JP2017161443A - 相関演算方法及び信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信信号とレプリカコードとの相関演算に要する消費電力の更なる低減を図る技術の提案。
【解決手段】測位用衛星からの受信信号をサンプリングした時系列のサンプリング値をk個(k≧2)ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算することと、前記加減算の結果をメモリーに記憶させることと、所与のレプリカコードのコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を前記メモリーから読み出して相関値を算出することと、前記レプリカコードを変えて前記相関値の算出を行う際に、前記メモリーの記憶内容の再利用が可能か否かを判定することと、前記再利用が不可である場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行した後に前記相関値の算出を繰り返し、前記再利用が可能である場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行せずに前記相関値の算出を行うことと、を含む相関演算方法を構成する。
【選択図】図2
【解決手段】測位用衛星からの受信信号をサンプリングした時系列のサンプリング値をk個(k≧2)ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算することと、前記加減算の結果をメモリーに記憶させることと、所与のレプリカコードのコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を前記メモリーから読み出して相関値を算出することと、前記レプリカコードを変えて前記相関値の算出を行う際に、前記メモリーの記憶内容の再利用が可能か否かを判定することと、前記再利用が不可である場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行した後に前記相関値の算出を繰り返し、前記再利用が可能である場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行せずに前記相関値の算出を行うことと、を含む相関演算方法を構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、受信信号とレプリカコードとの相関演算に関する。
GPS(Global Positioning System)受信機に代表される測位用衛星信号受信機では、受信信号とレプリカコードとの相関演算を行うことで衛星信号を捕捉している。相関演算は、受信信号及びレプリカコードそれぞれのサンプリング値を乗算し、これらの乗算結果を積算する演算である。この相関演算を行って衛星信号を捕捉するためには、レプリカコードの位相をずらしながら、相関演算を繰り返し行う必要がある。いわゆる位相サーチである。この相関演算の繰り返し演算量を低減させるために、レプリカコード値が「+1,−1」の二値であることに着目し、受信信号に対する加減算のみで相関演算を実現して回路規模の小型化を図った技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、測位用衛星信号受信機は、携帯型電子機器などの小型電子機器に搭載される場合があるが、その場合には長時間の計測を可能とするため、消費電力の低減が求められている。上述した回路規模の小型化も消費電力の低減に寄与する技術であるが、低減できるのであれば、なお一層の消費電力の低減が望まれるところである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、受信信号とレプリカコードとの相関演算に要する消費電力の更なる低減を図る技術を提案することである。
上記課題を解決するための第1の形態は、測位用衛星からの受信信号をサンプリングした時系列のサンプリング値をk個(kは、k≧2を満たす整数)ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算することと、前記加減算の結果をメモリーに記憶させることと、所与のレプリカコードのコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を前記メモリーから読み出して相関値を算出することと、前記レプリカコードを変えて前記相関値の算出を行う際に、前記メモリーの記憶内容の再利用が可能か否かを判定することと、前記再利用が不可であると判定した場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行した後に前記相関値の算出を行い、前記再利用が可能であると判定した場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行せずに前記相関値の算出を行うことと、を含む相関演算方法である。
また、他の形態として、測位用衛星からの受信信号をサンプリングした時系列のサンプリング値をk個(k≧2)ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算する加減算部と、前記加減算の結果を記憶するメモリーと、所与のレプリカコードのコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を前記メモリーから読み出して相関値を算出する相関演算部と、前記レプリカコードを変えて前記相関値の算出を行う際に、前記メモリーの記憶内容の再利用が可能か否かを判定し、前記再利用が不可であると判定した場合には、前記加減算部による加減算及び前記メモリーの記憶内容の更新を再実行した後に前記相関演算部に前記相関値の算出を行わせ、前記再利用が可能であると判定した場合には、前記加減算部による加減算及び前記メモリーへの記憶内容の更新を再実行せずに前記相関演算部に前記相関値の算出を行わせる処理部と、を備えた信号処理装置を構成しても良い。
