JP2017173025A - 撹拌方法、分析方法及び撹拌装置 - Google Patents

撹拌方法、分析方法及び撹拌装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチウェルプレート内の溶液に含まれる生体分子の気液界面での変性凝集を抑制することができる撹拌方法、分析方法及び撹拌装置を提供する。【解決手段】本発明の一形態に係る撹拌装置は、免疫学的測定用の撹拌装置であって、ケーシングと、複数の撹拌棒と、駆動部とを具備する。上記ケーシングは、マルチウェルプレートの上面に対向する主面部を有する。上記複数の撹拌棒は、上記主面部から上記マルチウェルプレートの各ウェルに向かって突出し、上記各ウェルに収容された溶液の液面よりも下側に位置する撹拌具をそれぞれ有する。上記駆動部は、上記ケーシングに配置され、上記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させる。【選択図】図3

Description

本発明は、例えばELISA等の免疫学的測定法に適用可能な撹拌方法、分析方法及び撹拌装置に関する。
マルチウェルプレートは、マイクロプレート、マイクロウェルプレート、マイクロタイタープレート等とも称され、医学、薬学、生化学、化学等の研究分野において、実験用あるいは検査用器具として広く用いられている。マルチウェルプレートは、一般に、6、24、96、384、1536個のウェルを有し、それぞれのウェルに1マイクロリットル〜数ミリリットル程度の反応溶液を入れることができる。反応後の溶液を検出するためにプレートリーダーが用いられる他、溶液の添加、ウェルの洗浄のための自動溶液添加吸引装置およびプレート自体を搬送するための搬送システムなどが各社から汎用品として市販されている。これらの背景のため、現在、マルチウェルプレートのサイズに関する規格化が行われており、American National Standards Institute(ANSI)およびSociety for Laboratory Automation and Screening(SLAS)により、外周、ウェルの位置、プレートの厚みなどが規定されている(非特許文献1)。
マルチウェルプレートの用途として、ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)やRIA(Radio Immuno Assay)等の免疫学的測定分野が挙げられる。これらにおいては固相支持体に直接、もしくは専用試薬を介して抗体を固定化し、標的物質を含むサンプル溶液、抗体や標識二次抗体、基質溶液を順次添加した後、発光あるいは吸収を測定することによって標的物質の定量を行う。通常、それぞれの物質溶液は、添加された後、そのまま静置される。
しかしながら、タンパク質性の抗原、抗体、標識二次抗体等の吸着速度は溶液の撹拌速度に依存するため、静置した場合では吸着に要する時間が非常に長くなる。例えば、一般的なELISAキットで推奨されている静置時間として1時間程度から12時間まであり、したがってELISA測定の全作業時間は必然的に半日から1日程度かかってしまい、スループットが低い。
測定を迅速に行うためには、抗原、抗体、標識二次抗体等を吸着させる際にプレートを撹拌する必要性が生じる。現在日常的に用いられている方法は、プレート全体を水平方向に延運動させて中の溶液をミキシングする方法(渦動撹拌:Orbital shaking)であり、簡易な撹拌方法として広く知られている(例えば特許文献1参照)。
渦動撹拌では、回転運動によって生じた力によりマルチウェルプレートの壁面で溶液を押すことで溶液を回転させるが、十分な撹拌速度を得るためには円運動の径を大きくするか回転速度を上げる必要がある。例えば、96ウェルのプレートにおいて少量の液体を撹拌するのに十分な撹拌効率を得るたには、回転直径が3mmの場合で1500rpmの回転数が必要となる。このような高速で渦動撹拌させるためには装置自体の構造的な制約、騒音や振動、液の飛び跳ね、使用するモータの負荷等の問題がある。
さらに渦動撹拌で最も問題となるのは、効果的な撹拌効率を得ようとする場合に必然的に液体が渦を巻くような形となり、気液界面が激しく揺動することになる結果、その界面の影響で液体中のタンパク質等の生体分子の変性や凝集が起こることである。タンパク質の揺動のある気液界面での変性凝集を防止することに関しては、特に抗体医薬品等の生産、保存時において、気液界面がないように液をボトルに充填すること、凝集阻害薬を添加することなどが提案されている(非特許文献2)。しかしながら、マルチウェルプレートでその測定時にウェルに入れる溶液は通常その高さの半分以下であり、気液界面をなくすことは不可能である。また、凝集阻害薬はタンパク質の固相抗体への吸着も阻害する可能性があり、使用しないことが望ましい。
以上のように、気液界面でのタンパク質の変性凝集の問題は渦動撹拌における本質的な問題であり、回避することは難しい。ELISA測定においては、タンパク質の凝集変性が起こると、固相への非特異的な吸着が増えることによるバックグランドノイズの増加が起こる。また、界面で凝集が起こると溶液のタンパク質濃度が低下することによるシグナルの低下が起こることが考えられる。
