JP2017160497A - 溶射材およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】低摩擦係数と耐摩耗性とを備えた溶射皮膜を形成し得る溶射用材を提供する。
【解決手段】ここに開示される技術によると、物品の表面に溶射皮膜を形成するための溶射材が提供される。かかる溶射材は、金属炭化物と、金属と、金属酸化物と、を含むことにより特徴付けられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶射材に関する。特には、サーメット溶射皮膜の形成に適する溶射材に関する。
基材の表面を各種の材料で被覆することにより新たな機能性を付与する技術は、従来より様々な分野において利用されている。この表面被覆技術の一つとして、基材の表面にセラミックス、サーメットおよび金属等の粒子からなる溶射材を燃焼または電気エネルギーにより軟化または溶融状態にして吹き付けることで、これらの材料からなる溶射皮膜を形成する溶射法が知られている。
これら溶射皮膜を形成する材料のうち、特にサーメット粒子からなる溶射材は、摩耗性に優れる良好な溶射皮膜(サーメット溶射皮膜)を形成することができる。このため、ベアリングや各種の摺動部材に優れた耐摩耗性表面を付与する(即ち、これら部材の表面にサーメット溶射皮膜を形成する)用途で、サーメット粒子からなる溶射材が利用されており、かかる用途に適うサーメット溶射皮膜のさらなる性能向上が求められている。
例えば、特許文献1には、製紙ラインやフィルム製造ライン等で使用されるコルゲートロール等のロール部材の表面に、耐摩耗性に優れるWC系サーメット溶射皮膜を形成するための溶射材が開示されている。
特開2008−69386号公報
ところで、ベアリング、あるいは種々の摺動部材の表面に関し、良好な耐摩耗性に加えて当該部材使用時に発生する摩擦力ができるだけ低いこと、即ち、摩擦係数の低い表面であることが要求される場合がある。かかる要求に対して、従来のサーメット溶射皮膜、換言すれば、当該サーメット溶射皮膜を形成するための溶射材の内容(構成)には、まだまだ改良する余地がある。
本発明は、かかる要求に応えるべく、摩擦係数の低いサーメット溶射皮膜をベアリング、種々の摺動部材等のような基材の表面に形成し得る溶射材の提供を目的として創出されたものである。
本発明者は、サーメット溶射皮膜を構成する主体たるサーメット成分に加えて金属酸化物成分を共存させることによって、当該サーメット溶射皮膜が形成された表面の摩擦係数を容易に低下させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、ここで開示される発明の一つは、物品(即ち溶射皮膜を形成する対象である基材)の表面に溶射皮膜を形成するための溶射材であって、金属炭化物と、金属と、金属酸化物とを含むことを特徴とする。
かかる構成の溶射材では、溶射皮膜中に上記金属炭化物と上記金属とから成るサーメット成分に上記金属酸化物を混在させることができる。これにより、当該溶射材を物品(基材)に溶射することによって形成された溶射皮膜を備える表面の摩擦係数を低くすることができる。ここで開示される溶射材によると、摩擦係数の低い溶射皮膜(溶射皮膜が形成された表面)を形成することができる。
ここで開示される溶射材の好ましい一態様では、上記金属炭化物、金属および金属酸化物から構成される複合二次粒子を含むことを特徴とする。
かかる複合二次粒子からなる溶射材(溶射粉末)を用いると、例えば、HVAF、HVOF等の高速フレーム溶射法や、或いは、コールドスプレー、ウォームスプレー、プラズマ溶射その他の溶射法によって、摩擦係数の低い溶射皮膜を容易に形成することができる。
好ましくは、上記複合二次粒子は、上記金属炭化物の粒子(金属炭化物粒子)と上記金属の粒子(金属粒子)と、上記金属酸化物から成る酸化物セラミックス粒子とが焼結された複合粒子(典型的には造粒焼結粒子)であることを特徴とする。このような形態の粒子(溶射粉末)を用いると、低摩擦係数と良好な耐摩耗性とをともに実現した溶射皮膜を形成することができる。
複合二次粒子のレーザ回折・散乱法に基づく平均粒子径が60μm以下であること、あるいはまた、複合二次粒子に含まれる上記酸化物セラミックス粒子の電子顕微鏡観察に基づく平均粒子径が10μm以下であることにより、溶射皮膜の耐摩耗性をより向上させることができる。
