JP2017169672A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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僚一 廣瀬
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Abstract

【課題】眼内への入射光量が多くなるほどS/N比が向上し、より鮮明な画像の取得が可能になる。しかしながら、眼科撮影装置は、安全性の観点から瞳や網膜(眼底)への単位面積当たりの入射光量を制限する必要がある。安全性を確保しつつ、眼内への入射光量を増加させることが可能な眼科撮影装置を提供する。
【解決手段】眼科撮影装置は、被検眼の眼底を光でスキャンするためのスキャン光学系を含む。スキャン光学系は、被検眼の瞳と光学的に略共役な位置において光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底を光でスキャンする。
【選択図】図1

Description

この発明は、眼科撮影装置に関する。
眼疾患のスクリーニングや治療などを行うための眼科撮影装置には、簡便に広い視野で被検眼の眼底などの観察や撮影が可能なものが求められている。このような眼科撮影装置として、走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:以下、SLO)が知られている。SLOは、光で眼底をスキャンし、その戻り光を受光デバイスで検出することにより眼底の画像を形成する装置である。
例えば特許文献1には、垂直方向スキャナと水平方向スキャナとにより光源からのレーザー光を偏向することで眼底をスキャンし、その戻り光を受光することにより眼底の画像を形成するSLOが開示されている。
特開2014−054484号公報
眼底を光でスキャンすることにより眼底画像を形成する眼科撮影装置では、眼内への入射光量が多くなるほどS/N比が向上し、より鮮明な画像の取得が可能になる。しかしながら、眼内に向けて光放射を行う眼科撮影装置等の眼光学機器には、光放射の安全性に関する要求事項が規定された規格が適用される。このような規格には、光ハザードからの保護に関する規格(ISO 15004−1、JIS T 15004−2)などがある。すなわち、眼科撮影装置は、安全性の観点から瞳や網膜(眼底)への単位面積当たりの入射光量を制限する必要がある。
特許文献1に記載されているSLOでは、垂直方向スキャナのミラー面と水平方向スキャナのミラー面とを被検眼の瞳と光学的に略共役な位置に配置することにより、瞳孔による眼内入射光のケラレの発生を防止する。しかしながら、瞳上での光束位置の時間的な変化は小さいが、スキャンにより眼底での光束位置の時間的な変化は大きくなるため、瞳における光量制限により眼内に入射可能な光量が決定されてしまうことが多い(特に眼底を赤外光でスキャンする場合)。この場合、S/N比をより一層向上させることが困難になるという問題がある。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、安全性を確保しつつ、眼内への入射光量を増加させることが可能な眼科撮影装置を提供することにある。
実施形態に係る眼科撮影装置は、被検眼の眼底を光でスキャンするためのスキャン光学系を含む。スキャン光学系は、被検眼の瞳と光学的に略共役な位置において光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底を光でスキャンする。
実施形態によれば、安全性を確保しつつ、眼内への入射光量を増加させることが可能な眼科撮影装置を提供することができる。
実施形態に係る眼科撮影装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科撮影装置の動作説明図である。 実施形態の第1変形例に係る眼科撮影装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態の第1変形例に係る眼科撮影装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態の第2変形例に係る眼科撮影装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。
この発明に係る眼科撮影装置の実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科撮影装置は、光スキャナを用いて光源からの光を偏向し、偏向された光を被検眼(対象眼、患者眼)に照射することにより、被検眼の瞳孔を通して光を被検眼の後眼部(眼底、硝子体等)の広い範囲に照射することが可能な装置である。このような構成は、後眼部に光を照射することが可能な任意の眼科撮影装置に適用することができる。後眼部に光を照射することが可能な眼科撮影装置には、レーザー光を眼底における治療部位に照射するためのレーザー治療装置や、被検眼に固視させた状態で視標を移動させながら被検者(患者)の応答に基づき視野を測定するための視野計などが含まれる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置は、被検眼の後眼部からの戻り光を受光することにより当該後眼部における所定データの分布(画像や層厚分布や病変分布など)を形成することが可能である。このような構成は、後眼部を光で走査してデータを取得可能な任意の眼科撮影装置に適用することができる。後眼部を光で走査してデータを取得可能な眼科撮影装置には、共焦点光学系を用いたレーザー走査により眼底の正面画像を得るSLOや、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:以下、OCT)を用いて眼底の断層像を得る光干渉断層計や、SLOの機能と光干渉断層計の機能とを組み合わせた複合機などがある。以下、実施形態に係る眼科撮影装置が、SLOの機能と光干渉断層計の機能とを有する場合について説明する。
以下では、被検者から見て左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とし、被検者から見て光学系の奥行き方向をZ方向として説明する。
[光学系]
図1〜図3に、実施形態に係る眼科撮影装置の光学系の構成例を示す。実施形態に係る眼科撮影装置は、撮影モードに対応した範囲の被検眼の画像を取得することが可能である。眼科撮影装置は、撮影モードに対応した対物レンズユニットを光学系の光軸に選択的に配置することが可能である。
図1は、広角(広画角)撮影モードに設定されているときの眼科撮影装置の光学系の構成例を表す。図2は、撮影モードに応じて切り替え可能な実施形態に係る対物レンズ系の構成例を表す。図2において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図3は、高倍率撮影モードに設定されているときの眼科撮影装置の光学系の構成例を表す。図3において、図1又は図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図1及び図3では、被検眼Eの眼底Efと光学的に共役な位置が眼底共役位置Pとして図示され、被検眼Eの瞳(瞳孔)と光学的に共役な位置が瞳共役位置Qとして図示されている。
光学系100は、対物レンズ系110を介して被検眼に光を投射する投射系と、投射系により被検眼Eに投射された光の戻り光を対物レンズ系110を介して受光する受光系とを含む。眼科撮影装置は、受光系による受光結果に基づいて画像を形成する。実施形態に係る眼科撮影装置は、SLO画像及びOCT画像を形成することが可能である。すなわち、光学系100は、SLO光学系130と、OCT光学系140とを含む。SLO光学系130は、SLO投射系と、SLO受光系とを含む。OCT光学系140は、OCT投射系と、OCT受光系とを含む。
眼科撮影装置には、被検眼の前眼部を撮影するための前眼部撮影系(前眼部観察系)120が設けられている。光学系100は、対物レンズ系110や前眼部撮影系120と共に、図示しない移動機構(後述の移動機構100D)によりX方向、Y方向及びZ方向に移動可能である。眼科撮影装置は、前眼部撮影系120により得られた被検眼Eの前眼部画像に基づいて移動機構により光学系100等を移動することにより、被検眼Eに対して光学系100の位置合わせを行うためのアライメントを行うことが可能である。以下では、光学系100が対物レンズ系110や前眼部撮影系120を含む場合について説明するが、光学系100がこれらを含まない構成であってもよい。
(対物レンズ系)
眼科撮影装置は、撮影モードに応じた対物レンズユニットを光学系100の光軸Oに配置することが可能である。この実施形態では、撮影モードには、第1範囲(例えば画角が100度)で被検眼Eの画像を撮影する広角撮影モードと、第1範囲より狭い第2範囲(例えば画角が50度)で被検眼Eの画像を撮影する高倍率撮影モードとがある。
