JP2017173113A - TRAb測定試薬およびその製造方法 - Google Patents

TRAb測定試薬およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 TRAb測定試薬において、反応性向上および非特異吸着を抑制し、測定感度が良好となる試薬および製造方法を提供する
【解決手段】 固相化TSHレセプターとN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液とを共存させて凍結乾燥し、かつ標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体と、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸溶液とを共存させて凍結乾燥することにより、抗TSHレセプター抗体測定試薬を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、体外診断薬等に使用される抗TSHレセプター抗体(TRAb)測定試薬およびその製造方法であって、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(以下、ACESとする)を共存させることにより免疫反応性、測定再現性さらに測定感度を向上させる方法に関するものである。
甲状腺刺激ホルモン(以下、TSH)レセプターは分子量約100kDaの糖蛋白で甲状腺細胞膜上に存在し、TSHが結合すると細胞内のcAMPが増加し、甲状腺ホルモンの合成を促進する。このレセプターに対する自己抗体を抗TSHレセプター抗体(以下、TRAbとする)という。TRAbはTSHと同様に甲状腺ホルモンの合成を促進するものがあるが、ネガティブフィードバックによるコントロールを受けないため、バセドウ病のような甲状腺機能亢進状態をもたらす。このことからTRAbの測定は、甲状腺疾患の鑑別に有用であり、特にバセドウ病と無痛性甲状腺炎及び亜急性甲状腺炎の鑑別診断、治療経過観察に利用されている(非特許文献1および2)。
TRAbの測定は、抗原抗体反応を利用した免疫測定法が知られている。ラジオ・レセプター・アッセイ法(RRA法)や競合酵素免疫測定法(競合EIA法)が知られている。中でも競合EIA法は、放射線取扱施設を必要視せず、さらに迅速性にすぐれていることから、臨床目的でのTRAb測定において多用されている。
競合EIA法によりTRAbを測定する方法としては、以下の例があげられる:
(1)プレートや微粒子などの固相に固定化されたTSHレセプターに検体を添加することにより、検体中のTRAbとTSHレセプターとの間で免疫反応が開始され、
(2)それをインキュベートした後、洗浄水で洗浄することにより、遊離の検体成分を除去し(B/F分離)、
(3)B/F分離後、酵素標識された、ヒト由来のTSH又はヒト由来の抗TSHレセプター抗体を加えることにより反応が開始され、
(4)それをインキュベートした後、洗浄水で洗浄することにより、遊離の酵素標識TSH又は酵素標識抗体を除去し(B/F分離)、
(5)B/F分離後、固相に結合した標識の酵素活性を測定するために基質を添加し、化学発光、生物発光、蛍光、比色測定等により、検体中のTRAb濃度を知ることができる。
日本臨床検査医学会 臨床検査のガイドライン 2005/2006第2章 疾患編・内分泌/甲状腺機能亢進症・機能低下症 B.R.Smith、R.Hall、Thyroid−stimulating immunoglobulin in Graves’ disease. Lancet 24;427−431(1974)
甲状腺機能検査においてTRAb測定は非常に重要な検査である。このTRAbは甲状腺のTSHレセプターに作用し、甲状腺を刺激し甲状腺ホルモンの生成を亢進するのでバセドウ病の原因物質と考えられており、健常人にはTRAbが存在しない。また、バセドウ病の投薬治療にてTRAb値は低下するが、バセドウ病の原因であるTRAbが陰性にならないと投薬は中止できないので、測定感度が非常に重要となっている。
そこで本発明の目的は、体外診断薬等のにTRAb測定試薬において、反応性向上および非特異吸着を抑制し、測定感度が良好となる試薬および製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、免疫反応試薬に共存させる物質を選定することにより、反応性向上および非特異吸着を抑制し、測定感度が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は以下のとおりである。
(1)N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸を共存させた固相化TSHレセプター、及び
N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸を共存させた、標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体