好ましくは、上記金属炭化物、金属および金属酸化物の合計を100質量%としたときの該金属酸化物の含有率は、0.05質量%以上30質量%以下である。かかる範囲の含有率で金属酸化物(酸化物セラミックス)を含むことにより、溶射皮膜の耐摩耗性と低摩擦係数とをより高レベルに両立させることができる。
ここで開示される溶射材の好ましい一態様では、上記金属炭化物として、少なくとも炭化タングステンまたは炭化クロムを含むことを特徴とする。また、他の好ましい一態様では、上記金属酸化物として、少なくとも酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムまたは希土類元素の酸化物を含むことを特徴とする。
このような種類の金属炭化物、及び/又は、金属酸化物を含有する溶射材によると、上記ベアリングやロール部材、その他の摺動部材(例えばエンジンを構成するピストンリング等の摺動部材)の表面に良好な低摩擦係数と耐摩耗性とを備える溶射皮膜を形成することができる。
また、本発明は、ここで開示される溶射材を利用することにより、表面の少なくとも一部に溶射皮膜が形成された物品を提供する。
即ち、ここで開示される物品は、溶射皮膜が金属炭化物と、金属と、金属酸化物とを含むことを特徴とする。
好ましくは、上記溶射皮膜中における金属炭化物、金属および金属酸化物の合計を100質量%としたときの該金属酸化物の含有率は、0.05質量%以上30質量%以下であることを特徴とする。このような金属酸化物含有率の溶射皮膜では、特に良好な低摩擦係数と耐摩耗性とを実現することができる。
また、ここで開示される溶射材を採用することにより、摩擦係数が0.46以下(更に好ましくは0.42以下、特に好ましくは0.4未満)であるような溶射皮膜(サーメット溶射皮膜)を備えた物品(例えば、ベアリングや種々の摺動部材)を提供することができる。
以下、本発明の好適な幾つかの実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない一般的な造粒法や焼結法を含む溶射材料(粒子)の製造方法、あるいは種々の溶射法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される溶射材は、金属炭化物と、金属と、金属酸化物と、を含むことを特徴とする。このような構成の溶射材を溶射することで、典型的には、上記金属炭化物と上記金属とから成るサーメット成分と上記金属酸化物とが混在して存在する溶射皮膜を形成することができる。このため、ここで開示される溶射材によると、耐摩耗性と低摩擦係数とを両立した溶射皮膜を形成することができる。なお、ここで開示される溶射材は、典型的には粉末の形態で提供される。
ここで開示される溶射材は、典型的には、金属炭化物、金属および金属酸化物から構成される複合二次粒子を含むものである。かかる複合二次粒子は、金属炭化物、金属および金属酸化物が凝集した形態の粒子(凝集粒子)であってもよいし、金属炭化物粒子、金属粒子および金属酸化物粒子のうちの少なくとも2種の粒子が焼結等によって予め一体化された形態の粒子を含むものであってもよい。
上記複合二次粒子の好適な一態様として、例えば、金属炭化物粒子と、金属粒子と、金属酸化物から成る酸化物セラミックス粒子とが焼結等により一体化された複合粒子が挙げられる。かかる複合粒子によると、サーメット成分に上記金属酸化物(酸化物セラミックス)成分が高度に分散して混在する溶射皮膜であって、低摩擦係数と良好な耐摩耗性とをともに実現した溶射皮膜を形成することができる。
或いはまた、上記複合二次粒子の好適な一態様として、例えば、金属炭化物と金属との焼結体であるサーメット粒子と、金属酸化物から成る酸化物セラミックス粒子とを含む複合粒子が挙げられる。金属炭化物および金属をこれらの焼結体として含むことで、かかる複合二次粒子を含む溶射材を溶射して得られる溶射皮膜において上記金属炭化物と上記金属とから成るサーメット成分に上記金属酸化物(酸化物セラミックス)成分が高度に分散して混在する溶射皮膜を形成することができる。
上記サーメット粒子と、酸化物セラミックス粒子とを含む複合粒子の形態は特に限定されず、サーメット粒子および酸化物セラミックス粒子が一体化されることなく凝集した形態の粒子(凝集粒子)であってもよいし、サーメット粒子および酸化物セラミックス粒子が一体化された粒子であってもよい。サーメット粒子および酸化物セラミックス粒子が焼結等により一体化された複合二次粒子は、これらが一体化されることなく凝集した形態の粒子よりも高い破壊強度を実現可能であるため、複合二次粒子の形態として好ましい。
