JP2017173509A - 静電荷像現像用トナー、現像剤、カートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、現像剤、カートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置 Download PDF

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清弘 山中
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【課題】ハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着される静電荷像現像用トナー、現像剤などを提供すること。【解決手段】コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニリン酸、及び、バニリン酸メチルよりなる添加剤群から選ばれた少なくとも1つの化合物、を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー、及び、前記トナー及びキャリアを含有する現像剤であり、好ましくは、ケミカルトナーの母粒子において前記添加剤はトナーの芯部を覆う被覆層に多く添加される。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、現像剤、カートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置に関する。
電子写真技術の進展に伴い、トナーを用いた画像形成方法は、従来のオフィス領域における利用から小部数印刷をはじめとする印刷領域にまで利用が広がってきている。
特許文献1は、結着樹脂を含む原料を水系媒体中で粒子化する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル系樹脂を含み、前記アルコール成分又は前記カルボン酸成分として、フェルラ酸などを用いて得られるポリエステル系樹脂を含有してなる電子写真用トナーを開示している。
特開2011−227277号公報
従来のトナーによる熱定着では、少数のトナー粒子が孤立した状態にある画像を熱定着する場合に、ベタ画像の熱定着に比較して不完全になる傾向があり、ハーフトーン領域の画像の再現に制限をもたらしていた。
電子写真法による画像形成方法において、ハーフトーン領域の画像を忠実に再現するためには、少数のトナー粒子からなる孤立画像を紙などの記録媒体に完全に定着することが望まれている。本発明が解決しようとする課題は、トナー載り量が少ないハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着される静電荷像現像用トナー(本発明において、単に「トナー」ともいう。)を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の手段<1>、<4>、<5>、<6>及び<7>により達成された。好ましい実施形態である<2>、及び<3>と共に以下に列記する。
<1> コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニリン酸、及び、バニリン酸メチルよりなる群から選ばれた少なくとも1つの化合物、を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー、
<2> コニフェリルアルコール及び/又はコニフェリルアルデヒドを含有する、<1>に記載の静電荷像現像用トナー、
<3> 前記化合物を、トナーに対して1〜10質量%含有する<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー、
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー及びキャリアを含有する現像剤、
<5> 画像形成装置に着脱可能であり、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを収容するカートリッジ、
<6> 像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含む、画像形成方法、
<7> 像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を備える、画像形成装置。
<1>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、ハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着されるトナーが提供される。
<2>に記載の発明によれば、ハーフトーン画像でも記録媒体により良好に定着されるトナーが提供される。
<3>に記載の発明によれば、ハーフトーン画像でも紙などの記録媒体に更に良好に定着されるトナーが提供される。
<4>に記載の発明によれば、ハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着される現像剤が提供される。
<5>に記載の発明によれば、ハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着されるカートリッジが提供される。
<6>に記載の発明によれば、ハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着される画像形成方法が提供される。
<7>に記載の発明によれば、ハーフトーン画像でも記録媒体に良好に定着される画像形成装置が提供される。
本実施形態に好適に使用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、本実施形態について説明する。
なお、以下、「A〜B」と標記した数値範囲は、AとBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。例えば、「A〜B」と標記された数値範囲は、「A以上B以下」又は「B以上A以下」を表す。
本発明において、好ましい実施形態の組み合わせは、より好ましい実施形態である。
(静電荷像現像用トナー)
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニリン酸、及び、バニリン酸メチルよりなる群から選ばれた少なくとも1つの化合物、を添加剤として含有することを特徴とする。以下、これらの特定の化合物群を「特定添加剤」ともいう。
上記の特定添加剤は、トナー母粒子に添加されると、定着促進作用を奏する。
上記の特定添加剤は、少なくとも1つの化合物であればよく、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。好ましい態様は、単独で使用することである。
上記の特定添加剤は、非結晶粉末として添加してもよいが、微小な結晶として添加することが好ましい。この微結晶の体積平均粒径は、0.1〜0.4μmであることが好ましく、0.2〜0.3μmであることがより好ましい。
上記の5種の化合物は、融点が60℃以上220℃以下であり、その結晶粒子は、通常の熱定着温度において融解ないし軟化して、トナーの記録媒体、特に紙への親和性を有するためにトナー粒子の定着を促進すると推定される。この5種類の化合物の中でも、コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、及び、バニリン酸メチルが好ましく、コニフェリルアルコール及びコニフェリルアルデヒドがより好ましく、コニフェリルアルコールが特に好ましい。
上記の特定添加剤は、トナーに対して、1〜10質量%添加されることが好ましく、1〜8質量%添加されることがより好ましく、1〜5質量%添加されることが特に好ましい。この範囲の添加量でトナーの記録媒体、特に紙への定着促進効果を奏する。
