次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本実施形態では出力システムの一例としての印刷システムを例として説明するが、印刷システムに限定するものではない。出力システムは投影システムや表示システムの他、蓄積先に蓄積した出力データを出力するシステムであればよい。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る印刷システムの一例の構成図である。印刷システム1はLANなどのネットワークN1を介して接続されたプリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、画像形成装置13、クライアント端末14を有する。プリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、画像形成装置13及びクライアント端末14は無線又は有線によるデータ通信が可能である。
図1ではプリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、クライアント端末14が1台である例を示しているが、複数台あってもよい。また、画像形成装置13は1台又は3台以上であってもよい。
なお、本実施形態に係る印刷システム1ではプリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、画像形成装置13、クライアント端末14がアクティブディレクトリドメイン下に存在している。ただし、本実施形態に係る印刷システム1ではプリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、画像形成装置13、クライアント端末14がアクティブディレクトリドメイン下に存在していなくてもよい。
プリントサーバ装置10は1台以上の情報処理装置により実現される。プリントサーバ装置10は印刷データや印刷ジョブ情報を保有している。プリントサーバ装置10は画像形成装置13からの要求に基づき、印刷データや印刷ジョブ情報を画像形成装置13に送信する。
スキャンサーバ装置11は1台以上の情報処理装置により実現される。スキャンサーバ装置11は画像形成装置13からスキャンデータを受信し、蓄積先にスキャンデータを蓄積する。認証サーバ装置12は一台以上の情報処理装置によって実現される。認証サーバ装置12は認証に関する処理を行う。
画像形成装置13は受信した印刷データや印刷ジョブ情報に基づいて印刷を行う出力装置の一例である。なお、画像形成装置13はプリンタ、コピー機、複合機、レーザプリンタなどの印刷装置の他、プロジェクタやモニタなどの表示出力を実行する投影装置や表示装置、オーディオなどの音声データを出力する音声出力装置であってもよい。
クライアント端末14はユーザが利用する情報処理装置である。クライアント端末14はスマートフォンや携帯電話、PCなどの端末装置である。クライアント端末14は印刷データを保有している場合がある。なお、図1の印刷システム1の構成は一例であり、他の構成であってもよい。
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1のプリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、クライアント端末14は、図2のハードウェア構成のコンピュータ等により実現される。図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図2に示したコンピュータ100は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM104、ROM105、CPU106、通信I/F107、及びHDD108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置101及び表示装置102は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
入力装置101はキーボードやマウスなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102はディスプレイなどを含み、コンピュータ100による処理結果を表示する。
通信I/F107はコンピュータ100をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ100は通信I/F107を介してデータ通信を行うことができる。
HDD108はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータは、例えばコンピュータ100全体を制御する基本ソフトウェアであるOSや、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどである。
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。これにより、コンピュータ100は外部I/F103を介して記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
ROM105は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、コンピュータ100の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
CPU106は、ROM105やHDD108などの記憶装置からプログラムやデータをRAM104上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ100全体の制御や機能を実現する演算装置である。
プリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12、クライアント端末14は、例えば図2のコンピュータ100のハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
《画像形成装置》
図1の画像形成装置13は、例えば図3に示すようなハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図3は本実施形態に係る画像形成装置の一例のハードウェア構成図である。図3に示した画像形成装置13は、コントローラ201、操作パネル202、外部I/F203、通信I/F204、プリンタ205及びスキャナ206などを備える。
コントローラ201はCPU211、RAM212、ROM213、NVRAM214及びHDD215などを備える。ROM213は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM212はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM214は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD215は各種プログラムやデータが格納されている。
CPU211は、ROM213やNVRAM214、HDD215などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM212上に読み出し、処理を実行することで、画像形成装置13全体の制御や機能を実現する。
操作パネル202はユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F203は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203aなどがある。これにより、画像形成装置13は外部I/F203を介して記録媒体203aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体203aにはICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
