JP2017166646A - 摩擦係合装置 - Google Patents

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Sachi Fujinuma
沙知 藤沼
奏太 田中
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奏太 田中
永善 新井
Nagayoshi Arai
永善 新井
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Abstract

【課題】所望の回転駆動力を得やすい摩擦係合装置を提供する。
【解決手段】摩擦係合装置1の係合機構15は、入力部材Iと一体的に回転する第1弾性体15aと、第1弾性体15aの径方向一方側に配置され、出力部材Oと一体的に回転する第2弾性体15bと、第1弾性体15a及び第2弾性体15bの軸線方向一方側に配置され、ピストン17からの押圧力によって軸線方向に移動自在な摩擦プレート15cとを有する。摩擦プレート15cは、軸線方向他方側に移動した際に、第1弾性体15a及び第2弾性体15bに摩擦係合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、摩擦係合によって入力部材の回転を出力部材に伝達する摩擦係合装置に関する。
従来、変速機に用いられる多板式クラッチのように、入力部材と、入力部材と一体的に回転する第1プレートと、その第1プレートに摩擦係合する第2プレートと、第2プレートと一体的に回転する出力部材とを備え、第1プレートと第2プレートとを摩擦係合させることによって、入力部材の回転を出力部材に伝達する摩擦係合装置が知られている。
この種の摩擦係合装置としては、環状のプレートを筒状のクラッチハブの外周面側又は内周面側に同軸となるように配置したものがある。そのような構成の摩擦係合装置では、プレートの外周面又は内周面から径方向に突出する爪部を形成し、その爪部を対応するクラッチハブの内周面又は外周面に形成された溝に摺動自在に嵌合させている。
これにより、プレートと対応するクラッチハブとを一体的に回転可能とするとともに、プレートのクラッチハブに対する軸線方向の移動(すなわち、プレート同士を当接させて摩擦係合させること)を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−121498号公報
しかし、特許文献1に記載のような摩擦係合装置では、プレートの爪部とクラッチハブの溝部との間で摺動抵抗が発生する。その摺動抵抗によってプレートの移動が阻害され(すなわち、摺動抵抗によって押圧力が低減され)、プレートの摩擦係合の状態が、所望している状態とは異なってしまうおそれがあった。その結果、所定の押圧力を加えたにもかかわらず、所望の回転駆動力(トルク)を得ることができなくなるおそれがあった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、所望の回転駆動力を得やすい摩擦係合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の摩擦係合装置は、駆動源からの駆動力が伝達され回転する入力部材(I)と、回転を出力する出力部材(O)と、前記入力部材(I)の回転を前記出力部材(O)に伝達する係合状態、及び、前記入力部材(I)の回転を前記出力部材(O)に伝達しない非係合状態を切換自在な係合機構(15)と、軸線方向に移動自在であり、前記係合機構(15)に押圧力を加えて前記係合状態とするピストン(17)と、前記ピストン(17)を軸線方向一方側に付勢する付勢部材(22)と、前記ピストン(17)が内部に配置された筐体(10)とを備え、前記ピストン(17)と前記筐体(10)との間に油室(20)が形成され、前記ピストン(17)は、前記油室(20)に供給された油圧に応じて軸線方向他方側に押圧される摩擦係合装置(1)であって、前記係合機構(15)は、前記入力部材(I)に固定され、前記入力部材(I)と一体的に回転する第1弾性体(15a)と、前記第1弾性体(15a)の径方向一方側で前記出力部材(O)に固定され、前記出力部材(O)と一体的に回転する第2弾性体(15b)と、前記第1弾性体(15a)及び前記第2弾性体(15b)の軸線方向一方側に配置され、前記ピストン(17)からの押圧力によって軸線方向に移動自在な摩擦プレート(15c)とを有し、前記摩擦プレート(15c)は、軸線方向他方側に移動した際に、前記第1弾性体(15a)及び前記第2弾性体(15b)に摩擦係合することを特徴とする。
このように、本発明の摩擦係合装置の係合機構は、入力部材に固定され、入力部材と一体的に回転する第1弾性体、及び、第1弾性体の径方一方側で出力部材に固定され、出力部材と一体的に回転する第2弾性体に対し、軸線方向から摩擦プレートを押圧させて、係合状態になる。
