JP2017166627A - アンギュラ玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体が通過しやすく、かつ、保持器の摩耗を低減できるアンギュラ玉軸受を提供する。【解決手段】軌道輪である内輪及び外輪の両軌道面間に、保持器により回転自在に保持された複数の転動体を接触角を持って介在させ、内輪の外周面及び前記外輪の内周面のいずれかで保持器を案内するアンギュラ玉軸受である。保持器を案内する軌道輪は、軌道面を挟んだ軸方向両側の部分について、転動体との接触部がある負荷側に、肩部を有するとともに、軌道面の軸方向他方側に、内輪の場合、前記肩部よりも径が小さく、外輪の場合、前記肩部よりも径が大きい肩落とし部を有し、肩落とし部に、保持器側に突出する突起を設け、肩部表面を第1案内面とし、前記突起表面を第2案内面とした。【選択図】図1
Description
本発明は、軌道輪案内で使用されるアンギュラ玉軸受に関する。
高速回転の主軸には、アキシアル荷重とラジアル荷重とを同時に支持できるアンギュラ玉軸受が使用される。アンギュラ玉軸受は、図8及び図9に示すように内輪101と外輪102の両軌道面103、104間に、保持器105により回転自在に保持された複数の転動体(ボール)106を接触角を持って介在させた構造を具備する。すなわち、アンギュラ玉軸受は、ラジアル荷重とアキシアル荷重を受けられるように、軸受中心線の互いに反対側で内輪101と外輪102に盛り上がった肩部101a、102aが設けられ、ボール106が内輪101および外輪102の軌道面103、104と、軸受中心線から各肩部側に偏った点で接触するようになっている。
玉軸受の保持器は通常、内輪外径と保持器内径、又は外輪内径と保持器外径との径方向の隙間を小さくすることで、保持器の径方向の移動を抑制している。そして、回転時では保持器の内周面又は外周面は、内輪外周面(案内面)又は外輪内周面(案内面)と接触する。アンギュラ玉軸受の保持器案内の形式には、図8に示すような両側案内と、図9に示すような片側案内とがある。なお、図8及び図9は、保持器105の外周面と外輪102の内周面とを摺接させて保持器105を半径方向で案内する、いわゆる外輪案内を示している。
外輪案内における両側案内は、図8に示すように、外輪102が、軌道面104の軸方向両側で肩部102a、102aを有する。すなわち、外輪102は、軸方向両側において内周面に設計上径差がなく、軸方向両側の肩部102a、102aで保持器105を案内する。また、外輪案内における片側案内は、図9に示すように、外輪102が、負荷側のみに肩部102aを有し、非負荷側の肩は、径方向において低くなる肩落とし部102bとなる。すなわち、外輪102は、軸方向両側において内周面に径差があり、軸方向一方側の肩部102aで保持器105を案内する。
前記したアンギュラ玉軸受は、たとえば低温流体中で用いられるロケットエンジンターボポンプに使用される。すなわち、ロケットエンジンでは、多量の液体推進剤(水素及び酸素)がターボポンプによって燃焼器に圧送され、ターボポンプの軸受にも軸受自体の冷却のために液体推進剤が流される。このため、ロケットエンジンターボポンプにおいて、冷却効果を高めるためには、低温の流体が軸受内を通過しやすい構成とすることが望ましく、前記した保持器案内の形式では、片側案内の軸受を使用することが有効となる。
しかしながら、片側案内の軸受は、前記したように保持器の案内が負荷側の肩部のみで行われるため、非負荷側において保持器を傾ける力が発生し、その結果、保持器と軌道輪案内面との接触が局所的となる。これにより、保持器の摩耗進展を加速させ、摩耗粉が異物となって軸受機能に悪影響を及ぼすおそれがある。
特に、ロケットエンジンターボポンプ用軸受など、低温流体中で使用される軸受には油が使用できないため、保持器材には固体潤滑剤として樹脂を適用することが多く、保持器は摩耗しやすい。その上、加工精度や表面処理精度等の影響により、保持器密度の周方向アンバランスが発生する場合があり、高速回転により、周方向アンバランスに起因する振れ回り運動(高密度部分が外周側に偏りながら回転する)を生じる。これにより、軌道輪案内面と保持器とが強く接触し、摩耗のリスクが高くなる。
本発明が解決すべき課題は、流体が通過しやすく、かつ、保持器の摩耗を低減できるアンギュラ玉軸受を提供することにある。