上記金属炭化物粒子と金属粒子と酸化物セラミックス粒子とが一体化された粒子、或いは、上記サーメット粒子および酸化物セラミックス粒子が一体化された粒子としては、例えば、これらの焼結粒子(典型的には造粒焼結粒子)、焼結粉砕粒子、溶融粉砕粒子が挙げられる。一般的に、造粒焼結粒子は、溶射時の流動性に優れ、該粒子を溶射装置に供給する際の供給性にも優れることから、溶射材料としての複合二次粒子として好適である。かかる造粒焼結粒子は、該粒子を構成する微小粒子が互いに一体化されて1つの粒子を構成している形態の粒子(二次粒子)であり、該造粒焼結粒子を構成する微粒子(典型的には一次粒子)の境界を確認することはできないが、一般的に、該粒子を構成する微小粒子の形態(存在)は電子顕微鏡観察等で識別可能である。
かかる複合二次粒子の平均粒子径は、特に限定されない。一般的に、複合二次粒子の平均粒子径が小さいほど、溶射皮膜の緻密性、硬さ或いは基材との密着性を向上することが可能であり、溶射皮膜の耐摩耗性を向上し得る。このため、耐摩耗性を向上する観点からは、複合二次粒子の平均粒子径の上限は、100μm以下が適当であり、60μm以下が好ましく、50μm以下がさらに好ましい。なお、かかる複合二次粒子の平均粒子径の下限は特に限定されないが、例えば10μm以上、典型的には20μm以上(例えば20μm以上60μm以下)とすればよい。
なお、本明細書において、複合二次粒子に係る「平均粒子径」とは、レーザ回折・散乱法に基づく平均粒子径を採用している。典型的には、上記複合二次粒子の平均粒子径として、市販のレーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置(例えば(株)堀場製作所製、LA−950のような装置)を用いて測定した、体積基準の粒度分布における積算50%粒径(D50)を採用することができる。
また、上記複合二次粒子に含まれる酸化物セラミックス粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、耐摩耗性を向上する観点からは、10μm以下が適当であり、5μm以下が好ましい。かかる酸化物セラミックス粒子の平均粒子径の下限は特に限定されないが、例えば0.5μm以上が適当であり、典型的には1μm以上、より好ましくは2μm以上5μm以下(例えば3μm±1μm)とし得る。低摩擦係数と耐摩耗性を両立する観点からは、かかるセラミックス粒子の平均粒子径と上記複合二次粒子の平均粒子径との比が1:5〜1:20である複合粒子が好ましい。
また、上記複合二次粒子に含まれる金属炭化物粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、1μm以上5μm以下とすればよく、2μm以上3μm以下が適当である。上記複合二次粒子に含まれる金属粒子の平均粒子径についても特に限定されず、例えば、1μm以上5μm以下とすればよい。
なお、低摩擦係数と耐摩耗性を両立する観点からは、上記金属炭化物の平均粒子径が上記金属酸化物の平均粒子径以下である(即ち、金属炭化物の平均粒子径≦金属酸化物の平均粒子径)である複合二次粒子が好ましい。
ここで、本明細書において、複合二次粒子を構成する各一次粒子(即ち、金属炭化物粒子、金属粒子、金属酸化物粒子)の平均粒子径は、電子顕微鏡観察に基づいて測定される平均粒子径を採用している。典型的には、複合二次粒子を構成する各一次粒子の平均粒子径として、市販の走査型顕微鏡(例えば(株)日立ハイテクノロジーズ社製、S−3000Nのような装置)を用い、加速電圧15kV、拡大倍率5000倍の条件で無作為に撮影した12枚の反射電子像を解析して測定される各粒子に係る粒子径の算術的平均値を採用することができる。
複合二次粒子の平均円形度は、特に限定されないが、例えば0.8以上とすればよい。複合二次粒子の平均円形度が大きくすることで、溶射皮膜の摩擦係数を低下することができる。このため、複合二次粒子の平均円形度は、0.82以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましい。複合二次粒子の平均円形度の上限に特に制限はないが、典型的には1未満(好ましくは0.98以下、例えば0,95以下)の値となり得る。
なお、本明細書において、複合二次粒子に係る「平均円形度」とは、画像解析法により得られた複数(ここでは5000個以上)の複合二次粒子の平面視における円形度の算術学的平均値を採用している。典型的には、平均円形度として、市販のフロー式粒子画像分析装置(例えばシスメックス(株)製、FPIA−2100のような装置)を用いて算出した値を採用することができる。
