JP2017159340A - マグネシウム合金材の接合方法 - Google Patents

マグネシウム合金材の接合方法 Download PDF

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【課題】高い接合強度と良好な伸びを有する継手を安定して得ることができる難燃性マグネシウム合金の接合方法を提供する。【解決手段】第1の被接合材と第2の被接合材との被接合部の表面側と裏面側とに、上部ツールと下部ツールとを相対向するように配置し、上部ツールと下部ツールとによって被接合部を同時に摩擦攪拌することで第1の被接合材と第2の被接合材とを摩擦攪拌接合する方法であって、第1の被接合材と第2の被接合材の少なくとも一方を、マグネシウム合金に0.5〜12.0重量%のカルシウムが添加された難燃性マグネシウム合金とすること、を特徴とするマグネシウム合金の接合方法。【選択図】図1

Description

本発明は難燃性マグネシウム合金材の摩擦攪拌接合方法に関する。
各種輸送機器の省エネルギー化に対する要求等から、構造体への軽金属材の導入が進んでいる。特に、マグネシウムは実用金属中で最も軽量で比強度が高く、従来使用されてきた鉄鋼材やアルミニウム合金材の代替材として期待されている。
ここで、マグネシウムは活性な金属であり、燃焼しやすいことが用途拡大の障壁となっていたが、カルシウム(Ca)が添加されたマグネシウム合金の開発により、十分な難燃性を有するマグネシウム合金が実用化されている。
このような状況下において、難燃性マグネシウム合金材を接合する技術の確立が必要不可欠となっている。しかしながら、マグネシウムは難溶接材であり、溶接割れが生じやすく、溶接歪が大きいこと等が知られている。特に、一般的な溶融溶接では十分な接合強度及び信頼性を有する継手を得ることは極めて困難である。
これに対し、マグネシウム材への摩擦攪拌接合の適用が検討されている。摩擦攪拌接合は固相接合であることから溶融溶接と比較して接合温度が低く、接合界面における金属間化合物の形成を抑制することができる等の利点を有している。
例えば、特許文献1(特開2011−79022号公報)では、マグネシウム及びマグネシウム合金の摩擦攪拌接合方法であって、摩擦攪拌接合用ツールのショルダ径/プローブ径が4以上であることを特徴とする摩擦攪拌接合方法、が開示されている。
上記特許文献1に記載の摩擦攪拌接合方法においては、相対的にショルダ部による影響を強く受ける攪拌領域を増加させることで、マグネシウムの底面が接合表面に対して45°に配向することを抑制でき、従来よりも高い継手効率を有する摩擦攪拌接合継手を得ることができる、としている。
特開2015−139808号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている接合方法では、マグネシウム材の摩擦攪拌接合において問題となる強い集合組織の形成を完全に抑制することができず、接合部に十分な引張強度及び伸びを付与することができない。特に、難燃性マグネシウム合金では母材中に酸化カルシウム粒子が分散しており、当該酸化カルシウム粒子は接合部の延性を低下させてしまう。よって、従来の摩擦攪拌接合では、引張強度と伸びを高いレベルで両立する難燃性マグネシウム合金の接合部を得ることができない。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、高い接合強度と良好な伸びを有する継手を安定して得ることができる難燃性マグネシウム合金の接合方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、摩擦攪拌接合方法と継手強度の関係等について鋭意研究を重ねた結果、被接合部の両面から摩擦攪拌すること等が接合部の強度及び延性の向上に効果的であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
第1の被接合材と第2の被接合材との被接合部の表面側と裏面側とに、上部ツールと下部ツールとを相対向するように配置し、前記上部ツールと前記下部ツールとによって前記被接合部を同時に摩擦攪拌することで前記第1の被接合材と前記第2の被接合材とを摩擦攪拌接合する方法であって、
