(実施形態1)
本実施形態のエネルギー予測システム1について、図1〜図6に基づいて説明する。エネルギー予測システム1は、図1に示すように、電力を電気事業者(例えば電力会社)などに電力を出力する(売電する)ための分散型電源102を有する発電システム100に用いられる。本実施形態の発電システム100は、分散型電源102と、パワーコンディショナ103とを有する。分散型電源102は、少なくとも太陽電池を含む。本実施形態の分散型電源102は更に、蓄電池を含む。発電システム100は、分電盤109を介して電力系統104に接続されている。分電盤109は、パワーコンディショナ103及び電力系統104の少なくとも一方から供給される電力を負荷105に出力する。
発電システム100が発電する電力が、消費(言いかえると自家消費)する電力(例えば複数の負荷105の消費電力の合計)を超えている場合、余剰電力が生じる。余剰電力とは、発電システム100の発電電力から消費する電力を引いた電力である。発電システム100は、余剰電力を電力系統104に出力することにより、電気事業者に電力を売ることができる。発電システム100が電力系統104に出力する電力のことを「売電電力」と呼ぶ。
ところで、電気事業者は、所定の期間について電力系統104に出力する電力を抑制するように発電システム100に要請することがある。発電システム100から電力系統104に電力の出力を抑制する指示のことを「出力抑制」と呼ぶ。発電システム100は、売電するためには、電気事業者などから出力抑制の要請を受けた際に、売電電力S1を制限値B1以下となるように抑制しなければならない。制限値B1とは、売電電力の上限を指定する値である。以下、電気事業者が出力抑制を要請する対象期間T2(図2参照)において売電電力の上限を指定する値のことを「制限値B1」と呼ぶ。
発電システム100は、出力抑制を要請された際に売電する方法として、パワーコンディショナ103からの出力である発電電力G1を、制限値B1以下となるように抑制する。
出力抑制がかかっている期間中に、余剰電力が制限値B1を上回る場合、発電システム100が発電可能な電力のうち売電も消費もできない「無駄な電力」が生じる。この無駄な電力のことを「無駄電力」と呼ぶ。出力抑制がかかっている期間中は、発電システム100は、制限値B1を上回る発電が可能であっても、パワーコンディショナ103は発電電力G1の出力を制限値B1以下にするので、無駄電力が生じる。言いかえると、無駄電力とは、分散型電源102が発電可能な電力のうち、発電システム100の使用者が有効に活用できない電力である。
パワーコンディショナ103は、売電しない場合には、発電電力G1を制限値B1以下に制限しないが、消費可能な電力に応じて発電電力G1を制御する。例えば晴天時に太陽電池を含む分散型電源102が電力を供給できる状態であっても、パワーコンディショナ103は、消費可能な電力しか分散型電源102から電力を取得できないことになる。この場合、分散型電源102が供給できる最大の電力と、パワーコンディショナ103が分散型電源102から実際に取得する電力との差が無駄電力になる。したがって、出力抑制がかかっている期間中には、売電電力の有無に関わらず、無駄電力が生じる可能性がある。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、出力抑制を要請される期間における無駄電力を予測する。エネルギー予測システム1は、無駄電力を利用するように発電システム100の使用者(エネルギー予測システム1の使用者)に促すことができる。エネルギー予測システム1は、出力抑制を要請される期間における使用電力を増やすように発電システム100の使用者に促すことにより、無駄電力を減らしやすくすることができる。
本実施形態の発電システム100は、需要家施設の一例である戸建ての住宅に設けられている。エネルギー予測システム1は、戸建て住宅の住人(発電システム100の使用者)が使用する。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、電気事業者などのサーバ装置101と、電波を用いた無線通信により通信を行う。より詳細には、エネルギー予測システム1は、無線通信によりサーバ装置101が接続されているネットワークと通信する。パワーコンディショナ103は、分電盤109を介して、分散型電源102と、電気的な負荷105と、電力系統104とにそれぞれ電気的に接続されている。
複数の負荷105は、複数の電気機器からなる。複数の負荷105は、例えば、風呂用の電気湯沸かし器、電気給湯器、洗濯機、炊飯器、電気暖房器具などである。複数の負荷105は、より詳細には、第1負荷106(特定負荷)と、第2負荷107(特定負荷)と、第3負荷108とからなる。第1負荷106〜第3負荷108はそれぞれ、少なくとも1台の電気機器を含む。以下、第1負荷106と、第2負荷107と、第3負荷108とを区別しない場合には、第1負荷106と、第2負荷107と、第3負荷108を「負荷105」と呼ぶ。第1負荷106は、図3における第1期間T1で動作する予定の電気機器である。第2負荷107は、図3における第2期間T3で動作する予定の電気機器である。第3負荷108は、図3における対象期間T2で動作する予定の電気機器である。なお、第1負荷106〜第3負荷108については後述する。
分電盤109は、発電システム100及び電力系統104の少なくとも一方から供給される電力を負荷105に出力する。分電盤109は、パワーコンディショナ103から出力される発電システム100の電力を電力系統104に出力(逆潮流)する機能を有する。パワーコンディショナ103からの電力を電力系統104に出力することにより、発電システム100の所有者(電気事業者などとの売電契約者)は、電気事業者などに売電する。発電システム100が電力系統104に売電する電力を売電電力S1と呼ぶ。
サーバ装置101は、出力抑制を要請される対象期間T2を含むスケジュール情報D1を送信(送出)する。スケジュール情報D1には、少なくとも1つの対象期間T2が含まれる。スケジュール情報D1には対象期間T2の開始のタイミングt2と、対象期間T2の終了のタイミングt3と、対象期間T2における出力抑制の度合いを指定する情報とが含まれている。
電気事業者は、制限値B1を出力抑制の度合いに基づいて指定する場合がある。出力抑制の度合いとは、一例として、発電システム100が出力可能な最大電力に対する割合である。例えば、発電システム100の最大の出力が10[kW]である場合に、出力抑制の度合いが40%であるとすると、制限値B1は4[kW]となる。なお、出力抑制の度合いとは、他にも例えば、発電システム100が電力系統104に出力可能な最大電力に対する割合であってもよい。
タイミングt2,t3は、日時情報である。スケジュール情報D1に複数の対象期間T2が含まれる場合、スケジュール情報D1には、対象期間T2ごとに異なる「出力抑制の度合い」が含まれる。電気事業者は、スケジュール情報D1に基づいて、複数の対象期間T2における発電システム100の売電電力(つまり電気事業者などの買電電力)を調整することができる。なお、以下の説明では、一例として、複数の対象期間T2のうちの1つの対象期間T2について説明する。
発電システム100は、例えば、電波を用いた無線通信機能を有している。発電システム100は、出力抑制を要請される対象期間T2(図2参照)の開始のタイミングt2と、対象期間T2の終了のタイミングt3とに関する情報を取得する。発電システム100は、一例として、エネルギー予測システム1からその情報を受信する。なお、発電システム100は、エネルギー予測システム1と通信を行うことに限定されず、例えば有線通信及び無線通信によりインターネット回線などを通じてサーバ装置101と通信を行って対象期間T2に関する情報を取得してもよい。
エネルギー予測システム1は、図1に示すように、取得部2と、発電電力予測部4と、使用電力予測部8と、売電電力予測部5(出力電力予測部)と、無駄電力予測部6と、を備える。本実施形態のエネルギー予測システム1は更に、表示制御部90と、判断部10と、負荷指定部11と、通信制御部7と、表示部9と、第1記憶部12(記憶部)と、第2記憶部70とを備える。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、マイクロコンピュータ60を主構成としている。マイクロコンピュータ60がメモリから読み込んだプログラムを実行することにより、通信制御部7と、無駄電力予測部6と、発電電力予測部4と、売電電力予測部5と、使用電力予測部8と、を実現する。また、エネルギー予測システム1は、マイクロコンピュータ60がメモリから読み込んだプログラムを実行することにより、表示制御部90と、判断部10と、負荷指定部11とを実現する。なお、表示部9と、表示制御部90と、判断部10と、負荷指定部11と、については後述する。