対物レンズ系110は、対物レンズユニット110A、110Bを含む(図2参照)。例えば、公知の回転機構又はスライド機構により対物レンズユニット110A、110Bを手動で光軸Oに選択的に配置させることが可能である。広角撮影モードでは、光学系100の光軸に対物レンズユニット110Aの光軸が一致するように配置される(図1)。高倍率撮影モードでは、光軸Oに対物レンズユニット110Bの光軸が一致するように配置される(図3)。
対物レンズユニット110Aは、2以上のレンズを含む。2以上のレンズの間には、ダイクロイックミラーDM1Aが設けられる。例えば、対物レンズユニット110Aは、凸レンズ111A、112Aと、凹レンズ113Aとを含むレンズユニット(ナグラータイプ)であってよい。被検眼Eの側から凸レンズ111A、112A、及び凹レンズ113Aの順序で配置されている。凸レンズ112Aと凹レンズ113Aとの間にダイクロイックミラーDM1Aが配置されている。ダイクロイックミラーDM1Aは、広角撮影モードにおいて、SLO光学系130の光路及びOCT光学系140の光路の双方に前眼部撮影系120の光路を結合する光路結合部材である。ダイクロイックミラーDM1Aと凹レンズ113Aとの間に眼底(網膜)と光学的に共役な位置(眼底共役位置)P又はその近傍が配置されている。対物レンズユニット110Aは、ダイクロイックミラーDM1Aを含んでもよい。
ダイクロイックミラーDM1Aは、SLO光学系130からの光(SLO光)、その被検眼Eからの戻り光、OCT光学系140からの光(OCT光、測定光)及びその被検眼Eからの戻り光を透過させる。ダイクロイックミラーDM1Aは、前眼部撮影系120からの光を被検眼Eに向けて反射し、その被検眼Eからの戻り光を前眼部撮影系120に向けて反射する。
対物レンズユニット110Bは、少なくとも1つのレンズを含む。当該少なくとも1つのレンズに対して光源(SLO光源及びOCT光源)側にダイクロイックミラーDM1Bが設けられる。例えば、対物レンズユニット110Bは、凸レンズ111Bを含んでよい。ダイクロイックミラーDM1Bは、高倍率撮影モードにおいて、SLO光学系130の光路及びOCT光学系140の光路の双方に前眼部撮影系120の光路を結合する光路結合部材である。対物レンズユニット110Bは、ダイクロイックミラーDM1Bを含んでもよい。
ダイクロイックミラーDM1Bは、ダイクロイックミラーDM1Aと同様に、SLO光学系130からの光(SLO光)、その被検眼Eからの戻り光、OCT光学系140からの光(OCT光、測定光)及びその被検眼Eからの戻り光を透過させる。また、ダイクロイックミラーDM1Bは、前眼部撮影系120からの光を被検眼Eに向けて反射し、その被検眼Eからの戻り光を前眼部撮影系120に向けて反射する。光軸Oに対物レンズユニット110Bが配置されているときの光軸O上におけるダイクロイックミラーDM1Bの位置は、光軸Oに対物レンズユニット110Aが配置されているときの光軸O上におけるダイクロイックミラーDM1Aの位置と略同じであってよい。それにより、撮影モードを変更したとき、前眼部撮影系120の位置や向きの調整が不要になる。
対物レンズユニット110Aが凸レンズ111A、112Aと凹レンズ113Aだけを含み、対物レンズユニット110Bが凸レンズ111Bだけを含んでもよい。それにより、光軸Oに配置される対物レンズユニットを切り替えたときにダイクロイックミラーDM1A、DM1Bを1つのダイクロイックミラーで共用することが可能である。
対物レンズ系110は、図示しない移動機構(後述の移動機構110D)により光軸Oに沿って移動可能である。それにより、光学系100に対して対物レンズ系110をZ方向に移動することが可能になり、SLO光学系130及びOCT光学系140の双方の焦点位置を変更することができる。
以下、主として、光軸Oに対物レンズユニット110Aが配置されている場合について説明する。
(前眼部撮影系)
前眼部撮影系120は、前眼部照明光源121と、コリメートレンズ122と、前眼部撮影カメラ123と、結像レンズ124と、ビームスプリッタBS1とを含む。ビームスプリッタBS1は、被検眼Eの前眼部を照明するための照明光の光路に、その戻り光の光路を結合する光路結合部材である。
前眼部照明光源121は、被検眼Eの前眼部を照明するための光源である。前眼部撮影カメラ123は、前眼部照明光源121により照明された被検眼Eの前眼部からの反射光(戻り光)を検出するための撮像素子を備えている。前眼部照明光源121には、例えば、中心波長が950nmの光を発するLEDが用いられる。前眼部照明光源121により発せられた光は、コリメートレンズ122により平行光束とされる。平行光束とされた照明光は、ビームスプリッタBS1によりダイクロイックミラーDM1Aに向けて反射される。ビームスプリッタBS1により反射された照明光は、ダイクロイックミラーDM1Aにより被検眼Eに向けて偏向される。被検眼Eからの照明光の戻り光は、ダイクロイックミラーDM1Aにより反射され、ビームスプリッタBS1を透過する。ビームスプリッタBS1を透過した戻り光は、結像レンズ124により前眼部撮影カメラ123における撮像素子の検出面に集光される。撮像素子の検出面は、瞳共役位置(前眼部共役位置)Q又はその近傍に配置されている。撮像素子は、例えば、CCD又はCMOSイメージセンサにより構成されている。撮像素子による被検眼Eの前眼部からの戻り光の検出結果は、前眼部の画像の形成に用いられる。
(SLO光学系)
SLO光学系130の光路とOCT光学系140の光路とは、ダイクロイックミラーDM2により結合される。SLO光学系130の少なくとも一部がテレセントリック光学系として形成されている。同様に、OCT光学系140の少なくとも一部がテレセントリック光学系として形成されている。ダイクロイックミラーDM2は、SLO光学系130のテレセントリック光学系により形成される光路とOCT光学系140のテレセントリック光学系により形成される光路とを結合する。それにより、対物レンズ系110の移動により光学系100の焦点位置を変更した場合でも瞳(例えば対物レンズ系110による射出瞳)の収差が小さくなるため、合焦状態の調整が容易になる。
ダイクロイックミラーDM1A(DM1B)、DM2は、ねじれの関係を保持した状態で光軸Oに配置されていることが望ましい。ダイクロイックミラーDM1A(DM1B)は、SLO光学系130の光路及びOCT光学系140の光路(光学系100の光路)を導かれる光の少なくとも一部及び前眼部撮影系120の光路を導かれる光の少なくとも一部のうち一方の光を反射し、かつ、他方の光を透過させる第1光学面を備えている。ダイクロイックミラーDM2は、SLO光学系130の光路を導かれる光の少なくとも一部及びOCT光学系140の光路を導かれる光の少なくとも一部のうち一方の光を反射し、かつ、他方の光を透過させる第2光学面を備えている。ダイクロイックミラーDM1A(DM1B)、DM2は、第1光学面の法線とSLO光学系130の光軸とを含む平面と、第2光学面の法線とSLO光学系130の光軸とを含む平面とが互いに直交する、又は略直交するように配置されている。それにより、図3に示す高倍率撮影モードでは、ダイクロイックミラーDM1BとダイクロイックミラーDM2との間に凹レンズ113Aが配置されないため、ダイクロイックミラーDM1BとダイクロイックミラーDM2とにより非点収差を除去、又は非点収差を極めて小さくすることができるので、画質の劣化を抑えることが可能になる。一方、図1に示す広角撮影モードでは、高倍率撮影モード時よりも画像の粗さが許容されるため、非点収差の残存に起因する画質への影響は小さくて済む。
SLO光学系130は、SLO光源131と、コリメートレンズ132と、ビームスプリッタBS2と、集光レンズ133と、共焦点絞り134と、検出器135と、光スキャナ136と、レンズ137とを含む。ビームスプリッタBS2は、被検眼Eに投射されるSLO光の光路に、その戻り光の光路を結合する光路結合部材である。
SLO光源131は、例えば中心波長が840nmの光を発するものが用いられる。SLO光源131として、例えばレーザーダイオード(Laser Diode:以下、LD)、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)、レーザードリブンライトソース(Laser Driven Light Source:LDLS)などが挙げられる。SLO光源131は、眼底(網膜)と光学的に共役な位置(眼底共役位置)P又はその近傍に配置されている。