を有することを特徴とする、抗TSHレセプター抗体測定試薬。
(2)凍結乾燥状態である、(1)に記載の抗TSHレセプター抗体測定試薬。
(3)固相化TSHレセプターとN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸とを共存させ、かつ
標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体と、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸とを共存させる
ことを特徴とする、抗TSHレセプター抗体測定試薬の製造方法。
(4)固相化TSHレセプターとN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸溶液とを共存させて凍結乾燥し、かつ
標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体と、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸溶液とを共存させて凍結乾燥する
(3)に記載の製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のTRAb測定試薬は、ACESを固相化TSHレセプター、及び標識化TSH又は標識化TRAbと共存させたものである。標識としては特に限定はないが、酵素が好ましい。固相としては特に限定はないが、ポリマーやガラス製などのプレート、粒子、微粒子等があげられる。
本発明の測定試薬は凍結乾燥状態のものがそのましいが、液状であってもよい。液状の場合は、ACESとしてACES緩衝液を用いることが好ましい。その緩衝液濃度は1〜200mmol/Lの濃度範囲とすることが好ましく、さらに5〜150mmol/Lの濃度範囲とすることが好ましく、特に10〜100mmol/Lの濃度範囲とすることが好ましい。ACES緩衝液のpHは5.5〜8.5の範囲とすることが好ましく、さらに6.0〜8.0の範囲とすることが好ましく、特に6.5〜7.5の範囲とすることが好ましい。
本発明の測定試薬には、糖、蛋白質や塩類を共存させてもよく、それらは特に限定されるものではないが、糖としては、例えばマンニトール、マルトース、ラクトースやトレハロース等を使用することができる。蛋白質としては、例えばヒト血清、ヒト血清アルブミン、ウシ血清、ウシ血清アルブミン、コラーゲンペプチド、スキムミルク等を使用することができる。塩類としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛等を使用することができる。なお、これら以外にも、必要に応じて他の試薬成分等を共存させることもできる。
本発明の測定試薬は、固相化TSHレセプターとACESとを共存させ、かつ標識化TSH又は標識化TRAbと、ACESとを共存させることで製造することができる。本発明の測定試薬が液状の場合は、ACES緩衝液等のACES溶液を使用することができる。その際の濃度、pH、共存物質については前述と同様である。また本発明の測定試薬が凍結乾燥状態の場合は、ACES溶液を共存させた後に凍結乾燥すればよい。
このようにして、体外診断薬等に使用されるTRAb測定試薬を製造することができる。
本発明によれば、反応性向上および非特異吸着を抑制し、測定感度が良好である体外診断薬等に使用されるTRAb測定試薬を得ることが可能となる。例えば、本発明で得られた測定試薬は感度よく測定することができるので、本発明によって高感度な測定も実現できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例により限定されるものではない。免疫測定装置として全自動エンザイムイムノアッセイ装置(AIA−CL2400、東ソー社製)と免疫測定用試薬として当該装置用免疫反応試薬を用い、2ステップ競合法により各測定を行った。なお、TRAb測定試薬は後述したようにして調製した。
(実施例1)
TSHレセプター固定化磁性微粒子をコラーゲンペプチド、トレハロース、デキストラン、EDTA・2Naを含む20mmol/L ACES緩衝液(pH6.8)に加えて凍結乾燥を行った。さらにアルカリ性ホスファターゼ標識ヒト由来のTSHをウシ血清アルブミン、コラーゲンペプチド、トレハロース、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、デキストランを含むACES緩衝液に加えて凍結乾燥を行った。ACES緩衝液の濃度およびpHは以下の通りである。
試薬A:20mmol/L ACES(pH6.5)
試薬B:20mmol/L ACES(pH7.0)
試薬C:20mmol/L ACES(pH7.5)
(比較例1)