前記第1の被接合材と前記第2の被接合材の少なくとも一方を、マグネシウム合金に0.5〜12.0重量%のカルシウムが添加された難燃性マグネシウム合金とすること、
を特徴とするマグネシウム合金の接合方法を提供する。
一般的な摩擦攪拌接合では、摩擦攪拌接合用ツール表面の接線方向にマグネシウムの(0001)底面が配向して集合組織を形成し、継手特性が低下することが知られている。これに対し、本発明の摩擦攪拌接合方法においては上部ツールによって生じる材料流動と下部ツールによって生じる材料流動との相互作用によって材料流動が複雑化し、強い配向を有する集合組織の形成を抑制することができる。
ここで、上下からの摩擦攪拌が特に難燃性マグネシウム合金に効果的である理由については必ずしも明らかになっていないが、被接合材を難燃性マグネシウム合金材とすることで、通常のマグネシウム合金よりも顕著に材料流動を複雑化することができる。カルシウム添加に起因して形成される微細硬質粒子の影響により、摩擦攪拌中に変形しやすい領域と変形し難い領域が形成されることが原因の一つではないかと考えられる。加えて、微細硬質粒子のピン止め効果によって粒成長を抑制することができ、微細な母材結晶粒を形成することができる。つまり、難燃性マグネシウム合金の特徴である微細硬質粒子は材料流動特性を低下させるため、一般的な摩擦攪拌接合では不利であるが、上下からの適当な摩擦攪拌を用いることで難燃性マグネシウム合金の継手特性を飛躍的に向上させることができる。
本発明の被接合材の少なくとも一方として用いる難燃性マグネシウム合金は、マグネシウム合金に0.5〜12.0重量%のカルシウムが添加された難燃性マグネシウム合金であって、本発明の効果を損なわない限りにおいて、従来公知の種々の難燃性マグネシウム合金を用いることができる。
本発明のマグネシウム合金の接合方法においては、前記下部ツールの回転速度を前記上部ツールの回転速度の50〜90%とすること、が好ましい。下部ツールの回転速度を上部ツールの回転速度の50〜90%とすることで、継手に母材と同等レベルの伸びを付与することができる。下部ツールの回転速度を上部ツールの回転速度の50%以上とすることで、下部ツールによる攪拌不足を抑制することができ、90%以下とすることで、攪拌部への入熱が過多となることを抑制することができる。
また、本発明のマグネシウム合金の接合方法においては、前記下部ツールの回転速度を前記上部ツールの回転速度の80〜90%とすること、がより好ましい。下部ツールの回転速度を上部ツールの回転速度の80%以上とすることで、継手強度を母材強度の90%程度にまで上昇させることができる。つまり、下部ツールの回転速度を上部ツールの回転速度の80〜90%とすることで、強度と伸びを高いレベルで兼ね備えた難燃性マグネシウム合金の継手を得ることができる。下部ツールの回転速度を上部ツールの回転速度の80%以上とすることで継手強度が顕著に高くなる理由については必ずしも明らかになっていないが、被接合部の十分な攪拌、材料流動の複雑化による強い集合組織形成の抑制、強ひずみの導入による母材結晶粒の微細化等が良好にバランスする結果であると思われる。
また、本発明のマグネシウム合金の接合方法においては、プローブ部を有する摩擦攪拌接合用ツールを前記上部ツールとして用い、プローブ部を有さないフラットツールを前記下部ツールとして用いること、が好ましい。下部ツールにフラットツールを用いることで、プローブ部を有する上部ツールで形成される材料流動とは異なる材料流動を形成させることができ、上部ツール及び下部ツールに同種のツールを用いる場合と比較して、材料流動をより複雑化することができる。加えて、下部ツールがプローブ部を有する場合は当該プローブの通過領域も材料流動によって埋め戻す必要があり、適切接合条件範囲の観点から問題となる。
また、本発明のマグネシウム合金の接合方法においては、前記上部ツールの底面(被接合材と当接する面)と前記下部ツールの底面(被接合材と当接する面)とのなす角が0.5〜7°であること、が好ましい。上部ツールの底面と下部ツールの底面とのなす角を0.5〜7°とすることで、材料流動を効率的に複雑化することができる。