この第1の形態等によれば、メモリーの記憶内容を再利用可能と判定した場合、受信信号についての加減算、及び、メモリーへの記憶(書き込み)に係る処理を行わないので、その分、消費電力を削減することができる。また、メモリーへの記憶に係る処理を行わず、メモリーの記憶内容を再利用することができるため、いわゆるキャッシュとしての効果が期待できる。
第2の形態として、第1の形態の相関演算方法であって、前記受信信号に対して所与のドップラー周波数を用いたキャリア除去を行うこと、を更に含み、前記加減算することは、前記キャリア除去後の前記受信信号について前記加減算することであり、前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記キャリア除去用の前記ドップラー周波数が変更されたか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、相関演算方法を構成しても良い。
この第2の形態によれば、ドップラー周波数を用いたキャリア除去後の受信信号について加減算されるので、ドップラー周波数が変更された場合、受信信号も変化する。そのため、例えばドップラー周波数が変更された場合には、メモリーの記憶内容の再利用は不可と判定することができる。
第3の形態として、第1又は第2の形態の相関演算方法であって、前記受信信号に対して所与の積算時間で信号積算を行うこと、を更に含み、前記加減算することは、前記信号積算後の前記受信信号について前記加減算することであり、前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記積算時間が変更されたか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、相関演算方法を構成しても良い。
この第3の形態によれば、受信信号に対する所与の積算時間での信号積算後の受信信号について加減算されるので、積算時間が変更された場合、受信信号も変更される。そのため、例えば積算時間が変更された場合には、メモリーの記憶内容の再利用は不可と判定することができる。
第4の形態として、第1〜第3の何れかの形態の相関演算方法であって、搬送波周波数が異なる複数の測位用衛星システムの中から選択した測位用衛星システム、或いは、同一の測位用衛星システムにおいて搬送波周波数が異なる複数の測位用衛星の中から選択した測位用衛星信号に応じて前記受信信号を取得すること、を更に含み、前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記受信信号に係る前記搬送波周波数が変わったか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、相関演算方法を構成しても良い。
この第4の形態によれば、受信信号に係る搬送波周波数が変化すると、受信信号も変化する。そのため、例えば搬送波周波数が変化した場合には、メモリーの記憶内容の再利用は不可と判定することができる。
第5の形態として、第1〜第4の何れかの形態の相関演算方法であって、所与のタイミングに応じて前記受信信号の前記サンプリングのサンプルタイミングを変更すること、を更に含み、前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記サンプルタイミングが変更されたか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、相関演算方法を構成しても良い。
この第5の形態によれば、受信信号のサンプルタイミングが変更されると、時系列のサンプリング値も変更される。そのため、例えばサンプルタイミングが変更された場合には、メモリーの記憶内容の再利用は不可と判定することができる。
第6の形態として、第1〜第5の何れかの形態の相関演算方法であって、前記メモリーは、2個のバンクを有し、前記記憶させることは、前記相関値の算出の際に読み出し対象となっていない前記バンクに前記加減算の結果を記憶させるように前記相関値の算出毎に前記バンクを切り替えることを含み、前記算出を行うことは、前記判再利用が可能であると判定した場合に、前回の前記相関値の算出の際に読み出した前記バンクと同一の前記バンクから前記加減算の結果を読み出して前記相関値の算出を行わせることを含む、相関演算方法を構成しても良い。
この第6の形態によれば、メモリーが2個のバンクを有し、相関値の算出毎に記憶させるバンクを切り替えることで、再利用可能と判定した場合には、受信信号についての加減算、及び、メモリーの記憶に係る処理を行わないので、その分、消費電力を削減することができる。加えて、再利用不可と判定した場合に、一方のバンクに記憶させるとともに、他方のバンクから読み出して相関値の算出を行うことができるので、相関演算に要する時間の短縮を図ることができる。
図1は、本実施形態の携帯型電子機器1の全体構成図である。携帯型電子機器1は、ユーザーが携帯し、或いは腕や手首に装着して使用される小型の電子機器であり、例えば、腕時計型を成して構成される。携帯型電子機器1は、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)受信機10と、メイン処理部30と、操作部32と、表示部34と、音出力部36と、時計部38と、通信部40と、メイン記憶部42とを備えて構成される。