上記の特定添加剤は、トナー母粒子の内部又は表面に添加され、粉砕トナーにも使用されるが、ケミカルトナーに好ましく使用される。ケミカルトナーの中でも、いわゆる凝集合一トナーに使用することがより好ましい。この場合、凝集合一トナーの内部に特定添加剤が略均一に分布するように添加されてもよいが、トナー粒子の内部よりもトナー粒子の表面近傍に特定添加剤の含有量が大きくなるように添加されることが好ましい。特定添加剤をトナー粒子の表面近傍により高い含有量で添加することは、トナー母粒子の芯部(コア)を覆う被覆層(シェル)に多く添加することにより可能である。
トナー粒子の芯部を覆う被覆層に、結着樹脂とより多くの特定添加剤とを使用することが好ましい。
トナー母粒子の粒径は特に限定されないが、体積平均粒径が2〜8μmであることが好ましく、その被覆層の厚さは20〜300nmであることがより好ましく、被覆層の厚さは、トナー母粒子の体積平均粒径に対して、1〜20%とすることが好ましく、1〜5%とすることがより好ましい。
トナー中の特定添加剤の種類と添加量は、トナーを有機溶媒により抽出して、定法により低分子の特定添加剤を液体クロマトグラフィにより同定され、また定量される。
本実施形態のトナーは、画像被覆率を問わず、特定添加剤を添加しないトナーに比して、記録媒体への熱定着が改良される。記録媒体の種類は問わないが、紙であることが好ましい。画像被覆率を問わず定着効果の改良に有効であるが、特にハーフトーン領域で効果が明瞭である。定着改良の評価方法の例としては、トナーの熱定着の程度を、トナーの盛り量が、0.2g/mのハーフトーン画像について、熱定着後に布で画像表面をこすり、定着不良のトナーを除くことにより、画像濃度の低下の有無を測定する方法が例示される。
本発明のトナーは、少なくとも1種の特定添加剤と、所望の着色剤と、結着樹脂とを含有するトナー母粒子及び任意の外添剤を含有する。たとえば、黒色トナー粒子とする場合には、少なくとも1種の特定添加剤と黒色の着色剤と結着樹脂とをトナー母粒子に含有させる。その他、フルカラーを再現する場合には、減色法の3原色である、シアン、マゼンタ、又は、イエローの着色剤と、結着樹脂とを含有するトナー母粒子に、前記の特定添加剤の少なくとも1種を含有させる。また、これらのトナー母粒子の結着樹脂は、各色共通とすることが好ましく、その種類は公知の結着樹脂から適宜選択できるが、スチレンアクリル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
以下に、トナー母粒子の必須成分である結着樹脂及び所望の着色剤、並びに、任意成分である離型剤について説明し、続いて、外添剤について述べる。
<トナー母粒子>
本実施形態に用いられるトナーは、少なくとも1種の特定添加剤、所望の着色剤及び結着樹脂を含むトナー母粒子を含有することが好ましい。
−結着樹脂−
トナー母粒子が含有する結着樹脂としては、トナー分野に使用される結着樹脂が広く使用され、スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル類などの単量体に由来する単独重合体、若しくは、これらの2種以上の単量体に由来する共重合体、又は、これらの混合物が例示できる。スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体の共重合体(スチレンアクリル樹脂)が好ましく例示される。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」のいずれか片方又は両方を意味する。
本実施形態のトナーに含まれる結着樹脂としては、上述したように、ポリエステル樹脂が好ましい。
本実施形態に使用されるポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸成分との重縮合、又は、ヒドロキシカルボン酸の重縮合により合成される。なお、前記ポリエステル樹脂は市販品を使用してもよいし、合成品を使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸が例示される。更に、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも使用される。
三価以上のカルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが例示される。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分として、二価の多価アルコールとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(平均付加モル数1.5〜6)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールが例示される。
三価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパンが例示される。
結着剤として使用されるポリエステル樹脂は、非結晶性ポリエステル樹脂(「非晶性ポリエステル樹脂」ともいう。)と結晶性ポリエステル樹脂に大別される。
「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークを有するものをいう。具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。一方、吸熱ピークの半値幅が6℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶性)とする。
非晶性ポリエステル樹脂の合成では、前記した原料モノマーの中でも、二価以上の第二級アルコール及び/又は二価以上の芳香族カルボン酸化合物が好ましい。二価以上の第一級又は第二級アルコールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセロール等が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
二価以上の芳香族カルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸及びトリメリット酸が好ましく、テレフタル酸及びトリメリット酸がより好ましい。
また、トナーに低温定着性を付与するために非晶性ポリエステル樹脂に結晶性ポリエステル樹脂を併用することが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂では、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとからなることが好ましく、主鎖部分の炭素数が4〜20である直鎖型ジカルボン酸、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。直鎖型であると、ポリエステル樹脂の結晶性に優れ、結晶融点が適度であるため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び、低温定着性に優れる。また、炭素数が4以上であると、エステル結合濃度が低く、電気抵抗が適度であり、トナー帯電性に優れる。また、20以下であると、実用上の材料の入手が容易である。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に好適に用いられる脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、又は、その低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
三価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価カルボン酸成分のうち、脂肪族ジカルボン酸の含有量が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。脂肪族ジカルボン酸の含有量が80モル%以上であると、ポリエステル樹脂の結晶性に優れ、融点が適度であるため、耐トナーブロッキング性、画像保存性。及び、低温定着性に優れる。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であると、ポリエステル樹脂の結晶性に優れ、融点が適度であるため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び、低温定着性に優れる。
