JP2017162262A - 光透過性導電材料積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサー部形状の視認性(難視認性)が良好な光透過性導電材料積層体を提供する。【解決手段】上方電極層および下方電極層が有するセンサー部とダミー部との境界部分に位置する金属細線パターン、および/または上方電極層および下方電極層が有するダミー部内に位置する金属細線パターンは、該金属細線パターンの一部が切り取られた形状の断線部を有し、該断線部が設けられた電極層とは異なるもう一方の電極層が有する金属細線パターンは、2つの電極層を積層した時の平面視において、該断線部と同じ位置に、該断線部と同じ形状の金属細線を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、主にタッチパネルに用いられる光透過性導電材料積層体に関し、特に投影型静電容量方式のタッチパネルに好適な、光透過性導電材料積層体に関する。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、タブレットPC、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。
タッチパネルには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、抵抗膜方式などがある。抵抗膜方式のタッチパネルでは、タッチセンサーとなる光透過性電極として、光透過性導電材料と光透過性導電層付ガラスとがスペーサーを介して対向配置されており、光透過性導電材料に電流を流し光透過性導電層付ガラスにおける電圧を計測するような構造となっている。一方、静電容量方式のタッチパネルでは、タッチセンサーとなる光透過性電極として、基材上に光透過性導電層を有する光透過性導電材料を基本的構成とし、可動部分がないことを特徴とすることから、高い耐久性、高い光透過率を有するため、様々な用途において適用されている。更に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、多点を同時に検出することが可能であるため、スマートフォンやタブレットPC等に幅広く用いられている。
従来、タッチパネルの光透過性電極に用いられる光透過性導電材料としては、基材上にITO(酸化インジウムスズ)導電膜からなる光透過性導電層が形成されたものが使用されてきた。しかしながら、ITO導電膜は屈折率が大きく、光の表面反射が大きいため、光透過性導電材料の光透過性が低下する問題があった。またITO導電膜は可撓性が低いため、光透過性導電材料を屈曲させた際にITO導電膜に亀裂が生じて光透過性導電材料の電気抵抗値が高くなる問題があった。
ITO導電膜からなる光透過性導電層を有する光透過性導電材料に代わる材料として、光透過性支持体上に光透過性導電層として金属細線パターンを、例えば、金属細線パターンの線幅やピッチ、更にはパターン形状などを調整して網目形状の金属細線パターンを形成した光透過性導電材料が知られている。この技術により、高い光透過性を維持し、高い導電性を有する光透過性導電材料が得られる。網目形状の金属細線パターン(以下、金属パターンとも記載)が有する網目形状に関しては、各種形状の繰り返し単位を利用できることが知られており、例えば特開2013−30378号公報(特許文献1)では、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、円、楕円、星形等の繰り返し単位、及びこれらの2種類以上の組み合わせパターンが開示されている。
上記した網目形状の金属パターンを有する光透過性導電材料の製造方法としては、支持体上に薄い触媒層を形成し、その上にレジストパターンを形成した後、めっき法によりレジスト開口部に金属層を積層し、最後にレジスト層及びレジスト層で保護された下地金属を除去することにより、金属パターンを形成するセミアディティブ方法が、例えば特開2007−287994号公報、特開2007−287953号公報などに開示されている。
また近年、銀塩拡散転写法を用いた銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用いる方法が知られている。例えば特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報や特開2007−188655号公報等では、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩写真感光材料(導電性材料前駆体)に、可溶性銀塩形成剤及び還元剤をアルカリ液中で作用させて、金属(銀)細線パターンを形成させる技術が開示されている。この方式によるパターニングは均一な線幅を再現することができることに加え、銀は金属の中で最も導電性が高いため、他方式に比べ、より細い線幅で高い導電性を得ることができる。更に、この方法で得られた金属パターンを有する層はITO導電膜よりも可撓性が高く折り曲げに強いという利点がある。
一方、投影型静電容量方式のタッチセンサーとしては、例えば特表2006−511879号公報(特許文献2)に記載されるように、周辺配線部を介して端子部に接続される列電極を複数個設けた2つの光透過性導電層を、絶縁層を介して互いの列電極が実質的に直交するように貼り合わせた光透過性導電材料が知られている。
網目形状の金属細線パターンを有する光透過性導電層を投影型静電容量方式のタッチセンサーとして使用する場合、センサー部を形成するためには、金属細線を部分的に切り取るなどしてスリット部を設け、金属細線パターンを所定の領域に分割する必要がある。しかしながら、タッチパネルは通常作業者が画面を凝視し操作するため、スリット部が目に映りセンサー部の形状が視認されてしまう(視認性が高い)という問題があった。