第2記憶部70は、一例として、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)からなる。第2記憶部70は、発電システム100が電力系統104に出力可能な最大の売電電力の電力値を保持している。この電力値は、発電システム100が電気事業者などと売電についての契約を行う際に定められる電力値である。例えば、発電システム100の最大の出力が10[kW]である場合に、出力抑制の度合いが40%であるとすると、対象期間T2の売電電力S1の最大値(制限値B1)は、4[kW]となる。
第2記憶部70は更に、第1データベースと、制限値B1と、第2データベースと、予測無駄電力EA1との比較に用いられる規定値と、を保持する。なお、第1データベースと、制限値B1と、規定値と、については後述する。
取得部2は、サーバ装置101から送信される電波を受信するアンテナを有する。取得部2は、サーバ装置101からスケジュール情報D1を取得する。通信制御部7は、取得部2で取得した信号に含まれる情報を取得して、制御部71に出力する。取得部2は、スケジュール情報D1の他にも、一例として、天気情報を取得する。天気情報は、サーバ装置101とは別の外部のサーバ装置などから送信される。天気情報は、一例として、1日(24時間)における1時間ごとの天気予報情報と、気温情報と、湿度情報とが含まれる。通信制御部7は、一例として、定期的に取得部2に信号を取得させる。なお、取得部2のアンテナは、通信制御部7が対象期間T2に関する情報を発電システム100に送信するためにも用いられる。
発電電力予測部4は、図2に示すように、対象期間T2におけるパワーコンディショナ103が出力可能な電力を予測発電電力EG1として予測する。予測発電電力EG1の最大値は、太陽電池の発電状況に応じて変化するので、時刻に応じて変動する。発電電力予測部4は、過去の一定期間(例えば数日間)においてパワーコンディショナ103が実際に出力した発電電力G1に基づいて、(将来の)対象期間T2における予測発電電力EG1を予測する。発電電力予測部4は、過去1年間の日時ごとの発電電力G1を記録した「第1データベース」に基づいて予測発電電力EG1を予測する。第1データベースは、一例として、第2記憶部70に記憶されている。本実施形態の発電電力予測部4は、一例として、第1データベースに含まれる特定の時期(例えば過去数日間)の発電電力G1の推移と、通信制御部7が取得した天気情報とに基づいて、予測発電電力EG1を予測する。発電電力予測部4は、一例として、対象期間T2における日照時間の長さに応じて、予測発電電力EG1の予測値を変化させる。発電電力予測部4は、一例として、特定の時期の発電電力G1の推移から定まる電力値(例えば平均値など)と、天気予報の日照時間の値とを乗算して予測発電電力EG1を求める。なお、発電電力予測部4は、他の例として、スケジュール情報D1と、天気情報と、過去の発電電力G1と、蓄電池の残りの電力とのうち少なくとも1つに基づいて予測発電電力EG1を予測してもよい。また、予測発電電力EG1に対して、パワーコンディショナ103が実際に出力した電力のことを「発電電力G1」と呼び、予測発電電力EG1と区別して説明する。なお、発電電力予測部4は、パワーコンディショナ103からの出力電力に代えて、分散型電源102が発電可能な電力を予測発電電力EG1として予測するように構成されていてもよい。
使用電力予測部8は、対象期間T2における複数の負荷105の消費電力C1を予測使用電力EC1として予測する。一方、以下の説明では、複数の負荷105が実際に消費した電力のことを「消費電力C1」と呼び、予測使用電力EC1と区別して説明する。「複数の負荷105の消費電力C1」とは、複数の負荷105全体の消費電力である。使用電力予測部8は、一例として、過去の一定期間(例えば数日間)における複数の負荷105全体の消費電力C1の推移に基づいて、予測使用電力EC1を予測する。
第2データベースは、過去の一定期間において複数の負荷105が消費した合計の消費電力に関する情報(例えば消費電力の推移)を保持している。第2データベースは、第2記憶部70に記憶されている。使用電力予測部8は、一例として、対象期間T2の1週間前の日における消費電力の推移に基づいて、対象期間T2の予測使用電力EC1を予測する。
売電電力予測部5は、制限値B1に基づいて、対象期間T2において電力系統104に出力する電力を予測売電電力ES1として予測する。売電電力予測部5は、一例として、制限値B1が、対象期間T2ごとに変化する場合、それぞれの対象期間T2に対応する制限値B1から、予測使用電力EC1を引く演算により、予測売電電力ES1を予測する。なお、以下の説明では、発電システム100が(対象期間T2において)実際に電力系統104に出力した(売電した)電力のことを「売電電力S1」と呼び、予測売電電力ES1と区別して説明する。
無駄電力予測部6は、対象期間T2における無駄電力を予測無駄電力EA1として予測する。「予測無駄電力EA1」とは、対象期間T2における予測発電電力EG1から、予測使用電力EC1と、予測売電電力ES1と、を引く演算によって求まる電力である。なお、予測売電電力ES1は、制限値B1から予測使用電力EC1を引いた結果、正となる場合の電力とする。予測使用電力EC1が制限値B1を上回る場合には、予測売電電力ES1の値は負となるが、この場合、無駄電力予測部6は予測売電電力ES1をゼロとみなす。
予測無駄電力EA1は、発電システム100が発電可能な電力のうち対象期間T2において売電も消費もできない電力の予測値である。予測無駄電力EA1は、式で表すとEA1=EG1−EC1−ES1となる。
無駄電力予測部6は、発電電力予測部4から予測発電電力EG1を取得し、売電電力予測部5から予測売電電力ES1を取得する。無駄電力予測部6は、予測発電電力EG1から、予測使用電力EC1と、予測売電電力ES1と、を引く演算により予測無駄電力EA1を求める。なお、以下の説明では、分散型電源102が供給可能な電力があるにもかかわらずパワーコンディショナ103が分散型電源102から電力を取得しないために利用できない電力のことを「無駄電力A1」と呼び、予測無駄電力EA1と区別して説明する。無駄電力A1は、発電システム100が実際に発電した発電電力G1のうち売電も消費もされなかった電力であり、式で表すとA1=G1−C1−S1となる。
無駄電力予測部6は更に、予測無駄電力EA1が規定値(例えば1[kW])を上回るか否かを判定する。本実施形態の規定値は、一例として、およそ1[kW]であるが、この値に限定する趣旨ではない。規定値は、一例として、第2記憶部70に保持されている値である。
無駄電力予測部6は、予測無駄電力EA1と、規定値とを比較する。より詳細には、無駄電力予測部6は、予測売電電力ES1をほぼゼロとみなした場合に予測無駄電力EA1が規定値を上回るか否かの予測結果を表示制御部90に出力する。つまり無駄電力予測部6は、予測無駄電力EA1の予測に加えて、対象期間T2において売電しない場合の予測無駄電力EA1が規定値を上回るか否かを予測することができる。なお、表示制御部90については後述する。
パワーコンディショナ103が、対象期間T2において発電電力G1を制御する動作について図2を参照して説明する。パワーコンディショナ103は、出力抑制が要請される対象期間T2において電力系統104に電力を出力する(売電する)場合には、発電電力G1を制限値B1まで低下させる。つまり対象期間T2における売電時の発電電力G1の最大値は制限値B1に制限される。そのため、対象期間T2における予測無駄電力EA1は、予測発電電力EG1から制限値B1を引いた電力となる。
一方、出力抑制が要請される対象期間T2において、発電システム100が売電せずに複数の負荷105に電力を供給する場合には、パワーコンディショナ103は複数の負荷105の消費電力C1に応じて発電電力G1を出力する。この場合、予測売電電力ES1はゼロとなるが、パワーコンディショナ103の発電電力G1の出力は制限値B1に制限されない。つまり発電電力G1は、消費電力C1とほぼ等しい。例えば対象期間T2において、発電システム100が発電電力を売電しないで消費電力C1として消費させ、かつ消費電力C1を制限値B1よりも多くすることによって無駄電力A1を少なくすることができる。
次に、出力抑制が要請される対象期間T2において、無駄電力予測部6が、発電電力G1を売電する場合と消費する場合とを切り換えて予測無駄電力EA1を予測する動作について図3を参照して説明する。以下の説明では、出力抑制を要請される対象期間T2はタイミングt2〜t3の期間である。出力抑制を要請される対象期間T2以前の一定の期間(タイミングt1〜t2の期間)を「第1期間T1」と呼ぶ。対象期間T2以後の一定の期間(タイミングt3〜t4の期間)を「第2期間T3」と呼ぶ。第1期間T1及び第2期間T3は、出力抑制が要請されていない期間である。