係合状態になる際には、第1弾性体及び第2弾性体は、摩擦プレートに押圧され変形するだけであり、軸線方向において入力部材及び出力部材に対して相対移動することはない。一方、非係合状態になる際にも、第1弾性体及び第2弾性体は、摩擦プレートによる押圧が解除され元の形状となるだけであり、軸線方向において入力部材及び出力部材に対して相対移動することはない。すなわち、係合状態になる際にも非係合状態になる際にも、第1弾性体、第2弾性体及び摩擦プレートでは、摺動抵抗は発生しない。
したがって、本発明の摩擦係合装置によれば、摺動抵抗によって押圧力が低減されることがないので、所定の押圧力を加えた場合に、所望の回転駆動力を得やすい。
また、本発明の摩擦係合装置においては、前記第1弾性体(15a)及び前記第2弾性体(15b)のバネ定数は、変位量が大きいほど小さくなることが好ましい。
このように構成すると、摩擦プレートの移動量が大きい領域(すなわち、加えようとしている押圧力が大きい領域)における弾性体からの反発力の増加が抑えられる。これにより、摩擦プレートを大きく移動させる必要がある場合であっても、バネ定数が一定の一般的な弾性体を用いた場合に比べ、弾性体による反発力が大きくならないので、摩擦プレートを移動させやすくなる。その結果、応答性を良好なものにすることができる。
第1実施形態に係る摩擦係合装置の構成を示す断面図。 図1の摩擦係合装置の要部を拡大して示す断面図であり、図2Aは非係合状態を示し、図2Bは係合状態を示す。 図1の摩擦係合装置の第1弾性体及び第2弾性体の荷重に対する変位を示すグラフ。 第2実施形態に係る摩擦係合装置の要部の構成を示す断面図。 第3実施形態に係る摩擦係合装置の要部の構成を示す断面図。
[第1実施形態]
以下、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る摩擦係合装置について説明する。本実施形態は、摩擦係合装置を車両等の駆動力伝達装置として用いた実施形態である。しかし、本発明の摩擦係合装置は、船舶等、他の乗り物や無人機の駆動力伝達装置の他、他の機構にも搭載し得るものである。
まず、図1及び図2を参照して、いわゆる湿式多板式のクラッチである摩擦係合装置1の構成について説明する。
図1に示すように、摩擦係合装置1は、筒形の装置として構成されている。摩擦係合装置1の開口部の一端側(図1では右側)からは、車両の駆動源からの駆動力が伝達される入力軸I(入力部材)が挿入されている。一方、他端側(図1では左側)からは、摩擦係合装置1を介して伝達された駆動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸O(出力部材)が挿入されている。
筒形の摩擦係合装置1は、外周面及び端面を構成するケース10(筐体)と、ケース10の内部に配置され、内周面の一部を構成し、入力軸Iと結合する第1クラッチハブ11と、ケース10の内部で第1クラッチハブ11と同軸に配置され、内周面の他の一部を構成し、出力軸Oと結合する第2クラッチハブ12とを備えている。
ケース10は、筒状の外周側壁部10aと、外周側壁部10aの他端側に設けられ、中央に開口部の設けられた端面部10bと、端面部10bの開口部から軸線方向一方側に延びる筒状の内周側壁部10cとを有している。
第1クラッチハブ11は、摩擦係合装置1の内周面の一部を構成する筒状の第1ボス部11aと、第1ボス部11aから径方向外方側(ケース10の外周面側)に向かって延びる環状の第1環状部11bと、第1環状部11bの第1ボス部11a側とは反対側の端部から軸線方向他端側に延びる第1ガイド部11cとを有している。
第2クラッチハブ12は、摩擦係合装置1の内周面の他の一部を構成する筒状の第2ボス部12aと、第2ボス部12aから径方向外方側に向かって延びる環状の第2環状部12bと、第2環状部12bの第2ボス部12a側とは反対側の端部から軸線方向一方側に延びる第2ガイド部12cとを有している。
第1クラッチハブ11の第1ボス部11aは、筒状の小径部11a1と、小径部11a1と同軸であり、小径部11a1よりも大径の筒状の大径部11a2とで構成されている。
筒状の小径部11a1には、一端側から入力軸Iの先端部が挿入されている。第1クラッチハブ11と入力軸Iとは、入力軸Iの先端部と小径部11a1の内周面の一部とにおいて、スプライン結合されている。
筒状の大径部11a2には、他端側から第2クラッチハブ12の第2ボス部12aが挿入されている。第1クラッチハブ11の大径部11a2の内周面と第2クラッチハブ12の第2ボス部12aの外周面の一端側の部分との間には、第1ボールベアリング13が配置されている。そのため、第1クラッチハブ11は、第2クラッチハブ12(すなわち、出力軸O)に対して、入力軸Iと一体的に相対回転可能となっている。