特開2007−237174号公報
http://www.slas.org/default/assets/File/ANSI_SLAS_4-2004_WellPositions.pdf Aggregates in Monoclonal Antibody Manufacturing Processes, Biotechnology and Bioengineering, Vol. 108, No. 7, July, 2011
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、マルチウェルプレート内の溶液に含まれる生体分子の気液界面での変性凝集を抑制することができる撹拌方法、分析方法及び撹拌装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る撹拌方法は、免疫学的測定法における溶液の撹拌工程に使用されるマルチウェルプレートに収容された溶液の撹拌方法であって、上記マルチウェルプレートの各ウェルに測定対象物質を含む溶液を添加することを含む。
上記マルチウェルプレートの上に、上記各ウェルの内部に向かって突出する複数の撹拌棒を有する撹拌装置を載置することで、上記複数の撹拌棒の先端部に設けられた撹拌具が上記各ウェル内の溶液の液面よりも低い位置に配置される。
上記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させることで、上記各ウェル内の溶液が撹拌される。
上記撹拌方法において、各撹拌棒は、先端部に設けられた撹拌具を各ウェル内の溶液の液面よりも低い位置に配置された状態で回転し、上記各ウェル内の溶液を撹拌する。これにより溶液の液面の揺動が抑制されるため、溶液中の生体分子の気液界面での凝集変性を抑制しつつ、溶液を効率よく撹拌することができる。
上記生体分子は特に限定されず、典型的には、タンパク質性の抗原、抗体、標識二次抗体等を含む。
上記複数の撹拌棒の回転数は特に限定されず、撹拌具の形態に応じて適宜設定可能であり、例えば、毎分250回転以上毎分2000回転以下である。
上記撹拌具の構成は特に限定されず、例えば、上記撹拌棒の軸部に対して直交する方向に突出する羽根部で構成される。
上記撹拌方法は、医学、薬学、生化学、化学等の研究分野に広く適用可能であり、典型的には、免疫学的測定法における溶液の撹拌工程に使用可能である。
本発明の一形態に係る分析方法は、マルチウェルプレートを用いた分析方法であって、上記マルチウェルプレートの各ウェルに生体分子を含む溶液を添加することを含む。
上記マルチウェルプレートの上に、上記各ウェルの内部に向かって突出する複数の撹拌棒を有する撹拌装置を載置することで、上記複数の撹拌棒の先端部に設けられた撹拌具が上記各ウェルに収容された溶液の液面よりも下側の位置に配置される。
上記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させることで、上記各ウェルに収容された溶液が撹拌される。
撹拌した上記溶液が分析される。
本発明の一形態に係る撹拌装置は、免疫学的測定用の撹拌装置であって、ケーシングと、複数の撹拌棒と、駆動部とを具備する。
上記ケーシングは、マルチウェルプレートの上面に対向する主面部を有する。
上記複数の撹拌棒は、上記主面部から上記マルチウェルプレートの各ウェルに向かって突出し、上記各ウェルに収容された溶液の液面よりも下側に位置する撹拌具をそれぞれ有する。
上記駆動部は、上記ケーシングに配置され、上記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させる。
以上述べたように、本発明によれば、マルチウェルプレート内の溶液に含まれる生体分子の気液界面での変性凝集を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る撹拌方法及び分析方法に用いられる撹拌装置を示す斜視図である。 上記撹拌装置のX軸方向に沿った断面図である。 撹拌装置がマルチウェルプレートに取り付けられた状態におけるX軸方向に沿った断面図である。 上記撹拌装置における撹拌棒の詳細を示す正面図及び側面図である。 上記撹拌棒と液面との関係を説明する要部拡大図である。 実験例に係る一実験結果を示す図である。 上記実験例に係る他の実験結果を示す図である。 液面通過運転時の撹拌棒と液面との関係を説明する要部拡大図である。 上記実験例に係るさらに他の実験結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る撹拌方法及び分析方法に用いられる撹拌装置を示す斜視図、図2は、撹拌装置のX軸方向に沿った断面図、図3は、撹拌装置がマルチウェルプレートに取り付けられた状態におけるX軸方向に沿った断面図である。
なお各図においてX軸およびY軸方向は相互に直交する水平方向を示し、Z軸方向はこれらに直交する高さ方向を示している。
[全体構成]
