JP2017168678A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】しきい値電圧変動量を抑制でき、安定した電気的特性を有すること。【解決手段】SiC基板1と、SiC基板1内に第1導電型のドレイン領域と、第2導電型のウエル領域と、第1導電型のソース領域とを備える。SiC基板1上にゲート絶縁膜8を介してゲート電極9と、層間膜10を介してゲート電極9と接触するソース電極と、を備える半導体装置において、ソース電極は、チタン(Ti)層15/チタン−アルミニウム(Ti−Al)合金層16/アルミニウム(Al)層12の3層構造であり、Ti−Al合金層16が5nm以上100nm以下であり、Ti−Al合金層16は、チタンとアルミニウム全体の含有量におけるアルミニウムの含有量が25原子%〜86原子%である。【選択図】図1

Description

この発明は、炭化珪素(SiC)等の半導体材料を用いる半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、高い絶縁破壊電界を有し、低損失パワーデバイスに最適な半導体として近年注目されている。SiCは、熱酸化により基板上にSiO2膜を形成できるので、SiO2膜を用いたSiCパワーMOSFET(SiC−MOSFET)の開発が進められている。
熱酸化によりSiC基板上に絶縁膜が形成されたSiC−MOSFET界面には高密度の界面準位密度(Dit)があり、チャンネル移動度の低下をもたらす。近年、N2Oガス雰囲気やNOガス雰囲気での酸化により、Ditを低減したMOS界面を形成できるプロセスが開発された。
2O・NOガスを用いた酸化膜を用いることにより、界面準位密度は2×1012cm-2・eV-1以下として高チャンネル移動度を実現でき、SiC−MOSFETのゲート絶縁膜として良質な構造であると考えられてきた。
例えば、半導体装置の基板上の配線形成方法として、下地のチタン(Ti)上にアルミニウム(Al)の材料を形成する技術(例えば、下記特許文献1参照。)、パッド等の金属配線層に合金層を有する技術(例えば、下記特許文献2参照。)、ソース電極と層間絶縁膜との間、ゲートパッドとゲート電極との間のそれぞれに、アルミニウムの拡散を抑制するバリアメタル層を設ける技術(例えば、下記特許文献3参照。)等が開示されている。
特開平7−176615号公報 特開2003−309124号公報 特開2012−129503号公報
上記の背景技術でのSiC−MOSFETの実用化にあたり、SiC−MOSFETの信頼性確保が課題となっている。SiC−MOSFETの信頼性試験を検証したところ、負バイアスでのしきい値変動に課題を有することが判明した。以下、その内容について説明する。
SiC−MOSFETは、駆動時にゲート電極に正電圧、負電圧双方の高電圧を印加しなければならない。また高温動作のため200℃での動作保証も必要となる。そのため、ゲート絶縁膜に加わる電界強度がプラスマイナス2MV/cm〜4MV/cm、温度200℃での動作保証が必要となる。この場合に、ある条件ではMOSのしきい値電圧(Vth)が大きく変動する現象が観測されている。
図2は、従来のSiC−MOSFETの断面図である。高濃度のn+型SiC基板1上に5×1015/cm3の窒素ドーピングした低濃度のn-型ドリフト層2を10μmの厚さに堆積する。次に低濃度のp-型層3をイオン注入し形成する。
次に、n+型SiC基板1のn-型ドリフト層2側の表面(主面)上に5×1015/cm3のアルミニウムをドープした低濃度のp-型層4を0.5μmの厚さに堆積する。なお、p-型層3よりもp-型層4の方が低濃度である。その後、p-型層4上に選択的に高濃度のn+型層6をリン(P)イオン注入で形成し、p-型層3上でn+型層6の側部に高濃度のp+型層5をアルミニウムイオン注入で形成する。その後、上記製造過程のn+型SiC基板1全体をアルゴン雰囲気中1600℃で活性化アニールを行う。
その後、ゲート絶縁膜8をN2O雰囲気で70nm形成する。その後、ゲート電極9を形成し、ゲート電極9を覆うように層間膜10を形成する。また、オーミック電極を形成するためシリサイド層11を形成する。その後、ソース配線金属のアルミニウム(Al)層12を5μm形成してソース電極とし、保護膜14であるポリイミドを形成し、380℃でポリイミドをキュアし、次にドレイン電極として裏面電極13を形成してデバイスを完成する。
