JP6632437B2 - パイロアクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、火工品技術を利用してピストンを作動させるパイロアクチュエータに関する。特に、シートベルトプリテンショナー装置といった車両安全装置を作動させるために好適なパイロアクチュエータに関する。
自動車の衝突事故の際に、搭乗員や歩行者を保護する様々な車両安全装置が考案され、自動車に設置されている。例えばシートベルトプリテンショナー装置は、自動車の衝突時にシートベルトのたるみを巻き取り、搭乗者を確実に拘束する目的の安全装置である。また、衝突事故の際にボンネットを持ち上げるボンネットリフト装置は、歩行者の保護用装置としてボンネットフードに設置されている。これらの車両安全装置の多くには、火薬の爆発圧力によりピンを押し出して当該安全装置を作動させるためにパイロアクチュエータが用いられている。
パイロアクチュエータとしては、例えば特許文献1には、点火器を組み付けた筒状ハウジング内部にピストンロットを有するピストンが挿入されたパイロアクチュエータが開示されている。特許文献2には、点火器及びピストンを分割された筒状のケーシングで挟み込み、スリーブで一体化したパイロアクチュエータが記載されている。また、特許文献3には、点火器と薄膜隔壁部材で区画された燃焼室を備え、薄膜隔壁部材が移動してピストン部材を押し出すパイロアクチュエータが記載されている。
特開2006−256396号公報 特開2003−247509号公報 US7,735,405B2
車両安全装置用のパイロアクチュエータは搭載性の改善要求が高く、小型軽量化や車両安全装置の起動装置(モジュール)への組付け容易性向上が重要な課題となっている。一方、パイロアクチュエータは火薬の爆発圧力を用いる装置であるため、該火薬の燃焼室は耐熱性及び耐圧性を考慮する必要がある。このため、金属部材により燃焼室を区画した構造のパイロアクチュエータを作成することになるが、この場合、非常に重いものとなってしまう。また、パイロアクチュエータは様々な目的を持つ多様な構造のモジュールに組み付けて用いられるが、金属部材を用いて作成した場合は組み付けのために切削等の金属加工を要するため、様々な構造のモジュールへの容易な組付けが困難である。
本発明は上記課題を解決するべくなされたものであり、燃焼室の耐熱性及び耐圧性を確保して、車両安全装置の起動装置(モジュール)への組み付け容易性を確保したパイロアクチュエータを提供することを課題とする。
[1] 両端が開口した筒状のケース(3)と抵抗素子と点火薬を含む点火部(6)と、前記抵抗素子と接続した複数の導電用端子ピン(8)とこれを保持する塞栓(9)を含む胴部(7)を備える点火器(2)であって、該点火部(6)が前記ケース(3)の筒状部の内面に位置し、該胴部(7)が前記ケース(3)の一方の開口部を閉塞して配置された点火器(2)と、前記ケース内に挿入され、前記ケース内を軸方向に移動自在なピストン(4)と、前記点火器の胴部(7)と前記ケース(3)の外壁部に亘り被覆し、該ケース(3)のもう一方の開口部側が縮径するように被覆した樹脂製のハウジング(5)を有するパイロアクチュエータ(1)。
本発明は上記[1]の通り、点火器及びピストンを内在する筒状ケースを樹脂製のハウジングに被覆した構造を特徴とする。これにより点火器、筒状ケース及びピストンで区画された燃焼室が設置され、これを樹脂製ハウジングで覆うことにより、該燃焼室の区画材質を複合材化することができ、該パイロアクチュエータの軽量化及び耐熱性・耐圧性が確保できる。併せて、筒状ケースと点火器の固定を達成することができる。加えて、該パイロアクチュエータの外套部は樹脂製ハウジングとすることにより、様々なモジュールへの組み付けのための加工性に優れたパイロアクチュエータを提供することができる。
[2] 前記ケース(3)のもう一方の開口部が肩部(11)を備えて縮径された縮径開口部(12)を有し、前記樹脂製ハウジング(5)が、前記点火器の胴部(7)、前記ケース(3)、前記肩部(11)及び前記縮径開口部(12)に亘り被覆した、前記[1]に記載のパイロアクチュエータ。
上記[2]の特徴を有するパイロアクチュエータは、燃焼室の区画及びピストンの可動域が区画され、該パイロアクチュエータの耐熱性・耐圧性を確保することができる。また、前記ケース形状とすることで、ケースのもう一方の開口部側が縮径するように被覆した樹脂製のハウジング(5)を射出成型により形成することができ、製造工程上において、有利である。