本実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度Tmは、50〜100℃であることが好ましく、50〜90℃であることがより好ましく、50〜80℃であることが更に好ましい。上記範囲であると、剥離性及び低温定着性に優れ、更にオフセットが低減されるので好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度の測定には、示差走査熱量計を用い、室温(20℃)から180℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性ポリエステル樹脂は、複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融解温度とする。
一方、非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、30℃以上であることが好ましく、30〜100℃であることがより好ましく、50〜80℃であることが更に好ましい。上記範囲であると、使用状態においてガラス状態であるため、画像形成時に受ける熱や圧力によってトナー粒子が凝集することがなく、機内に付着堆積することがなく、長期間にわたって安定した画像形成能が得られる。
ここで、非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度とは、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値のことをいう。
また、本実施形態におけるガラス転移温度の測定は、例えば、示差走査熱量測定法に従い、例えば、「DSC−20」(セイコー電子工業(株)製)によって測定でき、具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガラス転移温度が得られる。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、10,000〜60,000であることが好ましく、15,000〜45,000であることがより好ましく、20,000〜30,000であることが更に好ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜90,000であることがより好ましく、20,000〜80,000であることが更に好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が、それぞれ上記の数値の範囲内であると、画像強度と定着性が両立されるので好ましい。上記の重量平均分子量は、いずれもテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で得られる。樹脂の分子量はTHF可溶物をTSK−GEL(GMH(東ソー(株)製))等を使用して、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出される。
前記結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、1〜50mgKOH/gであることが好ましく、5〜50mgKOH/gであることがより好ましく、8〜50mgKOH/gであることが更に好ましい。上記範囲であると、定着特性及び帯電安定性に優れるので好ましい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の一価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の一価のアルコールも用いられる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。また、金属触媒やブレンステッド酸触媒等の重縮合触媒を使用することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造してもよい。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150℃〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価や分子量に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造される。
トナー母粒子における結着樹脂の含有量としては、特に制限はないが、トナーの全質量に対して、10〜95質量%であることが好ましく、25〜90質量%であることがより好ましく、35〜85質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、定着性、帯電特性等に優れる。
−着色剤−
本実施形態において、トナー粒子は、黒色又はシアン、マゼンタ又はイエローの着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、公知のものを用いることができ、染料であっても顔料であってもよいが、耐光性や耐水性の観点から、顔料であることが好ましい。
黒色の着色剤として、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、マンガンを含有した非磁性粉が例示され、カーボンブラックが好ましい。
着色剤は、表面処理されていてもよく、顔料分散剤を併用してもよい。
黒色トナー粒子に対する着色剤の使用量は、特に制限はない。黒色トナー粒子では、トナー母粒子100質量部に対して、1.0〜30質量部であることが好ましい。また、着色剤として、顔料を1種単独で使用してもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
−離型剤−
本実施形態において、トナーのトナー母粒子は離型剤を含有することが好ましい。
離型剤の具体例としては、例えば、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が好ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
離型剤は、1種を単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
離型剤の含有量は、トナー母粒子の100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、3〜15質量であることがより好ましい。上記範囲であると、良好な定着及び画質特性の両立が可能である。
−帯電極性−
本実施形態において、トナー母粒子及びトナーの帯電性を制御するため、トナー母粒子表面を表面処理してもよいし、トナー母粒子に帯電制御剤を添加してもよいが、トナー母粒子表面を表面処理することが好ましい。
なお、特に帯電性を制御しない場合、負帯電のトナー母粒子となることが多い。
トナー母粒子が正帯電となるように表面処理する方法としては、ポリアリルアミン類やポリアミノプロピルビグアナイド(ポリヘキサナイド)、ポリエチレンイミン類等をトナー母粒子表面に付着又は反応させる方法が好適に挙げられる。
−外添剤−
本実施形態に用いられるトナーは、トナー母粒子に外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、シリカ粒子及び/又はチタニア粒子が好ましく挙げられる。
−その他の成分−
本実施形態において、トナーは上記の成分に加え、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、特に制限はなく、公知の成分が挙げられ、例えば、滑剤、研磨剤等が挙げられる。
トナーに含まれる着色トナー粒子の体積平均粒子径Rは、光学顕微鏡による観察画像の画像処理により求められる。