GNSS受信機10は、GPSやQZSS(Quasi-Zenith Satellite Systems)、GLONASS等の複数の衛星測位システムによる測位が可能ないわゆるマルチGNSS対応受信機であり、受信した測位用衛星信号に重畳されて搬送されている情報に基づいて、GNSS受信機10の位置や時計誤差を算出する。GNSS受信機10は、受信アンテナ12と、RF(Radio Frequency)受信回路部14と、ベースバンド処理回路部16とを有して構成される。なお、RF受信回路部14及びベースバンド処理回路部16は、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。また、GNSS受信機10は、受信アンテナ12を含まず、RF受信回路部14と、ベースバンド処理回路部16とを有して構成するようにしても良い。
受信アンテナ12は、GNSS受信機10が利用可能な複数の衛星測位システムそれぞれの衛星信号の搬送波周波数の信号を受信可能に構成されている。
RF受信回路部14は、受信アンテナ12によって受信された信号を中間周波数の信号にダウンコンバートし、増幅した後、デジタル信号に変換して出力する。なお、ダイレクトコンバージョン方式の回路とするならば、直接ベースバンド周波数の信号に変換した上で、デジタル信号に変換して出力することができる。
ベースバンド処理回路部16は、RF受信回路部14から出力される受信信号のデータを用いて、捕捉対象の衛星測位システムの衛星信号を捕捉し、捕捉した衛星信号から取り出した時刻情報や衛星軌道情報を用いて、GNSS受信機10の位置(携帯型電子機器1の位置ともいえる)や、GNSS受信機10の内部時計或いは時計部38が計時する時計誤差を算出する。
メイン処理部30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーやFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成される演算処理装置であり、メイン記憶部42に記憶されたシステムプログラム等の各種プログラムに従って携帯型電子機器1の各部を統括的に制御する。
また、GNSS受信機10の測位結果に基づいて各種の処理を実行する。
また、GNSS受信機10の測位結果に基づいて各種の処理を実行する。
操作部32は、タッチパネルやボタンスイッチで構成される入力装置であり、ユーザーの操作に応じた操作信号をメイン処理部30に出力する。表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示装置であり、メイン処理部30からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部36は、スピーカー等で構成される音声出力装置であり、メイン処理部30からの音信号に基づく各種音声出力を行う。時計部38は、内部時計であり、水晶発振器等を有する発振回路によって構成され、現在時刻や、指定されたタイミングからの経過時間を計時する。通信部40は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線通信装置であり、外部装置との通信を行う。
メイン記憶部42は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶装置であり、メイン処理部30が携帯型電子機器1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、メイン処理部30の作業領域として用いられ、メイン処理部30の演算結果や、操作部32からの操作データ等を一時的に格納する。
[ベースバンド処理回路部]
図2は、ベースバンド処理回路部16の内部構成図である。図2によれば、ベースバンド処理回路部16は、サンプルメモリー102と、キャリア除去部104と、加算部106と、ダウンサンプリング部108と、第1の加減算部110と、ベースバンドメモリー112と、第2の加減算部114と、レプリカコード生成部116と、相関積算部118と、BB(ベースバンド)処理部200と、BB記憶部300とを有する。なお、第2の加減算部114、及び、相関積算部118が、相関演算部に相当する。
図2は、ベースバンド処理回路部16の内部構成図である。図2によれば、ベースバンド処理回路部16は、サンプルメモリー102と、キャリア除去部104と、加算部106と、ダウンサンプリング部108と、第1の加減算部110と、ベースバンドメモリー112と、第2の加減算部114と、レプリカコード生成部116と、相関積算部118と、BB(ベースバンド)処理部200と、BB記憶部300とを有する。なお、第2の加減算部114、及び、相関積算部118が、相関演算部に相当する。
サンプルメモリー102は、RF受信回路部14から出力される受信信号をサンプリングし、そのサンプリング値を記憶する。本実施形態では、例えばGPS衛星からの受信信号に対して、C/A(Coarse / Acquisition)コードのコード長(1023チップ)に相当する1ミリ秒の間に2112回のサンプリングを行って得られたサンプリング値を記憶する。他の衛星測位システムに対しても、衛星測位システム毎の信号仕様に応じてサンプリングを行う。また、受信信号は、BB処理部200から指示されたサンプルタイミングでサンプリングされる。
キャリア除去部104は、サンプルメモリー102から読み出したサンプリング値に対して、キャリア除去用信号のサンプリング値を乗算することで、受信信号を検波する。キャリア除去用信号は、RF受信回路部14から出力される信号の所定周波数(例えばIF(Intermediate Frequency)周波数)をBB処理部200から指示されるドップラー周波数に応じて変更した信号として生成する。
加算部106は、キャリア除去部104によってキャリア波(搬送波)成分が除去されたサンプリング値(受信信号)を、BB処理部200から指示されるコヒーレント積算時間分だけ積算する。すなわち、受信信号に対して所与の積算時間で信号積算を行う。