図3では、第1期間T1と、対象期間T2と、第2期間T3とを合計した期間が24時間である例を示している。対象期間T2は、一例として、9時〜17時の期間である。対象期間T2においては、日照時間が第1期間T1及び第2期間T3よりも長いので、太陽電池による発電電力が増加する。そのため予測発電電力EG1は対象期間T2において最大となる。予測使用電力EC1は、一例として、夜にピークとなるように朝から徐々に増加している。第1期間T1において、早朝には予測使用電力EC1が予測発電電力EG1を上回っている。太陽の上昇に伴って予測発電電力EG1が増加すると、予測発電電力EG1が予測使用電力EC1を上回る。このタイミングをt11とする。タイミングt11〜t21の期間において、予測発電電力EG1が予測使用電力EC1を上回るので、余剰電力が生じる。発電電力予測部4は、タイミングt11〜t21の期間における余剰電力を予測売電電力ES1として予測する。
対象期間T2は、出力抑制を要請される期間であるため、対象期間T2において売電する場合、発電電力G1の最大値は制限値B1に制限される。売電中に予測使用電力EC1が徐々に増加して制限値B1に達すると、予測売電電力ES1はほぼゼロになる。予測売電電力ES1がゼロになるタイミングをt21とする。タイミングt2〜t21の期間(売電中)の予測無駄電力EA1(EA10)は、タイミングt2〜t21の期間における予測発電電力EG1から制限値B1を引いた電力となる。
タイミングt21〜t3の期間は、予測売電電力ES1はほぼゼロであるため、売電することができない(売電可能な電力がない)期間である。パワーコンディショナ103は、売電電力S1がほぼゼロになると、売電を停止して発電電力G1を複数の負荷105に供給する。対象期間T2において売電しない期間(タイミングt2〜t24の期間)のことを「期間T21」と呼ぶ。なお、タイミングt24とは、対象期間T2のうち、第2期間T3に近いタイミングであって、予測使用電力EC1が予測発電電力EG1に達するタイミングである。
無駄電力予測部6は、売電中に予測使用電力EC1が制限値B1に達するタイミングt21以降は、売電せずに発電電力G1を複数の負荷105に消費させる場合の予測無駄電力EA1(EA11)を予測する。パワーコンディショナ103は、例えば、タイミングt21〜t3の期間において実際の消費電力C1が発電電力G1以下の場合、消費電力C1とほぼ同じ電力を発電電力G1として出力することになる。
タイミングt21〜t24の期間において、予測無駄電力EA1(EA11)は、予測発電電力EG1から予測使用電力EC1を引いた電力である。タイミングt21〜t24の期間では、予測使用電力EC1は制限値B1以上となっている。そのため、予測無駄電力EA1(EA11)は、タイミングt21〜t24の期間において発電電力G1が制限値B1に制限されている場合に生じる無駄電力よりも少なくなる。
タイミングt21〜t24の期間で、予測使用電力EC1(EC11)よりも使用電力を増やすことができる場合には、無駄電力を更に減らすことができる。例えば、タイミングt21〜t24の期間の使用電力が、予測使用電力EC1(EC11)よりも大きい予測使用電力EC1(EC12)となる場合、予測無駄電力EA1(EA11)が更に減る。なお、予測使用電力EC1(EC12)が予測発電電力EG1に達するタイミングをt23とする(t23<t24)。図6におけるタイミングt23〜t3の期間では、予測使用電力EC1の減少に合わせて予測使用電力EC1(EC13)を低下させる場合の例を示している。
表示部9は、表示制御部90からの入力信号に応じて情報を表示する。表示部9は、予測無駄電力EA1に関する情報を表示することにより、住人に予測無駄電力EA1の有効利用を促す。表示部9は、一例として、液晶パネルにより構成されている。
表示制御部90は、表示部9に表示させる表示内容を制御する。表示制御部90は、少なくとも予測無駄電力EA1に応じた情報を表示部9に表示させる。また表示制御部90は、判断部10及び負荷指定部11の出力結果に応じた情報を表示部9に表示させる。
表示制御部90は、出力抑制を要請される対象期間T2において予測無駄電力EA1(EA11)(図3参照)が規定値を上回る予測結果が無駄電力予測部6から入力されると、図4に示すように、表示部9にメッセージM1を表示させる。メッセージM1には、対象期間T2において出力抑制が要請されることを示す情報と、対象期間T2の前に節電を促して、対象期間T2において少なくとも1つの負荷105を動作させることを促す情報とが含まれる。本実施形態のメッセージM1には、一例として、対象期間T2のタイミングt2,t3の日時情報と、予測無駄電力EA1(EA11)の電力を表す数値とが更に含まれている。住人は、メッセージM1によって、対象期間T2の前に節電が促され、かつ対象期間T2において少なくとも1つの負荷105を動作させやすくなるので、対象期間T2の無駄電力A1を減らしやすくなる。
負荷指定部11(図1参照)は、対象期間T2において、複数の負荷105のうち動作させることを推奨する少なくとも1つの負荷105を指定する。負荷指定部11は、一例として、第1記憶部12に記憶されている「負荷指定情報」に基づいて1つの負荷105を指定する。「負荷指定情報」とは、複数の負荷105のうち少なくとも1つの負荷105を指定する情報である。負荷指定情報は、一例として、電気給湯器を指定する情報である。電気給湯器は、複数の負荷105の中で比較的消費電力が大きい電気機器である。なお、負荷指定情報で指定する電気機器は、電気給湯器の他にも例えば、暖房器具、洗濯機、などでもよい。
表示制御部90は、負荷指定部11が指定した負荷105に対応する電気機器名を表示部9に表示させる。
表示制御部90は、図5に示すように、負荷指定部11が指定している負荷105の電気機器名を表示部9に表示させる。つまり表示制御部90は対象期間T2において動作させることを促す情報として、負荷指定部11が指定している負荷105の電気機器名を含むメッセージM2を表示部9に表示させる。メッセージM2には更に、対象期間T2において出力抑制が要請されることを示す情報と、対象期間T2において負荷105を動作させることを促す情報と、対象期間T2のタイミングt2,t3(日時情報)とが含まれている。住人は、メッセージM2で表示された電気機器名に対応する負荷105を、対象期間T2において動作させることにより、対象期間T2における消費電力C1を増やすことができる。そのため、タイミングt21〜t24の期間において無駄になる無駄電力A1が少なくなる。言い換えると、住人は、対象期間T2においてどの負荷105を動作させるべきかを考えることなく、メッセージM2で表示された電気機器名に対応する負荷105を動作させればよいので、対象期間T2において動作させるべき負荷105の選択の手間が省かれる。
第1記憶部12は、一例として、EEPROMからなる。第1記憶部12は、負荷指定情報と、第3データベースとを保持している。第3データベースは、過去の一定期間おける負荷105ごとの情報からなる。より詳細には、第3データベースは、複数の負荷105のそれぞれを判断部10が個別に認識するための認識情報(例えば、電気機器の名称、電気機器のIDなど)と、複数の負荷105のそれぞれの動作開始時間及び動作終了時間と、を含む。
ところで、第1期間T1において動作する予定の第1負荷106と、第2期間T3において動作する予定の第2負荷107との少なくとも一方が、期間T21において動作する場合、そうでない場合と比べて期間T21の消費電力C1が多くなる。一例として、第1負荷106が第1期間T1において動作せずに期間T21において動作し、かつ第2負荷107が第2期間T3において動作せずに期間T21において動作する場合について、図6を参照して説明する。
判断部10は、複数の負荷105のうち、第1期間T1において動作する第1負荷106の有無を認識する。判断部10は、第2期間T3において動作する第2負荷107の有無を認識する。より詳細には、判断部10は、一例として、過去の一定期間(例えば1か月間)における複数の負荷105ごとの動作状態の情報に基づいて、第1負荷106と第2負荷107とを認識する。より詳細には、判断部10は、複数の負荷105のそれぞれの負荷105における、1時間ごとの動作状態の情報に基づいて複数の負荷105を第1負荷106と第2負荷107とに分けて認識する。判断部10は、複数の負荷105を第1負荷106と第2負荷107とに分けて認識するために、第1記憶部12に保持されている第3データベースを用いる。一例として、第3データベースに、7時〜8時に動作する洗濯機と、19〜20時に動作する電気給湯器が登録されている例を説明する。