第2クラッチハブ12の第2ボス部12aは、筒状に構成されており、他端側から出力軸Oの先端部が挿入されている。第2クラッチハブ12と出力軸Oとは、出力軸Oの先端部と第2ボス部12aの内周面の一部とにおいて、スプライン結合されている。
第2クラッチハブ12の第2ボス部12aの外周面の他端側の部分とケース10の内周側壁部10cの内周面との間には、ボールベアリング14が配置されている。そのため、第2クラッチハブ12は、ケース10に対して、出力軸Oと一体的に回転可能となっている。
第1クラッチハブ11の第1ガイド部11cは、筒状に構成されている。また、第2クラッチハブ12の第2ガイド部12cも、筒状に構成されている。第2ガイド部12cは、第1ガイド部11cに挿入されており、第1ガイド部11cと第2ガイド部12cとは同軸に配置されている。第1ガイド部11cと第2ガイド部12cとの間には、係合機構15と、係合機構15の他端側に配置されたエンドプレート16とが配置されている。
図2に示すように、係合機構15は、第1ガイド部11cの内周側に固定されている複数の第1弾性体15aと、第1弾性体15aの径方向内方側で、第2ガイド部12cの外周側に固定されている複数の第2弾性体15bと、第1弾性体15a及び第2弾性体15bを軸線方向で挟み込むように配置され、軸線方向に移動自在な複数の摩擦プレート15cとで構成されている。
なお、摩擦係合装置1では、入力軸Iと一体的に回転する第1ガイド部11cを出力軸Oと一体的に回転する第2ガイド部12cの径方向外方側に配置しているが、第1ガイド部11cを第2ガイド部12cの径方向内方側に配置するようにしてもよい。その場合には、第1弾性体15aは第1ガイド部11cの径方向外方側に配置し、第2弾性体15bは第2ガイド部12cの径方向内方側に配置するようにすればよい。
第1弾性体15aは、一対の環状の皿バネで構成されている。軸線方向に押圧された際には、第1弾性体15aの基端側(第1ガイド部11cに固定されている部分)の近傍の部分は、軸線方向に撓み、第1弾性体15aの先端側の部分は、軸線方向の寸法が縮むように変形する(図2B参照)。第1弾性体15aは、第1ガイド部11cに固定されているので、入力軸Iと一体的に回転する。
第2弾性体15bは、一対の環状の皿バネで構成されている。軸線方向に押圧された際には、第2弾性体15bの基端側(第2ガイド部12cに固定されている部分)の近傍の部分は、軸線方向に撓み、第2弾性体15bの先端側の部分は、軸線方向に押圧された際には、軸線方向の寸法が縮むように変形する(図2B参照)。第2弾性体15bは、第2ガイド部12cに固定されているので、出力軸Oと一体的に回転する。
なお、摩擦係合装置1では、第1弾性体15a及び第2弾性体15bを、一対の皿バネで構成している。しかし、第1弾性体及び第2弾性体は、このような構成限定されるものではなく、軸線方向に弾性変形する部材であればよい。例えば、コイルバネやウェーブスプリングの他、ゴム等を用いてもよい。
摩擦プレート15cは、環状の板材として構成されている。摩擦プレート15cは、エンドプレート16を介して後述するピストン17から伝達された押圧力により、軸線方向に移動する。係合機構15では、そのようにして押圧力が伝達された際に、摩擦プレート15cと第1弾性体15a及び第2弾性体15bとが摩擦係合し、係合状態となる。
エンドプレート16は、最も他端側に配置された第1弾性体15a及び第2弾性体15bの他端側に、軸線方向に移動自在に配置されている。そのため、エンドプレート16は、一端側の面で第1弾性体15a及び第2弾性体15bに当接可能となっている。一方、エンドプレート16は、他端側の面で後述するスラストベアリング18と当接する。
また、摩擦係合装置1は、ケース10の内部のエンドプレート16の他端側に配置された環状のピストン17と、ピストン17とエンドプレート16との間に配置されたスラストベアリング18とを備えている。
ピストン17の外周面は、ケース10の外周側壁部10aの内周面と摺動可能となっている。一方、ピストン17の内周面は、ケース10の内周側壁部10cの外周面と摺動可能となっている。ピストン17の外周面及び内周面に設けられた溝17aには、ピストン17と外周側壁部10aとの間、又は、ピストン17と内周側壁部10cとの間を液密に封止するO−リング19が配置されている。これにより、ピストン17とケース10との間に、油室20が形成されている。
油室20には、オイルポンプや複数のバルブ等で構成された油圧制御回路HCから、油路を介して、作動油が供給される。油圧制御回路HCから供給される作動油の油圧は、油圧センサHSによって検出される。ピストン17は、油室20の容積の増加に応じて、軸線方向一端側に移動する。