本実施形態の撹拌装置1は、撹拌ユニット10と、コントローラ20とを備える。
撹拌ユニット10は、マルチウェルプレート30に取り付け可能に構成される。撹拌ユニット10は、マルチウェルプレート30のウェル31内に収容された溶液を撹拌するための複数の撹拌棒11を有する。複数の撹拌棒11は、マルチウェルプレート30の各ウェルに対応して配列されている。
コントローラ20は、撹拌ユニット10の駆動を制御するためのもので、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory))を有するコンピュータで構成される。コントローラ20は、汎用のコンピュータで構成されてもよいし、専用のコンピュータで構成されてもよい。
コントローラ20は、撹拌ユニット10に電気的に接続され、撹拌棒11を駆動するモータの回転を個別にあるいは共通に制御するように構成される。本実施形態においてコントローラ20は、撹拌ユニット10に対して配線部材21を介して電気的に接続されるが、これに限られず、例えば無線によって撹拌ユニット10と電気的に接続されてもよい。
マルチウェルプレート30は、複数のウェル31がマトリクス状に形成された上面301と、長辺側の側面302と、短辺側の側面303とを有する略矩形の板状部材で構成される。マルチウェルプレート30は、典型的には、透光性を有する合成樹脂材料の射出成形体で構成される。
複数のウェル31は、所定間隔でマトリクス状に配列されている。図示の例では、短辺方向(X軸方向)に整列した8個のウェル31が長辺方向(Y軸方向)に12列配列されることで、計96個のウェルが形成される。ウェル31の配列間隔は、約9mmである。なお、ウェルの数はこの例に限られず、6個、24個、384個、1536個等であってもよい。
マルチウェルプレート30としては、典型的には市販の汎用品が用いられる。例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社(Thermo Fisher Sceintific K.K)製「Nunc 96マイクロウェルプレート」が適用可能である。
[撹拌ユニット]
以下、撹拌ユニット10の詳細について、図2および図3を参照して説明する。
撹拌ユニット10は、ケーシング100と、複数の撹拌棒11と、複数のモータ12と、装着部16とを有する。
ケーシング100は、例えばアルミニウム合金等の金属材料で構成される。ケーシング100は、略矩形の板状に形成され、その一方側の面が、マルチウェルプレート30の上面301と対向する主面部101として形成される。主面部101は、マルチウェルプレート30の上面301を覆うことができる大きさに形成される。
ケーシング100の主面部101とは反対側の面に相当する上面部102には、複数のモータ12を駆動する回路基板13を収容する凹部103が形成されている。凹部103は、ケーシング100の上面部102に取り付けられたカバー109によって被覆される。
なお回路基板13は、ケーシング100の内部に設けられる場合に限られず、ケーシング100の外部に配線を引き回すことでケーシング100の外部に設けられてもよいし、コントローラ20と一体的に構成されてもよい。
装着部16は、後述するようにケーシング100と一体的に設けられ、マルチウェルプレート30を収容可能に構成された空間部S1を有する。図3に示すように、装着部16は、主面部101の周縁からマルチウェルプレート30の外周に向かって垂下する周壁で構成され、その内部に空間部S1を形成する。上記周壁の高さは、ケーシング100がマルチウェルプレート30の上面301に載置された際、上記周壁の底部が作業テーブルT(図3参照)に接触しない高さに設定される。
複数の撹拌棒11は、空間部S1に収容されたマルチウェルプレート30のすべてのウェル31に対応するようにケーシング100にマトリクス状に配置されている。複数の撹拌棒11は、主面部101からマルチウェルプレート30に向かって突出し、各ウェル31の内部に配置される。複数の撹拌棒11は、それぞれ同一の構成を有し、ケーシング100に配置された複数のモータ12の駆動軸にそれぞれ連結されている。
撹拌ユニット10は、使用されるマルチウェルプレートの種類(あるいはウェルの数)に応じて、撹拌棒11やモータ12の配列間隔、空間部S1の形状等が最適化される。
図2に示すように、ケーシング100には凹部103と空間部S1とを相互に連結する複数の段付き孔105がZ軸方向に沿って形成されている。複数の段付き孔105は、凹部103の底面にマトリクス状に配列され、それぞれ大径部106と小径部107とを有する。
大径部106は、凹部103側に位置し、モータ12を収容可能な大きさで形成されている。小径部107は、空間部S1側に位置し、撹拌棒11を収容可能な大きさで形成されている。小径部107は、大径部106と同心的に形成され、大径部106と小径部107との段部にモータ12がそれぞれ固定される。