図6は、予測使用電力EC1(EC11)と、予測使用電力EC1(EC11)よりも大きな電力となる予測使用電力EC1(EC13)との時間変化を表すグラフである。図6の軸は図3と同様である。判断部10は、一例として、第1期間T1におけるタイミングt11からタイミングt2の期間T11において第1負荷106が動作することを認識する。判断部10が、タイミングt24からタイミングt31の期間T31において第2負荷107が動作することを認識する。判断部10は、洗濯機を第1負荷106と認識し、電気給湯器を第2負荷107と認識する。
負荷指定部11は、判断部10の認識結果に基づいて、複数の第1負荷106から少なくとも1つの第1負荷106を指定する。負荷指定部11は更に、複数の第2負荷107から少なくとも1つの第2負荷107を指定し、合計で2つの負荷を指定する。
表示制御部90は、負荷指定部11が指定した2つの負荷105にそれぞれ対応する電気機器名を表示部9に表示させる。このとき表示制御部90は更に、2つの負荷105のそれぞれの負荷が動作を開始する予定であった期間もあわせて表示する。表示制御部90は、一例として、期間T11において動作を開始する予定であった洗濯機と、期間T31において動作を開始する予定であった電気給湯器とを、期間T21において動作させるように促す情報を表示部9に表示させる。表示制御部90は、例えば第1期間T1及び第2期間T3よりも、期間T21における消費電力C1が大きくなるように、第1負荷106、第2負荷107の動作の開始タイミングをずらすよう促す情報を表示部9に表示させる。
住人は、第1負荷106を、期間T11において動作を開始させずに、期間T21内において動作させる場合、期間T21における消費電力を、予測使用電力EC11から予測使用電力EC13に増やすことができる。住人は、第2負荷107を、期間T31において動作を開始させずに、期間T21内において動作させる場合、期間T21における消費電力を、予測使用電力EC11から予測使用電力EC13に増やすことができる。
図6では、住人が、洗濯機を期間T21内の期間T22において動作させ、電気給湯器を期間T21内の期間T23において動作させた例を示している。期間T22は、タイミングt2からタイミングt22までの期間であり、期間T23は、タイミングt22からタイミングt3までの期間である。なお、図6に示す期間T22と期間T23とは期間T21内で互いに重なり合う期間を有していてもよい。
第1負荷106を、期間T11において動作を開始させずに、期間T21内において動作させる場合、期間T11において第1負荷106が消費する電力を売電することができるので、期間T11における予測売電電力ES1(図3参照)が多くなる。そして第1負荷106を、期間T11において動作を開始させずに、対象期間T2内において動作させる場合、対象期間T2における消費電力C1は、第1負荷106が消費する電力分だけ多くなる。
期間T31は、タイミングt24からタイミングt31までの期間である。タイミングt31は、タイミングt3とタイミングt4との間のタイミングである。第2負荷107を、期間T31において動作を開始させずに、期間T21内において動作させる場合、期間T21における消費電力C1は、第2負荷107が消費する電力分だけ多くなる。したがって、期間T21における消費電力C1が第1負荷106及び第2負荷107の消費電力の合計分だけ増えるので、期間T21における無駄電力A1を減らすことができる。
なお、期間T31では、予測使用電力EC1(EC11)が予測発電電力EG1以上となる期間であるため、期間T31における消費電力C1を減らすことにより、期間T31において不足する電力(例えば電力会社から買う電力)を減らすことができる。
以上説明したように、本実施形態のエネルギー予測システム1は、取得部2と、発電電力予測部4と、使用電力予測部8と、売電電力予測部5(出力電力予測部)と、無駄電力予測部6と、を備える。取得部2は、複数の負荷105及び電力系統104に電力を出力可能な発電システム100に対する出力抑制に関するスケジュール情報D1を取得する。発電電力予測部4は、出力抑制の対象となる対象期間T2において発電システム100が発電可能な電力を、予測発電電力EG1として予測する。使用電力予測部8は、対象期間T2における複数の負荷105の使用電力の合計を、予測使用電力EC1として予測する。売電電力予測部5(出力電力予測部)は、対象期間T2において発電システム100から電力系統104に出力が許容される電力を、予測売電電力ES1(予測出力電力)として予測する。無駄電力予測部6は、予測発電電力EG1から、予測使用電力EC1と、予測売電電力ES1(予測出力電力)と、を引く演算により予測無駄電力EA1を予測する。
上記構成によれば、無駄電力予測部6は、予測発電電力EG1から、予測使用電力EC1と、予測売電電力ES1(予測出力電力)と、を引く演算により対象期間T2における予測無駄電力EA1を予測する。言いかえると、エネルギー予測システム1は、出力抑制がかかっている対象期間T2中に電力系統104に出力することも複数の負荷に105消費させることもできない電力を予測無駄電力EA1として予測することができる。
本実施形態のエネルギー予測システム1において、スケジュール情報D1は、対象期間T2と、対象期間T2における出力抑制の度合いとを含むことが好ましい。売電電力予測部5(出力電力予測部)は、スケジュール情報D1に基づいて予測売電電力ES1(予測出力電力)を予測する。
上記構成によれば、売電電力予測部5(出力電力予測部)は、スケジュール情報D1に基づいて予測売電電力ES1を予測することができる。また、対象期間T2が複数ある場合でも、売電電力予測部5(出力電力予測部)は、対象期間T2における出力抑制の度合いに基づいて、対象期間T2ごとの予測売電電力ES1を予測することができる。したがって、無駄電力予測部6は、出力抑制の度合いに応じて対象期間T2の予測無駄電力EA1を予測することができる。
本実施形態のエネルギー予測システム1において、対象期間T2における出力抑制の度合いは、発電システム100から出力することが可能な最大の電力(契約で許容されている最大電力)に対する割合で規定されることが好ましい。
これにより、売電電力予測部5(出力電力予測部)は、発電システム100が出力可能な最大電力に応じて制限値B1を求めることができる。売電電力予測部5(出力電力予測部)は、制限値B1に基づいて予測売電電力ES1を予測することができる。そのため、無駄電力予測部6は、対象期間T2における出力抑制の度合いに基づいて、予測無駄電力EA1を予測することができる。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、表示部9と、表示部9を制御する表示制御部90と、を備えることが好ましい。表示制御部90は、予測無駄電力EA1と規定値との比較結果に応じた情報を表示部9に表示させる。
これにより、表示制御部90は、予測無駄電力EA1と規定値との比較結果に応じた情報を表示部9に表示させることができる。そのため、エネルギー予測システム1は、予測無駄電力EA1と規定値との比較結果に応じて電力を消費するよう住人に促すことができる。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、複数の負荷105の中に対象期間T2と異なる期間に動作する予定の特定負荷(第1負荷106、第2負荷107)があるか否かを判断する判断部10を備えることが好ましい。表示制御部90は、予測無駄電力EA1が規定値を上回り、かつ特定負荷があると判断部10が判断した場合に、対象期間T2に特定負荷を動作させるように促す情報を、表示部9に表示させる。
これにより、表示制御部90は、複数の負荷105の中に特定負荷(第1負荷106、第2負荷107)がある場合に、特定負荷(第1負荷106、第2負荷107)を対象期間T2において動作させるよう促す情報を表示部9に表示させることができる。本実施形態では、表示制御部90は、予測無駄電力EA1が規定値を上回る予測結果が無駄電力予測部6から入力されると、第1負荷106と第2負荷107との少なくとも一方を対象期間T2において動作させるよう促す情報を表示部9に表示させる。これにより、住人は、第1負荷106と第2負荷107との少なくとも一方を対象期間T2において動作させやすくなる。また、第1負荷106と第2負荷107との少なくとも一方が対象期間T2において動作することにより、第1期間T1又は第2期間T3のうち少なくとも一方の期間の消費電力C1が抑制されて、より多くの電力を売電可能となる。
