光学素子駆動回路4は、入力した信号を用いて音響光学素子3を60kHzで駆動する駆動信号を形成する。また、クロック信号は、読出信号形成手段23にも供給され、ラインセンサに発生する電荷は60kHzの読出周波数で順次読み出される。ラインセンサから出力される画像信号は1ラインの画像信号として用いられ、スイッチ33を介して2次元画像形成手段37に供給する。2次元画像形成手段は、順次入力する1次元画像信号を合成して2次元画像を形成する。このように、高速撮像モードでは、音響光学素子が1ラインスキャンするごとにラインセンサの電荷が読み出されて2次元画像が作成されるので、高速撮像が可能になる。
次に、回折限界付近における画像コントラストが一層増大し、解像度の増強につながる信号処理(ハイパーコンフォーカルモード)について説明する。上述したように、本発明では、試料上に光スポットを形成し、光スポットから出射した反射光をラインセンサ上に結像してスポット像を形成している。本発明では、受光素子上にスポット像が形成されるごとにラインセンサの電荷を読み出してリセットするので、スポット像が位置する受光素子から出力される画像信号と共に隣接する受光素子から出力される画像信号を利用することができる。そこで、本発明では、i番目の受光素子から出力される画像信号を隣接する受光素子から出力される画像信号を用いて修正し、修正した画像信号を用いて2次元画像を形成する。
図5は、ハイパーコンフォーカルを説明するための図である。図5において、ラインセンサ22のi番目の受光素子上にスポット像が位置した状態を示す。ラインセンサ上に形成されるスポット像のサイズは、受光素子のサイズよりも大きく設定されるため、スポット像の光は隣接する(i−1)番目及び(i+1)番目の受光素子上にも入射する。スポット像が(i−1)番目の受光素子上に位置した後、電荷が読み出されて全ての受光素子が初期化される。その後、スポット像がi番目の受光素子上に位置する。そして、i番目及び隣接する受光素子が照明され、その後電荷が読み出される。従って、スポット像がi番目の受光素子上に位置する時、(i−1)番目、i番目、及び(i+1)番目の受光素子を含む全ての受光素子はフレッシュな状態に設定されている。従って、これら3つの受光素子は、スポット像がi番目の受光素子上に位置した際の独立した状態の画像信号を出力する。すなわち、これら3つの受光素子からは周囲の受光素子による影響を受けず独立した画像信号を出力する。本発明では、この特性を利用して、画像信号を修正する。
受光素子上に形成されるスポットのサイズは画素サイズよりも大きい。従って、隣接する画素まで照明光が拡がっている。また、試料の像も同様の拡がりを持っており、隣接画素の信号強度に影響を与えている。本発明では、この特性を利用してコントラストを増強する。
ラインセンサから画像信号を読み出す際、i回目にi番目の受光素子から読み出された画像信号の強度をIとし、隣接する(i−1)番目及び(i+1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIi−1及びIi+1とする。信号処理装置は、i番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度Iを隣接する受光素子の画像信号の信号強度Ii−1及びIi+1を用いて修正する。本例では、修正方法として、以下の式に基づいて修正する。修正されたi番目の画素の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=I−k(Ii−1+Ii+1) (1)式
に基づいて修正する。すなわち、信号強度Iから隣接する受光素子の信号強度Ii−1及びIi+1を減算する。この修正方法を利用すれば、画素ピッチに相当する空間周波数の信号成分が増強された画像信号を形成することができる。特に、上記修正方法は、デコンボリューション処理と同様な効果があり、通常のコンフォーカル画像よりもコントラストが一層増強された画像信号、すなわち信号振幅が大きい画像信号が得られる。特に高い空間周波数成分画像についてゲインが増強された高解像度画像を形成することができる。尚、上記式において、修正された信号強度が負の値になる場合、一律に零として処理する。
尚、直接する隣接する受光素子の画像信号を用いる場合だけでなく、以下の式に示すように、2つ隣接する受光素子から出力される画像信号を用いて修正することも可能である。
’=I−k(Ii−1+Ii+1)−j(Ii−2+Ii+2) (2)式
図6は上記修正方法を詳細に説明するための図である。本例では、光スポットと同程度のサイズの高反射率のパターンと低反射率のパターンとが交互に形成された試料を撮像する。このようなパターンとして、石英ガラス上に矩形の金属パターンが形成されたフォトマスクを例示することができる。この場合、石英ガラスの表面の反射率は相対的に高く、金属パターンの反射率は相対的に低い。図6において、最上段はフォトマスクのパターンの構造を示す。図6(A)は光スポットがガラス基板の表面上に位置する場合を示し、図6(B)は光スポットが金属パターン上に位置する場合を示す。
下側の段は、照明ビームのプロファイルを示す。さらに下の段は、試料表面の反射率分布を示す。さらに、下の段は、光学系を通して見た試料表面の画像強度を示す。最下段は、ラインセンサ出力の信号強度分布を示す。図6(A)に示すように、ラインアンドスペース構造を光スポットで走査した場合、試料の高反射率の部位に光スポットが位置する時、この部位に対応する受光素子の信号強度と隣接する受光素子の信号強度との差異は大きい。これに対して、図6(B)に示すように、低反射率の部位に光スポットが位置する時、この部位に対応する受光素子の信号強度と隣接する画素の信号強度との差異は小さい。すなわち、互いに隣接する受光素子間の信号強度は、試料表面の形態に応じて変化する。