モータ12は、撹拌棒11をその軸まわりに回転させる駆動部を構成する。モータ12の回転数は特に限定されず、撹拌棒11の先端部に設けられる撹拌具(例えば後述するパドル部112に相当)の形状あるいは形態、撹拌対象である溶液の種類等に応じて適宜設定可能である。本実施形態では、モータ12の回転数は、250rpm〜3000rpm(毎分250〜3000回転)の範囲で設定され、回転数精度が例えば±2%以下のモータが用いられる。これにより、低速撹拌および高速撹拌のいずれにも対応することができるとともに、撹拌棒11の高精度な回転数制御を実現することが可能となる。
モータ12は、パルス信号で駆動されるステッピングモータで構成されるが、これに限られず、例えば、シンクロナスモータ、ブラシレスDCモータ等の回転数を高精度に制御することが可能なモータが適用可能である。モータ12の大きさも特に限定されず、例えば直径6mm以下のものが用いられる。
各モータ12は、フレキシブル配線基板14を介して回路基板13に電気的に接続される。回路基板13は、配線部材21を介してコントローラ20に電気的に接続され、各モータ12の駆動は、コントローラ20により個別に制御可能に構成されている。各モータ12は、同一の回転方向に同一の回転数(回転速度)で駆動されるが、これに限られず、回転方向、回転数をモータ毎に異ならせることも可能である。また、すべてのモータ12は同時に起動されてもよいし、一部のモータ12が選択的に起動されてもよい。
モータ12の駆動時に発生する熱は、金属製のケーシング100を介して外部へ放熱される。これにより、マルチウェルプレート30への熱伝達を抑制し、ウェル31内の溶液の蒸発あるいは熱による変質等を抑えることができる。
撹拌棒11は、モータ12の駆動軸に連結される軸部111と、軸部111の先端に形成されたパドル部112とを有する。パドル部112の形状や個数は特に限定されず、軸部111の軸まわりの回転により所望とする溶液の撹拌機能が得られる種々の形態が採用可能である。
本実施形態において撹拌具としてのパドル部112は、撹拌棒11の軸部111に対して直交する方向に突出する羽根部で構成される。図4A,Bは、パドル部112の詳細を示す正面図及び側面図である。
パドル部112は、軸部111の先端から相対向する2方向へ突出し、その断面形状は、上端112aを底辺とし下端112bを頂点とする概略二等辺三角形状に形成される。パドル部112の突出方向は上述のように相対する2方向に限られず、例えば、相互に交差あるいは直交する3以上の方向であってもよい。
図3に示すように、撹拌棒11は、マルチウェルプレート30が空間部S1に収容された状態において、各ウェル31の内部に配置される。典型的には、各撹拌棒11は、各ウェル31の中心軸上に配置される。ウェル31の底部からの撹拌棒11の高さは特に限定されず、ウェル31の大きさや溶液の量、種類等に応じて適宜設定され、典型的には、撹拌棒11の先端がウェル31の底部に接触しない高さ(例えばウェル31の底部から0.1mm以上離れた高さ)に設定される。
図5は、ウェル31内に配置された撹拌棒11の要部拡大図である。本実施形態において、各撹拌棒11のパドル部112は、各ウェル31に収容された溶液Fの液面(気液界面)FLよりも低い位置に配置される。液面FLよりも低い位置とは、パドル部112の上端112aが液面FLよりも下の位置をいい、パドル部112の全体が溶液Fの中に浸漬されている。
液面FLからパドル部112の上端112aまでの深さは特に限定されず、パドル部112の形状、大きさ、溶液Fの粘性、撹拌棒11の回転数等に応じて適宜設定され、典型的には、撹拌棒11の回転中に溶液Fの飛沫が形成されない深さ、より好ましくは、撹拌棒11の回転中に液面FLの揺動が抑えられる深さに設定される。本実施形態では、液面FLからパドル部112の上端部112aまでの深さは、0.1mm以上とされ、好ましくは、0.5mm以上である。これにより、撹拌棒11の回転中における液面FLの揺動を効果的に抑えることができる。
また、溶液Fに浸かる撹拌棒11の長さから、ウェル31に添加される溶液の容積を求めることができる。すなわち、溶液Fに浸かる撹拌棒11の長さが分かれば液面FLの高さが求まり、液面FLの高さから溶液Fがウェルに占める体積が求まり、この体積から、溶液Fに浸かる撹拌棒11の体積を差し引けば、溶液Fの容積が求まる。
例えば、パドル部112の下端部112bからウェル31の底部までの距離をD1(mm)、液面FLからパドル部112の上端部112aまでの距離をD2(mm)とすると、溶液Fの容積は、D1=D2=0.1の場合は54.846(μL)、D1=D2=0.5の場合は80.959(μL)、D1=0.5、D2=1の場合は96.494(μL)、D1=D2=1の場合は113.600(μL)である。
なお上記とは逆に、ウェル31に収容される溶液の容積から、溶液Fに浸かる撹拌棒11の長さを求めてもよい。
各撹拌棒11は、ケーシング11の主面部101からの垂下長(主面部101から空間部S1への突出長)が個々に又は一括して調整することが可能に構成されてもよい。これにより、各ウェル31に収容される溶液Fの液面FLの高さに応じて各撹拌棒11を最適な高さ位置に設定することが可能となる。