ピストン17の一端側の面には、突起17bが設けられている。突起17bは、ケース10の内周側壁部10cに設けられた環状のスプリング受け部21から軸線方向他方側に延設された突起受け部21aに当接する。これにより、ピストン17の軸線周りの回転が抑制されている。
スプリング受け部21の突起受け部21aよりも径方向内周側の他端側の面とピストン17の一端側の面との間には、リターンスプリング22(付勢部材)が配置されている。ピストン17は、リターンスプリング22によって、油室20の容積を縮小させる方向(すなわち、軸線方向他端側)に向かって付勢されている。そのため、ピストン17は、油室20に供給された油圧とリターンスプリング22の付勢力に応じて、軸線方向に移動する。
なお、摩擦係合装置1では、ピストン17を付勢する付勢部材としてコイルバネを用いている。しかし、付勢部材は、コイルバネに限定されるものではない。例えば、皿バネやウェーブスプリングの他、ゴム等を用いてもよい。
また、ピストン17の一端側の面のエンドプレート16と対向する位置には、ベアリング支持部17cが設けられている。ベアリング支持部17cとエンドプレート16との間には、スラストベアリング18が軸線方向に移動自在な状態で配置されている。ピストン17が一端側に移動した際には、ピストン17からエンドプレート16に対する押圧力は、スラストベアリング18を介して伝達される。
次に、図2及び図3を参照して、係合機構15の係合状態及び非係合状態について説明する。
図2Aに示すように、油圧制御回路HCから油室20に十分な作動油が供給されていない状態(すなわち、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング22の付勢力よりも十分に小さい状態)では、ピストン17は、リターンスプリング22の付勢力と油室20に供給された油圧とが釣り合う位置に復帰する。
これにより、係合機構15の第1弾性体15a、第2弾性体15b及び摩擦プレート15cには押圧力が加えられていない状態となる。そのため、第1弾性体15a及び第2弾性体15bと摩擦プレート15cとが接触しているものの、相対回転自在な状態(非係合状態)となる。その結果、入力軸Iの回転は、第1クラッチハブ11及び第1弾性体15aを介して、摩擦プレート15c、第2弾性体15b、第2クラッチハブ12及び出力軸Oに伝達されない。
一方、図2Bに示すように、油圧制御回路HCから油室20に十分な作動油が供給されている状態(すなわち、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング22の付勢力よりも十分に大きい状態)では、ピストン17は、リターンスプリング22の付勢力に抗して、一端側に移動する。
これにより、係合機構15の第1弾性体15a、第2弾性体15b及び摩擦プレート15cには押圧力が加えられている状態となる。そのため、第1弾性体15a及び第2弾性体15bと摩擦プレート15cとが相互に摩擦係合した状態(係合状態)となる。その結果、入力軸Iの回転は、第1クラッチハブ11及び第1弾性体15aを介して、摩擦プレート15c、第2弾性体15b、第2クラッチハブ12及び出力軸Oに伝達される。
このように構成されている係合機構15では、係合状態になる際には、第1弾性体15a及び第2弾性体15bは、摩擦プレート15cに押圧されて変形するだけであり、それ自体は第1ガイド部11cに対して軸線方向に相対移動しない。一方、非係合状態になる際にも、第1弾性体15a及び第2弾性体15bは、摩擦プレート15cによる押圧が解除され元の形状となるだけであり、それ自体は第2ガイド部12cに対して軸線方向に相対移動しない。
そのため、係合機構15では、係合状態になる際にも非係合状態になる際にも、第1弾性体15a、第2弾性体15b及び摩擦プレート15cでは、摺動抵抗は発生しない。
したがって、摩擦係合装置1によれば、摺動抵抗によって押圧力が低減されることがないので、所定の押圧力を加えた場合に、所望の回転駆動力を得やすい。
ところで、図3のグラフに示すように、第1弾性体15a及び第2弾性体15bのバネ定数は、変位量が大きいほど小さくなるように設定されている。そのため、摩擦プレート15cの移動量が大きい領域(すなわち、加えようとしている押圧力が大きい領域)における第1弾性体15aや第2弾性体15bからの反発力の増加が抑えられている。
これにより、摩擦プレート15cを大きく移動させる必要がある場合であっても、バネ定数が一定の一般的な弾性体を用いた場合に比べ、第1弾性体15a及び第2弾性体15bによる反発力が大きくならない。そのため、摩擦係合装置1は、摩擦プレート15cを移動させやすく、応答性が良好なものとなっている。