本発明のアンギュラ玉軸受は、軌道輪である内輪及び外輪の両軌道面間に、保持器により回転自在に保持された複数の転動体を接触角を持って介在させ、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面のいずれかで前記保持器を案内するアンギュラ玉軸受において、前記保持器を案内する軌道輪は、軌道面を挟んだ軸方向両側の部分について、転動体との接触部がある負荷側に、肩部を有するとともに、軌道面の軸方向他方側に、内輪の場合、前記肩部よりも径が小さく、外輪の場合、前記肩部よりも径が大きい肩落とし部を有し、前記肩落とし部に、前記保持器側に突出する突起を設け、前記肩部表面を第1案内面とし、前記突起表面を第2案内面としたものである。
本発明のアンギュラ玉軸受は、保持器を案内する軌道輪が、負荷側のみに肩部を有し、非負荷側は肩部表面よりも径方向において低くなる肩落とし部を有するため、肩部表面(第1案内面)にて保持器を案内しつつ、非負荷側では、流体が通過しやすいものとなる。しかも、肩落とし部に、保持器側に突出する突起を設け、突起表面を第2案内面としているため、非負荷側でも保持器を案内することができる。すなわち、非負荷側において、保持器を傾ける力が発生しようとしても、突起が保持器の傾きを修正して、保持器の肩落とし部への落ち込みを抑制することができる。これにより、保持器と軌道輪案内面との接触が局所的になることを抑制し、保持器の摩耗を低減することができる。
前記構成において、前記突起を周方向に間欠的に設けてもよい。すなわち、非負荷側に複数の突起を設けることによって、保持器の傾きの修正効果を高めることができる。
前記構成において、前記突起は、前記第2案内面の周方向両端部側をアール形状としたものであってもよい。これにより、非負荷側において保持器が肩落ち部に落ち込んだ場合でも、保持器が突起とエッジ当たりすることがなくなって、保持器の摩耗を低減することができる。
前記構成において、前記第1案内面及び第2案内面に、固体潤滑剤を含む樹脂からなる固体潤滑層を設けてもよい。これにより、第1案内面及び第2案内面は、樹脂に含まれる固体潤滑剤により保持器との接触時に潤滑を行うことができる。
前記構成において、前記案内面を有する軌道輪は、負荷側と非負荷側とで別体としてもよい。これにより、負荷側と非負荷側とで異なる処理を施すことができ、軌道輪は、負荷側と非負荷側とで異なる特性を有するものとできる。
前記構成において、前記第2案内面は、保持器の回転方向の上流側から下流側に向かって保持器側に傾斜するテーパ形状としてもよい。これにより、第2案内面と保持器との間で、回転方向の上流側から下流側に向かって徐々に小さくなる楔形状の隙間を形成することができ、軸受内の流体にて流体圧を発生させることができる。これにより、軌道輪と保持器との接触を効果的に防止することができる。
前記アンギュラ玉軸受は、低温流体中で用いられるロケットエンジンターボポンプに使用するのが好ましい。すなわち、本発明のアンギュラ玉軸受は、流体が軸受内を通過しやすい構成とする必要性、かつ、保持器の摩耗を低減する必要性が特に高いロケットエンジンターボポンプへの使用が有効である。
以上のように、本発明のアンギュラ玉軸受は、流体が通過しやすく、かつ、保持器の摩耗を低減できる。
図1に、本発明の一実施形態に係るアンギュラ玉軸受を示す。図1(a)は図2のA−A矢視図であり、図1(b)は図2のB−B矢視図である。アンギュラ玉軸受は、一対の軌道輪(内輪1及び外輪2)と、複数の転動体(ボール3)と、保持器4とを備える。アンギュラ玉軸受は、無潤滑環境、すなわち、油やグリース等の流動性潤滑剤を使用しない環境で用いられる。アンギュラ玉軸受は、図示するように接触角を有する。接触角とは、軸受中心軸に垂直な平面(ラジアル平面)と、軌道輪によって転動体へ伝えられる力の合力の作用線(図1に一点鎖線で示す)とがなす角度と定義されている。本実施形態のアンギュラ玉軸受は、保持器4の外周面と外輪2の内周面とを摺接させて保持器4を半径方向で案内する、いわゆる外輪案内の軸受である。
内輪1の外周面には、軌道面5が設けられる。内輪1は、転動体3との接触部がある負荷側に肩部6を有するとともに、転動体3との接触部がない非負荷側において肩が低くなる肩落とし部7を有する。すなわち、内輪1は、軌道面5の軸方向両側において外周面に径差があるものとなっている。
外輪2の内周面には、軌道面8が設けられる。外輪2は、軌道面8の軸方向一方側で転動体3との接触部がある負荷側に、肩部9を有するとともに、軌道面8の軸方向他方側で転動体3との接触部がない非負荷側において、肩が低くなる肩落とし部10を有する。すなわち、外輪2は、軌道面8の軸方向両側において内周面に径差があるものとなっている。外輪2の肩部9の表面(内周面)が、保持器4を案内する第1案内面11となる。
