JP2017168697A - 巻線コイル製造方法、巻線コイル検査方法、及び、検査装置 - Google Patents

巻線コイル製造方法、巻線コイル検査方法、及び、検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】巻線コイルのボビンに巻き付けられる線材の整列性を定量的に評価する。【解決手段】ステップS02では、演算装置が、撮像工程にて作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、この任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより複数の差分画像を抽出する。複数の差分画像Dのそれぞれは、任意の巻き付けステップにおいてボビンに巻かれた線材のみを含む画像である。ステップS05では、演算装置が、ステップS02にて抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、第1差分画像の中の線材部分と、第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、線材をボビンに巻き付けて製造される巻線コイルに係る巻線コイル製造方法、巻線コイル検査方法、及び、検査装置に関する。
従来、線材をボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置において、ボビンに巻き付けられる線材の巻乱れの発生有無を検査する技術が提案されている。このような技術として、例えば特許文献1には、ボビンの線材巻き付け部にビームを照射し、光センサから得られる反射ビームの強度情報から線材の有無を検出することによって、線材巻き付け中の巻乱れを検査する手法が開示されている。
特開平11−233360号公報
ところで近年は、例えば巻線コイルの許容電圧を高電圧化することなど、コイルの性能向上のニーズがある。このような傾向の下では、ボビンに巻き付けられる線材の整列性について、例えば、階層的に巻き付けられた線材のうち所定層分離れた線材同士が接触しないとの要件など、より厳しい要件が求められる。また、特許文献1に記載されるような従来の検査手法では、このような線材の整列性を定量的に評価できないという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、巻線コイルのボビンに巻き付けられる線材の整列性を定量的に評価できる巻線コイル製造方法、巻線コイル検査方法、及び、検査装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る巻線コイル製造方法は、線材供給部(10)から供給される線材(9)をボビン(8)に巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置(1)と、前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像する撮像部(3)、及び、前記撮像部により撮像された撮像画像に基づき線材の整列性を検査する検査部(7)、を備える検査装置(2)と、を用いる巻線コイル製造方法であって、前記撮像部が、線材を前記ボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップごとに前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像し、複数の撮像画像を作成する撮像工程(S01)と、前記検査部が、前記撮像工程にて作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、前記任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより、それぞれが前記任意の巻き付けステップにおいて前記ボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を抽出する抽出工程(S02)と、前記検査部が、前記抽出工程にて抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、前記所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する異常検出工程(S05)と、前記巻線装置が、前記異常検出工程にて異常が検出されたとき、前記ボビン及び前記線材供給部の少なくとも一方の制御パラメータを調整して、前記整列性を改善させる改善工程(S07)と、を備える。
同様に、上記課題を解決するために、本発明に係る巻線コイル検査方法は、線材供給部(10)から供給される線材(9)をボビン(8)に巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置(1)と、前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像する撮像部(3)、及び、前記撮像部により撮像された撮像画像に基づき線材の整列性を検査する検査部(7)、を備える検査装置(2)と、を用いる巻線コイル検査方法であって、前記撮像部が、線材を前記ボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップごとに前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