更に、本発明のマグネシウム合金の接合方法においては、前記上部ツールのみに前進角を設けること、が好ましい。上部ツールのみに前進角を設けることにより、上部ツールによって形成される材料流動と前進角を設けない下部ツールによって形成される材料流動とに変化を与えることができ、これらの相互作用によって最終的に得られる材料流動をより効率的に複雑化することができる。なお、上部ツールの前進角は0.5〜5°とすることが好ましく、2〜4°とすることがより好ましい。
本発明によれば、高い接合強度と良好な伸びを有する継手を安定して得ることができる難燃性マグネシウム合金の接合方法を提供することができる。
本発明のマグネシウム合金の接合方法を示す模式図である。 摩擦攪拌接合継手の攪拌部近傍の断面マクロ写真である。 引張試験片の採取位置及び形状を示す模式図である。 摩擦攪拌接合継手の引張特性を示すグラフである。 攪拌部のEBSD結晶方位マップ像及び平均結晶粒径である。
以下、図面を参照しながら本発明のマグネシウム合金の接合方法の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
図1は、本発明のマグネシウム合金の接合方法を示す模式図である。第1の被接合材2と第2の被接合材4とを突合せ、被接合界面6が形成されている。ここで、被接合界面6に対して適切な位置に、表面側に上部ツール8、裏面側に下部ツール10が相対向するように配置し、被接合界面6を上部ツール8及び下部ツール10によって同時に摩擦攪拌することで攪拌部12が形成され、接合が達成される。
摩擦攪拌接合はFSW(Friction Stir Welding)と称され、接合しようとする二つの金属材からなる被接合材それぞれの端部を突き合わせ、回転ツールの先端に設けられた突起部(プローブ部)を両者の端部の間に挿入し、これら端部の長手方向に沿って回転ツールを回転させつつ移動させることによって、二つの金属部材を接合する方法である。
第1の被接合材2と第2の被接合材4の少なくとも一方は、マグネシウム合金に0.5〜12.0重量%のカルシウムが添加された難燃性マグネシウム合金である。本発明の効果を損なわない限りにおいて、難燃性マグネシウム合金のその他の組成及び組織は特に限定されず、従来公知の種々の難燃性マグネシウム合金を用いることができる。
上部ツール8にはプローブ部を有する摩擦攪拌接合用ツールを用い、下部ツール10にはプローブ部を有さないフラットツールを用いることが好ましい。この場合、上部ツール8はプローブ部を有する摩擦攪拌接合用ツールであれば特に限定されず、従来公知の種々の形状及び材質のツールを用いることができる。プローブ部の長さは第1の被接合材2及び第2の被接合材4の厚さによって決定すればよく、当該厚さと略同等か僅かに短い長さとすることが好ましい。また、材質としては、例えば、工具鋼、超硬合金及びセラミックス等を挙げることができる。
また、下部ツール10の形状及び材質も上部ツール8の場合と同様に、第1の被接合材2及び第2の被接合材4の材質及び厚さ等によって適宜決定すればよい。ここで、下部ツール10の表面は完全にフラットである必要はなく、例えば、僅かな凹形状や凸形状としてもよい。なお、下部ツール10にプローブ部を設ける場合、当該プローブ部の長さは上部ツール8のプローブ部の長さの2/3以下とすることが好ましい。下部ツール10のプローブ部の長さを上部ツール8のプローブ部の長さの2/3以下とすることで、攪拌部における欠陥の形成を抑制することができる。また、下部ツール10は回転する裏板と見做すこともでき、用いる材質の熱伝導率によって、攪拌部12への入熱及び抜熱を制御することができる。
下部ツール10の回転速度は、上部ツール8の回転速度の50〜90%とすることが好ましい。下部ツール10の回転速度を上部ツール8の回転速度の50〜90%とすることで、継手に母材(第1の被接合材2及び/又は第2の被接合材4)と同等レベルの伸びを付与することができる。下部ツール10の回転速度を上部ツール8の回転速度の50%以上とすることで、下部ツール10による攪拌不足を抑制することができ、90%以下とすることで、攪拌部12への入熱が過多となることを抑制することができる。
