JP2017166679A - 摩擦係合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦係合部材に摩耗が生じても、応答性が低下しにくい摩擦係合装置を提供する。【解決手段】摩擦係合装置1は、リターンスプリング21とスラストベアリング18とを備える。スラストベアリング18は、軸線方向に移動自在であり、ピストン17とエンドプレート15aとの間に配置され、ピストン17からの押圧力をエンドプレート15aに加える。リターンスプリング21は、スラストベアリング18とピストン17との間に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、摩擦係合によって入力部材の回転を出力部材に伝達する摩擦係合装置に関する。
従来、変速機に用いられる多板式クラッチのように、入力部材と、入力部材と一体的に回転する第1プレートと、その第1プレートに摩擦係合する第2プレートと、第2プレートと一体的に回転する出力部材とを備え、第1プレートと第2プレートとを摩擦係合させることによって、入力部材の回転を出力部材に伝達する摩擦係合装置が知られている。
この種の摩擦係合装置としては、軸線方向に移動自在なピストンからの押圧力によって、プレート同士を当接させて摩擦係合させる構成のものがある。そのようなピストンとしては、摩擦係合装置の筐体とピストンとの間に配置されたリターンスプリングと、筐体とピストンとの間に構成された油室に供給される油圧とによって、位置を変更されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−190526号公報
ところで、摩擦係合部材であるプレートは、摩擦によって係合するものである。そのため、ある程度の期間使用し続けると、相互に接触する面で摩耗が生じ、軸線方向における厚さが僅かずつ薄くなっていく。
そのようにして、プレートの軸線方向の厚さが薄くなってしまうと、特許文献1に記載の摩擦係合装置のように、ピストンを所定の位置に復帰させるためのリターンスプリングを筐体に対して固定する構成の場合には、ピストンからプレートに押圧力が加えられるまでに必要なピストンのストロークが増加してしまう。その結果、摩擦係合装置の応答性が低下してしまうという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、摩擦係合部材に摩耗が生じても、応答性が低下しにくい摩擦係合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の摩擦係合装置は、駆動源からの駆動力が伝達され回転する入力部材(I)と、前記入力部材(I)と一体的に回転する第1摩擦係合部材(15)と、前記第1摩擦係合部材(15)と軸線方向で重なるように配置されている第2摩擦係合部材(16)と、前記第2摩擦係合部材と一体的に回転し、回転を出力する出力部材(O)と、軸線方向に移動自在であり、前記第1摩擦係合部材(15)及び前記第2摩擦係合部材(16)の一方に対して他方に近づく方向の押圧力を加えるピストン(17)と、前記ピストン(17)を軸線方向一方側に付勢する付勢部材(21)と、前記ピストン(17)が内部に配置された筐体(10)とを備え、前記ピストン(17)と前記筐体(10)との間に油室(20)が形成され、前記ピストン(17)は、前記油室(20)に供給された油圧に応じて軸線方向他方側に押圧される摩擦係合装置(1)であって、軸線方向に移動自在であり、前記ピストン(17)と前記第1摩擦係合部材(15)及び前記第2摩擦係合部材(16)との間に配置され、前記ピストン(17)からの前記押圧力を前記第1摩擦係合部材(15)及び前記第2摩擦係合部材(16)の一方に加えるスラストベアリング(18)を備え、前記付勢部材(21)は、前記スラストベアリング(18)と前記ピストン(17)との間に配置されていることを特徴とする。
このように、本発明の摩擦係合装置では、付勢部材は、ピストンとスラストベアリングとの間に配置されているので、油室に供給されている油圧が付勢部材の付勢力よりも十分に小さい状態(すなわち、ピストンからの押圧力が摩擦係合部材に伝達されていない状態)では、ピストンとスラストベアリングとの間の距離は、摩擦係合部材の摩耗の状態に関わらず、付勢部材の自然長に応じた距離で維持される。
また、通常の状態では油室には作動油が満たされているので、ピストン、付勢部材及びスラストベアリングには、全体として摩擦係合部材側に近づく方向の力が加わる。これにより、油室に供給されている油圧が付勢部材の付勢力よりも十分に小さい状態であっても、スラストベアリングは、摩擦係合部材の摩耗の状態に関わらず、摩擦係合部材にほぼ接触している状態が維持される。
そのため、本発明の摩擦係合装置では、摩擦係合部材の摩耗の状態に関わらず、ピストンから摩擦係合部材に押圧力が加えられるまでに必要なピストンのストロークが、一定の距離に維持される。したがって、本発明の摩擦係合装置によれば、摩擦係合部材に摩耗が生じていても、応答性が低下しにくい。