像し、複数の撮像画像を作成する撮像工程(S01)と、前記検査部が、前記撮像工程にて作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、前記任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより、それぞれが前記任意の巻き付けステップにおいて前記ボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を抽出する抽出工程(S02)と、前記検査部が、前記抽出工程にて抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、前記所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する異常検出工程(S05)と、を備える。
同様に、上記課題を解決するために、本発明に係る検査装置(2)は、線材供給部(10)から供給される線材(9)をボビン(8)に巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置(1)のための検査装置(2)であって、前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像する撮像部(3)と、前記撮像部により撮像された撮像画像に基づき線材の整列性を検査する検査部(7)と、を備え、前記撮像部が、線材を前記ボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップごとに前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像し、複数の撮像画像を作成し、前記検査部が、前記撮像部により作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、前記任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより、それぞれが前記任意の巻き付けステップにおいて前記ボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を抽出し、前記抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、前記所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分と、が所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する。
これにより、線材をボビンに巻き付ける過程において、それぞれが任意の巻き付けステップにおいてボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を用いて、2つの異なる層の線材を含む2つの差分画像を比較することで、2つの異なる層の線材の間が接近していることに起因する整列性の異常を精度よく検出できる。このように、差分画像に基づき異なる2層の線材同士の接近度合いを評価基準として用いることによって、巻線コイルのボビンに巻き付けられる線材の整列性を定量的に評価できる。
本発明によれば、巻線コイルのボビンに巻き付けられる線材の整列性を定量的に評価できる巻線コイル製造方法、巻線コイル検査方法、及び、検査装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る巻線コイル製造方法及び巻線コイル検査方法を実装する巻線コイル製造システムの概略構成を示す図である。 図2は、図1に示す巻線コイル製造システムにより実施される線材の整列性評価手法の手順を示すフローチャートである。 図3は、本実施形態で用いられる撮像画像及び差分画像の一例を示す模式図である。 図4は、本実施形態における線材の整列性評価の手順を説明するための模式図である。 図5は、本実施形態における線材の整列性評価の手順を説明するための模式図である。 図6は、実施形態の変形例として例示した撮像画像及び差分画像の一例を示す模式図である。 図7は、実施形態の変形例における線材の整列性評価の手順を説明するための模式図である。 図8は、実施形態の変形例における線材の整列性評価の手順を説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施形態]
図1〜図5を参照して本発明の一実施形態について説明する。まず図1を参照して、本実施形態に係る巻線コイル製造方法及び巻線コイル検査方法を実装する巻線コイル製造システム20の構成について説明する。巻線コイル製造システム20は、巻線装置1と、検査装置2とを備える。
巻線装置1は、ボビン8に線材9を巻き付けることにより巻線コイルを製造する装置である。巻線装置1は、ボビン8と、線材供給部10と、サーボモータ11,12と、モータコントローラ5とを備える。
ボビン8は、線材9が巻き付けられる筒状体である。ボビン8は、回転軸に沿って設けられる軸部8aと、この軸部8aの軸線方向両端に設けられ、外径方向に突出する一対のフランジ部8bから成る。ボビン8は、一対のフランジ部8bの間の範囲において軸部8aの外周面に線材を巻き付けられる。
