JP2017171250A - 列車通過判定システム、列車通過判定方法、及び列車通過判定プログラム - Google Patents

列車通過判定システム、列車通過判定方法、及び列車通過判定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定できる列車通過判定システム、列車通過判定方法、及び列車通過判定プログラムを提供するものである。【解決手段】複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方の高架橋の裏側にそれぞれ設置されて各レール上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計A・Bと、これら振動計A・Bで検出された各振動値を時間毎に取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル又は振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出手段10と、該振動成分抽出手段10で得た各レールでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定手段11と、を具備することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、複線高架区間における列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定できる列車通過判定システム、列車通過判定方法、及び列車通過判定プログラムに関する。
複線の高架区間においては、ある定点を列車が通過したか否かを判定する技術として、例えば、特許文献1に示される通過タイミング判定システムが知られている。
特許文献1に示される通過タイミング判定システムは、複線高架区間の下り線のレール下方でかつ高架の裏側に設置された加速度ピックアップセンサと、列車が下り線を通過する際のセンサ設置位置における高架の振動加速度を測定する振動抽出手段と、を有する構成である。
そして、このような通過タイミング判定システムでは、加速度ピックアップセンサが、線路構造物の加速度を測定可能な位置にあれば良いために、線路内に設置される必要がなく、保守作業の負担の増大を抑制できてメンテナンス性能の向上を図ることができる。
また、振動抽出手段にて車両の通過に伴う線路構造物の振動加速度を測定した後は、周波数範囲成分抽出手段にて、振動抽出手段で測定した振動加速度から、車両の走行速度と車両の所定箇所の寸法とに応じて設定された周波数範囲の周波数成分を抽出する。
その後、通過タイミング判定部にて、周波数範囲成分抽出手段で抽出した周波数成分に基づいて、車両の所定箇所が所定位置を通過するタイミングを判定する。
特開2014−237349号公報
上記特許文献1に示された通過タイミング判定システムは、高架の裏側に加速度ピックアップセンサが設置される構成であり、これによって保守作業の負担の軽減を図り、かつメンテナンス性能がアップするものである。
そして、上記通過タイミング判定システムは、加速度ピックアップセンサでの検出値に基づき車両の通過タイミングのみを判定するものであり、複線高架区間では列車の通過以外にも、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)などがある。
このような列車の進行方向の判別及び交差(すれ違い)は、上述した加速度ピックアップセンサによる検出で可能であるものの、現実には車輪、レールなどに摩耗が発生して正確な判別が難しく、この点で改善が期待されていた。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定できる列車通過判定システム、列車通過判定方法、及び列車通過判定プログラムを提供するものである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の請求項1に示される列車通過判定システムでは、複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方でかつ高架橋の裏側にそれぞれ設置されて各レール上を通過した列車の振動を検出する少なくとも2組の振動計と、これら振動計で検出された各振動値を取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出手段と、該振動成分抽出手段で得たレール下方の高架橋での加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方でかつ高架橋の裏側にそれぞれ設置された少なくとも2組の振動計からの検出値に基づき、各レール上を通過した列車の振動値を検出することができる。
その後、振動成分抽出手段にて、これら振動計で検出された各振動値を取り込み、該振動値から車両の台車通過に係る加速度成分(振動加速度レベル、振動加速度)を抽出した後、運行判定手段にて、振動成分抽出手段で得たレール下方の高架橋での加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する。
すなわち、本発明の列車通過判定システムでは、複線高架区間の上り線及び下り線にそれぞれ設けられた2組の振動計からの検出値に基づき、各レールを通過する列車の運行状況をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
従って、上記列車通過判定システムでは、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定することができ、車輪又はレールなどに発生する摩耗の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握が可能となる。
