JP2017172807A - シール構造、容器、及びポンプのケーシング構造 - Google Patents

シール構造、容器、及びポンプのケーシング構造 Download PDF

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Tsutomu Sendo
勉 仙道
耕司 豊田
Koji Toyoda
耕司 豊田
小枝 毛見
Koeda Kemi
小枝 毛見
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Takashi Miyawaki
隆 宮脇
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Abstract

【課題】簡単な構造で信頼性の高いシールを行うことができる容器のシール構造、容器、及びポンプのケーシング構造を提供する。【解決手段】本発明に係るシール構造は、フランジ部1aと、蓋体2との間に、ジョイントシート4が配置されている。フランジ部1a及び蓋体2には、締結孔7が設けられており、締結部材5のボルトが挿通されて、フランジ部1aと蓋体2とが締結される。また、シール当接面3aとシール当接面3bとの間であって、締結部材7の周囲には、クリアランスシート6が配置されており、フランジ部1aと蓋体2との間隔を保持する。【選択図】図2

Description

本発明は、シール構造、容器、及びポンプのケーシング構造に関し、特に液体または気体等の流体を取り扱うための、本体部と蓋体部とで分割して構成された容器のシール構造、容器、及びポンプのケーシング構造に関する。
従来、液体や気体等の流体を取り扱う容器のシール構造としては、例えば容器の開口部の外側に延びるフランジ部と容器の開口部を閉鎖する蓋体のシール材の当接面に、開口部を囲むようにOリングやゴム板等のガスケットシール材を配置してシールさせているものが知られている。
しかしながら、上記従来のシール構造では、容器のフランジ部及び蓋体のシール材の当接面にOリングやゴム板等を収容するための溝を加工成型する必要がある。また、容器のフランジ部と蓋体との接触面を平滑に機械加工する必要がある。このため、容器の加工費、加工の手間及び加工時間を多大に要し、経済的ではないという問題があった。
さらに、上記接触面の加工に使用する機械設備には制限があり、大型の容器には使用することができないという問題があった。
そこで、これらの問題を解決するものとして、容器のフランジ部及び蓋体のシール材の当接面に溝を加工する必要のない圧力容器のシール構造が知られている(特許文献1参照)。
図11は、この圧力容器のシール構造の部分概略図である。
図示のように、この圧力容器は、開口部101bを有し、開口部101bから外側に延在するフランジ部101aを有する圧力容器本体101と、開口部101bを閉鎖するための蓋体102と備えている。この圧力容器のシール構造では、圧力容器本体101のフランジ部101aと蓋体102との間に粘着性を有するシール部材104が、開口部101bを囲むように配置されており、フランジ部101aと蓋体102の、シール部材104より外周側の部分が締結部材105で締め付けられて固定されている。
さらに、この圧力容器のシール構造では、締結部材105とシール部材104との間に、シール部材104に沿ってバックアップ用のワイヤ106が配置されている。これにより、締結部材105でフランジ部101aと蓋体102とを締め付けたときに、フランジ部101aと蓋体102とがワイヤ106と接触することで、ワイヤの径に従って締め付けが一定に制限されるので、シール部材104の潰れ方(圧縮)を均一にして、シール構造の信頼性を高めることができる。
しかしながら、シール部材104と締結部材105間の全周にわたって、可撓性のある金属材料から成るワイヤ106を適切に配置することは困難である。また、締結部材105を強く締め付けた場合、ワイヤ106が支点となって、蓋体102のワイヤ106より内周側が開く方向に力が加わり、結果としてシール部材104を十分に圧縮することができず、シール構造の信頼性を損なう虞がある。
このシール構造を分割型のポンプケーシングの合わせ面のフランジに用いた場合も同様に、フランジ部の締結部材とは反対側、つまりフランジ部の内周側が開く方向に力が加わるので、フランジ部が変形してシール部材を充分に圧縮することができず、シール機能を損なう虞がある。また、フランジの締結時にトルク管理を行っても、ポンプケーシングの形状やフランジの形状等により、締め付けの偏り、即ち偏締めが生じる虞がある。その結
果、ケーシング、駆動軸、及び軸受等の同軸度の調整にまで影響が及ぶこととなる。
実開昭63−190664号公報
