JP2017163930A - ビールテイスト飲料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)β−ユーデスモールおよびホップ成分Aを含んでなるビールテイスト飲料であって、
該ホップ成分Aが該飲料に対して0.5%以上含有し、
該飲料中に含まれるβ−ユーデスモール/ホップ成分Aの比が60以下であり、
該ホップ成分Aが、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により測定した場合に、内部標準物質ボルネオールのリテンションタイムに対し16〜18分後の出現時間差を有するピークに対応する成分であり、該リテンションタイムで検出される96m/z、113m/z、および95m/zのレスポンス(高さ)が96m/z>113m/z>95m/zとなる、ビールテイスト飲料。
(2)ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)の分析条件が下記である、(1)に記載のビールテイスト飲料:
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、0.3分−3℃/分→240℃、20分間
キャリアガス:He、10psi定圧送気
トランスファーライン温度:240℃
MSイオンソース温度:230℃
MSQポール温度:150℃
フロント注入口温度:200℃
モニタリングイオン:以下の定量イオンに加え、ホップ成分Aについては113m/zおよび96m/zを成分同定イオンとして加える、
定量イオン:
・ボルネオール:m/z=110
・β−ユーデスモール:m/z=149
・リナロール:m/z=93
・ホップ成分A:m/z=95。
(3)ホップ成分Aが、ネルソンソーヴィン種ホップ由来の成分である、(1)または(2)に記載のビールテイスト飲料。
(4)β−ユーデスモールが、ヘルスブルッカー種ホップ由来の成分である、(1)〜(3)のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
(5)麦芽飲料である、(1)〜(4)のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
(6)発酵飲料である、(1)〜(5)のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
(7)少なくともホップが添加された発酵前液を発酵させることを含んでなる、(1)〜(6)のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
(8)ホップが、ネルソンソーヴィン種ホップおよびヘルスブルッカー種ホップを含む、(7)に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
本発明のビールテイスト飲料は、β−ユーデスモールおよびホップ成分Aを含んでなるビールテイスト飲料であって、該ホップ成分Aが該飲料に対して0.5%以上含有し、該飲料中に含まれるβ−ユーデスモール/ホップ成分Aの比が60以下であり、該ホップ成分Aが、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により測定した場合に、内部標準物質ボルネオールのリテンションタイムに対し16〜18分後の出現時間差を有するピークに対応する成分であり、該リテンションタイムで検出される96m/z、113m/z、および95m/zのレスポンス(高さ)が96m/z>113m/z>95m/zとなる、ビールテイスト飲料である。
<GC/MS分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、0.3分−3℃/分→240℃、20分間
キャリアガス:He、10psi定圧送気
トランスファーライン温度:240℃
MSイオンソース温度:230℃
MSQポール温度:150℃
フロント注入口温度:200℃
モニタリングイオン:以下の定量イオンに加え、ホップ成分Aについては113m/zおよび96m/zを成分同定イオンとして加える、
定量イオン:
・ボルネオール:m/z=110
・β−ユーデスモール:m/z=149
・リナロール:m/z=93
・ホップ成分A:m/z=95。
β―ユーデスモールとリナロールの濃度は、基本的にppbを単位として算出する。
ビールテイスト飲料中のホップ成分Aの濃度は、添加した内部標準物質ボルネオールのイオン110m/zに対する定量イオン(95m/z)の高さのレスポンス比率(%)を求め、この比率に基づいて飲料中のホップ成分Aの濃度を定量することができる。
本発明のビールテイスト飲料は、特定の条件により特定されるホップ成分Aと、β−ユーデスモールとを所定の含有量(比)となるように添加することにより製造することができる。例えば、酵母による発酵工程を経ずに得られる飲料は、上記2種の香気成分の所定量を添加することにより本発明による飲料とすることができる。
下記試験例1では、スパイシーでハーバルな香気を持つヘルスブルッカー種ホップ(産国:ドイツ)(Hopsteiner社)と白ブドウのようなフルーティーな香気(白ワイン様の香気)を有するネルソンソーヴィン(産国:ニュージーランド)(NZhops社)を用いて試験品を作成した。ホップの配合量は、表1の通りである。
具体的には、淡色麦芽(淡色麦芽:フランス、スフレ社)と水の混合物を、インフュージョン糖化法によって糖化し、糖度を15度に調整した仕込麦汁を調製し、煮沸した。煮沸後の麦汁を、90℃で60分間静置させた。静置後の麦汁を濾紙で濾過し、濾過後の麦汁を氷水で約12℃まで冷却した後、ホップ(ヘルスブルッカー種ホップおよびネルソンソーヴィン種ホップ)を加えた。冷却後の麦汁にビール酵母を添加し、1週間の主発酵及び14日間の後発酵を行った。その後、糖度が12度になるように炭酸水で希釈して、試験品(試験番号1〜7)を作成した。
試験番号4〜7は、ヘルスブルッカー種ホップ(ヘルスブルッカー)を2.85g/Lから2.95g/L、ネルソンソーヴィン種ホップ(ネルソンソーヴィン)を0.15g/Lから0.05g/Lをブレンドしたものであり、ヘルスブルッカー種ホップのスパイシーなハーバル香の中でネルソンソーヴィン種ホップに特徴的な白ワイン様の香りが強調されより好ましい香気を有した。