ここで開示される溶射材に占める金属炭化物、金属および金属酸化物の合計の割合が高い方が、該溶射材を溶射して得られる溶射皮膜の耐摩耗性および低摩擦係数を高いレベルで両立し得るために好ましい。例えば、溶射材に占める金属炭化物、金属および金属酸化物の割合は、合計で95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、98質量%以上が特に好ましい。例えば、実質的に100質量%であることが特に好ましい。
ここで開示される溶射材に含まれる金属炭化物、金属および金属酸化物の存在割合は特に限定されない。溶射皮膜の摩擦係数を低減する観点からは、金属炭化物、金属および金属酸化物(酸化物セラミックス)の合計を100質量%としたときの金属酸化物の含有率を0.05質量%以上とすることが好ましく、0.1質量%以上とすることがより好ましい。0.5質量%以上がさらに好ましい。
一方、溶射皮膜中に含まれる金属酸化物の割合が多すぎると、該溶射皮膜の摩耗性が低下しがちである。このため、溶射皮膜の耐摩耗性と低摩擦係数とをより高レベルに両立させる観点からは、金属炭化物、金属および金属酸化物(酸化物セラミックス)の合計を100質量%としたときの金属酸化物の含有率を40質量%以下とすることが好ましく、25質量%以下とすることがより好ましい。また、特に限定するものではないが、上記溶射材に含まれる金属の含有率は、金属炭化物および金属の合計を100質量%としたときに5質量%以上40質量%以下の範囲(例えば10質量%以上30質量%以下)とし得る。
なお、特に限定されるものではないが、ここで開示される溶射材に含まれる金属炭化物、金属、および金属酸化物の含有割合は、例えば以下の方法で測定し算出することができる。無機物の成分測定は蛍光X線(Shimadzu製、XRF−1700)で行い、炭素量や酸素量はLecoジャパン製、WC600型(炭素)、ONH836型(酸素)を用いて測定する。これらの結果を統合し、各成分の含有割合いを算出する。
また、ここで開示される溶射材に含まれる金属炭化物は特に限定されず、各種の金属の炭化物(カーバイド)とすることができる。かかる金属炭化物を構成する金属元素としては、例えば、B,Si,Ge,Sb,Bi等の半金属元素、Na,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Al,Ga,In,Sn,Pb,P等の典型金属元素、Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Au等の遷移金属元素、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tu,Yb,Lu等のランタノイド元素から選択される1種または2種以上が挙げられる。なかでも、W、Cr、V、Nb、Mo、Ta、Ti、Zr、Hf、Si、Bから選択される1種または2種以上の元素であることが好ましい。即ち、上記金属炭化物は、炭化タングステン、炭化クロム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素のうちから選択される1種または2種以上であり得る。少なくとも炭化タングステンまたは炭化クロムを含むことが好ましい。
ここで開示する溶射材に含まれる金属は、特に制限されず、各種の金属元素の単体や、これらの元素と他の1種以上の元素とからなる合金等が挙げられる。例えば、ニッケル、鉄、クロム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、銀、モリブデン、ニオブ、錫、鉛などの金属、またはそれらの合金が挙げられる。なお、ここでいうそれらの合金とは、少なくとも1種の上記いずれかの金属元素と、1種以上の他の元素とからなり、金属的な性質を示す物質を包含する意味であって、その混ざり方は、固溶体、金属間化合物およびそれらの混合のいずれであってもよい。
