本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
[スロットマシンの構成]
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。図1および図3に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bに液晶表示器51が設けられ、透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rが視認可能となる。図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
図1および図4に示すように、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rなどが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウェイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。さらに、前面扉1bには、報知手段の一例として、CZ当選やAT当選をLEDランプの点灯によって報知する当選報知LED70が設けられている。なお、CZ当選やAT当選については後述する。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成を示す図である。図4に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、およびコマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。遊技制御基板40は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を制御するメイン制御部41を備える。演出制御基板90は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を制御するサブ制御部91を備える。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いられたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
なお、「電源ON」+「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。さらに、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉1bが閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
なお、「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。さらに、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉1bが閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[入賞役,移行出目]
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。
BBは、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BBの払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払い出されることにより終了する。たとえば、BBに当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払い出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。「/」は、「または」を示している。たとえば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかが当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,RT2,RT3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
[遊技状態の遷移]
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態およびRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄参照)。
BBに当選したときには、RT4に制御される。BBに当選したときに設定される当選フラグは、BBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT1およびRT3中よりも高く、RT0およびRT2中よりも低い確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払い出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払い出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類ごとに定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
[抽選対象役]
図10および図11は、遊技状態ごとに抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類ごとに、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。なお、図10および図11に示す判定値数は、設定値1における判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT0〜RT3のいずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。また、チェリー(弱チェリー1,2,3、強チェリー、中段チェリー)やスイカ(弱スイカ1,2,3、強スイカ)はBBと同時当選する場合と、BBと同時当選せずに単独当選する場合とがある。なお、RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(同時当選役)の当選確率が他のRT中と同確率となる判定値数で内部抽選が行われる。
図11に示すように、特別リプレイは、RT2に制御されているときにのみ抽選対象役となるように定められている。また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(たとえば、64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングに関わらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順に関わらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
また、図10および図11においては、抽選対象役ごとに、メイン制御部41のRAMに記憶された設定値に応じて、判定値数、すなわち当選確率が変化するか否かが示されている。なお、設定値に応じて判定値数(当選確率)が変化することを設定差あり、設定値に応じて判定値数(当選確率)が変化しないことを設定差なしとも言う。さらに、図10および図11においては、抽選対象役ごとに、有利区間作動抽選が実行されるか否かが示されている。有利区間とは、後述するCZのようなAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など、遊技者にとっての有利度合いが高い状態にある区間を含む区間のことを言う。有利区間作動抽選とは、有利区間に移行するか否かを決定する抽選のことであり、たとえば、後述するCZ抽選およびAT抽選のことを指す。
図10および図11に示すように、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象になる抽選対象役は、必ず設定差がない。
たとえば、CZ抽選およびAT抽選のいずれの対象役にもなっていない弱チェリー3、弱スイカ3、およびベルなどは、設定差がある。なお、弱チェリー3、弱スイカ3、およびベルは、設定差がなくてもよい。一方、CZ抽選の抽選対象役である弱チェリー1、弱チェリー2、弱スイカ1、および弱スイカ2は、設定差がない。また、AT抽選の対象役である弱チェリー1、弱スイカ1、強チェリー、強スイカ、および中段チェリーは、設定差がない。
また、複数種類の抽選対象役のうち、AT中にナビ演出の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。一方、複数種類の抽選対象役のうち、AT中にナビ演出の対象となることで純増枚数を増やすための抽選対象役は、必ず設定差がない。
たとえば、AT中のナビ対象役ではないベルなどは、設定差がある。一方、AT中のナビ対象役である押し順ベル(左ベル1〜4,中ベル1〜4,右ベル1〜4)は、設定差がない。なお、押し順ベルは、有利区間作動抽選の対象になっていてもよい。
また、複数種類の抽選対象役のうち、遊技状態が遷移する契機となる出目が導出されない抽選対象役は、設定差があってもよい。一方、複数種類の抽選対象役のうち、遊技状態が遷移する契機となる出目が導出され得る抽選対象役は、必ず設定差がない。
たとえば、遊技状態が遷移する契機となる移行出目が導出されない弱チェリー3、弱スイカ3、およびベルなどは、設定差がある。一方、遊技状態が遷移する契機となる移行出目が導出され得る押し順ベルは、設定差がない。また、遊技状態が遷移する契機となる昇格リプレイや特殊リプレイが導出され得る押し順リプ(リプレイGR1〜GR6,リプレイGR11〜GR13,リプレイGR21〜GR23)は、設定差がない。
また、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、遊技状態(RT)の種類に応じて判定値数が変化してもよい。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象になる抽選対象役は、遊技状態(RT)の種類に応じて判定値数が必ず変化しない。
たとえば、CZ抽選およびAT抽選のいずれの対象役にもなっていない通常リプレイやベルリプレイなどは、遊技状態(RT)の種類に応じて判定値数が変化する。一方、CZ抽選の抽選対象役である弱チェリー1、弱チェリー2、弱スイカ1、および弱スイカ2は、遊技状態(RT)の種類に応じて判定値数が変化しない。また、AT抽選の対象役である弱チェリー1、弱スイカ1、強チェリー、強スイカ、および中段チェリーは、遊技状態(RT)の種類に応じて判定値数が変化しない。
また、一の遊技状態において所定の役が当選するための判定値数と、他の遊技状態において所定の役が当選するための判定値数との差分は、有利区間作動抽選における有利区間を付与するか否かの決定に用いられない。
たとえば、通常リプレイは有利区間作動抽選の対象役ではない。このため、RT0において通常リプレイが当選するための判定値数(10000)と、RT2において通常リプレイが当選するための判定値数(47854)との差分(37854)は、CZ抽選やAT抽選における当選するか否かの決定に用いられない。
たとえば、中段ベルは有利区間作動抽選の対象役ではない。このため、非BB中において中段ベルが当選するための合算判定値数(22360)と、BB中において中段ベル当選するための判定値数(64000)との差分(41640)は、CZ抽選やAT抽選における当選するか否かの決定に用いられない。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。たとえば、弱チェリー1は、下段チェリーを含み、弱チェリー2は、下段チェリーと1枚役2とを含み、弱チェリー3は、下段チェリーと1枚役1と1枚役2とを含む。また、弱スイカ1は、右下がりスイカと上段スイカと中段スイカとを含み、弱スイカ2は、右下がりスイカと上段スイカと中段スイカと1枚役2とを含み、弱スイカ3は、右下がりスイカと上段スイカと中段スイカと1枚役1と1枚役2とを含む。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役ごとに、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左第1停止以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
なお、リプレイGR1〜GR6、リプレイGR11〜GR13、およびリプレイGR21〜GR23は、遊技者によるストップスイッチの操作手順(押し順)に応じて入賞する再遊技役(リプレイ)が異なるため、押し順リプとも称する。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4は、遊技者によるストップスイッチの操作手順(押し順)に応じて入賞する小役(ベル)が異なるため、押し順ベルとも称する。
リプレイGR1〜6のいずれかに当選したときに昇格リプレイ1,2が入賞する押し順を正解手順とも称し、通常リプレイが入賞する押し順を不正解手順とも称する。リプレイGR11〜13のいずれかに当選したときに通常リプレイが入賞する押し順を正解手順とも称し、転落リプレイが入賞する押し順を不正解手順とも称する。リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに特殊リプレイが入賞する押し順を正解手順とも称し、通常リプレイが入賞する押し順を不正解手順とも称する。また、押し順ベルのいずれかに当選したときに中段ベルや右下がりベルが入賞する押し順を正解手順とも称し、上段ベルが入賞したり移行出目が導出したりする押し順を不正解手順とも称する。
なお、弱チェリー1、弱チェリー2、および弱チェリー3のいずれかに当選しているときには、下段チェリーを優先して入賞ラインLN上に引き込むリール制御が行われる。このため、入賞結果(導出された図柄組合せ)を手掛かりに、弱チェリー1、弱チェリー2、および弱チェリー3のいずれが当選しているのかを遊技者が認識できないようになっている。また、弱スイカ1、弱スイカ2、および弱スイカ3のいずれかに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカまたは上段スイカを優先して入賞ラインLN上に引き込むリール制御が行われる。このため、入賞結果(導出された図柄組合せ)を手掛かりに、弱スイカ1、弱スイカ2、および弱スイカ3のいずれが当選しているのかを遊技者が認識できないようになっている。
なお、本実施の形態においては、AT中に押し順ベルや押し順リプに当選したときに、正解手順を報知するナビ演出が実行される。このため、押し順ベルや押し順リプをナビ対象役とも称する。スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L,2C,2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。たとえば、乱数回路は、所定範囲(1〜65536)に属する判定値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が抽選対象役ごとに予め定められた所定範囲に属する判定値(たとえば、弱チェリー1の場合は1〜100)に該当すれば、該当した抽選対象役の当選を決定する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1,BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1,BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無に関わらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13,図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L,8C,8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払い出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1およびBB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8,図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御する権利となるATゲームの付与に関するAT抽選を実行する。具体的には、メイン制御部41は、ATゲームを付与するか否か、およびATゲームを付与する場合の付与数(ATゲーム数)をAT抽選で決定する。なお、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されることをAT当選とも称し、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されないことを非AT当選とも称する。AT当選したときには、たとえば、当選報知LED70が赤色で点灯することによってAT当選の可能性が示唆される。
さらに、本実施の形態において、メイン制御部41は、AT当選(すなわち、ATゲーム数の付与)に関する有利度合いが通常よりも高まる状態としてCZ(Chance Zone)に制御可能である。たとえば、CZ中においては非CZ中よりもAT当選する確率が高くなったり、AT当選したときに付与されるATゲーム数が多くなったりする。メイン制御部41は、CZに制御するための権利となるCZゲームを付与するか否かをCZ抽選で決定する。なお、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されることをCZ当選とも称し、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されないことを非CZ当選とも称する。CZ当選したときには、AT当選と同様に、たとえば、当選報知LED70が赤色で点灯することによってCZ当選の可能性が示唆される。
また、CZ1、CZ2、およびCZ3といった3種類のCZが設けられている。CZ1、CZ2、およびCZ3のいずれにおいても、AT当選(すなわち、ATゲーム数の付与)に関する有利度合いが通常よりも高まるが、そのうち、CZ2が最もAT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が高く、CZ3が最もAT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が低い(具体的には、CZ3は非CZ中とほぼ同じである)。また、CZ1は、CZ3よりもAT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が高い一方で、CZ2よりもAT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が低い。よって、CZ2は、CZ1やCZ3よりも遊技者にとっての有利度合いが高い。なお、CZ2のCZゲーム数は20ゲームであり、CZ1およびCZ3のCZゲーム数はともに10ゲームである。
また、メイン制御部41は、AT抽選でATゲームを付与すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。本実施の形態において、付与されたATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶される。
メイン制御部41は、AT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、メイン制御部41のRAMの所定領域にATフラグを設定(記憶)してATに制御する。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。具体的に、メイン制御部41は、AT抽選によって付与されたATゲーム数に亘ってATフラグを設定する。そして、メイン制御部41は、全てのATゲームを消化したときにATフラグをクリアする。このように、メイン制御部41は、付与されたATゲームを消化することによってATに制御する。なお、ATフラグは、ATゲーム数が0に達したときにクリアされるが、本実施の形態においては、後述するリミット処理が実行されたときにも、ATフラグがクリアされる。
なお、未だATゲームが付与されていない状態においてAT抽選でAT当選することをAT初当りとも称する。また、AT初当りを遊技者に報知することをAT初当り報知とも称する。さらに、ATゲームが付与されている状態においてさらにAT抽選でAT当選することをAT上乗せとも称する。なお、ATゲームが付与されている状態としては、付与されたATゲームを消化することなく所有している状態(たとえば、AT初当り後にAT初当り報知され、その後準備中に移行して演出状態がATに制御されるまでの状態)、あるいは付与されたATゲームに基づきATフラグを設定している状態などが挙げられる。
AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数に亘りAT中のRT2(AT+RT2)に制御可能となる。なお、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)とも称する。
[示唆ナビ]
CZ1、CZ2、およびCZ3のいずれに制御される場合でも、示唆ナビが実行される。示唆ナビは、特定の図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出であり、実行されることによってCZへの制御が示唆される。
たとえば、CZ当選した後、所定ゲーム数に亘り前兆期間に突入する。そして、前兆期間を経た後、所定ゲーム数に亘り示唆ナビ期間に突入する。示唆ナビ期間においては、押し順ベルに当選したゲームで示唆ナビが実行され、中段ベルや右下がりベルを入賞させるための正解手順が報知される。つまり、CZに制御される前においては、押し順ベル当選時に最も多くのメダルが払い出される役(本実施の形態においては、中段ベルや右下がりベル)を入賞させるための正解手順を報知する示唆ナビが少なくとも1回(本実施の形態においては、1回)実行される。
CZ1やCZ3に制御される場合、示唆ナビ期間中では1回まで示唆ナビが実行される。すなわち、示唆ナビ期間中に押し順ベルに当選した1ゲームに限り示唆ナビが実行される。一方、CZ2に制御される場合、示唆ナビ期間中では無制限に示唆ナビが実行される。すなわち、示唆ナビ期間中に押し順ベルに当選した全てのゲームにおいて示唆ナビが実行される。このように、CZ2に制御される場合においては、CZ1やCZ3に制御される場合に比べて示唆ナビの実行頻度が多いため、CZ2は、CZ1やCZ3よりも遊技者にとっての有利度合いが高くなっている。なお、後述するCZ3抽選の結果が非CZ当選であったときには、示唆ナビが1回に限り実行され得る。
また、本実施の形態においては、示唆ナビ期間のゲーム数が決まっているため、示唆ナビ期間中に1回も押し順ベルに当選しなかったときには当該示唆ナビ期間中に示唆ナビが実行されないこともある。なお、示唆ナビ期間のゲーム数は抽選によって決定されてもよい。また、示唆ナビ期間のゲーム数を無制限にして、示唆ナビが所定回数(たとえば、1回)実行されるまで(すなわち、CZへの制御が示唆されるまで)は示唆ナビ期間が継続されてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。RT3は再遊技役の当選確率が1/7.31となる遊技状態であり、設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においては、ナビ演出が実行されることがないため、押し順ベルに当選しても正解手順が分からず、タイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。このように、RT3は、再遊技役の当選確率が低く、さらに、ナビ演出が実行されないため、メダルの払出率は1未満となる。すなわち、RT3はいわゆる低確率状態である。なお、RT3において移行出目が導出されると、遊技状態がRT1に移行するため、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1は再遊技役の当選確率が1/7.31となる遊技状態である。RT1においては、AT抽選でAT当選したときにATゲームが付与される。しかし、ATゲームが付与されないと、ナビ演出が実行されないため、押し順ベルに当選しても正解手順が分からず、タイミングによっては移行出目が導出される。このように、RT1は、再遊技役の当選確率が低いため、メダルの払出率は1未満となる。すなわち、RT1はいわゆる低確率状態である。なお、RT1は、ナビ演出が実行されないことに起因してメダルの払出率が1を超えない遊技状態であってもよいし、ナビ演出が実行されるが、再遊技役の当選確率が低いことに起因してメダルの払出率が1を超えない遊技状態であってもよい。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行するが、昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1〜6のいずれかに当選しかつ昇格リプレイに入賞させるための操作手順(正解手順)で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で押し順ベルに当選しても正解手順が分からず、タイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうちいずれかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6のいずれかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順(正解手順)を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。
RT0でナビ演出が実行される場合、リプレイGR11〜13のいずれかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、押し順ベルに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順(正解手順)を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。このように、基本的には、AT中に限りRT0で遊技状態を維持することになり、AT中であれば押し順ベルに当選したときに中段ベルや右下がりベルを入賞させることができる。RT0はいわゆる中確率状態である。なお、RT0は、ナビ演出が実行されないことに起因してメダルの払出率が1を超えない遊技状態であってもよいし、ナビ演出が実行されるが、再遊技役の当選確率が低いことに起因してメダルの払出率が1を超えない遊技状態であってもよい。
RT2は再遊技役の当選確率が1/2となる遊技状態である。RT2においては、AT抽選でAT当選したときにATゲームが付与される。RT2でナビ演出が実行される場合、押し順ベルに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順(正解手順)を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。このように、基本的には、AT中に限りRT2で遊技状態を維持することになり、AT中であれば押し順ベルに当選したときに中段ベルや右下がりベルを入賞させることができる。さらに、前述したように、RT2における再遊技役の当選確率は1/2であるため、RT2におけるメダルの払出率は1を超える。すなわち、RT2はいわゆる高確率状態である。なお、ART中における1ゲーム当たりの純増枚数(1ゲームにおいて付与されたメダル枚数から1ゲームの賭数設定に用いたメダル枚数を減算した枚数)は約2枚である。なお、RT2は、ナビ演出が実行されることに起因してメダルの払出率が1を超える遊技状態であってもよいし、ナビ演出が実行されないが、再遊技役の当選確率が高いことに起因してメダルの払出率が1を超える遊技状態であってもよい。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATゲーム数は、AT中のRT2(ART)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからATゲーム数が消化される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BBに当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかに関わらず、BBに当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されてもよい。これにより、遊技者はBBに当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払い出されたときに終了して、RT3へ移行される。
[リミット処理]
本実施の形態において、メイン制御部41は、AT初当りしたときからの一連のAT中のゲーム数をカウントする。具体的に、メイン制御部41は、AT初当りしたゲームを1ゲーム目として、それ以降の毎ゲームをカウントして加算していく。カウントされたゲーム数(カウントゲーム数とも称する)はRAMの所定領域に格納されたクリアカウンタによってカウントされる。AT初当りによって付与されたATゲーム数、および当該ATゲーム数を消化している間に上乗せされたATゲーム数の全てを消化したときに、一連のATが終了する。すなわち、本実施の形態における一連のATとは、AT初当り時から、当該AT初当り後にATに制御され、全てのATゲーム数が消化されて当該ATが終了するまでの期間のことを言う。そして、本実施の形態においては、一連のATにおけるカウントゲーム数が1500ゲームに達すると、メイン制御部41によってリミット処理が実行される。リミット処理とは、ATゲーム数が残っていてもATを終了させる処理である。リミット処理が実行されると、ATが終了するため、その結果、ART(一連のAT)が終了する。
また、AT当選時に限らず、CZ当選時においてもカウントゲーム数のカウントが開始される。たとえば、CZ当選したゲームからカウントゲーム数がカウントされ、その後CZ中にAT当選したときには、そのままカウントゲーム数のカウントを継続する。そして、前述したように、一連のATが終了するまでカウントゲーム数がカウントされる。なお、CZ当選したゲームからカウントゲーム数がカウントされた場合であっても、CZ中にAT当選しなかった場合や、新たにCZ当選しなかった場合には、CZの終了とともにカウントゲーム数のカウントも終了する。このように、スロットマシン1においては、有利区間におけるゲーム数がクリアカウンタによってカウントされるようになっている。
ここで、ART中における1ゲーム当たりの純増枚数は約2枚である。このため、カウントゲーム数の制限回数となる1500ゲームは3000枚の純増枚数に相当する。このため、本実施の形態においては、AT初当りのゲームからARTに制御された場合、一連のATの全てがARTとなり、最大で1500ゲームに亘ってARTにおいて遊技することができる。そして、その場合に獲得できる純増枚数は最大で3000枚になる。遊技者に対して3000枚を超えるメダルが付与されてしまうと、遊技の射幸性が高まってしまうが、本実施の形態においては、リミット処理によって純増枚数が3000枚を超えることがないため、遊技の射幸性が高まることを抑えることができる。
また、メイン制御部41は、ゲーム数に加えて、AT初当りしたときからの一連のAT中の純増枚数をカウントする。具体的に、メイン制御部41は、AT初当りしたゲームにおける純増枚数を最初にカウントし、それ以降の毎ゲーム、純増枚数をカウントして加算していく。カウントされた純増枚数(カウント純増枚数とも称する)はRAMの所定領域に記憶される。なお、ほとんどの場合、カウント純増枚数が上限量となる3000枚に達する前にはカウントゲーム数が1500ゲームに達するが、カウントゲーム数が1500ゲームに達する前にカウント純増枚数が3000枚に達した場合は、メイン制御部41によってリミット処理が実行される。すなわち、メイン制御部41は、一連のAT中におけるカウントゲーム数が1500ゲームに達するか、あるいはカウント純増枚数が3000枚に達する場合に、リミット処理を実行する。なお、カウントゲーム数が1500ゲームに達するか、あるいはカウント純増枚数が3000枚に達する前であっても、付与されたATゲーム数が全て消化されると、ATが終了する。この場合、非AT中のRT2となり、ARTではなくなる。また、RT2で押し順ベルに当選したときにナビ演出に従わずにストップスイッチを操作したことにより移行出目が導出されたときにも、遊技状態がRT1に移行してARTが終了する。
ゲーム数および純増枚数のカウントは、リミット処理が実行されたときにリセット(RAMの記憶領域が初期化)される。また、ゲーム数および純増枚数のカウントは、設定変更されたときにもリセットされる。さらに、ゲーム数および純増枚数のカウントは、スロットマシン1への電力が遮断された後、午前3時を跨いで当該電力が再び供給されたときにもリセットされる。ここで、電断からの復帰が午前3を跨いだか否かを判断する理由は、遊技店の営業中に遊技者が遊技している最中に瞬断などによってゲーム数および純増枚数のカウントがリセットされてしまうと、また一からゲーム数および純増枚数をカウントすることになり、実質的に遊技者が3000枚以上のメダルを獲得するといった事態が生じ得るためである。そこで、確実に遊技店の営業時間外となる特定時刻(本実施の形態においては、午前3時)を跨いで電断から復帰したか否かが判断されるようになっている。
また、本実施の形態においては、カウントゲーム数およびカウント純増枚数がカウントされている期間中、スロットマシン1の試験用に用いられる試験用信号が外部出力基板1000から外部の試験装置に対して出力される。これにより、外部の試験装置は、試験用信号に基づき、スロットマシン1においてカウントゲーム数およびカウント純増枚数がカウントされている期間を認識することができる。
[カウントゲーム数およびカウント純増枚数の表示]
本実施の形態においては、カウントゲーム数およびカウント純増枚数に関する情報が報知される。具体的に、遊技者は、演出用スイッチ56を操作することによって、液晶表示器51にメニュー画面を表示させることができる。メニュー画面には、カウントゲーム数およびカウント純増枚数に関する情報を示す画像を表示する表示領域が設けられている。AT初当りしたときには未だAT初当り報知されていないため、メニュー画面には何らの画像も表示されない。その後、AT初当りした後にAT初当りを示唆する示唆演出によってAT初当り報知されると、カウントゲーム数およびカウント純増枚数がメニュー画面に表示される。
なお、このとき表示されるカウントゲーム数およびカウント純増枚数は、AT初当りしてからメニュー画面に表示されるまでのカウントを考慮した値になる。たとえば、AT初当りしてからメニュー画面に表示されるまで30ゲーム消化している場合、メニュー画面には、カウントゲーム数として「30G」の画像が表示される。そして、カウントゲーム数が1250ゲームに達すると、リミット処理が実行されるまでの残りゲームが250ゲームと少なくなるため、残りゲーム数のみがメニュー画面に表示される。そして、リミット処理が実行されると、メニュー画面における画像表示は消える。
[CZ抽選]
図15は、CZ抽選を説明するための図である。CZ抽選としては、CZ1に制御するか否かを抽選によって決定するCZ1抽選と、CZ2に制御するか否かを抽選によって決定するCZ2抽選と、CZ3に制御するか否かを抽選によって決定するCZ3抽選とが設けられている。
図15(a)は、CZ1抽選を説明するための図である。図15(a)に示すように、CZ1抽選は、非CZ中において弱チェリー1当選および弱スイカ1当選のいずれかが成立したときに実行される。そして、CZ1抽選テーブルに示す当選確率に基づいて、CZ当選するか否か(すなわち、CZ1に制御するか否か)が決定される。
具体的に、メイン制御部41は、非CZ中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから一の判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が特定の判定値である場合にCZ当選したと判定する。たとえば、メイン制御部41は、非CZ中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値を抽出した場合に弱チェリー1に当選したと判定する。さらに、メイン制御部41は、弱チェリー1に対して割り当てられた1〜100の判定値のうち、1〜30の判定値を抽出するとCZ1に当選したと判定し、31〜100の判定値を抽出すると非CZ当選であると判定する。なお、弱スイカ1に当選した場合も同様に、たとえば、弱スイカ1に対して割り当てられた101〜200の判定値のうち、101〜130の判定値が抽出されるとCZ1に当選したと判定される。
図15(b)は、CZ2抽選を説明するための図である。図15(b)に示すように、CZ2抽選は、CZ1中において弱チェリー1当選および弱スイカ1当選のいずれかが成立したときに実行される。そして、CZ2抽選テーブルに示す当選確率に基づいて、CZ当選するか否か(すなわち、CZ2に制御するか否か)が決定される。
具体的に、メイン制御部41は、CZ1中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから一の判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が特定の判定値である場合にCZ当選したと判定する。たとえば、メイン制御部41は、CZ1中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値を抽出した場合に弱チェリー1に当選したと判定する。さらに、メイン制御部41は、弱チェリー1に対して割り当てられた1〜100の判定値のうち、1〜30の判定値を抽出するとCZ2に当選したと判定し、31〜100の判定値を抽出すると非CZ当選であると判定する。なお、弱スイカ1に当選した場合も同様に、たとえば、弱スイカ1に対して割り当てられた101〜200の判定値のうち、101〜130の判定値が抽出されるとCZ2に当選したと判定される。
図15(c)は、CZ3抽選を説明するための図である。図15(c)に示すように、CZ3抽選は、非CZ中において弱チェリー2当選および弱スイカ2当選のいずれかが成立したときに実行される。そして、CZ3抽選テーブルに示す当選確率に基づいて、CZ当選するか否か(すなわち、CZ3に制御するか否か)が決定される。
なお、CZ1抽選、CZ2抽選、およびCZ3抽選のいずれにおいても、設定値に依存して当選確率が変化することはない。また、CZ1抽選、CZ2抽選、およびCZ3抽選のいずれにおいても、遊技状態(RT)の種類に応じて当選確率が変化することはない。
[AT抽選]
図16は、AT抽選を説明するための図である。AT抽選としては、AT初当りするか否かを抽選によって決定する初当り抽選と、AT上乗せするか否かを抽選によって決定する上乗せ抽選とが設けられている。
図16(a)は、非CZ中における初当り抽選を説明するための図である。図16(a)に示すように、非CZ中における初当り抽選は、非CZ中において弱チェリー1当選、弱スイカ1当選、強チェリー当選、強スイカ当選、中段チェリー当選、および非AT中のゲーム数が消化ゲーム数に達するごとのいずれかが成立したときに実行される。そして、初当り抽選テーブルAに示す当選確率に基づいて、AT当選(AT初当り)するか否か、および付与されるATゲーム数が決定される。なお、消化ゲーム数については、後述する図17に示す消化ゲーム数抽選によって決定される。
具体的に、メイン制御部41は、非CZ中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから一の判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が特定の判定値である場合にAT当選したと判定する。たとえば、メイン制御部41は、非CZ中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値を抽出した場合に弱チェリー1に当選したと判定する。さらに、メイン制御部41は、弱チェリー1に対して割り当てられた1〜100の判定値のうち、31〜40の判定値を抽出するとAT当選であると判定し、41〜100の判定値を抽出すると非AT当選であると判定する。なお、前述したように、非CZ中において弱チェリー1に当選した場合の1〜30の判定値は、CZ1抽選におけるCZ当選に用いられる。
つまり、非CZ中に弱チェリー1に当選した場合、判定値として1〜100が割り当てられており、そのうち、1〜30の判定値が抽出されるとCZ1に当選し、31〜40の判定値が抽出されるとATに当選し、41〜100の判定値が抽出されるとCZ1およびATのいずれにも当選しないようになっている。