本実施形態に用いられるトナー粒子の体積平均粒径は、いずれも2〜9μmであることが好ましい。上記範囲であると、本実施形態の効果がより顕著に発揮される。
<トナーの製造方法>
本実施形態に用いられるトナーの製造方法は、特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、凝集合一法等の湿式法等によって作製される。これらの方法の中でも、凝集合一法が好ましい。
以下、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用する場合を例として、トナー粒子として黒色トナー粒子を製造する方法について説明する。
凝集合一法は、トナーを構成する原料の粒子を製造する分散工程と、この原料粒子の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させ合一する融合工程とを有する。
−分散工程−
以下、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用する場合について説明する。
ポリエステル樹脂粒子の分散液は、溶融したポリエステル樹脂を水中に分散することにより作製される。分散を容易にするために、酸基を有するポリエステル樹脂を使用し、その分散のために、水酸化アルカリ金属及び/又は界面活性剤を併用することが好ましい。分散は、二軸混練押出機などの分散機を使用して、分散機による剪断力の下で行うことが好ましい。その際、加熱してポリエステル樹脂の粘性を下げてポリエステル樹脂粒子を形成することがより好ましい。分散は、有機溶媒を使用することなく実施することが好ましい。
分散媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水のみであることが好ましい。
また、分散工程に使用される界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤が挙げられ、アニオン界面活性剤が好ましい。
前記樹脂粒子の分散液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、二軸混練押出機などのエクストルーダー等が挙げられる。
樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒径(体積平均粒径)が60nm以上300nm以下の範囲であることが好ましく、150nm以上250nm以下の範囲であることがより好ましい。上記範囲であると、樹脂粒子の凝集性が十分であり、かつ、トナーの粒径分布を狭くすることができる。
離型剤分散液の調製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の溶融温度以上の温度に加熱すると共に、強い剪断力を付与できるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理する。このような処理を経ることにより、離型剤分散液を得ることができる。
分散処理により、好ましくは体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を得ることができる。なお、より好ましい離型剤粒子の体積平均粒径は、100nm以上500nm以下である。
−凝集工程−
前記凝集工程においては、樹脂粒子分散液、離型剤分散液、着色剤(カーボンブラック又はチタンホワイト)粒子分散液等を混合して混合液とし、非結晶性樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成することが好ましい。凝集粒子の形成は、撹拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる。
pHとしては、2以上7以下の範囲が好ましく、2.2以上6以下の範囲がより好ましく、2.4以上5以下の範囲がトナーの粒度分布を狭くするという点から更に好ましい。この際、凝集剤を使用することも有効である。
なお、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液と共に一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加してもよい。
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、二価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、更に帯電特性が向上するため特に好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。
また、前記凝集粒子が所望の粒径になったところで樹脂粒子を追添加することで(被覆工程)、コア凝集粒子の表面を該樹脂粒子で被覆した構成のトナーを作製してもよい。この場合、離型剤がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で好ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
−融合工程−
融合工程においては、前記凝集工程に準じた撹拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記結晶性樹脂の溶融温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させることが好ましい。また、前記非結晶性樹脂で前記凝集粒子を被覆した場合には、該非結晶性樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆することが好ましい。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、好ましくは0.5時間以上10時間以下行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子が得られる。また、冷却の工程で、結晶性樹脂の溶融温度近傍(溶融温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子(トナー母粒子)は、濾過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー母粒子とすることができる。
また、得られたトナー母粒子に外添剤を外添する工程を実施することが好ましい。
外添工程におけるトナー母粒子の表面に外添剤を外添する方法としては、特に制限はなく、公知の方法が用いられ、例えば、機械的方法、又は、化学的方法で付着させる方法が挙げられる。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」ともいう。)は、本実施形態の静電荷像現像用トナーを少なくとも含有する。必要に応じて、他の公知の成分を含有していてもよい。
(1)一成分現像剤
本実施形態に係る現像剤は、一成分現像剤であってもよい。一成分現像剤の場合には、磁性金属粒子を含む磁性一成分現像剤であってもよく、磁性金属粒子を含有しない非磁性一成分現像剤であってもよい。
本実施形態において、非磁性一成分現像剤が好適である。非磁性一成分現像剤の場合には、本実施形態のトナーをそのまま現像剤(非磁性一成分現像剤)として使用することが好ましく、非磁性一成分接触現像方式による静電荷像現像用トナーとして好適に使用される。
(2)二成分現像剤
二成分現像剤として用いる場合には、本実施形態のトナー及びキャリアが混合して使用される。
二成分現像剤に使用しうるキャリアとしては、特に制限はなく、例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂又はマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、例えば、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であってもよい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、例えば、10μm以上500μm以下の範囲が挙げられ、30μm以上100μm以下が好ましい。