線材供給部10は、ボビン8に巻き付けるための線材9を供給する装置である。線材供給部10は、ボビン8に線材9を繰り出すノズル部10aを有する。ノズル部10aは、ボビン8の軸部8aの外周面と対向配置される。軸部8aの軸方向に沿ったノズル部10aの配置に応じて、線材供給部10から線材9が供給されるボビン8上の位置(以下では「線材供給位置」という)が決まる。線材供給部10は、線材供給位置をボビン8の軸方向に沿って移動可能に構成されている。線材供給部10は、図示しない線材送出機構から線材9を引出し、ノズル部10aから所定の張力で線材9をボビン8へ繰り出すように構成されている。
サーボモータ11は、ボビン8を回転させるための駆動力を発生する動力源である。サーボモータ11の駆動力によってボビン8は回転軸まわりに任意の回転速度で回転することができる。
サーボモータ12は、ボビン8に対する線材供給部10の線材供給位置を移動させるための駆動力を発生する動力源である。サーボモータ12は、線材供給部10に連結されるボールねじ13を回転させることによって、線材供給部10をボビン8の軸方向に沿って任意の移動速度で移動させることができる。
モータコントローラ5は、サーボモータ11,12の動作を制御するための制御装置である。モータコントローラ5は、ボビン8の回転速度や、線材供給部10による線材供給位置を所望のものに制御するために必要な制御指令をサーボモータ11、12に出力する。また、モータコントローラ5は、サーボモータ11,12からエンコーダパルスを受信する。
本実施形態では、巻線装置1は、モータコントローラ5の制御により、ボビン8を回転させ、かつ、線材供給部10をボビン8の軸方向に沿って往復させることによって、線材9をボビン8の径方向に沿って階層的に巻き付ける巻き付けパターンを実施できるよう構成されている。この巻き付けパターンは、例えば図3の上部に示す一連の図のとおり、ボビン8の軸部8aのうち一対のフランジ部8bの間の範囲において、ボビン8の軸方向に沿って連続的に連なる線材9の一群を一層とし、複数層の線材9をボビン8の径方向に積層させる巻き方である。
検査装置2は、巻線装置1により製造される巻線コイルの品質を検査する装置である。本実施形態では、検査装置2は、巻線装置1によりボビン8に巻き付けられる線材9の整列性を評価する。
ここで、「線材9の整列性」とは、上記の巻線装置1による巻き付けパターンに基づき、ボビン8に階層的に巻き付けられた線材9のそれぞれが本来の適切な位置に配置されていることを評価するための指標、とも表現することができる。
線材9のボビン8への巻き付け時に巻乱れが生じると、例えばフランジ部8bの近傍の巻線端部などに隙間ができる場合がある。この隙間に上位層(径方向外側)の線材9が入り込むと、本来は接触しないはずの下位層(径方向内側)の線材9と接触する虞がある。このような状態を、線材9の整列性が悪化している状態と表現することができる。線材9の整列性が悪化し、異なる層の線材同士が接触する場合、両者の層が離れるほど、より高い電位差が発生するため、接触によって線材9の被膜が破れショートが発生する可能性が高まる。そこで本実施形態では、検査装置2は、所定の複数層(例えば5層)以上離れた層の線材9同士が接触する虞がある状態を検出することを、線材9の整列性に異常が発生したことを判定するための評価基準として用いている。
図1に示すように、検査装置2は、エリアカメラ3(撮像部)と、照明4と、同期取得ユニット6と、演算装置7(検査部)とを備える。
エリアカメラ3は、ボビン8に巻き付けられている線材9を撮像する。エリアカメラ3は、ボビン8の直上に設置される。エリアカメラ3は、例えば図3の上部に示すように、ボビン8の径方向に沿って、ボビン8の軸部8aの外周面の位置から、外径方向に沿って線材9が巻き付けられたときの最大径となる位置までの範囲、かつ、ボビン8の軸方向に沿って、一対のフランジ部8bにより挟まれた軸部8aの範囲を撮像できるように設定されている。
照明4は、ボビン8を挟んでエリアカメラ3の対面に配置され、エリアカメラ3の撮像領域に含まれるボビン8の部分に対して光を照射する。照明4がボビン8及びエリアカメラ3に向かって光を照射することによって、エリアカメラ3により撮像される撮像画像Iは、例えば図3などに示すように、ボビン8に巻き付けられている線材9のシルエット画像となる。
同期取得ユニット6は、モータコントローラ5からのエンコーダパルスを受け、信号処理を行い、エリアカメラ3への同期信号を生成する。言い換えると、同期取得ユニット6は、モータコントローラ5から入力されるサーボモータ11,12のエンコーダパルスに基づき、ボビン8の回転角度及び線材供給部10の線材供給位置の情報を取得し、これらの情報に基づいて所定周期の同期信号を生成する。エリアカメラ3は、この同期信号に応じて所定周期で撮像を実施することができる。
このようにエリアカメラ3が同期信号に基づき周期的に撮像する処理は、「所定の巻き付けステップごとにボビン8に巻き付けられている線材9を撮像し、複数の撮像画像Iを作成する」処理とも表現することができる。同期信号の周期、すなわち巻き付けステップとは、本実施形態では、階層的にボビン8に巻き付けられる線材9について、階層の各層の線材9がボビン8に巻き付けられたタイミングである。すなわち、図3の上部に示す一連の撮像画像Iのように、ボビン8に1層目〜N層目の各層の線材9の巻き付けが完了し、かつ、ボビン8の回転位置が所定の同位相となる毎に、同期取得ユニット6が同期信号をエリアカメラ3に出力し、エリアカメラ3が撮像を行う。