このようにして製造したSiC−MOSFETを200℃の高温で+3MV/cmと、−3MV/cmのゲート電圧を10分印加した後のしきい値電圧の変動を測定した。結果、プラス印加ではしきい値シフト量は±0.1V以下であるが、マイナス印加では、しきい値電圧が負に大きくシフトする現象が観測された。
このことは、高温雰囲気でゲート電極へ負バイアスを印加することで、SiO2/SiC界面近傍またはSiO2中に正の固定電荷が発生したことを示す。
しきい値電圧が負側にシフトする現象は、正の電荷であるホールがSiO2/SiC界面に発生したことを示す。シリコン(Si)系のSi−MOSFET、Si−IGBTデバイスでは、負バイアス時に正電荷が発生する報告は少ない。
また、Si−PMOSで負バイアス時にしきい値シフトの現象(スロートラップ現象)が報告されているが、ゲート電圧が−3MV/cm、150℃の条件で、しきい値変動幅は1000時間後0.1Vの変動幅である。これに対し、SiC−MOSFETの場合は、ゲート電圧が−3MV/cm、150℃の条件では−7V以上変動し、Si−MOSと大きく異なる。
SiO2/Siの界面準位密度は1.0×1011cm-2・eV-1以下であるのに対し、SiO2/SiC界面準位密度は1.0×1012cm-2・eV-1以上であり、SiO2/SiC界面にはホールトラップが多く存在していることを示している。界面準位密度の低減化で多くの研究がされているが、Si/SiO2と同等の界面準位密度になった報告はない。
SiO2/SiC界面準位密度が高いのは、SiO2/SiC界面に特有の問題であり、SiO2/SiC界面の欠陥量・歪量・バンド構造等の違いに基づき起こるものであるのかは現時点では明らかではない。
図3は、従来の他のMOSFETを示す断面図である。次に、しきい値シフトの原因を調査するため、図3に示すように、層間膜10とAl層12とが直接接触していない横型MOSFETを用意し、しきい値変動を測定した。
この横型MOSFETは、高濃度のn+型SiC基板1上に5×1015/cm3の窒素ドーピングした低濃度のn-型ドリフト層2を10μmの厚さに堆積する。次に低濃度のp-型層3をイオン注入し形成する。次に、n+型SiC基板1の表面(主面)上に5×1015/cm3のアルミニウムをドープした低濃度のp-型層4を0.5μmの厚さに堆積する。なお、p-型層3よりもp-型層4の方が低濃度である。その後、低濃度のn-型層7を窒素イオン注入し形成する。
そして、高濃度のn+型層6をリンイオン注入で形成し、高濃度のp+型層5をアルミニウムイオン注入し形成する。その後、アルゴン雰囲気中1600℃で活性化アニールを行う。その後、ゲート絶縁膜8をN2O雰囲気で70nm形成する。その後、ゲート電極9、層間膜10を形成する。また、オーミック電極を形成するため、シリサイド層11が1.0μm形成される。
その後、配線金属のアルミニウム(Al)を5μm堆積し、図2に示すソース電極用Al層(12a)と、ドレイン電極用Al層(12b)が層間膜10に接触しない構造の横型MOSFETを形成した。13は裏面電極である。
上記の横型MOSFETに対し、200℃の高温で−3MV/cmのゲート電圧10分印加した後、しきい値電圧変動は±0.1Vであった。この結果から、ゲート電極9が層間膜10を介してAl層12a,12b(ソース電極,ドレイン電極)と接触していない横型MOSFETは、負バイアス時にしきい値変動がないことを示している。
このように、配線用のAl層12a,12bが層間膜10と接触していない構造ではしきい値変動がないことから、しきい電圧の変動が大きかった層間膜10/アルミニウム層12(ソース電極)構造の元素分析を昇温脱離ガス分光法により分析を行った。この分析結果では、200℃以上の温度で3×1014/cm2以上の水素を検出した。Al中およびSiO/Alの界面からの水素発生は、Alと水の反応と推定できる。
SiO2/SiC界面には800℃以上の高温での酸化膜形成時、または800℃以上高温でのアニール処理により多くの水素イオンが取り込まれるが、高温での処理のため取り込まれたシリコン−水素(Si−H)結合、炭素−水素(C−H)結合は400℃以下の低温熱処理では変化しない。
しかしながら低温(400℃以下)で堆積したAl金属から発生した水素原子・水素イオンは固定化されていない。高温・ゲート印加状態ではAlから発生した水素原子・水素イオンはSiO2/SiC界面に移動し、SiO2/SiC界面のSi−H結合、C−H結合がSi+C+のダングリングボンドとなり、正電荷を発生すると考えられる。
200℃での酸化膜中の水素の拡散係数は、1.0×10-8[cm2/s]であり、10分後の拡散長は24.5μmであり、容易に酸化膜中を移動し、ゲート絶縁膜に到達し、しきい値変動を起こす。