通信I/F204は、画像形成装置13をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、画像形成装置13は通信I/F204を介してデータ通信を行うことができる。プリンタ205は印刷データを用紙に印刷する印刷装置である。スキャナ206は原稿から画像データ(電子データ)を読み取る読取装置である。
<ソフトウェア構成>
《プリントサーバ装置》
本実施形態に係るプリントサーバ装置10は、例えば図4に示す処理ブロックにより実現される。図4は本実施形態に係るプリントサーバ装置の一例の処理ブロック図である。
プリントサーバ装置10はプログラムを実行することにより、サーバ情報登録処理部21、ジョブ登録処理部22、ジョブ情報提供部23、印刷データ提供部24、サーバ情報保持部25、ジョブ情報保持部26、印刷データ保持部27、ログイン処理部28を実現している。
サーバ情報登録処理部21はクライアント端末14から後述のサーバ情報の登録を受け付けてサーバ情報の登録処理を行う。ジョブ登録処理部22はクライアント端末14から印刷ジョブを受け付け、印刷ジョブの登録処理を行う。ジョブ情報提供部23は画像形成装置13からの要求に基づき、印刷ジョブ情報を画像形成装置13に提供する。
印刷データ提供部24は画像形成装置13からの要求に基づき、印刷データを画像形成装置13に提供する。サーバ情報保持部25は後述のサーバ情報を保持する。ジョブ情報保持部26は印刷ジョブ情報を保持する。また、印刷データ保持部27は印刷データを保持する。ログイン処理部28は認証サーバ装置12に対し、後述のようにログイン処理を行う。
《画像形成装置》
本実施形態に係る画像形成装置13は、例えば図5に示す処理ブロックにより実現される。図5は本実施形態に係る画像形成装置の一例の処理ブロック図である。
画像形成装置13はプログラムを実行することで、操作受付部41、データ表示処理部42、ログイン処理部43、ジョブ情報取得部44、ジョブ選択受付部45、印刷抑制処理部46、印刷データ取得部47、印刷設定更新部48、印刷処理部49、印刷抑制情報保持部50を実現する。
操作受付部41はユーザからの操作を受け付ける。データ表示処理部42はユーザに対する表示を行う。ログイン処理部43はユーザからのログイン操作を受け付け、後述のようにログイン処理を行う。ジョブ情報取得部44は印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10から取得する。
ジョブ選択受付部45は後述の印刷ジョブ情報一覧画面から印刷ジョブの選択を受け付ける。印刷抑制処理部46はユーザにより選択された印刷ジョブの印刷抑制処理を後述のように行う。印刷データ取得部47は印刷抑制処理により印刷処理がキャンセルされなければ、ユーザにより選択された印刷ジョブの印刷データを後述のようにプリントサーバ装置10又はクライアント端末14から取得する。
印刷設定更新部48はユーザから受け付けた印刷設定更新の要求、又は、後述の印刷抑制処理により、印刷データの印刷設定(出力設定)を更新する。印刷処理部49は取得した印刷データを印刷設定に従ってプリンタ205から印刷する印刷処理を行う。印刷抑制情報保持部50は印刷抑制処理に必要な各種情報テーブルを保持している。
《クライアント端末》
本実施形態に係るクライアント端末14は、例えば図6に示す処理ブロックにより実現される。図6は本実施形態に係るクライアント端末の一例の処理ブロック図である。
クライアント端末14はプログラムを実行することにより、文書作成アプリケーション61、仮想プリンタドライバ62、実プリンタドライバ63、プラグイン64、プラットフォームAPI65、プラットフォーム66、記憶部67を実現している。プラグイン64は印刷フロープラグイン71、ジョブ蓄積プラグイン72を有する。プラットフォーム66は表示制御(UI制御)部81、設定部82、通信部83を有する。
文書作成アプリケーション61はユーザから印刷の要求を受け付けるアプリケーションの一例である。文書作成アプリケーション61は一例であって、ユーザから印刷等の出力の要求を受け付けるアプリケーションであればよい。
仮想プリンタドライバ62はアプリケーションデータを機種依存しない中間形式の印刷データに変換して出力するプリンタドライバである。中間形式の印刷データは画像形成装置13の機種に依存しない印刷データである。XPS(XML Paper Specification)形式のデータは中間形式の印刷データの一例である。また、アプリケーションデータは印刷対象データの一例である。
実プリンタドライバ63は、アプリケーションデータ又は中間形式の印刷データを画像形成装置13が印刷できる実形式の印刷データに変換して出力するプリンタドライバである。RAW形式のデータは、実形式の印刷データの一例である。
なお、アプリケーションデータ等の印刷対象データ、中間形式又は実形式の印刷データ等は、ユーザが印刷を要求し画像形成装置13に提供するまでの間、印刷の対象として取り扱われる出力データと捉えることができる。また、印刷の要求から印刷の実行までにどのようなデータ形式となっているかは関係なく、アプリケーションデータ、中間形式の印刷データ、実形式の印刷データ等は全て出力データと言える。
また、出力データは印刷出力に利用するデータに限らず、表示(投影)出力に利用するデータ(表示(画像)データなど)や、音声出力に利用するデータ(音声データなど)であってもよい。出力データは印刷、表示、音声再生等の1または複数の出力用途に応じた出力データを取り扱うことができる。
プラグイン64はプラットフォーム66上で動作するソフトウェアである。プラグイン64はプラットフォームAPI65を利用することで、プラットフォーム66の機能を利用できる。プラグイン64の印刷フロープラグイン71は印刷フロー制御を行う。ジョブ蓄積プラグイン72は印刷ジョブの蓄積、管理を行う。
プラットフォームAPI65はプラグイン64が、プラットフォーム66の機能を利用するためのインタフェースである。プラットフォームAPI65はプラグイン64からの要求をプラットフォーム66が受信するために設けられた予め定義されたインタフェースであり、例えば関数やクラス等により構成される。
プラットフォーム66の表示制御部81は例えば文書作成アプリケーション61やプラグイン64等からの要求に基づいて表示装置102の表示を制御する。設定部82はプラグイン64の設定を行う。通信部83はプリントサーバ装置10、スキャンサーバ装置11、認証サーバ装置12や画像形成装置13等との通信を実行する。記憶部67は設定等を記憶する。
クライアント端末14はプラグイン64が共通に利用する機能をプラットフォーム66に集約することで、処理を集約している。なお、図6の処理ブロック図の分類形態は一例であり、図6に示されるような階層で分類されていることは必須でない。プラグイン64は管理者やユーザが所望するものを適宜インストールして使用できる。したがって、クライアント端末14は必ず印刷フロープラグイン71及びジョブ蓄積プラグイン72を備えていなければならないわけではない。
《サーバ情報》
図7はサーバ情報テーブルの一例の構成図である。図7のサーバ情報テーブルはサーバID、IPアドレス、ホスト名、ポート番号、ポート番号(https)及びサーバ種別などの項目を有している。サーバIDはプリントサーバ装置10、クライアント端末14をサーバとして一意に特定するための特定情報である。IPアドレスはサーバIDにより特定されるサーバのIPアドレスである。
ホスト名はサーバIDにより特定されるサーバのホスト名である。ポート番号はサーバIDにより特定されるサーバと通信を行う際のポート番号である。ポート番号(https)はサーバIDにより特定されるサーバと暗号化を行った状態で通信を行う際のポート番号である。また、サーバ種別はサーバIDにより特定されるサーバがプリントサーバ装置10であるのか、クライアント端末14であるのか、を示すサーバ種別情報である。
例えば印刷データを印刷するとき、画像形成装置13は後述の印刷ジョブ情報に含まれるサーバIDをキー情報として図7のサーバ情報を検索することで印刷データがプリントサーバ装置10、クライアント端末14のどちらに蓄積されているかを判定できる。
また、画像形成装置13は、検索したサーバ情報を利用して印刷データが蓄積されているプリントサーバ装置10又はクライアント端末14と通信を行い、印刷データを取得できる。
《印刷ジョブ情報》