ここで開示される溶射材に含まれる金属酸化物は特に限定されず、各種の金属の酸化物とすることができる。かかる金属酸化物を構成する金属元素としては、一般に酸化物セラミックスを構成し得る元素であればよく、なかでも、Al、Zr、希土類元素に属する元素(典型的には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd)から選択される1種または2種以上の元素であることが好ましい。即ち、上記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、または希土類元素の酸化物から選択される1種または2種以上であり得る。換言すると、ここで開示する溶射材は、溶射材として、少なくとも酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、または希土類元素の酸化物を含むことが好ましい。
ここで開示される溶射材の製造方法の一態様として、金属炭化物粒子と、金属粒子と、金属酸化物から成るセラミックス粒子とが焼結された粒子(いわゆる造粒焼結粒子)を例として説明する。
即ち、金属炭化物粒子と、金属粒子と、酸化物セラミックス粒子とを混合し、造粒して得られる造粒物を焼成することにより、金属炭化物粒子と、金属粒子と、酸化物セラミックス粒子とを含む複合二次粒子(造粒焼結粒子)を製造することができる。
ここに開示される溶射材を溶射することで、溶射皮膜を形成することができる。即ち、ここに開示される溶射材を利用することで、表面の少なくとも一部に溶射皮膜が備えられた物品が提供される。換言すると、上記溶射皮膜は、基材の表面に備えられていることで、溶射皮膜付部材等として提供される。
ここに開示される溶射皮膜は、上記の溶射用材料が、例えば任意の基材の表面に溶射されることにより形成される。したがって、かかる溶射皮膜は、金属炭化物と、金属と、金属酸化物とを含むことを特徴とする。かかる溶射皮膜の好適な一態様では、該溶射皮膜中における金属炭化物、金属および金属酸化物の合計を100質量%としたときの該金属酸化物の含有率が、0.05質量%以上30質量%以下である。これら金属炭化物、金属および金属酸化物については、上記の溶射材における説明と同様に考慮することができるため、再度の説明は省略する。
また、ここで開示される溶射皮膜は、基材の表面に備えられることで、例えば当該基材に対して優れた耐摩耗性と低摩擦係数の両立を実現し得る。かかる溶射皮膜の好適な一態様では、摩擦係数が0.46以下(更に好ましくは0.42以下、特に好ましくは0.4未満である。
なお、本明細書において、溶射皮膜に係る「摩擦係数」とは、μ=F/W(但し、F:摩擦力、W:摩擦面に垂直に作用する荷重)により算出される値であって、ボールオンディスク式の摩擦試験に基づく摩擦係数を採用している。典型的には、上記溶射皮膜の摩擦係数として、ボールオンディスク摩擦摩耗試験装置(CSM instruments社製、THT−800)を用いて測定した摩擦係数を採用することができる。
溶射の対象である基材(被溶射材)については特に限定されない。例えば、かかる溶射材の溶射に供したときに、所望の耐性を備え得る材料からなる基材であれば、その材質や形状等は特に制限されない。かかる基材を構成する材料としては、例えば、各種の金属または合金等が挙げられる。具体的には、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金(例えば1000シリーズ〜7000シリーズアルミニウム合金)、鉄、鉄鋼(例えば各種のSUS材(ステンレス鋼))、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、金、銀、ビスマス、マンガン、亜鉛、亜鉛合金等が例示される。かかる基材は、例えば、優れた耐久性や低い摩擦係数が求められる用途に用いられる部材(典型的にはベアリングや各種の摺動部材)であり得る。
溶射材を溶射する溶射方法としては、公知の各種の溶射方法を採用することができる
。例えば、好適には、高速空気燃料溶射(HVAF)、高速酸素燃料溶射(HVOF)等の高速フレーム溶射法、或いは、コールドスプレー、ウォームスプレー、プラズマ溶射法、フレーム溶射法、爆発溶射法、エアロゾルデポジション法等の溶射方法を採用することが例示される。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下のパーセンテージ表示は、いずれも質量%である。
以下の材料およびプロセスによって、表1の例1〜15に係る組成の粉状の溶射材を作製した。これら各例に係る溶射材は、金属炭化物および金属が焼結された二次粒子、若しくは金属炭化物と、金属と、酸化物セラミックス粒子とが焼結された複合二次粒子である。