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シール溝の加工や、フランジ面形状に合わせたガスケットの加工など、特別な加工を行わない簡単な構造のシール構造に関して、(a)均等な面圧をシール部材に加えることができ、(b)ポンプケーシングの場合は、軸受ハウジングの同心度の管理が正確かつ容易になり、(c)どのような形状のシール面、フランジ面であっても、一定の厚みを保ってシールすることができ、(d)シール部材の位置決めが容易で作業性を向上することができ、結果として信頼性の高いシールを行うことができる容器のシール構造、容器、及びポンプのケーシング構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るシール構造は、互いに略平行に相対する第一の面と第二の面との間に形成される空間をシールするシール構造であって、前記第一の面と前記第二の面との間に配置され、前記空間をシールするシール部材と、前記第一の面と前記第二の面との間であって、前記シール部材よりも前記空間から遠い位置に配置され、前記第一の面と前記第二の面との間隔を保つクリアランス部材と、前記第一の面と前記第二の面に設けられた締結孔に挿通され、前記第一の面と前記第二の面とを締結する締結部材と、を備え、前記クリアランス部材は前記締結孔に挿通された締結部材の周囲に配置され、前記シール部材と前記クリアランス部材は、互いに独立した部材であり、前記クリアランス部材は、前記シール部材より圧縮強度が高い。
本発明の別の形態に係るシール構造は、前記シール部材と前記クリアランス部材とが、互いに接触せずに配置される。
本発明の別の形態に係るシール構造は、前記シール部材が、粘着性又は接着性を有する。
本発明の別の形態に係るシール構造は、前記シール部材が、ポリテトラフルオロエチレン系材料からなる。
本発明の別の形態に係るシール構造は、前記クリアランス部材が、プレスボードである。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る容器は、上記シール構造を備える。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るポンプのケーシング構造は、第一のフランジを有する第一のケーシングと、第二のフランジを有する第二のケーシングと、前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間に配置され、前記第一のケーシングと前記第二のケーシングの間に形成される空間をシールするシール部材と、前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間であって、前記シール部材よりも前記空間から遠い位置に配置され、前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間隔を保つクリアランス部材と、前記第一のフランジと前記第二のフランジに設けられた締結孔に挿通され、前記第一のフランジと前記第二のフランジとを締結する締結部材と、を備え、前記クリアランス部材は前
記締結孔に挿通された締結部材の周囲に配置され、前記シール部材と前記クリアランス部材は、互いに独立した部材であり、前記クリアランス部材は、前記シール部材より圧縮強度が高い。
本発明の別の形態に係るポンプのケーシング構造は、前記シール部材と前記クリアランス部材とが、互いに接触せずに配置される。
本発明の別の形態に係るポンプのケーシング構造は、前記シール部材が、粘着性又は接着性を有する。
本発明の別の形態に係るポンプのケーシング構造は、前記シール部材が、ポリテトラフルオロエチレン系材料からなる。
本発明の別の形態に係るポンプのケーシング構造は、前記クリアランス部材が、プレスボードである。
本発明によれば、シール溝の加工や、フランジ面形状に合わせたガスケットの加工など、特別な加工を行わない簡単な構造のシール構造に関して、信頼性の高いシールを行うことができるシール構造、容器、及びポンプのケーシング構造を提供することができる。
すなわち、
(a)クリアランス部材が第一の面と第二の面の締結孔に挿通された締結部材の周囲に配置されるので、隙間寸法の管理がされるとともに、均等な面圧をシール部材に加えることができるため、信頼性の高いシールがなされる。
(b)ポンプケーシングの場合は、前述の効果に加え、ケーシングが備える軸受ハウジングの同心度を管理することができる。その結果、主軸の芯出し作業が容易になり、また、羽根車の隙間を規定値範囲内に確保することができる。
(c)シール部材とクリアランス部材が互いに独立しているので、どのような形状のシール面であっても、一定の厚みを保ってシールする構造を実現することができる。