また、本発明の摩擦係合装置においては、前記付勢部材(21)の一端は、前記ピストン(17)に固定され、前記付勢部材(21)の他端は、前記スラストベアリング(18)に固定されていることが好ましい。
このように構成すれば、ピストンとスラストベアリングとの距離が付勢部材の自然長よりも離れてしまうことを防止できるので、応答性の低下をさらに防止しやすくなる。
実施形態に係る摩擦係合装置の構成を示す断面図。 図1の摩擦係合装置の摩耗が生じていない場合における要部を拡大して示す断面図であり、図2Aは非係合状態を示し、図2Bは係合状態を示す。 図1の摩擦係合装置の摩耗が生じた場合における要部を拡大して示す断面図であり、図3Aは非係合状態を示し、図3Bは係合状態を示す。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る摩擦係合装置について説明する。本実施形態は、摩擦係合装置を車両等の駆動力伝達装置として用いた実施形態である。しかし、本発明の摩擦係合装置は、船舶等、他の乗り物や無人機の駆動力伝達装置の他、他の機構にも搭載し得るものである。
まず、図1及び図2を参照して、いわゆる湿式多板式のクラッチである摩擦係合装置1の構成について説明する。
図1に示すように、摩擦係合装置1は、筒形の装置として構成されている。摩擦係合装置1の開口部の一端側(図1では右側)からは、車両の駆動源からの駆動力が伝達される入力軸I(入力部材)が挿入されている。一方、他端側(図1では左側)からは、摩擦係合装置1を介して伝達された駆動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸O(出力部材)が挿入されている。
筒形の摩擦係合装置1は、外周面及び端面を構成するケース10(筐体)と、ケース10の内部に配置され、内周面の一部を構成し、入力軸Iと結合する第1クラッチハブ11と、ケース10の内部で第1クラッチハブ11と同軸に配置され、内周面の他の一部を構成し、出力軸Oと結合する第2クラッチハブ12とを備えている。
ケース10は、筒状の外周側壁部10aと、外周側壁部10aの他端側に設けられ、中央に開口部の設けられた端面部10bと、端面部10bの開口部から軸線方向一方側に延びる筒状の内周側壁部10cとを有している。
第1クラッチハブ11は、摩擦係合装置1の内周面の一部を構成する筒状の第1ボス部11aと、第1ボス部11aから径方向外方側(ケース10の外周面側)に向かって延びる環状の第1環状部11bと、第1環状部11bの第1ボス部11a側とは反対側の端部から軸線方向他端側に延びる第1ガイド部11cとを有している。
第2クラッチハブ12は、摩擦係合装置1の内周面の他の一部を構成する筒状の第2ボス部12aと、第2ボス部12aから径方向外方側に向かって延びる環状の第2環状部12bと、第2環状部12bの第2ボス部12a側とは反対側の端部から軸線方向一方側に延びる第2ガイド部12cとを有している。
第1クラッチハブ11の第1ボス部11aは、筒状の小径部11a1と、小径部11a1と同軸であり、小径部11a1よりも大径の筒状の大径部11a2とで構成されている。
筒状の小径部11a1には、一端側から入力軸Iの先端部が挿入されている。第1クラッチハブ11と入力軸Iとは、入力軸Iの先端部と小径部11a1の内周面の一部とにおいて、スプライン結合されている。
筒状の大径部11a2には、他端側から第2クラッチハブ12の第2ボス部12aが挿入されている。第1クラッチハブ11の大径部11a2の内周面と第2クラッチハブ12の第2ボス部12aの外周面の一端側の部分との間には、第1ボールベアリング13が配置されている。そのため、第1クラッチハブ11は、第2クラッチハブ12(すなわち、出力軸O)に対して、入力軸Iと一体的に相対回転可能となっている。
第2クラッチハブ12の第2ボス部12aは、筒状に構成されており、他端側から出力軸Oの先端部が挿入されている。第2クラッチハブ12と出力軸Oとは、出力軸Oの先端部と第2ボス部12aの内周面の一部とにおいて、スプライン結合されている。
第2クラッチハブ12の第2ボス部12aの外周面の他端側の部分とケース10の内周側壁部10cの内周面との間には、ボールベアリング14が配置されている。そのため、第2クラッチハブ12は、ケース10に対して、出力軸Oと一体的に回転可能となっている。
第1クラッチハブ11の第1ガイド部11cは、筒状に構成されている。第1ガイド部11cの内周面側には、軸線方向に延びる複数の第1溝部11c1が形成されている。第1ガイド部11cの内周面側には、環状のアウタープレート15(第1摩擦係合部材)が、複数配置されている。アウタープレート15の最も他端側のプレートは、後述するスラストベアリング18と当接するエンドプレート15aとなっている。