初当り抽選においては、50ゲーム、150ゲーム、および250ゲームのうちのいずれかのATゲーム数の付与が決定される。ここで、本実施の形態においては、ART中に限りATゲームが消化され、ART中は純増枚数が約2枚である。すなわち、1ゲーム当りのATゲーム中における見込みの純増枚数は2枚である。よって、ATゲーム数が50ゲーム付与されたときには、実質的に100枚の純増枚数が見込まれ、ATゲーム数が150ゲーム付与されたときには、実質的に300枚の純増枚数が見込まれ、ATゲーム数が250ゲーム付与されたときには、実質的に500枚の純増枚数が見込まれる。
図16(b)は、CZ1中における初当り抽選を説明するための図である。図16(b)に示すように、CZ1中における初当り抽選は、CZ1中において弱チェリー1当選、弱スイカ1当選、強チェリー当選、強スイカ当選、中段チェリー当選、および非AT中のゲーム数が消化ゲーム数に達するごとのいずれかが成立したときに実行される。そして、初当り抽選テーブルBに示す当選確率に基づいて、AT当選(AT初当り)するか否かが決定される。
具体的に、メイン制御部41は、CZ1中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから一の判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が特定の判定値である場合にAT当選したと判定する。たとえば、メイン制御部41は、CZ1中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値を抽出した場合に弱チェリー1に当選したと判定する。さらに、メイン制御部41は、弱チェリー1に対して割り当てられた1〜100の判定値のうち、31〜60の判定値を抽出するとAT当選したと判定し、61〜100の判定値を抽出すると非AT当選であると判定する。なお、前述したように、CZ1中において弱チェリー1に当選した場合の1〜30の判定値は、CZ2抽選におけるCZ当選に用いられる。
つまり、CZ1中に弱チェリー1に当選した場合、判定値として1〜100が割り当てられており、そのうち、1〜30の判定値が抽出されるとCZ2に当選し、31〜60の判定値が抽出されるとATに当選し、61〜100の判定値が抽出されるとCZ2およびATのいずれにも当選しないようになっている。
図16(c)は、CZ2中における初当り抽選を説明するための図である。図16(c)に示すように、CZ2中における初当り抽選は、CZ2中においていずれかの役当選、および非AT中のゲーム数が消化ゲーム数に達するごとのいずれかが成立したときに実行される。そして、初当り抽選テーブルCに示す当選確率に基づいて、AT当選(AT初当り)するか否かが決定される。
図16(d)は、CZ3中における初当り抽選を説明するための図である。図16(d)に示すように、CZ3中における初当り抽選は、CZ3中において弱チェリー1当選、および弱スイカ1当選のいずれかが成立したときに実行される。そして、初当り抽選テーブルDに示す当選確率に基づいて、AT当選(AT初当り)するか否かが決定される。
具体的に、メイン制御部41は、CZ3中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから一の判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が特定の判定値である場合にAT当選したと判定する。たとえば、メイン制御部41は、CZ3中において所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値を抽出した場合に弱チェリー1に当選したと判定する。さらに、メイン制御部41は、弱チェリー1に対して割り当てられた1〜100の判定値のうち、1〜11の判定値を抽出するとAT当選したと判定し、12〜100の判定値を抽出すると非AT当選であると判定する。
非CZ中における初当り抽選と、CZ3中における初当り抽選とを比較すると、弱チェリー1当選の場合、非CZ中においてはAT当選する判定値数が10(判定値としては31〜40)であるのに対して、CZ3中においてはAT当選する判定値数が11(判定値としては1〜11)である。このように、CZ3は、非CZよりもAT当選する判定値が1だけ多くなっている。すなわち、CZ3は、AT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が非CZ(つまり、通常状態)とほぼ同じになっており、遊技者にとっての有利度合いは非CZとほぼ変わらない。
図16(a)〜(d)に示すように、初当り抽選においては、CZ2中ではいずれかの役に当選したときに初当り抽選が実行されるため、最も抽選契機が多くなる。さらに、CZ2中は、CZ1中およびCZ3中のいずれよりもAT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が高い。よって、CZ2は、CZ1およびCZ3のいずれよりも遊技者にとっての有利度合いが高い。また、CZ1中は、CZ3中よりもAT当選の期待値および付与されるATゲーム数の期待値が高い。このため、遊技者は、非CZ中において、CZ3よりもCZ1に制御される方を期待することになる。
図16(e)は、上乗せ抽選を説明するための図である。図16(e)に示すように、上乗せ抽選テーブルAに基づく上乗せ抽選は、チェリー当選(弱チェリー当選、強チェリー当選、中段チェリー当選)およびスイカ当選(弱スイカ当選、強スイカ当選)のいずれかが成立したときに実行される。そして、上乗せ抽選テーブルAに示す当選確率に基づいて、AT当選(AT上乗せ)するか否かが決定される。
上乗せ抽選テーブルAに基づく上乗せ抽選は、カウントゲーム数が1〜1249ゲームに対応するゲーム内で実行され得る。また、上乗せ抽選テーブルAに基づく上乗せ抽選によって、50ゲーム、150ゲーム、および250ゲームのうちのいずれかのATゲーム数の付与が決定される。
図16(f)は、上乗せ抽選を説明するための図である。図16(f)に示すように、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選は、全ての役のうちのいずれかの役に当選したときに実行される。そして、上乗せ抽選テーブルBに示す当選確率に基づいて、AT当選(AT上乗せ)するか否かが決定される。
上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選は、カウントゲーム数が1250ゲームに初めて達したときに実行され得る。たとえば、スタートスイッチ7が操作されたときにカウントゲーム数が加算される。このため、1250ゲーム目を開始するためにスタートスイッチ7が操作されたときに、カウントゲーム数が1250ゲームに初めて達することになる。なお、リールが停止してゲームが終了したときにカウントゲーム数が加算されるものであってもよく、この場合は、1250ゲーム目でリールが停止したときに、カウントゲーム数が1250ゲームに初めて達することになる。また、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によって、200ゲームおよび250ゲームのうちのいずれかのATゲーム数の付与が決定される。ATゲーム数が200ゲーム付与されたときには、実質的に400枚の純増枚数が見込まれ、ATゲーム数が250ゲーム付与されたときには、実質的に500枚の純増枚数が見込まれる。
ここで、カウントゲーム数が1250ゲームである場合、制限回数となる1500ゲームまでの残りゲーム数は250ゲームになる。このため、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によって250ゲームのATゲーム数が付与された場合、制限回数となる1500ゲームにカウントゲーム数が到達可能になる。また、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によって200ゲームのATゲーム数が付与された場合であっても、制限回数となる1500ゲームにカウントゲーム数がほぼ到達可能になる。たとえば、カウントゲーム数が1250ゲーム目となるゲームにおいて付与されたATゲーム数が50ゲーム残っていれば、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によって200ゲームのATゲーム数が付与されると、残りのATゲーム数は250ゲームとなり、制限回数となる1500ゲームにカウントゲーム数が到達可能になる。
なお、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によってATゲーム数が200ゲーム付与された場合において、カウントゲーム数が1500ゲームまで達しない場合、カウントゲーム数をカウントしている間に再度の上乗せ抽選を実行することで、残りのATゲーム数を追加で付与してもよい。再度の上乗せ抽選は、上乗せ抽選テーブルAを用いてもよいし、上乗せ抽選テーブルBを用いてもよいし、その他の抽選テーブルを用いてもよい。
なお、初当り抽選および上乗せ抽選のいずれにおいても、設定値に依存して当選確率が変化することはない。また、初当り抽選および上乗せ抽選のいずれにおいても、遊技状態(RT)の種類に応じて当選確率が変化することはない。
[消化ゲーム数抽選]
図17は、消化ゲーム数抽選を説明するための図である。消化ゲーム数抽選によって決定された消化ゲーム数は、図16に示す初当り抽選において用いられる。メイン制御部41は、消化ゲーム数抽選テーブルに基づき消化ゲーム数抽選を実行することにより、消化ゲーム数を決定する。
消化ゲーム数抽選が実行される契機としては、リミット処理以外でARTが終了したときと、リミット処理または設定変更でARTが終了したときとがある。なお、リミット処理以外でARTが終了したときとしては、たとえば、付与されたATゲーム数が全て消化されることによってARTが終了することが挙げられる。あるいは、RT2で押し順ベルに当選したときにナビ演出に従わずにストップスイッチを操作したことにより移行出目が導出されたことによってARTが終了することが挙げられる。
リミット処理以外でARTが終了したときには、図17(a)に示す消化ゲーム数抽選テーブルAに基づき消化ゲーム数抽選が実行される。一方、リミット処理または設定変更でARTが終了したときには、図17(b)に示す消化ゲーム数抽選テーブルBに基づき消化ゲーム数抽選が実行される。
消化ゲーム数抽選テーブルAに基づく消化ゲーム数抽選においては、図17(a)に示す当選確率に基づいて、消化ゲーム数が決定される。また、消化ゲーム数抽選テーブルAに基づく消化ゲーム数抽選においては、100ゲーム、300ゲーム、および600ゲームのうちのいずれかに消化ゲーム数が決定される。たとえば、消化ゲーム数抽選テーブルAに基づく消化ゲーム数抽選においては、20%の当選確率で消化ゲーム数が100ゲームに決定され、30%の当選確率で消化ゲーム数が300ゲームに決定され、50%の当選確率で消化ゲーム数が600ゲームに決定される。
消化ゲーム数抽選テーブルBに基づく消化ゲーム数抽選においては、図17(b)に示す当選確率に基づいて、消化ゲーム数が決定される。また、消化ゲーム数抽選テーブルBに基づく消化ゲーム数抽選においては、100ゲーム、300ゲーム、および600ゲームのうちのいずれかに消化ゲーム数が決定される。たとえば、消化ゲーム数抽選テーブルBに基づく消化ゲーム数抽選においては、50%の当選確率で消化ゲーム数が100ゲームに決定され、30%の当選確率で消化ゲーム数が300ゲームに決定され、20%の当選確率で消化ゲーム数が600ゲームに決定される。
ここで、図16(a)〜(c)に示すように、初当り抽選は、非AT中のゲーム数が消化ゲーム数に達するごとに実行される。よって、消化ゲーム数が多ければ多いほど、消化ゲーム数に到達しにくくなるため、初当り抽選が実行される頻度が低くなる。さらに、消化ゲーム数に到達するまでに消費するメダルが多くなるため、遊技者にとって不利となる。一方、消化ゲーム数が少なければ少ないほど、消化ゲーム数に到達しやすくなるため、初当り抽選が実行される頻度が高くなる。さらに、消化ゲーム数に到達するまでに消費するメダルが少なくなるため、遊技者にとって有利となる。
図17に示すように、リミット処理または設定変更でARTが終了したときには、リミット処理以外でARTが終了したときよりも、少ない消化ゲーム数に決定される確率が高い。このため、リミット処理または設定変更でARTが終了したときには、リミット処理以外でARTが終了したときよりも、遊技者にとって有利となる。
消化ゲーム数抽選で消化ゲーム数が決定されると、非AT中のゲーム数が当該消化ゲーム数に達するごとに初当り抽選が実行される。たとえば、消化ゲーム数が100ゲームに決定されると、AT初当りするまでの間、非AT中のゲーム数が100ゲームに達するごとに初当り抽選が実行される。また、消化ゲーム数が300ゲームに決定されると、AT初当りするまでの間、非AT中のゲーム数が300ゲームに達するごとに初当り抽選が実行される。また、消化ゲーム数が600ゲームに決定されると、AT初当りするまでの間、非AT中のゲーム数が600ゲームに達するごとに初当り抽選が実行される。
さらに、本実施の形態においては、非AT中のゲーム数が100ゲームに達するごとにAT初当りを示唆する示唆演出が実行される。たとえば、非AT中のゲーム数が100ゲームに達する前の95ゲーム目から5ゲームに亘ってキャラクタによるバトル演出が実行され、100ゲーム目でAT初当りしたときには100ゲーム目で味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出画像が液晶表示器51に表示される。一方、100ゲーム目でAT初当りしていないときには100ゲーム目で味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出画像が液晶表示器51に表示される。そして、100ゲーム目でAT初当りしていないときには、次の200ゲームに達する前の195ゲーム目から5ゲームに亘ってバトル演出が実行され、200ゲーム目でAT初当りしたときには200ゲーム目で味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出画像が液晶表示器51に表示される。一方、200ゲーム目でAT初当りしていないときには200ゲーム目で味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出画像が液晶表示器51に表示される。このように、100ゲームごとに示唆演出が実行されるとともに、示唆演出によってAT初当りしているか否かが報知される。
ここで、消化ゲーム数抽選で実行される消化ゲーム数は、100ゲームの整数倍である。このため、非AT中のゲーム数が100ゲーム、あるいは200ゲームに達してもAT初当り報知されなかったときには、消化ゲーム数抽選で100ゲームに決定されなかったものと考えられる。この場合、消化ゲーム数抽選で300ゲームあるいは600ゲームに決定されたと予想することができる。よって、その後に非AT中のゲーム数が300ゲームに達したときには、AT初当りすることに対して遊技者を期待させることができる。また、非AT中のゲーム数が300ゲーム、400ゲーム、あるいは500ゲームに達してもAT初当り報知されなかったときには、消化ゲーム数抽選で300ゲームに決定されなかったものと考えられる。この場合、消化ゲーム数抽選で600ゲームに決定されたと予想することができる。よって、その後に非AT中のゲーム数が600ゲームに達したときには、AT初当りすることに対して遊技者を期待させることができる。
また、消化ゲーム数抽選で決定される300ゲームは、100ゲームの3倍であるため、非AT中のゲーム数が100ゲーム、200ゲーム、400ゲーム、あるいは500ゲームに達したときよりも、300ゲームに達した時の方がAT初当りすることに対して遊技者を期待させることができる。さらに、消化ゲーム数抽選で決定される600ゲームは、100ゲームの6倍であり、かつ300ゲームの2倍であるため、非AT中のゲーム数が100ゲーム、200ゲーム、300ゲーム、400ゲーム、あるいは500ゲームに達したときよりも、600ゲームに達した時の方がAT初当りすることに対して遊技者を期待させることができる。
[設定値と抽選対象役との関係について]
図18を参照しながら、設定値と抽選対象役との関係について説明する。図18(a)に示すように、非CZ中においてCZ1抽選やAT抽選といった有利区間作動抽選の抽選契機となる弱チェリー1は、設定差がない。このため、設定1および設定6のいずれであっても、判定値数は変化しない。一方、非CZ中において有利区間作動抽選の抽選対象役にならない弱チェリー3は、設定差がある。本実施の形態においては、設定6のときには、設定1のときよりも、弱チェリー3およびBBの同時当選役の判定値数が大きくなる。また、本実施の形態においては、弱チェリー1および弱チェリー3のいずれに当選したときでも、共通の出目として下段チェリーに対応する出目が導出され得る。このような構成にすることで、設定6において下段チェリーが入賞したときには、設定1において下段チェリーが入賞したときよりも、BB当選している確率が高くなる。一方、CZ1に当選する確率は変化しないため、設定1において下段チェリーが入賞してBB当選したときには、設定6において下段チェリーが入賞してBB当選したときよりも、CZ1に当選している確率が高くなる。
CZ1中においても同様のことが言える。たとえば、図18(b)に示すように、設定6において下段チェリーが入賞したときには、設定1において下段チェリーが入賞したときよりも、BB当選している確率が高くなる。一方、CZ2に当選する確率は変化しないため、設定1において下段チェリーが入賞してBB当選したときには、設定6において下段チェリーが入賞してBB当選したときよりも、CZ2に当選している確率が高くなる。
さらに、弱スイカの当選についても同様のことが言える。たとえば、本実施の形態においては、弱スイカ1および弱スイカ3のいずれに当選したときでも、共通の出目として中段スイカ、右下がりスイカ、および上段スイカのいずれかに対応する出目が導出され得る。このため、図18(c)に示すように、設定6において中段スイカ、右下がりスイカ、および上段スイカのいずれかが入賞したときには、設定1において中段スイカ、右下がりスイカ、および上段スイカのいずれかが入賞したときよりも、BB当選している確率が高くなる。一方、CZ1に当選する確率は変化しないため、設定1において中段スイカ、右下がりスイカ、および上段スイカのいずれかが入賞してBB当選したときには、設定6において中段スイカ、右下がりスイカ、および上段スイカのいずれかが入賞してBB当選したときよりも、CZ1に当選している確率が高くなる。
[メイン制御部41の主な処理]
図19および図20を参照しながら、メイン制御部41が実行する主な処理について説明する。なお、本実施の形態においては、遊技に関する区間として、通常区間と有利区間とが設けられている。有利区間とは、CZのようなAT抽選の高確率状態、ATのような純増枚数が多くなる状態など、遊技者にとっての有利度合いが高い状態にある区間のことを言う。なお、有利区間は、AT当選およびCZ当選のいずれかが成立したゲームから開始し、ATおよびCZの全てが終了するまで継続する。なお、本実施の形態においては、BBのような小役当選の高確率状態、RT0やRT2といったリプレイ当選の高確率状態は有利区間に入らないが、これらのような有利状態も有利区間に入れてもよい。一方、通常区間は、有利区間以外の区間のことを言う。
まず、図19は、メイン制御部が実行する通常区間処理を示すフローチャートである。図19に示すように、メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判定する(S10)。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されない場合(S10でNO)、スタートスイッチ7が操作されるまで処理を待機する。一方、メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作された場合(S10でYES)、内部抽選を実行する(S11)。次に、メイン制御部41は、有利区間作動抽選を実行する(S12)。ここで言う有利区間作動抽選には、本実施の形態の場合、主にAT抽選やCZ抽選が含まれる。
次に、メイン制御部41は、ストップスイッチが操作されて全てのリールが停止したか否かを判定する(S13)。メイン制御部41は、未だ全てのリールが停止していない場合(S13でNO)、全てのリールが停止するまで処理を待機する。一方、メイン制御部41は、全てのリールが停止した場合(S13でYES)、全ての図柄を停止して表示結果を導出する(S14)。なお、有利区間ではないため、S11〜S14の処理においてはATへの制御が禁止されている。