図7は、上記ラインアンドスペース構造体を光スポットで走査した場合に受光素子から出力される信号強度を時間の変化として示すと共に出力される信号強度を示す。光スポットは左側から右側へ移動する。時間1、3及び5において、光スポットは金属パターン上に位置し、時間2及び4において、光スポットは石英ガラスの表面上に位置する。図7(A)は、ラインセンサ出力を修正処理せずに出力された画像信号の信号強度を示す。図7(B)は、ラインセンサ出力を上述した式に基づいて信号処理した場合の信号強度を示す。スポット7(A)に示すように、修正されていない従来のコンフォーカル画像では、低反射率パターンによる信号強度と高反射率パターンによる信号強度との差異は比較的小さい。これに対して、図7(B)の最下段に示すように、隣接する受光素子から出力される画像信号を減算した減算処理を行うと、高反射率の部位による信号強度の低下量は少ないが、低反射率の部位の信号強度は大幅に低下する。すなわち、本発明による修正方法を利用すれば、試料表面の形態の変化に応じて、信号強度の変化が増強されていることが理解できる。この結果、コントラストが一層増強された画像を撮像することができる。
次に、ラインセンサ上に形成されるスポット像のフォーカス依存性について説明する。図8は、スポット像の合焦点からの変位に対するスポットプロファイルの変化を示す。図8(A)は断面として見た場合のスポットプロファイルを示し、図8(B)はラインセンサ上に形成されたスポット像を平面図として示す。中段はスポット像が合焦した状態を示し、上方向及び下方向にそって合焦点から変位した状態を示す。試料表面からの反射光が合焦した場合、図8(B)に示すように、そのスポット径は比較的小さい。これに対して、スポット像がラインセンサから変位するにしたがってスポット像の直径は大きくなる。この場合、反射光量が空間的に拡がるため、対応する受光素子により受光される光量が低下し、隣接する受光素子により受光される光量は増大する。
図9は、スポット像の合焦点からの変位量と信号強度との関係を示す図である。図9において、縦軸は信号強度を示し、横軸はスポット像の合焦点からの変位量を示す。実線は、受光素子から出力される画像信号について修正処理を行わない場合を示し、一点鎖線は、画素値I’を式
’=I+k(Ii−1+Ii+1
に基づいて修正した場合を示す。本例では、試料として図6及び図7に示すラインアンドスペース構造体を用いてシュミュレーションした結果である。実線で示す修正処理しない場合、合焦時の信号強度と非合焦時の信号強度との差異は、それほど大きなものではない。
これに対して、隣接画素の輝度値を用いて修正する処理を行った場合、合焦点からの変位量が少ない場合、隣接する受光素子に拡散する光量が少ないため、修正処理後の信号強度の低下はわずかである。一方、スポット像が合焦点から変位するにしたがって隣接画素の信号強度が強くなり、修正処理を行うと、大幅に信号強度が低下する。従って、光軸方向の変位に対して感度の高いレーザ顕微鏡が実現される。
図10は光検出手段の変形例を示す。本例では、互いに平行に配置した第1〜第3の3つのラインセンサ41〜43を用いる。図10(A)はラインセンサの全体構成の一部を示し、図10(B)は一部を拡大して示す。3つのラインセンサ41〜43は同一構造とし、主走査方向と対応する方向に配列した1,024個の受光素子を有する。本例では、第1〜第3のラインセンサ41〜43は同期して読み出す。3つのラインセンサ上には、受光素子の配列方向にそって16個の画素間隔で64個のスポット像(丸で表示する)が形成される。スポット像は、その中心が素子配列方向と直交する方向の中間に位置する第2のラインセンサ42(B列)上に位置するように設定する。
図10(B)は第2のラインセンサ42(B列)のi番目の受光素子上にスポット像が位置する場合を示す。この場合、スポット像はラインセンサ42のi番目の受光素子を中心にして、隣接する8個の受光素子上に形成される。ここで、各受光素子から読み出される画像信号の信号強度を以下のように表示する。第1〜第3のラインセンサ(A列〜C列)のi番目に読み出された画像信号の信号強度は、IA,i、IB,i、IC,iとする。また、(i−1)番目に読み出された画像信号の信号強度は、IA,i−1 、IB,i−1、IC,i−1とする。さらに、(i+1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度を、IA,i+1、IB,i+1、IC,i+1 とする。これら9個の受光素子から読み出される画像信号は他の全ての受光素子から独立している。
本例の場合、以下の式に基づいて画像信号を修正することができる。修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=IB,i−k(IA,i+IC,i) (3)式
に基づいて定める。この場合、素子配列方向と直交する方向に位置する受光素子の画像信号を用いて修正する。
さらに、別の修正方法として、以下の式に基づいて修正することができる。
修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=IB,i−k(IB,i−1+IB,i+1+IA,i+IC,i) (4)式