またキャリアの芯材の表面を樹脂被覆する方法としては、例えば、前記被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、例えば、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(重量比)としては、例えば、トナー:キャリア=1:100乃至30:100の範囲が挙げられ、3:100乃至20:100の範囲であってもよい。
キャリアとトナーとの混合方法としては、特に制限はなく、例えば、Vブレンダー等の公知の装置や方法により混合することができる。
<トナーセット>
本実施形態において、黒色トナー、及び、少なくとも1種の着色トナーを含有する着色トナーセットも有用である。着色トナーは、イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、及び、ブラックトナーの少なくとも1種とすることが好ましく、フルカラーの印刷には、少なくとも減色法の3原色であるYMCトナーを併用することが好ましい。
イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、及び、ブラックトナーの着色剤としては、公知のトナー着色剤が使用される。
(画像形成方法)
本実施形態のトナーを用いた画像形成方法について説明する。本実施形態の静電荷像現像剤は、公知の電子写真方式を利用した画像形成方法に利用される。具体的には以下の工程を有する画像形成方法において利用される。
好ましい画像形成方法は、像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を本実施形態のトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含む。また、転写工程には、静電荷潜像の像保持体から記録媒体へのトナー像の転写を媒介する中間転写体を用いてもよい。
また、転写後の前記像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程を有することも好ましい。
前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本実施形態の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記静電潜像形成工程は、像保持体(感光体)上に静電潜像を形成する工程である。
前記現像工程は、現像剤保持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、本実施形態のトナーを含む現像剤を含んでいれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー画像を記録媒体上に転写する工程である。また、記録媒体としては、上質紙、再生紙などの各種の紙が例示できる。普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等も使用される。
前記定着工程では、例えば、加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により、転写紙上に転写したトナー像を定着して複写画像を形成する方式が挙げられる。
前記クリーニング工程は、像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。
本実施形態の画像形成方法においては、更にリサイクル工程をも含む態様でもよい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収したトナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施される。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムに適用してもよい。
フルカラーの色再現において、トナーの載り量は、記録用紙に使用する場合、ベタ画像として4〜8g/mであることが好ましく、4.5〜6g/mであることがより好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)など、透明な支持体に使用する場合には、同じくベタ画像で5〜8g/mであることが好ましく、6〜7g/mであることがより好ましい。
(トナーカートリッジ及び画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置は、本実施形態のトナーによるトナー画像を、記録媒体に形成するトナー画像形成手段を備え、好ましくは更に3原色カラートナー(CMYK)によるカラー画像を前記記録媒体に形成するカラートナー形成手段を備える。
以下、本実施形態のトナーを含む静電荷像現像剤を用いた画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、本実施形態のトナーを含む現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を備える。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上記のような像保持体と、帯電手段と、静電荷像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定はされず、その他必要に応じて、クリーニング手段、除電手段等を含んでいてもよい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。また、中間転写体としては、中間転写ベルトが例示できる。
前記像保持体、及び、前記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能であるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本実施形態のトナーを含む静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジが好適に用いられる。
本実施形態の現像剤カートリッジは、本実施形態のトナーを少なくとも収容する現像剤カートリッジである。
本実施形態の現像剤カートリッジは、本実施形態のトナーを含有する現像剤であればよく、特に制限はない。現像剤カートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるための現像剤として、前記本実施形態のトナーを含む現像剤が収納されているものである。
また、現像剤カートリッジは、トナー及びキャリアを収納するカートリッジであってもよく、トナーを単独で収納するカートリッジとキャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものでもよい。
図1は、本実施形態の画像形成方法により画像を形成するための、タンデム方式の画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置100は、ハウジング50内において、4つのカラー画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kの中にそれぞれ、4つの電子写真感光体(像保持体)1Y、1M、1C、1Kが中間転写ベルト20に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体1K、1C、1M、1Yは、例えば、電子写真感光体1Yがイエロー、電子写真感光体1Mがマゼンタ、電子写真感光体1Cがシアン、電子写真感光体1Kがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール2Y、2M、2C、2K、現像装置4Y、4M、4C、4K、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K、が配置されている。この場合には、それぞれの電子写真感光体と現像装置が同一のユニット、すなわち、プロセスカートリッジとして装着できるように構成されている。1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ中間転写ベルト20を介して電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kに当接している。