演算装置7は、エリアカメラ3より撮像された撮像画像Iに基づき線材9の整列性を検査する。より詳細には、演算装置7は、エリアカメラ3により撮像された撮像画像Iを処理して、各巻き付けステップ間の複数の差分画像Dを作成し、これらの差分画像Dの中の線材部分の重畳の度合いに応じて線材9の整列性の異常を検出することができる。また、演算装置7は、線材9の整列性の異常を検出したときに、整列性を改善させるべく巻線パラメータ(ボビンの回転や線材供給部の移動に関する制御パラメータなど)を調整することができる。演算装置7による検査手法の詳細については図2〜図5を参照して後述する。
上記のモータコントローラ5、同期取得ユニット6、及び演算装置7は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などを有するコンピュータである。上述したモータコントローラ5、同期取得ユニット6の各機能、また、図2〜図5を参照して後述する演算装置7の各機能の全部または一部は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。また、図1に示す構成例では、モータコントローラ5、同期取得ユニット6、及び演算装置7が別個の装置として例示されているが、モータコントローラ5、同期取得ユニット6、及び演算装置7の機能を纏めて1台のコンピュータ装置により実装することも可能である。
次に、図2〜図5を参照して、上記の巻線装置1及び検査装置2を用いる本実施形態に係る巻線コイルの検査方法及び製造方法について説明する。以下では図2のフローチャートの手順に従い、適宜図3〜図5を参照しつつ説明する。
ステップS01(撮像工程)では、エリアカメラ3により、巻線装置1が線材9をボビン8に巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、ボビン8に巻き付けられている線材9の撮像画像Iが取得される。エリアカメラ3は、同期取得ユニット6から入力される同期信号に応じて、所定の巻き付けステップごとにボビン8に巻き付けられている線材9を撮像し、複数の撮像画像Iを作成する。上述のとおり、本実施形態では、エリアカメラ3は、階層的にボビン8に巻き付けられる線材9について、階層の各層の線材9がボビン8に巻き付けられたタイミングごとに撮像を実施する。したがって、本ステップにて取得される複数の撮像画像Iは、図3の上段に示すように、ボビン8に線材9が巻き付けられていない状態の0層目画像、ボビン8に1層目の線材9が巻き付けられた状態の1層目画像、ボビン8に2層目の線材9が巻き付けられた状態の2層目画像、ボビン8に3層目の線材9が巻き付けられた状態の3層目画像、・・・ボビン8にN層目の線材9が巻き付けられた状態のN層目画像、の順で最も外側の層の画像までを含む一連の画像群となる。また、照明4からエリアカメラ3の撮像領域に照射される光によって、図3に示すように、各撮像画像Iはボビン8に巻き付けられている線材9のシルエット画像となる。エリアカメラ3は、作成した撮像画像Iを演算装置7に出力する。ステップS01の処理が完了するとステップS02に進む。
ステップS02(抽出工程)では、演算装置7により、ステップS01にて取得された複数の撮像画像Iを用いて差分画像Dが作成される。差分画像Dとは、複数の撮像画像Iのうち、任意の巻き付けステップ(i層目)の画像と、この任意の巻き付けステップより1ステップ前(i−1層目)の画像との間で差分をとることにより作成された画像である。差分画像Dは、任意の巻き付けステップ(i層目)においてボビン8に巻かれた線材9のみの画像が抽出されたものとなる。例えば図3に示すように、撮像画像Iのうち1層目画像と0層目画像との差分をとって作成された差分画像Dは1層目の線材9のみが抽出された画像となり、撮像画像Iの2層目画像と1層目画像との差分をとって作成された差分画像Dは2層目の線材9のみが抽出された画像となり、撮像画像Iの3層目画像と2層目画像との差分をとって作成された差分画像Dは3層目の線材9のみが抽出された画像となり、撮像画像IのN層目画像とN−1層目画像との差分をとって作成された差分画像DはN層目の線材9のみが抽出された画像となる。ステップS02の処理が完了するとステップS03に進む。
ステップS03(加工工程)では、演算装置7により、ステップS02にて作成された各層の差分画像Dを用いて各層の膨張画像DBが作成される。膨張画像DBは、差分画像Dの中の線材9の部分を所定の割合で拡大させる膨張加工を行って作成される画像である。例えば図4及び図5に示すように、1層目の差分画像D1において線材9に該当する黒丸の形状を所定割合で膨張加工することにより、1層目の膨張画像DB1が作成され、また、3層目の差分画像D3において線材9に該当する黒丸の形状を所定割合で膨張加工することにより、3層目の膨張画像DB3が作成される。ステップS03の処理が完了するとステップS04に進む。
ステップS04(重ね合わせ工程)では、演算装置7により、ステップS03にて作成された各層の膨張画像DBを用いて重なり解析が行われる。演算装置7は、所定の巻き付けステップ(i層目)の膨張画像と、この所定の巻き付けステップから所定の複数ステップ(X層分)異なる巻き付けステップ(i+X層目)の膨張画像を重ね合わせて評価用画像Eを作成する。上述のとおり、本実施形態では、検査装置2は、所定の複数のX層(例えば5層)以上離れた層の線材9同士が接触する虞がある状態を検出することを、線材9の整列性に異常が発生したことを判定するための評価基準として用いる。このため、本ステップでは、演算装置7は、任意のi層目の膨張画像について、所定のX層以上離れた層の膨張画像と重ね合わせた複数の評価用画像Eを作成する。例えば図4及び図5に示すように、1層目の膨張画像DB1と3層目の膨張画像DB3とを重ね合わせることにより、1層目と3層目との間の整列性評価に用いるための評価用画像E13が作成される。ステップS04の処理が完了するとステップS05に進む。