この問題に対し、特開2006−344163号公報(特許文献3)ではスリット幅を20μm以上かつ網目の最大寸法以下にし、なおかつスリットが網目の交点を通らないようすることで、視認性を下げようとしている。しかしながら、スリット幅が20μmであっても輪郭は視認され、またスリットが金属細線の交点を通らないようにしても、視認性を十分に下げることはできなかった。
一方、特開2011−59771号公報(特許文献4)では直線的な輪郭(スリット)の視認性を下げるため、輪郭を直線的に作らないよう工夫することが提案されているが、視認性についてはやはり不十分であった。更に特開2011−59772号公報(特許文献5)では同じ網目状金属パターンを2つ準備し、一方の網目状パターンから所望の形状を切り取り、同じ形状を他方の網目状パターンから切り取り、ただし、2つの切り取った網目状パターンは、両者をちょうど重ねた時に、パターン模様が重ならないようするなどの手順によって確定される網目状パターンが提案されている。しかしながら、この方法は非常に複雑な手順をとるためにパターンの設計が煩雑であり、輪郭部分で網目状構造が変わる点で違和感が残ることもあり、視認性の問題の解決とはならなかった。
また、先の特許文献1には多数の断線部を有する非導電性の領域(ダミー部)を形成し、このダミー部とセンサー部を隣接して交互に配置する光透過性電極層が記載されている。特許文献1ではダミー部とセンサー部の開口率の差を1%以内にすることにより視認性の改善を図っているが、やはりダミー部内のスリット部が目に映ってしまう場合があった。
特開2013−30378号公報 特表2006−511879号公報 特開2006−344163号公報 特開2011−59771号公報 特開2011−59772号公報
本発明の課題は、投影型静電容量方式のタッチパネルに好適な光透過性導電材料積層体であって、センサー部形状の視認性(難視認性)が良好な光透過性導電材料積層体を提供することにある。
上記の課題は、以下の光透過性導電材料積層体によって、基本的に解決される。
(1)絶縁層を介して上方電極層と下方電極層が積層された光透過性導電材料積層体であって、
該上方電極層および該下方電極層は、光透過性支持体上あるいは絶縁層上に、端子部に電気的に接続されるセンサー部と端子部に電気的に接続されないダミー部を少なくとも有し、該センサー部およびダミー部は網目形状を有する金属細線パターンを有しており、
該下方電極層は、第一の方向に伸びたセンサー部がダミー部を挟んで第一の方向に交差する第二の方向に周期Lにて複数列並ぶことで構成され、該上方電極層は、第二の方向に伸びたセンサー部がダミー部を挟んで第一の方向に周期Mにて複数列並ぶことで構成され、
該上方電極層および該下方電極層が有するセンサー部とダミー部との境界部分に位置する金属細線パターン、および/または該上方電極層および該下方電極層が有するダミー部内に位置する金属細線パターンは、該金属細線パターンの一部が切り取られた形状の断線部を有し、
該断線部が設けられた電極層とは異なるもう一方の電極層が有する金属細線パターンは、2つの電極層を積層した時の平面視において、該断線部と同じ位置に、該断線部と同じ形状の金属細線を有することを特徴とする、光透過性導電材料積層体。
(2)上記したダミー部内の金属細線パターンが有する断線部の位置が、2つの電極層を積層した時の平面視において、もう一方の電極層が有する金属細線と交差する位置である、上記(1)に記載の光透過性導電材料積層体。
(3)上記した金属細線パターンがボロノイ図形から作図される不規則なパターンである、上記(1)または(2)に記載の光透過性導電材料積層体。
本発明により、センサー部形状の視認性(難視認性)が良好な光透過性導電材料積層体を提供することができる。
本発明の光透過性導電材料積層体を構成する上方電極層と下方電極層の関係を示す概略図である。 本発明の下方電極層の一例を示す概略図である。 上方電極層と下方電極層を積層した時の平面概略図である。 図3の(3−b)で示した部分における上方電極層の金属細線パターン(4−a)と、同部分における下方電極層の金属細線パターン(4−b)を示した図である。 本発明を不規則な金属細線パターンを有する電極層に適用した例を説明する図である。 本発明を不規則な金属細線パターンを有する電極層に適用した例を説明する図である。
以下、本発明について詳細に説明するにあたり、図面を用いて説明するが、本発明はその技術的範囲を逸脱しない限り様々な変形や修正が可能であり、以下の実施形態に限定されないことは言うまでもない。また、使われる用語は、実施形態での機能を考慮して選択された用語であって、本明細書で使われる用語の意味は、本明細書に具体的に定義された場合には、その定義に従い、具体的な定義がない場合は、当業者が一般的に認識する意味として解釈せねばならない。
本発明の光透過性導電材料積層体は、絶縁層を介して上方電極層と下方電極層が積層されたものである。本発明の光透過性導電材料積層体は、光透過性支持体を絶縁層とし、光透過性支持体の一方の面上に上方電極層、他方の面上に下方電極層を有していても良い。あるいは上方電極層と下方電極層をそれぞれ別の光透過性支持体上に設け、上方電極層の光透過性支持体側の面と、下方電極層の電極層を有する側の面を光学粘着テープ(OCA)で貼合しても良い。図1は本発明の光透過性導電材料積層体を構成する上方電極層と下方電極層の関係を示す概略図である。図1では、上方電極層1の光透過性支持体側の面と、下方電極層2の電極層を有する側の面を、図示しない光学粘着テープ(OCA)で貼合した構成を示したが、光学粘着テープ(OCA)を絶縁層とし、上方電極層1と下方電極層2の電極層同士を対向させて貼合した構成であっても良い。図1では、上方電極層1および下方電極層2が有するダミー部や、配線部、端子部等は省略し、センサー部分のみを、便宜的に黒い帯状で示した。なお本発明において、上方電極層はタッチ面に近い側の電極層であり、下方電極層はタッチ面から遠い側の電極層であるが、センサー部分の延伸方向においては上下が入れ替わった場合も本発明の一形態である。