[3] 前記点火器(2)の胴部(7)が、前記ケース(3)の一方の開口部に挿入されて閉塞し、該胴部に環状溝(17)が形成され、これと当接する該ケースの周壁面に環状溝形状の係合部(18)が形成され、該環状溝(17)と該係合部(18)が係止した、前記[1]又は[2]に記載のパイロアクチュエータ。
上記[3]に基づくパイロアクチュエータは、点火器(2)とケース(3)がより強固に接続することができ、パイロアクチュエータが作動した際のピストンの停止をより確実なものにすることができる。更に、点火器(2)とケース(3)の位置決めが容易となり、製造工程上も有利である。
[4] 前記樹脂製ハウジング(5)が、前記点火器胴部(7)の前記導電用端子ピンの突出面の少なくとも一部を覆っている前記[1]〜[3]の何れか一項に記載のパイロアクチュエータ。
上記[4]に基づくパイロアクチュエータにあっては、点火器、筒状ケース及びピストンで区画された燃焼室を樹脂製ハウジングにより包囲することで、パイロアクチュエータの外殻を複合材化することができ、各部材を強固に一体化して固定化できるとともに、より一層の耐熱性及び耐圧性の向上を望むことができる。
[5] 前記ピストン(4)が前記ケース(3)の一方の開口部(12)から突出したピストンロット(10)を有しており、前記樹脂製ハウジング(5)が、該ピストンロット(10)の突出部の周面の一部を被覆している前記[1]〜[4]の何れか一項に記載のパイロアクチュエータ。
樹脂製ハウジングによりピストンロットの突出部周面を被覆することにより、該パイロアクチュエータの燃焼室を含むケース内部の気密性を確保することができる。よって、点火薬に対する気密性が低い点火器を用いた場合においても、点火薬の耐湿効果に有効であり、該パイロアクチュエータの耐候性に有利である。
[6] 前記[1]〜[5]の何れか一項に記載のパイロアクチュエータを用いたシートベルトプリテンショナー装置。
本発明のパイロアクチュエータは、簡易な構造で軽量化が図れると共に、成型性容易な樹脂製ハウジングであることから、モジュール組付け性に優れる。該樹脂製ハウジングは、前記モジュール側と一体成型することにより、部品点数の削減と組付け容易性を達成することができる。したがって、シートベルトプリテンショナー装置の起動装置に適用することができる。特に、プリテンショナー装置の拘束力調整機構(セレクタブルフォースミッター)のための起動装置に用いることが好ましい。
本発明によれば、軽量であるとともに耐熱性及び耐圧性に優れ、且つ車両安全装置への組付け容易性に優れたパイロアクチュエータを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態におけるパイロアクチュエータの模式断面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるパイロアクチュエータの模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係るガス発生器の第1実施形態を示す断面図である。
図1に示す第1の実施形態におけるパイロアクチュエータは、両端が開口した筒状のケース(3)、点火部(6)に装填した点火薬を発火させて圧力エネルギーを発生させる点火器(2)、ケース内に挿入され軸方向に移動自在なピストン(4)及び樹脂製のハウジング(5)を有するパイロアクチュエータ(1)である。
点火器(2)は、電気信号により点火薬を発火させ燃焼圧力エネルギーを発生させる装置である。点火器(2)は、点火部カップの内部に図示しない点火薬と、この点火薬を着火させるための図示しない抵抗素子を含む点火部(6)と、前記抵抗素子と電気的に接続された一対の導電用端子ピン(8a、8b)と、端子ピン(8a、8b)を絶縁して保持する塞栓(9)を含んで構成される胴部(7)で構成されている。
点火器(2)は、車両の衝突を検知した際には、導電用端子ピン(8a、8b)を介して抵抗素子に所定量の電流が流れる。これにより抵抗素子がジュール熱を発生し、点火薬を着火させる装置である。着火により生じた燃焼圧力エネルギーは、点火部カップを破裂させて圧力エネルギーを放出する部材である。抵抗素子に電流が流れてから点火器が作動するまでの時間は、抵抗素子にニクロム線を利用した場合には、一般に2ミリ秒以下である。