図8は印刷ジョブ情報テーブルの一例の構成図である。図8の印刷ジョブ情報テーブルは文書ID、日時、ユーザ名、サーバID、ジョブ名、データ蓄積先、蓄積言語、ページ数、面設定、色情報、部数及び用紙サイズなどの項目を有している。
文書IDは印刷ジョブを一意に識別するための識別情報である。日時は印刷ジョブを蓄積した日時である。ユーザ名は印刷ジョブを登録したユーザの名前である。サーバIDは印刷ジョブの印刷データが蓄積されているサーバのサーバIDである。ジョブ名は印刷ジョブの名前であって、例えば印刷データの文書名である。データ蓄積先は中間形式の印刷データ又は実形式の印刷データが蓄積されている場所を示している。
蓄積言語は蓄積されている印刷データの形式を示している。例えば印刷ジョブ情報は蓄積言語が「XPS」である場合、中間形式の印刷データが蓄積されていることを示し、蓄積言語が「PCL」である場合、実形式の印刷データが蓄積されていることを示す。中間形式の印刷データとはフォーマットに関する共通仕様が一般に公開され、かつ、再編集が容易な形式の印刷データである。また、中間形式の印刷データのデータ形式はXPSに限らない。中間形式の印刷データのデータ形式はPDF(Portable Document Format)等であってもよい。
一方、実形式の印刷データとは画像形成装置13に依存した印刷データである。実形式の印刷データのデータ形式はPCLに限らない。例えば実形式の印刷データのデータ形式はPS(Post Script)等であってもよい。
ページ数は印刷データのページ数を表す。面設定は印刷データの面数を表す。色情報は印刷データの色情報を表す。部数は印刷データの印刷時の部数を表す。用紙サイズは印刷データの用紙サイズを表す。例えばユーザが印刷ジョブの登録を要求すると、図8の印刷ジョブ情報テーブルには、ユーザが登録を要求した印刷ジョブの印刷ジョブ情報が登録される。
《グループ情報》
図9は、グループ情報テーブルの一例の構成図である。図9のグループ情報テーブルは、グループID、グループ名、曜日・日時ルールID、印刷抑制、印刷抑制有効レートなどの項目を有している。
グループIDは、グループを一意に識別するための識別情報である。グループ名は、グループの名前である。曜日・日時ルールIDは、グループに属するユーザに適用する曜日・日時ルールを一意に識別するための識別情報である。曜日・日時ルールIDの項目には、複数の曜日・日時ルールIDが設定されてもよい。印刷抑制は、印刷抑制機能の有効又は無効を設定する項目である。印刷抑制有効レートは、印刷抑制機能が「有効」に設定されているときに、印刷抑制機能の処理が適用されるユーザの保有コストレートが設定される項目である。例えば、印刷抑制有効レートが100(100%)に設定されている場合、ユーザの保有コストレートが「100%」以上である場合に、印刷禁止などの印刷抑制機能の処理が適用される。
グループ情報テーブルは、例えば、認証サーバ装置12に保持される。画像形成装置13は、ユーザからのログイン処理を受け付けたことに応じて、認証サーバ装置からグループ情報テーブルを取得してもよい。
《曜日・日時情報》
図10は、曜日・日時情報テーブルの一例の構成図である。図10の曜日・日時情報テーブルは、各グループに適用される曜日・日時ルールが記憶される。具体的には、曜日・日時情報テーブルには、曜日・日時ルールID、曜日・日時ルール名、曜日、開始時間、終了時間、印刷ルールID、印刷コストID、及び曜日・日時ルール適用サーバIDなどの項目を有している。
曜日・日時ルールIDは、適用される曜日・日時ルールを一意に識別するための識別情報である。曜日・日時ルール名は、曜日・日時ルールの名前である。曜日は、曜日・日時ルールが適用される曜日が設定される項目である。開始時間は、ルールの適用の開始時間が設定され、終了時間は、ルールの適用の終了時間が設定される。つまり、曜日、開始時間、及び終了時間から、曜日・日時ルールを適用する期間が特定される。
印刷ルールIDは、印刷ルールを一意に識別するための識別情報である。印刷コストIDは、印刷コストを一意に識別するための識別情報である。
曜日・日時ルール適用サーバIDは、ルールテーブルのルールが適用されるサーバを一意に識別するための識別情報である。
図10の例では、全ての曜日の9:00〜18:00において曜日・日時ルールIDが「2」のルールが適用されることを示している。この場合に印刷の実行時に適用される印刷のルールは印刷ルールID「1」で特定される印刷ルールであり、印刷の実行時に適用されるコストは印刷コストID「2」で特定される印刷コストである。
曜日・日時情報テーブルは、例えば、認証サーバ装置12に保持される。画像形成装置13は、ユーザからのログイン処理を受け付けたことに応じて、認証サーバ装置から曜日・日時テーブルを取得してもよい。
なお、グループ情報テーブルに複数の曜日・日時ルールIDが設定される場合があるため、同一のグループに対応付けられた曜日・日時ルールの適用期間は重複しないように調整される。例えば、認証サーバ装置に、曜日・日時情報テーブルが登録される時に、認証サーバ装置が、適用期間の重複を検出し、適用期間の修正を求める通知を、曜日・日時情報テーブルの登録元となるクライアント端末14等に送信してもよい。
《印刷ルール》
図11は印刷ルールテーブルの一例の構成図である。図11に示す印刷ルールテーブルは印刷ルールID、印刷ルール名、強制モノクロ印刷、強制モノクロ有効レート、強制両面印刷、強制両面有効レートなどの項目を有している。
印刷ルールIDは印刷ルールを一意に識別するための識別情報である。印刷ルール名はルールの名前である。強制モノクロ印刷、強制両面印刷及び印刷抑制は、ルール内容の有効/無効を表す情報である。強制モノクロ有効レート、強制両面有効レート及び印刷抑制有効レートはルール内容が適用されるユーザの保有コストレートを表している。保有コストレートとはユーザの利用可能な上限値に対する現在の利用量(保有コスト)のパーセンテージを表している。
例えば図11の印刷ルールテーブルでは強制モノクロ印刷が「有効」である場合、強制モノクロ有効レートが「40」であるため、ユーザの保有コストレートが「40%」以上である場合に強制モノクロ印刷が適用される。
図11の印刷ルールテーブルは、例えば、認証サーバ装置に保持され、ログイン処理時に認証サーバ装置12から取得し、印刷抑制情報保持部50に保持しておいてもよい。
《印刷コスト》
図12は、印刷コストレートテーブルの一例の構成図である。図12に示した印刷コストレートテーブルは印刷コストID、印刷コストレート名、モノクロ印刷レート、カラー印刷レート、A4印刷レート、A3印刷レート、通貨単位などの項目を有している。
印刷コストIDは印刷コストレートを一意に識別するための識別情報である。印刷コストレート名は印刷コストレートの名称である。モノクロ印刷レート、カラー印刷レート、A4印刷レート及びA3印刷レートは、モノクロ印刷、カラー印刷、A4印刷及びA3印刷に必要なコストを表している。
通貨単位はコストの算出時の通貨単位を定義する。例えば図12の印刷コストレートテーブルはモノクロ印刷に必要なコストが「1」である例を示している。また、図12の印刷コストレートテーブルはA3印刷に必要なコストが「4」である例を示している。
また、例えば、複数の印刷条件が設定された印刷ジョブの場合は、各印刷条件に対応する印刷コストレートを乗算した結果を印刷ジョブの印刷コストレートとする。「カラーA4」の印刷ジョブの場合は、2(カラー印刷の印刷コストレート)×3(A4印刷の印刷コストレート)=6となる。また、印刷条件の組み合わせごとに、印刷コストレートが印刷コストレートテーブルに登録されてもよい。例えば、カラーとA4の組み合わせの印刷コストレート6、白黒とA4の組み合わせの印刷コストレート3などが印刷コストレートテーブルに登録される。なお、通貨単位は金額を認識できる単位であればよく、例えば通貨への交換レートが決まっているポイントなどであってもよい。
図12の印刷コストレートテーブルは、例えば、認証サーバ装置に保持され、ログイン処理時に認証サーバ装置12から取得し、印刷抑制情報保持部50に保持しておいてもよい。
なお、上述した各種テーブルのうち、ユーザのログイン時に、取得するものについては、ユーザが登録されているグループに対応するテーブルを取得してもよい。