図2は、本発明の下方電極層の一例を示す概略図である。図2において、下方電極層は、光透過性支持体4上に、網目形状の金属細線パターンを有するセンサー部21とダミー部22、および周辺配線部23、端子部24を有する。ここで、センサー部21およびダミー部22は網目形状の金属細線パターンから構成されるが、便宜上、それらの範囲を仮の輪郭線a(実在しない線)で示している。また図2は、仮の輪郭線aに沿って断線部を設けることで(センサー部とダミー部との境界部分に位置する金属細線パターンが断線部を有することで)、光透過性支持体4上にセンサー部21およびダミー部22を形成した例でもある。
センサー部21は周辺配線部23を介して端子部24に電気的に接続しており、この端子部24を通してセンサー部21を外部に電気的に接続することで、センサー部21で感知した静電容量の変化を捉えることができる。一方、仮の輪郭線aに沿った位置に断線部を設けることによってダミー部22が形成され、端子部24に電気的に接続していない金属細線パターンは本発明では全てダミー部22となる。本発明において周辺配線部23および端子部24は、例えば額縁内などに配置される場合などでは特に光透過性を有する必要はないためベタパターン(光透過性を有さないパターン)でも良く、あるいは光透過性が求められる場合などでは、センサー部21やダミー部22などのように網目形状の金属細線パターンにより形成されていても良い。
図2において下方電極層は、光透過性導電層面内において、第一の方向(図中x方向)に伸びたセンサー部21がダミー部22を挟んで第一の方向に対し垂直な第二の方向(図中y方向)に対し、周期Lにて複数列並ぶことで構成される。センサー部21の周期Lは、タッチセンサーとしての分解能を保つ範囲で任意の長さを設定することができる。センサー部21の形状は図2のように一定の幅であっても良いが、第一の方向(x方向)にパターン周期を有することもできる(例えばダイヤモンドパターンと呼ばれる菱形が一定の周期で連なった形状など)。また、センサー部21の幅も、タッチセンサーとしての分解能を保つ範囲で任意に設定することができ、それに応じてダミー部22の形状や幅も任意に設定することができる。
一方、図示はしないが、本発明の上方電極層は、上方列電極が下方電極層の下方列電極と交差するように設けられる以外は、前記した下方電極層と同様に構成される。即ち、上方電極層は、第二の方向に伸びたセンサー部がダミー部を挟んで第一の方向に周期Mにて複数列並ぶことで構成される。センサー部の周期Mは、タッチセンサーとしての分解能を保つ範囲で任意の長さを設定することができる。センサー部の形状は一定の幅であっても良いが、第二の方向にパターン周期を有することもできる(例えば前述したダイヤモンドパターンなど)。また、センサー部の幅も、タッチセンサーとしての分解能を保つ範囲で任意に設定することができ、それに応じてダミー部の形状や幅も任意に設定することができる。なお、上方列電極と下方列電極の交差する角度は90度が最も好ましく用いられるが、60度以上120度以下の範囲内の任意の角度でも良く、更には45度以上135度以下の範囲内の任意の角度を本発明の変形例として用いることも可能である。
図3は、上方電極層と下方電極層を積層した時の平面概略図である。(3−a)は、上記のようにして形成された、上方電極層と下方電極層を積層した様子を示したものであり、周辺配線部や端子部等は省略している。(3−a)において、上方電極層および下方電極層は、正方形を45°傾けた図形を繰り返し単位図形とする網目形状の金属細線パターンを有し、それぞれ10本のセンサー部を有している。上方電極層のセンサー部としてはY1〜10がこれに相当し、下方電極層のセンサー部としてはX1〜10がこれに相当し、(3−a)ではこれらは互いに直交している。(3−b)は(3−a)の左上部分の拡大図であり、(3−b)では、前記した(3−a)において省略した断線部の位置を、下方電極層側は仮の輪郭線a(実在しない線)、および上方電極層側は仮の輪郭線b(実在しない線)により示した。
図4は、図3の(3−b)で示した部分における上方電極層の金属細線パターン(4−a)と、同部分における下方電極層の金属細線パターン(4−b)を示した図である。即ち、(4−a)と(4−b)を重ねると(3−b)になる。(4−a)には、前述の(3−b)に示した仮の輪郭線bに沿って断線部41が設けられており、(4−b)には、前述の(3−b)に示した仮の輪郭線aに沿って断線部42が設けられている。ここで(4−a)における断線部41は、仮の輪郭線bに沿って金属細線パターンが切り取られることで形成される。そして該断線部41が設けられた電極層とは異なる、もう一方の電極層である金属細線パターン(4−b)は、該断線部41と同じ位置に、該断線部41と同じ形状を有する金属細線43が配置される。また(4−b)における断線部42は、仮の輪郭線aに沿って金属細線パターンが切り取られることで形成される。そして該断線部42が設けられた電極層とは異なる、もう一方の電極層である金属細線パターン(4−a)は、2つの電極層を積層した時の平面視において、該断線部42と同じ位置に、該断線部42と同じ形状を有する金属細線44が配置される。即ち、(4−a)の上方電極層において断線部41を形成するために切り取られた金属細線が、(4−b)の下方電極層の同じ位置に金属細線43として移されており、(4−b)の下方電極層において断線部42を形成するために切り取られた金属細線が、(4−a)の上方電極層の同じ位置に金属細線44として移されている。そして、上方電極層と下方電極層を積層した時に、個々の電極層が有する断線部をもう一方の電極層が有する金属細線が補完することで、図3の(3−b)のような均一な網目構造が形成され、断線部が見えなくなる。本発明ではこのようにしてセンサー部形状の視認性(難視認性)を改善する。以下においても、「同じ位置」とは、2つの電極層を積層した時の平面視での位置関係を表す。