また、本発明の列車通過判定システムでは、少なくとも2組の振動計を、複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方でかつ高架橋の裏側にそれぞれ設置した構成であるので、メンテナンスに係る保守作業の負担の増大を抑制することができ、保守管理のコストダウンに貢献することができる。
また、本発明の列車通過判定システムでは、前記振動成分抽出手段にて、前記各振動計から車両の台車通過に係る振動加速度レベルを示す波形を検出し、前記運行判定手段にて、前記振動加速度レベルを示す波形の大きさから前記レールにおける列車の進行方向を判定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、振動成分抽出手段にて各振動計から車両の台車通過に係る振動加速度レベルを示す波形をそれぞれ検出した後、運行判定手段にてこれら振動加速度レベルを示す波形の大きさから各レールにおける列車の進行方向を判定することができる。
すなわち、本発明の列車通過判定システムでは、複線高架区間の上り線及び下り線にそれぞれ設けられた2組の振動計の検出値から得た振動加速度レベルに基づき、各レールを通過する列車の進行方向をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、又は不一致を見る)ことができる。
また、本発明の列車通過判定システムでは、前記振動成分抽出手段にて、前記振動計から車両の台車通過に係る振動加速度を示す波形を検出し、前記運行判定手段にて、前記振動成分抽出手段で抽出した各振動計における振動加速度の波形の乱れから列車の交差を判定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、振動成分抽出手段にて各振動計から車両の台車通過に係る振動加速度を示す波形を検出した後、運行判定手段にて振動成分抽出手段で抽出した各振動計における振動加速度の波形の乱れから列車の交差を判定することができる。
すなわち、本発明の列車通過判定システムでは、複線高架区間の上り線及び下り線にそれぞれ設けられた2組の振動計の検出値から得た振動加速度に基づき、各レールを通過する列車の交差をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
また、本発明の列車通過判定システムでは、前記運行判定手段にて、前記振動加速度の自己相関から前記各レールを通過する列車の速度を求め、該速度から車両数とともに列車の交差を判定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、振動成分抽出手段にて各振動計から車両の台車通過に係る振動値を測定した後、運行判定手段にて振動加速度の自己相関から各レールを通過する列車の速度を求め、該速度から車両数とともに列車の交差を判定することができる。
すなわち、本発明の列車通過判定システムでは、複線高架区間の上り線及び下り線にそれぞれ設けられた2組の振動計の検出値から得た振動値の自己相関に基づき、各レールを通過する列車の交差をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
また、本発明の列車通過判定システムでは、前記運行判定手段で得た各レールにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果の比較から、これら進行方向及び/又は交差の正確性を判定する比較判定手段がさらに設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、比較判定手段において、各レールを通過する列車の進行方向及び/又は交差状況を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
従って、上記列車通過判定システムでは、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定することができ、車輪又はレールなどに発生する摩耗の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握が可能となる。
また、本発明の列車通過判定方法では、複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方の高架橋の裏側に、各レール上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計を設置する振動計設置段階と、これら振動計で検出された各振動値を取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出段階と、該振動成分抽出段階で得た各レールでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定段階と、を具備することを特徴とする。
本発明の列車通過判定方法では、複線高架区間の上り線及び下り線にそれぞれ設けられた2組の振動計からの検出値に基づき、各レールを通過する列車の運行状況をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
従って、上記列車通過判定方法では、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定することができ、車輪又はレールなどに発生する摩耗の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握が可能となる。