点火器(2)における塞栓(9)は、導電用端子ピンを絶縁して保持する部材であり、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、フッ素樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これら熱可塑性樹脂を原材料として選択する場合には、成形後において塞栓(9)の機械的強度を確保するために、ガラス繊維(補強材)等のフィラーを含有する樹脂材料で形成しても良い。導電用端子ピンを固定するために、各端子ピンをガラス部材や樹脂部材等の絶縁性のシール部材を介した金属製の保持部材を用い、これを熱可塑性樹脂による前記塞栓でモールドした態様であっても良い。
点火部(6)は、抵抗素子と点火薬が接触するように配置されており、これを点火部カップで覆っている。抵抗素子としては、導電により抵抗熱を発生する抵抗性導電材料が用いられ、一般にニクロム線やプラチナおよびタングステンを含む合金製の抵抗線等が用いられる。
点火薬の具体的なものとしては、ジルコニウム及び/又はタングステン、並びに過塩素酸カリウムを主成分とする点火薬組成物や、鉛トリシネート等の火工品の点火器として用いられている、一般的な点火薬を用いることが好ましい。
ケース(3)は両端が開口した筒状の形状であり、一方の開口部が前記点火器(2)で閉塞されている。すなわち、該ケース(3)の開口部と前記点火器(2)の塞栓(9)とが当接している。そして該ケース(3)の筒状内部に、前記点火器(2)の点火部(6)が配置されている。
ケース(3)は円筒形状が好ましいが、特に限定されず楕円型筒状であっても良く、四角形筒状等の多角形筒状であっても良い。
前記筒状のケース(3)は、アルミニウム、鉄、銅、鋼又はこれらの合金、並びに樹脂等の材質から選択された材料で、鍛造加工、プレス加工、絞り加工、モールド加工等により成形される。該ケース(3)は、燃焼室の耐熱性及び耐圧性を確保する目的から鉄やステンレス等の鉄系の金属材料からなる成形品を採用することが好ましい。また、該ケースは、パイロアクチュエータの軽量化の目的から、比較的薄い厚さの筒状形状であることが好ましい。該ケース(3)の厚さは、後述する樹脂製のハウジング(5)を射出成型で形成する場合は、射出時の樹脂の圧力に耐える強度は確保されている厚さであることが好ましい。
ケース(3)の内部には、筒状ケースの軸方向に移動可能なピストン(4)が配されている。ピストン(4)の外径はケース(3)の内径と同程度であるか、僅かに小さい程度であり、ケース(3)内部を軸方向に移動可能となっている。したがって、ピストン(4)の外周面がケース(3)の内周面に接した状態で摺動するものでもよいし、ピストン(4)の外周面とケース(3)の内周面の間に僅かに隙間が存在した状態で移動するものでもよい。ピストン(4)の円滑な移動のためにピストン(4)の外周面とケース(3)の間に潤滑剤を介在させてもよい。当該パイロアクチェータの起動目的からして、ピストン(4)は1度移動するだけであり、摺動しても問題はない。
なお、該ピストン(4)はケース内壁と接する横断形状であり、該ケース(3)が円筒形状であれば、それに応じた円形の横断形状となる。
ピストン(4)の前記点火器(2)の点火部(6)当接面には、外周壁を有するスカート部(13)が形成されている。スカート部(13)で囲まれた空間(14)に前記点火部(6)が配置されている。そして、スカート部(13)の開口端面は点火器(2)に当接されており、前記点火部(6)の側面部分とケース(3)の間の空隙を埋める形状である。スカート部(13)を有するピストン(4)は、点火器の燃焼圧力エネルギーの圧力損失を抑え、効率的にピストン駆動させることができることから有利である。
ピストン(4)のケース(3)の点火器と反対側の開口部側には、ピストン(4)と一体に形成されるピストンロッド(10)を備えている。該ピストンロッド(10)は、ピストンを軸方向に延長した筒状体であり、ピストン(4)の外周径と同程度であるか、又はそれより小さい外周径である。ピストンロッド(10)の先端部は、ケース(3)のもう一方の開口部から突出しており、点火器(2)が起動して、前記ピストン(3)が軸方向に延伸する状態に移動した際に、後述する樹脂ハウジング(5)より突出する長さを有している。すなわち、当該パイロアクチュエータ(1)は点火器(2)の燃焼圧力エネルギーにより該ピストンロッド(10)を押し出すことにより、目的とする車両安全装置等のモジュールを駆動させる装置である。