上記した例においては、センサー部とダミー部との境界部分に位置する金属細線パターンが断線部を有することで、光透過性支持体4上にセンサー部21およびダミー部22を形成した場合における本発明の適用方法を示したが、ダミー部に相当する位置の金属細線パターン内に断線部を設けることでも、センサー部21およびダミー部22を形成することが可能である。更には、センサー部とダミー部との境界部分に位置する金属細線パターンが断線部を有し、かつダミー部内に位置する金属細線パターンが断線部を有することでも、センサー部21およびダミー部22を形成することが可能である。以下に、ダミー部内に位置する金属細線パターンが断線部を有する場合の、本発明の適用方法を説明する。
前述した(4−a)の上方電極層においてダミー部22は、複数のダミー部内断線部45が形成されることで、センサー部21との導通が断たれている。(4−a)は前述のように、仮の輪郭線bに沿って金属細線パターンが切り取られた断線部41を有するが、この断線部41が存在しなくても、ダミー部22は複数のダミー部内断線部45を有することで、センサー部21との導通が断たれる。そしてダミー部内断線部45を形成するために切り取られた金属細線が、(4−b)の下方電極層の同じ位置に金属細線46として移されており、一方(4−b)の下方電極層において断線部47を形成するために切り取られた金属細線が、(4−a)の上方電極層の同じ位置に金属細線48として移されている。このような場合においても、個々の電極層が有する断線部をもう一方の電極層が有する金属細線が補完することで、図3の(3−b)のような均一な網目構造が形成され、断線部が見えなくなる。本発明ではこのようにすることでもセンサー部形状の視認性(難視認性)を改善することができる。中でもダミー部内の金属細線パターンが有する断線部の位置が、2つの電極層を積層した時の平面視において、もう一方の電極層が有する金属細線と交差する位置である場合において本発明を適用した場合、もう一方の電極層が有する金属細線と、補完される金属細線が交差することで、センサー部形状の視認性(難視認性)にとりわけ優れた光透過性導電材料積層体が得られるため、好ましい。
本発明の上方電極層と下方電極層の金属細線パターンとして、不規則なパターンを好ましく用いることができる。これにより、液晶ディスプレイ上に重ねて配置された時のモアレの発生が抑制された光透過性導電材料積層体を得ることができる。
図5および図6は、本発明を不規則な金属細線パターンを有する電極層に適用した例を説明する図である。図5の(5−a)は前記した図3の(3−b)に相当する平面概略図であり、下方電極層におけるセンサー部とダミー部の範囲を示す輪郭線を仮の輪郭線c(実在しない線)として説明の便宜上示している。また上方電極層におけるセンサー部とダミー部の範囲を示す輪郭線を仮の輪郭線d(実在しない線)として示している。ここで、センサー部の形状は、先の(3−b)とは異なりダイヤモンドパターンと呼ばれる菱形が一定の周期で連なった形状である。そして、(5−b)は上方電極層の金属細線パターンを示す図であり、(5−c)は下方電極層の金属細線パターンを示す図である。(5−b)と(5−c)の金属細線パターンを重ねると(5−a)になる。
図6の(6−a)は前記した(5−b)の、図6の(6−b)は(5−c)の左上部の拡大図である。また仮の輪郭線cおよびdも説明の便宜上図示している。(6−a)において、仮の輪郭線dに沿って断線部61が設けられており、(6−b)には、仮の輪郭線cに沿って断線部62が設けられている。そしてその断線部を形成するにあたり切り取られた金属細線は、もう一方の電極層の同じ位置に金属細線63あるいは金属細線64として移された形態をとる。即ち、上方電極層である(6−a)のセンサー部とダミー部の境界部分に位置する金属細線パターンは、該金属細線パターンの一部が切り取られた形状の断線部61を有し、該断線部が設けられた電極層とは異なるもう一方の下方電極層である(6−b)の同じ位置に、該断線部61と同じ形状を有する金属細線63が設けられる。また同様に、下方電極層である(6−b)のセンサー部とダミー部の境界部分に位置する金属細線パターンは、該金属細線パターンの一部が切り取られた形状の断線部62を有し、該断線部62が設けられた電極層とは異なるもう一方の上方電極層である(6−a)の同じ位置に、該断線部62と同じ形状を有する金属細線64が設けられる。そして、上方電極層と下方電極層を積層した時に、互いの断線部をもう一方の電極層が有する金属細線が補完することで、断線部が見えなくなる。