また、本発明の列車通過判定プログラムでは、複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方の高架橋の裏側にそれぞれ設置されて各レール上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計から各振動値を取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出工程と、該振動成分抽出工程で得た各レールでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の列車通過判定列車通過判定プログラムでは、本発明の列車通過判定プログラムでは、複線高架区間の上り線及び下り線にそれぞれ設けられた2組の振動計からの検出値に基づき、各レールを通過する列車の運行状況をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
従って、上記列車通過判定プログラムでは、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定することができ、車輪又はレールなどに発生する摩耗の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握が可能となる。
本発明では、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定することができ、車輪又はレールなどに発生する摩耗の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握が可能となる。
また、本発明では、少なくとも2組の振動計を、複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方でかつ高架橋の裏側にそれぞれ設置する構成であるので、メンテナンスに係る保守作業の負担の増大を抑制することができ、保守管理のコストダウンに貢献することができる。
本発明の実施形態における振動計の設置例を示す説明図である。 本発明の実施形態として示した列車通過判定システムのブロック図である。 振動計で得た振動値から抽出した振動加速度レベル(dB)を示す波形図であって、(A)は振動計Aから抽出した波形、(B)は振動計Bから抽出した波形である。 振動計で得た振動値から抽出した振動加速度(m/s)を示す波形である。 図4で示す振動加速度の波形に対応した列車走行図である。
本発明に係る列車通過判定システム100の実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1は複線高架橋1に設置された2組の振動計A・Bの設置例を示す概略構成図である。
同図において、一方の振動計Aは、上り線MAのレールRaの下方でかつ複線高架橋1の裏側に設置されて該複線高架橋1を通過した列車の振動値を検出する。また、他方の振動計Bは、下り線MBのレールRbの下方でかつ複線高架橋1の裏側に設置されて該複線高架橋1を通過した列車の振動値を検出する。
ここで、振動計A・Bは、レールRa及びRbの長さ方向に対して同位置に設けられている。
また、振動計A・Bは、複線高架橋1の振動値を測定可能な位置にあればよく、線路内に設置する必要はない。この点において、列車通過判定システム100はメンテナンス性がよりよく、保守作業の負担の増大を抑制することができる。
図2は、上記振動計A・Bを含む列車通過判定システム100を示すブロック図であって、振動成分抽出手段10と、運行判定手段11と、比較判定手段12とともに表示手段13を有している。
なお、列車通過判定システム100の中で、振動成分抽出手段10、運行判定手段11、比較判定手段12、表示手段13は列車の運行管理を行うための管理室等に設置されている。
振動成分抽出手段10は、振動計A・Bで検出された各振動値を時間毎に取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出するものである。
運行判定手段11は、該振動成分抽出手段10で得た各レールRa・Rbでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差を判定するものである。
具体的には、この振動成分抽出手段10においては、振動計A・Bで検出された時間(s)に対応した振動値から、図3(A)(B)に示されるような振動加速度レベル(dB)、図4に示されるような振動加速度(m/s)を示す波形を抽出する。
このとき、図3に示されるように、上り線MAを上り列車が通過した場合に、振動計Aの振動加速度レベル(符号a1で示す)が、振動計Bの振動加速度レベル(符号a2で示す)よりも大きくなるという関係を有し、運行判定手段11において、これら振動加速度レベル(a1、a2)の相違を見ることで、上り線MAを列車が通過したか、下り線MBを列車が通過したかを判定する。
また、下り線MBを下り列車が通過した場合に、振動計Bの振動加速度レベル(符号b2で示す)が、振動計Aの振動加速度レベル(符号b1で示す)よりも大きくなるという関係を有し、運行判定手段11において、これら振動加速度レベル(b1、b2)の相違を見ることで、上り線MAを列車が通過したか、下り線MBを列車が通過したかを判定する。
また、振動成分抽出手段10及び運行判定手段11においては、図4に示されるような振動加速度(m/s)から上り線MA及び下り線MBにおける列車交差(すれ違い)を検出することができる。
例えば、図4に示される振動計Aにおける振動加速度の波形は、例えば図5に示されるように、上り線MAの振動計A上を長大編成の列車2が通過している最中に、下り線MBを、短編成の列車3が通過したことを想定している。