ソース電極用Al層12と層間膜10を接触させない縦型MOSFETは、作成自体は可能であるが、MOSのセルサイズが大きくなり実用上は使用できない。
本発明は上記課題に鑑み、マイナスゲートバイアス・プラスゲートバイアス時のしきい値電圧変動量を抑制でき、安定した電気特性を有する半導体装置および半導体装置の製造方法を提供できることを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するために、この発明にかかる半導体装置は、炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板に第1導電型のドレイン領域と、第2導電型のウエル領域と、第1導電型のソース領域とを備え、前記炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極と、層間膜を介して前記ゲート電極と接触するソース電極と、を備える半導体装置において、前記ソース電極は、チタン(Ti)/チタン−アルミニウム(Ti−Al)合金/アルミニウム(Al)の3層構造であり、前記Ti−Al合金層が5nm以上100nm以下であり、当該Ti−Al合金層は、前記Tiと前記Al全体の含有量における前記Alの含有量が25原子%〜86原子%であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上記の発明において、前記炭化珪素基板はn型であり、前記炭化珪素基板上にn型ドリフト層と、当該n型ドリフト層に設けられたp型ウエル層と、当該p型ウエル層に設けられたn型ソース領域と、前記p型ウエル層上に形成されたゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、前記n型ソース領域と電気的に接続されたソース電極と、前記炭化珪素基板のドリフト層が形成された面と反対側の面に設けられたドレイン電極と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上記の発明において、MOSFETの半導体装置構造を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上記の発明において、前記Ti−Al合金層が、TiAl6、TiAl3、TiAl、Ti3Alのいずれかであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板に第1導電型のドレイン領域と、第2導電型のウエル領域と、第1導電型のソース領域とを形成し、前記炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成し、更に層間膜を介して前記ゲート電極と接触するソース電極を形成する半導体装置の製造方法において、ソース電極は、チタン(Ti)/チタン−アルミニウム(Ti−Al)合金/アルミニウム(Al)の順番でスパッタ法により形成され、前記ソース電極の形成後、300℃〜500℃で前記炭化珪素基板をアニール処理することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記ソース電極のTi−Al合金層のスパッタは、スパッタ圧力を0.1Pa〜0.8Pa、前記炭化珪素基板の温度を25℃以上350℃以下で実施し、スパッタ材料は、前記Tiと前記Al全体の含有量における前記Alの含有量が25原子%〜86原子%であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記ソース電極は前記Ti、前記Ti−Al合金、前記Alを同一チャンバーにて、大気暴露することなく製造することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記ソース電極は、前記ソース電極形成後の熱処理により前記Ti−Al合金層の下地に新たに生成されるTi−Al合金層の膜厚が10nm以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記ソース電極は、前記ソース電極形成後の熱処理後において、前記Ti−Al合金層の下地に10nm以上の膜厚のTi層が形成されることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記スパッタ材料は、TiAl6、TiAl3、TiAl、Ti3Alのいずれかであることを特徴とする。