次に、メイン制御部41は、有利区間作動抽選で当選したか否かを判定する(S15)。メイン制御部41は、有利区間作動抽選で当選していない場合(S15でNO)、再びS10の処理に戻る。一方、メイン制御部41は、有利区間作動抽選で当選した場合(S15でYES)、すなわち、AT当選やCZ当選した場合、ナビカウンタに1を設定する(S16)。ナビカウンタとは、示唆ナビが少なくとも1回は実行されるためのカウンタであり、メイン制御部41のRAMの所定領域に格納されている。ナビカウンタは、1が設定された後、示唆ナビが1回実行されるか、あるいはBB当選すると、0にクリアされる。すなわち、CZやATといった有利区間に移行する前には示唆ナビが少なくとも1回実行され、BBに移行する前では例外的に示唆ナビが実行されないようになっている。
次に、メイン制御部41は、有利区間移行処理を実行する。有利区間移行処理において、メイン制御部41は、まずクリアカウンタに1を設定する(S16)。たとえば、AT当選やCZ当選した場合、当該AT当選やCZ当選したゲームを1ゲーム目として、カウントゲーム数がカウントされる。次に、メイン制御部41は、当選報知LED70を点灯する(S18)。なお、有利区間移行処理においては、前兆期間に移行するための処理が行われてもよい。それ以降、メイン制御部41は、有利区間処理へ移行し(S19)、本ルーチンを終了する。
次に、図20は、メイン制御部が実行する有利区間処理を示すフローチャートである。図20に示すように、メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判定する(S30)。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されない場合(S30でNO)、スタートスイッチ7が操作されるまで処理を待機する。一方、メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作された場合(S30でYES)、内部抽選を実行する(S31)。
次に、メイン制御部41は、ストップスイッチが操作されて全てのリールが停止したか否かを判定する(S32)。メイン制御部41は、未だ全てのリールが停止していない場合(S32でNO)、全てのリールが停止するまで処理を待機する。一方、メイン制御部41は、全てのリールが停止した場合(S32でYES)、全ての図柄を停止して表示結果を導出する(S33)。なお、有利区間であるため、S31〜S33の処理においては、ATに制御されることもある。
次に、メイン制御部41は、最大指示区間処理を実行する(S34)。最大指示区間とは、後述する示唆ナビ期間に対応し、示唆ナビの実行契機(本実施の形態においては、押し順ベルに当選したとき)になったときに示唆ナビを実行するための区間である。最大指示区間処理において、メイン制御部41は、S31の内部抽選で押し順ベルに当選しているときにはサブ制御部91に対してコマンドを送信するとともに、ナビカウンタに0を設定する。これにより、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに従って中段ベルや右下がりベルを入賞させるための正解手順を報知する示唆ナビを実行することになる。また、最大指示区間処理において、メイン制御部41は、S31の内部抽選でBBに当選しているときにはサブ制御部91に対してコマンドを送信することなくナビカウンタに0を設定する。一方、最大指示区間処理において、メイン制御部41は、S31の内部抽選で押し順ベルおよびBB以外の役に当選、あるいはハズレのときにはナビカウンタを1に維持したままでS35の処理に移行する。
次に、メイン制御部41は、クリアカウンタに1を加算する(S35)。そして、メイン制御部41は、クリアカウンタの値が1500に達していないか否か、すなわちカウントゲーム数が1500ゲームに達していないか否かを判定する(S36)。メイン制御部41は、カウントゲーム数が1500ゲームに達している場合(S36でNO)、クリアカウンタに0を設定する(S39)。
一方、メイン制御部41は、カウントゲーム数が未だ1500ゲームに達していない場合(S36でYES)、ナビカウンタの値が0であるか否かを判定する(S37)。メイン制御部41は、ナビカウンタの値が0でない場合(S37でNO)、本ルーチンを終了する。
一方、メイン制御部41は、ナビカウンタの値が0である場合(S37でYES)、任意の終了条件が成立したか否かを判定する(S38)。任意の終了条件には、たとえば、カウント純増枚数が3000枚に達することが含まれる。メイン制御部41は、任意の終了条件が成立していない場合(S38でNO)、本ルーチンを終了する。一方、メイン制御部41は、任意の終了条件が成立した場合(S38でYES)、すなわち、カウントゲーム数が1500ゲームに達していない場合であっても、カウント純増枚数が3000枚に達している場合、クリアカウンタに0を設定する(S39)。
次に、メイン制御部41は、初期化処理を行い(S40)、有利区間に関わる全ての情報を初期化する。これにより、たとえば、リミット処理が行われてATが終了するとともに、背景演出も通常背景に切り替わる。なお、リミット処理を含む初期化処理は、設定値に関わらず実行される。その後、メイン制御部41は、当選報知LED70を消灯させる(S41)。それ以降、メイン制御部41は、通常区間処理へ移行し(S42)、本ルーチンを終了する。
[AT中にリミット処理が実行された場合について]
図21を参照しながら、AT中にリミット処理が実行された場合について説明する。図21に示すように、タイミングt1でAT初当りするまでは、液晶表示器51の画面上における背景演出は、通常の演出画像(たとえば、昼間の画像)が表示される通常背景となる。また、この期間では、抽選条件が成立したときに初当り抽選テーブルAに基づき初当り抽選が行われる。
タイミングt1でAT初当りすると、それ以降、上乗せ抽選テーブルAに基づき上乗せ抽選が行われるようになる。また、クリアカウンタによってゲーム数のカウントが開始されるとともに、純増枚数のカウントが開始される。但し、この時点では未だAT初当り報知されていないため、カウントゲーム数およびカウント純増枚数はカウント表示されない。
次に、タイミングt2でAT初当り報知されると、ARTに制御される前のAT準備中に演出状態が移行する。AT準備中における背景演出は、準備画像(たとえば、夕方の画像)が表示される準備中背景となる。
タイミングt2でAT初当り報知した次のゲームとなるタイミングt3からは、ナビが実行可能となる。これにより、RT1からRT0、さらにRT2へと遊技状態を遷移させるための準備ナビが実行される。たとえば、RT1においてリプレイGR1〜6に当選したときには、昇格リプレイを入賞させるための正解手順が準備ナビ演出によって報知されるため、RT1からRT0に遊技状態を遷移させることができる。また、RT0においてリプレイGR11〜13に当選したときには、通常リプレイを入賞させるための正解手順が準備ナビ演出によって報知されるため、RT0からRT1に遊技状態が遷移してしまうこと回避させることができる。さらに、RT0においてリプレイGR21〜23に当選したときには、特殊リプレイを入賞させるための正解手順が準備ナビ演出によって報知されるため、RT0からRT2に遊技状態を遷移させることができる。
また、タイミングt3においては、すでにAT初当り報知されているため、カウントゲーム数およびカウント純増枚数がカウント表示が開始する。次に、タイミングt4で昇格リプレイに入賞すると、RT1からRT0に遊技状態が遷移する。
次に、タイミングt5で特殊リプレイに入賞すると、RT0からRT2に遊技状態が遷移する。ここで、タイミングt1からタイミングt5までは、再遊技役の当選確率が1/7.31と低いため、メダルの払出率は1未満となる。このため、カウント開始からの純増枚数は減り続ける傾向にある。しかし、タイミングt5からARTに制御されると、再遊技役の当選確率が1/2と高くなるため、メダルの払出率は1を超える。このため、タイミングt5からの純増枚数は増え続ける傾向にある。また、ARTに制御されると、背景演出は、ART(通常)画像(たとえば、夜の画像)が表示されるART(通常)背景となる。
タイミングt6でカウントゲーム数が1250ゲームに達すると、上乗せ抽選テーブルBに基づき上乗せ抽選が実行される。この抽選により、200ゲームまたは250ゲームのATゲーム数が付与されるため、カウントゲーム数が1500ゲームに到達可能となる。本実施の形態の場合、上乗せ抽選テーブルBに基づき上乗せ抽選で付与されたATゲーム数は、一度に付与報知される。たとえば、カウントゲーム数が1250ゲームに達したときに、液晶表示器51の画面上に「エンディング到達おめでとう!!」の文字画像とともに「+250ゲーム」の文字画像が表示される。
タイミングt6で200ゲームまたは250ゲームのATゲーム数が付与された後、エンディング演出が実行される。このときの背景演出は、ART(エンディング)画像(たとえば、エンディング曲に合わせた画像)が表示されるART(エンディング)背景となる。また、リミット処理が実行されるまでの残りゲームが250ゲームと少なくなるため、残りゲーム数のみが表示領域に表示される。なお、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選で200ゲームまたは250ゲームのATゲーム数が付与された後は、カウントゲーム数が1500ゲームに達するまで、AT抽選は実行されない。
このように、本実施の形態において、遊技者は、AT初当りによってカウント表示が表示されると、まずはカウントゲーム数が1250ゲームに達することを目指す。このとき、遊技者は、カウントゲーム数のカウント表示を見ながら1250ゲームに達することを期待し、カウント純増枚数のカウント表示を見ながら純増枚数が増えていくことに喜びを感じる。そして、カウントゲーム数が1250ゲームにようやく達すると、祝福の意味合いで、特典として200ゲームまたは250ゲームのATゲーム数が付与され、エンディング演出に移行する。エンディング中、遊技者は、エンディングまでのゲーム数の表示を見ながら1250ゲームに達した喜びの余韻に浸ることができる。このように、本実施の形態においては、単にATゲーム数が上乗せされ続けで1500ゲームまで単調に遊技が進行するのではなく、1500ゲームに達する前の1250ゲームを目指して、到達すれば、特典として1500ゲームに到達可能となるATゲーム数が付与されるといった新しいゲーム性を有する。
一方、エンディング中は、カウント純増枚数が表示されないため、1500ゲームに達したときの純増枚数を遊技者に知られることがない。本実施の形態においては、カウントゲーム数が1500ゲームに達するか、あるいはカウント純増枚数が3000枚に達する場合に、リミット処理が実行されるが、1500ゲームに達した場合はカウント純増枚数が3000枚未満となっている場合が多い。このため、カウント純増枚数が未だ3000枚に達していないにも関わらず、カウントゲーム数が1500ゲームに達したことでリミット処理が行われることに対して遊技者が不満をもつ虞がある。しかし、本実施の形態においては、エンディング中にカウント純増枚数が表示されないため、上述したような不満を遊技者にもたせてしまうことを極力回避することができる。
タイミングt7でカウントゲーム数が1500ゲームに達すると、設定値に関わらずリミット処理が実行される。これにより、ATが終了する。このとき、ATゲーム数が残っていても、ナビ演出の実行は終了する。なお、残ったATゲーム数は、リセットされてもよいし、次にARTに制御されたときに追加してもよい。また、タイミングt7でカウントゲーム数およびカウント純増枚数のカウントが終了するとともに、カウント表示も終了する。
タイミングt7の後は、非AT中のRT2における遊技が行われて、最も有利度の低い抽選テーブル(本実施の形態においては、初当り抽選テーブルA)を用いたAT抽選が実行されることになる。なお、CZ中やAT中に限りAT抽選が行われるものであれば、リミット処理によってATが終了した後のRT2では、AT抽選が行われないものであってもよい。
以上のように、AT初当り時からゲーム数が計数される。そして、RT2において、AT初当り時以降に計数されたゲーム数が、AT初当り時以降の純増枚数が3000枚以下となる制限回数である1500ゲームに達したときに、リミット処理によってATが終了する。このとき、リプレイの当選確率が他の遊技状態よりも高い有利遊技状態であるRT2であっても、ATが強制的に終了する。これにより、遊技者の射幸心を過度に煽ることがない。
一連のAT中にカウントゲーム数が1500ゲームに達したり、一連のAT中にカウント純増枚数が3000枚に達したりすることにより、リミット処理が実行されたとしても、一般的に、1500ゲーム遊技したことや3000枚以上のメダルを獲得したことを遊技者が識別することは困難である。特に、本実施の形態においては、カウント表示によって1250ゲーム以降は残りゲーム数しか表示されない。したがって、何の前触れもなくリミット処理が実行されて一連のATが終了すると、「一連のATが突然、終了した」といった不信感を遊技者に抱かせることになる。そこで、本実施の形態においては、リミット処理を実行するときには、フリーズが実行され、フリーズ中に終了演出が実行される。たとえば、終了演出は、エンディングの最後で「END」の文字画像が液晶表示器51に表示されるものでもよい。このようなフリーズを実行するとともに終了演出が実行されると、上述した不信感を遊技者に抱かせることを防止できる。また、終了演出は、フリーズ中に実行されることから、終了演出の内容を遊技者に認識させることができる。
カウント表示について、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後は、カウントゲーム数が1500ゲームに達する前に報知されていたカウントゲーム数およびカウント純増枚数から切り替えて1500ゲームに達するまでの残りのカウントゲーム数が報知される。これにより、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後は、ARTへの制御の終了を意識させることができる。
背景演出について、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後は、カウントゲーム数が1250ゲームに達する前に実行されていたART(通常)背景による演出から態様を切り替えてART(エンディング)背景による演出が実行される。これにより、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後は、ARTへの制御の終了を意識させることができる。
[BB中にリミット処理が実行された場合について]
本実施の形態においては、CZ中においてBBに制御されることがあるし、AT中においてBBに制御されることもある。たとえば、チェリーとBBとが同時当選したときに同時にCZ抽選やAT抽選が実行されることがある。この場合、CZ中にBBが実行されたり、AT中にBBが実行されることがある。
たとえば、一連のATにおいて、BB当選してBBに制御されると、AT中のBBに制御されることになる。AT中のBBにおいてカウントゲーム数が1250ゲームに達したときにもリミット処理が実行されるが、この場合、状態としては非AT中のBBになる。そして、AT中のBBにおいては上乗せ抽選テーブルAや上乗せ抽選テーブルBを用いてAT抽選が実行されていたが、リミット処理によってATが終了した後の非AT中のBBにおいては、最も有利度の低い抽選テーブル(本実施の形態においては、初当り抽選テーブルA)を用いたAT抽選が実行されることになる。なお、CZ中やAT中に限りAT抽選が行われるものであれば、リミット処理によってATが終了した後のBBでは、AT抽選が行われないものであってもよい。なお、AT中のBBにおいてリミット処理が実行されたときには、ATが終了するとともにエンディング映像が流れるなどの演出が行われてもよい。
[CZに関する各種処理のタイミングチャート]
図22〜図24を参照しながら、ATに関する各種処理についてタイミングチャートを用いて説明する。まず、図22を参照しながら、CZ1のみに制御される場合における各種処理と、CZ1およびCZ2に制御される場合における各種処理とについて説明する。
図22(a)は、CZ1のみに制御される場合のタイミングチャートである。図22(a)に示すように、弱チェリー1当選を契機にCZ1に当選すると、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ当選したゲーム)から所定ゲーム数に亘り前兆期間に突入する。前兆期間においては、前兆画像(たとえば、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像)が液晶表示器51に表示される。その後、内部抽選の結果がハズレになったゲームにおいて、示唆ナビ期間突入画像(たとえば、「示唆ナビ期間突入」といった演出画像)が液晶表示器51に表示され、それ以降、示唆ナビ期間(前述の最大指示区間に対応)に突入する。
示唆ナビ期間においては、押し順ベル当選時に示唆ナビが実行され、中段ベルや右下がりベルを入賞させるための正解手順が報知される。よって、示唆ナビに従ってストップスイッチが操作されることで純増枚数を増やすことができる。示唆ナビ期間中に示唆ナビが1回実行されると示唆ナビ期間が終了し、次のゲームから10ゲームに亘りCZ1に制御される。このように、CZ1に制御される前には示唆ナビが1回実行されるため、CZ1への制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。なお、CZ1中においては通常の演出画像とは異なるCZ画像(たとえば、CZキャラクタによる演出画像)が液晶表示器51に表示される。
図22(b)は、CZ1およびCZ2に制御される場合のタイミングチャートである。図22(b)に示すように、CZ1中において弱チェリー1当選を契機にCZ2に当選すると、CZ当選したゲームを最後にCZ1が終了する。その後、すぐに示唆ナビ期間に突入する。
示唆ナビ期間においては、押し順ベル当選時に示唆ナビが実行され、中段ベルや右下がりベルを入賞させるための正解手順が報知される。示唆ナビ期間中に示唆ナビが1回実行されると示唆ナビ期間が終了することなく、次のゲームから20ゲームに亘りCZ2に制御される。このように、CZ2に制御される前には示唆ナビが1回実行されるため、CZ2への制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
CZ2中においては、示唆ナビ期間が継続するため、CZ2中に押し順ベルが当選したときに示唆ナビが実行される。これにより、CZ2中においては、CZ1中よりも純増枚数を増やすことができるため、メダルの払出率が高まる。なお、示唆ナビ期間中に示唆ナビが1回実行されると示唆ナビ期間が終了して、その後、CZ2への制御が行われてもよい。
次に、図23を参照しながら、CZ1に制御される場合における各種処理と、CZ3に制御される場合における各種処理と、CZ3抽選で非CZ当選の場合における各種処理とについて説明する。
図23(a)は、CZ1に制御される場合のタイミングチャートであるが、図23(a)に示す例は、図22(a)に示す例と同じであるため、説明を省略する。
図23(b)は、CZ3に制御される場合のタイミングチャートである。図23(b)に示すように、弱チェリ−1と同じ入賞結果となる弱チェリー2当選を契機にCZ3に当選すると、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ当選したゲーム)から所定ゲーム数に亘り前兆期間に突入する。前兆期間においては、CZ1制御時と同じ前兆画像(たとえば、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像)が液晶表示器51に表示される。その後、内部抽選の結果がハズレになったゲームにおいて、CZ1制御時と同じ示唆ナビ期間突入画像(たとえば、「示唆ナビ期間突入」といった演出画像)が液晶表示器51に表示され、それ以降、示唆ナビ期間に突入する。
示唆ナビ期間においては、CZ1制御時と同様に押し順ベル当選時に示唆ナビが実行され、中段ベルや右下がりベルを入賞させるための正解手順が報知される。CZ1制御時と同様に示唆ナビ期間中に示唆ナビが1回実行されると示唆ナビ期間が終了し、次のゲームから10ゲームに亘りCZ3に制御される。また、CZ1中においてはCZ1制御時と同じCZ画像(たとえば、CZキャラクタによる演出画像)が液晶表示器51に表示される。
このように、CZ1に制御される場合と、CZ3に制御される場合とでは、同じ演出態様で遊技が進行する。具体的には、CZ1に制御される場合と、CZ3に制御される場合とでは、チェリー当選時の入賞結果、前兆画像、示唆ナビ期間突入画像、示唆ナビ期間中の示唆ナビの対象、CZゲーム数、およびCZ画像などが同じ態様になる。このため、CZに制御されたときに、制御中のCZがCZ1であるのか、あるいはCZ1よりも有利度の低いCZ3であるのかに対して遊技者に注目させることができる。
