JP2017169585A - 新規なグルコース脱水素酵素 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で、測定した分子量が69kDaであり、グルコース脱水素酵素活性を有し、D−グルコースに対するKm値が10mMである、下記の(a)〜(c)のいずれかのポリペプチドからなるフラビン結合型グルコース脱水素酵素。(a)特定の配列に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、(b)特定の配列に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が残基の置換、欠失、挿入、付加及び/又は逆位したアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド、(c)特定の配列に示されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であるアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド
【選択図】なし
Description
下記の(a)〜(c)のいずれかのポリペプチドからなるフラビン結合型グルコース脱水素酵素;
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加および/または逆位したアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド、
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であるアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド。
項2
以下の(A)〜(E)のいずれかのDNA:
(A)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、
(B)配列番号2に示される塩基配列をからなるDNA、
(C)配列番号2に示される塩基配列との相同性が80%以上である塩基配列からなり、且つ、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA;
(D)配列番号2に示される塩基配列に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであり、且つグルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA、
(E)配列番号2に示される塩基配列において、一若しくは数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加及び/又は逆位されている塩基配列であり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA、
(F)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、付加、又は逆位したアミノ酸配列からなり、且つ、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
項3
項2に記載のDNAを組み込んだベクター。
項4
項3に記載のベクターを含む形質転換体。
項5
項4に記載の形質転換体を培養することを含む、請求項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素の製造方法。
項6
項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素をグルコースに作用させることを含む、グルコース濃度の測定方法。
項8
項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
項9
項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素を含むグルコースセンサ。
項A.下記の特性(1)〜(4)を備えるフラビン結合型グルコース脱水素酵素。
(1)分子量: SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で測定した酵素のポリペプチド部分の分子量が約69kDa
(2)Km値: D−グルコースに対するKm値が約10mM以下
(3)温度安定性:50℃以下で安定
(4)pH安定性: pH3.0〜8.0の範囲で安定
項B.更に下記の特性(5)を備える、項Aに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素。
(5)基質特異性: D−グルコースに対する反応性を100%としたときのD−キシロースに対する反応性が1.8%以下である
項C.更に下記の特性(6)を備える、項A又はBに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素。
(6)至適活性温度: 45℃〜50℃
項D.更に下記の特性(7)を備える、項A〜Cのいずれかに記載のフラビン結合多型グルコース脱水素酵素。
(7)至適活性pH: 8.0
項E.更に下記の特性(8)を備える、項A〜Dのいずれかに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素。
(8)由来: ムコール(Mucor)属に分類される微生物に由来する
項F.ムコール属に分類される微生物を培養すること、及び
グルコース脱水素酵素を回収すること
