JP2017158659A - プラズマ照射処理装置、その評価装置及び評価方法、その制御装置及び制御方法、並びに、膜の製造方法 - Google Patents

プラズマ照射処理装置、その評価装置及び評価方法、その制御装置及び制御方法、並びに、膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマと照射対象物への効果との関係を推定する。【解決手段】プラズマ照射処理装置は、プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値を測定する測定部と、前記電流の電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成する評価部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ照射処理装置、その評価装置及び評価方法、その制御装置及び制御方法、並びに、膜の製造方法に関する。
特許文献1は、工業分野、医療分野などで使用されるプラズマ照射処理装置を開示している。
国際公開2012/005132号
従来では、プラズマ照射処理装置を評価する際に、プラズマ自体から放出される電磁波や光などが測定されていた。この手法は、例えば、照射されるプラズマの状態を評価するものであり、プラズマと照射対象物への効果との関係を推定することができなかった。
本発明の一態様によれば、プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値を測定する測定部と、前記電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成する評価部とを備えるプラズマ照射処理装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値を測定する測定部と、電源から供給される電圧と前記電流値と前記照射対象物の凝固結果との関係を示す制御情報を用いて前記電圧を制御し、前記照射対象物の凝固に関するモードを切り替える制御部とを備えるプラズマ照射処理装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、プラズマ照射処理装置の評価方法であって、プラズマを照射対象物に照射している間に、測定部によって、前記照射対象物を介して流れる電流の電流値を測定することと、評価部によって、前記電流値と前記プラズマの凝固能との関係を作成することと、前記関係を用いて、前記評価部によって、前記プラズマ照射処理装置の性能を評価することとを含む評価方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、プラズマ照射処理装置の評価方法であって、プラズマを照射対象物に照射している間に、測定部によって、前記照射対象物を介して流れる電流の電流値を測定することと、評価部によって、電源から前記プラズマ照射処理装置に供給される電圧と前記電流値との間の関係を作成することと、前記関係を用いて、前記評価部によって、前記プラズマ照射処理装置の性能を評価することとを含む評価方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、プラズマ照射処理装置の制御方法であって、プラズマを照射対象物に照射している間に、測定部によって、前記照射対象物を介して流れる電流の電流値を測定することと、電源から前記プラズマ照射処理装置に供給される電圧と前記電流値と前記照射対象物の凝固結果との関係を示す制御情報を用いて、前記電圧を制御し、前記照射対象物の凝固に関するモードを切り替えることとを含む制御方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、プラズマを照射対象物に照射して前記照射対象物を介して流れる電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成することと、前記相関関係を用いて、電源からプラズマ照射処理装置に供給される電圧を制御することとを含む膜の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値の情報と、前記照射対象物の凝固結果の情報とを用いて、前記電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成する評価装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、電源からプラズマ照射処理装置に供給される電圧と、プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値と、前記照射対象物の凝固結果との関係を示す制御情報を用いて、前記プラズマ照射処理装置に対して前記電圧の設定値を出力する制御装置が提供される。