なお、本実施形態では、係合機構15を、複数組の第1弾性体15a、第2弾性体15b及び摩擦プレート15cで構成しているが、本発明の摩擦係合装置の係合機構は、少なくとも1組の第1弾性体15a、第2弾性体15b及び複数の摩擦プレート15cを含む構成であればよい。
[第2実施形態]
以下、図4を参照して、第2実施形態に係る摩擦係合装置について説明する。ただし、本実施形態の摩擦係合装置1aは、上記の第1実施形態に係る摩擦係合装置1と、係合機構の構成のみが異なる。そのため、同様の構成を備える部分については同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
図4に示すように、摩擦係合装置1aでは、筒状の第1ガイド部11cと、第1ガイド部11cに挿入された筒状の第2ガイド部12cとを備えている。第1ガイド部11cと第2ガイド部12cとの間には、係合機構15が設けられている。
係合機構15の他端側の部分は、第1弾性体15a、第2弾性体15b及び摩擦プレート15cによって、第1実施形態に係る摩擦係合装置1の係合機構15と同様の機構が構成されている。一方、一端側の部分は、交互に配置された複数のアウタープレート15d及びインナープレート15eによって機構が構成されている。
アウタープレート15dは、環状の板材であり、その外周側には、周方向に等間隔に複数の爪部が形成されている。その爪部は、第1ガイド部11cの内周面に形成された第1溝部11c1に嵌合されている。そのため、第1ガイド部11cの内周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、アウタープレート15dは、周方向においては、第1ガイド部11c(すなわち、第1クラッチハブ11及び入力軸I)と一体的に回転する。
インナープレート15eは、環状の板材であり、その内周側には、周方向に等間隔に複数の爪部が形成されている。その爪部は、第2ガイド部12cの内周面に形成された第2溝部12c1に嵌合されている。そのため、第2ガイド部12cの内周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、インナープレート15eは、周方向においては、第2ガイド部12c(すなわち、第2クラッチハブ12及び出力軸O)と一体的に回転する。
アウタープレート15dとインナープレート15eとは、ピストン17からの押圧力が、スラストベアリング18、エンドプレート16、摩擦プレート15c、第1弾性体15a及び第2弾性体15bを介して伝達された際に、相互に当接し摩擦係合する。
このように構成されている係合機構15では、アウタープレート15dの爪部と第1ガイド部11cの第1溝部11c1との間、及び、インナープレート15eの爪部と第2ガイド部12cの第2溝部12c1との間において摺動抵抗が発生する。
しかし、係合機構15では、アウタープレート15d及びインナープレート15eによる機構は、ストローク量の少ない(すなわち、摺動抵抗が軽微な)一端側の領域にのみ配置されている。そして、それ以外の領域では、第1弾性体15a、第2弾性体15b及び摩擦プレート15cによる機構(摺動抵抗が発生しない機構)となっている。
そのため、摩擦係合装置1aによれば、従来の摩擦係合装置のようにアウタープレート15dやインナープレート15eのような摺動抵抗の発生する摩擦プレートのみで係合機構を構成したものに比べ、発生する摺動抵抗を低減することができる。その結果、応答性が良好なものとなっている。
なお、摩擦係合装置1aのように、弾性体を用いた係合機構と従来の係合機構とを組み合わせる場合には、必ずしも複数組の弾性体を用いた係合機構をストローク量の大きい領域に配置する必要はない。
例えば、弾性体を用いた係合機構をストローク量の小さい領域に配置してもよいし、1組の弾性体を用いた係合機構を組み合わせてもよい。いずれの場合であっても、摺動抵抗の発生する摩擦プレートのみで係合機構を構成された従来の摩擦係合機構よりも摺動抵抗を低減することができる。
[第3実施形態]
以下、図5を参照して、第3実施形態に係る摩擦係合装置について説明する。ただし、本実施形態の摩擦係合装置1bは、上記の第1実施形態に係る摩擦係合装置1や第2実施形態に係る摩擦係合装置1aと、係合機構の構成のみが異なる。そのため、同様の構成を備える部分については同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
図5に示すように、摩擦係合装置1bでは、筒状の第1ガイド部11cと、第1ガイド部11cに挿入された筒状の第2ガイド部12cとを備えている。第1ガイド部11cと第2ガイド部12cとの間には、係合機構15が設けられている。