表示制御部90は、対象期間T2において予測無駄電力EA1が規定値を上回る場合に、対象期間T2において複数の負荷105のうち少なくとも1つの負荷105を動作させるよう促す情報を、表示部9に表示させることが好ましい。
これにより、規定値と比較した予測無駄電力EA1の大小に応じて、表示部9に電力を消費させるよう促す情報を表示させることができるようになる。
表示制御部90は、予測無駄電力EA1が規定値を上回る場合に、表示部9に電力の消費を促す情報を表示させているが、予測無駄電力EA1が規定値を下回る場合にも、表示部9に情報を表示させる。表示制御部90は、予測無駄電力EA1が規定値を下回る予測結果が無駄電力予測部6から入力されると、対象期間T2において、少なくとも1つ負荷105の動作を停止させるよう促す情報を表示部9に表示させる。
このように、表示制御部90は、対象期間T2において予測無駄電力EA1が規定値を下回る場合に、複数の負荷105のうち少なくとも1つの負荷105を停止させるよう促す情報を、表示部9に表示させる。
これにより、対象期間T2において、予測売電電力ES1と予測使用電力EC1とを合わせた電力が予測発電電力EG1を上回ることにより予測無駄電力EA1が規定値を下回る場合には、表示部9に電力の消費を抑えるように促す情報が表示される。よって、住人は、対象期間T2における消費電力C1を多くしすぎないよう促される。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、複数の負荷105のうち少なくとも1つの負荷105を指定する負荷指定部11を備えることが好ましい。表示制御部90は、対象期間T2において、予測無駄電力EA1が規定値を上回る場合に、対象期間T2において負荷指定部11が指定する少なくとも1つの負荷105を動作させるよう促す情報を、表示部9に表示させる。
これにより、住人は、少なくとも1つの負荷105を対象期間T2において動作させる際に、少なくとも1つの負荷105を選択しやすくなる。これにより、対象期間T2における無駄電力A1を少なくしやすくなる。負荷指定部11は、例えば第1記憶部12に保持された負荷指定情報に基づいて負荷105を指定することができる。
本実施形態のエネルギー予測システム1において、負荷指定部11は、予測無駄電力EA1の大きさに応じて少なくとも1つの負荷105を指定することが好ましい。
これにより、負荷指定部11は、一例として、予測無駄電力EA1の電力が大きいほど、消費電力の大きい負荷105を指定することができる。そのため、負荷指定部11は、予測無駄電力EA1の大きさに応じて無駄電力A1を少なくできるように負荷105を指定することができる。
ところで、負荷指定部11は、負荷105ごとの使用頻度に基づいて負荷105を指定してもよい。この場合、第3データベースには、過去の一定期間おける負荷105ごとの使用頻度が含まれていればよい。過去の一定期間おける負荷105ごとの使用頻度は、例えば、過去の一定の時間帯における使用回数などである。一例として毎日、特定の時間帯で特定の負荷105を動作させている場合、特定の時間帯における特定の負荷105の使用頻度の値は大きくなる。負荷指定部11は、複数の負荷105のうち使用頻度が所定値(例えば4回)を上回る負荷105を指定する。負荷指定部11は、一例として、1週間のうち少なくとも5回以上使う複数の負荷105から対象期間T2において動作させる負荷105を指定する。なお、過去の一定期間おける負荷105ごとの使用頻度は、例えば24時間における使用回数及び1週間における使用回数などでもよい。
このように、エネルギー予測システム1は、複数の負荷105ごとの使用頻度を記憶する第1記憶部12(記憶部)を備えることが好ましい。負荷指定部11は、複数の負荷105のうち使用頻度が所定値を上回る負荷105を指定する。
これにより、負荷指定部11は、複数の負荷105のうち、使用頻度が高い負荷105を指定することができる。住人は、対象期間T2において使用頻度の高い負荷105を優先的に選択しやすくなる。
本実施形態において、発電電力予測部4は、天気情報及び過去の一定期間の発電状況に基づいて対象期間T2の発電電力を予測することができる。そのため、発電電力予測部4は、天気情報及び過去の一定期間の発電状況に基づかない予測を行う場合と比べて、発電電力の予測精度を高めることができる。
本実施形態において、使用電力予測部8は、複数の負荷105における過去の消費電力C1を用いて予測使用電力EC1を予測するので、複数の負荷105における過去の使用状況に応じて予測使用電力EC1を予測することができる。例えば使用電力予測部8は、住人による複数の負荷105の使用履歴や使用傾向に応じて予測使用電力EC1を予測する。したがって、無駄電力予測部6は、住人による複数の負荷105の使用履歴や使用傾向に応じて予測無駄電力EA1を求めることができる。
本実施形態において、無駄電力予測部6は、対象期間T2において予測売電電力ES1が正ではない値である場合には予測売電電力ES1をゼロとみなし、かつ、対象期間T2において予測無駄電力EA1が生じるか否かを予測する。そのため、無駄電力予測部6は、電力系統104に電力を出力していか否かに関わらず、予測無駄電力EA1が生じるか否かを予測することができる。
ところで、負荷指定部11は、複数の第1負荷106の中から1つの第1負荷106と、複数の第2負荷107から1つの第2負荷107とを指定しなくてもよい。負荷指定部11は、第1負荷106又は第2負荷107から少なくとも1つの第1負荷106又は第2負荷107を指定してもよい。表示制御部90は、第1期間T1及び第2期間T3のうち少なくとも一方の期間で節電を促し、かつ対象期間T2において電力を消費するよう促す情報を、表示部9に表示させてもよい。
負荷指定部11は、無駄電力予測部6の予測結果と複数の負荷105のそれぞれの消費電力の大きさとに応じて対象期間T2において動作させる負荷105を指定してもよい。この場合、負荷指定部11は、一例として、複数の負荷105のうち、消費電力が比較的高い負荷を第1グループの負荷とし、第1グループの負荷よりも消費電力が低い負荷を第2グループの負荷として識別する。負荷指定部11は、予測無駄電力EA1が所定の基準値を上回る場合、第1グループの負荷の中から少なくとも1台の負荷を選ぶ。負荷指定部11は、予測無駄電力EA1が所定の基準値を下回る場合、第2グループの負荷の中から少なくとも1台の負荷を選ぶ。
使用電力予測部8は、一例として、対象期間T2の1週間前の日時における負荷105の消費電力に基づいて、対象期間T2の予測使用電力EC1を予測するが、この日時に限定される趣旨ではない。使用電力予測部8は、少なくとも1つの期間における負荷105の消費電力に基づいて予測使用電力EC1を予測してもよい。
発電電力予測部4は、1週間前の発電電力G1に基づいて予測発電電力EG1を予測することに限定される趣旨ではない。発電電力予測部4は、過去の期間(例えば前日など)における発電電力G1の推移に基づいて予測使用電力EC1を予測してもよい。
負荷指定情報は、住人が事前に複数の負荷105の中から少なくとも1つ選択した負荷105を指定する情報であってもよい。一例として、エネルギー予測システム1が操作部を備えていて、住人がその操作部を操作することにより、少なくとも1つの負荷105を選択する。その際に選択された少なくとも1つの負荷105を指定する情報が、負荷指定情報として第1記憶部12に保持されていてもよい。また、負荷指定情報は、第1記憶部12に保持されることに限定されず、一例として第2記憶部70に保持されてもよい。
第1記憶部12に保持されている第3データベースは、取得部2によって取得される情報に基づいて更新されてもよい。制御部71は、その情報に基づいて、第1記憶部12の第3データベースを更新する。
第2記憶部70は、第1記憶部12を兼ねていてもよい。第1記憶部12及び第2記憶部70は、マイクロコンピュータ60の内蔵メモリで構成されていてもよい。
表示部9は、液晶パネルで構成されることに限定されず、他の例として、有機エレクトロルミネッセンスパネルなどで構成されてもよい。
発電電力予測部4は、過去の発電電力G1と、天気情報との両方を用いて予測発電電力EG1を予測することに限定されない。発電電力予測部4は、発電電力G1及び天気情報のうち少なくとも一方を用いて予測発電電力EG1を予測してもよい。
エネルギー予測システム1は、パワーコンディショナ103との間で有線通信又は無線通信により通信を行う電力情報取得部を更に備えていてもよい。例えば、その電力情報取得部が外部の機器から受信した情報に基づいて、制御部71が、第2記憶部70に保持されている第2データベースを更新してもよい。他にも例えばエネルギー予測システム1は、その電力情報取得部から、制限値B1(出力抑制の度合い)に関する情報をパワーコンディショナ103に送信してもよい。パワーコンディショナ103は、受信した制限値B1に関する情報に基づいて、売電電力S1を調整することができる。