前述した(6−a)の上方電極層においてダミー部22は、複数のダミー部内断線部65が形成されることで、センサー部21との導通が断たれている。(6−a)は前述のように、仮の輪郭線dに沿って金属細線パターンが切り取られた断線部61を有するが、この断線部61が存在しなくても、ダミー部22は複数のダミー部内断線部65を有することで、センサー部21との導通が断たれる。そしてダミー部内断線部65を形成するために切り取られた金属細線が、(6−b)の下方電極層の同じ位置に金属細線66として移されており、一方(6−b)の下方電極層において断線部67を形成するために切り取られた金属細線が、(6−a)の上方電極層の同じ位置に金属細線68として移されている。このような場合においても、個々の電極層が有する断線部をもう一方の電極層が有する金属細線が補完することで均一な網目構造が形成され、断線部が見えなくなる。本発明ではこのようにすることでもセンサー部形状の視認性(難視認性)を改善することができる。中でもダミー部内の金属細線パターンが有する断線部の位置が、もう一方の電極層が有する金属細線と交差する位置である場合において本発明を適用した場合、もう一方の電極層が有する金属細線と、補完される金属細線が交差することで、センサー部形状の視認性(難視認性)にとりわけ優れた光透過性導電材料積層体が得られるため、好ましい。不規則なパターンの場合には、もう一方の電極層が有する金属細線と、補完される金属細線が交差する位置がランダムになるため、更に好ましいものとなる。
本発明の光透過性導電材料積層体は、前記した通り光透過性支持体あるいは絶縁層を介して上方電極層と下方電極層が積層された構造を有する。ここで、図1に示したようにOCAを用いて貼り合わせる場合には、貼り合わせ工程の位置精度の問題が存在し、誤差なく貼り合わせることは非常に困難である。また、光透過性支持体を絶縁層とし、その一方の面上に上方電極層、他方の面上に下方電極層を設ける場合にも、個々の電極層を設ける際の位置精度の問題が存在し、やはり誤差なく積層することは困難である。従って、本発明の上方電極層と下方電極層の断線部を互いに補完する金属細線の位置にも僅かなズレが生じることがある。しかしながら例え位置精度にズレが生じたとしても、断線部近傍にもう一方の電極層に該断線部を補完する金属細線が存在することで補完関係が成立し、本発明の効果が著しく妨げられることはない。
次に、上方電極層と下方電極層の金属細線パターンとして好ましく用いられる、不規則なパターンについて説明する。不規則なパターンとしては、例えばボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズ・タイル図形などに代表される不規則幾何学形状によって得られたパターンを例示することができるが、本発明では不規則な母点に対して設けられたボロノイ辺からなる網目形状(以下、ボロノイ図形と記載)が好ましく用いられる。ボロノイ図形を用いることで、パターンの視認性(難視認性)に優れたタッチパネルを構成することが可能な、光透過性導電材料を得ることができる。ボロノイ図形とは、情報処理などの様々な分野で応用されている公知の図形である。具体的な作図方法は、特開2015−210615号公報の段落0022〜段落0023に記載されている、a:ボロノイ図形タイプを参照することができる。
本発明において、センサー部21とダミー部22が有する金属パターンの線幅は、導電性と光透過性を両立する観点から1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは2〜7μmである。また、上方電極層および下方電極層が有するセンサー部とダミー部との境界部分に位置する断線部、および上方電極層および下方電極層が有するダミー部内に位置する断線部の長さは5〜50μmであることが、視認性およびセンサー部の短絡を防止する観点から好ましい。
ダミー部内において、もう一方の電極層の金属細線パターンと交差する位置に断線部を設ける場合には、上方電極層と下方電極層の双方ともがダミー部となる部分において、断線部内にもう一方の電極層の断線部から切り取られた金属細線が挿入された形状になるため、断線長さと金属細線の幅の関係によって断線部が短絡してしまう可能性がある。この場合には、断線部長さを金属細線の線幅の2倍以上にすることが好ましく、3倍以上にすることが短絡を防止する観点から特に好ましい。
本発明において、前述したセンサー部21とダミー部22は網目形状の金属細線パターンにより形成される。かかる金属としては金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、及びこれらの複合材からなることが好ましい。また周辺配線部24及び端子部25もセンサー部21やダミー部22と同じ組成の金属により形成されることが、生産効率の観点から好ましい。これら金属パターンを形成する方法としては、銀塩感光材料を用いる方法、同方法を用い更に得られた銀画像に無電解めっきや電解めっきを施す方法、スクリーン印刷法を用いて銀ペースト、銅ペーストなどの導電性インキを印刷する方法、銀インクや銅インクなどの導電性インクをインクジェット法で印刷する方法、あるいは蒸着やスパッタなどで導電性層を形成し、その上にレジスト膜を形成し、露光、現像、エッチング、レジスト層除去することで得る方法、銅箔などの金属箔を貼り、更にその上にレジスト膜を形成し、露光、現像、エッチング、レジスト層除去することで得る方法など、公知の方法を用いることができる。中でも製造される金属細線パターンの厚みが薄くでき、更に極微細なパターンも容易に形成できる銀塩拡散転写法を用いることが好ましい。
上記した手法により作製された金属細線パターンの厚みは、厚すぎると後工程(例えば他部材との貼合等)が困難になる場合があり、また薄すぎるとタッチパネルとして必要な導電性を確保し難くなる。よって、その厚みは好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜1μmである。
本発明の光透過性導電材料において、センサー部とダミー部の全光線透過率は好ましくは80%以上、より好ましくは82.5%以上、更には85%以上であることが特に好ましい。また、上方電極層および下方電極層のセンサー部とダミー部の全光線透過率は、その差が0.5%以内であることが好ましく、より好ましくは0.1%以内であり、更には同じであることがより好ましい。本発明の光透過性導電材料において、センサー部とダミー部のヘイズ値は2以下が好ましい。更にセンサー部とダミー部の色相は、CIELABにおけるb値が2以下が好ましく、1以下がより好ましい。
