JP2017166609A - パイロアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
Description
パイロアクチュエータとしては、例えば特許文献1には、点火器を組み付けた筒状ハウジング内部にピストンロットを有するピストンが挿入されたパイロアクチュエータが開示されている。特許文献2には、点火器及びピストンを分割された筒状のケーシングで挟み込み、スリーブで一体化したパイロアクチュエータが記載されている。また、特許文献3には、点火器と薄膜隔壁部材で区画された燃焼室を備え、薄膜隔壁部材が移動してピストン部材を押し出すパイロアクチュエータが記載されている。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係るガス発生器の第1実施形態を示す断面図である。
図1に示す第1の実施形態におけるパイロアクチュエータは、両端が開口した筒状のケース(3)、点火部(6)に装填した点火薬を発火させて圧力エネルギーを発生させる点火器(2)、ケース内に挿入され軸方向に移動自在なピストン(4)及び樹脂製のハウジング(5)を有するパイロアクチュエータ(1)である。
点火薬の具体的なものとしては、ジルコニウム及び/又はタングステン、並びに過塩素酸カリウムを主成分とする点火薬組成物や、鉛トリシネート等の火工品の点火器として用いられている、一般的な点火薬を用いることが好ましい。
ケース(3)は円筒形状が好ましいが、特に限定されず楕円型筒状であっても良く、四角形筒状等の多角形筒状であっても良い。
なお、該ピストン(4)はケース内壁と接する横断形状であり、該ケース(3)が円筒形状であれば、それに応じた円形の横断形状となる。
ピストンロッド(10)の外周径は、ピストン(4)の外径よりも小さく、ケースの縮径開口部(12)の径と同程度であるか、それよりも僅かに小さい。よって、ピストンロッド(10)の外周面が縮径開口部(12)に接した状態で摺動するものでもよいし、ピストンロッド(10)の外周面と縮径開口部(12)の間に僅かな隙間が存在した状態で移動するものでもよい。この場合、ピストンロッド(10)の外周面と縮径開口部(12)の間に潤滑剤を介在させてもよい。
樹脂製のハウジング(5)は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、フッ素樹脂等を用いることが好ましい。更に、これらの樹脂素材にガラス繊維等の補強材を含有するものからなる樹脂材料で形成することが好ましい。樹脂製のハウジングの材料は、前記ピストンロッド(10)と同じ材質の材料を用いることが好ましい。
該樹脂製のハウジング(5)を、ケース(3)の縮径開口部(12)から、点火器(2)の胴部(7)並びにコネクタ挿入孔(15)に亘り、射出成型により一体に成型することができる点で、製造工程上の利点を有すると共に、より一層の耐熱性及び耐圧性の向上を図っている。
該接触部(16)は該パイロアクチュエータの作動時にピストンロッド(10)の駆動を妨げない程度の接地である必要がある。例えば、樹脂製のハウジング(5)を射出成型する際に、ハウジング(5)の樹脂とピストンロッド(10)の樹脂が互いに溶け合うことで固着させて気密性を保持した上、形成させても良い。このため、ハウジングとピストンロッドは同じ材質の材料を用いた方が好ましい。また、フッ素ゴムや、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム等のOリング部材等の適当なシール材を接触部(16)に用いても良い。別の態様として、該接触部(16)に接着剤を塗布してシールする方法であっても良い。例えばシアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系ゴム又はオレフィン系ゴム等を原料として含む接着剤が好適に利用できる。
該接触部(16)を設けて、燃焼室を含むケース内部の気密性を確保することで、例えば、気密性の低い点火器を適用することを可能とする点で有利な構造である。
自動車に搭載している事故センサーから点火器(2)へ電気信号が送られると、点火部(6)に内在する点火薬が着火する。これに伴い発生する燃焼圧力エネルギーにより点火部カップが破断し、空間(14)内の圧力を上昇させ、ピストン(4)が軸方向へ移動しピストンロッド(10)が縮径開口部(12)から突き出される。ピストンロッド(10)の移動は、ピストン(4)と、ケース(3)の肩部(11)が当接した状態で停止される。