TSHレセプター固定化磁性微粒子をコラーゲンペプチド、トレハロース、デキストラン、EDTA・2Naを含む20mmol/L ACES緩衝液(pH6.8)に加えて凍結乾燥を行った。さらにアルカリ性ホスファターゼ標識ヒト由来のTSHをウシ血清アルブミン、トレハロース、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、デキストランを含む緩衝液に加えて凍結乾燥を行った。緩衝液の種類、濃度およびpHは以下の通りである。
試薬D:20mmol/L リン酸(pH7.0)
試薬E:20mmol/L Tris−HCl(pH7.5)
試薬F:20mmol/L CHES(pH9.0)
(実施例2)
前記自動免疫測定装置で試薬A、試薬D、試薬Eおよび試薬FにてTRAbの標準品1(0IU/L)、標準品2(2.14IU/L)および陰性検体の3種類を測定し、アルカリ性ホスファターゼの基質である化学発光基質の発光強度を測定した。各サンプルは5回ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
結果を表1に示す。
Figure 2017173113
ACES緩衝液を用いた試薬Aにおいて、標準品1と標準品2の発光強度の比が79.7%であるが、他の緩衝液である試薬D、試薬Eおよび試薬Fにおいては、83.5〜85.8%であった。このことから試薬Aは試薬D,E,Fと比べて検量線の形状が良好であることがわかる。
さらに陰性検体測定において、試薬Aでは標準品1(0IU/L)と同等の発光強度を示し、陰性検体のTRAb濃度は0IU/Lに近い値として測定される結果であった。それに対して試薬D、試薬Eおよび試薬Fにおいては、標準品2(2.14IU/L)と同等の発光強度を示し、陰性検体であるにも関わらず、TRAb濃度は約2IU/Lに近い値として測定される結果となった。TRAb測定値の参考基準値として、陰性検体は2.0IU/L未満との知見があり、試薬D、試薬Eおよび試薬Fにおいては、陰性検体にもかかわらず、陽性と判定される危険性がある。
これらのことからACES緩衝液を用いた試薬が、他の緩衝液を用いた試薬と比較して競合酵素免疫測定法(競合EIA法)として性能が良好であることがわかる。
(実施例3)
前記自動免疫測定装置で試薬A、試薬B、試薬Cおよび試薬Dに対して陰性検体8種類を測定し、アルカリ性ホスファターゼの基質である化学発光基質の発光強度を測定し、さらに検量線からTRAb濃度を算出した。
結果を表2に示す。
Figure 2017173113
ACES緩衝液を用いた試薬A、試薬Bおよび試薬Cにおいては、1.0IU/L未満である検体が大きな割合を占め、かつ全ての検体において、TRAb測定値の参考基準値の2.0IU/L未満として測定される結果であった。
それに対して、リン酸緩衝液である試薬Dにおいては、すべての検体において1.0IU/L以上と測定され、さらにTRAb測定値の参考基準値の2.0IU/Lを超える測定値として検出される検体もある結果となった。
これらのことからACES緩衝液を用いた試薬が、他の緩衝液を用いた試薬と比較して競合酵素免疫測定法(競合EIA法)として性能が良好であることがわかる。

Claims (4)

  1. N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸を共存させた固相化TSHレセプター、及び
    N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸を共存させた、標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体
    を有することを特徴とする、抗TSHレセプター抗体測定試薬。
  2. 凍結乾燥状態である、請求項1に記載の抗TSHレセプター抗体測定試薬。
  3. 固相化TSHレセプターとN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸とを共存させ、かつ
    標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体と、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸とを共存させる
    ことを特徴とする、抗TSHレセプター抗体測定試薬の製造方法。
  4. 固相化TSHレセプターとN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸溶液とを共存させて凍結乾燥し、かつ
    標識化TSH又は標識化抗TSHレセプター抗体と、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸溶液とを共存させて凍結乾燥する
    請求項3に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109001472A (zh) * 2018-08-03 2018-12-14 迪瑞医疗科技股份有限公司 人促甲状腺素受体抗体化学发光检测试剂盒及其制备方法和使用方法

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