ウェル31に添加される溶液Fには、測定対象である生体分子を含む溶液が用いられる。生体分子としては、免疫学的測定法によって検出可能な種々の生物学的材料が含まれ、例えば、尿酸、脂肪族カルボン酸、胆汁酸、パラ−アミノ馬尿酸、馬尿酸、グルクロン酸、芳香族カルボン酸、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、ADP、ATP、尿素、尿素窒素、アミン、酵素、ウロビリノーゲン、ウロビリン、カリクレイン、エストロゲン、エンドトキシン、エリスロポエチン、チオール、ケトン、アセチルアセトン、アルデヒド、糖類、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、トロンビン、クレアチニン、クレアチン、糖結合タンパク、糖結合ペプチド、血色素、ホルモン、プロスタグランジン、脂質、ヒスタミン、麻薬、麻酔剤、アルコール、過酸化物質、グアニジン等が挙げられる。
免疫学的測定法(Immunoassay)は、抗原と抗体の結合反応を利用して抗原等を定量的に測定する方法であり、例えば、酵素結合固相免疫アッセイ(ELISA)、酵素結合アッセイ(EIA)、放射性免疫アッセイ(RIA)、蛍光結合アッセイ(FIA)、化学発光アッセイ(CLA)、電気化学発光アッセイ(ECLA)、微粒子捕捉アッセイ、間接競合イムノアッセイ、直接競合イムノアッセイ、非競合イムノアッセイ、サンドイッチイムノアッセイ、凝集アッセイ、細胞ベースアッセイ等が挙げられる。
撹拌ユニット10は、主面部101に設けられたシート部材15をさらに備える。シート部材15は、収容部104に収容されたマルチウェルプレート30の上面301に弾性的に接触するように構成される。
シート部材15の設置は、撹拌対象溶液が揮発性溶液である場合に特に効果的であり、長時間の撹拌動作による溶液の蒸発を効果的に防止することができる。シート部材15の構成材料は、耐熱性および耐薬品性を有し、マルチウェルプレート30の上面301に弾性的に接触し得る材料であれば特に限定されず、典型的には、シリコーンゴムが挙げられる。
シート部材15は、ケーシング100の主面部101に粘着層等を介して貼り付けられる。シート部材15は、主面部101に着脱自在に取り付けられることが好ましく、これによりシート部材15の交換等を容易に行うことが可能となる。
さらに、シート部材15の厚みで、各撹拌棒11とマルチウェルプレート30との間の距離を調整することができる。例えば、ケーシング100の主面部101からの撹拌棒11の突出量(長さ)を14.4mmとしたとき、厚み4mmのシート部材15を用いた場合には、シート部材15の下面から撹拌棒11の先端までの長さは10.4mmとなる。同様に、厚み5mmのシート部材15を用いた場合の撹拌棒11の長さは、9.4mmとなる。
そして本実施形態の撹拌ユニット10は、マルチウェルプレート30に装着されることでケーシング100をマルチウェルプレート30に位置決めする装着部16を備える。
装着部16は、ケーシング100に設けられ、空間部S1に収容されたマルチウェルプレート30の外周面に接触する係合面161を有する。図3に示すように、係合面161は、マルチウェルプレート30の側壁底部に形成された凸部304の外周面に係合可能に構成される。係合面161は、典型的には、平坦な面(垂直な面)で形成されるが、これに限られず、テーパ面や曲面で形成されてもよい。
装着部16は、マルチウェルプレート30の外周面に装着されることで、ケーシング100をマルチウェルプレート30に対して位置決めする。位置決め精度確保の観点から、装着部16は、典型的には、マルチウェルプレート30の4側面(全周)に係合可能に形成されるが、これに限られず、係合位置は、例えばマルチウェルプレート30の外周面の一部、例えば3側面であってもよい。
ケーシング100をマルチウェルプレート30に位置決めするための方法は、装着部16とマルチウェルプレート30の外周部との係合を利用する以外の方法であってもよい。例えば、係合面161に接することでマルチウェルプレート30を保持する板材を用意し、その板材にケーシング100を位置決めする方法が採用されてもよい。
[撹拌装置の動作]
次に、以上のように構成される撹拌装置1の典型的な動作について説明する。
まず、マルチウェルプレート30の各ウェル31に所定量の溶液Fが添加される。溶液Fとしては、撹拌が必要な種々の溶液を用いることが可能であり、測定法あるいは工程に応じて、使用される溶液が異なっていてもよい。
続いて、撹拌ユニット10は、マルチウェルプレート30の上面301に載置され、これにより各撹拌棒11がマルチウェルプレート30の各ウェル31の内部に配置されるとともに、各撹拌棒11のパドル部112が溶液Fの液面FLよりも低い位置に配置される(図5参照)。装着部16は、ケーシング100をマルチウェルプレート30の上面301に配置する際、空間部S1に収容されるマルチウェルプレート30の凸部304の外周面に係合する。これによりケーシング100がマルチウェルプレート30に位置決めされる。