を含む、項A〜Eのいずれかに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素の製造方法。項G.項A〜Eのいずれかに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素をグルコースに作用させることを含む、グルコース濃度の測定方法。
項H.項A〜Eのいずれかに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
項I.項A〜Eのいずれかに記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素を含むグルコースセンサ。
1.フラビン結合型グルコース脱水素酵素
1−1.グルコース脱水素酵素活性
フラビン結合型グルコース脱水素酵素とは、電子受容体存在下でグルコースの水酸基を酸化してグルコノ−δ−ラクトンを生成する反応を触媒する理化学的性質を有する酵素である。本書においては、この理化学的性質をグルコースデヒドロゲナーゼ活性といい、特に断りが無い限り、「酵素活性」又は「活性」とは、当該酵素活性を意味する。前記電子受容体は、FGDHが触媒する反応において、電子の授受を担うことが可能である限り特に制限されないが、例えば、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)、フェナジンメトサルフェート(PMS)、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェート、及びフェリシアン化合物等を使用することができる。
<試薬>
50mM PIPES緩衝液pH6.5(0.1% TritonX−100を含む)
24mM PMS溶液
2.0mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液
1M D−グルコース溶液
上記PIPES緩衝液20.5mL、DCPIP溶液1.0mL、PMS溶液2.0mL、D―グルコース溶液5.9mLを混合して反応試薬とする。
反応試薬3mLを37℃で5分間予備加温する。FGDH溶液0.1mLを添加しゆるやかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で、600nmの吸光度変化を5分記録し、直線部分から(即ち、反応速度が一定になってから)1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を測定する。盲検はFGDH溶液の代わりにFGDHを溶解する溶媒を試薬混液に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を測定する。これらの値から次の式に従ってFGDH活性を求める。ここでFGDH活性における1単位(U)とは、濃度200mMのD−グルコース存在下で1分間に1マイクロモルのDCPIPを還元する酵素量である。
活性(U/mL)=
{−(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.1×希釈倍率}/{16.3×0.1×1.0}
なお、式中の3.1は反応試薬+酵素溶液の液量(mL)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm2/マイクロモル)、0.1は酵素溶液の液量(mL)、1.0はセルの光路長(cm)を示す。本書においては、別段の表示しない限り、酵素活性は上記の測定方法に従って、測定される。
本発明のFGDHは、下記(a)〜(c)のいずれかのポリペプチドで構成されることが好ましい。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、付加および/または逆位したアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であるアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド。
1に示されるアミノ酸において、1若しくは数個のアミノ酸配残基が置換、欠失、挿入、付加及び/又は逆位(以下、これらを纏めて「変異」とする場合がある。)されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである。ここで「数個」とは、グルコース脱水素酵素活性及び好ましくは後述する1−3〜1−10(特に1−3、1−4、1−7、及び1−8)の特性が維持される限り制限されないが、例えば、全アミノ酸の約20%未満に相当する数であり、好ましくは約15%未満に相当する数であり、さらに好ましくは約10%未満に相当する数であり、より一層好ましくは約5%未満に相当する数であり、最も好ましくは約1%未満に相当する数である。より具体的には、変異されるアミノ酸残基の個数は、例えば、2〜127個、好ましくは2〜96個、より好ましくは2〜64個、更に好ましくは2〜32個であり、より更に好ましくは2〜20個、一層好ましくは2〜15個、より一層好ましくは2〜10個、特に好ましくは2〜5個である。
13 ,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)など公知の手法を利用して後述する本発明のFGDHをコードするDNAに変異を導入することによって実施することが可能である。また、紫外線照射など他の方法によってもバリアントFGDHを得ることができる。バリアントFGDHには、FGDHを保持する微生物の個体差、種や属の違いに基づく場合などの天然に生じるバリアント(例えば、一塩基多型も含まれる。