更に、ハウジング50内の所定の位置には露光装置3が配置されており、露光装置3から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写の各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト20上に重ねて転写される。
ここで、帯電ロール2Y、2M、2C、2Kは、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて感光体に電圧を印加し、感光体表面を予め定められた電位に帯電させるものである(帯電工程)。なお、本実施形態において示した帯電ロールの他、帯電ブラシ、帯電フィルム若しくは帯電チューブなどを用いて接触帯電方式による帯電を行ってもよい。また、コロトロン若しくはスコロトロンを用いた非接触方式による帯電を行ってもよい。
露光装置3としては、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。
現像装置4Y、4M、4C、4Kとしては、非磁性一成分トナー又は非磁性一成分現像剤を接触させて現像する一般的な現像装置を用いることができる(現像工程)。そのような現像装置としては、非磁性一成分トナー又は非磁性一成分現像剤を用いる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。一次転写工程では、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kに、像保持体上のトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されることで、像保持体から中間転写ベルト20へ各色のトナーが順次1次転写される。
中間転写ベルト20は駆動ロール22、バックアップロール24により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール26は、中間転写ベルト20を介してバックアップロール24と当接するように配置されている。
2次転写ロール26に、中間転写ベルト20上のトナーと逆極性の2次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト20から記録媒体Pへトナーが2次転写される。バックアップロール24と2次転写ロール26との間を通った中間転写ベルト20は、例えば駆動ロール22の近傍に配置されたクリーニングブレードを有するクリーニングユニット30、あるいは、除電器(不図示)により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。また、ハウジング50内の所定の位置にはトレイ(記録媒体トレイ)40が設けられており、トレイ40内の紙などの記録媒体Pが移送ロール32により中間転写ベルト20と2次転写ロール26との間、更には相互に当接する2個の定着ロール28の間に順次移送された後、ハウジング50の外部に排紙される。また、本実施形態の画像形成装置は、クリーニングユニット30を有しない装置がより好適に挙げられる。
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<添加剤分散液の作製>
(コニフェリルアルコールバニリン酸メチルの分散液(添加剤分散液1)の作製)
コニフェリルアルコール(和光純薬工業(株)製、融解温度72〜76℃)バニリン酸メチル(東京化成工業(株)製、融解温度=63〜67℃): 100部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK): 3.0部
イオン交換水: 400部
以上を混合して得られた混合物を85℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、引き続きマントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)により360分間の分散処理をした後、室温まで冷却して、体積平均粒子径が0.20μmである添加剤分散液1(固形分濃度:20%)を調製した。
(コニフェリルアルデヒドの分散液(添加剤分散液2)の作製)
コニフェリルアルコールを、コニフェリルアルデヒド(Wuhan ChemFaces Biochemical社製、融解温度78〜82℃)に変えた以外は、添加剤分散液1の調製と全く同様にして、体積平均粒子径0.25μmのコニフェリルアルデヒドの分散液(添加剤分散液2)を調製した。
(バニリン酸メチルの分散液(添加剤分散液3)の作製)
コニフェリルアルコールをバニリン酸メチル(東京化成工業(株)製、融解温度=63〜67℃)に変えた以外は、添加剤分散液1の調製と全く同様にして、体積平均粒子径0.27μmのバニリン酸メチルの分散液(添加剤分散液3)を調製した。
(フェルラ酸の分散液(添加剤分散液4)の作製)
コニフェリルアルコールをフェルラ酸(和光純薬工業(株)製、融解温度170℃)に変え、加熱温度を95℃に変更した以外は、添加剤分散液1の調製と全く同様にして、体積平均粒子径0.28μmのフェルラ酸の分散液(添加剤分散液4)を調製した。
(バニリン酸の分散液(添加剤分散液5)の作製)
コニフェリルアルコールをバニリン酸(東京化成工業(株)製、融解温度210〜215℃)に変え、加熱温度を95℃に変更した以外は、添加剤分散液1の調製と全く同様にして、体積平均粒子径0.28μmのバニリン酸の分散液(添加剤分散液5)を調製した。
また、結着樹脂として、以下のようにポリエステル樹脂を合成し、また、別途にスチレンアクリル樹脂の水分散物を製造した。
<ポリエステル樹脂の合成とその分散液の作製>
(結晶性ポリエステル樹脂1の合成)
加熱乾燥した三口フラスコに、1、9−ノナンジオール45モル部、セバシン酸55モル部、ジブチルスズオキサイド0.05モル部を入れた後、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した。上記の混合物を150℃乃至230℃で2時間共縮重合反応させ、その後230℃まで除々に昇温を行い10時間撹拌し、粘稠な状態になったところで空冷し反応を停止させて、重量平均分子量が10,000、溶融温度が75℃の結晶性ポリエステル樹脂1(結晶性樹脂1)を合成した。
上記の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で得られる。樹脂の分子量はTHF可溶物をTSK−GEL(GMH(東ソー(株)製))等を使用して、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出される。
(非晶性ポリエステル樹脂Aの合成)
加熱乾燥した二口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド(BPA−EO)50モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド(BPA−PO)50モル部、テレフタル酸(TPA)75モル部、n−ドデセニルコハク酸(DSA)25モル部、及び、0.1モル部のジブチルスズオキサイドを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した。上記の混合物を150℃乃至230℃で12時間乃至20時間共縮重合反応させ、その後210℃乃至250℃で除々に減圧して重量平均分子量が25,000であり、ガラス転移温度(Tg)が59℃の非晶性ポリエステル樹脂A(非晶性樹脂A)を合成した。