コントローラ20は、モータ12へ駆動パルス信号を出力し、各撹拌棒11を所定回転数で回転させる。これにより、各ウェル31の溶液Fがパドル部112の回転により撹拌される。典型的には、コントローラ20は、各撹拌棒11を同一の回転数で回転させるが、ウェル31ごとに異なる回転数で撹拌棒11を回転させてもよい。さらにコントローラ20は、各モータ12を同時に起動させてもよいし、各モータ12を所定の順序で起動させてもよい。
ケーシング100の主面部101は、シート部材15を介してマルチウェルプレート30の上面301に密着する。これにより隣接する複数のウェル31の間はシート部材15によって遮蔽されるため、シート部材15によって各ウェル31の気密性が向上し、ウェル31内の溶液の蒸発が抑制される。
本実施形態においては、装着部16によりマルチウェルプレート30に対するケーシング100が位置決めされるため、各撹拌棒11もまた各ウェル31の内部に高い位置精度で配置される。これにより複数の微小なウェル31に対して複数の撹拌棒11を一括的に位置決めできるため、各ウェル31における溶液Fの撹拌処理の均一化を図ることができる。
特に、各撹拌棒11は、パドル部112が各ウェル31内の溶液Fの液面FLよりも低い位置に配置された状態で回転し、各ウェル31内の溶液Fを撹拌する。これにより、溶液Fの液面FLの揺動が抑制されるため、溶液F中のタンパク質等の生体分子の気液界面での凝集変性を抑制しつつ、溶液を効率よく撹拌することができる。
また、各撹拌棒11は、それぞれ個々のモータ12により駆動されるため、各々の撹拌棒11を最適かつ適切な駆動条件で回転させることができる。また、各モータ12は、駆動パルスによって正確な回転数を実現できるステッピングモータで構成されているため、各ウェル31における溶液Fの撹拌精度および撹拌効率を向上させることができる。
以上のように本実施形態によれば、プレート全体を水平方向に円運動させる水平渦動撹拌法と比較して、各ウェル31の撹拌精度および撹拌効率を大幅に向上させることができる。また本実施形態によれば、各ウェル31内の溶液を撹拌棒11で個々に撹拌することができるため、ウェル31の位置に依存することなく均一に撹拌することができる。したがって、ELISA等の試験方法において、試料中に含まれる抗体あるいは抗原の濃度を高精度に検出あるいは定量することができる。
また本実施形態によれば、撹拌速度を高精度に制御することができるため、種々の撹拌条件に容易に対応することが可能となり、ウェルごとに異なる撹拌条件を設定することも可能となる。
[分析方法]
次に、免疫学的測定法を利用した分析方法の一例として、ELISAを例に挙げて説明する。ELISAは、マルチウェルプレートを固定化担体として抗体、抗原等を検出、定量する手法として一般的に使用されており、直接法、サンドイッチ法、阻害法等が知られている。
直接法では、まず測定対象物質を含む試験サンプル(溶液)をマルチウェルプレートの所定のウェルに添加し、時間をおいてプレート表面に吸着させた後、溶液を取り除き、洗浄溶液で洗浄する。次に、ブロッキング溶液をウェルに添加し、一定時間後に溶液を取り除く。次に、測定対象物質に特異的に結合する抗体を含んだ溶液をウェルに添加、撹拌し、一定時間後に溶液を取り除いて洗浄溶液にて洗浄する。その後、標識二次抗体をウェルに添加、撹拌して、一定時間後に溶液を取り除いて洗浄溶液に洗浄する。標識二次抗体には一般的に、西洋ワサビペルオキシターゼ(HRP)やアルカリフォスファターゼ(AP)が用いられる。そして、基質溶液をウェルに添加、撹拌し、発色反応を測定することで試験サンプル中の測定対象物質の濃度を定量する。
サンドイッチ法では、マルチウェルプレートにあらかじめ測定対象物質に対する特異的な抗体を固定化しておき、測定対象物質を含む試験サンプルを添加する。その後、エピトープを持つ抗体を測定対象物質に結合させ、さらに直接法と同様に、標識二次抗体、基質の順で結合させる。サンドイッチ法は、測定対象物質を2種類の抗体でサンドイッチすることから、直接法に比べて特異性に優れている。
阻害法では、まず測定対象物質を一定量マルチウェルプレートに吸着させ、その後、試験サンプルと抗体の混合液をウェルに添加、撹拌する。一定時間後、混合液を取り除き、洗浄溶液によって洗浄を行い、二次抗体、基質を順に添加、撹拌した後、発色反応を測定する。
上記各方法では、濃度既知の標準サンプルを用いて検量線を作成し、測定値と検量線を用いて測定対象物質の濃度を測定する。実際の測定においては、測定対象物の特性にしたがい、上記以外の操作も採られることが多い。基本的には、抗体やサンプルを含む溶液を順次マルチウェルプレートの固相基板上に結合させていく操作となる。
上記各方法における撹拌工程には、本実施形態の撹拌方法が適用可能である。抗体等のタンパク質等の固相基板への結合速度は、一般的には結合速度定数、溶液中の濃度、溶液の撹拌速度に依存する。溶液の撹拌が十分に行われた場合、結合速度は、結合速度定数と濃度のみの関数となるが、撹拌が不十分であるときにバルクの溶液中から表面近傍へのタンパク質の拡散が律速となり、結合速度が低下する。本実施形態によれば、上述のように撹拌効率を向上させることができるため、固相基板への抗体の結合速度の低下を抑制することができる。