SLO光源131から発せられた光は、コリメートレンズ132により平行光束とされる。平行光束とされた光は、ビームスプリッタBS2を透過する。ビームスプリッタBS2を透過した光は、光スキャナ136により偏向される。光スキャナ136は、SLO光源131からの光で被検眼Eの眼底Efを走査するために用いられる。光スキャナ136は、X方向に光を偏向させる光スキャナ136Xと、Y方向に光を偏向させる光スキャナ136Yとを含む。光スキャナ136Xは、その傾きが変更可能なミラーであり、後述の制御部200により反射面の傾きが制御される。光スキャナ136は、例えば、眼底面内の水平方向の走査に用いられる。光スキャナ136Xの被検眼Eの側には、光スキャナ136Yが配置されている。光スキャナ136Yは、その傾きが変更可能なミラーであり、制御部200により反射面の傾きが制御される。光スキャナ136Yは、例えば、水平方向に直交する眼底面内の垂直方向の走査に用いられる。光スキャナ136X及び光スキャナ136Yのいずれか一方は、ガルバノミラーなどの低速スキャナであり、他方は、レゾナントミラーやポリゴンミラー、或いはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:以下、MEMS)ミラーなどの高速スキャナであってよい。
光スキャナ136Xの反射面(偏向面)は、被検眼Eの瞳と光学的に共役な位置(瞳共役位置)Q又はその近傍に配置され、光スキャナ136Yの反射面は、被検眼Eの瞳と光学的に非共役な位置に配置されている。それにより、光スキャナ136Xの反射面の傾きが変更されると、ビームスプリッタBS2を透過した光の光スキャナ136Yの反射面における照射位置は移動する。すなわち、SLO光学系130(光学系100)は、瞳共役位置Q又はその近傍においてSLO光学系130の光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底Efを光でスキャンする。従って、被検眼Eの瞳における光の入射位置が移動することにより、光スキャナ136Yの反射面が瞳共役位置Q又はその近傍に配置されている場合に比べて被検眼Eの瞳における単位面積当たりの入射光量が減少する。このように瞳収差を敢えて発生させることにより単位面積当たりの入射光量が減少するため、SLO光源131からの光の眼内に入射可能な光量を増加させることができる。なお、光スキャナ136Xと光スキャナ136Yとの間に瞳共役位置Q又はその近傍が配置されていてもよい。この場合、光スキャナ136Xと光スキャナ136Yとの間の中間位置が瞳共役位置Q又はその近傍に配置されていてもよい。
光スキャナ136Yの被検眼Eの側には、レンズ137と、ダイクロイックミラーDM2とが配置されている。光スキャナ136により偏向されたSLO光源131からの光は、レンズ137及びダイクロイックミラーDM2を透過し、対物レンズ系110を介して被検眼Eに投射される。
被検眼Eに投射されたSLO光源131からの光の戻り光は、同じ光路を経由してビームスプリッタBS2により検出器135に向けて反射される。ビームスプリッタBS2と検出器135との間には、集光レンズ133と共焦点絞り134とが配置されている。集光レンズ133は、ビームスプリッタBS2により反射された光を集光する。集光レンズ133により集光された光は、共焦点絞り134に形成された開口を通過し、検出器135の検出面に入射する。共焦点絞り134に形成された開口は、眼底(網膜)と光学的に共役な位置(眼底共役位置)P又はその近傍に配置されている。検出器135は、例えば、アバランシェフォトダイオード(Avalanche PhotoDiode:APD)又は光電子増倍管(PhotoMultiplier Tube:PMT)により構成されている。
(OCT光学系)
OCT光学系140は、合焦レンズ141と、光スキャナ142と、コリメートレンズ143と、干渉光学系150とを含む。干渉光学系150は、OCT光源151と、ファイバーカプラ152、153と、プリズム154と、検出器155とを含む。
合焦レンズ141は、図示しない移動機構(後述の移動機構141D)によりOCT光学系140の光軸(光路)に沿って移動可能である。それにより、SLO光学系130とは独立にOCT光学系140の焦点位置を変更することが可能になる。従って、例えば対物レンズ系110の移動によりSLO光学系130及びOCT光学系140の合焦状態が調整された後、合焦レンズ141の移動によりOCT光学系140の合焦状態の微調整を行うことができる。
光スキャナ142は、OCT光源151からの光に基づく測定光で被検眼Eの眼底Efを走査するために用いられる。光スキャナ142は、X方向に光を偏向させる光スキャナ142Xと、Y方向に光を偏向させる光スキャナ142Yとを含む。光スキャナ142Xは、その傾きが変更可能なミラーであり、制御部200により反射面の傾きが制御される。光スキャナ142は、例えば、眼底面内の水平方向の走査に用いられる。光スキャナ142Xの被検眼Eの側には、光スキャナ142Yが配置されている。光スキャナ142Yは、その傾きが変更可能なミラーであり、制御部200により反射面の傾きが制御される。光スキャナ142Yは、例えば、水平方向に直交する眼底面内の垂直方向の走査に用いられる。光スキャナ142X及び光スキャナ142Yのいずれか一方は、低速なガルバノミラーなどの低速スキャナであり、他方は、高速なガルバノミラーなどの高速スキャナであってよい。光スキャナ142X、142Yの中間位置は、被検眼Eの瞳と光学的に共役な位置(瞳共役位置)Q又はその近傍に配置されている。光スキャナ142YのOCT光源151の側には、コリメートレンズ143が配置されている。
すなわち、光スキャナ142Yの反射面は、被検眼Eの瞳と光学的に非共役な位置に配置されている。それにより、光スキャナ142Xの反射面の傾きが変更されると、コリメートレンズ143を通過した光(後述の測定光LS)の光スキャナ142Yの反射面における照射位置は移動する。すなわち、OCT光学系140は、瞳共役位置Q又はその近傍においてOCT光学系140の光軸に直交する面内における光(測定光LS)の通過位置を変更しつつ眼底Efを光でスキャンする。従って、被検眼Eの瞳における光の入射位置が移動することにより、光スキャナ142Yの反射面が被検眼Eの瞳と光学的に共役な位置に配置されている場合に比べて被検眼Eの瞳における単位面積当たりの入射光量が減少する。このように瞳収差を敢えて発生させることにより単位面積当たりの入射光量が減少するため、後述の干渉光学系150により生成された光(測定光LS)の眼内に入射可能な光量を増加させることができる。
なお、光スキャナ142は、2次元的に光を偏向する場合について説明したが、1次元的に光を偏向するものであってもよい。この場合、光スキャナ142は、光スキャナ142X、142Yの一方だけを含む。
干渉光学系150には、被検眼EのOCT画像を取得するための光学系が設けられている。この光学系は、従来のスウェプトソースタイプのOCT装置と同様の構成を有する。すなわち、この光学系は、波長掃引型(波長走査型)光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する干渉光学系である。干渉光学系による干渉光の検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号である。なお、干渉光学系150は、スウェプトソースタイプのOCT装置ではなく、従来のスペクトラルドメインタイプのOCT装置と同様の構成を有していてもよい。
OCT光源151は、OCT光(出射光)の波長を掃引(走査)可能な波長掃引型(波長走査型)光源である。波長掃引型光源には、例えば、共振器を含み、中心波長が1050nmの光を発するレーザー光源が用いられる。OCT光源151は、人眼では視認できない近赤外の波長帯において、出力波長を時間的に変化させる。
OCT光源151から出力された光L0は、光ファイバf1によりファイバーカプラ152に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバf2によりファイバ出射端c1に導かれて、ファイバ出射端c1からコリメートレンズ156に照射される。ファイバ出射端c1から出射された参照光LRは、コリメートレンズ156により平行光束とされる。平行光束とされた参照光LRは、プリズム154に導かれる。プリズム154は、コリメートレンズ156により平行光束とされた参照光LRの進行方向を逆方向に折り返す。プリズム154に入射する参照光LRの光路と、プリズム154から出射する参照光LRの光路とは平行である。プリズム154は、図示しない移動機構(後述の移動機構154D)により参照光LRの入射光路及び出射光路に沿う方向に移動可能である。この場合、移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。それにより、参照光LRの光路の長さが変更される。