第1実施形態のプラズマ照射処理装置の一例を示す概略構成図。 (a)は本実施形態における検出電流の波形及び電圧波形の一例であり、(b)は本実施形態における検出電流の波形と誘導電流の波形の一例であり、(c)は本実施形態におけるサンプルを介して流れる電流値の一例。 本実施形態における電流値とヘモグロビン濃度との関係を表すグラフ。 本実施形態におけるサンプルにプラズマ照射した後の画像。 本実施形態におけるサンプルにプラズマ照射した後の画像。 本実施形態におけるサンプルにプラズマ照射した後の画像。 本実施形態におけるサンプルにプラズマ照射した後の画像。 本実施形態における電力(W)とアルブミン析出量との関係を表すグラフ。 本実施形態におけるプラズマ照射前と照射後との間の赤血球数を表すグラフ。 本実施形態における製品を出荷するまでの流れの一例。 本実施形態において、横軸に設定電圧、縦軸に電流値をとったグラフの一例。 第2実施形態のプラズマ照射処理装置の一例を示す概略構成図。 第2実施形態の制御情報の一例。 本実施形態における装置使用時の設定電圧補正のフローチャートの一例。
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。なお、添付図面は具体的な実施形態を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
以下、医療用のプラズマ照射処理装置の実施形態の例について説明するが、当該装置は医療用以外の目的(例、食品分野など)に適用されてもよい。
本願発明者は、プラズマ由来の測定可能な物理量を探し、この物理量(例、電気的パラメータなど)の測定結果から、プラズマと照射対象物に生じる効果との相関関係について、以下の新たな知見を得た。
(1)全血にプラズマフレアを当てたとき、サンプル(血液)を介して流れる電流量と溶血量との間に相関がある。
(2)赤血球のPBS(Phosphate buffered saline)希釈液にプラズマフレアを当てたとき、サンプルを介して流れる電流量と溶血量との間に相関がある。
(3)溶血量が多いほど、凝固物の生成量が多い。
例えば、プラズマ医療の分野では、外科的処置として以下の複数(例、3つ)のカテゴリが存在する。
(カテゴリ1)Energy Device・・・energy device(高周波電気凝固、超音波凝固、レーザー凝固etc.)を用いた熱的作用の利用
(カテゴリ2)Surgical Hemostats・・・血清タンパク成分(アルブミンなど)の凝固
(カテゴリ3)Adhesive and Tissue Sealing・・・溶血を伴う凝固(赤血球クロットの形成)
以下の実施形態は、生成されたプラズマをサンプル(例、血液)に照射したときにサンプル(被照射体、照射対象物)を介して流れる電流値とプラズマの凝固能との相関関係を利用して、上述のカテゴリに関してプラズマの評価又は制御を行う技術である。
プラズマの凝固能とは、例えば、プラズマが有する、サンプルを凝固させる能力を含む。一例として、プラズマの凝固能には、サンプル内で化学反応を生じさせること(例、タンパク質の場合の重合による成膜など)、サンプル内の凝固因子を活性化させる(例、血液の場合の血液凝固因子の活性化など)こと、膜状構造物(例、血液の場合の溶血膜、凝集物による膜状構造物)を生成させることなどが含まれる。上述のプラズマの凝固能は一例であり、プラズマの凝固能として、様々な凝固の能力が含まれてよい。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のプラズマ照射処理装置(プラズマ照射システム)の一例を示す概略構成図である。一例として、プラズマ照射処理装置1は、プラズマ生成部(プラズマ生成装置)2と、電源及びガス源3と、ステージ(試料載置部)4と、検出部5と、処理装置6とを備える。
サンプル7は、サンプル保持部8に導入される。一例として、サンプル7は、血液であり、サンプル保持部8は、ウェルプレートである。サンプル保持部8は、ステージ4上に配置される。ステージ4には銅箔(図示省略)が取付けられている。