ダウンサンプリング部108は、加算部106から出力されるデータ値に対するダウンサンプリングを行う。本実施形態では、一例として、2112回のサンプリングを行って得られたデータ値を、これより少ない1ミリ秒の間に2046回のサンプリングを行って得られるデータ値に変換することとして説明する。
第1の加減算部110は、例えば論理回路によって構成され、ダウンサンプリング部108から出力される受信信号のデータ値に対して、加減算の組み合わせを変えた第1の加減算を行う。
図3は、ベースバンド処理回路部16における受信信号とレプリカコードとの相関演算を説明する図である。相関演算は、第1の加減算部110と、ベースバンドメモリー112と、第2の加減算部114と、相関積算部118とによって実現される。
図3に示すように、第1の加減算部110には、受信信号の1ミリ秒分のデータとして、2046個のデータ値d1〜d2046が入力される。第1の加減算部110は、この2046個のサンプリング値d1〜d2046を4個ずつ選択して生成した512組の受信データ組S1〜S512それぞれについて、当該受信データ組に含まれる4個のデータ値を、加減算の組み合わせを変えた第1の加減算を行う。具体的には、受信データ組S1に着目すると、受信データ組S1に含まれる4個のデータ値d1〜d4に対して、図3に示すように、加減算の組み合わせを変えた4通りの加減算を行って、X1〜X4を算出する。他のデータ組S2〜S512それぞれについても同様に、第1の加減算を行って第1の加減算結果X1〜X4を得る。各受信データ組S1〜S512それぞれについて得られた第1の加減算結果X1〜X4は、ベースバンドメモリー112に記憶される。
なお、第1の加減算部110は、サンプリング値を4個ずつ選択する例として説明するが、4個である必要はなく、k個ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算すればよく、kは2以上の任意の値を採用することができる。
ベースバンドメモリー112は、加減算の結果を記憶するメモリーに相当し、第1の加減算部110による1ミリ秒分の受信信号に対する第1の加減算の結果を記憶する。すなわち、図3に示すように、受信データ組S1〜S512それぞれについて得られた第1の加減算結果X1〜X4の値を格納する。
第2の加減算部114は、例えば論理回路によって構成され、ベースバンドメモリー112から読み出したデータ値(第1の加減算の結果)に対して、加減算の組み合わせを変えた第2の加減算を行う。具体的には、受信データ組S1〜S512それぞれについて、当該受信データ組の加減算結果X1〜X4をベースバンドメモリー112から読み出し、加減算の組み合わせを変えた第2の加減算を行う。具体的には、受信データ組S1に着目すると、加減算結果X1〜X4に対して、図3に示すように、加減算の組み合わせを変えた16通りの加減算を行う。
レプリカコード生成部116は、BB処理部200から指示される衛星測位システム及び衛星番号に対応するレプリカコードを生成する。そして、生成したレプリカコードを、第1の加減算部110に入力されるデータ値と等しいサンプリング間隔、すなわち、ダウンサンプリング部108によるダウンサンプリング後のデータ値と同じサンプリング時間間隔でサンプリングしたコード値を生成する。本実施形態では、レプリカコードに対して、1ミリ秒の間に2046回のサンプリングを行ったコード値r1〜r2046を生成する。
相関積算部118は、レプリカコード生成部116から入力されるレプリカコード値の時系列変化に対する加減算結果を、第2の加減算部114の加減算結果の中から選択して相関値を算出する。第2の加減算部114と相関積算部118とで相関演算部が構成されるため、相関演算部で考えると、レプリカコードコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果をベースバンドメモリー112から読み出して相関値を算出することとなる。
相関積算部118の処理内容をより具体的に説明すると、2046個のレプリカコード値r1〜r2046に対して、選択開始位置を1コード値ずつずらしながら4個ずつ選択して、レプリカデータ組R1〜R2046を生成する。そして、レプリカオフセットにもとづいて、各受信データ組に対応するレプリカデータ組を選定し、当該レプリカコード組に含まれる4個のコード値の正負の符号の組み合わせと同じ組み合わせで加減算された第2の加減算結果を選択する。このように選択した値が、当該受信データ組に係る積和値となる。
ここで、レプリカオフセットとは、受信信号とレプリカコードとの相関演算におけるレプリカコードの位相のずらし量に相当するものである。ずらし量は、1サンプリング分を最小単位とし、レプリカオフセットは、ずらし量がゼロのときを1とし、ずらし量がC/Aコードの1周期分のときを2046として、1〜2046の値で表現する。そして、レプリカオフセットの分だけずらしながら、受信データ組とレプリカコード組とを対応付ける。すなわち、レプリカオフセットを「j(j=1〜2046)」とすると、受信データ組Si(i=1〜512)には、レプリカコード組R(2×i+j−2)が対応する。
レプリカオフセットが1(ずらし量ゼロ)の場合(j=1)、受信データ組S1に対応するのはレプリカデータ組R1となる。例えば、レプリカデータ組R1に含まれるコード値が「+1,+1,−1−1」である場合は、第2の加減算部114によって演算された16個の第2の加減算結果のうち、「+d1+d2−d3−d4=X1−X3」を選択する。そして、選択した値を受信データ組S1に係る積和値とする。他の受信データ組についても同様である。そして、レプリカオフセット毎に全ての受信データ組に係る積和値を合算することで、各レプリカオフセットに係る相関値を算出する。