[実験例]
以下、本発明者が行った実験例について説明する。
渦動撹拌装置として、回転直径が3mmのサーモセルミキシングブロック「MB-101」(日本ジェネティクス社製)を、マルチウェルプレートとして、クリア平板イムノ未滅菌96ウェルプレート(NUNC)を、プレートリーダーとして、イムノリーダー「NJ-2300」(日本インターメッド社製)をそれぞれ用い、測定対象物質の450nm吸光度を測定した。
なお試薬として、ヒト血清アルブミン(HSA)、牛血清アルブミン(BSA)、抗ヒト血清アルブミンモノクローナル抗体(anti-HSA antibody、MFU-304日本バイオテスト研究所)、Phosphate buffered saline (PBS, P3813 シグマアルドリッチ)を用い、二次抗体としてMouse IgG-heavy and light chain antibody HRP conjugate(A90-116P BETHYL laboratories Inc.)、OPDタブレット(OPD 34006 Thermo scientific)、H2O2、Tween20、硫酸、を用いた。
100ug/mL HSA-100uL PBS溶液を100uLウェルに添加し、15時間、4℃で静置した。PBSにて洗浄を行い、0.2% BSA-PBS溶液 200uLにて3時間ブロッキングを行った。各濃度に希釈したanti-HSA antibodyの0.2%BSA-PBS溶液を100uL加え、サーモセルミキシングブロックにて設定回転数で15分撹拌を行った。0.05%Tween20を含むPBS溶液にて洗浄を行い、100ng/mLの二次抗体を加え、サーモセルミキシングブロックにて設定回転数で20分撹拌を行った。0.05%Tween20を含むPBS溶液にて洗浄を行い、0.5mg/mLのOPD溶液を加え20分間静置し、プレートリーダーにて450nmの吸光度を測定した。断りのない限りすべてのインキュベーション時間は28℃で行った。
測定結果を図6に示す。横軸は検出対象(抗ヒト血清アルブミンモノクローナル抗体(anti-HSA antibody))の濃度を、縦軸はその吸光度をそれぞれ示している。撹拌の回転数は、300rpm、600rpm及び1000rpmとした。
渦動撹拌においては、良好な撹拌効率を得るためには回転数を上げる必要がある。300rpmにおいては、撹拌効率は非常に低く実質的に撹拌していない状態と同じである。この場合、吸着時間を十分に長くとることによって検出量を向上することは可能であるが、分析時間が非常に長いものとなってしまう。
一方、検出量向上のために撹拌速度を600rpm、1000rpmと上げることにより検出量が上がったが、図6に示すように、バックグランドも上昇し、それに伴いバックグランドのばらつきが大きくなった。これは渦動撹拌で撹拌速度を十分に高めた場合、必然的にウェルプレート内の溶液が渦を巻くようになり、気液界面面積が劇的に上昇するため抗体の変性、凝集に伴う表面への非特異的吸着が見られ、バックグランドが大きくなったと考えられる。
これに対して本実施形態によれば、上述のように、各撹拌棒11のパドル部112が各ウェル31内の溶液Fの液面FLよりも低い位置に配置された状態で溶液Fを撹拌するため(図5参照)、溶液Fの液面FLの揺動が抑制される。これにより溶液中のタンパク質等の生体分子の気液界面での凝集変性に伴う表面への非特異的吸着によるバックグランドの増加を抑制することができる。
図7は、本実施形態の撹拌方法(以下、パドル撹拌ともいう)を適用したときの上記検出対象の濃度と吸光度との関係を示している。なお、マルチウェルプレート、プレートリーダー、試薬、操作手順は上記渦動撹拌のときと同じとした。比較として、図8に示すように、パドル部112の上端112aが液面FLよりも上側の位置(液面FLよりも高い位置)に配置された状態で撹拌棒11を600rpmで回転させたときの検出結果(液面通過運転(600rpm))を図7に併せて示す。
パドル撹拌においては、撹拌棒11の筒状の軸部111が気液界面に垂直に接触するが、回転による液面FLの揺動は1000rpm以下ではほとんど見られない。検出量は、図7に示すように、600rpm,1000rpmと回転数を変化させた場合においてほとんど変わらず、したがってバックグランドのばらつきも非常に小さかった。したがってパドル撹拌によれば、渦動撹拌よりも、検出対象の検出精度を高めることができる。さらに、本実施形態によれば、液面通過運転(図8)のときよりもバックグランドが小さく、このことから、液面通過運転よりも気液界面における抗体の凝集変性に伴う表面への非特異的吸着が低く抑えられることが確認できる。
図9は、パドル撹拌における検出量と撹拌棒11の回転数との関係を示している。検出対象(anti-HSA antibody)の濃度は2ng/mLである。図9に示すように、回転数の増加に伴い検出量も増加し、特に250rpm以上2000rpm以下でほぼ安定した検出量が得られ、3000rpmでバックグランドの影響が出始めている。したがって、撹拌棒11の好適な回転数は250rpm以上3000rpm以下であり、より好適には、250rpm以上2000rpm以下である。回転数が250rpm未満では反応が遅く、3000rpmを超えるとバックグランドノイズが顕著となるからである。