プリズム154を経由した参照光LRは、コリメートレンズ157によって平行光束から集束光束に変換されてファイバ入射端c2に入射し、光ファイバf3によりファイバーカプラ153に導かれる。なお、コリメートレンズ156、157とプリズム154との間に、光路長補正部材や分散補償部材が配置されていてもよい。光路長補正部材は、参照光LRの光路長(光学距離)と測定光LSの光路長とを合わせるための遅延手段として作用する。分散補償部材は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるための分散補償手段として作用する。
一方、ファイバーカプラ152により生成された測定光LSは、光ファイバf4によりファイバ端c3に導かれる。ファイバ端c3は、眼底(網膜)と光学的に共役な位置(眼底共役位置)P又はその近傍に配置されている。ファイバ端c3に導かれた測定光LSは、コリメートレンズ143に照射される。ファイバ端c3から照射された測定光LSは、コリメートレンズ143により平行光束とされる。平行光束にされた測定光LSは、光スキャナ142及び合焦レンズ141を経由してダイクロイックミラーDM2に到達する。測定光LSは、ダイクロイックミラーDM2により反射され、対物レンズ系110により屈折されて被検眼Eに照射される。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱(反射を含む)される。このような後方散乱光を含む測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバーカプラ152に導かれ、光ファイバf5を経由してファイバーカプラ153に到達する。
ファイバーカプラ153は、光ファイバf5を介して入射された測定光LSと、光ファイバf3を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバーカプラ153は、所定の分岐比(例えば1:1)で、測定光LSと参照光LRとの干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。ファイバーカプラ153から出射した一対の干渉光LCは、検出器155に導かれる。
検出器155は、例えば一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらによる検出結果の差分を出力するバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode)である。検出器155は、その検出結果(検出信号)を図示しないDAQ(Data Acquisition System)に送る。DAQには、OCT光源151からクロックが供給される。このクロックは、OCT光源151において、波長掃引型光源により所定の波長範囲内で掃引(走査)される各波長の出力タイミングに同期して生成される。DAQは、このクロックに基づき、検出器155の検出結果をサンプリングし、後述の画像形成部等に送る。画像形成部は、例えば一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、検出器155により得られた検出結果に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、画像形成部は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。
[処理系]
図4に、実施形態に係る眼科撮影装置の処理系の構成例を示す。図4において、図1及び図3と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
(制御部)
実施形態に係る眼科撮影装置の処理系は、制御部200を中心に構成される。制御部200は、眼科撮影装置の各部の制御を行う。制御部200は、主制御部201と、記憶部202とを含む。主制御部201の機能は、例えばマイクロプロセッサにより実現される。記憶部202には、眼科撮影装置を制御するためのコンピュータプログラムがあらかじめ格納される。このコンピュータプログラムには、各種の光源制御用プログラム、光スキャナ制御用プログラム、各種の検出器制御用プログラム、画像形成用プログラム、データ処理用プログラム及びユーザインターフェイス用プログラムなどが含まれる。このようなコンピュータプログラムに従って主制御部201が動作することにより、制御部200は制御処理を実行する。
対物レンズ系110に対する制御として、対物レンズ系110を光軸Oに沿って移動させる移動機構110Dに対する制御などがある。例えば、移動機構110Dには、移動機構110Dを移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部201は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより、移動機構110Dに対する制御を行う。
SLO光学系130に対する制御として、SLO光源131の制御、光スキャナ136の制御、検出器135の制御などがある。SLO光源131の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。光スキャナ136の制御には、光スキャナ136Xによる走査位置や走査範囲の制御、光スキャナ136Yによる走査位置や走査範囲の制御などがある。検出器135の制御には、検出素子の露光調整やゲイン調整や検出レート調整などがある。
OCT光学系140に対する制御として、OCT光源151の制御、光スキャナ142の制御、移動機構141Dや移動機構154Dの制御、検出器155の制御などがある。OCT光源151の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。光スキャナ142の制御には、光スキャナ142Xによる走査位置や走査範囲の制御、光スキャナ142Yによる走査位置や走査範囲の制御などがある。移動機構141Dは、OCT光学系140の光路に沿って合焦レンズ141を移動する。例えば、移動機構141Dには、移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部201は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより、移動機構141Dに対する制御を行う。移動機構154Dは、プリズム154を参照光LRの入射光路及び出射光路に沿う方向に移動する。例えば、移動機構154Dには、移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部201は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより、移動機構154Dに対する制御を行う。検出器155の制御には、検出素子の露光調整やゲイン調整や検出レート調整などがある。
前眼部撮影系120に対する制御として、前眼部照明光源121の制御、前眼部撮影カメラ123の制御などがある。前眼部照明光源121の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。前眼部撮影カメラ123の制御には、撮像素子の露光調整やゲイン調整や撮影レート調整などがある。
光学系100に対する制御として、光学系100(ダイクロイックミラーDM1A、DM1B、前眼部撮影系120を含む)をX方向、Y方向及びZ方向に移動する移動機構100Dの制御などがある。例えば、移動機構100Dには、移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部201は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより、移動機構100Dに対する制御を行う。
主制御部201は、アライメント制御部201Aと、トラッキング制御部201Bと、表示制御部201Cとを含む。
アライメント制御部201Aは、被検眼Eに対して光学系100の位置合わせを行うためのアライメントの実行を制御する。アライメント制御部201Aは、前眼部撮影系120により得られた被検眼Eの前眼部画像に基づいて移動機構100D、110Dを制御する。アライメント制御部201Aは、例えば、前眼部撮影系120により得られた被検眼Eの前眼部画像中の特徴部位を特定し、特定された特徴部位の位置と所定の目標位置とのずれ量がキャンセルされるように光学系100等の移動量を求める。アライメント制御部201Aは、求められた移動量に基づいて移動機構100Dを制御することにより被検眼Eに対して光学系100の位置合わせを行う(XY方向)。目標位置は、あらかじめ決められた位置であってもよいし、UI部230を用いて指定された前眼部画像中の位置であってもよい。
アライメント制御部201Aは、例えば、前眼部撮影系120により得られた被検眼Eの前眼部画像の合焦状態(ぼけ具合)を特定し、特定された合焦状態が所望の合焦状態となるように光学系100のZ方向の移動量を求めることが可能である。アライメント制御部201Aは、求められた移動量に基づいて移動機構100Dを制御することにより、被検眼Eに対する光学系100及び光学系100の位置合わせを行う(Z方向)。なお、2以上のカメラを用いて互いに異なる方向から前眼部を撮影し、視差が設けられた2以上の画像から3次元的に合焦状態を特定し、特定された合焦状態が所望の合焦状態となるように光学系100のZ方向の移動量を求めてもよい。