能な解析ツールを用いて算出することができ、例えば、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/ においてデフォルト(初期設定)のパラメーターを用いることにより、算出することができる。
本発明のFGDHは、基質特異性に優れている。特に、本発明のFGDHは、D−グルコースに対する反応性を基準とした場合に、少なくともD−キシロースに対する反応性が有意に低い。より具体的に、本発明のFGDHは、同一濃度のD−グルコースに対する反応性を100%とした場合に、D−キシロースに対する反応性が1.8%以下であることが好ましい。
本発明のFGDHは、本来の基質であるD−グルコースに対する親和性が高いことが好ましい。親和性が高いことにより、試料中のD−グルコースの濃度が低い場合であっても、上述する触媒反応を進めることができ、より正確なD−グルコース濃度の測定、より短時間での測定、及びより少ない酵素量での測定に資するからである。FGDHのD−グルコースに対する親和性は、Km値によって示される。Km値は、いわゆるミカエリス・メンテン式から求められる値であり、具体的には、上記1−1.に示す活性測定方法においてD−グルコースの濃度を変化させて各濃度における活性を測定し、ラインウィーバー・バーク・プロットを作成することによって求めることができる。
本発明のFGDHは、実施例に示す通り、pH8.0(Tris HCl緩衝液)において最も高い活性を示すことが好ましい。また、pH7.5〜8.0(TrisHCl緩衝液)において、本発明のFGDHは、pH8.0(Tris HCl緩衝液)における活性を100%として、80%以上の相対活性を示すことが好ましい。即ち、本発明のFGDHの至適活性pHは7.5〜8.0であり、好ましくはpH8.0である。一方、本発明のFGDHは、後述する実施例に示す通り、リン酸カリウム緩衝液やMES−NaOH緩衝液を中ではpH6・5〜7.5付近で最も高い活性を示す。よって、これらの緩衝液を用いる場合は、pH6.5〜7.5が至適活性pHであることが好ましい。
本発明のFGDHの至適活性温度は、45℃〜50℃であることが好ましい。ここで「45℃〜50℃」とは、典型的に至適活性温度が45℃〜50℃付近であり、更にある程度の許容可能な幅を有することを意味する。本明細書において、至適活性温度は、後述する実施例に示す通り、酵素濃度0.1U/mLでPIPES−NaOHバッファー(pH6.5)中における酵素活性を測定することにより求められる。
本明細書において、特定のpH条件の下、2U/mLの酵素を25℃で16時間処理した後の残存酵素活性が、処理前の酵素活性と比較して95%以上である場合に、当該酵素は、当該pH条件において安定であると判断する。本発明のFGDHは、少なくともpH3.0〜8.0の範囲全体で安定であることが好ましい。
本明細書において、特定の温度条件の下、適当な緩衝液中(例えば酢酸カリウムバッファー(pH5.0))で2U/mLの酵素を15分間処理した後の残存酵素活性が、処理前の酵素活性と比較して実質的な低下が認められない(つまり約90%以上を維持する)とき、当該酵素は当該温度条件において安定であると判断する。本発明のFGDHは、少なくとも0℃〜50℃の温度範囲において安定であることが好ましい。
本発明のFGDHを構成するポリペプチド部分の分子量は、SDS−PAGEで測定した場合に約69kDaであることが好ましい。「約69kDa」とは、SDS−PAGEで分子量を測定した際に、当業者が、通常69kDaの位置にバンドがあると判断する範囲を含むことを意味する。「ポリペプチド部分」とは、実質的に糖鎖が結合していない状態のFGDHを意味する。微生物によって生産された本発明のFGDHが糖鎖結合型である場合は、それを熱処理や糖加水分解酵素によって処理することにより、糖鎖を除去した
状態(即ち、「ポリペプチド部分」)にすることができる。実質的に糖鎖が結合していない状態とは、熱処理や糖加水分解酵素によって処理された糖鎖結合型FGDHに不可避的に残存する糖鎖の存在を許容する。よって、FGDHが本来的に糖鎖結合型でない場合は、それ自体が「ポリペプチド部分」に相当する。
本発明のFGDHは、上述する特性を備える限り、その由来は特に制限されない。本発明のFGDHは、例えば、ムコール(Mucor)属に帰属する微生物に由来し得る。ムコール属に属する微生物としては、特に制限されないが、例えば、Mucor subtilissimus、Mucor guilliermondii、Mucor prainii、Mucor javanicus、Mucor circinelloides、及び、Mucor hiemalis f. silvaticus等を例示することができる。より具体的には、Mucor subtilissimus NBRC63
38を例示することができる。Mucor subtilissimus NBRC6338は、NBRC(NITE Biological Resouce Center)(独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門)に保管された菌株であり、所定の手続を経ることによってその分譲を受けることができる。
本発明のDNAは、上記1.のFGDHをコードするDNAであり、具体的には以下の(A)〜(F)のいずれかである。
(A)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするDNA;
(B)配列番号2に示される塩基配列をからなるDNA;
(C)配列番号2に示される塩基配列との相同性が80%以上である塩基配列をからなり、且つ、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA;