次に、図24を参照しながら、CZ1およびCZ2に制御される場合における当選報知LED70の点灯タイミングと、CZ3に制御される場合における当選報知LED70の点灯タイミングとについて説明する。
図24(a)は、CZ1およびCZ2に制御される場合のタイミングチャートである。図24(a)に示すように、弱チェリー1当選を契機にCZ1に当選すると、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ1に当選したゲームの入賞結果が出たとき)から当選報知LED70が赤色で点灯する。また、その後、CZ1中において弱チェリー1当選を契機にCZ2に当選すると、CZ1が終了してCZ2に制御されるが、当選報知LED70は、CZ2が終了するまで点灯し続ける。
図24(b)は、CZ3に制御される場合のタイミングチャートである。図24(b)に示すように、弱チェリー2当選を契機にCZ3に当選すると、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ3に当選したゲームの入賞結果が出たとき)で当選報知LED70が赤色で点灯する。また、当選報知LED70は、CZ3が終了するまで点灯し続ける。
このように、CZ1、CZ2、およびCZ3のいずれに制御されるときでも、当選報知LED70が点灯することによって、CZ当選したこと、およびCZに制御されていることを遊技者に分かり易く知らせることができる。
[有利区間の割合の報知]
次に、図25を参照しながら、有利区間の割合の報知について説明する。本実施の形態においては、クリアカウンタによる有利区間におけるゲーム数のカウントとは別に、所定期間(たとえば、1か月間)におけるゲーム数を蓄積した総ゲーム数と、当該所定期間(たとえば、1か月間)における有利区間のゲーム数を蓄積した有利区間ゲーム数とがカウントされる。そして、総ゲーム数に対する有利区間ゲーム数の割合が、設定値表示器24に表示される。
たとえば、図25に示すように、総ゲーム数が0〜17500ゲームの間においては、有利区間の割合が70%未満および70%以上のいずれであっても、設定値表示器24により、7セグメントLEDによる表示(7セグ表示)のみで有利区間の割合を示す数値が表示される。なお、17500ゲームは、スロットマシン1の市場導入時に試験されるゲーム数であるが、その他のゲーム数を用いてもよい。
また、17501〜175000ゲームの間においては、有利区間の割合が70%未満であるときには設定値表示器24による7セグ表示のみで有利区間の割合を示す数値が表示される一方、有利区間の割合が70%以上であるときには設定値表示器24による7セグ表示で有利区間の割合を示す数値が表示されるとともに当該数値が遅いテンポで点滅する。なお、175000ゲームは、スロットマシン1の1か月の平均ゲーム数であるが、その他のゲーム数を用いてもよい。
また、175001ゲーム以上のゲーム数においては、有利区間の割合が70%未満であるときには設定値表示器24による7セグ表示のみで有利区間の割合を示す数値が表示される一方、有利区間の割合が70%以上であるときには設定値表示器24による7セグ表示で有利区間の割合を示す数値が表示されるとともに当該数値が速いテンポで点滅する。
たとえば、店員は、「設定キーON」+「前面扉開放検出」の条件を満たすことで設定確認状態に移行し、当該設定確認状態において設定値表示器24に表示された7セグ表示によって有利区間の割合を確認することができる。さらに、店員は、有利区間の割合を示す数値が点滅していれば、有利区間の割合が70%以上であることを知ることができ、さらに、当該点滅が速いテンポであれば、1か月の平均ゲーム数を超えている期間で有利区間の割合が70%以上であることを知ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、図20および図21に示すように、設定値に関わらず、カウントゲーム数が1500ゲームに達したときにリミット処理が実行されてATが終了する。これにより、遊技者の射幸心を過度に煽ることがない。
図10および図11に示すように、CZ抽選やAT抽選といった有利区間作動抽選の対象になる抽選対象役は、必ず設定差がない。さらに、前述したように、CZ抽選やAT抽選といった有利区間作動抽選においては、設定値に依存して当選確率が変化することはない。このように、CZやATといった有利区間に制御される確率は設定値に依存しないため、有利区間への制御に関して遊技者の射幸心を過度に煽ることがない。
図10に示すように、CZ抽選やAT抽選といった有利区間作動抽選の対象になる抽選対象役は、遊技状態(RT)の種類に応じて判定値数が変化しない。さらに、前述したように、CZ抽選やAT抽選といった有利区間作動抽選においては、遊技状態(RT)の種類に応じて当選確率が変化することはない。このように、CZやATといった有利区間に制御される確率は遊技状態の種類に依存しない。このため、有利区間への制御に関して遊技者の射幸心を過度に煽ることがない。また、遊技状態ごとに有利区間作動抽における抽選テーブルを設ける必要がなく、遊技状態が遷移する度に有利区間作動抽における抽選テーブルを切り替える必要もないため、遊技状態の移行に関する処理負担を軽減することができる。
図11に示すように、非RT状態(RT0)において所定の役(通常リプレイ)が当選するための判定値数(10000)と、RT状態(RT2)において所定の役(たとえば、通常リプレイ)が当選するための判定値数(47854)との差分(37854)は、有利区間作動抽選における有利区間を付与するか否かの決定に用いられない。また、非ボーナス状態(たとえば、非BB中)において所定の役(たとえば、中段ベル)が当選するための判定値数(22360)と、ボーナス状態(たとえば、BB中)において所定の役(たとえば、中段ベル)が当選するための判定値数(64000)との差分(41640)は、有利区間作動抽選における有利区間を付与するか否かの決定に用いられない。このように、CZやATといった有利区間に制御される確率は遊技状態の種類に依存しないため、遊技状態の移行に関する処理負担を軽減することができる。また、非RT状態およびRT状態のいずれに制御されているか、あるいは非ボーナス状態およびボーナス状態のいずれに制御されているかに応じて、有利区間作動抽選における有利不利の差がない。
図21に示すように、カウントゲーム数が1500ゲームに達するまでの残りゲーム数がカウント表示されるため、遊技に関する情報を分かり易く報知することができる。
図25に示すように、総ゲーム数に対する有利区間ゲーム数の割合が設定値表示器24に表示され、総ゲーム数に対する有利区間ゲーム数の割合が70%未満であるか、70%以上であるかに応じて、設定値表示器24における表示態様が異なる。つまり、有利区間ゲーム数に応じて、有利区間ゲーム数の割合の報知態様が異なる。さらに、有利区間ゲーム数の割合に応じて、有利区間ゲーム数の割合の報知態様が異なる。これにより、遊技に関する情報を分かり易く報知することができる。
図22(a),(b)に示すように、ATゲーム数の付与に関する有利度合いが通常よりも高まるCZへの制御が行われるときに示唆ナビが1回実行されるため、示唆ナビの実行によってCZへの制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
図22(a),(b)に示すように、CZへの制御が行われるときに、賭数設定に用いられるメダルよりも多いメダルの付与を伴う中段ベルや右下がりベルに対応する操作手順が示唆ナビによって報知されるため、CZへの制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
図22(a),(b)に示すように、示唆ナビが1回実行された後にCZへの制御が行われるため、CZへの制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
図15(a),(b)、および図22(b)に示すように、非CZ中において弱チェリー1当選時や弱スイカ1当選時に行われたCZ1抽選でCZ当選したときには、CZ1への制御が行われる。そして、CZ1中において弱チェリー1当選時や弱スイカ1当選時に行われたCZ2抽選でCZ当選したときには、ATゲーム数の付与に関する有利度合いがCZ1よりも高まるCZ2への制御が行われる。このように、CZ1中においては、非CZ中において当選した役に再び当選することにより有利度合いの高いCZ2への制御が行われるため、有利度合いが高まる状態への段階的な移行について遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、非CZ中において弱チェリー1当選時に行われたCZ1抽選では、1〜30の判定値が抽出されたときにCZ当選してCZ1への制御が行われる一方で、CZ1中において1〜30の判定値が抽出されたときにCZ当選してCZ2への制御が行われる。このように、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることにより有利度合いの高いCZ2への制御が行われるため、有利度合いが高まる状態への段階的な移行について遊技の興趣を向上させることができる。
図23(a),(b)に示すように、弱チェリー1当選時にCZ当選してCZ1への制御が行われるとき、および弱チェリー2当選時にCZ当選してCZ3への制御が行われるときのいずれであっても、示唆ナビが1回実行される。これにより、示唆ナビが1回実行された場合に必ずしもCZ1への制御が行われるわけではないため、CZ1への制御が行われるか、あるいはCZ3への制御が行われるのかに対して遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、弱チェリー1当選時にCZ当選してCZ1への制御が行われるときには2回に亘り示唆ナビが実行される一方で、弱チェリー2当選時に非CZ当選したときには1回に限り示唆ナビが実行されるようにしてもよい。このようにすれば、示唆ナビが2回に亘って実行されるか否かに対して遊技者に注目させることによってCZ1への制御が行われるか否かに対して遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図24(a),(b)に示すように、CZ1、CZ2、およびCZ3のいずれに制御されるときでも、当選報知LED70が点灯することによって、CZ当選したこと、およびCZへの制御が示唆されるため、CZへの制御を遊技者に分かり易く知らせて遊技の興趣を向上させることができる。さらに、CZ1への制御が示唆されるときと、CZ3への制御が示唆されるときとで、当選報知LED70によって共通の態様(本実施の形態においては、赤色の点灯色)で示唆されるため、CZ1およびCZ3のうちのいずれに制御されるのかに対して遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図24(a),(b)に示すように、当選報知LED70によって、CZ当選してからCZへの制御が行われるまでの前兆期間や示唆ナビ期間の間にもCZへの制御が示唆されるため、前兆期間や示唆ナビ期間中に遊技者が遊技を止めてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態において、チェリーやスイカが当選したときには、CZ当選、AT当選、BB当選、あるいはこれらいずれの当選も成立しない非当選(すなわち、チェリーやスイカの単独当選)の場合がある。さらに、CZ当選やAT当選の場合は当選報知LED70が点灯するのに対して、BB当選や非当選の場合は当選報知LED70が点灯しない。これにより、チェリーやスイカが当選して入賞結果としてチェリー図柄やスイカ図柄が導出されたときに当選報知LED70が点灯しなかった場合でも、BB当選が成立している可能性があるため、BBへの制御に対して遊技者に期待させることができる。一方、当選報知LED70が点灯しても、CZ当選およびAT当選のいずれが成立したのかに対して遊技者に注目させ、さらにはCZ1およびCZ3のうちのいずれに当選したのかに対して遊技者に注目させることができる。
また、図16(a),(d)に示すように、CZ3は、非CZよりもAT当選する判定値が1だけ多い状態である。このため、CZ1中やCZ2中におけるATの当選確率を高めることができ、メリハリのついた遊技を実現することができる。
また、本実施の形態においては、AT初当り時からゲーム数が計数される。そして、RT2において、AT初当り時以降に計数されたゲーム数が、AT初当り時以降の純増枚数が3000枚以下となる制限回数である1500ゲームに達したときに、リミット処理によってATが終了する。このように、再遊技役の当選確率が高いRT2に制御されているにも関わらず遊技の射幸性が高まることが抑えられるのではなく、遊技状態をRT1に遷移させることによって遊技の射幸性が高まることが抑えられるため、遊技の興趣の低下を極力防止することができる。
RT2は、単位遊技当たりの払出率が1を超える遊技状態である。このため、RT2では純増枚数が次第に多くなるため、遊技の興趣を向上させることができる。
RT0やRT1は、単位遊技当たりの払出率が1を超えない遊技状態である。このため、RT0やRT1では純増枚数が次第に小さくなるため、遊技の射幸性が高まることを抑えることができる。
カウントゲーム数およびカウント純増枚数がカウントされている旨を示す信号を試験用信号として外部の試験装置に出力することができる。このため、試験装置によるカウントゲーム数およびカウント純増枚数についての試験に対応することができる。
ゲーム数および純増枚数のカウントは、設定変更されたとき、あるいはスロットマシン1への電力が遮断された後に午前3時を跨いで当該電力が供給されたときにリセットされる。これにより、カウントゲーム数およびカウント純増枚数が意図しない契機でリセットされてしまうことを防止することができる。
一連のAT(ARTとも言える)が終了する条件として、一連のAT中にカウントゲーム数が1500ゲームに達するか、あるいは一連のAT中にカウント純増枚数が3000枚に達することでリミット処理が実行されたこと、付与されたATゲーム数が全て消化されたこと、さらには、設定変更によってメイン制御部41のRAMの記憶領域が初期化されたこととが少なくともある。リミット処理が実行されたときには、図17(a)に示す消化ゲーム数抽選テーブルAよりも遊技者にとって有利な図17(b)に示す消化ゲーム数抽選テーブルBが用いられて、消化ゲーム数抽選が実行される。これにより、リミット処理や設定変更が実行された後に遊技者が遊技を続行したとしても、リミット処理や設定変更が実行されたときの方が、リミット処理以外で一連のATが終了したときよりも遊技者にとって有利となるように、消化ゲーム数が決定されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図17(a)に示す消化ゲーム数抽選テーブルAよりも遊技者にとって有利な図17(b)に示す消化ゲーム数抽選テーブルBは、設定変更されたときにも用いられる。すなわち、消化ゲーム数抽選テーブルBは、リミット処理が実行されたときと、設定変更されたときとで兼用される。これにより、リミット処理が実行されたときと、設定変更されたときとで、同一の消化ゲーム数抽選テーブルに基づき消化ゲーム数が決定されるため、消化ゲーム数が決定される際における処理負担を軽減できる。たとえば、リミット処理が実行されたときと、設定変更されたときとで、異なる消化ゲーム数抽選テーブルを用いるスロットマシン1と比較して、消化ゲーム数抽選テーブルの記憶容量を削減できる。
ARTにおいて、AT初当り以降にカウントされたゲーム数が1500ゲームに達する前に1250ゲームに達することにより、上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によって1500ゲームに到達可能になる分のATゲーム数が追加で付与される。このように、ARTにおいて、カウントゲーム数が1500ゲームに達するまで遊技を継続するといった単調なゲーム性ではなく、カウントゲーム数が1500ゲームに達する前に、まず1250ゲームに達することを目指すといったゲーム性であるため、遊技の射幸性が高まることを抑えるとともに遊技の興趣を向上させることができる。
図16に示すように、ARTは、100枚、300枚、400枚、および500枚といった各純増枚数に対応するATゲーム数に基づき制御される。すなわち、ARTの制御は、純増枚数に基づき管理されているとも言えるため、ARTへの制御を遊技者に分かり易くさせることができる。
上乗せ抽選について、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後、カウントゲーム数が1500ゲームに到達可能になる分のATゲーム数の付与は上乗せ抽選テーブルBに基づく上乗せ抽選によって決定され、当該決定後は上乗せ抽選が実行されない。これにより、カウントゲーム数が1500ゲームを超える分のATゲーム数が追加で付与されてしまうことを防止することができる。
[報知演出]
次に、本実施の形態で実行される各種の演出について説明する。本実施の形態では、遊技者にとって有利な特定状態として、BBやATに制御される。そして、BBやAT中には、付与されたメダル数に関連した報知演出が実行される。ここで、メダル数に関連した報知演出には、入賞に対して払出される獲得メダルの数を報知する演出が含まれる。このように、メダル数に関連した演出とは、獲得したメダル(メダル数)に対する何らかの報知を行う演出である。
また、メダル数に関連した報知演出は、複数の種類が設けられている。たとえば、演出状態が第1演出状態のときには、第1報知態様により報知演出が実行され、演出状態が第2演出状態のときには、第2報知態様により報知演出が実行される。つまり、報知演出は、演出状態により異なる報知演出が実行されることとなる。第1報知態様による報知演出は、BB中やAT中に付与されたメダル数が所定数となったことに基づいて実行される。また、第2報知態様による報知演出は、BB中やAT中に付与されたメダル数が所定数とは異なる特定数となったことに基づいて実行される。
BB中やAT中においては、所定の入賞が発生する毎に、付与されたメダル数の獲得総数が可変表示可能に表示される。また、BB中やAT中における演出状態を第1演出状態とするか第2演出状態とするかを選択することが可能である。
以下に、報知演出の具体例を説明する。図26は、報知演出を説明するための図である。図26(a)は、BBやATの開始時における液晶表示器51の表示画面を示す図である。BBやATの開始時においては、BB中やAT中における演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。液晶表示器51の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像211が表示される。また、液晶表示器51の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像212が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選択画像210に従い、いずれか一方のモードを選択する。BBやATの開始時には、初期値としてAモード画像211が選択されているとともに、モード選択画像210の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知ることができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、BBやATの開始時においていずれかのモードを選択することが可能である。このようなモード(演出状態)の切替えは、演出用スイッチ56の押下げにより変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能となるようにしてもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、所定条件の成立により選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期間は、所定時間に限って選択可能となるようにしてもよく、MAXBET操作やレバーオン操作が実行されるまで選択可能となるようにしてもよい。また、BBやAT毎に新たな演出モードが初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図26(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の液晶表示器51の表示画面を示す説明図である。また、図26(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の液晶表示器51の表示画面を示す説明図である。図26(b)に示すように、Aモードが選択された場合には、画面左上に、所定の入賞により獲得したメダル数の獲得総数表示画像205が表示される。獲得総数表示画像205は、所定の入賞が発生する毎に増加していく。図26(b)では、BBやATにおけるメダルの獲得総数が200枚であることが示されている。また、所定の入賞により獲得したメダル数が50枚の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像204が表示される。図26(b)では、メダル数が50枚の4倍である200枚を超えたときに第1報知画像204により、メダルが200枚獲得されたことが示される。また、画面右上に女の子画像203が表示される。なお、獲得総数表示画像205で表示される数字と第1報知画像204として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(たとえば、8枚払出し等)には、獲得総数表示画像205で表示される数字と第1報知画像204として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像205で表示される数字が208、第1報知画像204として表示される数字が200等)ことがある。