電源及びガス源3は、プラズマ生成部2に電圧及びガスを供給する。電源及びガス源3における電源がグランドに接地されている。ステージ4の銅箔と電源の接地側とが電線9を介して接続されている。電線9には検出部5が配置されている。一例として、検出部5は、電流センサであり、例えばロゴスキーコイルである。別の例として、検出部5は、電流プローブでもよい。別の例として、検出部5は、抵抗器と差動アンプから構成されてもよい。この構成では、検出部5は、抵抗器の抵抗間にかかる電圧を差動アンプを介して測定することで電流値を評価できる。
プラズマ生成部2は、電源及びガス源3から供給されるガス及び電圧に基づいて大気圧低温のプラズマ(プラズマフレア)を生成する。プラズマ生成部2は、プラズマ生成用の放電管10を備える。放電管10には、電源及びガス源3におけるガス源から不活性ガスが導入される。一例として、不活性ガスは、ヘリウムである。放電管10にヘリウムガスを導入し、放電管10に電圧を印加することにより、グロー放電を発生させる。プラズマ生成部2は、グロー放電によりプラズマを生成し、上述した複数のカテゴリに対応するプラズマを照射できる。
処理装置6は、制御部11と、測定部12と、評価部13と、記憶部14と、ユーザインタフェース15とを備える。処理装置6の各処理部11、12、13は、例えば集積回路で設計する等によりハードウェア手段で実現されてもよいし、あるいは、プロセッサがその処理に対応するプログラムを実行するソフトウェア手段で実現されてもよい。
図1では、制御部11、測定部12、評価部13、及び記憶部14が1つの処理装置6に含まれる形式で図示されているが、これは、説明の簡略化を目的としたものであり、この構成に限定されない。処理装置6の構成要素は、別個のデバイス上で実現されてもよい。一例として、第1のデバイス上で測定部12の処理を実行し、測定部12の出力結果をネットワークあるいは記憶媒体などを介して第2のデバイスに入力し、第2のデバイスで評価部13の処理を実行してもよい。一例として、評価部13の機能が評価装置(第1のデバイス)として1つのデバイスとして実現されてもよい。別の例として、制御部11の機能が制御装置(第2のデバイス)として1つのデバイスとして実現されてもよい。
図1では、プラズマ生成部2と処理装置6とは別個のブロックで図示されているが、処理装置6の構成要素の全部又は少なくとも一部がプラズマ生成部2自体に組み込まれてもよい。
記憶部14は、例えば、メモリ、ハードディスク等の記録装置、あるいは、SDカード、DVD等の記録媒体などである。記憶部14には、処理装置6の各処理部11、12、13への入力情報、及び、各処理部11、12、13からの出力情報(例、電流の測定結果や処理結果など)が格納される。
ユーザインタフェース15は、マウスやキーボードなどの入力部と、ディスプレイなどの表示部とを備える。ユーザインタフェース15の入力部を用いて、処理装置6の各処理部11、12、13に対して各種情報が入力されてもよい。また、ユーザインタフェース15の表示部は、処理装置6の各処理部11、12、13からの出力情報などを表示してもよい。
制御部11は、装置の各構成要素を制御する。例えば、制御部11は、電源及びガス源3と接続されており、電源及びガス源3における電源の設定電圧を制御する。制御部11は、電源から放電管10に印加する電圧を制御し、プラズマの凝固能を制御できる。制御部11は、放電管10に印加する電圧を制御することにより、上述した複数のカテゴリに対応するプラズマを照射できる。
測定部12は、検出部5と接続されている。測定部12は、サンプル7を介してステージ4に流れる電流の電流値を測定する。なお、以下では、例えば、サンプル7を介してステージ4に流れる電流値を「電流値」と表記し、検出部5で実際に検出された電流値を「検出電流値」と表記する。
測定部12には、検出部5において検出された検出電流値が入力される。一例として、検出電流値は、増幅器及びADコンバータを介して測定部12に入力される。また、測定部12には、放電管10に印加される電圧値も入力される。一例として、電圧値は、増幅器及びADコンバータを介して測定部12に入力される。図2の(a)は、検出部5において実際に検出された検出電流の波形と、放電管10に印加された電圧の波形とを重ね合わせた図の一例である。一例として、測定部12は、FPGA(field-programmable gate array)を備える。例えば、以下で説明する測定部12の処理は、FPGA上で実現されてもよい。