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。
《クライアント端末における設定処理》
図13はクライアント端末における設定画面の一例のイメージ図である。図13の設定画面1000はプリントサーバ装置10との通信を可能にする為の設定と、印刷ジョブを登録する際のユーザ名の設定と、実形式の印刷データを生成するプリンタドライバの設定と、が可能である。
プリントサーバ装置10との通信を可能にする為の設定には、プリントサーバ装置10のホスト名/IPアドレス、ポート番号、SSLの有効/無効の項目が含まれる。プリントサーバ装置10との通信を可能にする為の設定は接続テストボタン1001を押下することにより行われる接続テストにより確認できる。
《印刷ジョブ蓄積処理》
例えばユーザは文書作成アプリケーション61を操作して印刷設定画面などを開き、仮想プリンタドライバ62を選択して印刷を指示することにより、印刷ジョブ蓄積処理を開始できる。
ユーザが仮想プリンタドライバ62を選択して印刷を要求すると、クライアント端末14は図14に示すような印刷ジョブ蓄積処理を開始する。図14は印刷ジョブ蓄積処理の一例のフローチャートである。
ステップS21において、文書作成アプリケーション61は印刷イベントを仮想プリンタドライバ62に送信する。仮想プリンタドライバ62は印刷フロープラグイン71に印刷イベントを送信する。
また、仮想プリンタドライバ62はステップS22において、アプリケーションデータを中間形式の印刷データに変換する。また、仮想プリンタドライバ62は図8に示したような印刷ジョブ情報を生成する。印刷フロープラグイン71は仮想プリンタドライバ62からの印刷イベントに基づき、ユーザに印刷データの蓄積先を選択させる蓄積先選択画面を表示させる。例えばユーザは蓄積先選択画面から印刷データの蓄積先として、プリントサーバ装置10又はクライアント端末14を選択できる。
ユーザが蓄積先としてクライアント端末14を選択すると、ジョブ蓄積プラグイン72は、中間形式の印刷データを管理対象として管理する。また、ユーザが蓄積先としてプリントサーバ装置10を選択すると、ジョブ蓄積プラグイン72は実プリンタドライバ63を利用して、中間形式の印刷データから実形式の印刷データを生成する。
ここでは、印刷データの蓄積先としてクライアント端末14が選択されたものとして説明を続ける。ステップS23において、ジョブ蓄積プラグイン72はデータ蓄積先となる指定フォルダに中間形式の印刷データを保存する。
ステップS24において、ジョブ蓄積プラグイン72はプリントサーバ装置10に印刷ジョブ情報を送信する。ステップS25において、プリントサーバ装置10のジョブ登録処理部22はクライアント端末14から印刷ジョブ情報を受信する。
ステップS26において、ジョブ登録処理部22は受信した印刷ジョブ情報をジョブ情報保持部26に登録する。ステップS27において、ジョブ登録処理部22は印刷ジョブ情報の登録結果をクライアント端末14に送信する。
ステップS28において、クライアント端末14のジョブ蓄積プラグイン72は、プリントサーバ装置10から受信した印刷ジョブ情報の登録結果が、登録成功であるか否かを判定する。
登録結果が登録成功であればジョブ蓄積プラグイン72はステップS29に進み、例えば登録成功のポップアップを表示する。また、登録結果が登録失敗であれば、ジョブ蓄積プラグイン72はステップS30に進み、例えば登録失敗のポップアップを表示する。
なお、印刷データの蓄積先としてプリントサーバ装置10が選択された場合はステップS24において、印刷ジョブ情報及び実形式の印刷データがプリントサーバ装置10に送信される。また、プリントサーバ装置10が中間形式の印刷データを実形式の印刷データに変換する機能を有していれば、プリントサーバ装置10に送信する印刷データは中間形式の印刷データであってもよい。
ステップS25において、プリントサーバ装置10のジョブ登録処理部22はクライアント端末14から印刷ジョブ情報及び実形式の印刷データを受信する。ステップS26において、ジョブ登録処理部22は受信した印刷ジョブ情報をジョブ情報保持部26に登録する。また、ジョブ登録処理部22は受信した実形式の印刷データを印刷データ保持部27に登録する。ステップS27において、ジョブ登録処理部22は印刷ジョブ情報及び実形式の印刷データの登録結果をクライアント端末14に送信する。
図14の印刷ジョブ蓄積処理によれば、印刷毎に蓄積先選択画面をクライアント端末14に表示して、ユーザに印刷データの蓄積先を選択させることができる。また、図14の印刷ジョブ蓄積処理によれば、プリントサーバ装置10又はクライアント端末14に蓄積された印刷データの印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10に登録できる。
《画像形成装置におけるログイン処理》
ユーザは図15に示す手順で画像形成装置13にログインを行う。図15は画像形成装置におけるログイン処理の一例のフローチャートである。
ユーザは画像形成装置13の操作パネル202を操作して例えばログイン画面の表示を要求する。画像形成装置13の操作受付部41はユーザからの操作を受け付け、データ表示処理部42にログイン画面を表示させる。
ステップS51において、操作受付部41はユーザからログイン画面へのユーザ名の入力を受け付ける。また、ステップS52において、操作受付部41はユーザからログイン画面へのパスワードの入力を受け付ける。なお、ユーザ名及びパスワードはユーザの認証情報の一例である。ステップS53において、ログイン処理部43はログイン画面に入力されたユーザ名及びパスワードを認証情報として認証サーバ装置12に送信し、認証情報の問い合わせを行う。
ステップS54において、認証サーバ装置12は画像形成装置13から認証情報を受信する。ステップS55において、認証サーバ装置12は画像形成装置13から受信した認証情報の検索をユーザ情報保持部52に依頼する。ユーザ情報保持部52は画像形成装置13から受信した認証情報を保持しているかを検索により確認し、検索結果を認証サーバ装置12に送信する。なお、図15では認証サーバ装置12の外側にユーザ情報保持部52を示したが、認証サーバ装置12が有していてもよい。
ステップS56において、認証サーバ装置12はユーザ情報保持部52から検索結果を受信する。ステップS57において、認証サーバ装置12は画像形成装置13から受信した認証情報と、ユーザ情報保持部52が保持している認証情報と、に整合があるかを確認する。
画像形成装置13から受信した認証情報と、ユーザ情報保持部52が保持している認証情報と、に整合があれば、認証サーバ装置12はステップS58において、ユーザに対して画像形成装置13の利用権限を設定する。そして、認証サーバ装置12はステップS59において、成功通知と共に、ユーザに設定した利用権限の情報を画像形成装置13に対して送信する。
なお、画像形成装置13から受信した認証情報と、ユーザ情報保持部52が保持している認証情報と、に整合がなければ、認証サーバ装置12はステップS59において、失敗通知を画像形成装置13に対して送信する。
ステップS60において、画像形成装置13のログイン処理部43は認証サーバ装置12から認証情報の問い合わせの結果を受信する。ステップS61において、画像形成装置13のログイン処理部43は認証情報の問い合わせの結果として認証サーバ装置12から利用権限の情報を受信したか否かを判定する。
利用権限の情報を受信したと判定すると、ログイン処理部43はステップS62においてログインを成功させる。ログインの成功によりユーザは設定された利用権限の範囲で画像形成装置13のアプリケーションや機能などの利用が可能となる。なお、利用権限の情報を受信していないと判定すると、ログイン処理部43はログインの失敗を操作パネル202などに表示させる。
図15のログイン処理はユーザ名及びパスワードをユーザの認証情報として利用しているが、例えばICカードの登録情報を用いたログイン処理も可能である。ICカードの登録情報を用いたログイン処理は、例えばユーザ情報保持部52にICカードの登録情報とユーザ名などのユーザを特定する情報とを、予め紐づけて登録しておくことにより可能である。なお、ユーザを特定する情報と紐づけられていないICカードの登録情報がログイン処理に利用された場合は、ICカードの登録情報とユーザ名などのユーザを特定する情報とを紐づけて登録する処理を画像形成装置13から受け付けるようにしてもよい。