図4は、C/Aコードの1周期分位相をずらして求めた積和値及び相関値をテーブル形式で表した図である。m番目(m=1〜512)の受信データ組Smについて、レプリカオフセットをn(n=1〜2046)とした場合に得られる積和値をp(m,n)と表記している。例えば、レプリカオフセットを1とした場合に、受信データ組S1〜S512それぞれについて得られる積和値をp(1,1)〜p(512,1)と表記している。また、レプリカオフセットを2とした場合に、受信データ組S1〜S512それぞれについて得られる積和値をp(1,2)〜p(512,2)と表記している。
レプリカオフセットそれぞれについて、受信データ組S1〜S512それぞれについて得られた積和値を合算することで、相関値が算出される。例えば、レプリカオフセット「1」について、受信データ組S1〜S512についての積和値p(1,1)〜p(512,1)を合算することで、レプリカオフセット「1」についての相関値が算出される。そして、算出したレプリカオフセット別の相関値のうち、最大の相関値に対応するレプリカオフセットをもとに、コード位相を特定することができる。
つまり、レプリカコードの位相をゼロからC/Aコードの1周期分までの間でずらしながら、受信信号とレプリカコードとの相関演算を行った場合に相当し、受信信号と、位相をずらしたレプリカコードそれぞれとの相関値を算出することができる。本実施形態では、これを1回の相関演算と呼ぶ。
図2に戻り、BB処理部200は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサーで実現され、GNSS受信機10の各部を統括的に制御する。BB処理部200は、レプリカコードを変えて相関値の算出を繰り返し行う際に、メモリー(ベースバンドメモリー112)の記憶内容の再利用が可能か否かを判定し、再利用が不可であると判定した場合には、加減算部(第1の加減算部110)による加減算及びメモリー(ベースバンドメモリー112)の記憶内容の更新を再実行した後に相関演算部を構成する相関積算部118に相関値の算出を行わせ、再利用が可能であると判定した場合には、加減算部(第1の加減算部110)による加減算及びメモリー(ベースバンドメモリー112)への記憶内容の更新を再実行せずに相関演算部を構成する相関積算部118に相関値の算出を行わせる処理部である。BB処理部200は、ベースバンドプログラム302の実行により実現される機能部として、加算制御部202と、衛星捕捉部204と、測位演算部206と、キャッシュ制御部208と、を有する。
加算制御部202は、例えば受信信号の受信強度に応じて、加算部106のコヒーレント積算時間を制御する。
衛星捕捉部204は、レプリカコード生成部116に、衛星測位システムの種類及び衛星番号を指示して捕捉対象の衛星信号のレプリカコードを生成させ、相関積算部118にて算出される受信信号とレプリカコードとの相関値から、衛星信号を捕捉または追尾する。このとき、レプリカコードの周波数を少しずつ変化させながら、受信信号とレプリカコードとの相関演算を繰り返し行わせる、いわゆる周波数サーチを行う。
測位演算部206は、衛星捕捉部204によって捕捉された衛星(衛星信号)について取得された衛星軌道情報やメジャメント情報を用いた位置算出処理を行って、GNSS受信機10の位置や時計誤差を算出する。取得された衛星軌道情報やメジャメント情報、算出された位置や時計誤差などは、測位情報304として記憶される。
キャッシュ制御部208は、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用するキャッシュ制御を行う。具体的には、受信信号とレプリカコードとの相関演算を行う際に、ベースバンドメモリー112の記憶内容(すなわち、第1の加減算部110による第1の加減算結果)を、再利用可能か否かを判断する。そして、再利用可能と判定した場合には、第1の加減算部110に、非実行を指示する(実行させない)制御信号を出力して第1の加減算を実行させず、ベースバンドメモリー112の記憶内容を更新させない。再利用不可と判定した場合には、第1の加減算部110に、実行を指示する制御信号を出力して第1の加減算を実行させて、ベースバンドメモリー112の記憶内容を更新させる。
再利用の可否の判定は、各判定項目の設定値について、今回の相関演算を行う際の設定値と、前回のベースバンドメモリー112の記憶更新時(つまり、第1の加減算の実行時)における設定値とが同じかを判定し、全て同じである場合、再利用可能と判定する。1つの項目でも設定値が異なれば、再利用不可と判定する。
判定項目は、第1の加減算部110に入力されるサンプリング値d1〜d2046が変化する可能性がある項目として定められ、本実施形態では、(ア)衛星測位システムの種類、(イ)捕捉対象の衛星信号の搬送波周波数、(ウ)捕捉対象の衛星信号のコード位相、(エ)ドップラー周波数、(オ)コヒーレント積算時間、の5種類とする。
(ア)衛星測位システムについては、衛星測位システムが異なると、衛星信号の搬送波周波数が異なるため、RF受信回路部14から出力される受信信号が異なるため、判定項目とされている。
(イ)衛星信号の搬送波周波数については、衛星信号の搬送波周波数が異なると、RF受信回路部14から出力される受信信号が異なるため、判定項目とされている。GPSやGalileo、BeiDouは、全ての衛星信号について搬送波周波数は同一であるが、GLONASSは、衛星信号毎に搬送波周波数が異なる。
(ウ)コード位相については、例えば衛星信号の追尾の際に、捕捉している衛星信号のコード位相によって受信信号のサンプルタイミングが異なるため、判定項目とされている。
(エ)ドップラー周波数については、ドップラー周波数が異なると、キャリア除去部104におけるキャリア除去用信号の周波数が異なり、その結果、同一のサンプリング値に対するキャリア除去後のデータ値(キャリア除去部104の出力)が異なるため、判定項目とされている。