出力抑制の度合いは、発電システム100が電力系統104に出力可能な最大電力に対する割合として指定されることに限定されず、一例として、電気事業者などが制限値B1を直接指定してもよい。また、出力抑制の度合い及び制限値B1は、複数の対象期間T2がスケジュール情報D1に含まれている場合、対象期間T2ごとに異なる値であってもよいし、全ての対象期間T2において共通する値であってもよい。また出力抑制の度合い及び制限値B1は、スケジュール情報D1に含まれることに限定されず、第2記憶部70などに保持されていてもよい。一例として、電気事業者などが、あらかじめ定めた所定値を売電電力S1の上限値として発電システム100の所有者に指定する場合、スケジュール情報D1には、出力抑制の度合い及び制限値B1の何れも含まれていなくてもよい。
分散型電源102は、太陽電池、蓄電池、燃料電池の他にも、例えば、化石エネルギーを利用するエンジン(ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガスタービンエンジンなど)で電力を発電してもよい。他にも例えば、分散型電源102は、風力発電や廃熱などの熱を利用して発電してもよい。
サーバ装置101及びサーバ装置101が接続されるネットワークは、取得部2にスケジュール情報D1を送信する適宜の構成でよい。
取得部2は、電波を用いた無線通信によりスケジュール情報D1をサーバ装置101から取得するが、この構成に限定されない。取得部2の通信方法は、電波の他にも、例えば光及び音を用いた無線通信でもよい。また取得部2は、有線通信によりサーバ装置101からスケジュール情報D1を取得してもよい。
通信制御部7、制御部71、無駄電力予測部6、発電電力予測部4、売電電力予測部5、使用電力予測部8は、1つのマイクロコンピュータ60に適宜のプログラムを実行させることにより実現されているが、この構成に限定されない。また表示制御部90、負荷指定部11及び判断部10は、上記した1つのマイクロコンピュータに適宜のプログラムを実行させることにより実現されているが、この構成に限定されない。エネルギー予測システム1は、2つ以上のマイクロコンピュータを備えていてもよい。また、エネルギー予測システム1は、マイクロコンピュータに代えて、IC(Integrated Circuit)などを備えていてもよい。
表示部9は、メッセージM1,M2を表示する例を説明したが、メッセージM1,M2は、文字の他にも例えば、図形及び記号含んでいてもよい。
発電電力予測部4、売電電力予測部5、使用電力予測部8はそれぞれ、対象期間T2以外の期間(例えば第1期間T1及び第2期間T3の少なくとも一方)について、発電電力G1、売電電力S1及び消費電力C1のそれぞれの値を予測してもよい。
無駄電力予測部6は、予測発電電力EG1から、蓄電池の充電に使用される電力を除いて予測使用電力EC1を求めてもよい。直流電力で充電される蓄電池の場合、パワーコンディショナ103は、太陽光発電の直流電力を用いて蓄電池を充電可能である。そのため、無駄電力予測部6は、蓄電池を充電する場合、予測発電電力EG1から、蓄電池の充電に使用される電力を除いて予測使用電力EC1を求めてもよい。蓄電池などの充電可能な装置を、分散型電源102の発電した電力で充電する場合、対象期間T2における予測無駄電力EA1を少なくすることができる。
本実施形態のエネルギー予測システム1は、戸建て住宅で用いられる例を説明したが、この例に限定されず、商業施設などの適宜の施設で用いられてもよい。
発電システム100の電力は、電気事業者(電力会社)の他にも、一例として、電力アグリゲータに売電してもよい。
なお、出力抑制には、発電システム100が売電することを禁止するような要請が含まれる。この場合、売電電力予測部5は、予測売電電力ES1をゼロと予測する。この場合、無駄電力A1は、発電電力G1から消費電力C1を引いた電力となり、式で表すと、A1=G1−C1となり、制限値B1(売電電力S1)をゼロとして演算した場合と等しい。この場合であっても、無駄電力予測部6は、予測無駄電力EA1を予測することができる。
(実施形態2)
本実施形態のエネルギー予測システム1aについて、図7〜図12に基づいて説明する。本実施形態のエネルギー予測システム1aは、図7に示すように、実施形態1のエネルギー予測システム1の構成に加えて、更に電力情報取得部3を備えている。本実施形態における発電システム100aは、パワーコンディショナ103に代えてパワーコンディショナ200を有する。パワーコンディショナ200は、電波を用いた無線通信する機能を有する。電力情報取得部3は、無線通信によりパワーコンディショナ200と通信を行う点が、実施形態1と相違する。分散型電源102は、蓄電池110を含む。なお、エネルギー予測システム1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
パワーコンディショナ200は、通信部201と、第3記憶部202と、更新部203とを有している。通信部201は、電波を用いた無線通信を行うアンテナを有している。第3記憶部202は、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1(出力電力情報)と、消費電力情報DC1とを保持する。第3記憶部202は更に、蓄電電力情報DB1を保持する。発電電力情報DG1は、一定期間(例えば1年間)にパワーコンディショナ200が出力した発電電力G1の推移を表す情報を含む。売電電力情報DS1は、一定期間に売電した電力(売電電力S1)の推移を表す情報を含む。消費電力情報DC1は、一定期間に複数の負荷105全体が消費した消費電力C1の推移を表す情報を含む。蓄電電力情報DB1は、分散型電源102の蓄電池110が充電される際に消費した電力の推移を表す情報である。発電電力情報DG1の電力値と、売電電力情報DS1の電力値と、消費電力情報DC1の電力値と、蓄電電力情報DB1の電力値とはそれぞれ、一例として、計測部が計測した電力値である。なお、パワーコンディショナ200の他の構成は、実施形態1のパワーコンディショナ103と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
更新部203は、一例として、マイクロコンピュータ60がメモリからプログラムを読み込んで実行することにより実現される。更新部203は、所定時間(例えば数秒)が経過するごとに、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1と、蓄電電力情報DB1とを更新する。より詳細には、更新部203は、所定時間が経過するごとに、計測部が計測した発電電力G1の電力値、売電電力S1の電力値及び消費電力C1の電力値を、それぞれ、発電電力情報DG1、売電電力情報DS1及び消費電力情報DC1に追加する。更新部203は、蓄電電力情報DB1の電力値を蓄電電力情報DB1に追加する。所定時間が数秒である場合、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1と、蓄電電力情報DB1とがリアルタイムに更新されるとみなすことができる。
第3記憶部202は、一例としてマイクロコンピュータ60が内蔵しているメモリで構成される。
通信部201は、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1と、蓄電電力情報DB1とを電力情報取得部3に送信する。
電力情報取得部3は、電波を用いた無線通信を行うアンテナを有する。電力情報取得部3は、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1とを受信して、発電電力G1と、売電電力S1と、消費電力C1とのそれぞれの値を第2記憶部70に保持させる。また電力情報取得部3は、蓄電電力情報DB1を受信して、蓄電池110の充電に使用した電力の値を第2記憶部70に保持させる。
制御部71は、第2記憶部70から発電電力G1の値と、蓄電池110の充電に使用した電力の値と売電電力S1の値と、消費電力C1の値と、を取得する。制御部71は、発電電力G1の値から、消費電力C1の値と、蓄電池110の充電に使用した電力の値と、売電電力S1の値と、を引く演算により無駄電力A1の値を求める。制御部71は、売電電力S1の値がほぼゼロ、かつ無駄電力A1の値が規定値を上回るか否かを判定し、判定結果を表示制御部90に通知する。