(d)シール部材が、粘着性又は接着性を有するので、シール部材が位置決めされた状態を維持して脱落しない。従って、作業性を向上することができる。
本実施形態に係るシール構造を有する容器の概略断面図である。 本実施形態に係る容器の部分Aの拡大断面図である。 本実施形態に係る容器の矢視X−Xにおける拡大図である。 本実施形態に係る横軸ポンプの概略縦断面図である。 本実施形態に係る横軸ポンプのケーシングの矢視Y−Yにおける概略横断面図である。 本実施形態に係る横軸ポンプのケーシングの部分Bの拡大図である。 本実施形態に係る横軸ポンプの下部ケーシングの矢視Zにおける部分正面図である。 本実施形態に係る横軸ポンプの下部フランジの一端の部分Cの拡大正面図である。 本実施形態に係る横軸ポンプの下部フランジの他端の部分Dの拡大正面図である。 本実施形態に係る横軸ポンプの下部フランジの接合部の部分Eの拡大正面図である。 従来のシール構造を備えた圧力容器の断面図である。
以下、本願発明の実施形態に係るシール構造、容器、及びポンプのケーシング構造を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るシール構造を有する容器の概略断面図である。この容器は、たとえば液体や気体を一定の圧力で密閉するために用いられる。図示のように、この容器は、開口部1bを有する容器本体1と、この容器本体1の開口部1bを閉止するための蓋体2と、容器本体1と蓋体2とを締結する締結部材5と、を有する。容器本体1は、開口部1bからその外側に延在するフランジ部1aを有する。
また、この容器は、容器本体1の内面(第一の面)、即ち開口部1bの内面及びフランジ部1aの内面と、蓋体2の内面(第二の面)との間に形成される空間をシールするためのジョイントシート4(シール部材)を備えている。容器本体1及び蓋体2は、鋳鉄や鋼板等から成る金属製箱体である。
図2は、図1に示した容器の部分Aの拡大断面図であり、図3は図1に示した容器の矢視X−Xにおける拡大図である。
図2に示すように、フランジ部1aの内面であるシール当接面3aと、蓋体2の内面であるシール当接面3bとの間には、ジョイントシート4が配置されている。なお、シール当接面3aとシール当接面3bとは互いに略平行に相対しており、ジョイントシート4のための溝の加工や、フランジ面形状に合わせたガスケットの加工など、特別な加工はなされていない。
締結部材5は、ボルトとナットから構成されており、フランジ部1a及び蓋体2には、締結部材5のボルトが挿通される締結孔7が設けられている。この締結孔7に締結部材5のボルトを挿通してナットで締め付けることで、容器本体1の内面と蓋体2の内面とが、ジョイントシート4を挟んで締結され、容器が密閉される。締結部材5は、ジョイントシート4よりも密閉空間から遠い位置、即ち容器本体1の外周側に位置する。
また、シール当接面3aとシール当接面3bとの間には、シール当接面3a、シール当接面3b間の間隔を保つためのクリアランスシート6(クリアランス部材)が配置されている。
ジョイントシート4はクリアランスシート6よりも厚く、フランジ部1aと蓋体2とを締結させることで、クリアランスシート6と略同等の厚みまで圧縮される。また、ジョイントシート4は、シール当接面3a,3bと接触する少なくともいずれか一方の部分に粘着性又は接着性を有するように構成されている。
図3に示すように、ジョイントシート4はひも状であり、フランジ部1a上を、容器本体1の開口部1bに沿って配置されている。ジョイントシート4の断面形状は、たとえば円形、矩形等である。ジョイントシート4は、弾性材料からなり、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を延伸多孔質化し、緻密な繊維構造とした材料から成っている。ジョイントシート4は、クリアランスシート6よりも剛性が低く、柔軟性があり、フランジ1aや蓋体2の金属表面であるシール当接面3a及びシール当接面3bとの親和性が高く、馴染みやすい。ジョイントシート4がPTFEから成る場合は、上記柔軟性、親和性に加えて、耐熱性及び耐薬品性にも優れたシール性能を備えることができる。
ジョイントシート4とクリアランスシート6は、互いに独立した部材である。このため、クリアランスシート6とジョイントシート4とは、独立して配置可能であり、互いに接触しないように配置されている。また、クリアランスシート6は、締結部材5のボルトがその略中央に連通するように孔が形成されており、円筒形状(ドーナツ形状)を成している。従って、締結部材5のボルトが締結孔7に挿通されたとき、クリアランスシート6は締結部材5のボルトの周囲に配置される。クリアランスシート6は、ジョイントシート4