に基づいて定める。この修正式は、i番目の画素の画素値を、周囲の4つの受光素子から出力された画像信号の強度で修正する。すなわち、素子配列方向及びこれと直交する方向の受光素子の画像信号を用いて修正する。このように、2方向に隣接する受光素子の画像信号を用いて修正することにより、コントラストが一層増強された完全コンフォーカル画像を形成することが可能になる。
さらに、別の修正方法として、以下の式に基づいて修正することができる。
修正されたi番目の画素値をI’とし、k及びjは、式0≦k≦1、式0≦j≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
’=IB,i−k(IB,i−1+IB,i+1+IA,i+IC,i)−j(IA,i−1+IC,i−1+IA,i+1+IC,i+1 ) (5)式
に基づいて定める。この修正方法では、i番目の受光素子を包囲する8個の受光素子の画像信号を用いて修正する。この場合、観察面内の全方向に対して十分に対応できる利点がある。
次に、ハイパーコンフォーカルモードにおける横方向分解能及び高さ方向(光軸方向)分解能について説明する。図11は上記(1)式に基づくハイパーコンフォーカルモードにおける横方向分解能及び高さ方向分解能のシュミュレーション結果を示す。図11(A)は横方向分解能のシュミュレーション結果を示し、横軸はサンプルの空間周波数を示し、縦軸はコントラストを示す。また、図11(B)は高さ方向分解能のシィミュレーション結果を示し、横軸はデフォーカス量を示し、縦軸は画像信号強度を示す。
図11(A)において、黒丸は非コンフォーカル画像の特性を示し、白丸はコンフォーカル画像(完全コンフォーカル画像)の特性を示し、黒四角はk=0.1に設定した場合のハイパーコンフォーカルモードの特性を示し、白四角はk=0.5に設定した場合のハイパーコンフォーカルモードの特性を示す。非コンフォーカル画像とコンフォーカル画像とを対比するに、明らかコンフォーカル画像のコントラストが高いことが確認できた。次に、コンフォーカル画像とハイパーコンフォーカル画像とを対比するに、ハイパーコンフォーカル画像のコントラストが高いことが確認できた。さらに、k値の変化に関して、k値が大きくなるにしたがって、コントラストが増大していることも確認された。特に、空間周波数が高い場合、ハイパーコンフォーカルモードが有効であることがシュミュレーションにより明瞭に実証された。
図11(B)において、四角はコンフォーカルモードの特性を示し、丸はk=1.0のハイパーコンフォーカルモードの特性を示す。デフォーカス量が零付近の合焦した状態では、コンフォーカルモードとハイパーコンフォーカルモードの信号強度はほぼ等しい。一方、焦点誤差が大きくなるにしたがって、ハイパーコンフォーカルモードの方が信号強度の低下が急激である。すなわち、ハイパーコンフォーカルモードは、通常のコンフォーカルモードと比較して、焦点誤差に対して高い感度を有することが確認された。
本発明は上述した実施例だけに限定されず、種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施例では、照明系に回折格子を配置し、主走査方向にマルチビームスキャンを行う構成としたが、本発明は主走査方向にシングルビームスキャンを行う場合にも適用することができる。
上述した実施例では、主走査手段として音響光学素子を用い副走査手段としてガルバノミラーを用いたが、別の走査手段を用いることも可能である。例えば、主走査手段として高速で振動する振動ミラーを用い、副走査手段と低速で動作する振動ミラーを用いることを可能である。
1 レーザ光源
2 コリメータレンズ
3 音響光学素子
4 音響光学素子駆動手段
5 信号処理装置
6 第1のリレーレンズ
7,9 全反射ミラー
8 第2のリレーレンズ
10 回折格子
11,13 リレーレンズ
12 偏光ビームスプリッタ
14 ガルバノミラー
15 第3のリレーレンズ
16 第4のリレーレンズ
17 1/4波長板
18 対物レンズ
19 ステージ
20 試料
21 モータ
22 ラインセンサ
23 ラインセンサ読出手段

Claims (16)

  1. 照明ビームを発生するレーザ光源と、
    レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的にスキャンする第1のビーム偏向手段と、
    前記照明ビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
    前記照明ビームを試料に向けて投射し、試料上に光スポットを形成する対物レンズと、
    前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサと、
    前記試料上の光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記ラインセンサ上に結像し、ラインセンサ上にスポット像を形成する結像光学系と、
    前記ラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
    Nを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段のスキャンにより、スポット像はN個の受光素子をスキャンし、
    前記音響光学素子が1回スキャンする間に、ラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出すことを特徴とするレーザ顕微鏡。
  2. 照明ビームを発生するレーザ光源と、
    レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的に偏向する第1のビーム偏向手段と、
    Mを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段から出射した照明ビームを、主走査方向にそって整列したM本のサブビームに変換する回折格子と、
    前記サブビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
    前記M本のサブビームを試料に向けて投射し、試料上に主走査方向に整列したM個の光スポットを形成する対物レンズと、
    前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサと、
    前記試料上に形成された各光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記ラインセンサ上に結像してスポット像を形成する結像光学系と、
    前記ラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
    Nを2以上の自然数とした場合に、前記ラインセンサ上には、M個のスポット像がN個の受光素子の間隔で形成され、
    前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンすることにより、各スポット像はN個の受光素子をスキャンし、
    前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンする間に、ラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出すことを特徴とするレーザ顕微鏡。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ顕微鏡において、前記第1のビーム偏向手段のスキャン周波数をfとし、前記ラインセンサの読出周波数をfとした場合に、前記第1のビーム偏向手段のスキャン周波数fは式
    =f/N
    を満たすことを特徴とするレーザ顕微鏡。
  4. 請求項1、2又は3に記載のレーザ顕微鏡において、前記信号処理装置は、iを式1≦i≦Nを満たす整数とした場合に、ラインセンサの読出開始後にi回目にi番目の受光素子から読み出された画像信号を選択する画像信号選択手段、及び、選択された画像信号を合成して2次元画像を形成する画像合成手段を有することを特徴とするレーザ顕微鏡。
  5. 請求項4に記載のレーザ顕微鏡において、i番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をIとし、i番目の受光素子と隣接する(i−1)番目及び(i+1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIi−1及びIi+1とした場合に、前記信号処理装置は、信号強度Iを少なくとも信号強度Ii−1及びIi+1を用いて修正する修正手段を有し、修正された信号強度をi番目の画素の画素値として用いることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  6. 請求項5に記載のレーザ顕微鏡において、前記修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦0.5を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
    ’=I+k(Ii−1+Ii+1
    に基づいて定められることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  7. 請求項6に記載のレーザ顕微鏡において、前記画素値I’が負の値になった場合、当該画素値を一律に零とすることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  8. 照明ビームを発生するレーザ光源と、
    レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的に偏向する第1のビーム偏向手段と、
    Mを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段から出射した照明ビームを、主走査方向にそって整列したM本のサブビームに変換する回折格子と、
    前記サブビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
    前記M本のサブビームを試料に向けて投射し、主走査方向に整列したM個の光スポットを試料上に形成する対物レンズと、
    前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子をそれぞれ有し、互いに直接隣接するように配置された第1〜第3の3つのラインセンサを含む光検出手段と、
    前記試料上に形成された各光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記光検出手段上に結像してスポット像を形成する結像光学系と、
    前記第1〜第3のラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