アウタープレート15の外周側には、第1溝部11c1に対応するようにして、複数の爪部が形成されている。そのため、各々のアウタープレート15は、第1ガイド部11cの内周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、アウタープレート15は、周方向においては、第1ガイド部11c(すなわち、第1クラッチハブ11及び入力軸I)と一体的に回転する。
第2クラッチハブ12の第2ガイド部12cは、筒状に構成されており、第1クラッチハブ11の第1ガイド部11c及び第1ガイド部11cの内周側に配置されているアウタープレート15よりも内周側に配置されている。第2ガイド部12cの外周面側には、軸線方向に延びる複数の第2溝部12c1が形成されている。第2ガイド部12cの外周面側には、環状のインナープレート16(第2摩擦係合部材)が、複数配置されている。
インナープレート16の内周側には、第2溝部12c1に対応するようにして、複数の爪部が形成されている。そのため、各々のインナープレート16は、第2ガイド部12cの外周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、インナープレート16は、周方向においては、第2ガイド部12c(すなわち、第2クラッチハブ12及び出力軸O)と一体的に回転する。
複数のアウタープレート15と複数のインナープレート16とは、軸線方向において交互に重なるようにして配置されている。アウタープレート15とインナープレート16とは、ピストン17によって軸線方向一方側に向かって押圧された際に、相互に摩擦係合する。摩擦係合している状態では、アウタープレート15とインナープレート16とが一体的に回転するので、入力軸Iの回転が、第1クラッチハブ11、アウタープレート15、インナープレート16及び第2クラッチハブ12を介して、出力軸Oに伝達される。
なお、摩擦係合装置1では、最も他端側のインナープレート16よりも、最も他端側のアウタープレート15(エンドプレート15a)を、ピストン17側に配置している。しかし、最も他端側のアウタープレート15よりも、最も他端側のインナープレート16を、ピストン17側に配置してもよい。その場合には、スラストベアリング18に当接する最も他端側のインナープレート16をエンドプレートとして構成すればよい。
また、摩擦係合装置1は、ケース10の内部のアウタープレート15及びインナープレート16の他端側に配置された環状のピストン17と、ピストン17とアウタープレート15及びインナープレート16との間に配置されたスラストベアリング18とを備えている。
ピストン17の外周面は、ケース10の外周側壁部10aの内周面と摺動可能となっている。一方、ピストン17の内周面は、ケース10の内周側壁部10cの外周面と摺動可能となっている。ピストン17の外周面及び内周面に設けられた溝17aには、ピストン17と外周側壁部10aとの間、又は、ピストン17と内周側壁部10cとの間を液密に封止するO−リング19が配置されている。これにより、ピストン17とケース10との間に、油室20が形成されている。
油室20には、オイルポンプや複数のバルブ等で構成された油圧制御回路HCから、油路を介して、作動油が供給される。油圧制御回路HCから供給される作動油の油圧は、油圧センサHSによって検出される。ピストン17は、油室20の容積の増加に応じて、軸線方向一端側に移動する。
ピストン17の一端側の面には、突起17bが設けられている。突起17bは、ケース10の内周側壁部10cに設けられた突起受け部(不図示)に当接する。これにより、ピストン17の軸線周りの回転が抑制されている。
また、ピストン17の一端側の面のエンドプレート15aと対向する位置には、ベアリング支持部17cが設けられている。ベアリング支持部17cとエンドプレート15aとの間には、スラストベアリング18が軸線方向に移動自在な状態で配置されている。
スラストベアリング18は、環状の第1レース18aと、第1レース18aと対向するように配置された環状の第2レース18bと、第1レース18aと第2レース18bとの間に複数配置された円筒形のローラ18cと、ローラ18c同士の間隔を保持する保持器18dとで構成されている。
第1レース18aは、ローラ18c側とは反対側の面(他端側の面)で、ピストン17のベアリング支持部17cに当接する。また、第2レース18bは、ローラ18c側とは反対側の面(一端側の面)で、アウタープレート15の最も他端側に配置されているエンドプレート15aに当接する。
そのため、ピストン17が一端側に移動した際には、ピストン17からエンドプレート15aに対する押圧力は、スラストベアリング18を介して伝達される。
また、スラストベアリング18では、第1レース18aから径方向内方側に向かって、ベアリング側受け部18eが延設されている。ピストン17の一端側の面のベアリング支持部17cよりも径方向内方側の位置には、ベアリング側受け部18eに対向するようにして、ピストン側受け部17dが形成されている。ベアリング側受け部18eとピストン側受け部17dとの間には、リターンスプリング21(付勢部材)が配置されている。