(D)配列番号2に示される塩基配列に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを含み、且つグルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA;
(E)配列番号2に示される塩基配列において、一若しくは数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加及び/又は逆位されている塩基配列であり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA;
(F)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、付加、又は逆位したアミノ酸配列からなり、且つ、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である塩基配列を有する。
る。更に好ましいストリンジェントな条件として例えば、ハイブリダイゼーション液として50%ホルムアミド、5×SSC(0.15M NaCl, 15mM sodium
citrate, pH 7.0)、1×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いる条件を挙げることができる。
な遺伝子工学的手法、分子生物学的手法、生化学的手法などを用いることによって容易に調製することができる(Molecular Cloning 2d Ed, Cold
Spring Harbor Lab. Press (1989);続生化学実験講座「遺伝子研究法I、II、III」、日本生化学会編(1986)等参照)。化学的DNA合成法としては、フォスフォアミダイト法による固相合成法を例示することができる。この合成法には自動合成機を利用することができる。
2, 778 (1983)等〕。
(1994)〕、特に5’−RACE法〔M.A. Frohman, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 8, 8998 (1988)〕等の採用が好適である。
本発明のベクターは、上記2.で説明する本発明のFGDHをコードするDNAが組み込まれたベクターである。ここで「ベクター」とは、それに挿入された核酸分子を細胞等のターゲット内へと輸送することができる核酸性分子(キャリアー)であり、適当な宿主細胞内で本発明のDNAを複製可能であり、且つ、その発現が可能である限り、その種類や構造は特に限定されない。即ち、本発明のベクターは発現ベクターである。ベクターの種類は、宿主細胞の種類を考慮して適当なベクターが選択される。ベクターの具体例としては、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター(アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター等)等を挙げることができる。また、糸状菌を宿主とする場合に適したベクターや、セルフクローニングに適したベクターを使用することも可能である。
本発明は、宿主細胞に本発明のDNAが導入された形質転換体に関する。本発明のDNAの宿主への導入手段は特に制限されないが、例えば、上記3.で説明するベクターに組み込まれた状態で宿主に導入される。宿主細胞は、本発明のDNAを発現してFGDHを生産することが可能である限り、特に制限されない。具体的には、大腸菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、カビ、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の真核細胞等を使用することができる。宿主が大腸菌の場合、エシェリヒア・コリC600、エシェリヒア・コリHB101、エシェリヒア・コリDH5αなどが用いられ、ベクターとしてはpBR322、pUC19、pBluescriptなどが例として挙げられる。宿主が酵母の場合は、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、キャンデイダ・ウチリス、ピキア・パストリスなどが例として挙げられ、ベクターとしてはpAUR101、pAUR224、pYE32などが挙げられる。宿主が糸状菌細胞である場合は、例えば、Aspergillus oryzae, Aspergillus niger、Mucor hiemalis等を例示することができる。また、本発明のFGDHが単離されたムコール属に帰属する微生物を宿主とすることも好ましい。即ち、形質転換体では、通常、外来性のDNAが宿主細胞中に存在するが、DNAが由来する微生物を宿主とするいわゆるセルフクローニングによって得られる形質転換体も好適な実施形態である。
H. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81, 7161−7165(1984))、リポフェクション(Felgner,
P.L. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84,7413−7417(1984))、マイクロインジェクション(Graessmann, M. & Graessmann,A., Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A. 73,366−370(1976))、Hanahanの方法(Hanahan, D., J. Mol. Biol. 166, 557−580(1983))、酢酸リチウム法(Schiestl, R.H. et