    Nを2以上の自然数とした場合に、前記第1〜第3のラインセンサ上には、受光素子の配列方向に沿ってM個のスポット像がN個の受光素子の間隔で形成され、
    前記第1〜第3のラインセンサは互いに同期して読み出され、
    第1のビーム偏向手段が1回スキャンすることにより、N個の受光素子がスポット像によりスキャンされ、
    前記音響光学素子が1回スキャンする間に、第1〜第3のラインセンサの各受光素子の電荷をN回読み出すことを特徴とするレーザ顕微鏡。
  9. 請求項8に記載のレーザ顕微鏡において、前記信号処理装置は、iを式1≦i≦Nを満たす整数とした場合に、前記第1〜第3のラインセンサの読出開始後i回目にi番目の受光素子から読み出された画像信号を選択する画像信号選択手段、及び、選択された画像信号を合成して2次元画像を形成する画像合成手段を有することを特徴とするレーザ顕微鏡。
  10. 請求項9に記載のレーザ顕微鏡において、前記第1〜第3のラインセンサのi番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIA,i、IB,i及びIC,iとし、i番目の受光素子と隣接する(i−1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIA,i−1 、IB,i−1及びIC,i−1とし、隣接する(i+1)番目の受光素子から読み出された画像信号の信号強度をそれぞれIA,i+1、IB,i+1及びIC,i+1 とした場合に、信号処理装置は、第2のラインセンサのi番目の受光素子から読み出された信号強度IB,iを少なくとも信号強度IA,i、IB,i−1、IB,i+1、及びIC,iを用いて修正する修正手段を有し、修正された信号強度をi番目の画素の画素値として用いることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  11. 請求項10に記載のレーザ顕微鏡において、前記修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
    ’=IB,i−k(IA,i+IC,i
    に基づいて定められることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  12. 請求項10に記載のレーザ顕微鏡において、前記修正されたi番目の画素値をI’とし、kは式0≦k≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
    ’=IB,i−k(IB,i−1+IB,i+1+IA,i+IC,i
    に基づいて定められることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  13. 請求項10に記載のレーザ顕微鏡において、前記修正されたi番目の画素値をI’とし、k及びjは、式0≦k≦1、式0≦j≦1を満たす数とした場合に、画素値I’は、式
    ’=IB,i−k(IB,i−1+IB,i+1+IA,i+IC,i)−j(IA,i−1+IC,i−1+IA,i+1+IC,i+1
    に基づいて定められることを特徴とするレーザ顕微鏡。
  14. 照明ビームを発生するレーザ光源と、
    レーザ光源から出射した照明ビームを主走査方向に周期的に偏向する第1のビーム偏向手段と、
    Mを2以上の自然数とした場合に、前記第1のビーム偏向手段から出射した照明ビームを、主走査方向にそって整列したM本のサブビームに変換する回折格子と、
    前記サブビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向手段と、
    前記M本のサブビームを試料に向けて投射し、試料上に主走査方向に整列したM個の光スポットを形成する対物レンズと、
    前記主走査方向と対応する方向にそってライン状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサと、
    前記試料上に形成された各光スポットから出射し対物レンズにより集光された反射光を前記ラインセンサ上に結像してスポット像を形成する結像光学系と、
    前記ラインセンサから読み出された画像信号を用いて2次元画像を形成する信号処理装置とを具え、
    Nを2以上の自然数とした場合に、前記ラインセンサ上には、M個のスポット像がN個の受光素子の間隔で形成され、
    前記第1のビーム偏向手段が1回スキャンすることにより、N個の受光素子がスポット像によりスキャンされ、
    前記第1のビーム偏向手段を1回スキャンするごとに、ラインセンサの電荷を1回読み出す高速撮像モードと、前記第1のビーム偏向手段を1回スキャンする間に、ラインセンサの電荷をN回読み出す高分解能撮像モードとを有することを特徴とするレーザ顕微鏡。
  15. 請求項14に記載のレーザ顕微鏡において、前記信号処理装置は、iを式1≦i≦Nを満たす整数とした場合に、ラインセンサの読出開始後にi回目にi番目の受光素子から読み出された画像信号を選択する画像信号選択手段、及び、選択された画像信号を合成して2次元画像を形成する画像合成手段を有することを特徴とするレーザ顕微鏡。
  16. 請求項1から15までのいずれか1項に記載のレーザ顕微鏡において、前記第1のビーム偏向手段を音響光学素子により構成し、第2のビーム偏向手段は振動ミラーにより構成したことを特徴とするレーザ顕微鏡。


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