前記ピストン(4)及び前記ピストンロッド(10)は一体であっても、別体で成型して後に一体化した物であっても良い。また、該ピストン及びピストンロッドは、前記ケース(3)の金属材よりも軽量な樹脂材料で形成されることが好ましく、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、フッ素樹脂等の樹脂であってガラス繊維(補強材)等を含有するものからなる樹脂材料で形成することが好ましい。
図1で例示されるパイロアクチュエータは、ケース(3)のもう一方の開口部が肩部(11)を備えて縮径された縮径開口部(12)を有している。そして、ピストンロッド(10)により該縮径開口部(12)が閉塞され、且つ突出している。該ケース(3)のもう一方の開口部が、前記のように縮径した形状となることで、燃焼室の区画及びピストンの可動域が区画される。
ピストンロッド(10)の外周径は、ピストン(4)の外径よりも小さく、ケースの縮径開口部(12)の径と同程度であるか、それよりも僅かに小さい。よって、ピストンロッド(10)の外周面が縮径開口部(12)に接した状態で摺動するものでもよいし、ピストンロッド(10)の外周面と縮径開口部(12)の間に僅かな隙間が存在した状態で移動するものでもよい。この場合、ピストンロッド(10)の外周面と縮径開口部(12)の間に潤滑剤を介在させてもよい。
本発明に係るパイロアクチュエータは、樹脂製のハウジング(5)で外套部を形成している。すなわち、前記点火器(2)の胴部(7)の構成である塞栓(9)と前記ケース(3)の外壁部に亘り、該樹脂製のハウジング(5)が被覆していると共に、該ケース(3)の前記ピストンロッド(10)突出部側開口部側を縮径するように被覆している。すなわち、本発明のパイロアクチュエータは、燃焼室部分を筒状のケース(3)と樹脂製のハウジング(5)の2種類の部材による複合材により形成することを特徴とする。この構造とすることにより、内部のピストンの摺動性と点火時の熱や圧力に対する耐強度性を保つことができる。
樹脂製のハウジング(5)は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、フッ素樹脂等を用いることが好ましい。更に、これらの樹脂素材にガラス繊維等の補強材を含有するものからなる樹脂材料で形成することが好ましい。樹脂製のハウジングの材料は、前記ピストンロッド(10)と同じ材質の材料を用いることが好ましい。
図1に示されるパイロアクチュエータは、ケース(3)が肩部(11)を備えて縮径された縮径開口部(12)を有する形状であり、前記樹脂製のハウジング(5)は該肩部(11)及び縮径開口部(12)を被覆するように縮径する形状で成型されている。該ケース(3)をこのような縮径開口部を備える形状とすることで、この外表部を含めて樹脂製ハウジング(5)で被覆することができ、更に内部のピストンの摺動性と点火時の耐強度性を保つことができる。また、該樹脂製のハウジング(5)を、該ケース(3)の筒状側面部及びもう一方の開口部を覆う部位を含めて射出成型法により一体で成型することができ、製造工程上の利点を有する。
更に、該樹脂製のハウジング(5)は点火器胴部(7)の導電用端子ピン(8)側に亘り被覆した形状である。このような形状とすることで、点火器(2)、ピストン(4)を内在する筒状のケース(3)を、該ハウジング(5)で一体化することができる。なお、該樹脂製のハウジングは、導電用端子ピン(8)と電気的に接続するためのコネクタを取り付けるためのコネクタ挿入孔(15)を併せて成型している。該コネクタ挿入孔(15)には、コネクタの係止溝を必要とするが、該ハウジング(5)は樹脂製であり加工成型性に優れ、容易に製造することができる。
該樹脂製のハウジング(5)を、ケース(3)の縮径開口部(12)から、点火器(2)の胴部(7)並びにコネクタ挿入孔(15)に亘り、射出成型により一体に成型することができる点で、製造工程上の利点を有すると共に、より一層の耐熱性及び耐圧性の向上を図っている。
図1で示されるパイロアクチュエータは、樹脂製のハウジング(5)とピストンロッド(10)の突出部の外周面と接触して被覆している接触部(16)を有している。このような構造とすることにより、該パイロアクチュエータの燃焼室を含むケース内部の気密性を確保することができる。