ログインが成功すると、画像形成装置13のデータ表示処理部42は図16に示すようなホーム画面1030を例えば操作パネル202に表示させる。図16はログイン後に画像形成装置に表示されるホーム画面の一例のイメージ図である。図16のホーム画面1030は、コピー、プリンタ、ドキュメントサーバ、スキャナ、ファクシミリなどのアプリケーションへのリンクボタンが表示され、アプリケーションへの遷移を容易にする。
また、図16のホーム画面1030は更新ボタンやログアウトボタンを配置することにより画面更新やログアウトをスムーズに行える構成となっている。図16のホーム画面1030は基本アプリケーション以外へのリンク「Embedded Application」も設定可能である。なお、図16のホーム画面1030は一例であって、ユーザに設定された利用権限やユーザによる操作によりレイアウトを変更可能である。
《印刷ジョブ情報一覧画面の表示》
例えばユーザはホーム画面1030からプリンタのアプリケーションへのリンクボタンを押下することで、印刷ジョブ情報一覧画面の表示を画像形成装置13に要求する。画像形成装置13のジョブ情報取得部44はログインに成功したユーザの印刷ジョブ情報をプリントサーバ装置10に要求する。プリントサーバ装置10のジョブ情報提供部23はログインに成功したユーザのユーザ名が設定されている印刷ジョブ情報を検索する。
また、ジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDを取得し、そのサーバIDが設定されているサーバ情報を検索する。ジョブ情報提供部23は検索した印刷ジョブ情報とサーバ情報とを画像形成装置13に送信する。
画像形成装置13のジョブ情報取得部44はログインに成功したユーザの印刷ジョブ情報と、その印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とをプリントサーバ装置10から受信する。画像形成装置13のデータ表示処理部42はプリントサーバ装置10から受信したユーザの印刷ジョブ情報と、印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とを利用して、図17に示す印刷ジョブ情報一覧画面1040を操作パネル202に表示する。
図17は印刷ジョブ情報一覧画面の一例のイメージ図である。図17の印刷ジョブ情報一覧画面1040はログインに成功したユーザの印刷ジョブ情報のリスト1041が含まれる。印刷ジョブ情報のリスト1041は各印刷ジョブ情報がボタン等の選択可能な部品で表されている。
図17の各印刷ジョブ情報を表す部品には、印刷データの文書名、印刷ジョブの蓄積処理を行った年月日、ページ数、部数、面設定、色情報、印刷データの蓄積先が一例として表示されている。
また、図17の印刷ジョブ情報一覧画面1040は全選択ボタン、更新ボタン、条件変更ボタン、削除ボタン、印刷ボタンが含まれる。さらに、図17の印刷ジョブ情報一覧画面1040はログインに成功したユーザが蓄積している印刷ジョブ数を表示している。
全選択ボタンは印刷ジョブ情報のリスト1041の全ての印刷ジョブ情報を選択するボタンである。更新ボタンは、印刷ジョブ情報のリスト1041を更新するためのボタンである。更新ボタンが押下されると、ジョブ情報取得部44はプリントサーバ装置10から印刷ジョブ情報及びサーバ情報を再取得する。
条件変更ボタンは選択されている印刷ジョブ情報の印刷設定変更画面を表示するボタンである。削除ボタンは選択されている印刷ジョブ情報を削除するボタンである。印刷ボタンは選択されている印刷ジョブ情報の印刷指示(出力指示)を行うボタンである。
《印刷ジョブ出力処理》
例えばユーザは図17の印刷ジョブ情報一覧画面1040の印刷ジョブ情報のリスト1041から印刷指示を行いたい印刷ジョブ情報を選択して印刷ボタンを押下することにより印刷ジョブ出力処理を画像形成装置13に要求できる。
図18は本実施形態に係る印刷ジョブ出力処理の一例のフローチャートである。画像形成装置13のジョブ選択受付部45はステップS70において、図17の印刷ジョブ情報一覧画面1040の印刷ジョブ情報のリスト1041からユーザによる印刷ジョブ情報の選択を受け付ける。
ステップS71において、ジョブ選択受付部45は印刷ジョブ情報一覧画面1040の印刷ボタンをユーザに押下され、ステップS70で選択を受け付けた印刷ジョブ情報の印刷指示を受け付ける。ステップS72において、画像形成装置13の印刷抑制処理部46は後述のような印刷抑制処理を行い、必要に応じて印刷処理のキャンセル(中止)や印刷設定の更新を行う。
ステップS73において印刷抑制処理部46は印刷データ取得部47に対して、印刷指示のあった印刷ジョブ情報の印刷データ取得要求を行う。印刷データ取得部47は印刷指示のあった印刷ジョブ情報と、印刷ジョブ情報に設定されているサーバIDのサーバ情報とを利用し、印刷データがクライアント端末14に蓄積されているか判定する。例えば印刷データ取得部47はサーバ情報のサーバ種別から印刷データがプリントサーバ装置10、クライアント端末14のどちらに蓄積されているかを判定する。
印刷データ取得部47は、印刷データがクライアント端末14に蓄積されていると判定すると、サーバ情報のホスト名から印刷データが蓄積されているクライアント端末14を検索する。そして、ステップS74において、印刷データ取得部47はステップS73で検索したクライアント端末14に対して印刷データ取得要求を送信する。
ステップS75において、クライアント端末14は画像形成装置13から印刷データ取得要求を受信する。ステップS76において、クライアント端末14のジョブ蓄積プラグイン72は、実プリンタドライバ63に中間形式の印刷データの変換を依頼する。
ステップS77において、実プリンタドライバ63は中間形式の印刷データを実形式の印刷データに変換する。実プリンタドライバ63は例えば図9の設定画面1000において設定されたものを利用できる。ステップS78において、ジョブ蓄積プラグイン72は実形式の印刷データを印刷データ取得要求元である画像形成装置13に送信する。
一方、ステップS73において、印刷データがプリントサーバ装置10に蓄積されていると判定すると、画像形成装置13の印刷データ取得部47はプリントサーバ装置10に印刷データ取得要求を送信する。
ステップS79において、プリントサーバ装置10は画像形成装置13から印刷データ取得要求を受信する。ステップS80において、プリントサーバ装置10の印刷データ提供部24は、画像形成装置13から要求された実形式の印刷データを印刷データ保持部27から取得する。ステップS81において、印刷データ提供部24は実形式の印刷データを印刷データ取得要求元である画像形成装置13に送信する。
ステップS82において、画像形成装置13はプリントサーバ装置10又はクライアント端末14から実形式の印刷データを受信する。ステップS83において、画像形成装置13の印刷処理部49は受信した実形式の印刷データの印刷を実行する。ステップS84において、印刷処理部49は印刷を完了する。
ステップS85において、印刷処理部49は実形式の印刷データの印刷結果の送信処理を開始する。印刷処理部49はステップS73と同様な手順により、実形式の印刷データをプリントサーバ装置10、クライアント端末14のどちらから受信したかを判定する。
印刷データをクライアント端末14から受信したとステップS85で判定した場合、印刷処理部49はステップS86において印刷データの印刷結果をクライアント端末14に送信する。ステップS87においてクライアント端末14は印刷データの印刷結果を受信する。
クライアント端末14のジョブ蓄積プラグイン72はステップS88において、印刷結果に基づき、印刷データの削除等を行ったあと、印刷データの印刷結果をプリントサーバ装置10に送信する。
一方、ステップS85において、印刷データをプリントサーバ装置10から受信したと判定した場合、印刷処理部49は印刷データの印刷結果をプリントサーバ装置10に送信する。ステップS89において、プリントサーバ装置10は印刷データの印刷結果を受信する。ステップS90において、プリントサーバ装置10のジョブ登録処理部22は受信した印刷データの印刷結果に基づき、印刷データの削除や印刷ジョブ情報の更新処理等を行う。