なお、表中の「組成物」には、各溶射材を構成する粒子(目的の化合物)の組成を示す。例えば例1に係る「WC/12%Co」は、12質量%のコバルトと残部(88質量%)の炭化タングステンからなるサーメット粒子を表す。また、例2に係る「WC/12%Co/5%Al」は、炭化タングステンと、コバルトと、アルミナ粒子とからなる複合二次粒子であって、該複合二次粒子中の炭化タングステンおよびコバルトの含有量の合計を100質量%としたときのコバルトの含有率が12質量%であり、且つ、該複合二次粒子中の炭化タングステン、コバルトおよびアルミナの含有量の合計を100質量%としたときのアルミナの含有量が5質量%である複合二次粒子(造粒焼結粒子)を表す。例3〜15の組成比についても上述した例1および例2の組成比と同様である。
まず、例1、12、14に係る溶射材として、金属炭化物(炭化タングステン、または炭化クロム)および金属(コバルト、ニッケル、またはコバール等のニッケルコバルト合金)を混合して焼成することで、表1の示す組成のサーメット粒子を作製した。即ち、例1、12、14に係る溶射材は金属酸化物(酸化物セラミックス)を含まない。
次いで、例2〜11、例13、例15に係る溶射材として、金属炭化物と、金属と、金属酸化物(アルミナ、またはジルコニア)とを混合して焼結することで、表1に示す組成の複合二次粒子を作製した。
表1中の「溶射材の平均粒子径(μm)」の欄には、上述のとおりに得られた溶射材(サーメット粒子または複合二次粒子)の平均粒子径(D50)をレーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−950)を用いて測定した結果を示した。
表1中の「金属炭化物の平均粒子径(μm)」、「金属の平均粒子径(μm)」、および「金属酸化物の平均粒子径(μm)」の欄には、上述のとおりに得られた溶射材(複合二次粒子)に含まれる金属炭化物粒子、金属粒子および金属酸化物粒子の平均粒子径をSEM観察((株)日立ハイテクノロジーズ社製、S−3000N)を用いた電子顕微鏡観察)により算出した結果を示した。
上述のとおりに作製した溶射材を用いて、高速空気燃料溶射(HVAF)法により溶射することにより溶射皮膜を形成した。溶射条件は、以下のとおりとした。
まず、被溶射材である基材としては、SS400鋼板(70mm×50mm×6mm)を用意し、粗面化加工を施して用いた。HVAF溶射は、市販のHVAF溶射装置(KERMETICO社製、AK−07 HVAF Spray Gun)を用いて行った。ノズルは275mmとした。この溶射機に、燃焼ガスとしてのプロパン(C3H8)を0.50MPa、支燃ガス(助燃剤)としての空気を0.62MPaで供給しながら、フレームを発生させた。このフレーム中に各溶射材(溶射粉末)を約75g/minの供給量で供給し、溶射ガンを1000mm/secの速度で移動させながら、溶射距離を約150mmとして溶射皮膜を形成した。
得られた皮膜を30mm×30mm×6mmの大きさに切断した。ダイヤモンド遊離砥粒でRa0.1μmとなる様に研磨した。その後、アセトンを用いて超音波洗浄を行った。
<試験1:摩擦係数の測定>
次に、上述のとおりに得られた溶射皮膜の摩擦係数を測定し、結果を表1の「摩擦係数」の欄にした。
各溶射皮膜の摩擦係数の測定には市販のボールオンディスク摩擦摩耗試験機(CSM instruments社製、THT−800)を用いて行った。かかる摩擦摩耗試験機の固定ボールとしてはアルミナボールを使用した。そして、荷重10N、摩擦速度0.4m/secの条件で摩擦係数を測定した。なお、上記摩擦摩耗試験機の固定ボールと接触する溶射皮膜の表面には潤滑処理を行わなかった(即ち無潤滑)。
Figure 2017160497
表1に示すように、例2〜11に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜は、例1に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜と比較して、摩擦係数が低かった。また、例13に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜は例12に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜と比較して摩擦係数が低く、例15に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜は例14に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜と比較して摩擦係数が低かった。即ち、金属炭化物と、金属と、金属酸化物とを含む溶射材を溶射することによって、摩擦係数の低い溶射皮膜を形成し得ることを確認した。