肩落とし部10には、図1(b)、図2、及び図3に示すように、保持器側(内径側)に突出する突起12を設けている。図示例では、突起12は、周方向に沿って等ピッチで4つ設けられている。突起12は、図1(b)に示すように、中心軸に対して肩部9と対称となるような形状を有する。すなわち、突起12の表面(内周面)は、肩部9の第1案内面11と径差が設計上無い状態となっている。この突起12の表面が、非負荷側において保持器4を案内する第2案内面13となる。突起12は、図2及び図3に示すように、第2案内面13の周方向両端部側、すなわち、突起12の周方向両端面をなす夫々の立上部14と第2案内面13とのコーナー部がアール形状となっている。
内輪1及び外輪2は金属で形成され、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)で形成される。複数のボール3は、内輪1の軌道面5と外輪2の軌道面8との間に配される。ボール3は、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)等の金属や、セラミックス材料で形成される。
図1に示すように、保持器4は、外輪2と内輪1との間に配され、本体15と樹脂部(図示省略)とから構成される。本体15は、環状を成し、複数のポケット穴15aが円周方向等間隔に設けられ、各ポケット穴15aにボール3が1つずつ収容される。本体15は、樹脂部よりも高強度の材料で形成され、例えば樹脂複合材や金属で形成される。樹脂複合材としては、CFRPやGFRP等の繊維強化プラスチック材を使用できる。また、金属としては、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金、炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金等の溶製材や、焼結金属を使用できる。特に、高速回転環境下で使用される軸受の場合、比強度の高い材料を使用することが好ましい。このような材料として、例えばCFRP、GFRP、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金が挙げられる。また、液体水素ターボポンプ用に使用される軸受の場合、水素反応性の低い材料を使用することが好ましい。このような材料として、例えばCFRP、GFRP、アルミニウム合金が挙げられる。さらに、液体酸素ターボポンプに使用される軸受の場合、酸化反応性の低い材料を使用することが好ましい。このような材料として、例えばGFRPが挙げられる。
樹脂部は、本体15をインサート部品とした射出成形で形成され、例えば、本体15の各ポケット穴15aの内周面、及び本体15の外周面に設けられている。樹脂部は、固体潤滑剤を含む樹脂で形成される。主成分樹脂としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂が使用できる。特に、極低温環境下で使用される場合、耐衝撃性、耐薬品性、本体15との密着性の観点から、線膨張係数が小さいPEEKを使用することが望ましい。固体潤滑剤としては、フッ素樹脂(例えばPTFE)、二硫化モリブデン、黒鉛などが使用できる。樹脂部を形成する樹脂には、強化材を配合してもよい。強化材としては、保持器の耐摩耗性を高め、線膨張係数を抑える効果のあるものを使用することが望ましく、例えばガラス繊維(GF)、炭素繊維(CF)、酸化マグネシウム等が使用できる。尚、強化材は省略することもできる。
本実施形態のアンギュラ玉軸受の一使用例として、図4に示すような、低温流体中で用いられるロケットエンジンターボポンプに使用される場合について説明する。このターボポンプは液体水素/液体酸素2段燃焼式ロケットエンジンのうち、液体酸素ガスを圧縮するものである。尚、図示は省略するが、この2段燃焼式ロケットエンジンには、液体水素ガスを圧縮する同様のターボポンプも備えている。ターボポンプのタービン軸71は、プリバーナポンプ入口からプリバーナポンプ出口へと流れる液体燃料の燃焼ガスで初期駆動された後、タービンガス入口からタービンガス出口へと流れる液体燃料の燃焼ガスで本格駆動される。そして、主ポンプ入口から流入した液体酸素ガスを圧縮して主ポンプ出口から排出し、燃焼室に供給する。タービン軸71は、極低温における疲労強度の高いニッケル基の超合金、例えばインコネル材で形成される。タービン軸71は、アンギュラ玉軸受を2つ組み合わせてなる複列アンギュラ玉軸受72で支持される。複列アンギュラ玉軸受72を構成する一対のアンギュラ玉軸受は、接触角が軸直交平面に関して対称となっている。このようなロケットエンジンターボポンプでは、軸受72にも軸受自体の冷却のために液体水素/液体酸素が流される。