このとき、図4に示される振動加速度の波形は、当初、上り線MAの列車2の台車が通過していることをp1〜p9のピークを呈しているが、下り線MB上の列車3の交差が始まった場合には、p10〜p25で示されるようにピークの大きさに乱れが生じる。その後、下り線MB上の列車3が通過した場合には、p26〜p36で示されるように上り線MAの列車2のみの通過となり、ピークの乱れは解消される。すなわち、運行判定手段11において、p10〜p25で示されるようなピークの乱れを見ることにより、振動計A・Bでの列車交差(すれ違い)を検出できることができる。
さらに、このとき、図4に示される振動加速度の波形のピークから、上り線MA又は下り線MBを通過する列車2,3の車両数(台車数÷2)を求め、ここで求めた車両数が、振動加速度の自己相関に基づく列車速度から得た車両数、又は時刻表に基づく車両数(基準データ)と異なる場合に、列車交差が生じたと判定しても良い。
例えば、この時間、時刻表上で上り線MAを通過する列車は15両編成(台車数は30)であるにも関わらず、振動計Aでの計測値に基づき運行判定手段11にて31以上のピークが検出された場合には、下り線MBを走行する列車による交差が生じていると判定することができる。
なお、ここで振動成分抽出手段10では、振動計A・Bの検出値から抽出された振動加速度よりノイズに埋もれた周期的信号を取り出す手法(例えば、特開2014−237349号公報に示される手法)を利用して、図4に示される振動加速度の波形を得るものである。
また、上述した振動成分抽出手段10及び運行判定手段11における、列車の進行方向及び交差等の運行状況の判定は、振動計A・B毎に行われた後で、その判定結果が比較判定手段12及び表示手段20に供給される。
この比較判定手段12では、運行判定手段11で得た各レールRa・Rbにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果の比較から、これら進行方向及び/又は交差の正確性を判定する。
すなわち、この比較判定手段12では、運行判定手段11で得た各レールRa・Rbにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果が一致していることを確認した上で、当該判定結果を表示手段20に供給する。
そして、この表示手段20では、振動計A・B毎に行われた運行判定手段11の判定結果、及び比較判定手段12で行われた判定結果が表示される。ここで、この表示手段20では、比較判定手段12にて各レールRa・Rbにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果が不一致と判定した場合にはその旨を表示するようにする。
以上詳細に説明したように本実施形態に示される列車通過判定システム100によれば、複線高架区間の上り線MA及び下り線MBにおける各レールRa・Rbの下方で、かつ高架橋1の裏側にそれぞれ設置された少なくとも2組の振動計A・Bからの検出値に基づき、各レールRa・Rb上を通過した列車の振動値を検出することができる。
その後、振動成分抽出手段10にて、これら振動計A・Bで検出された各振動値を時間毎に取り込み、該振動値から車両の台車通過に係る加速度成分(振動加速度レベル、振動加速度)を抽出した後、運行判定手段11にて、振動成分抽出手段10で得た各レールRa・Rbでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する。
すなわち、本実施形態に示される列車通過判定システム100によれば、複線高架区間の上り線MA及び下り線MBにそれぞれ設けられた2組の振動計A・Bからの検出値に基づき、各レールRa・Rbを通過する列車の運行状況をそれぞれ検出し、かつこれらの検出結果を互いに比較する(例えば、各レールRa・Rbにおける判定結果の一致、不一致を見る)ことができる。
従って、上記列車通過判定システム100では、複線高架区間における列車の通過とともに、列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定することができ、車輪又はレールRa・Rbなどに発生する摩耗の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握が可能となる。
また、上記列車通過判定システム100では、少なくとも2組の振動計A・Bを、複線高架区間の上り線MA及び下り線MBにおける各レールRa・Rbの下方位置でかつ高架橋1の裏側にそれぞれ設置した構成であるので、メンテナンスに係る保守作業の負担の増大を抑制することができ、保守管理のコストダウンに貢献することができる。
また、上記列車通過判定システム100では、運行判定手段11で得た各レールRa・Rbにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果の比較から、これら進行方向及び/又は交差の正確性を判定する比較判定手段12がさらに設けられている。
そして、この比較判定手段12において、運行判定手段11で得た各レールRa・Rbにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果が一致しているか、不一致であるかを比較判定することができるので、該運行判定手段11での判定結果を再検証することができ、その結果、車輪又はレールRa・Rbなどに発生する摩耗による判定誤差の影響を最小限に抑えつつ、精度の高い列車運行状況の把握を可能とするものである。
なお、上記実施形態に示される列車通過判定システム100は、以下に示される列車通過判定方法が適用されている。