上述した発明によれば、ソース電極をチタン(Ti)/Ti−Al(チタン−アルミニウム)合金層/アルミニウム(Al)の3層構造で形成する。例えば、Ti/Ti−Al合金層/Alは、それぞれ0.1μm/50nm/5.0μmの各膜厚をスパッタで連続成膜し、ソース電極を形成する。スパッタ条件は、炭化珪素基板の温度25℃、アルゴン圧力0.3Paとしたマグネトロンスパッタなどを用いる。これにより、2層目にTi−Al合金層をあらかじめ成膜することで、例えば380℃のアニールでは、2層目のTi−Al合金層と、1層目のTi層の界面には新たなTi−Al結晶粒の発生はない。そして、Ti−Al合金層下のTi層により、Al中の水素原子・水素イオンはTi層に吸収され、ゲート絶縁膜に水素が拡散することは無くなり、しきい値電圧の安定したSiC−MOSFETを形成できる。これにより、半導体基板のおもて面側から裏面側に電流を流す小型の縦型半導体素子において、しきい値変動を抑制でき、半導体装置の電気的特性を安定化できる。
本発明によれば、しきい値電圧変動量を抑制でき、安定した電気的特性を有する半導体装置を提供できるようになる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる縦型のSiC−MOSFETの断面図である。 図2は、従来のSiC−MOSFETの断面図である。 図3は、従来の他のSiC−MOSFETの断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度のおよび低不純物濃度のであることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、本明細書では、ミラー指数の表記において、“−”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“−”を付けることで負の指数を表している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる縦型のSiC−MOSFETの断面図である。このSiC−MOSFETの製造方法について説明しておく。はじめに、高濃度のn+型SiC基板(第1導電型のドレイン領域となる)1上に5×1015/cm3の窒素ドーピングした低濃度のn-型ドリフト層2を10μmの厚さに堆積する。
次に、低濃度のp-型層3をイオン注入し形成する。次に、n+型SiC基板1(n-型ドリフト層2)の表面(主面)上に、5×1015/cm3のアルミニウム(Al)をドープした低濃度のp-型層4を0.5μmの厚さに堆積する。なお、p-型層3よりもp-型層4の方が低濃度であり、これらp-型層3、p-型層4は、第2導電型のウエル領域である。その後 低濃度のn-型層7を窒素イオン注入により形成する。
次に、高濃度のn+型層(第1導電型のソース領域)6をリンイオン注入で、高濃度のp+型層5をアルミニウム(Al)イオン注入で形成する。その後、n+型SiC基板1全体をアルゴン雰囲気中で1600℃の活性化アニールを行う。
その後、p-型層4、n+型層6、n-型層7上にゲート絶縁膜8をN2O雰囲気で70nm形成する。その後、ゲート絶縁膜8上にゲート電極9を形成し、ゲート電極9を覆うように層間膜10を形成する。また、オーミック電極を形成するため、所定厚さのシリサイド層11を形成する。
その後、ソース電極として、チタン(Ti)層15/(チタン−アルミニウム)Ti−Al合金層16/アルミニウム(Al)層12の3層構造を形成する。この際、Ti層15/Ti−Al合金層16/Al層12について、それぞれ0.1μm/50nm/5.0μmの各膜厚としてスパッタで連続成膜する。スパッタ条件は、n+型基板1の温度25℃、アルゴン圧力0.3Paとしたマグネトロンスパッタなどを用いることができる。
Ti−Al合金層16の膜厚は、5nm以上100nm以下が好ましく、5nm未満ではウエハ面内に均一にTi−Al合金層16を形成することが難しく、100nm以上だとTi−Al合金層16の抵抗が大きくなりデバイス特性へ影響を与えてしまう。
Ti−Al合金層16の組成および使用するターゲットの組成は、TiAl6、TiAl3、TiAl、Ti3Alが好ましく、アニール後のTiとAlの相互作用を抑制するためのTi−Al合金層16を形成しておくためには、25原子%〜86原子%のAl含有量が必要である。具体的には、市販のスパッタ用ターゲットとしては、40原子%、50原子%、64原子%、67原子%、67原子%、70原子%のAlを含むターゲットがされており、今回は50原子%のAlを含むターゲットを使用した。これらの金属間化合物を使用する理由としては、このような組成は金属間化合物として存在するため、他の組成と比較して相互拡散の抑制効果が高いからである。