表示制御部90は、売電電力S1の値がほぼゼロ、かつ無駄電力A1の値が規定値を上回ることを制御部71から通知されると、図8に示すように、無駄電力A1が発生していることを住人に知らせるメッセージM3を表示部9に表示させる。メッセージM3には更に、現在、出力抑制が要請されている対象期間T2であることを知らせる情報と、電力消費を促す情報とが含まれる。住人は、表示部9を見て、無駄電力A1が余っていることを知ることができる。住人は、一例として、メッセージM3を見て、複数の負荷105のうち動作していない負荷105の少なくとも1つを動作させることにより、対象期間T2における無駄電力A1を少なくすることができる。
ところで、無駄電力A1が規定値を下回る状態とは、対象期間T2において消費電力C1が発電電力G1を上回っている状態である。そこで、表示制御部90は、無駄電力A1が規定値を下回ることを通知されると、図9に示すように、消費電力C1が多くなっていることを住人に知らせるメッセージM4を表示部9に表示させる。より詳細には、メッセージM4は、住人に、消費電力C1を抑制するよう促す情報である。住人は、表示部9を見て、発電電力G1を超えるほど消費電力C1及び蓄電池110の充電に使用した電力が多くなっていることを知ることができる。住人は、メッセージM4を見て、動作させている複数の負荷105のうち少なくとも1つの動作を停止させることにより、対象期間T2における消費電力C1を少なくすることができる。住人は、一例として、メッセージM4が表示されなくなるまで、複数の負荷105を1つずつ動作停止状態にすることにより、消費電力C1を発電電力G1以下にすることができる。また住人は、蓄電池110の充電を停止することができる。
表示制御部90は、図10A,10Bに示すように、発電電力G1の値と、売電電力S1の値と、発電電力G1の値から売電電力S1の値を引いた電力の値と、消費電力C1の値と、蓄電池110の充電に使用した電力の値と、を表示部9に表示させる。表示制御部90は、発電システム100aが発電した電力の値をメッセージM13として表示し、売電電力S1の値をメッセージM14として表示する。表示制御部90は、消費電力C1の値をメッセージM15として表示する。表示制御部90は、蓄電池110の充電に電力が使用されている場合には、蓄電池110の充電に使用した電力の値をメッセージM18(図10B参照)として表示する。メッセージM13,M14,M15,M18はそれぞれ、発電した電力である旨、売電した電力である旨、消費した電力である旨及び蓄電池110の充電に使用した電力である旨を示す情報を含む。表示制御部90は、蓄電池110の充電に電力が使用されていない場合(例えば蓄電池110の充電に使用した電力の値が0.0[kW]の場合)、メッセージM18の表示を省略する(図10A参照)。なお、表示制御部90は、メッセージM18の表示を省略しないように構成されていてもよい。その場合、表示制御部90は、蓄電池110の充電に電力が使用されていなくても、例えば「蓄電池110の充電に使用した電力の値が0.0[kW]である」ことを示すメッセージM18を表示させる。
表示制御部90は、発電システム100aが発電した電力の値から制限値B1を引いた電力の値をメッセージM16(図10B参照)として表示する。つまりメッセージM16は、制限値B1を超えて発電システム100aが発電した電力を示す。メッセージM16が示す値は、後述する「効果金額」の算出に用いられる。
表示制御部90は、出力抑制が要請されていること、及び、出力抑制中に売電していることを示す情報をメッセージM17として表示する。表示制御部90は、所定時間が経過するごとに、メッセージM13〜M18を最新の情報に更新するように表示部9を制御する。なお、所定時間が数秒以内に定められているので、表示部9の表示内容がリアルタイムで更新されているとみなすことができる。
表示制御部90は更に、対象期間T2における出力抑制の度合いをメッセージM11として表示している。また表示制御部90は、制限値B1をメッセージM12として表示している。
図10Aは、対象期間T2において売電している状態の表示部9を示している。パワーコンディショナ200から出力される発電電力G1は、制限値B1(メッセージM12)と等しくなる。したがって、メッセージM14,M15で表示されたそれぞれの値の合計がメッセージM12で表示された値と等しくなる。なお、発電システム100aが発電した電力の値が制限値B1以下となっている場合、表示制御部90は、メッセージM16の表示を省略する。
図10Bは、対象期間T2において売電していない状態の表示部9を示している。売電電力S1の値がほぼゼロである場合、表示制御部90は、メッセージM14の表示を省略する。発電システム100aが発電する電力(メッセージM13)は、蓄電池110の充電(メッセージM18)と、消費電力C1とに使用されていることを示している。
住人は、対象期間T2において、メッセージM13とメッセージM16とを見ることにより、発電電力G1の値と、制限値B1を超えて発電している電力の値と、を知ることができる。また住人は、メッセージM15,M18を見ることにより、複数の負荷105が消費している電力値と、蓄電池110の充電に使用している電力値と、を知ることができる。言い換えると、表示制御部90は、出力抑制が要請される場合における発電システム100aの電力の使用状況を表示部9に表示させている。
住人は、表示部9を見ることにより、発電システム100aが発電した電力の使用状況がわかるので、出力抑制が発電システム100aに与える影響を知ることができるようになる。例えば、住人は、メッセージM12,14(図10A参照)を見ることにより、制限値B1と売電電力S1の値とを比較することができる。なお、図10Bの表示部9は、無駄電力A1の電力を蓄電池110の充電電力に使用していることを示しているため、表示部9を見た住人は、実際に無駄になった無駄電力A1はほぼゼロであることを知ることができる。
表示制御部90は、無駄電力A1の値をメッセージとして更に表示するように構成されていてもよい。その場合、住人は、無駄電力A1の値を知ることができるようになる。
表示制御部90は、一例として、エネルギー予測システム1aが備える操作部を、住人が操作した際に、その操作に応じて表示部9に表示させる表示画面を切り替えることができる。
表示制御部90は、過去の一定期間MT1(例えば1か月間)にわたる発電電力G1の値のグラフと、過去の一定期間MT1にわたる売電電力S1の値のグラフとを表示部9に表示させることができる。表示制御部90は、他にも例えば、過去の一定期間MT1にわたる発電電力G1の電力量のグラフと、過去の一定期間MT1にわたる売電電力S1の電力量のグラフとを表示部9に表示させることができる。住人が操作部を操作すると、操作内容に応じて、表示制御部90は過去の一定期間MT1における、発電電力G1の値(又は電力量)のグラフ及び売電電力S1の値(又は電力量)のグラフを表示部9に表示させる。表示制御部90は、図11に示すように、発電電力G1のグラフをグラフMG1として表示し、売電電力S1のグラフをグラフMS1として表示する。なお、図11では、発電電力G1の電力量のグラフ及び売電電力S1の電力量のグラフを表示している例を示している。グラフMG1,MS1の横軸には、過去の一定期間MT1を一定の時間間隔(例えば1日単位)で区切った目盛りが表示されている。なお、一定の時間間隔とは、1日単位である他にも、1週間単位、半年単位、1年単位などでもよい。また、一定の時間間隔が1時間単位以下の場合には、縦軸の表示単位を電力としてもよい。
表示制御部90は、対象期間T2において発電システム100aが発電した電力のうち、制限値B1を超えた電力分を金額に換算した場合の利益を、表示部9に表示させる。電力を金額に換算する方法としては、例えばその電力を売電できたと仮定した際の利益の計算方法などである。
対象期間T2において売電すると、発電システム100aは、制限値B1を超えて発電可能であっても、売電中は制限値B1を超える電力を発電電力G1として出力することができない。売電せずに制限値B1を超えて発電した際に、表示制御部90は、制限値B1を超えて消費した電力を金額に換算して表示部9に表示させる。言い換えると、制限値B1を超えて発電した電力を売電できたと仮定して、その際の利益を表示部9に表示させる。以下、この利益のことを「効果金額」と呼ぶ。効果金額は、無駄電力A1が少ないほど大きくなる。無駄電力A1が少ないほど、効果金額が大きくなるので、住人(発電システム100aの使用者)は、発電電力G1のうち無駄となる電力を、蓄電池110の充電電力及び消費電力C1として消費できていることを実感しやすくなる。
表示制御部90は、図12に示すように、過去の一定期間MT1(例えば7月1日〜7月31日)における効果金額をグラフMM1として表示部9に表示させる。グラフMM1の横軸には、過去の一定期間MT1を一定の時間間隔(例えば1日単位)で区切った目盛りが表示されている。住人は、グラフMM1から効果金額の値を知ることにより、無駄電力A1を少なくできていることを知ることができる。