よりも開口部1bから遠い側、即ちフランジ1a上の外周側に、ジョイントシート4に沿って複数配置されている。
クリアランスシート6は、ジョイントシート4より圧縮強度及び剛性が高く、変形しにくい材料から成っている。すなわち、クリアランスシート6の材質は、ジョイントシート4より高密度,均一厚さ,円筒断面の表面平滑性,高圧縮強度を備える材料であればよく、好ましくはJIS C 2305:2010で定められたプレスボードや、JIS F0602、JIS F 7102で定められた非石綿ジョイントシートガスケット等が用いられる。
このようなクリアランスシート6とジョイントシート4の組み合わせを用いることで、容器本体1のフランジ部1aと、蓋体2とのシール当接面3a、3bを締結部材5の締結力を、ジョイントシート4が締結力により圧縮変形し、クリアランスシート6は締結力による変形や破断が生じない範囲で締め付けることで、シール当接面3aと3bのシールを確実に行うことができるとともに、シール当接面3aと3bの間隔(隙間寸法)が確実にクリアランスシート6の厚み分だけ確保される。プレスボードは加工性がすぐれているので、プレスボードをクリアランスシート6として用いることで、シール当接面3aと3bの間隔や締結部材5のサイズに応じて、厚さや形状などを適宜加工することができる。
以上で説明したように、本実施形態に係るシール構造及び容器は、ジョイントシート4とクリアランスシート6を用いるので、締結部材5によりフランジ部1aと蓋体2とが締め付けられることで、シール当接面3a、3bによりジョイントシート4が圧縮されて偏平状となり、シール当接面3a、3bに密着して容器内の空間が完全にシールされる。
クリアランスシート6の剛性が、ジョイントシート4の剛性より高いので、ジョイントシート4はクリアランスシート6の厚みまでしか圧縮されない。クリアランスシート4は、均一な厚さ,平滑な表面を有するので、ジョイントシート4は均一に圧縮されるとともに、シール当接面3a、3b間の寸法を容易に管理することができる。
また、クリアランスシート6が締結部材5の周囲に設けられているので、締結部材5の過度な締め付けを防止して、均等な面圧をジョイントシート4に加えることができ、フランジ部分の変形や、蓋体2の内周側が開く方向に力が加わることを防止することができる。
さらに、ジョイントシート4とクリアランスシート6とが互いに独立した部材であるので、容器の構造の設計変更に対して、これらを独立して設計変更することができるから、ジョイントシート4とクリアランスシート6とが一体に形成されている場合に比べて、これらの材料管理を容易に行うことができ、その結果、どのような形状のシール面であっても一定の厚みを保ったシール構造を実現することができる。さらに、ジョイントシート4とクリアランスシート6とが互いに接触していないので、容器のシール時に互いに力を及ぼすことがなく、シール性に影響を及ぼすことがない。
ジョイントシート4は、粘着性又は接着性を有しているので、シール当接面3a,3bのいずれか一方に位置決めをするだけで、その位置がずれることなく、容器本体1の組立を容易に行うことができる。
なお、ジョイントシート4は、たとえば粘着剤、粘着テープ、接着剤又は接着テープをジョイントシート4に設けることで粘着性又は接着性をもたせるようにしてもよいし、ジョイントシート4の材質そのものを粘着性又は接着性を有するものとしてもよい。また、ジョイントシート4は、シール当接面3a,3bにジョイントシート4を配置したときに、ジョイントシート4の落下・ずれが生じない程度の粘着力又は接着力があればよい。
次に、本願発明に係るポンプのケーシング構造を説明する。
図4は、雨水、河川水、汚水などの排水ポンプ設備等に用いられる横軸ポンプの概略縦
断面図である。
図示のように横軸ポンプ40のケーシング70は、その内部に羽根車43等の水力部を有し、その一端には斜め下方に向かって開口する形状の吸込口71を有している。
羽根車43は、その中心部を主軸31が貫通している。主軸31の一端は羽根車43を貫通して、メタル軸受や無注水型などから成る水中軸受部32により軸支されている。主軸31の他端は、ケーシング70の外部へ通じ、主軸31を通じて羽根車43を回転させる電動機などの図示しない動力装置へ接続される。主軸31とケーシング70との間には軸封部34が設けられており、これにより横軸ポンプ40が扱う流体がケーシング70の外部に流出することが防止される。主軸31の他端は、軸封部34より外側(動力装置側)において、転がり軸受や玉軸受などから成る外軸受部35により軸支される。
ケーシング70は、主軸31を通る略水平面で、上部ケーシング72(第一のケーシング)と下部ケーシング73(第二のケーシング)とに分割可能に構成され、後述する図5に示すように、上部ケーシング72と下部ケーシング73とは、フランジを介して互いに締結されている。