al., Curr. Genet. 16, 339−346(1989))、プロトプラスト−ポリエチレングリコール法(Yelton, M.M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 81, 1470−1474(1984))等を利用して実施することができる。
本発明のFGDHは、典型的には、本発明のFGDHの生産能を有する微生物を培養す
ることで製造される。培養に供される微生物は、本発明のFGDHを産生する能力を有する限り特に制限されず、例えば、上記1.に示すムコール属に帰属する野生型の微生物及び上記4.に示す形質転換体を好適に利用することができる。
Biological Resouce Center)(独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門)に保管された菌株であり、所定の手続を経ることによってその分譲を受けることができる。
よるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等を適宜組み合わせて実施することができる。
グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースの測定方法は既に当該技術分野において確立されている。よって、公知の方法に従い、本発明のFGDHを用いて、各種試料中のグルコースの量又は濃度を測定することができる。本発明のFGDHを用いてグルコースの濃度又は量が測定可能である限り、その態様は特に制限されないが、例えば、本発明のFGDHを試料中のグルコースに作用させ、グルコースの脱水素反応に伴う電子受容体(例えば、DCPIP)の構造変化を吸光度で測定することにより実施することができる。より具体的には、上記1−1.に示す方法に従って、実施することができる。本発明に従った、グルコース濃度の測定は、試料に本発明のFGDHを添加すること、又は添加して混合することにより実施することができる。グルコースを含有する試料は、特に制限されないが、例えば、血液、飲料、食品等を挙げることができる。グルコース濃度又は量の測定が可能である限り、試料に添加する酵素の量はと特に制限されない。
ース濃度を計算することができる。
本発明のグルコースアッセイキットは、本発明のFGDHを少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明のFGDHに加えて、アッセイに必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のFGDHは種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。
本発明はまた、本発明のFGDHを用いるグルコースセンサを提供する。本発明のグルコースセンサは、電極として、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化することで作製することができる。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどがある。その他、フェロセン又はその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。本発明のFGDHは、熱安定性に優れるため、比較的高温度(例えば、50℃や55℃)の条件下で固定化を実施することができる。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明のFGDHをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングすることができる。
独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター国際連携課から、ムコール属に帰属する菌株を入手した。入手した菌株は、L−乾燥標品であったため、アンプルを開封し、復元水100μLを注入し、乾燥菌体を懸濁した後、懸濁液を復元培地に滴下し、25℃で3日間から7日間、静置培養することで菌株を復元させた。復元水としては、滅菌水(オートクレーブで120℃、20分間処理した蒸留水)を使用し、復元培地としては、DP培地(デキストリン2.0%、ポリペプトン1.0%、KH2PO41.0%、アガロース1.5%)を使用した。
小麦胚芽2g、水2mLを含む培地をオートクレーブで120℃、20分間滅菌した固体培地に、実施例1で復元させたMucor属の各菌株を一白金耳植菌し、25℃で3日間から7日間静置培養した。培養後、2mMのEDTAを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)を4mL添加し、ボルテックスで十分に懸濁した。懸濁液に少量のガラスビーズを加えた後、ビーズショッカー(安井器械(株)製)で3,000rpm、3分間×2回の条件で破砕し、4℃、2,000×g、5分間の条件で遠心分離して、回収
した上清を粗酵素液とした。
実施例2で得た粗酵素液中のグルコース脱水素酵素活性を、上記1−1.に示したグルコースデヒドロゲナーゼ活性測定方法を用いて測定した。その結果を表1に示す。
50mLのDP液体培地を500mL坂口フラスコに入れ、オートクレーブで滅菌し、前培養用の培地とした。予めDPプレート培地で復元したMucor subtilissimus NBRC6338を前培養培地に一白金耳植菌し、25℃、180rpmで3日間振とう培養し、種培養液とした。