このような動作過程において、高温高圧環境下に晒される点火器(2)とケース(3)で区画される燃焼室を、樹脂製のハウジング(5)とケース(3)からなる複合材とすることで、ケースはピストン(4)の摺動性と点火時の耐強度性を保ちつつ、且つ樹脂製のハウジング(5)と共に強固な形状を保つことができる。また、樹脂製のハウジング(5)を用いることで、当該パイロアクチュエータの軽量化を達成することができる。更に、樹脂製のハウジング(5)が前記点火器の胴部(7)、前記ケース(3)、前記肩部(11)及び前記縮径開口部(12)に亘り被覆し、且つピストンロッドの突出部周面の被覆を射出成型で覆うことで、各部材を一体化させることができ、特に、ピストンロッド突出部周面とハウジング、点火器の胴部とハウジングのそれぞれの樹脂界面が互いに溶け合うことで、簡易な構造で軽量化とケース(3)内部の気密性が確保され、耐環境性能に優れたパイロアクチュエータを提供することができる。
図2は、本発明に係るガス発生器の第2実施形態を示す断面図である。図2のパイロアクチュエータは、図1のパイロアクチュエータとほぼ同一構造であるため異なる部分のみ説明する。図1と同一番号は同一のものであることを意味する。
該環状溝(17)及び該係合部(18)は、点火器(2)の塞栓及びケース(3)に予め形成しておいて嵌め込んで係止しても良いし、点火器(2)をケース(3)に挿入した後、ケース外周部から径中心方向にカシメて、該点火器の塞栓及び該ケースを変形させて該環状溝(17)及び該係合部(18)を形成して係止させても良い。
(i)ピストン(3)を内在した筒状のケース(3)と点火器(2)を当接して、該ケースの一方の開口部を閉塞したケース・点火器組立体を得る工程。
(ii)ケース・点火器組立体をハウジング成型用型に入れ、溶融樹脂を注入して点火器の胴部(7)とケース(3)の外壁部に亘り被覆し、ケース(3)のもう一方の開口部側が縮径するように被覆した樹脂製のハウジング(5)を射出成型により形成する工程。
すなわち、本発明のパイロアクチュエータは、樹脂製のハウジングを射出成型できることを特徴とする。射出成型法を用いることで、当該パイロアクチュエータは様々な形状に容易に成型することができることから、モジュール組付け性に優れる。また、該樹脂製ハウジングを前記モジュール側と一体成型することもでき、部品点数の削減と組付け容易性を達成することができる。
Claims (6)
- 両端が開口した筒状のケース(3)と
抵抗素子と点火薬を含む点火部(6)と、前記抵抗素子と接続した複数の導電用端子ピン(8)とこれを保持する塞栓(9)を含む胴部(7)を備える点火器(2)であって、該点火部(6)が前記ケース(3)の筒状部の内面に位置し、該胴部(7)が前記ケース(3)の一方の開口部を閉塞して配置された点火器(2)と、
前記ケース内に挿入され、前記ケース内を軸方向に移動自在なピストン(4)と、
前記点火器の胴部(7)と前記ケース(3)の外壁部に亘り被覆し、該ケース(3)のもう一方の開口部側が縮径するように被覆した樹脂製のハウジング(5)を有する
パイロアクチュエータ(1)。 - 前記ケース(3)のもう一方の開口部が肩部(11)を備えて縮径された縮径開口部(12)を有し、
前記樹脂製ハウジング(5)が、前記点火器の胴部(7)、前記ケース(3)、前記肩部(11)及び前記縮径開口部(12)に亘り被覆した、請求項1に記載のパイロアクチュエータ。 - 前記点火器(2)の胴部(7)が、前記ケース(3)の一方の開口部に挿入されて閉塞し、該胴部に環状溝(17)が形成され、これと当接する該ケースの周壁面に環状溝形状の係合部(18)が形成され、該環状溝(17)と該係合部(18)が係止した、請求項1又は2に記載のパイロアクチュエータ。
- 前記樹脂製ハウジング(5)が、前記点火器胴部(7)の前記導電用端子ピンの突出面の少なくとも一部を覆っている請求項1〜3の何れか一項に記載のパイロアクチュエータ。
- 前記ピストン(4)が前記ケース(3)の一方の開口部(12)から突出したピストンロット(10)を有しており、前記樹脂製ハウジング(5)が、該ピストンロット(10)の突出部の周面の一部を被覆している請求項1〜4の何れか一項に記載のパイロアクチュエータ。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載のパイロアクチュエータを用いたシートベルトプリテンショナー装置。
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