図5は、図4に示した横軸ポンプ40のケーシング70の矢視Y−Yにおける概略横断面図であり、図6は図5に示すケーシング70の部分Bの拡大図である。
図5に示すように、横軸ポンプ40のケーシング70は、その断面中心を通る略水平面で、上部ケーシング72と下部ケーシング73とに分割可能に構成されている。上部ケーシング72の下面外周には上部フランジ72a(第一のフランジ)が形成され、下部ケーシング73の上面外周には下部フランジ73a(第二のフランジ)が形成されている。
図6に示すように、このポンプのケーシング70は、上部フランジ72aと下部フランジ73aとを締結する締結部材5を有する。また、上部フランジ72aの締結面と下部フランジ73bの締結面との間には、上部ケーシング72と下部ケーシング73との間に形成される空間をシールするための、図2において説明したものと同一のジョイントシート4を備えている。
上部フランジ72a及び下部フランジ73aには、締結部材5のボルトが挿通される締結孔7が設けられている。この締結孔7に締結部材5のボルトを挿通してナットで締め付けることで、上部フランジ72aの締結面と下部フランジ73aの締結面とがジョイントシート4を挟んで締結され、ケーシング70が密閉される。締結部材5は、ジョイントシート4よりも上記シールされた空間から遠い位置、即ち上部フランジ72a及び下部フランジ73aの外周側に位置する。
また、上部フランジ72aの締結面と下部フランジ73aの締結面との間には、上部フランジ72aの締結面と下部フランジ73aの締結面との間隔を保つための、図2において説明したものと同一のクリアランスシート6が配置されている。このクリアランスシート6の厚みを管理することで、ジョイントシート4による確実なシール性を確保しつつ、上部フランジ72aと下部フランジ73aの締結面間の寸法管理を行うことができる。
横軸ポンプ40が、上部ケーシング72と下部ケーシング73とに分割して構成されているので、横軸ポンプ40の内部点検や、故障による内部修理を行うときは、上部ケーシング72を取り外すことで点検・修理をすることができ、点検・修理を効率良く容易に行うことができる。また、点検・修理を行うときは、上部ケーシング72のみを吊り上げて取り外すことができるので、作業の安全性が向上し、吊り上げに必要な揚重機を小型のものを採用することができる。
図7は、図5に示した横軸ポンプ40のケーシング70において、上部ケーシング72を下部ケーシング73から取り外したときの矢視Zにおける下部ケーシング73の部分正面図であり、図8は下部フランジ73aの一端の部分Cの拡大正面図を、図9は下部フランジ73aの他端の部分Dの拡大正面図を、図10は下部フランジ73aの接合部80の部分Eの拡大正面図を、それぞれ示している。
図7に示すように、下部ケーシング73は、接合部80により主軸31(図4参照)の軸方向に分割可能に構成されており、下部フランジ73aは横軸ポンプ40の外形に沿って湾曲して形成されている。ジョイントシート4は、下部フランジ73aの一端から他端まで、下部ケーシング73の内面と下部フランジ73aの面とが交差することにより現れる稜線100に沿って配置されている。ジョイントシート4の外周側には、クリアランスシート6が、締結孔7の位置に合わせて複数配置されている。
図8及び図9に示すように、下部フランジ73aの一端部と他端部では、ジョイントシート4が板状に形成された板状部4aが設けられており、両端部のシール性を確保している。
また、図10に示すように、下部ケーシングの接合部80では、端部と同様にジョイントシート4が板状に形成された板状部4aが設けられており、接合部のシール性を確保している。
次に、本横軸ポンプ40の組立手順を説明する。
まず、下部ケーシング73に対して、図4に示した水中軸受け部32の装着部分の高さ及び水平度の調整を行う。続いて、図7ないし図10に示したように、下部フランジ73a上に、ジョイントシート4とクリアランスシート6を配置する。なお、ジョイントシート4の位置は、締結孔7の位置よりケーシング70の空間側であればどこであってもよいが、ケーシング70の内周面からの距離、締結孔7の中心からの距離を予め定めておくことが好ましい。
ジョイントシート4とクリアランスシート6とが配置された下部ケーシング73に対して、上部ケーシング72を締結孔7の位置を合わせつつ配置し、この締結孔7に締結部材5を挿通して締め付ける。