実施例4で精製したGDHを100℃、10分間、加熱処理して変性させた後、5UのN−グリコシダーゼF(ロシュ・ダイアグノスティクス製)で37℃、1時間処理し、タンパク質に付加している糖鎖を分解した。その後、実施例4と同様の方法でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で測定を行った。分子量マーカーは、実施例4と同じものを使用した。その結果、精製したFGDHのポリペプチド部分の分子量は約69,000ダルトンであることが判明した。
上記1−1.に示したFGDHの活性測定法に従い、実施例4で精製したGDHについて、D−グルコース、マルトース、D−ガラクトース、D−キシロースを基質とした場合の活性を測定した。D−グルコースを基質とした場合の活性を100%とし、それと比較した他の糖に対する活性を求めた。各糖の濃度は50mMとした。結果を表2に示す。
実施例4で得られた精製FGDH酵素液(0.5U/mL)を用いて、至適pHを調べた。100mM 酢酸カリウム緩衝液(pH5.0−5.5、図中■印でプロット)、1
00mM MES−NaOH緩衝液(pH5.5−6.5、図中□印でプロット)、10
0mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0−8.0、図中▲でプロット)、100mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5−9.0、図中△印でプロット)を用い、それぞれのpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行い、相対活性を比較した。結果を図1に示す。
実施例4で得られた精製FGDH酵素液(0.1U/mL)を用いて、至適活性温度を調べた。緩衝溶液には42mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)を用い、37℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃における活性を求めた。結果を図2に示す。
示された。
実施例4で得られた精製FGDH酵素液(2U/mL)を用いて、pH安定性を調べた。100mM グリシン−HCl緩衝液(pH2.5−pH3.5:図中■印でプロット)100mM 酢酸−カリウム緩衝液(pH3.0−pH5.5:図中□印でプロット)、100mM MES−NaOH緩衝液(pH5.5−pH6.5:図中▲印でプロット)、100mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0−pH8.0:図中△印でプロット)、100mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5−pH9.0:図中●印でプロット)、100mM グリシン−NaOH緩衝液(pH9.0−pH10.5:図中○印でプロット)を用い、25℃、16時間、各緩衝液中で酵素を維持し、その後のグルコースを基質とした場合の活性を測定した。処理後の活性値と処理前の活性値を比較し、残存活性率を求めた。結果を図3に示す。
実施例4で得られた精製FGDH酵素液(2U/mL)を用いて、温度安定性を調べた。100mM酢酸カリウム緩衝液(pH5.0)を用いて、FGDH酵素液を各温度(4℃、30℃、40℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃)で15分間処理した後、GDH活性を測定し、処理前のGDH活性と比較して残存率を測定した。結果を図4に示す。
基質であるD−グルコースの濃度を変化させて実施例4で精製したFGDH酵素の活性測定を行い、基質濃度と反応速度のグラフを作成した(図5)。これに基づいてLineweaver−burk plotを作成し、Km値を算出した。その結果、本発明のFGDHのD−グルコースに対するKm値は、6.7mMであり、D−グルコースに対する親和性が高いことが判明した。
(1)染色体DNAの抽出
Mucor subtilissimus NBRC6338をYG培地(Yeast
Extract 1%、Glucose 2%)50mlを入れた坂口フラスコを用いて25℃一晩培養した後、ブフナー漏斗及びヌッチェ吸引瓶を用いて培養液をろ過し、菌体を得た。そのうち、約0.3gの菌体を液体窒素中で凍結させ、乳鉢を用いて菌糸を粉砕し、Extraction buffer(1% hexadecyltrimethylammonium bromide、0.7M NaCl、50mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、1% メルカプトエタノール)12mlに懸濁した。室温で30分回転撹拌を続けた後、等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)溶液を加えて攪拌、遠心分離(1,500g、5分、室温)して上清を得た。得られた上清に等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)溶液を加えて攪拌し、その後遠心分離(1,500g、5分、室温)を行った。その結果得られた上清に等量のイソプロパノールを穏やかに加えた。この処理によって析出した染色体DNAを遠心分離(20,000g、10分、4℃)して得られた沈殿を70%エタノールで洗浄し、真空乾燥した。このようにして得られた染色体DNAを再び4m