(オ)コヒーレント積算時間については、コヒーレント積算時間が異なると、同一のサンプリング値に対するコヒーレント積算の結果(加算部106の出力)が異なるため、判定項目とされている。
(イ)衛星信号の搬送波周波数については、衛星信号の搬送波周波数が異なると、RF受信回路部14から出力される受信信号が異なるため、判定項目とされている。GPSやGalileo、BeiDouは、全ての衛星信号について搬送波周波数は同一であるが、GLONASSは、衛星信号毎に搬送波周波数が異なる。
(ウ)コード位相については、例えば衛星信号の追尾の際に、捕捉している衛星信号のコード位相によって受信信号のサンプルタイミングが異なるため、判定項目とされている。
(エ)ドップラー周波数については、ドップラー周波数が異なると、キャリア除去部104におけるキャリア除去用信号の周波数が異なり、その結果、同一のサンプリング値に対するキャリア除去後のデータ値(キャリア除去部104の出力)が異なるため、判定項目とされている。
(オ)コヒーレント積算時間については、コヒーレント積算時間が異なると、同一のサンプリング値に対するコヒーレント積算の結果(加算部106の出力)が異なるため、判定項目とされている。
前回のベースバンドメモリー112の記憶更新時におけるこれらの判定項目の設定値は、判定項目設定情報306として記憶されている。キャッシュ制御部208は、この判定項目設定情報306を参照して、今回の設定値との一致を判定し、再利用の可否を判定する。そして、再利用可能と判定した場合には、判定項目設定情報306を、今回の設定値に更新する。
このキャッシュ制御により、消費電力の削減と、相関演算の性能の向上を図ることができる。図5は、ベースバンドメモリー112へのアクセスに要する時間を説明するための図である。図5では、横軸を時刻とし、ベースバンドメモリー112へのアクセスとして、書き込み(記憶)、及び、読み出しそれぞれの処理に要する時間の概要を示している。また、GPS衛星を順に捕捉対象とする場合の例を示しており、衛星のことを「SV」と表記し、「SV」に衛星番号を加えて例えば「SV1」のように表記している。上側(キャッシュ機能無し)は、本実施形態のキャッシュ機能を有さない比較例を示しており、下側(キャッシュ機能有り)に、キャッシュ機能を有する本実施形態の例を示している。測位のためには4機以上のGPS衛星を捕捉する必要があり、各GPS衛星を順に捕捉対象の候補として捕捉を試みている。詳細には、各GPS衛星それぞれの搬送波周波数は全て同じであるため、同一の受信信号に対して、GPS衛星別のレプリカコードそれぞれとの相関演算を順に行って、GPS衛星の捕捉を試みている。
図5の上側に示すように、キャッシュ機能を有さない場合、GPS衛星の捕捉試行毎、すなわち、受信信号と、捕捉候補であるGPS衛星のレプリカコードとの相関演算毎に、第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への書き込みと、ベースバンドメモリー112に記憶されている第1の加減算結果の読み出しと、が行われる。つまり、レプリカコードを変えて相関演算を行うごとに、ベースバンドメモリー112の書き込み、及び、読み出しが行われる。
これに対して、キャッシュ機能を有する場合、図5の下側に示すように、相関演算毎に、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用が可能か否かを判断し、再利用可能と判定した場合には、第1の加減算、及び、この第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶を行わずに、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用して第2の加減算を行う。すなわち、1番目の衛星については、第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶、及び、ベースバンドメモリー112からの第1の加減算結果の読み出しを行うが、2番目以降のGPS衛星については、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用可能なので、第1の加減算、及び、この第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶を行わずに、記憶されているベースバンドメモリー112の記憶内容を読み出して、第2の加減算を行うことができる。つまり、1番目のGPS衛星の捕捉試行時に行った第1の加減算結果を用いて、2番目以降のGPS衛星の捕捉試行時に相関演算を行うことができる。これにより、捕捉候補となる全ての衛星信号の捕捉試行を完了するまでに要する時間を短縮することができる。ベースバンドメモリー112への書き込みも不要となることから消費電力の削減が図れることは勿論、処理速度の向上を図ることができる。
BB記憶部300は、ROMやRAM等の記憶装置で実現され、BB処理部200がベースバンド処理回路部16を統括的に制御するためのシステムプログラムやデータ等を記憶しているとともに、BB処理部200の作業領域として用いられ、BB処理部200の演算結果を一時的に格納する。本実施形態では、BB記憶部300には、ベースバンドプログラム302と、測位情報304と、判定項目設定情報306と、が記憶される。
[処理の流れ]
図6は、相関演算処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、1回の相関演算に関する処理である。
図6は、相関演算処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、1回の相関演算に関する処理である。