ピストン17は、リターンスプリング21によって、油室20の容積を縮小させる方向(すなわち、軸線方向他端側)に向かって付勢されている。
そのため、ピストン17は、油室20に供給された油圧とリターンスプリング21の付勢力に応じて、軸線方向に移動する。
なお、摩擦係合装置1では、ピストン17を付勢する付勢部材としてコイルバネを用いている。しかし、付勢部材は、コイルバネに限定されるものではない。例えば、皿バネやウェーブスプリングの他、ゴム等を用いてもよい。
また、摩擦係合装置1では、ピストン17とスラストベアリング18との距離が、リターンスプリング21の自然長よりも離れてしまうことを防止するために、リターンスプリング21の一端側を、ベアリング側受け部18eに固定し、他端側を、ピストン側受け部17dに固定している。しかし、リターンスプリング21は、必ずしもベアリング側受け部18eやピストン側受け部17dに固定しなくてもよい。
次に、図2及び図3を参照して、アウタープレート15とインナープレート16との摩擦係合について説明する。
図2Aに示すように、油圧制御回路HCから油室20に十分な作動油が供給されていない状態(すなわち、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング21の付勢力よりも十分に小さい状態)では、ピストン17は、リターンスプリング21の付勢力と油室20に供給された油圧とが釣り合う位置に復帰する。
これにより、アウタープレート15及びインナープレート16には押圧力が加えられていない状態となるので、アウタープレート15とインナープレート16とが相互に離反した状態(非係合状態)となる。その結果、入力軸Iの回転は、第1クラッチハブ11及びアウタープレート15を介して、インナープレート16、第2クラッチハブ12及び出力軸Oに伝達されない。
一方、図2Bに示すように、油圧制御回路HCから油室20に十分な作動油が供給されている状態(すなわち、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング21の付勢力よりも十分に大きい状態)では、ピストン17は、リターンスプリング21の付勢力に抗して、一端側に移動する。
これにより、アウタープレート15及びインナープレート16には押圧力が加えられている状態となるので、アウタープレート15とインナープレート16とが相互に摩擦係合した状態(係合状態)となる。その結果、入力軸Iの回転は、第1クラッチハブ11及びアウタープレート15を介して、インナープレート16、第2クラッチハブ12及び出力軸Oに伝達される。
ところで、アウタープレート15とインナープレート16とは、摩擦によって係合するものである。そのため、ある程度の期間使用し続けると、相互に接触する面で摩耗が生じ、軸線方向における厚さが僅かずつ薄くなっていく。
そのようにして、アウタープレート15又はインナープレート16の軸線方向の厚さが薄くなってしまうと、従来の摩擦係合装置のように、ピストンを所定の位置に復帰させるリターンスプリング21をケース10に対して固定する構成の場合には、ピストン17からアウタープレート15及びインナープレート16に押圧力が加えられるまでに必要なピストン17のストロークが増加してしまう。その結果、従来の摩擦係合装置では、応答性が低下してしまうという問題があった。
そこで、摩擦係合装置1では、軸線方向に移動自在であり、ピストン17とアウタープレート15との間に配置され、ピストン17からの押圧力をアウタープレート15(具体的には、複数のアウタープレート15のうち最も他端側に配置されているエンドプレート15a)に加えるスラストベアリング18を備え、リターンスプリング21は、スラストベアリング18とピストン17との間に配置している。
そのため、図3Aに示すように、摩擦係合装置1では、アウタープレート15やインナープレート16の摩耗が生じていても、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング21の付勢力よりも十分に小さい状態(すなわち、非係合状態)では、ピストン17とスラストベアリング18との間の距離は、リターンスプリング21の自然長に応じた距離で維持される。
具体的には、摩耗が生じた状態(図3の状態)と摩耗が生じていない状態(図2の状態)とにおいて、ピストン17の他端側の面からケース10の端面部10bの一端側の面までの距離(図2Aにおけるx1及び図3Aにおけるx3)を比較すると、摩耗が生じた状態における距離(図3Aの距離x3)の方が、摩耗が生じていない状態における距離(図2Aのx1)よりも長くなっている。
しかし、ピストン17のベアリング支持部17cの一端側の面とスラストベアリング18の第1レース18aの他端側の面までの距離(図2Aにおけるx2及び図3Aにおけるx4)を比較すると、摩耗が生じた状態における距離(図3Aの距離x4)も摩耗が生じていない状態における距離(図2Aのx2)も、リターンスプリング21の自然長に応じた距離のまま維持されており、同じ距離となっている。