<試験2:摩耗重量の測定>
次に、例1〜例15に係る溶射材を溶射して得られた溶射皮膜のうちの幾つかについて摩耗重量を測定し、結果を表2の「摩耗重量」の欄に示した。
各溶射皮膜の摩耗重量の測定には市販のボールオンディスク摩擦摩耗試験機(CSM instruments社製、THT−800)を用いて行った。かかる摩擦摩耗試験機の固定ボールとしてはアルミナボールを使用した。そして、荷重10N、摩擦速度0.4m/secの条件で摩耗試験を行った。なお、上記摩擦摩耗試験機の固定ボールと接触する溶射皮膜の表面には潤滑処理を行わなかった(即ち無潤滑)。
ここで、各溶射皮膜の摩耗重量は、上記の摩耗試験前後の溶射皮膜(典型的には溶射皮膜が形成された試験片)と固定ボールの重量の変化を測定して算出した。
Figure 2017160497
表2に示すように、例3、6、8、10に係る溶射材を溶射して得られた溶射皮膜は、例1に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜と比較して、摩耗重量が小さかった。また、例13に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜は例12に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜と比較して摩耗重量が小さく、例15に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜は例14に係る溶射材を溶射して得られる溶射皮膜と比較して摩耗重量が小さかった。即ち、金属炭化物と、金属と、金属酸化物とを含む溶射材を溶射することによって、耐摩耗性に優れた溶射皮膜を形成し得ることを確認した。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (11)

  1. 物品の表面に溶射皮膜を形成するための溶射材であって、
    金属炭化物と、
    金属と、
    金属酸化物と、
    を含む、溶射材。
  2. 前記金属炭化物、前記金属および前記金属酸化物から構成される複合二次粒子を含む、請求項1に記載の溶射材。
  3. 前記複合二次粒子は、
    前記金属炭化物の粒子と前記金属の粒子と、前記金属酸化物から成る酸化物セラミックス粒子とが焼結された複合粒子である、請求項2に記載の溶射材。
  4. 前記複合二次粒子に含まれる前記酸化物セラミックス粒子の電子顕微鏡観察に基づく平均粒子径は、10μm以下である、請求項3に記載の溶射材。
  5. 前記複合二次粒子のレーザ回折・散乱法に基づく平均粒子径は、60μm以下である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の溶射材。
  6. 前記金属炭化物、前記金属および前記金属酸化物の合計を100質量%としたときの該金属酸化物の含有率は、0.05質量%以上30質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶射材。
  7. 前記金属炭化物として、少なくとも炭化タングステンまたは炭化クロムを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の溶射材。
  8. 前記金属酸化物として、少なくとも酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムまたは希土類元素の酸化物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の溶射材。
  9. 表面の少なくとも一部に溶射皮膜が形成された物品であって、
    前記溶射皮膜は、
    金属炭化物と、
    金属と、
    金属酸化物と、
    を含むことを特徴とする、物品。
  10. 前記溶射皮膜中における前記金属炭化物、前記金属および前記金属酸化物の合計を100質量%としたときの該金属酸化物の含有率は、0.05質量%以上30質量%以下である、請求項9に記載の物品。
  11. 前記溶射皮膜が形成された表面における摩擦係数が0.46以下である、請求項9または10に記載の物品。
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