(非晶性ポリエステル樹脂Bの合成)
加熱乾燥した反応容器に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド50モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド50モル部、テレフタル酸56モル部、フマル酸25モル部、n−ドデセニルコハク酸19モル部、及び、0.1モル部のジブチルスズオキサイドを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した。上記の混合物を150℃乃至230℃で12時間乃至20時間共縮重合反応させ、その後210℃乃至250℃で除々に減圧して重量平均分子量が25,000であり、Tgが59℃のエチレン性不飽和基を持つ非晶性ポリエステル樹脂B(非晶性樹脂B)を合成した。
(結晶性樹脂1の粒子分散液の作製)
得られた結晶性樹脂1の13,000質量部、イオン交換水10,000質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム90質量部を、高温、高圧乳化装置(キャビトロン社製CD1010)の乳化タンクに投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/m、10,000rpmで30分間分散させ、冷却タンクを通過させて固形分30%、体積平均粒径D50vが150nmの結晶性樹脂1の粒子分散液(結晶性樹脂1粒子分散液)を作製した。
(非晶性樹脂Aの粒子分散液及び非晶性樹脂Bの粒子分散液の作製)
結晶性樹脂1の代わりに、飽和の非晶性樹脂A及び不飽和の非晶性樹脂Bをそれぞれ用いた以外は、上記結晶性樹脂1の粒子の水分散液の作製と全く同様にして、それぞれ非晶性樹脂Aの粒子分散液(非晶性樹脂A粒子分散液)及び非晶性樹脂Bの粒子の水分散液(非晶性樹脂B粒子分散液)を作製した。
<スチレンアクリル樹脂の水分散液の調製>
スチレンアクリル樹脂(非晶性樹脂C)の粒子水分散液を以下のようにして作製した。
反応容器に、スチレン480部、アクリル酸ブチル120部、β−カルボキシエチルアクリレート17部、及びドデカンチオール9.5部を投入し、モノマー混合液を調製した。別に、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス2A1)9部とイオン交換水600部とを10分間撹拌及び混合し界面活性剤分散液を調製した。この界面活性剤分散液を前記モノマー混合液に加え、30分間撹拌して乳化した後、十分に窒素置換を行ない75℃に昇温した。この乳化液に、過硫酸アンモニウム9部をイオン交換水42部に加えた水溶液を加えて、5時間反応させ、イオン交換水にて固形分濃度を30%に調整して、非晶性樹脂Cの粒子分散液(非晶性樹脂C粒子分散液)を得た。
<着色剤粒子分散液Kの作製>
カーボンブラック(キャボット社製、Regal330)45質量部、イオン性界面活性剤ネオゲンR(第一工業製薬(株)製)5質量部、イオン交換水200質量部を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックス)により10分間分散し、次いでアルティマイザーを用いて分散処理して固形分20%、中心粒径0.15μmの着色剤粒子分散液Kを得た。
<着色剤粒子分散液Cの作製>
着色剤をC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業(株)製)に変更した以外は着色剤粒子分散液Kの作製と同様にして固形分20%、中心粒径0.13μmの着色剤粒子分散液Cを得た。
<着色剤粒子分散液Mの作製>
着色剤をC.I.Pigment Red 122(大日精化工業(株)製)に変更した以外は着色剤粒子分散液Kの作製と同様にして固形分20%、中心粒径0.16μmの着色剤粒子分散液Mを得た。
<離型剤粒子分散液の作製>
パラフィンワックス(日本精鑞(株)製、HNP0190)45質量部、イオン性界面活性剤ネオゲンR(第一工業製薬(株)製)5質量部、イオン交換水200質量部を120℃に加熱し、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理して、固形分20%、中心粒径0.20μmの離型剤粒子分散液を作製した。
<トナー粒子1の作製>
トナー粒子1を以下のように作製した。
結晶性樹脂1粒子分散液 420質量部
非晶性樹脂A粒子分散液 750質量部
着色剤粒子分散液K 125質量部
離型剤粒子分散液 250質量部
添加剤分散液1 5質量部
硫酸アルミニウム 2.5質量部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5質量部
0.3M硝酸水溶液 50質量部
イオン交換水 500質量部
上記の混合物を丸型ステンレス製フラスコ中に収容して、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT−50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で50℃まで撹拌しながら加熱した。50℃で保持し、体積平均粒径が5.5μmの凝集粒子が形成されていることを確認した。なお、硫酸アルミニウムは、以下の実施例及び比較例も含めて、和光純薬工業(株)製を使用した。
その後、上記の凝集粒子の分散液に、非晶性樹脂A粒子分散液 125質量部、非晶性樹脂B粒子分散液 125質量部、及び、添加剤分散液1 100質量部の混合物を追加で添加した後、更に30分50℃に保持した。続いて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH9.0に到達するまで添加した後、撹拌を継続しながら80℃まで加熱し、1時間保持して融合合一させ、トナー粒子1を作製した。
<トナー粒子2の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を1部、追添加する添加剤分散液1を20部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子2を作製した。
<トナー粒子3の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を1部、追添加する添加剤分散液1を30部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子3を作製した。
<トナー粒子4の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を6部、追添加する添加剤分散液1を120部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子4を作製した。
<トナー粒子5の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を8部、追添加する添加剤分散液1を130部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子5を作製した。
<トナー粒子6の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を12部、追添加する添加剤分散液1を200部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子6を作製した。
<トナー粒子7の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を22部、追添加する添加剤分散液1を200部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子7を作製した。
<トナー粒子8の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を30部、追添加する添加剤分散液1を240部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子8を作製した。