該接触部(16)は該パイロアクチュエータの作動時にピストンロッド(10)の駆動を妨げない程度の接地である必要がある。例えば、樹脂製のハウジング(5)を射出成型する際に、ハウジング(5)の樹脂とピストンロッド(10)の樹脂が互いに溶け合うことで固着させて気密性を保持した上、形成させても良い。このため、ハウジングとピストンロッドは同じ材質の材料を用いた方が好ましい。また、フッ素ゴムや、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム等のOリング部材等の適当なシール材を接触部(16)に用いても良い。別の態様として、該接触部(16)に接着剤を塗布してシールする方法であっても良い。例えばシアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系ゴム又はオレフィン系ゴム等を原料として含む接着剤が好適に利用できる。
該接触部(16)を設けて、燃焼室を含むケース内部の気密性を確保することで、例えば、気密性の低い点火器を適用することを可能とする点で有利な構造である。
次に本発明に係るパイロアクチュエータの動作について説明する。
自動車に搭載している事故センサーから点火器(2)へ電気信号が送られると、点火部(6)に内在する点火薬が着火する。これに伴い発生する燃焼圧力エネルギーにより点火部カップが破断し、空間(14)内の圧力を上昇させ、ピストン(4)が軸方向へ移動しピストンロッド(10)が縮径開口部(12)から突き出される。ピストンロッド(10)の移動は、ピストン(4)と、ケース(3)の肩部(11)が当接した状態で停止される。
このような動作過程において、高温高圧環境下に晒される点火器(2)とケース(3)で区画される燃焼室を、樹脂製のハウジング(5)とケース(3)からなる複合材とすることで、ケースはピストン(4)の摺動性と点火時の耐強度性を保ちつつ、且つ樹脂製のハウジング(5)と共に強固な形状を保つことができる。また、樹脂製のハウジング(5)を用いることで、当該パイロアクチュエータの軽量化を達成することができる。更に、樹脂製のハウジング(5)が前記点火器の胴部(7)、前記ケース(3)、前記肩部(11)及び前記縮径開口部(12)に亘り被覆し、且つピストンロッドの突出部周面の被覆を射出成型で覆うことで、各部材を一体化させることができ、特に、ピストンロッド突出部周面とハウジング、点火器の胴部とハウジングのそれぞれの樹脂界面が互いに溶け合うことで、簡易な構造で軽量化とケース(3)内部の気密性が確保され、耐環境性能に優れたパイロアクチュエータを提供することができる。
<第2実施形態>
図2は、本発明に係るガス発生器の第2実施形態を示す断面図である。図2のパイロアクチュエータは、図1のパイロアクチュエータとほぼ同一構造であるため異なる部分のみ説明する。図1と同一番号は同一のものであることを意味する。
図2で示されるパイロアクチュエータは、筒状のケース(3)に点火器(2)の胴部(7)が挿入されて閉塞して配置されている。更に、該胴部の塞栓は環状溝(17)が形成され、これと当接するケースの周壁部に環状溝形状の係合部(18)が形成され、該環状溝(17)と該係止部(18)で係止している。このような態様とすることで、点火器(2)とケース(3)が強固に接続することができ、パイロアクチュエータが作動した際のピストン(4)の停止をより確実なものにすることができる。その上、点火器(2)とケース(3)の位置決めが容易となり、樹脂製ハウジング(5)を成型して設置する際の、製造工程上において有利である。該環状溝(17)と該係合部(18)はOリングや接着剤等のシール部材を介して係止させても良く、その場合には、点火器(2)及びケース(3)により区画される燃焼室の気密性をより向上させることができる。
該環状溝(17)及び該係合部(18)は、点火器(2)の塞栓及びケース(3)に予め形成しておいて嵌め込んで係止しても良いし、点火器(2)をケース(3)に挿入した後、ケース外周部から径中心方向にカシメて、該点火器の塞栓及び該ケースを変形させて該環状溝(17)及び該係合部(18)を形成して係止させても良い。
本発明のパイロアクチュエータは、簡易な構造で軽量化が図れると共に、成型性容易な樹脂製ハウジングであることから、モジュール組付け性に優れる。該樹脂製ハウジングは、前記モジュール側の樹脂部品と一体成型することにより、部品点数の削減と組付け容易性を達成することができる。したがって、シートベルトプリテンショナー装置の起動装置に適用することができる。特に、プリテンショナー装置の拘束力調整機構(セレクタブルフォースミッター)のための起動装置に用いることが好ましい。