先ず、キャッシュ制御部208が、ベースバンドメモリー112の記憶内容の再利用の可否を判定する(ステップA1)。その結果、再利用可能と判定したならば(ステップA3:YES)、キャッシュ制御部208は、第1の加減算部110に非実行指示を出力して、第1の加減算を実行させない(ステップA5)。
再利用不可と判定したならば(ステップA3:NO)、キャッシュ制御部208は、第1の加減算部110に実行指示を出力して第1の加減算を実行させ、ベースバンドメモリー112の記憶内容を更新させる(ステップA7)。続いて、第2の加減算部114が、ベースバンドメモリー112から読み出したデータ値(第1の加減算の結果)に対して、加減算の組み合わせを変えた第2の加減算を行う(ステップA9)。そして、相関積算部118が、レプリカオフセットそれぞれについて、レプリカコード生成部116から入力されるレプリカコード値の時系列変化に対する加減算結果を第2の加減算部114の加減算結果の中から選択して相関値を算出する(ステップA11)。以上の処理を行うと、相関演算処理を終了する。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、受信信号とレプリカコードとの相関演算に要する時間の低減を図ることができる。すなわち、ベースバンド処理回路部16では、受信信号のデータに対して加減算の組み合わせを変えた第1の加減算を行い、その第1の加減算結果をベースバンドメモリー112に記憶し、ベースバンドメモリー112に記憶された第1の加減算結果を読み出して第2の加減算を行い、その第2の加減算結果から、レプリカコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を選択することで、相関値を算出している。本実施形態では、相関演算を行う際に、先ずは、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用可能か否かを判定する。再利用可能と判定したならば、第1の加減算、及び、その第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶(書き込み)を行わず、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用して、第2の加減算を行う。再利用不可と判定したならば、第1の加減算、及び、その第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶(書き込み)を行った後に、ベースバンドメモリー112の記憶内容を読み出して第2の加減算を行う。
このように、本実施形態によれば、受信信号とレプリカコードとの相関演算に要する時間の低減を図ることができる。すなわち、ベースバンド処理回路部16では、受信信号のデータに対して加減算の組み合わせを変えた第1の加減算を行い、その第1の加減算結果をベースバンドメモリー112に記憶し、ベースバンドメモリー112に記憶された第1の加減算結果を読み出して第2の加減算を行い、その第2の加減算結果から、レプリカコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を選択することで、相関値を算出している。本実施形態では、相関演算を行う際に、先ずは、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用可能か否かを判定する。再利用可能と判定したならば、第1の加減算、及び、その第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶(書き込み)を行わず、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用して、第2の加減算を行う。再利用不可と判定したならば、第1の加減算、及び、その第1の加減算結果のベースバンドメモリー112への記憶(書き込み)を行った後に、ベースバンドメモリー112の記憶内容を読み出して第2の加減算を行う。
したがって、メモリーであるベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用可能と判定した場合、受信信号についての加減算、及び、ベースバンドメモリー112への記憶(書き込み)に係る処理を行わないので、その分、消費電力を削減することができる。また、ベースバンドメモリー112への記憶に係る処理を行わず、ベースバンドメモリー112の記憶内容を再利用することができるため、いわゆるキャッシュとしての効果が期待できる。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)ダブルバッファー
ベースバンドメモリー112を、2つのバンクを有する、いわゆるダブルバッファー構成としても良い。この場合、相関演算毎に、第1の加減算結果の書き込み対象とするバンクを交互に切り替えるとともに、書き込み対象とされてない他方のバンクを、第2の加減算部114の読み出し対象として第2の加減算を行う。
ベースバンドメモリー112を、2つのバンクを有する、いわゆるダブルバッファー構成としても良い。この場合、相関演算毎に、第1の加減算結果の書き込み対象とするバンクを交互に切り替えるとともに、書き込み対象とされてない他方のバンクを、第2の加減算部114の読み出し対象として第2の加減算を行う。