図26(c)は、図26(b)と同じBB中やAT中で獲得したメダルの獲得総数が250枚となった場合の液晶表示器51の表示画面を示している。図26(c)に示すように、獲得総数表示画像205により、メダルの獲得総数が250枚であることが示される。また、メダル数が50の5倍である250枚を超えたときに第1報知画像204により、メダルが250枚獲得されたことが示される。また、女の子画像203が図26(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、その後のBBやATでは、液晶表示器51の表示画面が図26(d)のようになる。図26(d)では、獲得総数表示画像205が500枚であることが示される。また、メダル数が50の10倍である500枚を超えたときに第1報知画像204により、メダルが500枚獲得されたことが示される。また、女の子画像203が図26(b)や図26(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、メダル数が50の倍数を超えたときは、第1報知画像204とともに女の子画像203も変化する。ここで、第1報知画像204と女の子画像203とは、所定期間に亘り表示され、その後消去される。
次に図26(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図26(e)に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、所定の入賞により獲得したメダル数の獲得総数表示画像215が表示される。獲得総数表示画像215は、所定の入賞が発生する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得総数表示画像215とAモードでの獲得総数表示画像205は、文字の表示態様が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図26(e)では、メダルの獲得総数が200枚であることが示されている。また、画面右上に男の子画像213が表示される。Bモードでは、このような男の子画像213による演出が実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、メダルの獲得総数が200枚を超えたとしても画面中央に獲得したメダルの総数を報知する演出は実行されない。なお、図26(e)では、男の子画像213を表示せずに、別の演出画像が表示されるようにしてもよい。
図26(f)は、図26(e)の後に獲得したメダルの獲得総数が250枚となった場合の液晶表示器51の表示画面を示している。図27(f)に示すように、獲得総数表示画像215によりメダルの獲得総数が250枚であることが示される。また、メダル数が250枚を超えたときに第2報知画像214により、メダルが250枚獲得されたことが示される。Bモードでは、所定の入賞により獲得したメダル数が250枚の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像214が表示される。図27(f)では、メダル数が250の1倍である250枚を超えたときに第2報知画像214により、メダルが250枚獲得されたことが示される。第2報知画像214は所定時間経過により消去される。
さらに、その後のBBやATにより、液晶表示器51の表示画面が図26(g)のようになる。図26(g)では、獲得総数表示画像215が500枚であることが示される。また、メダル数が250の2倍である500枚を超えたときに第2報知画像214により、メダルが500枚獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおいて男の子画像213は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人物の画像が表示される。
[差枚数について]
ここで、メダル数の表示として払出し枚数のみを表示するのではなく、払出し枚数から毎回のBET数を引いた差枚数で表示するものであってもよい。具体的には、ベル入賞が発生してメダルが8枚払出されたときに、獲得総数表示を100枚から108枚に更新する。そしてBET操作がなされたときには、108枚から消費した3枚を引いた105枚で獲得総数表示を表示するようにし、差枚数による表示を行うようにしてもよい。
また、上記のような差枚数による表示を行うときには、報知演出の実行タイミングについて、現在992枚であるときにベル入賞が発生して1000枚となったときにすぐに報知演出で「1000」と表示してもよいし、現在992枚であるときにベル入賞が発生して1000枚となったときにすぐに報知演出を実行しないようにしてもよい。すぐに報知演出を実行しないときは、次回のBETにより997枚に減るので、次にベル入賞が発生し1005枚となり、1000枚以下とならないことが確定したタイミングで報知演出を実行するようにしてもよい。このように、次回のBET操作により更新されたメダル数が報知対象数を超えていることを条件として報知演出を実行するようにしてもよい。
図26に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像204により、メダルを獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像214により、メダルを獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図26(b)〜(d)に示すように、メダルの獲得総数が50の倍数を超える毎に第1報知画像204により、メダルを獲得したことによる報知演出が実行される。また、図26(e)〜(g)に示すように、メダルの獲得総数が250の倍数を超える毎に第2報知画像214により、メダルを獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図26のAモードの獲得総数表示画像205,Bモードの獲得総数表示画像215に示すように、所定の入賞が発生する毎に、付与されたメダルが増加していく表示が行われる。よって、付与されたメダル数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、BB中やAT中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像210が表示される。よって、BB中やAT中における演出状態を選択することが可能となるので、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。
[操作手順の違いによる演出]
次にナビ演出が実行された場合の操作手順の違いによる演出の違いについて説明する。図27は、操作手順の違いによる演出を説明するための図である。図27(a)〜(c)は、ナビ通りの操作された場合の液晶表示器51の表示画面を示し、図27(a),(d)は、ナビ通り操作されなかった場合(ナビ失敗時)の液晶表示器51の表示画面を示している。図27(a)は、ナビ演出の実行時の液晶表示器51の表示画面を示している。
図27(a)に示すように、ナビ演出の実行時は、入賞を発生させるための操作手順が遊技者に示される。操作手順として、数字の「1」、「2」、「3」により、操作の順番が示される。図27(a)では、中のストップスイッチ8Cを第1停止し、左のストップスイッチ8Lを第2停止し、右のストップスイッチ8Rを第3停止する手順で操作することが示される。また、停止操作が実行される前には、対応する数字が大きく表示され、ナビ通りに停止操作されると次の停止操作に対応する数字が大きく表示される。
ここで、押し順ベル等の押し順により、導出される出目の組合せが異なるものがある。たとえば、中ベルが当選したときにおいて、押し順が中第1停止であるときは、中段にベルが導出されて8枚の払出しがある。それに対し、中ベルが当選したときにおいて、押順が中以外を第1停止すれば、上段にベルが導出されることがあり、3枚の払出しがある。図27(b)は、Aモードが選択されているときに、ナビ通りの操作手順で操作された場合の液晶表示器51の表示画面を示している。図27(b)に示すように、Aモードが選択されているときに、ナビ通りの操作手順で操作された場合には、中段ベルが導出されるとともに「8枚GET!」のように、8枚のメダルを獲得したことが示される。ここで、Aモードにおいて獲得したメダルの総数が50枚の倍数を超えることとなった場合には、「8枚GET!」の代わりに、第1報知画像204による報知演出が実行される。なお、「8枚GET!」が表示された後に、第1報知画像204による報知演出が実行されるようにしてもよい。
また、図27(c)は、Bモードが選択されているときに、ナビ通りの操作手順で操作された場合の液晶表示器51の表示画面を示している。図27(c)に示すように、Bモードが選択されているときに、ナビ通りの操作手順で操作された場合には、「ベルGET!」のように、中段ベルが導出されてメダルを獲得したことが示される。ここで、Bモードにおいて獲得したメダルの総数が250枚の倍数を超えることとなった場合には、「ベルGET!」の代わりに、第2報知画像214による報知演出が実行される。なお、「ベルGET!」が表示された後に、第2報知画像214による報知演出が実行されるようにしてもよい。このように、AモードとBモードとで同じ中段ベルが導出されたとしても入賞が発生するときの報知演出の態様を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図27(d)は、図27(a)の状態からナビ通り操作されなかった場合(ナビ失敗時)の液晶表示器51の表示画面を示している。ナビ通りに操作されなかった場合には、液晶表示器51の表示画面に「Miss」の表示がされるとともに画面が薄暗くなり、ナビの操作手順が失敗したことが示される。このように、ナビ操作の失敗時には、上段ベルが導出されて3枚の払出しがあるが、そのときには、中段ベルが入賞したときのような報知は実行されない。また、第1報知画像204による報知演出や第2報知画像214による報知演出が実行されることもない。このように、操作手順により報知演出の実行の有無が変化するので、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。また、左ベルに当選しているときに、左第1停止で操作されなかったときにも入賞が発生するが、そのときは報知演出が実行されないため、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ナビ通りに操作されたときとナビ通りに操作されなかったときとのメダルの払出枚数は異なるものを説明したが、ナビ通りに操作されたときとナビ通りに操作されなかったときとのメダルの払出枚数を同じにしてもよい。このような場合であっても、ナビ通りに操作されたときに報知を行うが、ナビ通りに操作されなかったときに報知を行わないようにすればよい。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[ボーナス中に当選確率が高まる小役について]
本実施の形態においては、ボーナス中に当選確率が高まる小役として、中段ベルが設けられていた。このようなボーナス中に当選確率が高まる小役は、有利区間作動抽選の対象役にしない。なお、ボーナスはBBに限らず、SB(シングルボーナス)やRB(レギュラーボーナス)であってもよい。
また、ボーナス中に小役の当選確率を高めるための役は、非ボーナス中に当選する小役とは異なる小役であってもよい。たとえば、非SB中に通常ベルが360の判定値数に基づき当選する場合、SB中においては、通常ベルが360の判定値数に基づき当選するとともに、ボーナス中ベルが36000の判定値数に基づき当選してもよい。つまり、非ボーナス状態からボーナス状態へと遊技状態が変化しても、非ボーナス状態で当選する役の判定値数はそのままボーナス状態でも引き継ぎ、ボーナス状態では、それに加えて新たな小役によって当選する判定値数を引き上げるものであってもよい。なお、ボーナス状態で新たに加わった小役は有利区間作動抽選の抽選対象役にしない。
また、毎ゲーム全ての小役が必ず当選するCB(チャレンジボーナス)を設けてもよい。CB中においては、非CB中には当選しない「全役」という役が当選する。全役の中には、非CB中の抽選対象役であるベルやチェリーといった小役が含まれる。この場合、CB中において当選する全役の判定値数のうち、有利区間作動抽選の対象となった小役については判定値数が変化しないものであってもよい。たとえば、非CB中においては、有利区間作動抽選の対象となるチェリーが100の判定値数に基づき当選し、スイカが50の判定値数に基づき当選するとする。この場合、CB中において当選する全役に含まる判定値数のうち、チェリーに対応する判定値数は100、スイカに対応する判定値数は50として、有利区間作動抽選が実行される判定値数としては、非CB中とCB中とで同じにすればよい。このように、ATやCZを付与するか否かの決定は、非CBおよびCBのいずれに制御されているかに依存しないため、状態移行に関する処理を軽減することができる。また、非CBおよびCBのいずれに制御されているかに応じて、有利区間作動抽選における有利不利の差がない。
[RT中に当選確率が高まる再遊技役について]
また、RT中に再遊技役の当選確率を高めるための役は、非RT中に当選する再遊技役とは異なる再遊技役であってもよい。たとえば、非RT中に通常リプレイが8977の判定値数に基づき当選する場合、RT中においては、通常リプレイとは異なる特別リプレイが32768の判定値数に基づき当選してもよい。つまり、非RT状態からRT状態へと遊技状態が変化する場合、非RT状態において当選しない新たな再遊技役によって再遊技役の当選する判定値数を引き上げるものであってもよい。なお、RT状態で新たに加わった再遊技役は有利区間作動抽選の対象役にしない。
[有利区間作動抽選について]
有利区間作動抽選を複数種類設け、さらに、抽選対象役ごとに複数種類の有利区間作動抽選のうちのいずれで当選するかについて当選確率を振り分けてもよい。たとえば、CZ1、CZ2、およびATといった3種類の有利区間作動抽選を設け、押し順ベル、チェリー、およびBBといった抽選対象役を設けてもよい。そして、押し順ベルに当選したときには有利区間作動抽選において60%の確率でCZ1、20%の確率でCZ2に当選し、チェリーに当選したときには有利区間作動抽選において40%の確率でCZ1、40%の確率でCZ2、20%の確率でATに当選し、BBに当選したときには有利区間作動抽選において20%の確率でCZ1、40%の確率でCZ2、40%の確率でATに当選するようにしてもよい。
有利区間作動抽選を複数種類を設け、さらに、制御中の有利区間の種類ごとに複数種類の有利区間作動抽選のうちのいずれで当選するかについて当選確率を振り分けてもよい。たとえば、通常状態と、CZ1、CZ2、およびATといった3種類の有利区間とを設けてもよい。そして、通常状態では有利区間作動抽選において60%の確率でCZ1、20%の確率でCZ2に当選し、CZ1中では有利区間作動抽選において40%の確率でCZ1、40%の確率でCZ2、20%の確率でATに当選し、CZ2中では有利区間作動抽選において20%の確率でCZ1、40%の確率でCZ2、40%の確率でATに当選し、AT中では有利区間作動抽選において10%の確率でCZ1、30%の確率でCZ2、60%の確率でATに当選してもよい。
押し順に応じて導出される出目が異なる押し順役を設け、さらに、導出された出目ごとに複数種類の有利区間作動抽選のうちのいずれで当選するかについて当選確率を振り分けてもよい。たとえば、CZ1、CZ2、およびATといった3種類の有利区間作動抽選を設けてもよい。そして、左第1停止でストップスイッチが操作されたときに第1出目が導出され、中第1停止でストップスイッチが操作されたときに第2出目が導出され、右第1停止でストップスイッチが操作されたときに第3出目が導出される押し順役を設けてもよい。この場合、第1出目が導出されると有利区間作動抽選において40%の確率でCZ1、40%の確率でCZ2、20%の確率でATに当選し、第2出目が導出されると有利区間作動抽選において20%の確率でCZ1、40%の確率でCZ2、40%の確率でATに当選し、第3出目が導出されると有利区間作動抽選において10%の確率でCZ1、30%の確率でCZ2、60%の確率でATに当選してもよい。
[有利区間の割合の報知について]
本実施の形態においては、総ゲーム数に対する有利区間ゲーム数の割合が設定確認状態において設定値表示器24に表示されることで、有利区間の割合を確認することができたが、これに限らない。
たとえば、設定値表示器24に限らず、スロットマシン1の筐体内部、たとえば遊技制御基板40に設けられた表示器に有利区間の割合などが表示されてもよい。なお、遊技制御基板40は、かしめによって分解できないようになっていれば、表示器が外部から不正に操作されることもない。また、設定値についても、設定値表示器24ではなく遊技制御基板40に設けられた表示器に表示されてもよい。なお、クレジット表示器11や遊技補助表示器12、液晶表示器51などに有利区間の割合が表示されてもよい。
また、有利区間の割合に限らず、総ゲーム数および有利区間ゲーム数についても、設定値表示器24や遊技制御基板40に設けられた表示器に表示されてもよい。また、所定の操作が行われたことを条件に有利区間の割合などが表示されてもよい。たとえば、演出用スイッチ56が押下されたことを条件に有利区間の割合などが表示されてもよい。あるいは、スロットマシン1の筐体内部に確認用スイッチを設け、当該確認用スイッチが押下されたことを条件に有利区間の割合などが表示されてもよい。なお、前面扉1bの開放検出がされていないときに確認用スイッチが押下されたときにはエラー報知が行われてもよい。
また、本実施の形態においては、図25に示す報知態様で有利区間の割合が報知されたが、これに限らない。たとえば、総ゲーム数が0〜17500ゲームの間においても、有利区間の割合が70%以上であれば点滅表示されてもよい。あるいは、総ゲーム数が0〜17500ゲームの間においては、70%未満の所定確率、たとえば50%未満であるときに点滅表示されてもよい。さらに、点滅表示に限らず、色が変化したり、数値とともにエラー画像が表示されたり、その他の態様で有利区間の割合についてエラー報知してもよい。また、総ゲーム数に応じて報知態様を3段階に分けているが、4段階などその他の段階に分けて有利区間の報知を行ってもよい。
また、賭数設定がされている状態においては、設定確認状態に移行しないものであってもよい。つまり、有利区間の割合は、賭数設定がされている状態においては確認することができないものであってもよい。さらに、再遊技役が入賞したときには自動で賭数設定されるため、有利区間の割合は、再遊技役が入賞したときにおいても確認することができないものであってもよい。なお、賭数設定がされている状態においては、有利区間の割合を確認することができるものであってもよい。
[示唆ナビの実行対象について]
本実施の形態においては、押し順ベル当選時において、賭数設定に用いられるメダルよりも多いメダルの付与を伴う中段ベルや右下がりベルに対応する操作手順が示唆ナビによって報知されたが、示唆ナビの実行対象はこれに限らない。
たとえば、図28(a)〜(c)に示すように、示唆ナビ期間に突入後、押し順ベルや押し順リプといったナビ対象役に当選したときに示唆ナビが実行されてもよい。これにより、CZへの制御が行われるときに、ナビ対象役に対応する正解手順が示唆ナビによって報知されるため、示唆ナビの実行によってCZへの制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