検出部5(例、ロゴスキーコイル)で実際に検出される検出電流には、サンプル7を介してステージ4に流れる電流と、放電管10に印加される電圧(変動電位)に起因する誘導電流とが含まれる。したがって、ノイズである誘導電流を演算処理によって除去することが望ましい。一例として、測定部12は、ロゴスキーコイルにおいて実際に検出された検出電流値から、上記誘導電流分を差し引くことにより、サンプル7を介して流れる電流の電流値を算出する。測定部12は、測定部12に入力される電圧の波形(図2の(a))の位相を検出電流に合わせ、電圧の波形から上記誘導電流を求める。図2の(b)は、検出電流の波形と、電圧の波形から求められた誘導電流の波形とを重ね合わせた図である。図2の(c)は、検出電流の波形から誘導電流の波形を差し引いた波形である。一例として、測定部12は、図2の(c)の点線三角形の面積を電流の1/2周期に相当する時間で割った値を、サンプル7を介して流れる電流の電流値として算出する。なお、ノイズである誘導電流の影響が小さいならば、測定部12は、検出電流を、サンプル7を介してステージ4に流れる電流値として出力してもよい。
なお、別の例として、測定部12は、電流値と電圧値から電力(W)を算出してもよい。例えば、測定部12は、図2の(a)の電流値と電圧値を掛け合わせて電力(W)を算出してもよい。
電流値の測定例を説明する。一例として、測定部12は、プラズマをサンプル7に照射している間にサンプル7を介してステージ4に流れる電流の電流値を測定する。また、例えば、測定部12は、プラズマ生成部2によって生じたプラズマが照射されるサンプル7を介してステージ4に流れる電流の電流値を測定する。別の例として、測定部12は、プラズマを血液以外のサンプル7に照射している間にサンプル7を介してステージ4に流れる電流の電流値を測定してもよい。さらに別の例として、測定部12は、サンプル7がステージ4に配置されていない状態のステージ4にプラズマを照射している間にステージ4を介して流れる電流の電流値を測定してもよい。
プラズマが照射された後のサンプル7は、プラズマ照射によって生じた凝固結果が測定(観察)される。例えば、サンプルの凝固結果は、血液の溶血量に関する情報、血液内の凝固物の質量に関する情報、及び、血液内の赤血球の数に関する情報の少なくとも1つを含む。一例として、血液の溶血量に関する情報は、ヘモグロビン比色測定法により求められたヘモグロビン濃度である。また、一例として、血液内の凝固物の質量に関する情報は、アルブミンの析出量である。血液内の赤血球の数に関する情報は、血球計算盤により求められた赤血球の数である。例えば、サンプル7に対するプラズマの凝固能は、上述した少なくとも1つのサンプル7の凝固結果に基づいて決定される。
測定部12によって測定された電流値の情報、及び、測定されたサンプルの凝固結果の情報は、評価部13に入力される。評価部13は、測定部12によって測定された電流値と、サンプル7の凝固結果との相関関係(関連情報)を演算して作成し、その相関関係を出力する。一例として、評価部13における相関関係(関連情報)の作成処理は、表計算ソフトウェアで実現されてもよい。評価部13は、相関関係の情報を記憶部14に格納してもよい。例えば、評価部13は、上記のような電流値とプラズマの凝固能との相関関係の情報、電流値とサンプル7の凝固結果との相関関係の情報、および電圧値と電流値との相関関係の情報、などを記憶部14に記憶させる。
本実施形態において、放電管10に印加される電圧値と、測定部12によって測定された電流値との間には相関関係がある。例えば、電圧値が大きいほど、電流値の値も大きくなる。したがって、この電圧値と電流値との相関関係を用いて、ある電圧値を放電管10に印加したときに、どの程度の電流値がサンプル7を介してステージ4に流れるかを推定することができる。ユーザは、どの程度の電圧値を放電管10に印加すれば、どの程度の電流値がサンプル7を介してステージ4に流れ、結果として、どの程度の凝固結果がサンプル7に生じるかを把握できる。このように、本実施形態における評価部13は、電流値とサンプル7の凝固結果との相関関係、および、電流値と電圧値との相関関係に基づいて、プラズマを生成するために放電管10に印加される電圧値とサンプル7の凝固結果との相関関係を把握できる。したがって、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を把握することができる。上述した複数の相関関係に基づいて、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を演算して作成する。プラズマ照射処理装置1は、この相関関係(例、電流値とプラズマの凝固能との相関関係、電流値とサンプル7の凝固結果との相関関係、等)を用いて、プラズマの凝固能の評価又は制御が可能となる。