本発明のパイロアクチュエータは、以下の製造工程により製造することができる。
(i)ピストン(3)を内在した筒状のケース(3)と点火器(2)を当接して、該ケースの一方の開口部を閉塞したケース・点火器組立体を得る工程。
(ii)ケース・点火器組立体をハウジング成型用型に入れ、溶融樹脂を注入して点火器の胴部(7)とケース(3)の外壁部に亘り被覆し、ケース(3)のもう一方の開口部側が縮径するように被覆した樹脂製のハウジング(5)を射出成型により形成する工程。
すなわち、本発明のパイロアクチュエータは、樹脂製のハウジングを射出成型できることを特徴とする。射出成型法を用いることで、当該パイロアクチュエータは様々な形状に容易に成型することができることから、モジュール組付け性に優れる。また、該樹脂製ハウジングを前記モジュール側と一体成型することもでき、部品点数の削減と組付け容易性を達成することができる。
この場合、樹脂製のハウジング(5)を射出成型によりケース(3)のもう一方の開口部側が縮径するように容易に被覆するために、該ケースは肩部(11)を備えて縮径された縮径開口部(12)を有するケース(3)であることが好ましい。
また、樹脂製のハウジング(5)がケース(3)の縮径開口部(12)から突出したピストンロット(10)の突出部の周面の一部を被覆するように射出成型することがより好ましい。この製造方法により、ピストンロット(10)の突出部のシール性が得られ、前記燃焼室の気密性が確保されることから、より好ましい。
1a,1b パイロアクチュエータ、2 点火器、3 ケース、4 ピストン、5 樹脂製ハウジング、6 点火部、7 胴部、8 ピン(8a,8b 図示しない一対の各ピン)、9 塞栓、10 ピストンロッド、11 肩部、12 縮径開口部、13 スカート部、14 空間、15 コネクタ挿入孔、16 接触部、17 環状溝、18 係合部

Claims (6)

  1. 両端が開口した筒状のケース(3)と、
    抵抗素子と点火薬を含む点火部(6)と、前記抵抗素子と接続した複数の導電用端子ピン(8)とこれを保持する塞栓(9)を含む胴部(7)を備える点火器(2)であって、該点火部(6)が前記ケース(3)の筒状部の内面に位置し、該胴部(7)が前記ケース(3)の一方の開口部を閉塞して配置された点火器(2)と、
    前記ケース内に挿入され、前記ケース内を軸方向に移動自在なピストン(4)と、
    前記点火器の胴部(7)と前記ケース(3)の外壁部に亘り被覆し、該ケース(3)のもう一方の開口部側が縮径するように被覆した樹脂製のハウジング(5)を有し、
    前記ケース(3)がアルミニウム、鉄、銅、鋼又はこれらの合金である、
    パイロアクチュエータ(1)。
  2. 前記ケース(3)のもう一方の開口部が肩部(11)を備えて縮径された縮径開口部(12)を有し、
    前記樹脂製ハウジング(5)が、前記点火器の胴部(7)、前記ケース(3)、前記肩部(11)及び前記縮径開口部(12)に亘り被覆した、請求項1に記載のパイロアクチュエータ。
  3. 前記点火器(2)の胴部(7)が、前記ケース(3)の一方の開口部に挿入されて閉塞し、該胴部に環状溝(17)が形成され、これと当接する該ケースの周壁面に環状溝形状の係合部(18)が形成され、該環状溝(17)と該係合部(18)が係止した、請求項1又は2に記載のパイロアクチュエータ。
  4. 前記樹脂製ハウジング(5)が、前記点火器胴部(7)の前記導電用端子ピンの突出面の少なくとも一部を覆っている請求項1〜3の何れか一項に記載のパイロアクチュエータ。
  5. 前記ピストン(4)が前記ケース(3)のもう一方の開口部(12)から突出したピストンロット(10)を有しており、前記樹脂製ハウジング(5)が、該ピストンロット(10)の突出部の周面の一部を被覆している請求項1〜4の何れか一項に記載のパイロアクチュエータ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のパイロアクチュエータを用いたシートベルトプリテンショナー装置。

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