lのTEに溶解し、10mg/mlのRNase A(シグマアルドリッチジャパン株式会社)を200μl加えた後、37℃で、30分間インキュベートした。次いで、20mg/mlのProteinase K,recombinant,PCR Grade(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)溶液40μlを加えて37℃で、30分間インキュベートした後、等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)溶液を加えた。攪拌後、遠心分離(1,500g、5分、室温)し、上清を得た。この洗浄操作を2回繰り返した後、得られた上清に等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)溶液を加えて攪拌し、その後遠心分離(1,500g、5分、室温)を行った。その結果得られた上清に対して、その1/10容量の3M NaOAc(pH4.8)と2.5倍容量のエタノールを加えて遠心処理(20,000g、20分、4℃)を行うことにより回収した。回収された染色体DNAを70%エタノールで洗浄した後、真空乾燥させ、最後に400μlのTE溶液に溶解して濃度約1mg/mlの染色体DNA溶液を得た。
配列番号3に示すAspergillus oryzae由来GDHのアミノ酸配列
(特許4292486の配列表において配列番号4で示されるアミノ酸配列)やその他公知のアミノ配列を参考にして、比較的アミノ酸配列が保存されていると判断できる領域に基づいて、ミックス塩基を含有する縮重プライマー、degeF30、degeR13(配列番号4、5)を合成した。
上記(1)で調製した染色体DNAを鋳型として、DNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)を用いて推奨する条件のもとでPCRを行った。プライマーには、上記(2)で作製したプライマー(配列番号4、5)を使用した。そのPCR反応液をアガロースゲル電気泳動に供したところ、約1300bp程度の長さに相当するバンドが確認されたので、この増幅されたDNA断片を精製し、クローニングキットTarget Clone−Plus(東洋紡製)を用いて、そのプロトコールに従って操作を行い、ベクターpTA2にクローニングし、エシェリヒア・コリー(Escherichia coli)DH5α株コンピテントセル(東洋紡製)に形質転換し、形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドを抽出し、当該酵素遺伝子に相当する領域の塩基配列解析を実施した。シークエンス反応はBigDyeTM Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)を用い、製品の使用説明書に従ってシークエンス反応を行った。解析にはABI PRISM 310シークエンサー(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)を使用した。当該酵素遺伝子の塩基配列解析を実施するためには、上記で使用したプライマー(配列番号4、5)を使用した。その塩基配列解析の結果、約1300bpのFGDHの部分配列を取得した。
上記のようにして得られた、塩基配列に基づき、開始コドンを含むN末端方向の遺伝子配列取得のために、遺伝子の外側方向に向けた2種類のインバースPCR用プライマー、InvF1及びInvR1(配列番号6、7)を新たに設計した。このインバースPCR用プライマーを用い、上記(1)で得た染色体DNAを制限酵素HincIIで処理し、ライゲーションを行ったものを鋳型としてDNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)を用いて推奨する条件のもとで、Inverse PCRを行った。これにより、増幅される断片の配列解析を、上記記載と同様にして行い、開始コドンと推測される配列を含む上流の塩基配列を明らかにした。また、終止コドンを含むC末端方向の遺伝子配列取得のためにも、上記記載のインバースPCR用プライマー、InvF2及びInvR2(配列番号8、9)を用い、上記(1)で得たゲノムDNAを制限酵素XbaIで処理し、
ライゲーションを行ったものを鋳型として、上記記載、同様の方法でInverse PCRを行った。これにより、増幅される断片の配列解析を、上記記載と同様にして行い、終止コドンと推測される配列を含む上流の塩基配列を明らかにした。
N末端の決定は、公知の情報を最大限に活用し、アミノ酸配列の相同性、塩基配列の長さなどの観点から(4)で得られた配列と多角的な比較を行い、開始コドンを判断した。また、C末端の決定も同様の方法にて判断した。
(5)での判断結果に基づき、開始コドンの上流にアニーリングするプライマー、5UTR F1(配列番号10)及び終止コドンの下流にアニーリングするプライマー、3UTR R1(配列番号11)を設計した。
Mucor subtilissimus NBRC6338をYG培地(Yeast
Extract 1%、Glucose 2%)50mlを入れた坂口フラスコを用いて25℃で一晩培養した後、ブフナー漏斗及びヌッチェ吸引瓶を用いて培養液をろ過し、菌体を得た。そのうち、約0.3gの菌体を液体窒素中で凍結させ、乳鉢を用いて菌糸を粉砕した。続いて、ISOGEN(ニッポンジーン社製)を用いて、本キットのプロトコールに従って、粉砕した菌体からmRNAを得た。これをテンプレートにReverTra−Ace(東洋紡社製)を用いて、そのプロトコールに従って操作を行い、逆転写を行い、cDNAを合成した。逆転写のプライマーには、(6)で作製した3UTR R1(配列番号11)を用いた。続いて、上記で合成したcDNAを鋳型として、DNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)を用いて推奨する条件のもとでPCRを行った。プライマーには、上記(6)で作製したプライマー(配列番号10、11)を使用した。そのPCR反応液をアガロースゲル電気泳動に供したところ、約2000bp程度の長さに相当するバンドが確認されたので、この増幅されたDNA断片の配列解析を、上記記載と同様にして行った。なお、ここでのcDNA配列解析には、3クローンの異なるプラスミド由来の塩基配列を解析した。なお、塩基配列の解析には、上記記載のプライマーを使用した。このようにして、配列番号2に示すMucor subtilissimus NBRC6338由来のFGDHのcDNA配列を決定した。また、当該cDNA配列がコードする当該酵素遺伝子のアミノ酸配列を配列番号1に示した。