本発明の光透過性導電材料が有する光透過性支持体としては、ガラスやあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等などの公知の光透過性を有する支持体を用いることが好ましい。ここで光透過性とは全光線透過率が60%以上であることを意味し、全光線透過率は80%以上であることがより好ましい。光透過性支持体の厚みは50μm〜5mmであることが好ましい。また光透過性支持体には指紋防汚層、ハードコート層、反射防止層、防眩層などの公知の層を付与することもできる。
本発明において、図1のように上方電極層1の光透過性支持体側と下方電極層2の電極層を有する側の面を光学粘着テープ(OCA)で貼合する場合、あるいは電極層同士を対向させた構成(絶縁層としてOCAが配置された構成)とする場合に使用されるOCAの粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤など公知のもので、接着後に光透過性である樹脂組成物を好ましく用いることができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<下方電極層1の作製>
光透過性支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの光透過性支持体の全光線透過率は92%であった。
次に下記処方に従い、物理現像核層塗液を作製し、上記光透過性支持体上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調製>銀塩感光材料の1mあたりの量
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、光透過性支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び保護層を上記物理現像核液層の上に塗布、乾燥して、銀塩感光材料を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成>銀塩感光材料の1mあたりの量
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 50mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成>銀塩感光材料の1mあたりの量
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成>銀塩感光材料の1mあたりの量
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た銀塩感光材料に、図2のパターンの画像を有する透過原稿(下方)1を密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。なお透過原稿(下方)1は、センサー部が第一の方向に伸び、該センサー部が周期Lをもって第二の方向の10本並んだパターンを有し、該センサー部21の周期Lは6.95mmである。図2のパターンの画像を有する透過原稿(下方)1において、センサー部21並びにダミー部22が有する細線パターンは、一辺の長さが0.983mmの正方形を45°傾けた図形を繰り返し単位図形とし、図3の通り、後述の透過原稿(上方)1と積層した時の平面図において細線パターンの格子が一辺0.491mmの正方形になるように図形の位置を決定した。センサー部21並びにダミー部22が有する細線幅は5μmであり、センサー部とダミー部との境界には長さ40μmの断線部を有している。
その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。以上の処理により、図2の形状を有する金属銀画像を有する下方電極層1を得た。得られた下方電極層1の金属銀画像は、図2の形状を有する透過原稿(下方)1と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
<上方電極層1の作製>
透過原稿(下方)1と同様にして、一辺の長さが0.983mmの正方形を45°傾けた図形を繰り返し単位図形とする透過原稿(上方)1を作製した。線幅は5μmであり、センサー部とダミー部との境界には長さ40μmの断線部を設けた。なお、該透過原稿(上方)1は前記図2のパターンにおいて、センサー部が第二の方向に伸び、該センサー部が周期Mをもって第一の方向に10本並んだパターンを有する透過原稿であり、センサー部の周期Mは6.95mmである。下方電極層1の作製と同様に露光、現像、水洗、乾燥処理して上方電極層1の金属銀画像を得た。得られた上方電極層1の金属銀画像は、透過原稿(上方)1と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<光透過性導電材料積層体−1の作製(比較例)>
上記のようにして得られた下方電極層1、上方電極層1と厚さ2mmポリカーボネート板(三菱ガス化学社製、以下単にPC板と略)を、各々の電極層面をPC板側へ向け、光学粘着テープ(MHN−FWD100 日栄化工社製、以下単にOCAと略)を用い、四隅のアライメントマーク(+印)が一致するようにして、貼合順がPC板/OCA/上方電極層1/OCA/下方電極層1となるよう貼合し、光透過性導電材料積層体−1を得た。
<下方電極層2の作製>