図18のフローチャートに示したように、本実施形態の印刷システム1の画像形成装置13はプリントサーバ装置10又はクライアント端末14に蓄積されている印刷データを共通の手順により取得して印刷できる。また、クライアント端末14に印刷データが蓄積されている場合、画像形成装置13はサーバ情報に設定されているホスト名からクライアント端末14を検索するため、IPアドレスなどのように動的に変化する情報で検索する場合に生じる問題が解消される。
なお、ステップS71において、印刷ジョブ情報の印刷指示を受け付けたあと、画像形成装置13のデータ表示処理部42は例えば図19に示すような印刷中画面1050を操作パネル202に表示する。
図19は印刷中画面の一例のイメージ図である。図19の印刷中画面1050は印刷中の印刷データの文書名や蓄積処理を行った日時、ページ数が含まれるため、ユーザに印刷中の印刷ジョブの内容を確認させることができる。
《印刷抑制処理》
本実施形態の印刷システム1では、図18のステップS72において、例えば図20に示すような印刷抑制処理を行う。図20は印刷抑制処理の一例のフローチャートである。
ステップS101において、画像形成装置13の印刷抑制処理部46はステップS71で印刷指示を行ったユーザがグループ登録されているか否かを判定する。なお、ユーザがグループ登録されているか否かの判定は、ユーザ名等のユーザ特定情報とグループIDとが対応付けられているか否かにより判定できる。例えばユーザ名等のユーザ特定情報とグループIDとが対応付けられているか否かの情報は、図15に示したログイン処理時に認証サーバ装置12から受信するようにしてもよいし、印刷抑制情報保持部50に保持しておいてもよい。また、ユーザ名等のユーザ特定情報とグループIDとが対応付けられているか否かの情報は、例えば図21に示すようなグループ登録ユーザテーブルに表すようにしてもよい。
図21はグループ登録ユーザテーブルの一例の構成図である。図21に示したグループ登録ユーザテーブルはユーザ名と、グループIDと、グループ名とを対応付けて保持することによりユーザとグループとの対応関係を表している。
印刷指示を行ったユーザがグループ登録されていなければ、印刷抑制処理の対象とならないため、印刷抑制処理部46は図20のフローチャートの処理を終了し、図18に示したステップS73の処理に進む。
一方、印刷指示を行ったユーザがグループ登録されていれば、印刷抑制処理部46はステップS102に進み、印刷指示を行ったユーザの保有コストを取得する。ユーザの保有コストは例えば印刷抑制情報保持部50に保持しておく。なお、保有コストはユーザ毎に設定されており、そのユーザが印刷を実行することにより発生したコストを加算したものである。また、ユーザの保有コストは、例えば、認証サーバ装置に保持され、図15に示したログイン処理時に認証サーバ装置12から取得し、印刷抑制情報保持部50に保持しておいてもよい。
ステップS103において、印刷抑制処理部46は印刷抑制情報保持部50が保持している各種テーブルを用いてルール適用確認処理を行う。ルール確認処理の詳細な内容については、後述する。ここでは、印刷抑制処理部46が、ルール確認処理の結果、適用する印刷ルールと、印刷コストレートとを確認できたものとして説明を進める。
ステップS104に進み、印刷抑制処理部46は、ステップS103で特定された印刷コストレートテーブル及び印刷ルールテーブルを用いて、ステップS70で選択を受け付けた印刷ジョブの印刷に必要なコストの算出を行う。
印刷抑制処理部46は取得した印刷ジョブ情報の色情報、ページ数、面設定、部数、用紙サイズ等から用紙数、面数を計算する。なお、ステップS103において、印刷ルールが適用された場合、印刷抑制処理部46は取得した印刷ジョブ情報にルール内容が反映されるとみなして用紙数、面数を計算する。そして、印刷抑制処理部46は必要に応じてルール内容が反映された印刷ジョブ情報と、計算した用紙数及び面数と、ユーザのグループに対応する印刷コストレートテーブルと、を用いて印刷を実行した際に発生する概算コストを算出する。
ステップS105において、印刷抑制処理部46は算出した概算コストをユーザの保有コストに加算し、印刷後のコストを算出する。そして、ステップS106に進み、印刷抑制処理部46は図22又は図23のような画面表示を行う。図22は印刷抑制処理の結果を表示する画面の一例のイメージ図である。図23は印刷抑制処理の結果を表示する画面の他の例のイメージ図である。
図22の画面1100は強制モノクロ印刷及び強制両面印刷のルールが適用される例を示したものである。図22の画面1100は、選択した印刷ジョブの印刷を実行した際に発生するコスト「選択ジョブのコスト:5$」と、ユーザの保有コスト「現在の使用量80%(80$/100$)」とが表示されている。
また、図22の画面1100は、印刷後のコスト「印刷後の使用量85%(85$/100$)」と、適用されたルール内容「適用ルール:強制モノクロ、強制両面」とが表示されている。また、図22の画面1100は印刷指示を行う印刷ボタン1101とキャンセル指示を行うキャンセルボタン1102とが表示されている。
ステップS107において印刷ボタン1101が選択されると印刷抑制処理部46は図20のフローチャートの処理を終了し、図18のステップS73の処理に進む。ステップS107においてキャンセルボタン1102が選択されると、ステップS108において印刷抑制処理部46は印刷処理をキャンセルする。
図23の画面1110は印刷抑制のルールが適用される例を示したものである。図23の画面1110は、選択した印刷ジョブの印刷を実行するとコストが超過することを表すメッセージ「コスト超過のため印刷できません。」が表示されている。
また、図23の画面1110はユーザの保有コスト「現在の使用量98%(98$/100$)」と、印刷後のコスト「印刷後の使用量103%(103$/100$)」と、適用されたルール内容「適用ルール:印刷抑制、強制モノクロ、強制両面」とが表示されている。また、図23の画面1110はOKボタン1111が表示されている。ステップS107においてOKボタン1111が選択されると印刷抑制処理部46はステップS108において印刷処理をキャンセルする。
なお、図22及び図23では各種コストを印刷コストレートテーブルの通貨単位を元に表示している。通貨単位は例えば米ドルやユーロ、円などである。このような通貨単位を元に各種コストを表示することで、同一の印刷システム1が海外にある場合であっても、本実施形態によれば、ユーザ自身が認識している通貨単位で各種コストを表示できる。このためユーザは印刷コストの妥当性の把握が容易となる。
《適用ルール確認処理》
ここでは、ステップS103のルール確認処理について、図24を参照して説明する。図24は、本実施形態に係るルール確認処理の一例のフローチャートである。
ステップS151において、画像形成装置13の印刷抑制処理部46は、操作受付部41から、ステップS71の印刷指示を受け付けた日時を取得する。
ステップS152において、印刷抑制処理部46は、グループ情報テーブルを参照し、ユーザの属するグループに設定されている曜日・日時ルールIDを特定する。次に、印刷抑制処理部46は、特定した曜日・日時ルールIDを基に、印刷指示を受け付けた日時に適用する曜日・日時ルールが存在するか否かを判断する。
例えば、印刷指示を受け付けた日時が、月曜日の15:00と特定された場合について説明する。ここで、ユーザの属するグループIDは「100」であり、グループ情報テーブルには、図9に示すパラメータが設定され、曜日・日時情報テーブルには、図10に示すパラメータが設定されているものとする。
この場合、印刷抑制処理部46は、グループ情報テーブルを参照し、グループに適用する曜日・日時ルールIDが「2」に設定されていることを特定する。次に、印刷抑制処理部46は、曜日・日時ルールIDが「2」の曜日・日時情報テーブルを参照し、曜日・日時ルールの適用期間が、全ての曜日の9:00〜18:00であることを特定する。操作受付部41が印刷指示を受け付けた日時は月曜日の15:00であるため、印刷抑制処理部46は、曜日・日時ルールID「2」が適用されると判断する。つまり、印刷抑制処理部46は、印刷指示を受け付けた日時に適用する曜日・日時ルールが存在すると判断する。