上記のように、本実施形態では、外輪2が負荷側のみに肩部9を有し、非負荷側は肩部表面よりも径方向において低くなる肩落とし部10を有することにより、肩部表面(第1案内面11)にて保持器4を案内しつつ、非負荷側では、流体が通過しやすいものとなる。しかも、肩落とし部10に、保持器側に突出する突起12を設け、突起表面を第2案内面13としているため、非負荷側でも保持器4を案内することができる。すなわち、非負荷側において、保持器4を傾ける力が発生しようとしても、突起12が保持器4の傾きを修正して、保持器4の肩落とし部10への落ち込みを抑制する。これにより、保持器4と外輪案内面との接触が局所的になることを抑制し、保持器4の摩耗を低減することができる。
このため、本実施形態のアンギュラ玉軸受は、流体が軸受内を通過しやすい構成とする必要性、かつ、保持器4の摩耗を低減する必要性が特に高いロケットエンジンターボポンプへの使用が有効となる。
図5及び図6は、本発明の第2実施形態のアンギュラ玉軸受を示す。第2本実施形態のアンギュラ玉軸受は、外輪20が、負荷側の第1部材20aと、非負荷側の第2部材20bとから構成されており、負荷側と非負荷側とで別体となっている。第1部材20aには肩部21が設けられ、肩部21の表面(内周面)が、保持器4を案内する第1案内面22となる。第2部材20bには、肩部21よりも低くなる肩落とし部23が設けられ、肩落とし部23に、保持器側(内径側)に突出する突起24を設けている。この突起24の表面(内周面)は、非負荷側において保持器4を案内する第2案内面25となる。第1部材20aと第2部材20bとの結合方法は、ハウジング(図示省略)との嵌め合わせで固定したり、結合部材(図示省略)により結合したりする等、種々の方法を採用することができる。
このように、外輪20を負荷側と非負荷側とで別体とすることにより、負荷側と非負荷側とで異なる処理を施すことができ、外輪20は、負荷側と非負荷側とで異なる特性を有するものとできる。例えば、突起24は体積が小さいため、過浸炭となって脆くなり易い。このため、突起24のない第1部材20aにおいて浸炭処理を行い、突起24のある第2部材20bにおいて浸炭処理をしない等とできる。なお、図5に示すアンギュラ玉軸受の他の構成は前記した図1〜図3のアンギュラ玉軸受と同様であるので、図1〜図3に示すアンギュラ玉軸受と同一部材については図1〜図3と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7は、本発明の第3実施形態のアンギュラ玉軸受を示す。第3実施形態のアンギュラ玉軸受の外輪30は、肩落とし部31に、保持器側(内径側)に突出する突起32が設けられている。この突起32は、保持器4の回転方向(図7の矢印参照)の上流側において径方向寸法が大きく、保持器4の回転方向下流側に向かって径方向寸法が徐々に小さくなる。これにより、第2案内面33は、保持器4の回転方向の上流側から下流側に向かって保持器側に傾斜するテーパ形状となる。
このように構成することにより、第2案内面33と保持器4との間で、回転方向の上流側から下流側に向かって徐々に隙間が小さくなる楔形状の隙間を形成することができ、軸受内の流体にて流体圧を発生させることができる。これにより、外輪30と保持器4との接触を効果的に防止することができる。なお、図7に示すアンギュラ玉軸受の他の構成は前記した図1〜図3のアンギュラ玉軸受と同様であるので、図1〜図3に示すアンギュラ玉軸受と同一部材については図1〜図3と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
前記各実施形態において、第1案内面及び第2案内面に固体潤滑剤を含む樹脂からなる固体潤滑層(図示省略)を備えてもよい。固体潤滑層は、例えば、前記第1実施形態で説明した保持器の樹脂部のような構成とすることができる。これにより、保持器の案内面との接触部が固体潤滑剤を有しない場合であっても、潤滑を行うことができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、突起の個数は1つ以上あればよく、突起を複数設ける場合は、突起間の距離は任意に設定できる。突起の形状は、必ずしも中心軸に対して肩部と対称でなくてもよいが、突起の表面(つまり第2案内面)の軸方向寸法は、保持器の軸方向端面からポケット面までの寸法と軸方向隙間分とが最低限確保されているものが好ましい。