このAl含有量は、Al原子数/(Ti原子数+Al原子数)*100の計算方法において算出される。
さらに、これら3層からなるソース電極は、その界面に不易な酸化膜等の形成を防止するために、同一チャンバーで大気暴露することなく形成する。さらに、Ti−Al合金層16の成膜はその純度と均一性の確保からスパッタ法を用いることが好ましい。
スパッタ時のn+型SiC基板1の温度は、冷却機構を必要としない25℃以上とし、350℃以上の温度は、半導体装置の製造コストが上がるため好ましくない。スパッタ圧力は、低いとスパッタ速度が遅く、高いと面内分布を悪化することから、0.1Pa〜0.8Paが好ましい。
その後、Al層12のエッチング、Ti−Al合金層16のエッチング、Ti層15のエッチングをし、3層構造のソース電極を形成する。このようにして形成したソース電極は、Al層12がTi層15/Ti−Al合金層16を介してゲート電極9/層間膜10と接した構造となっている。その後、保護膜14であるポリイミドを形成し、380℃でアニールし、n+型SiC基板1の裏面にドレイン電極として裏面電極13を形成し、縦型のSiC−MOSFETを完成させる。
Ti−Al合金層16を形成していないTi/Alのみの構造の場合は、ポリイミドキュアまたはアニールにより界面にTiAlの合金層が形成され、このTiAlの合金層が下地のTiを突き抜けてしまうため、水素遮蔽の効果が失われてしまっていた。
一方、本実施の形態1のように、2層目にTi−Al合金層16をあらかじめ成膜していた場合は、380℃のアニールでは、2層目のTi−Al合金層16と、1層目のTi層15の界面には新たなTiAl結晶粒の発生はない。そして、Ti−Al合金層16下のTi層15により、Al層12中の水素原子・水素イオンはTi層15に吸収され、ゲート絶縁膜8に水素が拡散することは無くなり、しきい値電圧の安定したゲート絶縁膜8を形成することができた。
ポリイミドキュアまたはアニールの温度は500℃以下が好ましく、この温度以上だとポリイミドを構成する高分子が分解してしまう。また、300℃以下ではイミド化が進まないため、保護膜としての役割を果たせない。
以上説明した3層構造のソース電極を有する半導体装置を用いることにより、ゲート電圧−3MV/cm、加熱温度200℃で1000時間後のしきい値電圧変動幅を0.1V以下に抑えることができた。なお、Ti層15は堅い材質であり、1.0μm以上となると割れが発生する。Ti層15の膜厚は10nm以上1.0μm以下とする。
Tiによる水素(H)の吸蔵効果のため、アニール後のTi層15の膜厚は10nm以上とする。このTi層15の吸蔵効果について実験を行った。実験では、100nmの膜厚のTi層15に400℃水素注入を行ったところ、6×1017/cm2のH2が吸蔵されたので、10nmの膜厚では1×1015/cm2以上の水素を吸蔵できる。
(実施の形態2)
実施の形態2として、実施の形態1で380℃としたポリイミドのアニール温度を400℃まで上昇させた試料を作成した。ソース電極がTi層15とAl層12の2層だけの場合は、新たに形成されるTiAl合金の粒径(膜厚)が30nm以上100nm未満であったのに対し、実施の形態2のようにソース電極をTi層15/Ti−Al合金層16/Al層12の3層構造とした場合には、新たに形成されるTi−Al合金層の膜厚は10nm以下であった。
このように、実施の形態2で400℃のアニール温度とした場合においても、ソース電極の下地のTi層15は約90nm程度残存しているため、良好なデバイス特性を得ることができる。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、p型とn型とを入れ替えた場合や、炭化珪素基板と炭化珪素基板主表面に成長させるエピタキシャル層とを異なる導電型とした場合も同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、例えば、パワーデバイス等の電力用半導体素子や、産業用のモーター制御やエンジン制御に使用されるパワー半導体素子に有用である。特に、半導体基板のおもて面側から裏面側に電流を流す小型の縦型半導体素子に適用できる。
1 SiC基板
2 n-型ドリフト層
3 p-
4 p-層(ウエル層)
5 p+
6 n+層(ソース領域)
7 n-