適用する曜日・日時ルールが存在する場合(ステップS152 Yes)、ステップS153に進む。一方、適用する曜日・日時ルールが存在しない場合(ステップS152 No)、ステップS156に進む。
ステップS153において、印刷抑制処理部46は、印刷ジョブ情報テーブルを参照し、印刷指示を受け付けた文書に係る印刷ジョブ情報を、特定する。ここで、印刷ジョブ情報テーブルには、図8に示すパラメータが設定されている。印刷抑制処理部46は、印刷ジョブに設定されているサーバIDを特定する。
ステップS154において、印刷抑制処理部46は、ステップS152で特定した曜日・日時情報テーブルを参照し、曜日・日時情報テーブルに設定されているルール適用サーバIDを取得する。次に、印刷抑制処理部46は、ステップS153で取得した印刷ジョブに設定されているサーバIDと、曜日・日時情報テーブルに設定されているルール適用サーバIDとが一致するか否か判断する。
サーバIDが一致する場合(ステップS154 Yes)、ステップS155に進む。一方、サーバIDが一致しない場合(ステップS154 No)、ステップS156に進む。
ステップS154のサーバIDの一致を確認する処理を設けることにより、グループに対応付けられたサーバを所定の曜日・日時に動作させた場合のコストを設定することが可能である。例えば、休日・夜間も含めて動作させることにより維持コストが高額なサーバについては、通常の2倍等の高いコストを設定し、平日の9:00〜18:00の間に動作させるサーバについては、通常の半分等の低いコストを設定してもよい。また、冗長化等の構成が必要なサーバについては高いコストを設定し、クライアント端末をサーバとして動作させる場合については、低いコストを設定してもよい。
ここで、曜日・日時情報テーブルにおいて、開始時間及び終了時間の値が設定され、曜日を月曜日〜日曜日までの全ての曜日を設定された場合、印刷抑制処理部46は、全ての曜日において設定された開始時間から終了時間までの間、曜日・日時情報テーブルから特定される印刷ルール、及び印刷コストレートを適用する。また、曜日・日時情報テーブルにおいて、開始時間及び終了時間の値が設定されず、曜日のみ設定されている場合、印刷抑制処理部46は、設定されている曜日において終日、曜日・日時情報テーブルから特定される印刷ルール、及び印刷コストレートを適用する。
ステップS155において、印刷抑制処理部46は、曜日・日時情報テーブルを参照し、曜日・日時情報テーブルに設定されている印刷ルールID及び印刷コストIDを特定する。印刷抑制処理部46は、特定された印刷ルールIDに対応する印刷ルールテーブルを適用することを確認する。印刷抑制処理部46は、特定された印刷コストIDに対応する印刷コストテーブルを適用することを確認する。
ステップS156において、印刷抑制処理部46は、印刷抑制情報保持部50に記憶されている、デフォルトの印刷コスト及び印刷ルールを適用する。
<まとめ>
本実施形態に係る印刷システム1は、ユーザのグループに対応付けられた印刷ルール及び印刷コストレートにより柔軟なコスト管理及び出力抑制を行うことができる。また、本実施形態に係る印刷システム1は、印刷抑制処理部46が、曜日・日時情報テーブルを参照して印刷抑制処理を行うため、曜日・日時に応じて、柔軟に印刷コスト及び印刷ルールを適用することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。第1の実施形態では、印刷抑制処理部46が、曜日・日時に対応付けられている印刷ルール及び印刷コストを用いて、印刷抑制処理を実行することを特徴としていた。本実施形態では、第1の実施形態の特徴に加えて、画像形成装置13の設置場所、及びユーザの属するグループに対応付けられている場所に応じたコストルールが適用されるという特徴を有する。
《適用ルール確認処理》
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、図20に示す印刷抑制処理が実行される。図20のステップS103のルール確認処理において、本実施形態では、第1の実施形態と異なる処理が実行される。本実施形態に係る、ルール確認処理について図25を参照して説明する。図25は、本実施形態に係るルール確認処理の一例のフローチャートである。
ステップS201乃至ステップS204は、ステップS151乃至ステップS154と同じであるため説明を省略する。
ステップS205において、印刷抑制処理部46は、曜日・日時情報テーブルを参照し、曜日・日時情報テーブルに設定されている印刷ルールID、及び印刷コストIDを特定する。印刷抑制処理部46は、特定された印刷ルールIDに対応する印刷ルールテーブルを適用することを確認する。また、本実施形態では、印刷コストIDに、「画像形成装置13の設置場所に応じた印刷コストルール」を適用する旨が設定されているものとする。
ステップS206において、印刷抑制処理部46は、印刷抑制情報保持部50に記憶されている、デフォルトの印刷ルールを適用する。
ステップS207において、印刷抑制処理部46は、画像形成装置13の設置場所に応じた印刷コストルールを特定する処理を実行する。本実施形態の印刷コストの特定処理については、後述する。
ステップS207の処理が完了すると、図20のステップS104以降の処理が実行される。
《印刷コストルールの特定処理》
次に、ステップS207の画像形成装置13の設置場所に応じた印刷コストルールを特定する処理について、図26を用いて説明する。
ステップS250において、印刷抑制処理部46は、機器テーブルを参照し、画像形成装置13の設置場所を特定する。機器テーブルは、機器の設置場所を管理するためのテーブルである。図27に本実施形態に係る機器テーブルの一例を示す。
機器テーブルには、機器ID、機器識別情報、及び機器設置場所が設定される。機器IDは画像形成装置13を一意に特定するための識別子である。機器識別情報は、画像形成装置13の装置を一意に特定するための識別子である。例えば、画像形成装置13の製造番号が設定される。機器設置場所は、機器の設置されている場所を特定するための情報が設定される。
印刷抑制情報保持部50に記憶される機器テーブルには、画像形成装置13自身に関する情報のみが設定されてもよい。
ステップS251において、印刷抑制処理部46は、ロケーションコスト対応テーブルを参照して、機器の設置場所に対応する印刷コストIDを特定する。図28に本実施形態に係るロケーションコスト対応テーブルの一例を示す。ロケーションコスト対応テーブルは、機器の設置場所(ロケーション)と対応する印刷コストIDとの対応関係を管理するテーブルである。図28にロケーションコスト対応テーブルの一例を示す。例えば、画像形成装置13の設置場所がJP(日本)の場合、印刷コストID「1」が適用され、画像形成装置13の設置場所がUS(米国)の場合、印刷コストID「2」が適用される。
ステップS252において、印刷抑制処理部46は、ステップS251で特定された印刷コストIDを用いて、適用する印刷コストを特定する。具体的には、印刷抑制処理部46は、印刷コストレートテーブルを参照して、各印刷処理に適用するコストを特定する。図29は、本実施形態に係る印刷コストレートテーブルの一例を示す図である。印刷コストレートテーブルには、印刷コストID毎に印刷レートと、適用する通貨単位とが記憶されている。
次に、ステップS253において、印刷抑制処理部46は、グループロケーション対応テーブルを参照し、ユーザの属するグループのグループロケーションを特定する。図30に、本実施形態に係るグループロケーション対応テーブルの一例を示す。グループロケーション対応テーブルでは、グループを一意に特定するグループID、グループの名称であるグループ名、及びグループに対応付けられている場所であるグループロケーションが記憶される。なお、印刷抑制情報保持部50に記憶されるグループロケーションテーブルには、ログインしたユーザの属するグループに関する情報のみが記憶されてもよい。
ステップS254において、印刷抑制処理部46は、機器設置場所のロケーションと、グループロケーションとが一致するか否かを判断する。ロケーションが一致する場合(ステップS254 Yes)、処理を終了する。一方、ロケーションが一致しない場合(ステップS254 No)、ステップS255に進む。