上記の各実施形態では、保持器を外輪の内周面と摺接させて案内する外輪案内の転がり軸受を示したが、これに限らず、保持器を内輪の外周面と摺接させて案内する内輪案内の転がり軸受に本発明を適用してもよい。この場合、内輪は、軌道面の軸方向一方側で、転動体との接触部がある負荷側に肩部を有するとともに、軌道面の軸方向他方側で、転動体との接触部がない非負荷側に、前記肩部表面よりも径方向において低くなる肩落とし部を有するものとなる。そして、肩落とし部に、保持器側(外径側)に突出する突起を設け、肩部表面を第1案内面とし、突起表面を第2案内面とする(図示省略)。
本発明のアンギュラ玉軸受は、ロケットエンジン用ターボポンプだけでなく、軸受内に冷媒を通過させることなどを目的として、例えば液化天然ガス用ポンプやコンプレッサなど、低温流体環境下で使用される他の用途に適用することも可能である。さらに、上記のアンギュラ玉軸受は、潤滑油の流れの改善などを目的として、極低温環境下で使用する用途に限らず、例えば工作機械など、外部から潤滑油を供給する用途において使用することもできる。
1 内輪
2、20、30 外輪
3 転動体
4 保持器
5、8 軌道面
9、21 肩部
10、23、31 肩落とし部
11、22 第1案内面
12 突起
13、25、33 第2案内面
2、20、30 外輪
3 転動体
4 保持器
5、8 軌道面
9、21 肩部
10、23、31 肩落とし部
11、22 第1案内面
12 突起
13、25、33 第2案内面
Claims (7)
- 軌道輪である内輪及び外輪の両軌道面間に、保持器により回転自在に保持された複数の転動体を接触角を持って介在させ、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面のいずれかで前記保持器を案内するアンギュラ玉軸受において、
前記保持器を案内する軌道輪は、軌道面を挟んだ軸方向両側の部分について、転動体との接触部がある負荷側に、肩部を有するとともに、軌道面の軸方向他方側に、内輪の場合、前記肩部よりも径が小さく、外輪の場合、前記肩部よりも径が大きい肩落とし部を有し、
前記肩落とし部に、前記保持器側に突出する突起を設け、前記肩部表面を第1案内面とし、前記突起表面を第2案内面としたことを特徴とするアンギュラ玉軸受。 - 前記突起を周方向に間欠的に設けたことを特徴とする請求項1に記載のアンギュラ玉軸受。
- 前記突起は、前記第2案内面の周方向両端部側をアール形状としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンギュラ玉軸受。
- 前記第1案内面及び第2案内面に、固体潤滑剤を含む樹脂からなる固体潤滑層を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受。
- 前記保持器を案内する軌道輪は、負荷側と非負荷側とで別体としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受。
- 前記第2案内面は、保持器の回転方向の上流側から下流側に向かって保持器側に傾斜するテーパ形状としたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受。
- 低温流体中で用いられるロケットエンジンターボポンプに使用されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016053834A JP2017166627A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | アンギュラ玉軸受 |
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JP2016053834A JP2017166627A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | アンギュラ玉軸受 |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220186776A1 (en) * | 2019-04-02 | 2022-06-16 | Ntn Corporation | Rolling bearing |
-
2016
- 2016-03-17 JP JP2016053834A patent/JP2017166627A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20220186776A1 (en) * | 2019-04-02 | 2022-06-16 | Ntn Corporation | Rolling bearing |
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