アライメント制御部201Aは、SLO光学系130により得られたSLO画像に基づいて移動機構110Dを制御することにより被検眼Eに対する対物レンズ系110の位置合わせ(Z方向)を行ってもよい。この場合、アライメント制御部201Aは、取得されたSLO画像の合焦状態(ぼけ具合)を特定し、特定された合焦状態が所望の合焦状態となるように対物レンズ系110のZ方向の移動量を求める。アライメント制御部201Aは、求められた移動量に基づいて移動機構110Dを制御する。
トラッキング制御部201Bは、SLO光学系130により得られた被検眼EのSLO画像に対するトラッキングを制御する。トラッキング制御部201Bは、例えば、所定のタイミングでSLO画像中の特徴部位を特定し、特定された特徴部位の位置が変化したとき、その位置のずれ量がキャンセルされるように移動量を求める。トラッキング制御部201Bは、求められた移動量に基づいてSLO画像に対するトラッキングを制御する。
また、トラッキング制御部201Bは、OCT光学系140により得られた被検眼EのOCT画像に対するトラッキングをSLO画像に基づいて制御する。トラッキング制御部201Bは、例えば、所定のタイミングでSLO画像中の特徴部位を特定し、特定された特徴部位の位置が変化したとき、その位置のずれ量がキャンセルされるように移動量を求める。トラッキング制御部201Bは、求められた移動量に基づいてOCT画像に対するトラッキングを制御する。トラッキング制御部201Bは、データ処理部220に設けられていてもよい。
表示制御部201Cは、各種情報を後述のUI部230に表示させる。UI部230に表示される情報には、制御部200により生成された情報、画像形成部210により形成された画像、データ処理部220によるデータ処理後の情報などがある。
(画像形成部)
画像形成部210は、SLO画像形成部210Aと、OCT画像形成部210Bとを含む。SLO画像形成部210Aは、検出器135から入力される検出信号と、制御部200から入力される画素位置信号とに基づいて、SLO画像の画像データを形成する。OCT画像形成部210Bは、検出器155から入力される検出信号と、制御部200から入力される画素位置信号とに基づいて、OCT画像(眼底Efの断層像)の画像データを形成する。また、画像形成部210は、前眼部撮影カメラ123の撮像素子による被検眼Eの前眼部からの反射光の検出結果に基づいて前眼部画像を形成する。画像形成部210により形成された各種の画像(画像データ)は、例えば記憶部202に保存される。
(データ処理部)
データ処理部220は、各種のデータ処理を実行する。データ処理の例として、画像形成部210又は他の装置により形成された画像データに対する処理がある。この処理の例として、各種の画像処理や、画像に対する解析処理や、画像データに基づく画像評価などの診断支援処理がある。
(UI部)
UI(User Interface)部230は、ユーザと眼科撮影装置との間で情報のやりとりを行うための機能を備える。UI部230は、表示デバイスと操作デバイス(入力デバイス)とを含む。表示デバイスは、表示部を含んでよく、それ以外の表示デバイスを含んでもよい。操作デバイスは、各種のハードウェアキー及び/又はソフトウェアキーを含む。制御部200は、操作デバイスに対する操作内容を受け、操作内容に対応した制御信号を各部に出力することが可能である。操作デバイスの少なくとも一部と表示デバイスの少なくとも一部とを一体的に構成することが可能である。タッチパネルディスプレイはその一例である。
光学系100、SLO光学系130又はOCT光学系140は、実施形態に係る「スキャン光学系」の一例である。SLO光学系130が実施形態に係る「スキャン光学系」に相当する場合、光スキャナ136Xは実施形態に係る「第1光スキャナ」の一例であり、光スキャナ136Yは実施形態に係る「第2光スキャナ」の一例である。OCT光学系140が実施形態に係る「スキャン光学系」に相当する場合、光スキャナ142Xは実施形態に係る「第1光スキャナ」の一例であり、光スキャナ142Yは実施形態に係る「第2光スキャナ」の一例である。
[動作]
実施形態に係る眼科撮影装置の動作について説明する。
図5及び図6に、実施形態に係る眼科撮影装置の動作の一例を示す。図5及び図6は、実施形態に係る眼科撮影装置の動作例のフロー図を表す。
(S1)
まず、光軸Oに広角撮影モード用の対物レンズユニット110Aがセットされる。例えば、検者、被検者、医師、患者等のユーザが手動で光軸Oに対物レンズユニット110Aをセットする。眼科撮影装置は、UI部230に対してユーザにより行われた操作に基づきS2に動作を移行することが可能である。また、眼科撮影装置は、光軸Oに配置された対物レンズユニットの種別を検出し、検出された種別があらかじめ登録された当該撮影モードに対応する種別であると判定されたとき、眼科撮影装置の動作をS2に移行するようにしてもよい。
(S2)
制御部200は、前眼部撮影系120により被検眼Eの前眼部を撮影することにより前眼部画像を取得する。
(S3)
アライメント制御部201Aは、前述のようにS2において取得された前眼部画像に基づいて移動機構100Dを制御することにより、被検眼Eに対する光学系100及び対物レンズ系110の位置合わせを行う(X方向、Y方向及びZ方向)。
(S4)
制御部200は、光スキャナ136、142のそれぞれをあらかじめ決められた初期位置に移動させる。
(S5)
制御部200は、SLO光源131をオンにして、光スキャナ136を制御することによりSLO光源131からの光で被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。SLO画像形成部210Aは、検出器135による眼底反射光の検出結果に基づいて眼底EfのSLO画像を形成する。また、制御部200は、OCT光源151をオンにして、光スキャナ142を制御することによりOCT光源151からの光に基づく測定光LSで被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。OCT画像形成部210Bは、検出器155による干渉光の検出結果に基づいて眼底EfのOCT画像を形成する。S5において、トラッキング制御部201Bは、SLO画像に対するトラッキング制御とOCT画像に対するトラッキング制御とを開始してもよい。
(S6)
アライメント制御部201Aは、前眼部撮影系120により得られた前眼部画像又はS5において得られたSLO画像から網膜のフォーカス方向のアライメントを行う。それにより、対物レンズ系110の光軸Oの方向の位置の微調整が可能になる。
(S7)
主制御部201は、OCT光学系140により得られた干渉光の検出信号に基づいてOCT光学系140の焦点位置を変更する。主制御部201は、例えば、所定の干渉光の検出信号の振幅が最大となるように移動機構141Dを制御することによりOCT光学系140の焦点位置を変更する。
(S8)
制御部200は、再び、光スキャナ136を制御することによりSLO光源131からの光で被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。SLO画像形成部210Aは、検出器135による眼底反射光の検出結果に基づいて眼底EfのSLO画像を形成する。また、制御部200は、再び、光スキャナ142を制御することによりOCT光源151からの光に基づく測定光LSで被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。OCT画像形成部210Bは、検出器155による干渉光の検出結果に基づいて眼底EfのOCT画像を形成する。S8で得られたSLO画像及びOCT画像のそれぞれは広角画像である。
(S9)
次に、制御部200は、高倍率での撮影を行うか否か(高倍率撮影モードに移行するか否か)を判定する。主制御部201は、UI部230に対する操作内容を検出することが可能である。主制御部201は、UI部230に対する操作内容に基づいて、高倍率での撮影を行うか否かを判定する。高倍率での撮影を行うと判定されたとき(S9:Y)、眼科撮影装置の動作はS10に移行する。高倍率での撮影を行わないと判定されたとき(S9:N)、眼科撮影装置の動作は終了する(エンド)。
(S10)
高倍率での撮影を行うと判定されたとき(S9:Y)、光軸Oに高倍率撮影モード用の対物レンズユニット110Bがセットされるまで待機する。例えば、ユーザが手動で光軸Oに対物レンズユニット110Bをセットする。眼科撮影装置は、UI部230に対してユーザにより行われた操作に基づきS11に動作を移行したり、光軸Oに配置された対物レンズユニットの種別の検出結果に基づきSS1に動作を移行したりすることが可能である。