ステップS255において、印刷抑制処理部46は、ロケーションコスト対応テーブルを参照し、グループロケーションに対応する印刷コストIDを特定する。
ステップS256において、印刷抑制処理部46は、印刷コストレートテーブルを参照し、機器設置場所から特定される通貨単位(第1の通貨単位)と、グループロケーションから特定される通貨単位(第2の通貨単位)とを取得する。
ステップS257において、印刷抑制処理部46は、取得した第1の通貨単位と第2の通貨単位とが一致するか否かを判断する。第1の通貨単位と第2の通貨単位とが一致する場合(ステップS257 Yes)、処理を終了する。一方、第1の通貨単位と第2の通貨単位とが一致しない場合(ステップS257 No)、ステップS258に進む。
ステップS258で、印刷抑制処理部46は、通貨換算テーブルを参照し、第1の通貨単位と第2の通貨単位のレートを取得する。図31に、本実施形態に係る通貨換算テーブルの一例を示す。通貨換算テーブルには、通貨の単位である通貨、ロケーション、及び換算レートが対応付けられて記憶される。図31の例では、USドルを基準の通貨、つまり換算レートを1としている。
ステップS259で、印刷抑制処理部46は、第1の通貨単位の換算レートと、第2の通貨単位の換算レートとに基づいて、第1の通貨単位から第2の通貨単位への換算を行う。例えば、第1の通貨単位がUSドルで換算レートが1であり、第2の通貨単位が日本円で換算レートが120円である場合、印刷抑制処理部46は、1ドルを120円と換算する。
なお、画像形成装置13は、第2の実施形態で用いられる各種テーブルを、認証サーバ装置12から取得してもよいし、予め印刷抑制情報保持部50に保持させてもよい。また、ユーザやユーザのグループに関するテーブルについては、ユーザからログイン処理を受け付けたときに、画像形成装置13は、認証サーバ装置12から取得してもよい。
《印刷コストの算出処理》
本実施形態に係る印刷コストの算出処理について、図20を参照して説明する。ステップS104において、印刷抑制処理部46は、ステップS103で特定された印刷コストレートと、印刷ルールとを用いて、ステップS70で選択された印刷ジョブの印刷に必要な印刷コストを算出する。ステップS103のルール適用確認の処理において、画像形成装置13の設置場所に対応する通貨単位(第1の通貨単位)と、グループロケーションに対応する通貨単位(第2の通貨単位)とが異なる場合、印刷抑制処理部46は、第1の通貨単位によるコストを算出し、その後、第1の通貨単位によるコストを第2の通貨単位によるコストに換算する処理を行う。
ステップS105において、印刷抑制処理部46は算出した概算コストをユーザの保有コストに加算し、印刷後のコストを算出する。第1の通貨単位と第2の通貨単位とが異なる場合、ステップS104と同様に、印刷抑制処理部46は、第1の通貨単位及び第2の通貨単位での印刷後のコストを算出する。
ステップS106において、第1の通貨単位と第2の通貨単位とが同じ場合、印刷抑制処理部46は、第1の実施形態と同様に、図22又は図23のような画面表示を行う。一方、第1の通貨単位と第2の通貨単位とが異なる場合、図32又は図33のような画面表示を行う。
図22及び図32は印刷抑制処理の結果を表示する画面の一例のイメージ図である。図23及び図32は印刷抑制処理の結果を表示する画面の他の例のイメージ図である。
図22の画面1100は強制モノクロ印刷及び強制両面印刷のルールが適用される例を示したものである。図22の画面1100は、選択した印刷ジョブの印刷を実行した際に発生するコスト「選択ジョブのコスト:5$」と、ユーザの保有コスト「現在の使用量80%(80$/100$)」とが表示されている。
また、図22の画面1100は、印刷後のコスト「印刷後の使用量85%(85$/100$)」と、適用されたルール内容「適用ルール:強制モノクロ、強制両面」とが表示されている。また、図22の画面1100は印刷指示を行う印刷ボタン1101とキャンセル指示を行うキャンセルボタン1102とが表示されている。
図32では、図22と同様の内容が、第1の通貨単位で画面に表示されることに加えて、第2の通貨単位でも同様の内容が画面に表示される。図32の場合、第1の通貨単位であるUSドルに加えて、第2の通貨単位である日本円で印刷コストが表示される。
ステップS107において、印刷ボタン(1101又は1201)が選択されると、印刷抑制処理部46は、図20のフローチャートの処理を終了し、図18のステップS73の処理に進む。ステップS107において、キャンセルボタン(1102又は1202)が選択されると、ステップS108において、印刷抑制処理部46は印刷処理をキャンセルする。
図23の画面1110及び図33の画面1210は、印刷抑制のルールが適用される例を示したものである。図23の画面1110は、選択した印刷ジョブの印刷を実行するとコストが超過することを表すメッセージ「コスト超過のため印刷できません。」が表示されている。
また、図23の画面1110はユーザの保有コスト「現在の使用量98%(98$/100$)」と、印刷後のコスト「印刷後の使用量103%(103$/100$)」と、適用されたルール内容「適用ルール:印刷抑制、強制モノクロ、強制両面」とが表示されている。また、図23の画面1110はOKボタン1111が表示されている。
図33では、図23と同様の内容が、第1の通貨単位で画面に表示されることに加えて、第2の通貨単位でも同様の内容が画面に表示される。図33の場合、第1の通貨単位であるUSドルに加えて、第2の通貨単位である日本円で印刷コストが表示される。
ステップS107においてOKボタン(1111又は1211)が選択されると印刷抑制処理部46はステップS108において印刷処理をキャンセルする。
<まとめ>
上述した処理を画像形成装置13が実行することにより、第1の実施形態と同様に、印刷を実行するときに、適用する印刷ルール及び印刷コストが、ユーザに確認される。また、本実施形態で適用される印刷コストルールは、画像形成装置13の設置場所に応じて、設定される。このため、画像形成装置の設置場所のコストに応じて設定可能である。例えば、画像形成装置の設置場所を物価の高い先進国に設置した場合のコストと、物価の低い途上国に設置した場合のコストとで、異なるコストを設定することが可能である。
また、画像形成装置13の設置場所で適用されている通貨単位と、ユーザの属するグループのロケーションにおいて適用されている通貨単位とが異なる場合には、両方の通貨単位でコストが表示される。このため、ユーザに、設置場所に対応する通貨単位でコストを認識させることに加えて、ユーザ自身が通常使用している通貨単位でコストを認識させることが可能となる。
なお、上述した実施形態では、曜日・日時情報テーブルに基づいて、適用する印刷ルールが特定された後に、機器のロケーションに応じて適用する印刷コストが特定されていたが、機器のロケーションに応じて適用する印刷コストを特定する処理のみが実行されてもよい。
[その他]
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
なお、本発明の適用範囲は印刷用途に限らず、上述した印刷システム1は、出力システムの一例である。よって本発明の適用範囲は印刷データや印刷ジョブ情報を取り扱う出力システムに限らない。クライアント端末14は、出力データの出力要求や出力処理の指示においてユーザが使用する装置である端末装置の一例である。また、本実施形態では印刷抑制処理を画像形成装置13で行っているがプリントサーバ装置10で行ってもよい。
画像形成装置13は出力データの出力制御を行う情報処理装置の一例である。プリントサーバ装置10も出力データの出力制御を行う情報処理装置の一例である。ジョブ選択受付部45は選択受付手段の一例である。印刷抑制処理部46は、取得手段、算出手段、コスト表示手段、及び設置場所特定手段の一例である。印刷処理部49は出力処理手段の一例である。プリントサーバ装置10又はクライアント端末14は出力データ蓄積サーバの一例である。グループテーブル、曜日・日時情報テーブル、印刷ルールテーブル、及び印刷コストレートテーブルは、算出情報の一例である。