すなわち、本実施形態の列車通過判定システム100は、複線高架区間の上り線MA及び下り線MBの各レールRa・Rb下方でかつ高架橋1の裏側に、各レールRa・Rb上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計A・Bを設置する振動計設置段階と、これら振動計A・Bで検出された各振動値を時間毎に取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出段階と、該振動成分抽出段階で得た各レールRa・Rbでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定段階と、からなる列車通過判定方法が適用されている。
また、上記実施形態に示される列車通過判定システム100は、以下に示される列車通過判定プログラムが適用されている。
すなわち、本実施形態の列車通過判定システム100は、複線高架区間の上り線MA及び下り線MBの各レールRa・Rb下方でかつ高架橋1の裏側にそれぞれ設置されて各レールRa・Rb上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計A・Bから各振動値を時間毎に取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出工程と、該振動成分抽出工程で得た各レールRa・Rbでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定工程と、からなる列車通過判定プログラムが適用されている。
また、上記実施形態では、各レールRa・Rbの長さ方向、同一箇所にそれぞれ1つ、合計2箇所の振動計A・Bを設置したが、これに限定されずに、各レールRa・Rbに2つ以上の振動計A・Bを設置してシステムの信頼性を高めるようにしても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、複線高架区間における列車の進行方向の判別と、列車交差(すれ違い)を正確に判定できる列車通過判定システム、列車通過判定方法、及び列車通過判定プログラムに関する。
1 複線高架橋
10 振動成分抽出手段
11 運行判定手段
12 比較判定手段
100 列車通過判定システム
A 振動計
B 振動計
MA 上り線
MB 下り線
Ra レール
Rb レール

Claims (7)

  1. 複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方でかつ高架橋の裏側にそれぞれ設置されて各レール上を通過した列車の振動を検出する少なくとも2組の振動計と、
    これら振動計で検出された各振動値を取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出手段と、
    該振動成分抽出手段で得たレール下方の高架橋での加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定手段と、を具備することを特徴とする列車通過判定システム。
  2. 前記振動成分抽出手段では、前記各振動計から車両の台車通過に係る振動加速度レベルを示す波形を検出し、
    前記運行判定手段では、前記振動加速度レベルを示す波形の大きさから前記レールにおける列車の進行方向を判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の列車通過判定システム。
  3. 前記振動成分抽出手段では、前記振動計から車両の台車通過に係る振動加速度を示す波形を検出し、
    前記運行判定手段では、前記振動成分抽出手段で抽出した各振動計における振動加速度の波形の乱れから列車の交差を判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の列車通過判定システム。
  4. 前記運行判定手段では、前記振動加速度の自己相関から前記各レールを通過する列車の速度を求め、該速度から車両数とともに列車の交差を判定する、ことを特徴とする請求項3に記載の列車通過判定システム。
  5. 前記運行判定手段で得た各レールにおける列車の進行方向及び/又は交差を示す判定結果の比較から、これら進行方向及び/又は交差の正確性を判定する比較判定手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の列車通過判定システム。
  6. 複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方の高架橋の裏側に、各レール上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計を設置する振動計設置段階と、
    これら振動計で検出された各振動値を取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出段階と、
    該振動成分抽出段階で得た各レールでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定段階と、を具備することを特徴とする列車通過判定方法。
  7. 複線高架区間の上り線及び下り線の各レール下方の高架橋の裏側にそれぞれ設置されて各レール上を通過した列車の振動値を検出する少なくとも2組の振動計から各振動値を取り込むとともに、該振動値から車両の台車通過に係る振動加速度レベル、振動加速度等の加速度成分を抽出する振動成分抽出工程と、
    該振動成分抽出工程で得た各レールでの加速度成分の大きさから列車の通過とともに、該列車の進行方向及び交差等の運行状況を判定する運行判定工程と、を具備することを特徴とする列車通過判定プログラム。
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