係合機構15は、第2ガイド部12cの外周側に固定されている複数の第2弾性体15bと、第1ガイド部11cの内周側に軸線方向に移動自在に配置されている複数のアウタープレート15dとで構成されている。第2弾性体15bとアウタープレート15dとは、軸線方向で交互に配置されている。
第2弾性体15bは、一対の環状の皿バネで構成されている。第2弾性体15bの基端側(第2ガイド部12cに固定されている部分)の近傍の部分は、軸線方向に押圧された際には、軸線方向に撓む。一方、第2弾性体15bの先端側の部分は、軸線方向に押圧された際には、軸線方向の寸法が縮むように変形する。第2弾性体15bは、第2ガイド部12cに固定されているので、出力軸Oと一体的に回転する。
アウタープレート15dは、環状の板材であり、その外周側には、周方向に等間隔に複数の爪部が形成されている。その爪部は、第1ガイド部11cの内周面に形成された第1溝部11c1に嵌合されている。そのため、第1ガイド部11cの内周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、アウタープレート15dは、周方向においては、第1ガイド部11c(すなわち、第1クラッチハブ11及び入力軸I)と一体的に回転する。
第2弾性体15bとアウタープレート15dとは、ピストン17からの押圧力が、スラストベアリング18及びエンドプレート16を介して伝達された際に、相互に当接し摩擦係合する。
このように構成されている係合機構15では、アウタープレート15dの爪部と第1ガイド部11cの第1溝部11c1との間において摺動抵抗が発生する。しかし、係合機構15では、第2弾性体15bと第2ガイド部12cとの間においては、摺動抵抗が発生しない。
そのため、摩擦係合装置1bによれば、従来の摩擦係合装置のようにアウタープレート15dやインナープレート15eのような摺動抵抗の発生する摩擦プレートのみで係合機構を構成したものに比べ、発生する摺動抵抗を低減することができる。その結果、応答性が良好なものとなっている。
1,1a,1b…摩擦係合装置、10…ケース(筐体)、10a…外周側壁部、10b…端面部、10c…内周側壁部、11…第1クラッチハブ、11a…第1ボス部、11a1…小径部、11a2…大径部、11b…第1環状部、11c…第1ガイド部、11c1…第1溝部、12…第2クラッチハブ、12a…第2ボス部、12b…第2環状部、12c…第2ガイド部、12c1…第2溝部、13…第1ボールベアリング、14…第2ボールベアリング、15…係合機構、15a…アウタースプリング、15b…インナースプリング、15c…プレート、15d…アウタープレート、15e…インナープレート、16…エンドプレート、17…ピストン、17a…溝、17b…突起、17c…ベアリング支持部、18…スラストベアリング、19…O−リング、20…油室、21…スプリング受け部、21a…突起受け部、22…リターンスプリング(付勢部材)、HC…油圧制御回路、HS…油圧センサ、I…入力軸(入力部材)、O…出力軸(出力部材)。

Claims (2)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達され回転する入力部材と、
    回転を出力する出力部材と、
    前記入力部材の回転を前記出力部材に伝達する係合状態、及び、前記入力部材の回転を前記出力部材に伝達しない非係合状態を切換自在な係合機構と、
    軸線方向に移動自在であり、前記係合機構に押圧力を加えて前記係合状態とするピストンと、
    前記ピストンを軸線方向一方側に付勢する付勢部材と、
    前記ピストンが内部に配置された筐体とを備え、
    前記ピストンと前記筐体との間に油室が形成され、
    前記ピストンは、前記油室に供給された油圧に応じて軸線方向他方側に押圧される摩擦係合装置であって、
    前記係合機構は、前記入力部材に固定され、前記入力部材と一体的に回転する第1弾性体と、前記第1弾性体の径方向一方側で前記出力部材に固定され、前記出力部材と一体的に回転する第2弾性体と、前記第1弾性体及び前記第2弾性体の軸線方向一方側に配置され、前記ピストンからの押圧力によって軸線方向に移動自在な摩擦プレートとを有し、
    前記摩擦プレートは、軸線方向他方側に移動した際に、前記第1弾性体及び前記第2弾性体に摩擦係合することを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦係合装置であって、
    前記第1弾性体及び前記第2弾性体のバネ条数は、変位量が大きいほど小さくなることを特徴とする摩擦係合装置。
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