ステップS05(異常検出工程)では、演算装置7により、ステップS04にて作成された評価用画像Eを用いて、ボビン8に巻き付けられた線材9の整列性の評価が行われる。演算装置7は、評価用画像Eのそれぞれについて、2つの異なる層の線材9に相当する黒丸同士で接触するものがあり、各層の線材同士が重畳しているか否かを判定する。
演算装置7は、判定の結果、評価用画像Eの中の2つの異なる層の線材9に相当する黒丸同士で接触するものが無い場合には、該当する2つの層の間では線材9の整列性が正常であると評価する。例えば図4に示す例では、評価用画像E13において、1層目の線材9に相当する黒丸と、3層目の線材9に相当する黒丸とが接触していないので、演算装置7は、1層目と3層目の線材9の間では重なりなしと判定し、整列性が正常であると評価する。
一方、演算装置7は、判定の結果、評価用画像Eの中の2つの異なる層の線材9に相当する黒丸同士で接触するものがあり、各層の線材同士が重畳する場合には、線材9の整列性が異常であると評価する。例えば図5に示す例では、評価用画像E13において、1層目の線材9に相当する黒丸と、3層目の線材9に相当する黒丸の一部が接触しているので、演算装置7は、1層目と3層目の線材9の間では重なりありと判定し、線材9の整列性が異常であると評価する。ステップS05の処理が完了するとステップS06に進む。
ステップS06では、演算装置7により、ステップS05の評価の結果、ボビン8に巻き付けられた線材9の整列性に異常があるか否かが判定される。整列性に異常がある場合(ステップS06のYES)にはステップS07に進み、整列性に異常がない場合(ステップS06のNO)には本制御フローを終了する。
ステップS07(改善工程)では、ボビン8に巻き付けられた線材9の整列性に異常があると判定されたため、巻線装置1により巻線パラメータの調整が行われる。演算装置7は、整列性に異常がある旨を巻線装置1のモータコントローラ5にフィードバックする。モータコントローラ5は、巻線パラメータ、すなわち、ボビン8及び線材供給部10の少なくとも一方の制御パラメータを調整する。具体的には、モータコントローラ5は、例えば、ボビン8の回転速度を下げるようにサーボモータ11への指令値を調整することにより、ボビン8に対する線材9の巻き付け力を緩和する。または、モータコントローラ5は、線材供給部10による線材供給位置の軸方向の往復幅を増やすようにサーボモータ12への指令値を調整することにより、ボビン8に巻き付けられる線材9の各層において、軸方向両端(フランジ部8bの近傍)に生じる隙間を縮小する。巻線装置1は、このようなパラメータ調整を行うことによって、その後に製造する巻線コイルの線材9の整列性を改善させることができる。ステップS07の処理が完了すると本制御フローを終了する。
次に、巻線装置1及び検査装置2を用いる本実施形態に係る巻線コイルの検査方法及び製造方法の効果について説明する。なお、本実施形態に係る巻線コイルの検査方法は、図2のフローチャートに示すステップS01からステップS05を含み、本実施形態に係る巻線コイルの製造方法は、ステップS01からステップS07を含む。
本実施形態に係る巻線コイル検査方法及びこの方法を実施する検査装置2において、ステップS01(撮像工程)では、エリアカメラ3が、線材9をボビン8に巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップ(各層の巻き付けが完了するタイミング)ごとにボビン8に巻き付けられている線材9を撮像し、複数の撮像画像Iを作成する。ステップS02(抽出工程)では、演算装置7が、撮像工程にて作成された複数の撮像画像Iについて、任意の巻き付けステップの撮像画像と、この任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより複数の差分画像Dを抽出する。複数の差分画像Dのそれぞれは、任意の巻き付けステップにおいてボビン8に巻かれた線材9のみを含む画像である。ステップS05(異常検出工程)では、演算装置7が、抽出工程にて抽出された複数の差分画像Dについて、所定の巻き付けステップの第1差分画像(例えば図4,5に示す1層目の差分画像D1)と、所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像(例えば図4,5に示す3層目の差分画像D3)とを比較して、第1差分画像の中の線材部分と、第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材9の整列性に関する異常を検出する。
これにより、線材9をボビン8に巻き付ける過程において、それぞれが任意の巻き付けステップにおいてボビン8に巻かれた線材9のみを含む複数の差分画像Dを用いて、2つの異なる層の線材9を含む2つの差分画像Dを比較することで、2つの異なる層の線材9の間が接近していることに起因する整列性の異常を精度よく検出できる。このように、差分画像Dに基づき異なる2層の線材9同士の接近度合いを評価基準として用いることによって、巻線コイルのボビン8に巻き付けられる線材9の整列性を定量的に評価できる。