(S11)
主制御部201は、S8において取得されたSLO画像においてUI部230を用いたユーザによる撮影部位の指定を受け付ける。
(S12)
制御部200は、前眼部撮影系120により被検眼Eの前眼部を撮影することにより前眼部画像を取得する。
(S13)
アライメント制御部201Aは、前述のようにS12において取得された前眼部画像に基づいて移動機構100Dを制御することにより、被検眼Eに対する光学系100及び対物レンズ系110の位置合わせを行う(X方向、Y方向及びZ方向)。
(S14)
制御部200は、光スキャナ136、142のそれぞれを初期位置に移動させる。
(S15)
制御部200は、S5と同様に、SLO光源131からの光で被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。SLO画像形成部210Aは、検出器135による眼底反射光の検出結果に基づいて眼底EfのSLO画像を形成する。また、制御部200は、OCT光源151からの光に基づく測定光LSで被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。OCT画像形成部210Bは、検出器155による干渉光の検出結果に基づいて眼底EfのOCT画像を形成する。S15においても、S5と同様に、トラッキング制御部201Bは、SLO画像に対するトラッキング制御とOCT画像に対するトラッキング制御とを開始してもよい。
(S16)
アライメント制御部201Aは、前眼部撮影系120により得られた前眼部画像又はS15において得られたSLO画像から網膜のフォーカス方向のアライメントを行う。
(S17)
主制御部201は、OCT光学系140により得られた干渉光の検出信号に基づいてOCT光学系140の焦点位置を変更する。主制御部201は、例えば、所定の干渉光の検出信号の振幅が最大となるように移動機構141Dを制御することによりOCT光学系140の焦点位置を変更する。
(S18)
制御部200は、再び、光スキャナ136を制御することによりSLO光源131からの光で被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。SLO画像形成部210Aは、検出器135による眼底反射光の検出結果に基づいて眼底EfのSLO画像を形成する。また、制御部200は、再び、光スキャナ142を制御することによりOCT光源151からの光に基づく測定光LSで被検眼Eの眼底Efのスキャンを開始させる。OCT画像形成部210Bは、検出器155による干渉光の検出結果に基づいて眼底EfのOCT画像を形成する。S18で得られたSLO画像及びOCT画像のそれぞれは高倍率画像である。
以上のように、例えば、図7に示すように、S8において取得された眼底の広角画像G1中で注目したい撮影部位R1(例えば、視神経乳頭近傍の部位)について高倍率で撮影した高倍率画像G2を取得することが可能になる。また、例えば、図8に示すように、S8において取得された眼底の広角の断層像H1中で注目したい撮影部位R2(例えば、視神経乳頭近傍の部位)について高倍率で撮影した高倍率の断層像H2を取得することが可能になる。
(S19)
次に、制御部200は、他の部位の撮影を行うか否かを判定する。主制御部201は、UI部230に対する操作内容に基づいて、他の部位の撮影を行うか否かを判定する。他の部位の撮影を行うと判定されたとき(S19:Y)、眼科撮影装置の動作はS11に移行する。他の部位の撮影を行わないと判定されたとき(S19:N)、眼科撮影装置の動作は終了する(エンド)。
<変形例>
(第1変形例)
瞳収差を発生させる光学系の構成は図1〜図3に示す構成に限定されない。例えば、SLO光源131と光スキャナ136との間やOCT光源151と光スキャナ142との間に屈折光学素子を配置してもよい。
図9に、実施形態の第1変形例に係る眼科撮影装置の光学系の構成例を示す。図9において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図9は、広角撮影モードに設定されているときの眼科撮影装置の光学系の構成例を表すが、高倍率撮影モードに設定されているときの光学系の構成も図3と同様である。以下では、第1変形例に係る眼科撮影装置について、実施形態との相違点を中心に説明する。
第1変形例に係る光学系100aの構成が実施形態に係る光学系100の構成と異なる点は、SLO光学系130に代えてSLO光学系130aが設けられた点と、OCT光学系140に代えてOCT光学系140aが設けられた点である。
SLO光学系130aの構成がSLO光学系130の構成と異なる点は、SLO光源131と光スキャナ136との間に光束移動部138が設けられた点と、光スキャナ136における瞳共役位置が変更された点である。
光束移動部138は、SLO光学系130aの光軸(光軸O)に直交する面内においてSLO光源131からの光(光束)を移動させる。図9では、光束移動部138は、ビームスプリッタBS2と光スキャナ136との間に配置されているが、SLO光源131とビームスプリッタBS2との間に配置されていてもよい。光束移動部138は、一対の楔形プリズム138A、138Bを含む。楔形プリズム138A、138Bのそれぞれは、SLO光学系130aの光軸に直交する断面の形状が円形をなし、当該光軸に平行な断面の形状が楔形をなしている屈折光学素子である。楔形プリズム138A、138Bのそれぞれは、底面がSLO光学系130aの光軸に直交し、かつ、斜面が互いに対向するように配置されている。一対の楔形プリズム138A、138Bは、図示しない移動機構(後述の移動機構138D)により一体となってSLO光学系130aの光軸を中心に回動可能である。また、一対の楔形プリズム138A、138Bの少なくとも一方が、SLO光学系130aの光軸に直交する方向に移動可能とされ、相対移動可能又はSLO光学系130aの光軸に対して挿脱可能であってもよい。光スキャナ136Xの反射面は被検眼Eの瞳と光学的に非共役な位置に配置され、光スキャナ136Yの反射面は瞳共役位置Q又はその近傍に配置されている。
一対の楔形プリズム138A、138BがSLO光学系130aの光軸を中心に回動、相対移動又は挿脱されることにより、SLO光源131から発せられた光束は当該光軸に直交する方向に平行移動し、光束の光スキャナ136Yの反射面における照射位置は移動する。すなわち、SLO光学系130a(光学系100a)は、瞳共役位置Q又はその近傍においてSLO光学系130aの光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底Efを光でスキャンする。従って、被検眼Eの瞳における光の入射位置が移動することにより、被検眼Eの瞳における単位面積当たりの入射光量が減少する。このように瞳収差を敢えて発生させることにより単位面積当たりの入射光量が減少するため、SLO光源131からの光の眼内に入射可能な光量を増加させることができる。
OCT光学系140aの構成がOCT光学系140の構成と異なる点は、OCT光源151と光スキャナ142との間に光束移動部144が設けられた点である。
光束移動部144は、一対の楔形プリズム144A、144Bを含む。楔形プリズム144A、144Bのそれぞれは、楔形プリズム138A、138Bと同様の構成を備えている。一対の楔形プリズム144A、144Bは、図示しない移動機構(後述の移動機構144D)により一体となってOCT光学系140aの光軸を中心に回動可能である。また、一対の楔形プリズム144A、144Bの少なくとも一方が、OCT光学系140aの光軸に直交する方向に移動可能とされ、相対移動可能又はOCT光学系140aの光軸に対して挿脱可能であってもよい。
一対の楔形プリズム144A、144BがOCT光学系140aの光軸を中心に回動、相対移動又は挿脱されることにより、OCT光源151からの光に基づく測定光LSの光束はOCT光学系140aの光軸に直交する方向に平行移動し、光束の光スキャナ144Yの反射面における照射位置は移動する。すなわち、OCT光学系140aは、瞳共役位置Q又はその近傍においてOCT光学系140aの光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底Efを光でスキャンする。従って、被検眼Eの瞳における光の入射位置が移動することにより、被検眼Eの瞳における単位面積当たりの入射光量が減少する。このように瞳収差を敢えて発生させることにより単位面積当たりの入射光量が減少するため、OCT光源151からの光に基づく測定光LSの眼内に入射可能な光量を増加させることができる。