下方電極層1の作製において、透過原稿(下方)1に代えて、透過原稿(上方)1の断線部の形状と同様の形状を有する細線画像を、透過原稿(下方)1の同じ位置に追加した透過原稿(下方)2を準備し、これを使用した以外は同様にして、下方電極層2を得た。断線部の形状と同様の形状を有する細線画像の追加は、PC上のCADソフト上で、透過原稿(上方)1より切り取った断線部の細線画像を、透過原稿(下方)1の同じ位置に移動することにより容易に行うことができる。得られた下方電極層2の金属銀画像は、透過原稿(下方)2と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<上方電極層2の作製>
上方電極層1の作製において、透過原稿(上方)1に代えて、透過原稿(下方)1の断線部の形状と同様の形状を有する細線画像を、透過原稿(上方)1の同じ位置に追加した透過原稿(上方)2を準備し、これを使用した以外は同様にして、上方電極層2を得た。得られた上方電極層2の金属銀画像は、透過原稿(上方)2と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<光透過性導電材料積層体−2の作製(本発明)>
上記のようにして得られた下方電極層2、上方電極層2と厚さ2mmPC板を、各々の電極層面をPC板側へ向け、OCAを用い、四隅のアライメントマーク(+印)が一致するようにして、貼合順がPC板/OCA/上方電極層2/OCA/下方電極層2となるよう貼合し、光透過性導電材料積層体−2を得た。
<下方電極層3の作製>
下方電極層2の作製において、透過原稿(下方)2に代えて、下記透過原稿(下方)3を使用した以外は同様にして、下方電極層3を得た。透過原稿(下方)3は、透過原稿(下方)2のダミー部内に断線部を追加し、該断線部は後述する透過原稿(上方)3のダミー部内の細線パターンと重なった時に交差する位置に設けた。該断線部の長さは30μmである。また透過原稿(下方)3は、後述する透過原稿(上方)3のダミー部における断線部の形状と同じ形状を有する細線画像を、該ダミー部における断線部と同じ位置に加えたものである。得られた下方電極層3の金属銀画像は、透過原稿(下方)3と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<上方電極層3の作製>
上方電極層2の作製において、透過原稿(上方)2に代えて、下記透過原稿(上方)3を使用した以外は同様にして、上方電極層3を得た。透過原稿(上方)3は、透過原稿(上方)2のダミー部内に断線部を追加し、該断線部は上述した透過原稿(下方)3のダミー部内の細線パターンと重なった時に交差する位置に設けた。該断線部の長さは30μmである。また透過原稿(上方)3は、上述した透過原稿(下方)3のダミー部における断線部の形状と同じ形状を有する細線画像を、該ダミー部における断線部と同じ位置に加えたものである。得られた上方電極層3の金属銀画像は、透過原稿(上方)3と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<光透過性導電材料積層体−3の作製(本発明)>
上記のようにして得られた下方電極層3、上方電極層3と厚さ2mmPC板を、各々の電極層面をPC板側へ向け、OCAを用い、四隅のアライメントマーク(+印)が一致するようにして、貼合順がPC板/OCA/上方電極層3/OCA/下方電極層3となるよう貼合し、光透過性導電材料積層体−3を得た。
<下方電極層4の作製>
下方電極層1の作製において、透過原稿(下方)1のセンサー部およびダミー部が有する細線パターンをボロノイ図形から作図される不規則な細線パターンに変更し、更にセンサー部の形状をダイヤモンドタイプに変更した透過原稿(下方)4を使用した以外は同様にして、下方電極層4を得た。ボロノイ図形から作図される不規則な細線パターンは、x方向の一辺の長さが0.695mm、y方向の一辺の長さが0.695mmである正方形の原多角形にて平面を充填し、原多角形の重心から各頂点までの距離の90%の位置を結んでできる縮小多角形の中に母点を1つずつランダムに配置し、任意の母点に最も近い領域と、他の母点に最も近い領域とを輪郭線で区切る作業を全ての母点に対して繰り返し行うことで作成した。前述した透過原稿(下方)1と同様に、センサー部分とダミー部分との境界には長さ40μmの断線部を設けた。得られた下方電極層4の金属銀画像は、透過原稿(下方)4と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<上方電極層4の作製>
上方電極層1の作製において、透過原稿(上方)1のセンサー部およびダミー部が有する細線パターンをボロノイ図形から作図される不規則な細線パターンに変更し、更にセンサー部の形状をダイヤモンドタイプに変更した透過原稿(上方)4を使用した以外は同様にして、上方電極層4を得た。ボロノイ図形から作図される不規則な細線パターンは、前記透過原稿(下方)4と同様にして作成した。前述した透過原稿(上方)1と同様に、センサー部分とダミー部分との境界には長さ40μmの断線部を設けた。得られた上方電極層4の金属銀画像は、透過原稿(上方)4と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<光透過性導電材料積層体−4の作製(比較例)>
前記の下方電極層4、上方電極層4と厚さ2mmPC板を、各々の電極層面をPC板側へ向け、OCAを用い、四隅のアライメントマーク(+印)が一致するようにして、貼合順がPC板/OCA/上方電極層4/OCA/下方電極層4となるよう貼合し、光透過性導電材料積層体−4を得た。
<下方電極層5の作製>
下方電極層4の作製において、透過原稿(下方)4に代えて、透過原稿(上方)4の断線部の形状と同様の形状を有する細線画像を、透過原稿(下方)4の同じ位置に追加した透過原稿(下方)5を準備し、これを使用した以外は同様にして、下方電極層5を得た。得られた下方電極層5の金属銀画像は、透過原稿(下方)5と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<上方電極層5の作製>