以上で説明したように、本横軸ポンプ40は、剛性の高いクリアランスシート6が接合面に配置されているので、締結部材5の過度の締め付けを防止することができる。また、クリアランスシート6は、均一な厚さ,平滑な表面を有するので、接合面間の間隔の寸法管理を、クリアランスシート6の厚みに基づいて容易に行うことができる。したがって、上部ケーシング72と下部ケーシング73との間に配置される水中軸受部32、軸封部34、及び外軸受部35間での同軸度を精度よく合わせることができる。その結果、ケーシング70と羽根車43との隙間寸法を規定値範囲内に容易に管理することができ、芯出し作業を容易に行うことができる。
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
1,101・・・容器本体、1a,101a・・・フランジ部、1b,101b・・・開口部、2,102・・・蓋体、3a,103a・・・シール当接面、3b,103b・・・シール当接面、4,104・・・ジョイントシート、5,105・・・締結部材、6,106・・・クリアランスシート、7・・・締結孔、31・・・主軸、32・・・水中軸
受部、34・・・軸封部、35・・・外軸受部、40・・・横軸ポンプ、43・・・羽根車、70・・・ケーシング、71・・・吸込口、72・・・上部ケーシング、72a・・・上部フランジ、73・・・下部ケーシング、73a・・・下部フランジ、80・・・接合部。

Claims (11)

  1. 第一の面と第二の面との間に形成される空間をシールするシール構造であって、
    前記第一の面と前記第二の面との間に配置され、前記空間をシールするシール部材と、
    前記第一の面と前記第二の面との間であって、前記シール部材よりも前記空間から遠い位置に配置され、前記第一の面と前記第二の面との間隔を保つクリアランス部材と、
    前記第一の面と前記第二の面に設けられた締結孔に挿通され、前記第一の面と前記第二の面とを締結する締結部材と、を備え、
    前記クリアランス部材は前記締結孔に挿通された締結部材の周囲に配置され、
    前記シール部材と前記クリアランス部材は、互いに独立した部材であり、
    前記クリアランス部材は、前記シール部材より圧縮強度が高い、シール構造。
  2. 前記シール部材と前記クリアランス部材とは、互いに接触せずに配置される、請求項1に記載されたシール構造。
  3. 前記シール部材は、粘着性又は接着性を有する請求項1又は2に記載されたシール構造。
  4. 前記シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン系材料からなる、請求項1ないし3のいずれか一項に記載されたシール構造。
  5. 前記クリアランス部材は、プレスボードである、請求項1ないし4のいずれか一項に記載されたシール構造。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載されたシール構造を備えた容器。
  7. 第一のフランジを有する第一のケーシングと、
    第二のフランジを有する第二のケーシングと、
    前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間に配置され、前記第一のケーシングと前記第二のケーシングの間に形成される空間をシールするシール部材と、
    前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間であって、前記シール部材よりも前記空間から遠い位置に配置され、前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間隔を保つクリアランス部材と、
    前記第一のフランジと前記第二のフランジに設けられた締結孔に挿通され、前記第一のフランジと前記第二のフランジとを締結する締結部材と、を備え、
    前記クリアランス部材は前記締結孔に挿通された締結部材の周囲に配置され、
    前記シール部材と前記クリアランス部材は、互いに独立した部材であり、
    前記クリアランス部材は、前記シール部材より圧縮強度が高い、ポンプのケーシング構造。
  8. 前記シール部材と前記クリアランス部材とは、互いに接触せずに配置される、請求項7に記載されたポンプのケーシング構造。
  9. 前記シール部材は、粘着性又は接着性を有する、請求項7又は8に記載されたポンプのケーシング構造。
  10. 前記シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン系材料からなる、請求項7ないし9のいずれか一項に記載されたポンプのケーシング構造。
  11. 前記クリアランス部材は、プレスボードである、請求項7ないし10のいずれか一項に
    記載されたポンプのケーシング構造。
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