一方、ELISA法において検出下限値は、下限濃度領域の傾き(Slope)と濃度0のときのばらつき(SD)の値を用いて算出される。表1に各々の撹拌方法における検出下限値(DoL)を示す。
Figure 2017173025
パドル撹拌によれば、液面の揺動が抑えられ、十分な撹拌効率が得られる。この場合においては、傾きが大きく濃度0のばらつき(SD)も小さいので検出下限値(DoL)が非常に小さくなる。渦動撹拌においては、回転数が低い場合は傾き(Slope)の値が小さく、回転数が大きくなるに従い、濃度0のばらつき(SD)も大きくなるため検出下限値(DoL)はいずれの回転数においてもパドル撹拌に比べ高いものになる。
なお、液面通過運転の場合は、液面は激しく揺動するが、撹拌効率としてはパドル撹拌と変わらないと考えられるため、傾き(Slope)の値はパドル撹拌とほぼ同じであるが、濃度0のバックグランドのばらつき(SD)は大きくなるため、検出下限値(DoL)は有意に上昇してしまう。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、ウェル数が96個のマルチウェルプレート30を用いたがこれに限られず、ウェル数の異なる他のマルチウェルプレートが用いられてもよい。この場合、マルチウェルプレートの外形状やウェルの配列ピッチに応じて、撹拌棒の配列ピッチおよび装着部の大きさ等が最適化される。
撹拌棒11の回転数の更なる精度向上のため、コントローラ20によって各撹拌棒11の回転数がモニタリング可能に構成されてもよい。この場合、例えば、ケーシングに撹拌棒11の回転数を検出するエンコーダ等の検出部が設けられ、当該検出部の出力に基づいてコントローラ20が撹拌棒11を所定回転数に制御するように構成される。
また以上の実施形態では、撹拌ユニット10として図1及び図2に示した構成例を説明したが、撹拌ユニット10の構成はこれに限られない。例えば、ケーシング100の内部にモータ12を冷却する冷却ファンが配置されてもよいし、各撹拌棒11を単一のモータで回転させるようにしてもよい。
1…撹拌装置
10…撹拌ユニット
11…撹拌棒
12…モータ
15…シート部材
16…装着部
20…コントローラ
30…マルチウェルプレート
31…ウェル
100…ケーシング
101…主面部
112…パドル部

Claims (6)

  1. 免疫学的測定法における溶液の撹拌工程に使用されるマルチウェルプレートに収容された溶液の撹拌方法であって、
    前記マルチウェルプレートの各ウェルに生体分子を含む溶液を添加し、
    前記マルチウェルプレートの上に、前記各ウェルの内部に向かって突出する複数の撹拌棒を有する撹拌装置を載置することで、前記複数の撹拌棒の先端部に設けられた撹拌具を前記各ウェル内の溶液の液面よりも低い位置に配置し、
    前記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させることで、前記各ウェル内の溶液を撹拌する
    撹拌方法。
  2. 請求項1に記載の撹拌方法であって、
    前記生体分子は、タンパク質を含む
    撹拌方法。
  3. 請求項1又は2に記載の撹拌方法であって、
    前記撹拌具は、前記撹拌棒の軸部に対して直交する方向に突出する羽根部で構成される
    撹拌方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の撹拌方法であって、
    前記複数の撹拌棒の回転数は、毎分250回転以上毎分3000回転以下である
    撹拌方法。
  5. マルチウェルプレートを用いた分析方法であって、
    前記マルチウェルプレートの各ウェルに生体分子を含む溶液を添加し、
    前記マルチウェルプレートの上に、前記各ウェルの内部に向かって突出する複数の撹拌棒を有する撹拌装置を載置することで、前記複数の撹拌棒の先端部に設けられた撹拌具を前記各ウェルに収容された溶液の液面よりも下側の位置に配置し、
    前記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させることで、前記各ウェルに収容された溶液を撹拌し、
    撹拌した前記溶液を分析する
    分析方法。
  6. 免疫学的測定用の撹拌装置であって、
    マルチウェルプレートの上面に対向する主面部を有するケーシングと、
    前記主面部から前記マルチウェルプレートの各ウェルに向かって突出し、前記各ウェルに収容された溶液の液面よりも下側に位置する撹拌具をそれぞれ有する複数の撹拌棒と、
    前記ケーシングに配置され、前記複数の撹拌棒各々をその軸まわりに回転させる駆動部と
    を具備する撹拌装置。
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