以上説明したように、本実施形態のエネルギー予測システム1aは、電力情報取得部3を備える。電力情報取得部3は、発電システム100aが発電した電力(発電電力G1)を表す発電電力情報DG1と、発電システム100aが電力系統104に出力した電力(売電電力S1)を表す売電電力情報DS1(出力電力情報)と、を少なくとも取得する。表示制御部90は、発電電力情報DG1で表される電力(発電電力G1の値)、及び売電電力情報DS1で表される電力(売電電力S1の値)を表示部9に表示させる。
上記構成によれば、表示制御部90は、発電された電力と売電した電力とを表示部9に表示させる。住人は、表示部9に表示された情報を見ることにより、実際の発電電力と売電電力とを見比べることができる。また住人は、表示部9を見ることにより、出力抑制が発電システム100aに与える影響を知ることができるようになる。
表示制御部90は、過去の一定期間MT1にわたる発電電力情報DG1、及び過去の一定期間MT1にわたる売電電力情報DS1(出力電力情報)の両方を、一定の時間間隔で区切って表示部9に表示させることが好ましい。一定の時間間隔とは、一例として1日単位である。
上記構成によれば、表示制御部90は、過去の一定期間MT1にわたる発電電力G1の値及び売電電力S1の値を表示部9に表示させる。住人は、表示部9を見ることにより、過去の一定期間MT1における発電電力G1と売電電力S1との推移を見て、出力抑制が発電システム100aに与える影響を知ることができるようになる。住人は、発電電力G1と売電電力S1との推移に応じて、複数の負荷105のうちどの負荷105を動作させるべきかを考えることができるようになる。したがって、エネルギー予測システム1aは、少なくとも出力抑制がかかっている対象期間T2における無駄電力A1の利用を促すことができる。
電力情報取得部3は更に、少なくとも複数の負荷105が消費した電力(消費電力C1の値)を表す消費電力情報DC1を取得することが好ましい。表示制御部90は、消費電力情報DC1で表される電力(消費電力C1の値)を表示部9に表示させる。
上記構成によれば、表示制御部90は、複数の負荷105が消費した消費電力C1の値を表示部9に表示させる。住人は、発電電力G1からどれくらいの電力が複数の負荷105に消費されているか(つまり消費電力C1の値)を知ることができる。
本実施形態では、消費電力情報DC1には、複数の負荷105が消費した電力(消費電力C1の値)と、蓄電池110の充電に使用される電力とが含まれている。そのため、表示制御部90は、蓄電池110の充電に使用される電力をメッセージM18として表示させている。住人は、発電電力G1からどれくらいの電力が蓄電池110の充電に使用されているかを知ることができる。
電力情報取得部3は、所定時間(本実施形態では30秒)が経過するごとに消費電力情報DC1を取得し、表示制御部90は、所定時間が経過するごとに表示部9の表示内容を更新させることが好ましい。
これにより、表示制御部90は、所定時間が経過するごとに表示部9の表示内容を更新させる。本実施形態のエネルギー予測システム1aでは表示制御部90は、数秒以内に表示部9の表示内容を更新させているため、住人は、消費電力C1の電力をリアルタイムで知ることができる。
ところで、本実施形態のエネルギー予測システム1aでは、制御部71が無駄電力A1の値を求めているが、制御部71に代えて無駄電力予測部6が無駄電力A1の値を求めてもよい。
所定時間は数秒以内に定められることに限定されず、数分以内、又は数時間以内など、適宜の長さに定められていてもよい。
ところで、本実施形態のエネルギー予測システム1aにおける電力情報取得部3と、制御部71と、通信制御部7と、表示制御部90とはそれぞれ、実施形態1のエネルギー予測システム1にも適用可能である。より詳細には、実施形態1のエネルギー予測システム1は、本実施形態のエネルギー予測システム1aにおける電力情報取得部3を備えていてもよい。また、実施形態1のエネルギー予測システム1における制御部71と、通信制御部7と、表示制御部90とがそれぞれ、本実施形態で説明した制御部71と、通信制御部7と、表示制御部90と同様な機能を有していてもよい。
表示制御部90は、予測売電電力ES1、予測無駄電力EA1、予測発電電力EG1及び無駄電力A1のうち少なくとも1つを表示部9に表示させてもよい。その場合、表示制御部90は、表示対象となる情報をグラフ、数値及び図形などで表示部9に表示させてもよい。例えば表示制御部90は、図10に示す表示部9の表示内容に加えて、予測売電電力ES1、予測無駄電力EA1、予測発電電力EG1及び無駄電力A1のうち少なくとも1つの電力の値を表示させるように構成されていてもよい。
表示制御部90は、メッセージM11〜M18を文字として表示部9に表示させる例を説明したが、メッセージM11〜M18は、一例として、図形及び記号などを含んでいてもよい。
通信部201は、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1とを送信しているが、それぞれの情報のうち、更新部203が取得した最新の情報のみを送信するように構成されていてもよい。その場合、通信部201は、例えば、電力情報取得部3から、過去の一定期間における売電電力情報DS1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1とを要求する信号を受信した際に、過去の一定期間における各情報を送信すればよい。また通信部201は、電力情報取得部3からの要求に応じて、発電電力情報DG1と、売電電力情報DS1と、消費電力情報DC1とを個別に送信してもよい。
消費電力情報DC1と、売電電力情報DS1と、売電電力情報DS1と、蓄電電力情報DB1とは、電力の値に限らず、電力量の値でもよい。
電力情報取得部3が複数の負荷105のうち少なくとも1つの負荷105と無線通信を行うことにより、制御部71が、その少なくとも1つの負荷105の動作を制御するように構成されていてもよい。言い換えると、エネルギー予測システム1aは、制御部71と、複数の負荷105のうち少なくとも1つの負荷105と通信を行う電力情報取得部3と、を備えてもよい。制御部71は、電力情報取得部3が通信する少なくとも1つの負荷105の動作を開始させるか停止させるかを制御する制御信号を電力情報取得部3から送信(送出)させる。電力情報取得部3と通信する機能を有する負荷105を負荷105a、電力情報取得部3と通信する機能を有する第1負荷106を第1負荷106a、電力情報取得部3と通信する機能を有する第2負荷107を第2負荷107a、と呼ぶ。制御部71は、負荷指定部11が指定する負荷が負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aの何れかである場合、負荷が負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aのそれぞれの動作を対象期間T2において開始させる。一例として、制御部71は、第1期間T1において第1負荷106aを動作させずに、代わりに対象期間T2において動作させる。制御部71は、第2期間T3において第2負荷107aを動作させずに、代わりに対象期間T2において動作させる。その結果、対象期間T2における消費電力C1が増えるため、無駄電力A1が少なくなる。また制御部71は、対象期間T2中に負荷が負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aのそれぞれの動作を停止させてもよい。この場合、住人が負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aのそれぞれについて、動作の開始及び停止の作業をしなくてもよくなるので、対象期間T2だけにおいて消費電力C1を一時的に多くしやすくなる。
また、電力情報取得部3は、負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aのうち少なくとも1つの負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aの動作を制御する制御装置と通信するように構成されていてもよい。言い換えると、エネルギー予測システム1aは、その制御装置を介して、負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aのうち少なくとも1つの負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aの動作を制御してもよい。
なお、電力情報取得部3が負荷105a、第1負荷106a、第2負荷107aごとに通信を行う方法は、電波を用いた無線通信の他にも、光及び音を用いた無線通信でもよいし、有線通信でもよい。