また、本実施形態に係る巻線コイルの製造方法は、上記の各処理ステップに加えてステップS07(改善工程)を備える。ステップS07では、巻線装置1が、ステップS05(異常検出工程)にて異常が検出されたとき、ボビン8及び線材供給部10の少なくとも一方の制御パラメータを調整して、線材9の整列性を改善させる。これにより、線材9の整列性が最適化され、高い整列性を有する高品質なコイルを製造することが可能となる。
また、本実施形態に係る巻線コイルの検査方法及び製造方法は、ステップS05(異常検出工程)の前段として、ステップS03(加工工程)及びステップS04(重ね合わせ工程)とを含む。ステップS03では、演算装置7が、第1差分画像(例えば図4,5に示す1層目の差分画像D1)及び第2差分画像(例えば図4,5に示す3層目の差分画像D3)の中の線材部分を所定の割合で拡大させる膨張加工を行い膨張画像(例えば図4,5に示す膨張画像DB1,DB3)を作成する。ステップS04では、加工工程にて膨張加工が行われた後の第1差分画像(例えば図4,5に示す膨張画像DB1)と第2差分画像(例えば図4,5に示す膨張画像DB3)とを重ね合わせ、第1差分画像の中の線材部分と、第2差分画像の中の線材部分とが重畳するとき、線材9の整列性に関する異常を検出する。
これにより、膨張加工した画像の重畳の有無をみることによって、異なる2つの層の線材9同士の物理的な接触状態だけでなく、所定値以上の接近状態も検出することが可能となり、線材9の整列性の異常を検出する精度を向上できる。
また、本実施形態に係る巻線コイルの検査方法及び製造方法において、ステップS01(撮像工程)にてエリアカメラ3により撮像される撮像画像Iは、ボビン8に巻き付けられている線材9のシルエット画像である。これにより、演算装置7が、撮像画像Iは白黒の2値画像となり、この撮像画像Iに基づき作成される評価用画像Eも2値画像となる。このため、評価用画像Eを用いた、2つの異なる層の線材9の重畳の検出を簡易に行うことが可能となり、線材9の整列性評価を迅速に行うことができる。
また、本実施形態に係る巻線コイルの製造方法において、ステップS07(改善工程)では、巻線装置1が、ステップS05(異常検出工程)にて線材9の整列性に異常が検出されたとき、ボビン8の回転速度を下げることにより線材9の巻き付け力を緩和するか、または、線材供給部10による線材供給位置の軸方向の往復幅を増やして各層における軸方向両端に生じる隙間を縮小する。このような制御パラメータ調整を行うことによって、線材9の整列性をより適切に改善することが可能となり、巻線装置1の巻線条件をより一層最適化できる。これにより、巻線装置1は、さらに高い整列性を有する巻線コイルを製造することが可能となる。
[変形例]
図6〜図8を参照して上記実施形態の変形例について説明する。図6〜図8の各図は、上記実施形態で参照した図3〜図5に対応する。上記実施形態では、図2のステップS01(撮像工程)において、エリアカメラ3が、階層的にボビン8に巻き付けられる線材9について、階層の各層の線材9がボビン8に巻き付けられたタイミングごとに撮像を実施する構成を例示したが、エリアカメラ3が線材9を撮像するタイミング(所定の巻き付けステップ)はこれに限られない。
例えば図6に示すように、ボビン8の所定回転数(図6では1回転ごと)の間に線材9がボビン8に巻き付けられたタイミングを、巻き付けステップとすることもできる。この場合、図6の上部に示す一連の撮像画像Iのように、1巻目〜N巻目の各層の線材9の巻き付けが完了する毎に、同期取得ユニット6が同期信号をエリアカメラ3に出力し、エリアカメラ3が撮像を行う。なお、図6の例では、所定回転数が1回転の場合を例示しているが、所定回転数を2回転以上とすることもできる。
図2のフローチャートの処理を行う場合、ステップS01にて取得される複数の撮像画像Iは、図6の上段に示すように、ボビン8に線材9が巻き付けられていない状態の0巻目画像、ボビン8に1回転目の線材9が巻き付けられた状態の1巻目画像、ボビン8に2回転目の線材9が巻き付けられた状態の2巻目画像、ボビン8に3回転目の線材9が巻き付けられた状態の3巻目画像、・・・ボビン8にN回転目の線材9が巻き付けられた状態のN巻目画像、の順で最も外側の層の画像までを含む一連の画像群となる。
また、ステップS02で作成される差分画像Dは、複数の撮像画像Iのうち、任意の巻き付けステップ(図6の例ではi巻目)の画像と、この任意の巻き付けステップより1ステップ前(図6の例ではi−1巻目)の画像との間で差分をとることにより作成された画像となり、任意の所定回転数(図6の例ではi巻目)の間にボビン8に巻かれた線材9のみの画像が抽出されたものとなる。例えば図6に示すように、撮像画像Iのうち1巻目画像と0巻目画像との差分をとって作成された差分画像Dは1巻目の線材9のみが抽出された画像となり、撮像画像Iの2巻目画像と1巻目画像との差分をとって作成された差分画像Dは2巻目の線材9のみが抽出された画像となり、撮像画像Iの3巻目画像と2巻目画像との差分をとって作成された差分画像Dは3巻目の線材9のみが抽出された画像となり、撮像画像IのN巻目画像とN−1巻目画像との差分をとって作成された差分画像DはN巻目の線材9のみが抽出された画像となる。