また、図29(a)に示すように、示唆ナビ期間に突入後、入賞によって遊技状態を移行させる移行役に当選したときに示唆ナビが実行されてもよい。なお、図29(a)に示す例は、示唆ナビが2回実行されることでCZに制御される例を示す。たとえば、本実施の形態における移行役としては、RT1からRT0へと遊技状態を移行させる昇格リプレイと、RT0からRT2へと遊技状態を移行させる特殊リプレイとがある。図29(a)に示すように、RT1中にCZ当選して示唆ナビ期間に移行した場合において、当該示唆ナビ期間中にリプレイGR1〜6のいずれかに当選したときには、昇格リプレイを入賞させるための正解手順が示唆ナビによって報知されてもよい。この場合、遊技状態がRT0へと遷移する。さらに、その後の示唆ナビ期間中にリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときには、特殊リプレイを入賞させるための正解手順が示唆ナビによって報知されてもよい。この場合、遊技状態がRT2へと遷移する。よって、RT2のような再遊技役の当選確率が高い状態においてCZ1中での遊技を行うことができる。これにより、CZへの制御が行われるときに、遊技状態の移行を伴う移行役に対応する正解手順が示唆ナビによって報知されるため、示唆ナビの実行によってCZへの制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
なお、上記の例に限らず、示唆ナビは、内部抽選でハズレになったゲームで実行されてもよい。また、内部抽選の結果に関わらず、示唆ナビは、毎ゲーム実行されてもよい。また、押し順ベルや押し順リプなどの示唆ナビの実行契機となる役に当選したときにCZ当選する場合、CZ当選したゲームで示唆ナビが実行されてもよい。
示唆ナビは、CZ当選後に1回に限らず、2回実行されてもよいし、CZ当選以降のゲームの予め定められた2ゲームに限り実行されてもよい。たとえば、CZ1に当選したときには、CZ当選後の3ゲーム目と4ゲーム目とで示唆ナビが実行可能であり、3ゲーム目や4ゲーム目で示唆ナビの対象役に当選したら示唆が実行されてもよい。さらに、CZ3に当選したときには、CZ当選後の1ゲーム目と2ゲーム目とで示唆ナビが実行可能であり、1ゲーム目や2ゲーム目で示唆ナビの対象役に当選したら示唆が実行されてもよい。このようにすれば、当選報知後の1ゲーム目と2ゲーム目とで示唆ナビが実行されなかったら、3ゲーム目や4ゲーム目で示唆ナビが実行されること、すなわちCZ1に当選していることに対して遊技者に期待させることができる。
[CZへの制御タイミングについて]
本実施の形態においては、示唆ナビ期間が終了した次のゲームからCZに制御されたが、CZの制御契機はこれに限らない。
たとえば、図22(a),(b)に示すように、示唆ナビが実行された後にCZへの制御が行われる場合、1回目の示唆ナビが実行されたゲームからCZへの制御が行われてもよいし、1回目の示唆ナビが実行されたゲームの次のゲーム、あるいはそれ以降のゲームからCZへの制御が行われてもよい。なお、前兆期間は設けられておらず、CZ当選したゲームから示唆ナビ期間に突入してもよいし、CZ当選したゲームの次のゲーム、あるいはそれ以降のゲームから示唆ナビ期間に突入してもよい。
また、たとえば、図28(a)〜(c)に示すように、示唆ナビ期間中に示唆ナビが1回実行されたゲームからCZに制御されてもよい。また、示唆ナビ期間に突入したゲーム(この例の場合、内部抽選でハズレになったゲーム)からCZに制御されてもよい。このように、示唆ナビの実行が開始したときからCZへの制御が行われるため、CZへの制御を遊技者に分かり易く知らせることができる。
なお、図28(a)〜(c)に示すように、示唆ナビの実行が開始したときからCZへの制御が行われる場合、示唆ナビが1回実行されたゲームからCZへの制御が行われてもよいし、示唆ナビが実行されたゲームの次のゲーム、あるいはそれ以降のゲームからCZへの制御が行われてもよい。なお、前兆期間は設けられておらず、CZ当選したゲームから示唆ナビ期間に突入し、かつCZへの制御が行われてもよい。
さらに、示唆ナビ期間中に限りCZに制御されてもよい。すなわち、示唆ナビ期間におけるゲーム数と、CZゲーム数とが同じであってもよい。
また、図28(b)に示す例においては、CZ1が途中で終了した後、所定ゲーム数に亘ってCZが非制御になり、その後、CZ2への制御が行われている。しかし、これに限らず、CZ1が途中で終了した後、すぐにCZ2への制御が行われてもよい。たとえば、CZ1が終了したゲームの次のゲームからCZ2への制御が行われてもよいし、CZ2への制御を示唆する示唆ナビが実行されるまでCZ1への制御が継続されてもよい。
また、図28(a)〜(c)に示すように、CZの制御中に示唆ナビが実行される場合であっても、当選報知LED70は、CZ当選したゲーム以降のゲーム(この例においては、CZ1に当選したゲームの入賞結果が出たとき)からCZが終了するまで点灯し続ければよい。
さらに、図29(b)に示すように、CZ1中にCZ2に当選したときには、CZ1のCZゲーム数を全て消化した後にCZ2への制御が行われてもよい。また、この場合、CZ2に当選したときからCZ2への制御を示唆する示唆ナビ示唆期間に突入してもよい。なお、図29(b)に示す例においては、CZ1が終了した後、所定ゲーム数に亘ってCZが非制御になり、その後、CZ2への制御が行われているが、これに限らず、CZ1が終了した後、すぐにCZ2への制御が行われてもよい。たとえば、CZ1が終了したゲームの次のゲームからCZ2への制御が行われてもよいし、CZ2への制御を示唆する示唆ナビが実行されるまでCZ1への制御が継続されてもよい。
[CZの延長について]
本実施の形態においては、所定のCZゲーム数が消化するとCZへの制御が終了するものであったが、これに限らない。たとえば、図29(c)はCZが延長される例について示している。この例では、CZに制御される前に示唆ナビが2回実行される場合を示している。図29(c)に示すように、CZ1に当選した後、1回目の示唆ナビが実行されたときからCZ1への制御が行われるが、予め決められた10ゲームのCZゲームの間に再びナビ対象役に当選しないときにはCZ1中に2回目の示唆ナビが実行されないことがある。この場合、2回目の示唆ナビが実行されるまでCZ1への制御を延長してもよい。
また、CZは、当該CZ中にRT2が維持される限りCZへの制御が延長されてもよい。あるいは、CZは、当該CZ中にRT0やRT2(すなわち、遊技者が大半の遊技を消化する状態よりもリプレイ確率などの有利度合いが高い状態)が維持される限りCZへの制御が延長されてもよい。
また、CZが延長する場合、当選報知LED70は、CZ当選したゲーム以降のゲーム(この例においては、CZ1に当選したゲームの入賞結果が出たとき)からCZの延長期間が終了するまで点灯し続ければよい。
[当選報知について]
本実施の形態においては、AT当選およびCZ当選のいずれであっても当選報知LED70が赤色で点灯したが、点灯色は他の色であってもよい。たとえば、当選報知LED70の点灯色はランダムに変更されてもよい。また、AT当選時とCZ当選時とで当選報知LED70の点灯色を異ならせてもよい。さらに、AT当選時とCZ1当選時とで当選報知LED70の点灯色を同じにする一方で、CZ1当選時とCZ2当選時とで当選報知LED70の点灯色を異ならせてもよい。さらに、BB当選時であっても当選報知LED70を点灯させてもよい。このようにすれば、当選報知LED70が点灯することによって、AT当選、CZ当選、およびBB当選のいずれが成立しているのかに対して遊技者に注目させることができる。
また、本実施の形態においては、ストップスイッチを同じ配置で遊技者が認識しやすい場所に当選報知LED70が設けられているが、クレジット表示器11や遊技補助表示器12、ペイアウトランプのように遊技者が認識しにくい場所に当選報知LED70が設けられていてもよい(たとえば、CZ当選なら「C」と表示)。あるいは、CZ当選やAT当選を報知する手段として、クレジット表示器11や遊技補助表示器12、ペイアウトランプのような既存の手段を用いて当選報知してもよい。さらに、スピーカ53,54などから所定音を出力することによってCZ当選やAT当選を報知してもよい。
また、当選報知LED70の点灯は、単に7セグメントディスプレイのように数字などを表示するのではなく、たとえばペイアウトランプによって単一のLED(ドットポイント)を点灯させるのみであってもよい。さらに、ナビ演出時に操作手順が報知される際、クレジット表示器11や遊技補助表示器12のような既存の手段を用いて行われてもよい。この場合においては、操作手順の報知を7セグメントディスプレイを用いる一方で、当選報知を単一のLEDを用いてもよい。
また、当選報知LED70の点灯タイミングは、1ゲーム内におけるいずれのタイミングであってもよい。たとえば、スタートスイッチ7の操作時、第3停止時(押圧時、押圧解除時)、あるいはAT当選やCZ当選した次のゲームの賭数設定時など、任意のタイミングで当選報知LED70が点灯してもよい。
また、当選報知については、図30に示す例のように実施してもよい。図30は、変形例における当選報知について説明するためのタイミングチャートの一例である。
まず、図30(a)を参照しながらCZ1に当選した場合について説明する。図30(a)に示すように、弱チェリー1当選を契機にCZ1に当選すると、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ当選したゲーム)から所定ゲーム数(5ゲーム)に亘り前兆期間に突入する。また、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ1に当選したゲームの入賞結果が出たとき)から当選報知LED70が赤色で点灯する。前兆期間においては、前兆画像(味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像)が液晶表示器51に表示される。このとき、前兆期間中はCZ1に制御されないため、CZ1は潜伏状態である。
そして、前兆期間の最終ゲームにおいては、演出結果(味方キャラクタが勝利)として「WIN」画像が液晶表示器51に表示される。これにより、CZ1に当選していることが遊技者に示唆される。その後、当選報知LED70は点灯し続けたまま示唆ナビ期間の突入とともにCZ1に制御される。その後、CZ1が終了すると、当選報知LED70が消灯する。
次に、図30(b)を参照しながらCZ3に当選した場合について説明する。図30(b)に示すように、弱チェリー1当選を契機にCZ3に当選すると、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ当選したゲーム)から所定ゲーム数(5ゲーム)に亘り前兆期間に突入する。また、CZ当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、CZ3に当選したゲームの入賞結果が出たとき)から当選報知LED70が赤色で点灯する。前兆期間においては、CZ1当選時と同様の前兆画像(味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像)が液晶表示器51に表示される。このとき、CZ3当選時の場合、CZ1当選時と異なり前兆期間中にCZ3に制御されるとともに示唆ナビ期間となる。
そして、前兆期間の最終ゲームにおいては、演出結果(味方キャラクタが敗北)として「LOSE」画像が液晶表示器51に表示される。これにより、CZ3に当選していることが遊技者に示唆される。さらに、前兆期間の終了とともにCZ3が終了し、当選報知LED70も消灯する。
図30(a),(b)に示すように、CZ1およびCZ3のいずれに当選したときでも、前兆期間中は同じ演出が行われるとともに、同じ態様で当選報知LED70が点灯する。このため、前兆期間中においては、CZ1およびCZ3のいずれに当選したのかに対して遊技者に注目させることができる。また、CZ1に当選しているときには、前兆期間の経過後にCZ1に制御されて当選報知LED70が点灯し続けるのに対して、CZ3に当選しているときには、前兆期間の経過とともにCZ3が終了して当選報知LED70も消灯する。このため、前兆期間中における演出の終了後においても当選報知LED70が点灯し続けていればCZ1への制御が確定するため、当選報知LED70が点灯し続けるか否かに対して遊技者に注目させることができる。
なお、CZ3に当選したときには、前兆期間中に示唆ナビ期間になるため、押し順ベル当選など、示唆ナビの実行契機になると、前兆期間中に示唆ナビが実行されることがある。この場合、CZ1ではなくCZ3に当選していることが確定することになる。なお、CZ1に当選していても、前兆期間中に示唆ナビを実行してもよい。このようにすれば、前兆期間中に示唆ナビが実行されても、CZ3に当選していることが確定することがない。
また、CZ3に当選していても、前兆期間中にAT当選したときには、前兆期間の演出結果(味方キャラクタが勝利)として「WIN」画像が液晶表示器51に表示され、その後、ATに制御されてもよい。
次に、図30(c)を参照しながらBBに当選した場合について説明する。図30(c)に示すように、弱チェリー1当選を契機にBBに当選すると、BB当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、BB当選したゲーム)から所定ゲーム数(5ゲーム)に亘り前兆期間に突入する。但し、当選報知LED70は点灯しない。前兆期間においては、前兆画像(味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像)が液晶表示器51に表示され、前兆期間の最終ゲームにおいては、演出結果(味方キャラクタが勝利)として「WIN」画像が液晶表示器51に表示される。これにより、BBに当選していることが遊技者に示唆される。
次に、図30(d)を参照しながらチェリーのみに当選した場合について説明する。図30(d)に示すように、弱チェリー1に単独当選すると、チェリー単独当選したゲーム以降のゲーム(本実施の形態においては、BB当選したゲーム)から所定ゲーム数(5ゲーム)に亘り前兆期間に突入する。但し、BB当選時と同様に当選報知LED70は点灯しない。前兆期間においては、前兆画像(味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像)が液晶表示器51に表示され、前兆期間の最終ゲームにおいては、演出結果(味方キャラクタが敗北)として「LOSE」画像が液晶表示器51に表示される。これにより、非当選であることが遊技者に示唆される。
図30(a)〜(d)に示すように、CZ当選の場合は当選報知LED70が点灯するのに対して、BB当選や非当選の場合は当選報知LED70が点灯しない。これにより、チェリーやスイカが当選して入賞結果としてチェリー図柄やスイカ図柄が導出されたときに当選報知LED70が点灯しなかった場合でも、BB当選が成立している可能性があるため、BBへの制御に対して遊技者に期待させることができる。
本実施の形態においては、図24,図28,図30に示すように、当選報知LED70は、CZ当選時から点灯しているが、当選報知LED70の点灯タイミングはこれに限らない。たとえば、当選報知LED70は、CZ当選した後の前兆期間の終了時や示唆ナビ期間の開始時、あるいは1回目の示唆ナビが実行されたゲームなど、CZ当選したゲーム以降のゲームで点灯してもよい。また、当選報知LED70は、CZに制御されている間のみ点灯してもよいし、前兆期間のみ点灯してもよい。
また、当選報知LED70は、CZ中にRT0やRT2(すなわち、遊技者が大半の遊技を消化する状態よりもリプレイ確率などの有利度合いが高い高確率状態)から転落していても、CZへの制御が終了するまで当選報知LED70が点灯し続けてもよい。
また、当選報知LED70は、CZへの制御が終了した後であっても、RT0やRT2が維持される限り点灯し続けてもよい。さらに、CZ中にRT0やRT2が維持される限りCZへの制御が延長されるようにし、RT0やRT2中におけるCZが維持される限り当選報知LED70が点灯し続けてもよい。
また、図24(a),図28(b),図29(b)に示すように、CZ1からCZ2に昇格する場合、CZ1とCZ2との間で一旦CZが非制御になったときには当該非制御になった期間で当選報知LED70を一旦消灯してもよい。
なお、当選報知LED70は、複数ゲームに亘って点灯し続けるものに限らず、1ゲーム内に限って点灯してもよい。たとえば、当選報知LED70は、CZ当選したゲーム内に限り点灯してもよい。
また、当選報知LED70は、たとえば、CZ当選時に点灯し、その後CZ中にAT当選してATに制御され、当該AT中であっても継続して点灯し続けてもよい。そして、当選報知LED70は、ATが終了したときに消灯してもよい。この場合、AT終了時に遊技状態が有利RT(RT2など)を継続していても当選報知LED70が消灯してもよい。
[CZ抽選およびAT抽選について]
本実施の形態においては、図15(a),(b)に示すように、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることにより有利度合いの高いCZ2への制御が行われるものであったが、これに限らない。
たとえば、図31(a),(b)に示すように、非CZ中において弱チェリー1当選時に行われたCZ1抽選では、1〜30の判定値が抽出されたときにCZ当選してCZ1への制御が行われる一方で、CZ1中において1〜30の判定値が抽出されたときにAT当選してATへの制御が行われるものであってもよい。このように、CZ1中においては、非CZ中において当選した役に再び当選することによりAT当選してもよい。さらには、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることによりAT当選してもよい。これにより、CZ抽選やAT抽選のような状態移行するか否かの決定における処理が煩雑にならない。
また、図15(a),(b)に示すように、非CZ中におけるCZ1抽選が弱チェリー1当選を契機にし、かつCZ1中におけるCZ2抽選が弱チェリー1当選を契機にした場合においては、非CZ中におけるAT抽選では弱チェリー1当選を契機にしないものであってもよい。さらに、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることにより有利度合いの高いCZ2への制御が行われるものであれば、CZ1中におけるCZ2抽選と、非CZ中におけるCZ1抽選とで、実行契機(抽選が行われる当選役)が異なるものであってもよい。
また、図15(a),(b)に示すCZ抽選では、まず、内部抽選で所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値が抽出されることで弱チェリー1に当選し、当該1〜100の判定値のうち、特定判定値(1〜30)が抽出されることでCZ当選したが、これに限らない。たとえば、内部抽選で弱チェリー1に当選した場合に、CZ抽選用の所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから判定値を抽出し、抽出した判定値がCZ当選の判定値であればCZ当選したと判定してもよい。
また、図16(a),(b),(d)に示す初当り抽選では、まず、内部抽選で所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値が抽出されることで弱チェリー1に当選し、当該1〜100の判定値のうち、特定判定値(非CZ中であれば31〜40、CZ1中であれば31〜60、CZ3中であれば1〜11)が抽出されることでAT当選したが、これに限らない。たとえば、内部抽選で弱チェリー1に当選した場合に、初当り抽選用の所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから判定値を抽出し、抽出した判定値がAT当選の判定値であればAT当選したと判定してもよい。
また、図31(a),(b)に示すように、非CZ中におけるCZ1抽選が弱チェリー1当選を契機にし、かつCZ1中におけるAT抽選が弱チェリー1当選を契機にした場合においては、CZ1中におけるCZ2抽選では弱チェリー1当選を契機にしないものであってもよい。さらに、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることによりAT当選するものであれば、CZ1中におけるAT抽選と、非CZ中におけるCZ1抽選とで、実行契機(抽選が行われる当選役)が異なるものであってもよい。