図10に、実施形態の第1変形例に係る眼科撮影装置の処理系の構成例を示す。図10において、図4又は図9と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第1変形例に係る眼科撮影装置の処理系は、制御部200aを中心に構成される。第1変形例に係る処理系の構成が実施形態に係る処理系の構成と異なる点は、制御部200に代えて制御部200aが設けられた点である。制御部200aは、主制御部201aと、記憶部202aとを含む。主制御部201aは、主制御部201に機能に加えて、移動機構138D、144Dを制御することが可能である。記憶部202aは、記憶部202の機能に加えて、移動機構138D、144Dを制御するためのコンピュータプログラムがあらかじめ格納される。
移動機構138Dは、一対の楔形プリズム138A、138Bを移動する。移動機構138Dは、一対の楔形プリズム138A、138BをSLO光学系130aの光軸を中心に回動させたり、相対移動させたり、当該光軸から挿脱させたりする。例えば、移動機構138Dには、移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部201aは、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより、移動機構138Dに対する制御を行う。
移動機構144Dは、一対の楔形プリズム144A、144Bを移動する。移動機構144Dは、一対の楔形プリズム144A、144BをOCT光学系140aの光軸を中心に回動させたり、相対移動させたり、当該光軸から挿脱されたりする。例えば、移動機構144Dには、移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。主制御部201aは、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより、移動機構144Dに対する制御を行う。
第1変形例に係る眼科撮影装置の動作は、実施形態と同様であるため説明を省略する。
一対の楔形プリズム138A、138B又は一対の楔形プリズム144A、144Bは、第1変形例に係る「一対のプリズム」の一例である。移動機構138D又は移動機構144Dは、第1変形例に係る「移動機構」の一例である。ビームスプリッタBS2は、第1変形例に係る「光路分岐素子」の一例である。検出器135は、第1変形例に係る「光検出器」の一例である。
(第2変形例)
実施形態の第1変形例において、屈折光学素子が一対の楔形プリズムである場合について説明したが、実施形態に係る屈折光学素子の構成はこれに限定されない。
図11に、実施形態の第2変形例に係る眼科撮影装置の光学系の構成例を示す。図11において、図9と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図11は、広角撮影モードに設定されているときの眼科撮影装置の光学系の構成例を表すが、高倍率撮影モードに設定されているときの光学系の構成も図3と同様である。以下では、第2変形例に係る眼科撮影装置について、第1変形例との相違点を中心に説明する。
第2変形例に係る光学系100bの構成が第1変形例に係る光学系100aの構成と異なる点は、光束移動部138、144の構成である。
第2変形例に係る光束移動部138は、一対の楔形プリズム138A、138Bに代えて、平行平面板138Cを含む。平行平面板138Cは、厚さが一定の透明な屈折光学素子である。平行平面板138Cは、SLO光学系130aの光軸に対して斜交配置されている。平行平面板138Cは、移動機構138DによりSLO光学系130aの光軸を中心に回動可能である。
平行平面板138Cが光軸を中心に回動されることにより、SLO光源131から発せられた光束は光軸に直交する方向に平行移動し、光束の光スキャナ136Yの反射面における照射位置は移動する。すなわち、SLO光学系130a(光学系100a)は、瞳共役位置Q又はその近傍においてSLO光学系130aの光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底Efを光でスキャンする。従って、被検眼Eの瞳における光の入射位置が移動することにより、被検眼Eの瞳における単位面積当たりの入射光量が減少する。このように瞳収差を敢えて発生させることにより単位面積当たりの入射光量が減少するため、SLO光源131からの光の眼内に入射可能な光量を増加させることができる。
第2変形例に係る光束移動部144は、一対の楔形プリズム144A、144Bに代えて、平行平面板144Cを含む。平行平面板144Cは、平行平面板138Cと同様に、厚さが一定の透明な屈折光学素子である。平行平面板144Cは、OCT光学系140aの光軸に対して斜交配置されている。平行平面板144Cは、移動機構144DによりOCT光学系140aの光軸を中心に回動可能である。
平行平面板144CがOCT光学系140aの光軸を中心に回動されることにより、OCT光源151からの光に基づく測定光LSの光束はOCT光学系140aの光軸に直交する方向に平行移動し、光束の光スキャナ144Yの反射面における照射位置は移動する。すなわち、OCT光学系140aは、瞳共役位置Q又はその近傍においてOCT光学系140aの光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底Efを光でスキャンする。従って、被検眼Eの瞳における光の入射位置が移動することにより、被検眼Eの瞳における単位面積当たりの入射光量が減少する。このように瞳収差を敢えて発生させることにより単位面積当たりの入射光量が減少するため、OCT光源151からの光に基づく測定光LSの眼内に入射可能な光量を増加させることができる。
第2変形例に係る眼科撮影装置の処理系は、第1変形例と同様であるため説明を省略する。第2変形例に係る眼科撮影装置の動作は、第1変形例と同様であるため説明を省略する。
移動機構138D又は移動機構144Dは、第2変形例に係る「移動機構」の一例である。ビームスプリッタBS2は、第2変形例に係る「光路分岐素子」の一例である。検出器135は、第2変形例に係る「光検出器」の一例である。
[効果]
実施形態又はその変形例に係る眼科撮影装置の効果について説明する。
実施形態に係る眼科撮影装置は、被検眼(被検眼E)の眼底(眼底Ef)を光(SLO光、OCT光(測定光LS))でスキャンするためのスキャン光学系(光学系100、100a、100b、SLO光学系130、130a、OCT光学系140、140a)を含む。スキャン光学系は、被検眼の瞳と光学的に略共役な位置(瞳共役位置Q又はその近傍)において光軸(SLO光学系130、130aの光軸、OCT光学系140、140aの光軸)に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ眼底を光でスキャンする。
このような構成によれば、眼底をスキャンするための光を被検眼の瞳上で移動させることが可能になるため、瞳における単位面積当たりの入射光量を減少させることができる。それにより、規格等で定められた光量の範囲内に抑えて安全性を確保しつつ、眼底をスキャンするために眼内に入射可能な光量を増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、スキャン光学系は、光を第1方向(X方向)に偏向する第1光スキャナ(光スキャナ136X、光スキャナ142X)と、第1光スキャナにより偏向された光を第1方向と異なる第2方向(Y方向)に偏向する第2光スキャナ(光スキャナ136Y、光スキャナ142Y)と、を含み、第1光スキャナの偏向面又は第1光スキャナと第2光スキャナとの間の位置は、瞳と光学的に略共役な位置に配置され、かつ、第2光スキャナの偏向面は瞳と光学的に非共役な位置に配置されていてもよい。
このような構成によれば、第1光スキャナの偏向面が変更されると、眼底をスキャンするための光の第2光スキャナにおける照射位置を移動することができるため、被検眼の瞳上で光を移動させることが可能になる。それにより、安全性を確保しつつ、眼底をスキャンするために眼内に入射可能な光量を増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、スキャン光学系は、光スキャナ(光スキャナ136、光スキャナ142)と、光を出力する光源(SLO光源131、OCT光源151)と光スキャナとの間に配置された屈折光学素子(一対の楔形プリズム138A、138B、一対の楔形プリズム144A、144B、平行平面板138C、144C)と、を含み、屈折光学素子を移動する移動機構(移動機構136D、144D)と、移動機構の制御と、スキャン光学系の制御とを並行して実行する制御部(制御部200、200a)と、を含んでもよい。
このような構成によれば、屈折光学素子を移動することにより、眼底をスキャンするための光を被検眼の瞳上で移動させることが可能になるため、瞳における単位面積当たりの入射光量を減少させることができる。それにより、安全性を確保しつつ、眼底をスキャンするために眼内に入射可能な光量を増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、屈折光学素子は、一対のプリズム(一対の楔形プリズム138A、138B、一対の楔形プリズム144A、144B)を含み、移動機構は、一対のプリズムを一体的に、又は相対的に移動してもよい。