また、ステップS04にて作成される評価用画像Eは、所定の巻き付けステップ(i巻目)の膨張画像と、この所定の巻き付けステップから所定の複数ステップ(X巻分)異なる巻き付けステップ(i+X巻目)の膨張画像を重ね合わせて作成される。言い換えると、評価用画像Eは、同一層において相互に所定の巻き数分(X巻分)だけ離れた線材9の膨張画像を重ね合わせて作成される。例えば図7及び図8に示すように、任意の同一層における1巻目の差分画像D1を加工した膨張画像DB1と、3巻目の差分画像D3を加工した膨張画像DB3とを重ね合わせることにより、1巻目と3巻目との間の整列性評価に用いるための評価用画像E13が作成される。
ステップS05の整列性評価は、例えば図7に示す例では、評価用画像E13において、1巻目の線材9に相当する黒丸と、3巻目の線材9に相当する黒丸とが接触していないので、演算装置7は、1巻目と3巻目の線材9の間では重なりなしと判定し、整列性が正常であると評価する。一方、例えば図8に示す例では、評価用画像E13において、1巻目の線材9に相当する黒丸と、3巻目の線材9に相当する黒丸の一部が接触しているので、演算装置7は、1巻目と3巻目の線材9の間では重なりありと判定し、線材9の整列性が異常であると評価する。
このように、図6〜図8に示したように、階層的にボビン8に巻き付けられる線材9について、ボビン8の所定回転数の間に線材9がボビン8に巻き付けられたタイミングごとにエリアカメラ3が撮像画像Iを作成する構成においても、上記実施形態と同様の手法を適用して線材9の整列性評価を行うことができる。したがって、この構成においても、上記実施形態に係る巻線コイルの検査方法及び製造方法と同様の効果を奏することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
上記実施形態では、差分画像Dを加工して膨張画像DBを作成し、2つの膨張画像DBの中の線材9に相当する部分同士が重畳する場合に、これらの2種類の線材9が所定量以上接近しており、線材の整列性に異常が発生している状態を検出する構成を例示したが、線材9の接近状態を検知する他の手法を用いることもできる。例えば、上記実施形態の膨張画像DBの代わりに差分画像Dを用いて線材の接近状態を検出することもできる。この場合、2つの差分画像Dの中の線材9に相当する部分同士の距離が所定の閾値以下か否かを監視し、距離が閾値以下まで縮小した場合に線材の整列性の異常を検出することができる。
また、上記実施形態では、照明4を用いることにより、エリアカメラ3が作成する撮像画像Iを、ボビン8に巻き付けられている線材9のシルエット画像としたが、順光で撮像した画像を撮像画像Iとして用いることもできる。
1:巻線装置
2:検査装置
3:エリアカメラ(撮像部)
7:演算装置(検査部)
8:ボビン
9:線材
10:線材供給部
S01:撮像工程
S02:抽出工程
S03:加工工程
S04:重ね合わせ工程
S05:異常検出工程
S07:改善工程

Claims (8)

  1. 線材供給部(10)から供給される線材(9)をボビン(8)に巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置(1)と、
    前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像する撮像部(3)、及び、
    前記撮像部により撮像された撮像画像に基づき線材の整列性を検査する検査部(7)、
    を備える検査装置(2)と、
    を用いる巻線コイル製造方法であって、
    前記撮像部が、線材を前記ボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップごとに前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像し、複数の撮像画像を作成する撮像工程(S01)と、
    前記検査部が、前記撮像工程にて作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、前記任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより、それぞれが前記任意の巻き付けステップにおいて前記ボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を抽出する抽出工程(S02)と、
    前記検査部が、前記抽出工程にて抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、前記所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する異常検出工程(S05)と、
    前記巻線装置が、前記異常検出工程にて異常が検出されたとき、前記ボビン及び前記線材供給部の少なくとも一方の制御パラメータを調整して、前記整列性を改善させる改善工程(S07)と、
    を備える巻線コイル製造方法。
  2. 前記異常検出工程は、
    前記第1差分画像及び前記第2差分画像の中の線材部分を所定の割合で拡大させる膨張加工を行う加工工程(S03)と、
    前記加工工程にて膨張加工が行われた後の前記第1差分画像と前記第2差分画像とを重ね合わせ、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分とが重畳するとき、線材の整列性に関する異常を検出する重ね合わせ工程(S04)と、
    を備える、
    請求項1に記載の巻線コイル製造方法。
  3. 前記撮像工程において前記撮像部により撮像される撮像画像は、前記ボビンに巻き付けられている線材のシルエット画像である、