また、図31(a)に示すCZ抽選では、まず、内部抽選で所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値が抽出されることで弱チェリー1に当選し、当該1〜100の判定値のうち、特定判定値(1〜30)が抽出されることでCZ当選したが、これに限らない。たとえば、内部抽選で弱チェリー1に当選した場合に、CZ抽選用の所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから判定値を抽出し、抽出した判定値がCZ当選の判定値であればCZ当選したと判定してもよい。さらに、図31(b)に示す初当り抽選では、まず、内部抽選で所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから1〜100の判定値が抽出されることで弱チェリー1に当選し、当該1〜100の判定値のうち、特定判定値(1〜30)が抽出されることでAT当選したが、これに限らない。たとえば、内部抽選で弱チェリー1に当選した場合に、初当り抽選用の所定範囲(1〜65536)に属する判定値のうちから判定値を抽出し、抽出した判定値がAT当選の判定値であればAT当選したと判定してもよい。
なお、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることによりAT初当りするものに限らず、CZ1中においては、非CZ中において抽出された判定値と同じ判定値が抽出されることによりAT上乗せするものであってもよい。
また、本実施の形態においては、CZ1抽選やCZ2抽選が弱チェリー1当選を契機に実行され、CZ3抽選が弱チェリー2当選を契機に実行されたが、これに限らない。たとえば、CZ1抽選やCZ2抽選が強チェリー当選を契機に実行され、CZ3抽選が弱チェリー当選を契機に実行されてもよい。この場合、強チェリー当選時と弱チェリー当選時とで入賞結果(導出された図柄組合せ)が同じであれば好ましい。
また、本実施の形態においては、弱チェリー2当選時や弱スイカ2当選時に実行されたCZ3抽選において非当選となった場合に、示唆ナビが1回に限り実行され得るものであった。しかし、これに限らず、弱チェリー2当選時や弱スイカ2当選時に実行されたCZ3抽選において非当選となった場合であっても、示唆ナビが実行されないものであってもよい。また、別途、弱チェリー3や弱スイカ3を設け、当該弱チェリー3や弱スイカ3が当選したときに示唆ナビが1回に限り実行され得るものであってもよい。
AT抽選における初当り当選確率や上乗せ当選確率、およびCZ抽選におけるCZ当選確率は、設定値に関わらず一定であってもよいし、設定値に応じて異ならせてもよい。AT抽選における初当り当選確率や上乗せ当選確率、およびCZ抽選におけるCZ当選確率が設定値に関わらず一定である場合、その分、内部抽選におけるボーナス当選確率を設定値に応じて異ならせてボーナス中における払出率に設定値に応じて差を設けるようにしてもよい。
[有利区間と抽選対象役との関係について]
図32を参照しながら、有利区間と抽選対象役との関係について説明する。なお、図32に示す「上乗せ」とは、CZ、AT初当り、およびAT上乗せのいずれかの付与を指す。図32に示すように、非有利区間と有利区間とで、上乗せの確率を変化させるものであってもよい。
たとえば、図32(a)に示すように、非有利区間においてはCZ1抽選の対象となっていなかった弱チェリー1の単独当選に対して、有利区間においてはCZ抽選やAT抽選(初当り抽選、上乗せ抽選)が行われてもよい。同様に、図32(b)に示すように、非有利区間においてはCZ1抽選の対象となっていなかった弱スイカ1の単独当選に対して、有利区間においてはCZ抽選やAT抽選(初当り抽選、上乗せ抽選)が行われてもよい。
[CZ2の有利度合いについて]
本実施の形態においては、CZ1やCZ3に対応する示唆ナビ期間においては示唆ナビが1回までしか実行されないのに対して、CZ2に対応する示唆ナビ期間においては示唆ナビが無制限に実行されるものであり、これにより、CZ2は、CZ1やCZ3よりも遊技者にとっての有利度合いが高くなっていた。しかし、CZ2の有利度合いを高める手段としてはその他の手段を用いてもよい。
たとえば、CZ2においては、CZ1やCZ3よりも、示唆ナビが実行される契機を増やしてもよい。また、CZ2においては、いずれの役に当選しても、当該当選した役に対応する操作手順を報知する示唆ナビが実行されてもよい。また、内部抽選の結果がハズレであっても、示唆ナビが実行されてもよい。すなわち、CZ2に対応する示唆ナビ期間中においては、全ゲームに亘って示唆ナビが実行されてもよい。
さらに、CZ2においては、入賞によって遊技状態を移行させる移行役に当選したときに示唆ナビが実行され、その結果、CZ2中の遊技状態が有利な状態へと移行してもよい。たとえば、CZ2に対応する示唆ナビ期間に突入した場合、リプレイGR1〜6のいずれかに当選したときに昇格リプレイを入賞させるための正解手順が示唆ナビによって報知され、その後、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに特殊リプレイを入賞させるための正解手順が示唆ナビによって報知されてもよい。このようにすれば、CZ2中において、遊技状態をRT2へと遷移させることができる。なお、遊技状態をRT2を維持している間は、CZ2への制御が終了しなくてもよい。
[CZ中のAT当選について]
以上、説明してきたCZに関する処理において、CZ中にAT当選した場合には以下のような制御が行われてもよい。
たとえば、CZ中にAT当選したときには、CZゲームが残っていても、AT当選したゲーム、あるいは次のゲームなど、AT当選後すぐにATに制御されてもよい。この場合においては、ATに制御される前にATへの制御を示唆する前兆演出を実行してもよい。たとえば、CZ中にAT当選したときには、残りのCZゲームを消化した後、ATに制御されてもよい。この場合においては、ATに制御される前にATへの制御を示唆する前兆演出を実行してもよい。なお、CZ中に点灯している当選報知LED70は、ATが終了するまで点灯し続けてもよい。
[リミット処理について]
本実施の形態においては、リミット処理として、ATを終了させることについて説明したが、これに限らない。たとえば、メイン制御部41は、リミット処理として遊技状態をRT2からRT1に遷移させてもよい。
また、本実施の形態においては、AT初当り以降に実行されたゲーム数をカウントし、カウントゲーム数が1500ゲームに達したときにリミット処理が実行されたが、これに限らない。
たとえば、AT初当り以降に実行された払出枚数をカウントし、カウントした払出枚数が所定枚数(たとえば、10000枚)に達したときにリミット処理が実行されてもよい。また、たとえば、特定役(たとえば、ベルやリプレイ、AT抽選契機となるチェリーなど)の当選回数や入賞回数をカウントし、当選回数や入賞回数が所定回数(たとえば、1000回)に達したときにリミット処理が実行されてもよい。
また、AT初当りを契機にカウントするものに限らず、図21に示すタイミングt2のAT初当り報知時にカウントしてもよい。これにより、AT初当り時ではなく、AT初当り報知時以降に実行されるゲーム数が計数されるため、AT初当り報知されるまではカウントゲーム数に対して気を使う必要がない。なお、タイミングt3のナビ開始時、あるいはタイミングt5のART開始時のいずれかを契機にカウントしてもよい。
また、一連のATにおいて、BB当選したときには、遊技状態がRT4を経由してボーナス状態に移行する。この場合、ボーナス状態で純増枚数が増える。このため、ボーナス状態におけるゲーム数もカウントゲーム数に含んでカウントし、さらに、ボーナス状態における純増枚数もカウント純増枚数に含んでカウントしてもよい。なお、ボーナス状態におけるゲーム数をカウントゲーム数に含まずにカウントしてもよいし、ボーナス状態における純増枚数をカウント純増枚数に含まずにカウントしてもよい。
[リミット処理後のATについて]
本実施の形態においては、図21に示すように、タイミングt7でカウントゲーム数が1500ゲームに達してリミット処理が実行されると、ATゲーム数が残っていても、ナビ演出の実行は終了するが、これに限らない。たとえば、カウントゲーム数が1500ゲームに達してリミット処理が実行されて遊技状態がRT2からRT1に遷移しても、ATゲーム数が残っていれば、ナビ演出の実行を継続させてもよい。このようにすれば、遊技者は、押し順ベルが当選したときに正解手順でストップスイッチを操作することで入賞を取りこぼすことがないし、押し順リプに当選したときに正解手順でストップスイッチを操作することで昇格リプレイを入賞させることもできる。その結果、メダルを極力消費することなく、再び初当り抽選によるAT当選や内部抽選によるBB当選を目指すことができる。このように、遊技の射幸性が高まることを抑えるためにリミット処理によって遊技状態がRT2からRT1に遷移されたとしても、ATゲーム数が残っているときには当該ATゲーム数に基づきナビ演出が継続して実行されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
[ATゲーム数の上乗せ報知について]
本実施の形態においては、上乗せ抽選テーブルBに基づき上乗せ抽選で付与されたATゲーム数が一度に付与報知されたが、これに限らない。たとえば、図21に示すタイミングt6でATゲーム数が250ゲーム付与された場合、その時点では50ゲームが報知され、その後、50ゲーム消化後に100ゲーム、さらに100ゲーム消化後に残りの100ゲームを報知してエンディングに移行するなど、付与されたATゲーム数を分割して報知してもよい。また、上乗せ抽選テーブルAに基づき上乗せ抽選で付与されたATゲーム数についても、たとえば、最低付与ゲーム数である50ゲームごとに分割して報知してもよい。なお、上乗せ抽選テーブルBに基づき上乗せ抽選付与されたATゲーム数についても、50ゲームごとに分割して報知してもよい。
[AT抽選について]
本実施の形態においては、初当り抽選および上乗せ抽選によってATゲーム数が付与されて、付与されたATゲーム数に限りATに制御されたが、これに限らない。たとえば、初当り抽選および上乗せ抽選によってATに制御可能な純増枚数や払出枚数を決定し、決定した純増枚数や払出枚数に達するまでATに制御するものであってもよい。
カウントゲーム数が1250ゲームに達したときに用いられる図16に示す上乗せ抽選テーブルBにおいては、0ゲームのATゲーム数に決定することがないが、0ゲームのATゲーム数に所定確率(たとえば、50%以下の低い確率)決定されてもよい。さらに、カウントゲーム数が1250ゲームに達したときに、0ゲームのATゲーム数に決定されたときには、その後に再び上乗せ抽選テーブルBに基づき上乗せ抽選を実行してもよい。
本実施の形態においては、カウントゲーム数が1250ゲームに達する前は上乗せ抽選が実行されるのに対して、1250ゲームに達して1500ゲームに到達可能となるATゲーム数が付与された後は上乗せ抽選が実行されなかったが、これに限らない。たとえば、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後であっても、カウントゲーム数が1250ゲームに達する前とは異なる抽選テーブルに基づき上乗せ抽選が実行されてもよい。たとえば、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後は、カウントゲーム数が1250ゲームに達する前よりも有利な抽選テーブルに基づき上乗せ抽選が実行されてもよい。これにより、カウントゲーム数が1250ゲームに達した後の上乗せ抽選は、カウントゲーム数が1250ゲームに達する前の上乗せ抽選と異なるため、遊技の興趣を向上させることができる。
[一連のATについて]
本実施の形態においては、AT初当り時(図21のタイミングt1)から、当該AT初当り後にATに制御され、全てのATゲーム数が消化されて当該ATが終了するまでの期間を一連のATとしたが、これに限らない。たとえば、AT初当り報知時(図21のタイミングt2)から全てのATゲーム数が消化されて当該ATが終了するまでの期間を一連のATとしてもよい。たとえば、ナビ開始時(図21のタイミングt3)から全てのATゲーム数が消化されて当該ATが終了するまでの期間を一連のATとしてもよい。たとえば、ART開始時(図21のタイミングt5)から全てのATゲーム数が消化されて当該ATが終了するまでの期間を一連のATとしてもよい。さらに、全てのATゲーム数が消化されてATが終了した後の所定期間(たとえば、100ゲーム)を復活期間として、AT抽選でAT当選しやすい期間としてもよい。この場合、所定契機から復活期間が終了するまでの期間を一連のATとしてもよい。
[所定制御について]
本実施の形態においては、一連のATがリミット処理によって終了したときには、一連のATがリミット処理以外で終了したときよりも、消化ゲーム数抽選において有利であったが、これに限らない。たとえば、一連のATがリミット処理によって終了したときには、一連のATがリミット処理以外で終了したときよりも、AT抽選においてAT当選する確率が高かったり、付与されるATゲーム数が多かったりしてもよい。あるいは、一連のATがリミット処理によって終了したときには、一連のATがリミット処理以外で終了したときよりも、CZに制御される確率が高かったり、CZに制御されるゲーム数が多かったりしてもよい。
[報知演出の内容ついて]
本実施の形態においては、ATゲーム数が上乗せされたときには、報知演出の内容を通常の報知演出の内容と異なるようにしてもよい。たとえば、ATゲーム数が上乗せされたときには、報知演出として報知画像がレインボーで表示されるようにしてもよい。
本実施の形態においては、AモードとBモードとにおいて、共通の報知演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、AモードであってもBモードであっても1000枚メダルを獲得したときの報知演出の態様を同様としてもよい。このようにすることで、1000枚獲得という特定の条件を満たしたときの態様を強調することができる。
本実施の形態においては、演出状態により(AモードまたはBモードにより)報知演出の態様として表示画像が異なる場合を示した。このような表示画像としては、文字の色が異なるようなものでもよいし、文字のフォントが異なるようにしてもよいし、文字の見せ方が異なるようにしてもよい。文字の見せ方が異なるとは、たとえば、文字(数字)の出現方向が画面の左から出てくるものと右から出てくるものとで異なるようにしてもよい。
[獲得総数表示について]
本実施の形態においては、獲得総数表示の表示に対し上限値を設けるようにしてもよい。そして、当該上限値までメダルを獲得した場合には、獲得総数表示の更新を停止するようにしてもよい。たとえば、メダル2000枚を上限値と設定した場合において、メダルの獲得総数が2000枚を超えた場合には、Aモードでの獲得総数表示画像205やBモードでの獲得総数表示画像215の表示画像の更新が停止されるようにすればよい。このようにすれば、遊技者が大量のメダルを獲得できたことを更新を停止することで報知することができ、遊技者に優越感を与えることができる。なお、上限値に到達した場合には、獲得総数表示を通常の表示態様とは異なる態様に変更するようにしてもよい。
[報知演出の変化ついて]
本実施の形態においては、報知演出の態様を獲得したメダルの総数によって変化させるようにしてもよい。たとえば、Bモードが選択されている場合において、メダルの獲得総数が500枚となったときは、第2報知画像214を白色文字の画像で表示し、メダルの獲得総数が1000枚となったときは、第2報知画像214を赤色文字の画像で表示し、メダルの獲得総数が2000枚となったときは、第2報知画像214を虹色文字の画像で表示してもよい。このようにすれば、獲得総数に合わせて報知態様が変化し、BB中やAT中の遊技の興趣を向上させることができる。
本実施の形態においては、メダルの獲得総数が所定値を超えることにより、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、メダルの獲得総数が所定値を超えると報知演出を実行しないようにしてもよいし、異なる概念の表示が行なわれるようにしてもよい。より具体的には、メダルの獲得総数が所定値を超えた後は、報知画像を表示しないようにしてもよい。また、メダルの獲得総数が所定値を超えた後は、「おめでとう!」のような、獲得総数の表示と異なる概念の表示(所定値を達成したことを祝うような表示等)による報知演出が実行されるようにしてもよい。
[画像の構成について]
本実施の形態においては、報知演出を実行するときの画像が別々の素材から構成されるようにしてもよい。たとえば、Aモードが選択された場合において、第1報知画像204と女の子画像203とが、別素材で構成されていてもよい。このようにすれば、表示させる画像を別々に設定することができる。そして、表示のさせ方として、たとえば、抽選により、いずれの画像の組合せで表示するかが決定されるようにしてもよい。このような場合に、同じ所定の画像が連続して表示されないように、制限をかけるようにしてもよい。
[遊技モードについて]
本実施の形態においては、スロットマシン1と、インターネット網に接続された管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、スロットマシン1と管理サーバとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行ない、スロットマシン1において、携帯端末(たとえば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴や遊技者が選択した演出モード(登場するキャラクタが異なるモード)等を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行できるようにしてもよい。このような場合に、携帯連動モードを実行しているか否かによりBB中やAT中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。また、遊技者が選択したモードの種類によって、BB中やAT中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
[告知モードについて]
本実施の形態においては、異なる抽選の報知によりBB中やAT中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。異なる抽選の報知とは、たとえば、BB中にAT当選したことを報知するAT獲得演出において、1回の告知によりAT獲得の有無を告知する完全告知モードと複数回の告知によりAT獲得の有無を告知するチャンス告知モードとによる報知のようなものである。このような報知の違いを演出状態の違いとして、完全告知モードとチャンス告知モードとにより、BB中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
[楽曲の違いについて]
本実施の形態においては、BB中やAT中に流れる楽曲の違いにより、BB中やAT中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、Aの楽曲が流れている場合とBの楽曲が流れている場合とで、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
[遊技状態について]
本実施の形態においては、BB中やAT中等の遊技者にとって有利な遊技状態において、演出モードの違いにより報知演出の態様が異なる場合を示した。しかし、演出状態(演出モード)をBB中やAT中以外の遊技状態で変化可能としてもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシン1については小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やAT、あるいはCZを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態(本実施の形態においては、CZ)の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御(たとえば、CZ抽選、CZ制御、前兆期間に関する制御、示唆ナビ期間に関する制御、AT抽選、AT制御など)をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。このように、ATに係る制御をメイン制御部41が管理するものではなく、サブ制御部91が管理することにより、サブ制御部91のRAMよりも記憶容量が少ないメイン制御部41のRAMにおける容量不足を解消することができる。
[スロットマシンの他の変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
なお、上述した本実施の形態および変形例における各種構成、各種処理、各種処理のタイミングなどは、適宜組合せることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。