このような構成によれば、一対のプリズムを一体的に、又は相対的に移動することにより、眼底をスキャンするための光を被検眼の瞳上で移動させるようにしたので、眼内に入射可能な光量を簡素な構成で増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、移動機構は、光軸(SLO光学系130aの光軸、OCT光学系140aの光軸)を中心に一対のプリズムを一体的に回動してもよい。
このような構成によれば、一対のプリズムを一体的に回動することにより、眼底をスキャンするための光を被検眼の瞳上で移動させるようにしたので、眼内に入射可能な光量を簡素な制御及び構成で増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、屈折光学素子は、光軸に対して斜交配置された平行平面板(平行平面板138C、144C)を含み、移動機構は、平行平面板を移動してもよい。
このような構成によれば、光軸に対して斜交配置された平行平面板を用いることにより、眼底をスキャンするための光を被検眼の瞳上で移動させるようにしたので、眼内に入射可能な光量を簡素な構成で増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、移動機構は、光軸を中心に平行平面板を回動してもよい。
このような構成によれば、平行平面板を回動することにより、眼底をスキャンするための光を被検眼の瞳上で移動させるようにしたので、眼内に入射可能な光量を簡素な制御及び構成で増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、スキャン光学系は、光源と光スキャナとの間に配置された光路分岐素子(ビームスプリッタBS2)と、光路分岐素子により形成された分岐光路に配置された光検出器(検出器135)と、を含み、屈折光学素子は、光路分岐素子と光スキャナとの間に配置されていてもよい。
このような構成によれば、光路分岐素子と光スキャナとの間に屈折光学素子を配置するようにしたので、簡素な構成で、安全性を確保しつつ、眼底をスキャンするために眼内に入射可能な光量を増加させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科撮影装置では、スキャン光学系は、光源と光スキャナとの間に配置された光路分岐素子(ビームスプリッタBS2)と、光路分岐素子により形成された分岐光路に配置された光検出器(検出器135)と、を含み、屈折光学素子は、光路分岐素子と光源との間に配置されていてもよい。
このような構成によれば、光路分岐素子と光源との間に屈折光学素子を配置するようにしたので、簡素な構成で、安全性を確保しつつ、眼底をスキャンするために眼内に入射可能な光量を増加させることが可能になる。
<変形例>
以上に示された実施形態又はその変形例は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
前述の実施形態又はその変形例において、図5のS9から図6のS10に移行するとき、眼科撮影装置は、S9の終了後に対物レンズ系110や光学系100などを被検眼Eから離れる方向に一旦移動させた後にS10に移行してもよい。
制御部200、200aは、広角撮影モードのときの作動距離(ワーキングディスタンス)が高倍率撮影モードのときの作動距離より短くなるように少なくとも対物レンズ系110(光学系100)を移動させてもよい。
前述の実施形態又はその変形例では、光学系100、100a、100bの構成が図1、図3、図9及び図11に示す構成である場合について説明したが、実施形態に係る光学系の構成はこれに限定されるものではない。実施形態に係る光学系は、レーザー光を眼底における治療部位に照射するための光学系や、被検眼に固視させた状態で視標を移動させるための光学系などを備えていてもよい。
前述の実施形態又はその変形例では、対物レンズ系110の構成が図1〜図3に示す構成である場合について説明したが、実施形態に係る対物レンズ系の構成はこれに限定されるものではない。
実施形態に係る前眼部撮影系は、互いに異なる2以上の方向から被検眼Eの前眼部を撮影するための2以上のカメラを含んでいてもよい。この場合、実施形態に係るアライメント制御部201Aは、これらのカメラを用いて取得された互いに異なる2以上の方向からの前眼部の撮影画像に基づいて得られる視差からZ方向のアライメントを実行することが可能である。
前述の実施形態では、前眼部撮影系120を用いて取得された前眼部画像を用いてアライメントを行う場合について説明したが、取得された前眼部画像をUI部230に設けられた表示デバイスに表示させてもよい。また、取得された前眼部画像をアライメントに用いなくてもよい。
100、100a、100b 光学系
110 対物レンズ系
110A、110B 対物レンズユニット
120 前眼部撮影系
130、130a SLO光学系
138、144 光束移動部
138A、138B、144A、144B 楔形プリズム
138C、144C 平行平面板
136、142 光スキャナ
140、140a OCT光学系
150 干渉光学系
200、200a 制御部
DM1A、DM1B ダイクロイックミラー

Claims (9)

  1. 被検眼の眼底を光でスキャンするためのスキャン光学系を含む眼科撮影装置であって、
    前記スキャン光学系は、前記被検眼の瞳と光学的に略共役な位置において光軸に直交する面内における光の通過位置を変更しつつ前記眼底を前記光でスキャンする
    ことを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記スキャン光学系は、
    前記光を第1方向に偏向する第1光スキャナと、
    前記第1光スキャナにより偏向された光を前記第1方向と異なる第2方向に偏向する第2光スキャナと、
    を含み、
    前記第1光スキャナの偏向面又は前記第1光スキャナと前記第2光スキャナとの間の位置は、前記瞳と光学的に略共役な位置に配置され、かつ、前記第2光スキャナの偏向面は前記瞳と光学的に非共役な位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記スキャン光学系は、
    光スキャナと、
    前記光を出力する光源と前記光スキャナとの間に配置された屈折光学素子と、
    を含み、
    前記屈折光学素子を移動する移動機構と、
    前記移動機構の制御と、前記スキャン光学系の制御とを並行して実行する制御部と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記屈折光学素子は、一対のプリズムを含み、
    前記移動機構は、前記一対のプリズムを一体的に、又は相対的に移動する
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記移動機構は、前記光軸を中心に前記一対のプリズムを一体的に回動する
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科撮影装置。
  6. 前記屈折光学素子は、前記光軸に対して斜交配置された平行平面板を含み、
    前記移動機構は、前記平行平面板を移動する
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼科撮影装置。
  7. 前記移動機構は、前記光軸を中心に前記平行平面板を回動する
    ことを特徴とする請求項6に記載の眼科撮影装置。
  8. 前記スキャン光学系は、
    前記光源と前記光スキャナとの間に配置された光路分岐素子と、
    前記光路分岐素子により形成された分岐光路に配置された光検出器と、
    を含み、
    前記屈折光学素子は、前記光路分岐素子と前記光スキャナとの間に配置されている
    ことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか一項に記載の眼科撮影装置。
  9. 前記スキャン光学系は、
    前記光源と前記光スキャナとの間に配置された光路分岐素子と、
    前記光路分岐素子により形成された分岐光路に配置された光検出器と、
    を含み、
    前記屈折光学素子は、前記光路分岐素子と前記光源との間に配置されている
    ことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか一項に記載の眼科撮影装置。
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