また、下部ツール10の回転速度は、上部ツール8の回転速度の80〜90%とすることがより好ましい。下部ツール10の回転速度を上部ツール8の回転速度の80%以上とすることで、継手強度を母材(第1の被接合材2及び/又は第2の被接合材4)強度の90%程度にまで上昇させることができる。つまり、下部ツール10の回転速度を上部ツール8の回転速度の80〜90%とすることで、強度と伸びを高いレベルで兼ね備えた難燃性マグネシウム合金の継手を得ることができる。下部ツール10の回転速度を上部ツール8の回転速度の80%以上とすることで継手強度が高くなる理由については必ずしも明らかになっていないが、上述の通り、被接合部の十分な攪拌、材料流動の複雑化による強い集合組織形成の抑制、強ひずみの導入による母材結晶粒の微細化等が良好にバランスする結果であると思われる。
また、上部ツール8及び/又は下部ツール10を傾斜させ、上部ツール8の底面(被接合材と当接する面)と下部ツール10の底面(被接合材と当接する面)とのなす角を0.5〜7°とすることが好ましい。上部ツール8の底面と下部ツール10の底面とのなす角を0.5〜7°とすることで、材料流動を効率的に複雑化することができる。
更に、下部ツール10には前進角を設けず、上部ツール8のみに前進角を設けることが好ましい。上部ツール8のみに前進角を設けることにより、上部ツール8によって形成される材料流動と下部ツール10によって形成される材料流動とに変化を付けることができ、これらの相互作用によって最終的に得られる材料流動をより複雑化することができる。なお、上部ツール8の前進角は0.5〜5°とすることが好ましく、2〜4°とすることがより好ましい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。なお、上記実施形態は突合せ接合となっているが、本発明のマグネシウム合金の接合方法は重ね合わせ接合にも適用することができる。また、上部ツールと下部ツールの配置を上下逆にする態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例1≫
図1に示す配置で、難燃性マグネシウム合金AZX612板材(Al:6wt%,Zn:1wt%,Ca:2wt%,Mg:Bal.)同士を突合せ、当該突合せ面の上下からツールを挿入して摩擦攪拌接合を施した。上部ツール及び下部ツールは工具鋼(JIS−SKD61)製とし、上部ツールは底面にプローブ部(突起部)を有する一般的な摩擦攪拌接合用ツール、下部ツールはプローブ部(突起部)を有さないフラットツールとした。上部ツール本体部は直径15mmの円柱状、プローブ部(突起部)は直径6mm、長さ2.8mmの円柱状であり、下部ツールは直径15mmの円柱状である。
摩擦攪拌接合条件は、上部ツール前進角:3°、下部ツール前進角:0°、上部ツール回転速度:600rpm、下部ツール回転速度:600rpm、上部ツール回転方向:時計回り、下部ツール回転方向:時計回り、接合速度:500mm/min、制御方式:ツール位置制御(上部ツール底面及び下部ツール底面を被接合材に略0.2mm挿入)とした。なお、板材のサイズは200mm×65mm×3mmである。得られた摩擦攪拌接合継手の攪拌部近傍の断面マクロ写真を図2に示す。
得られた摩擦攪拌接合継手から図3に示す位置及び形状の引張試験片を切り出し、引張試験機(SHIMADZU Autograph AGS−X 10kN)を用いてクロスヘッドスピード1mm/minにて引張試験を行った。得られた引張特性を図4に示す。
得られた摩擦攪拌接合継手の攪拌部における、異なる4領域のEBSD結晶方位マップ像及び平均結晶粒径を図5に示す。測定領域は図5に示すa〜eで、母材の平均粒径は図中に値を示している。なお、EBSD測定にはFE−SEM(日本電子株式会社製JSM−7001FA)及びTSL社製のOIM data Collection ver5.31を用いた。
≪実施例2≫
下部ツールの回転速度を500rpmとした以外は実施例1と同様にして、摩擦攪拌接合継手を得た。また、実施例1と同様にして各種評価を行い、得られた結果を図2、図4及び図5に示した。
≪実施例3≫