上方電極層4の作製において、透過原稿(上方)4に代えて、透過原稿(下方)4の断線部の形状と同様の形状を有する細線画像を、透過原稿(上方)4の同じ位置に追加した透過原稿(上方)5を準備し、これを使用した以外は同様にして、上方電極層5を得た。得られた上方電極層5の金属銀画像は、透過原稿(上方)5と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<光透過性導電材料積層体−5の作製(本発明)>
上記のようにして得られた下方電極層5、上方電極層5と厚さ2mmPC板を、各々の電極層面をPC板側へ向け、OCAを用い、四隅のアライメントマーク(+印)が一致するようにして、貼合順がPC板/OCA/上方電極層5/OCA/下方電極層5となるよう貼合し、光透過性導電材料積層体−5を得た。
<下方電極層6の作製>
下方電極層5の作製において、透過原稿(下方)5に代えて、下記透過原稿(下方)6を使用した以外は同様にして、下方電極層6を得た。透過原稿(下方)6は、透過原稿(下方)5のダミー部内に断線部を追加し、該断線部は後述する透過原稿(上方)6のダミー部内の細線パターンと重なった時に交差する位置に設けた。該断線部の長さは30μmである。また透過原稿(下方)6は、後述する透過原稿(上方)6のダミー部における断線部の形状と同じ形状を有する細線画像を、該ダミー部における断線部と同じ位置に加えたものである。得られた下方電極層6の金属銀画像は、透過原稿(下方)6と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<上方電極層6の作製>
上方電極層5の作製において、透過原稿(上方)5に代えて、下記透過原稿(上方)6を使用した以外は同様にして、上方電極層6を得た。透過原稿(上方)6は、透過原稿(上方)5のダミー部内に断線部を追加し、該断線部は上述した透過原稿(下方)6のダミー部内の細線パターンと重なった時に交差する位置に設けた。該断線部の長さは30μmである。また透過原稿(上方)6は、上述した透過原稿(下方)6のダミー部における断線部の形状と同じ形状を有する細線画像を、該ダミー部における断線部と同じ位置に加えたものである。得られた上方電極層6の金属銀画像は、透過原稿(上方)6と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡で調べ、0.1μmであった。
<光透過性導電材料積層体−6の作製(本発明)>
上記のようにして得られた下方電極層6、上方電極層6と厚さ2mmPC板を、各々の電極層面をPC板側へ向け、OCAを用い、四隅のアライメントマーク(+印)が一致するようにして、貼合順がPC板/OCA/上方電極層6/OCA/下方電極層6となるよう貼合し、光透過性導電材料積層体−6を得た。
得られた光透過性導電材料積層体−1〜6について、以下の手順に従って外観を評価した。
<外観>
上記のようにして得た光透過性導電性材料積層体1〜6のPC板面側を3波長蛍光灯光源に対して、斜めに置いて、PC板面に正対した位置からセンサー部の形状が明確に視認できたものを1、少し見れば視認できるものを2、良く見れば視認できるものを3、注視すれば僅かに視認できるものを4、全く視認できなかったものを5として評価した。この結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明によって、センサー部形状の視認性(難視認性)が良好な光透過性導電材料積層体が得られることがわかる。
1 上方電極層
2 下方電極層
3 光透過性導電材料積層体
21 センサー部
22 ダミー部
23 周辺配線部
24 端子部
41、42、61、62 断線部
43、44、63、64 金属細線
a、b、c、d 仮の輪郭線

Claims (3)

  1. 絶縁層を介して上方電極層と下方電極層が積層された光透過性導電材料積層体であって、
    該上方電極層および該下方電極層は、光透過性支持体上あるいは絶縁層上に、端子部に電気的に接続されるセンサー部と端子部に電気的に接続されないダミー部を少なくとも有し、該センサー部およびダミー部は網目形状を有する金属細線パターンを有しており、
    該下方電極層は、第一の方向に伸びたセンサー部がダミー部を挟んで第一の方向に交差する第二の方向に周期Lにて複数列並ぶことで構成され、該上方電極層は、第二の方向に伸びたセンサー部がダミー部を挟んで第一の方向に周期Mにて複数列並ぶことで構成され、
    該上方電極層および該下方電極層が有するセンサー部とダミー部との境界部分に位置する金属細線パターン、および/または該上方電極層および該下方電極層が有するダミー部内に位置する金属細線パターンは、該金属細線パターンの一部が切り取られた形状の断線部を有し、
    該断線部が設けられた電極層とは異なるもう一方の電極層が有する金属細線パターンは、2つの電極層を積層した時の平面視において、該断線部と同じ位置に、該断線部と同じ形状の金属細線部を有することを特徴とする、光透過性導電材料積層体。
  2. 前記したダミー部内の金属細線パターンが有する断線部の位置が、2つの電極層を積層した時の平面視において、もう一方の電極層が有する金属細線と交差する位置である、前記請求項1に記載の光透過性導電材料積層体。
  3. 前記した金属細線パターンが、ボロノイ図形から作図される不規則なパターンである、前記請求項1または2に記載の光透過性導電材料積層体。
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