そのため、摩擦係合装置1では、アウタープレート15及びインナープレート16の摩耗の状態に関わらず、ピストン17がスラストベアリング18に押圧力を伝達し始めるまでの距離は、一定となっている。
また、摩擦係合装置1では、通常の状態では油室には作動油が満たされているので、ピストン17、リターンスプリング21及びスラストベアリング18には、全体としてアウタープレート15及びインナープレート16側に近づく方向の力が加わる。
これにより、摩擦係合装置1では、アウタープレート15やインナープレート16の摩耗が生じた状態(図3Aの状態)でも、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング21の付勢力よりも十分に小さい状態(すなわち、係合状態)では、スラストベアリング18は、摩耗が生じていない状態(図2Aの状態)と同様に、エンドプレート15aにほぼ接触している状態が維持される。
そのため、摩擦係合装置1では、アウタープレート15及びインナープレート16の摩耗の状態に関わらず、スラストベアリング18がエンドプレート15aに押圧力を伝達し始めるまでの距離は、ほぼ「0」の状態が維持される。
したがって、摩擦係合装置1では、アウタープレート15及びインナープレート16の摩耗の状態に関わらず、ピストン17から、スラストベアリング18及びエンドプレート15aを介して、アウタープレート15及びインナープレート16に押圧力が加えられるまでに必要なピストン17のストローク(図2Aの状態から図2Bの状態となるまでの移動距離、及び、図3Aの状態から図3Bの状態となるまでの移動距離)は、一定の距離(距離x2,距離x4)に維持されている。
したがって、摩擦係合装置1によれば、アウタープレート15及びインナープレート16に摩耗が生じていても、応答性が低下しにくい。
1…摩擦係合装置、10…ケース(筐体)、10a…外周側壁部、10b…端面部、10c…内周側壁部、11…第1クラッチハブ、11a…第1ボス部、11a1…小径部、11a2…大径部、11b…第1環状部、11c…第1ガイド部、11c1…第1溝部、12…第2クラッチハブ、12a…第2ボス部、12b…第2環状部、12c…第2ガイド部、12c1…第2溝部、13…第1ボールベアリング、14…第2ボールベアリング、15…アウタープレート(第1摩擦係合部材)、15a…エンドプレート、16…インナープレート(第2摩擦係合部材)、17…ピストン、17a…溝、17b…突起、17c…ベアリング支持部、17d…ピストン側受け部、18…スラストベアリング、18a…第1レース、18b…第2レース、18c…ローラ、18d…保持器、18e…ベアリング側受け部、19…O−リング、20…油室、21…リターンスプリング(付勢部材)、HC…油圧制御回路、HS…油圧センサ、I…入力軸(入力部材)、O…出力軸(出力部材)。

Claims (2)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達され回転する入力部材と、
    前記入力部材と一体的に回転する第1摩擦係合部材と、
    前記第1摩擦係合部材と軸線方向で重なるように配置されている第2摩擦係合部材と、
    前記第2摩擦係合部材と一体的に回転し、回転を出力する出力部材と、
    軸線方向に移動自在であり、前記第1摩擦係合部材及び前記第2摩擦係合部材の一方に対して他方に近づく方向の押圧力を加えるピストンと、
    前記ピストンを軸線方向一方側に付勢する付勢部材と、
    前記ピストンが内部に配置された筐体とを備え、
    前記ピストンと前記筐体との間に油室が形成され、
    前記ピストンは、前記油室に供給された油圧に応じて軸線方向他方側に押圧される摩擦係合装置であって、
    軸線方向に移動自在であり、前記ピストンと前記第1摩擦係合部材及び前記第2摩擦係合部材との間に配置され、前記ピストンからの前記押圧力を前記第1摩擦係合部材及び前記第2摩擦係合部材の一方に加えるスラストベアリングを備え、
    前記付勢部材は、前記スラストベアリングと前記ピストンとの間に配置されていることを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦係合部材であって、
    前記付勢部材の一端は、前記ピストンに固定され、前記付勢部材の他端は、前記スラストベアリングに固定されていることを特徴とする摩擦係合装置。
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US11614129B2 (en) 2020-11-13 2023-03-28 Mazda Motor Corporation Automatic transmission

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