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 層間膜
11 シリサイド層
12 Al層
13 裏面電極
14 保護膜
15 Ti層
16 Ti−Al合金層
17 TiN層
18 Ti膜

Claims (10)

  1. 炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板に第1導電型のドレイン領域と、第2導電型のウエル領域と、第1導電型のソース領域とを備え、前記炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極と、層間膜を介して前記ゲート電極と接触するソース電極と、を備える半導体装置において、
    前記ソース電極は、チタン(Ti)/チタン−アルミニウム(Ti−Al)合金/アルミニウム(Al)の3層構造であり、前記Ti−Al合金層が5nm以上100nm以下であり、当該Ti−Al合金層は、前記Tiと前記Al全体の含有量における前記Alの含有量が25原子%〜86原子%であることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記炭化珪素基板はn型であり、前記炭化珪素基板上にn型ドリフト層と、当該n型ドリフト層に設けられたp型ウエル層と、当該p型ウエル層に設けられたn型ソース領域と、前記p型ウエル層上に形成されたゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、前記n型ソース領域と電気的に接続されたソース電極と、前記炭化珪素基板のドリフト層が形成された面と反対側の面に設けられたドレイン電極と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. MOSFETの半導体装置構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記Ti−Al合金層が、TiAl6、TiAl3、TiAl、Ti3Alのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置。
  5. 炭化珪素基板に第1導電型のドレイン領域と、第2導電型のウエル領域と、第1導電型のソース領域とを形成し、
    前記炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成し、更に層間膜を介して前記ゲート電極と接触するソース電極を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記ソース電極は、チタン(Ti)/チタン−アルミニウム(Ti−Al)合金/アルミニウム(Al)の順番でスパッタ法により形成され、
    前記ソース電極の形成後、300℃〜500℃で前記炭化珪素基板をアニール処理することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記ソース電極のTi−Al合金層のスパッタは、
    スパッタ圧力を0.1Pa〜0.8Pa、前記炭化珪素基板の温度を25℃以上350℃以下で実施し、
    スパッタ材料は、前記Tiと前記Al全体の含有量における前記Alの含有量が25原子%〜86原子%であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記ソース電極は前記Ti、前記Ti−Al合金、前記Alを同一チャンバーにて、大気暴露することなく製造することを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記ソース電極は、前記ソース電極形成後の熱処理により前記Ti−Al合金層の下地に新たに生成されるTi−Al合金層の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記ソース電極は、前記ソース電極形成後の熱処理後において、前記Ti−Al合金層の下地に10nm以上の膜厚のTi層が形成されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一つに記載の半導体装置。
  10. 前記スパッタ材料は、TiAl6、TiAl3、TiAl、Ti3Alのいずれかであることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一つに記載の半導体装置。
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