下部ツールの回転速度を400rpmとした以外は実施例1と同様にして、摩擦攪拌接合継手を得た。また、実施例1と同様にして各種評価を行い、得られた結果を図2、図4及び図5に示した。
≪実施例4≫
下部ツールの回転速度を300rpmとした以外は実施例1と同様にして、摩擦攪拌接合継手を得た。また、実施例1と同様にして各種評価を行い、得られた結果を図2、図4及び図5に示した。
≪比較例≫
本発明の実施例と比較するために、被接合材の表面側からのみツールを挿入する一般的な摩擦攪拌接合を行った。具体的には、摩擦攪拌接合用ツールとして上部ツールのみを用いて回転速度を1000rpmとし、下部ツールの代わりに工具鋼製の固定裏板を用いた以外は実施例1と同様にして、摩擦攪拌接合継手を得た。また、実施例1と同様にして各種評価を行い、得られた結果を図2、図4及び図5に示した。
ここで、下部ツールを用いた場合は攪拌部への入熱が増加することを考慮し、本発明の実施例と略同等の比較を行うために、比較例ではツールの回転速度を1000rpmに増加させている。
図2において、実施例1〜実施例4では上部ツール及び下部ツールの影響を受けた攪拌部が形成されており、当該攪拌部に欠陥は認められない。また、比較例で得られた継手の攪拌部は一般的に知られている形状を有しており、実施例と同じく欠陥は認められない。
図4において、実施例で得られた全ての摩擦攪拌接合継手の引張強度及び伸びは、比較例で得られた摩擦攪拌接合継手の引張強度及び伸びよりも明らかに高い値を示している。特に、実施例2及び実施例3で得られた摩擦攪拌接合継手の伸びは被接合材と同等であり、実施例1及び実施例2で得られた摩擦攪拌接合継手の引張強度は被接合材の9割以上となっている。
図5において、比較例で得られた攪拌部には(0001)底面の強い集合組織が形成されているのに対し、実施例で得られた攪拌部では結晶粒の方位がランダム化されていることが分かる。なお、実施例の母材結晶粒径は比較例よりも僅かに大きくなっているが、未接合部の母材結晶粒径と比較すると数分の1程度にまで微細化されている。
2・・・第1の被接合材、
4・・・第2の被接合材、
6・・・被接合界面、
8・・・上部ツール、
10・・・下部ツール、
12・・・攪拌部。

Claims (6)

  1. 第1の被接合材と第2の被接合材との被接合部の表面側と裏面側とに、上部ツールと下部ツールとを相対向するように配置し、前記上部ツールと前記下部ツールとによって前記被接合部を同時に摩擦攪拌することで前記第1の被接合材と前記第2の被接合材とを摩擦攪拌接合する方法であって、
    前記第1の被接合材と前記第2の被接合材の少なくとも一方を、マグネシウム合金に0.5〜12.0重量%のカルシウムが添加された難燃性マグネシウム合金とすること、
    を特徴とするマグネシウム合金の接合方法。
  2. 前記下部ツールの回転速度を前記上部ツールの回転速度の50〜90%とすること、
    を特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金の接合方法。
  3. 前記下部ツールの回転速度を前記上部ツールの回転速度の80〜90%とすること、
    を特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金の接合方法。
  4. プローブ部を有する摩擦攪拌接合用ツールを前記上部ツールとして用い、
    プローブ部を有さないフラットツールを前記下部ツールとして用いること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネシウム合金の接合方法。
  5. 前記上部ツールの底面と前記下部ツールの底面とのなす角が0.5〜7°であること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマグネシウム合金の接合方法。
  6. 前記上部ツールのみに前進角を設けること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマグネシウム合金の接合方法。
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