試験例2においては、試験番号8〜12はネルソンソーヴィン種ホップを0.01g/Lから0.15g/Lになるよう調整したサンプルであるが、ネルソンソーヴィン種ホップの白ワイン様の香気はほのかにしか感じられず、好ましい香気は得られなかった。特に試験例2の試験番号11および12ではネルソンソーヴィン種ホップの香りがほとんど感じられないのに対し、ネルソンソーヴィン種ホップの配合量がより少ない試験例1の試験番号4および5ではその特徴的な香りが感じられるという興味深い結果になった。
上記表1の試験品(試験番号1〜7)を分析し、好ましい香気を得るための指標成分の探索を行った。その結果、ネルソンソーヴィン種ホップはヘルスブルッカー種ホップにはない新規の成分(ホップ成分A)を含むことが分かった。ホップ成分Aはその特徴として、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)により測定した場合に、内部標準物質ボルネオールのリテンションタイムに対し17分後の出現時間差を有しており、そのピークはオクタン酸(CAS番号:124−07−2)とデカン酸(CAS番号:334−48−5)の間に存在することが分かった。また、そのリテンションタイムで検出される96m/z、113m/z、および95m/zのレスポンス(高さ)が96m/z>113m/z>95m/zとなった。図1にホップ成分Aに関するスペクトルデータを示した。ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)の分析条件は下記の通りである。
カラム:キャピラリーカラム(商品名:HP−INNOWAX)(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、0.3分−3℃/分→240℃、20分間
キャリアガス:He、10psi定圧送気
トランスファーライン温度:240℃
MSイオンソース温度:230℃
MSQポール温度:150℃
フロント注入口温度:200℃
モニタリングイオン:以下の定量イオンに加え、ホップ成分Aについては113m/zおよび96m/zを成分同定イオンとして加える、
定量イオン:
・ボルネオール:m/z=110
・β−ユーデスモール:m/z=149
・リナロール:m/z=93
・ホップ成分A:m/z=95。
β−ユーデスモールとリナロールの濃度は、ppbを単位として算出した。飲料中のホップ成分Aの濃度は、添加した内部標準物質ボルネオールのイオン110m/zに対する定量イオン(95m/z)のレスポンス比率(%)を求め、この比率に基づいて飲料中のホップ成分Aの濃度を定量した。
他の品種での官能評価、成分値を把握するため、ハラタウトラディション種ホップ(産国:ドイツ)(Hopsteiner社)を用いて試験品を、上記と同様に作成して、官能評価および分析を行った。ホップの配合量および結果は下記表5の通りである。
具体的には、淡色麦芽(淡色麦芽:フランス、スフレ社)と水の混合物を、インフュージョン糖化法によって糖化し、糖度を15度に調整した仕込麦汁を調製した。麦汁を電気ヒーターで加温して煮沸した。この際、60分間で蒸発率が10%となるように、煮沸強度を一定にコントロールした。煮沸後の麦汁を、90℃ で60分間静置させた。静置後の麦汁を濾紙で濾過し、濾過後の麦汁を氷水で約12℃まで冷却した後、ハラタウトラディション種ホップおよびネルソンソーヴィン種ホップを加えた。冷却後の麦汁にビール酵母を添加し、1週間の主発酵及び14日間の後発酵を行なった。その後、糖度が12度になるように炭酸水で希釈して、試験品(試験番号17〜23)を製造した。
・内部標準物質ボルネオールのリテンションタイムに対し17分後の出現時間差を有するピークに対応する。
・そのリテンションタイムで検出される96m/z、113m/z、および95m/zのレスポンス(高さ)が96m/z>113m/z>95m/zとなる。
Claims (8)
- β−ユーデスモールおよびホップ成分Aを含んでなるビールテイスト飲料であって、
該ホップ成分Aが該飲料に対して0.5%以上含有し、
該飲料中に含まれるβ−ユーデスモール/ホップ成分Aの比が60以下であり、
該ホップ成分Aが、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)により測定した場合に、内部標準物質ボルネオールのリテンションタイムに対し16〜18分後の出現時間差を有するピークに対応する成分であり、該リテンションタイムで検出される96m/z、113m/z、および95m/zのレスポンス(高さ)が96m/z>113m/z>95m/zとなる、ビールテイスト飲料。 - ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)の分析条件が下記である、請求項1に記載のビールテイスト飲料:
<GC/MS法の分析条件>
カラム:キャピラリーカラム(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃、0.3分−3℃/分→240℃、20分間
キャリアガス:He、10psi定圧送気
トランスファーライン温度:240℃
MSイオンソース温度:230℃
MSQポール温度:150℃
フロント注入口温度:200℃
モニタリングイオン:以下の定量イオンに加え、ホップ成分Aについては113m/zおよび96m/zを成分同定イオンとして加える、
定量イオン:
・ボルネオール:m/z=110
・β−ユーデスモール:m/z=149
・リナロール:m/z=93
・ホップ成分A:m/z=95。 - ホップ成分Aが、ネルソンソーヴィン種ホップ由来の成分である、請求項1または2に記載のビールテイスト飲料。
- β−ユーデスモールが、ヘルスブルッカー種ホップ由来の成分である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
- 麦芽飲料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
- 発酵飲料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
- 少なくともホップが添加された発酵前液を発酵させることを含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
- ホップが、ネルソンソーヴィン種ホップおよびヘルスブルッカー種ホップを含む、請求項7に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
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