図7は、ダブルバッファー構成としたベースバンドメモリー112へのアクセスに要する時間を説明するための図である。上側は、バンクを1つとするシングルバッファーの場合を示した比較例であり、下側が、第1バンクと第2バンクとの2つのバンクとするダブルバッファー構成とした場合である。図7に示すように、ダブルバッファー構成とすることで、2つのバンクそれぞれに対する書き込み及び読み出しを並列に行うことができるため、並列化の効果を期待できる。なお、図7は、並列化の効果を示すために、メモリー(各バンク)の記憶内容の再利用を不可として、上述の実施形態におけるキャッシュ機能の効果が表れわれていない例を示したが、メモリー(バッファー)の記憶内容の再利用が可と判定された場合には、第1バンク及び第2バンクそれぞれについて、図5を参照して説明したようなキャッシュ機能の効果が期待できる。
1…携帯型電子機器、10…GNSS受信機、12…受信アンテナ、14…RF受信回路部、16…ベースバンド処理回路部、102…サンプルメモリー、104…キャリア除去部、106…加算部、108…ダウンサンプリング部、110…第1の加減算部、112…ベースバンドメモリー、114…第2の加減算部、116…レプリカコード生成部、118…相関積算部、200…BB処理部、202…加算制御部、204…衛星捕捉部、206…測位演算部、208…キャッシュ制御部、300…BB記憶部、302…ベースバンドプログラム、304…測位情報、306…判定項目設定情報、30…メイン処理部、32…操作部、34…表示部、36…音出力部、38…時計部、40…通信部、42…メイン記憶部
Claims (7)
- 測位用衛星からの受信信号をサンプリングした時系列のサンプリング値をk個(kは、k≧2を満たす整数)ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算することと、
前記加減算の結果をメモリーに記憶させることと、
所与のレプリカコードのコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を前記メモリーから読み出して相関値を算出することと、
前記レプリカコードを変えて前記相関値の算出を行う際に、前記メモリーの記憶内容の再利用が可能か否かを判定することと、
前記再利用が不可であると判定した場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行した後に前記相関値の算出を行い、前記再利用が可能であると判定した場合には、前記加減算すること及び前記記憶させることを再実行せずに前記相関値の算出を行うことと、
を含む相関演算方法。 - 前記受信信号に対して所与のドップラー周波数を用いたキャリア除去を行うこと、
を更に含み、
前記加減算することは、前記キャリア除去後の前記受信信号について前記加減算することであり、
前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記キャリア除去用の前記ドップラー周波数が変更されたか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、
請求項1に記載の相関演算方法。 - 前記受信信号に対して所与の積算時間で信号積算を行うこと、
を更に含み、
前記加減算することは、前記信号積算後の前記受信信号について前記加減算することであり、
前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記積算時間が変更されたか否に応じて前記再利用が可能か否かを判定する、
請求項1又は2に記載の相関演算方法。 - 搬送波周波数が異なる複数の測位用衛星システムの中から選択した測位用衛星システム、或いは、同一の測位用衛星システムにおいて搬送波周波数が異なる複数の測位用衛星の中から選択した測位用衛星信号に応じて前記受信信号を取得すること、
を更に含み、
前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記受信信号に係る前記搬送波周波数が変わったか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の相関演算方法。 - 所与のタイミングに応じて前記受信信号の前記サンプリングのサンプルタイミングを変更すること、
を更に含み、
前記判定することは、前記相関値の算出を行う際に、前記サンプルタイミングが変更されたか否かに応じて前記再利用が可能か否かを判定する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の相関演算方法。 - 前記メモリーは、2個のバンクを有し、
前記記憶させることは、前記相関値の算出の際に読み出し対象となっていない前記バンクに前記加減算の結果を記憶させるように前記相関値の算出毎に前記バンクを切り替えることを含み、
前記算出を行うことは、前記再利用が可能であると判定した場合に、前回の前記相関値の算出の際に読み出した前記バンクと同一の前記バンクから前記加減算の結果を読み出して前記相関値の算出を行わせることを含む、
請求項1〜5の何れか一項に記載の相関演算方法。 - 測位用衛星からの受信信号をサンプリングした時系列のサンプリング値をk個(k≧2)ずつ選択し、加減算の組み合わせを替えて加減算する加減算部と、
前記加減算の結果を記憶するメモリーと、
所与のレプリカコードのコード値の時系列変化に対応する組み合わせの加減算の結果を前記メモリーから読み出して相関値を算出する相関演算部と、
前記レプリカコードを変えて前記相関値の算出を行う際に、前記メモリーの記憶内容の再利用が可能か否かを判定し、前記再利用が不可であると判定した場合には、前記加減算部による加減算及び前記メモリーの記憶内容の更新を再実行した後に前記相関演算部に前記相関値の算出を行わせ、前記再利用が可能であると判定した場合には、前記加減算部による加減算及び前記メモリーへの記憶内容の更新を再実行せずに前記相関演算部に前記相関値の算出を行わせる処理部と、
を備えた信号処理装置。
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