<トナー粒子9の作製>
丸型ステンレス製フラスコ中に収容する添加剤分散液1を36部、追添加する添加剤分散液1を260部とした以外はトナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子9を作製した。
<トナー粒子10〜18の作製>
トナー粒子1〜9の作製で用いた添加剤分散液1を添加剤分散液2に変更した以外はそれぞれトナー粒子1〜9の作製と同様にしてトナー粒子10〜18を作製した。
<トナー粒子19〜21の作製>
トナー粒子1、3、8の作製で用いた添加剤分散液1を添加剤分散液3に変更した以外はトナー粒子1、3、8の作製と同様にしてトナー粒子19〜21を作製した。
<トナー粒子22〜24の作製>
トナー粒子1、3、8の作製で用いた添加剤分散液1を添加剤分散液4に変更した以外はトナー粒子1、3、8の作製と同様にしてトナー粒子22〜24を作製した。
<トナー粒子25〜27の作製>
トナー粒子1、3、8の作製で用いた添加剤分散液1を添加剤分散液5に変更した以外はトナー粒子1、3、8の作製と同様にしてトナー粒子25〜27を作製した。
<トナー粒子28、29の作製>
トナー粒子1の作製で用いた着色剤分散液Bの代わりに着色剤分散液Cを用いたのがトナー粒子28、着色剤分散液Mを用いたのがトナー粒子29、それ以外の材料組成はトナー粒子1と同様にしてトナー粒子28、29を作製した。
<トナー粒子30の作製>
トナー粒子6を以下のようにして作製した。
非晶性樹脂C粒子分散液 1,170質量部
着色剤分散液 125質量部
離型剤分散液 250質量部
添加剤分散液1 105質量部
硫酸アルミニウム 2.5質量部
イオン交換水 550質量部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容して混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT−50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で50℃まで撹拌しながら加熱した。50℃に保持し、体積平均粒径が5.5μmの凝集粒子が形成されていることを確認した。
その後、非晶性樹脂Cの水分散液 250質量部を追加で添加した後、さらに50℃に30分保持した。続いて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH9.0に到達するまで添加した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱し、3時間保持して融合合一させ、トナー粒子30を形成した。
<トナー粒子31の作製>
トナー粒子31を以下のようにして作製した。
添加剤分散液1を加えない以外は、トナー粒子1と同様にして、トナー粒子31を得た。
<トナー1〜31の作製>
トナー粒子1〜31を100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製RY50)1.5部をヘンシェルミキサーを用いて周速25m/sで3分間混合した。次いで、目開き45μmの振動篩いで篩分して、トナー1〜31を得た。
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(体積平均粒径35μm) :100部
・メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体:1.6部
・トルエン : 14部
メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体にトルエンを加えサンドミルで分散し分散液を得た。次いで、分散液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃下で30分間撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆型キャリアを得た。
なおメチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体の共重合比は85:15である。
<現像剤1〜31の作製>
トナー1〜31を36部と、樹脂被覆型キャリア414部とをVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、次いで、目開き212μmの篩で篩分して現像剤1〜31を作製した。
<実施例1>
現像剤1を、温度25℃/湿度25%RHの環境下に12時間放置した後、画像形成装置(富士ゼロックス(株)製700 Digital Color Press改造機)を用意し、現像剤1を現像装置に入れた。また、トナー1を補給用現像剤収容室に入れた。
その後温度15℃/湿度10%RHの環境下、紙(富士ゼロックス(株)製C2r紙)に、日本画像学会発行のテストチャートNo.4の画像を連続で100枚形成した。
<評価>
評価は以下のようにして行った。出力画像の1枚目と100枚目について、画像中の最も濃度の低い画像を切り取って、正確に秤量し、その後この画像をキムワイプ(日本製紙クレシア(株)製)でこすり、前後で重量を比較し、その減少率と目視評価を以下の基準で評価した。なお減少率は(こすった後の重量)÷(こする前の重量)×100であり、97%以上を良しとした。
G5:1枚目、100枚目とも減少なく、目視の結果も差が確認できない
G4:1枚目、100枚目とも減少はないが、100枚目の目視で濃度の低下あり
G3:いずれかの減少率が98%以上100%未満
G2:いずれかの減少率が97%以上98%未満
G1:いずれかの減少率が97%未満
<実施例2〜30、比較例1>
現像剤2〜31、トナー2〜31をそれぞれ使用して、実施例1と同様の評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
Figure 2017173509
1Y,1M,1C,1K:電子写真感光体(像保持体)、2Y,2M,2C,2K:帯電ロール、3:露光装置、4Y,4M,4C,4K:現像装置、5Y,5M,5C,5K:1次転写ロール、10Y,10M,10C,10K:カラー画像形成ユニット、20:中間転写ベルト、22:駆動ロール、24:バックアップロール、26:2次転写ロール、28:定着ロール、30:クリーニングユニット、32:移送ロール、40:トレイ(記録媒体トレイ)、50:ハウジング、100:画像形成装置、P:記録媒体

Claims (7)

  1. コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニリン酸、及び、バニリン酸メチルよりなる群から選ばれた少なくとも1つの化合物、を含有することを特徴とする
    静電荷像現像用トナー。
  2. コニフェリルアルコール及び/又はコニフェリルアルデヒドを含有する、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記化合物を、トナーに対して1〜10重量%含有する請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー及びキャリアを含有する現像剤。
  5. 画像形成装置に着脱可能であり、請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを収容するカートリッジ。
  6. 像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    前記像保持体表面に形成された静電潜像を、請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含む、
    画像形成方法。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を備える、
    画像形成装置。
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