上記(7)で明らかにしたアミノ酸配列と公知のアスペルギルスオリゼ由来のFADGDH、アスペルギルス・テレウス由来のFADGDHとの同一性は各々34%及び33%であった。アミノ酸配列解析は、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/ においてデフォルト(初期設定)のパラメーターを用いることにより、算出した。
(1)発現ベクターの構築
実施例12で明らかにしたMucor subtilissimus NBRC6338由来FGDH遺伝子(配列番号2)を含む組み換えプラスミドpMsGDHで市販の大腸菌コンピテントセル(E.coli DH5α;東洋紡社製)を形質転換した後、形質転換体をアンピシリン(50mg/ml;ナカライテスク社製)を含んだ液体培地(1%
ポリペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl;pH7.3)を摂取し、30℃で一晩振とう培養して得られた菌体から、常法によりプラスミドを調整した。該プラスミドから遺伝子領域を制限酵素で切り出し、同じく制限酵素処理を行ったベクターpUSAと混合し、混合液と等量のライゲーション試薬(東洋紡製ラーゲーションハイ)を加えてインキュベーションすることにより、ライゲーションを実施した。このように、ライゲーションしたDNAをエシェリヒア・コリーDH5α株コンピテントセル(東洋紡製コンピテントハイDH5α)に当製品に添付のプロトコールに従ってそれぞれ形質転換し、該形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドを抽出した。このようにして、アスペルギルス・オリゼでの大量発現を可能とするように設計されたpUSAMsGDHを取得した。
続いて、アスペルギルス・オリゼへの形質転換を行った。方法は、Biosci. B
iotech.Biochem.,61(8)1367−1369.1997に記載の方法に準じて実施した。なお、本菌株は、Biosci. Biotech.Bioche
m.,61(8)1367−1369.1997に記載されているもので、pUSARプラスミドとともに(独)酒類総合研究所より得たものである。
形質転換体は10L容ジャーファーメンター(BMS10−PI/バイオット)を使用して培養した。(5% 酵母エキス、2% ハイニュートAM、5% サンマルト)培地にて、培地液量7.0L、攪拌数600rpm、温度30℃、通気量1.0vvmの条件で培養した。この培養液を粗酵素液として、GDH活性を確認したところ、本発明のGDHが発現されていることが確認された。尚、形質転換前の宿主にGDH活性は認められなかっ
た。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
Claims (8)
- SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で測定した分子量が約69kDaであり、D−グルコースに対するKm値が約10mM以下であり、下記の(a)又は(b)のいずれかのポリペプチドからなるフラビン結合型グルコース脱水素酵素;
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であるアミノ酸配列からなり、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチド。 - 以下の(A)〜(C)のいずれかのDNA:
(A)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、
(B)配列番号2に示される塩基配列からなるDNA、
(C)配列番号2に示される塩基配列との相同性が90%以上である塩基配列からなり、且つ、グルコース脱水素酵素活性を有し、D−グルコースに対するKm値が約10mM以下であり、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で測定した分子量が約68kDaである、ポリペプチドをコードするDNA。 - 請求項2に記載のDNAを組み込んだベクター。
- 請求項3に記載のベクターを含む形質転換体。
- 請求項4に記載の形質転換体を培養することを含む、請求項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素の製造方法。
- 請求項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素をグルコースに作用させることを含む、グルコース濃度の測定方法。
- 請求項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
- 請求項1に記載のフラビン結合型グルコース脱水素酵素を含むグルコースセンサ。
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