    請求項1または2に記載の巻線コイル製造方法。
  4. 前記巻線装置は、前記ボビンを回転させ、かつ、前記線材供給部を前記ボビンの軸方向に沿って往復させることによって、線材を前記ボビンの径方向に沿って階層的に巻き付けるよう構成され、
    前記撮像工程において線材を撮像する所定の巻き付けステップとは、階層の各層の線材が前記ボビンに巻き付けられたタイミングであり、
    前記抽出工程において抽出される複数の差分画像とは、それぞれが前記ボビンに階層的に巻き付けられた線材のうち、任意の1層分の線材のみを含む画像であり、
    前記異常検出工程において比較される前記第1差分画像と前記第2差分画像とは、相互に複数層だけ離れた層の線材の画像である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の巻線コイル製造方法。
  5. 前記巻線装置は、前記ボビンを回転させ、かつ、前記線材供給部を前記ボビンの軸方向に沿って往復させることによって、線材を前記ボビンの径方向に沿って階層的に巻き付けるよう構成され、
    前記撮像工程において線材を撮像する所定の巻き付けステップとは、前記ボビンの所定回転数の間に線材が前記ボビンに巻き付けられたタイミングであり、
    前記抽出工程において抽出される複数の差分画像とは、それぞれが前記ボビンに階層的に巻き付けられた線材のうち、任意の前記所定回転数の間に前記ボビンに巻き付けられた線材のみを含む画像であり、
    前記異常検出工程において比較される前記第1差分画像と前記第2差分画像とは、同一層において相互に所定の巻き数分だけ離れた線材の画像である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の巻線コイル製造方法。
  6. 前記改善工程において、前記巻線装置が、前記異常検出工程にて異常が検出されたとき、前記ボビンの回転速度を下げることにより線材の巻き付け力を緩和するか、または、前記線材供給部による線材供給位置の軸方向の往復幅を増やして各層における軸方向両端に生じる隙間を縮小する、
    請求項4または5に記載の巻線コイル製造方法。
  7. 線材供給部(10)から供給される線材(9)をボビン(8)に巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置(1)と、
    前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像する撮像部(3)、及び、
    前記撮像部により撮像された撮像画像に基づき線材の整列性を検査する検査部(7)、
    を備える検査装置(2)と、
    を用いる巻線コイル検査方法であって、
    前記撮像部が、線材を前記ボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップごとに前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像し、複数の撮像画像を作成する撮像工程(S01)と、
    前記検査部が、前記撮像工程にて作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、前記任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより、それぞれが前記任意の巻き付けステップにおいて前記ボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を抽出する抽出工程(S02)と、
    前記検査部が、前記抽出工程にて抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、前記所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する異常検出工程(S05)と、
    を備える巻線コイル検査方法。
  8. 線材供給部(10)から供給される線材(9)をボビン(8)に巻き付けて巻線コイルを製造する巻線装置(1)のための検査装置(2)であって、
    前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像する撮像部(3)と、
    前記撮像部により撮像された撮像画像に基づき線材の整列性を検査する検査部(7)と、
    を備え、
    前記撮像部が、線材を前記ボビンに巻き付けて巻線コイルを製造する過程において、所定の巻き付けステップごとに前記ボビンに巻き付けられている線材を撮像し、複数の撮像画像を作成し、
    前記検査部が、前記撮像部により作成された複数の撮像画像について、任意の巻き付けステップの撮像画像と、前記任意の巻き付けステップより1ステップ前の撮像画像との間で差分をとることにより、それぞれが前記任意の巻き付けステップにおいて前記ボビンに巻かれた線材のみを含む複数の差分画像を抽出し、
    前記抽出された複数の差分画像について、所定の巻き付けステップの第1差分画像と、前記所定の巻き付けステップから複数ステップ異なる第2差分画像とを比較して、前記第1差分画像の中の線材部分と、前記第2差分画像の中の線材部分とが所定量以上接近しているときに、線材の整列性に関する異常を検出する、
    検査装置。
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