図3は、電流値とサンプル7の凝固結果との関係(例、相関関係)の一例であり、上述の電流値とヘモグロビン濃度との関係を表すグラフである。測定された電流値が大きいほど、ヘモグロビン濃度が大きくなっている。これは、電流値が大きいほど、血液の溶血量が大きくなることを示しており、電流値と溶血量とに相関関係があることを示す。また、これは、電流値と赤血球数とに相関関係があるとも言える。この相関関係は、上述したカテゴリ分けのための定量評価手法として活用することができる。
一例として、図3のようなグラフ(例、関連情報)は、ユーザインタフェース15の表示部に表示されてもよい。ユーザは、電流値とサンプル7の凝固結果との相関関係を把握することができる。例えば、図3の相関関係を用いて、ユーザは、どの程度の電流値で上述したカテゴリの各々に対応するサンプル7の凝固結果を得ることができるかを把握できる。例えば、図3のグラフでは、電流値0.8mAにおいて、プラズマ照射による凝固結果として、溶血および該溶血を伴う凝固が生じていると把握できる。また、図3において、例えば、電流値が0.4mA以上の場合、プラズマ照射による溶血および該溶血に伴う凝固が生じていると考えられる。なお、図3において、例えば、電流値が0.2mAの場合、プラズマ照射によって少し溶血が生じている可能性がある。また、図3の測定条件は、対向電極に相当する部材(例、ステージ、場合によってはサンプル保持部8、など)が75mm(縦)×75mm(横)×70μm(厚み)の形状を有する銅板(銅箔)であり、この部材と放電管との間の距離が10mmである。
また、電流値0.8mAの場合、放電管10に印加される電圧(以下、電圧値)が13Vであり、プラズマ電力は約3Wであった。電流値0.6mAの場合、電圧値が11.5Vであり、プラズマ電力は約2Wであった。電流値0.4mAの場合、電圧値が10.5Vであり、プラズマ電力は約1.5Wであった。電流値0.2mAの場合、電圧値が8.5Vであり、プラズマ電力は約0.7Wであった。このように、放電管10に印加される電圧値と、測定部12によって測定された電流値との間に相関関係がある。したがって、評価部13は、放電管10に印加される電圧値と、測定部12によって測定された電流値と、サンプル7の凝固結果との相関関係も把握できる。その結果、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を把握できる。
例えば、放電管10に電圧13Vを印加した場合、電流値は0.8mA相当であり、プラズマ照射による凝固結果として、溶血および該溶血を伴う凝固が生じると推定できる。放電管10に電圧10.5Vを印加した場合には、電流値は0.4mA相当であり、プラズマ照射による凝固結果として、溶血および該溶血を伴う凝固が生じると推定できる。また、図3のグラフを考慮すれば、電圧13Vの場合のプラズマの凝固能は、電圧10.5Vの場合のプラズマの凝固能よりも高いことも分かる。図3のグラフ、および、電流値と電圧値との関係から、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を作成する。例えば、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を用いて、プラズマの凝固能を評価できる。一例として、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を用いて、プラズマ照射処理装置の仕様の決定や、出荷の際の評価(検査)を行うことができる。例えば、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を用いて、制御部11は、プラズマの凝固能を制御できる。一例として、制御部11は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を用いて放電管10に印加する電圧を制御し、プラズマの凝固能を制御できる。
図4は、プラズマ照射処理装置1によってサンプル7にプラズマ照射した後の画像である。本例は、血液から単離精製した赤血球をPBSに入れた溶液(以下、サンプル)に対して大気圧環境下でプラズマ照射処理装置1によって低温プラズマを照射した後に撮像した画像である。(a)は、プラズマ照射後のサンプルの光学顕微鏡像であり、(b)は、同じサンプルの電子顕微鏡像である。図4の例において、サンプルを介して流れた電流値は0.8mAであり、プラズマ電力は3〜3.5W相当であり、プラズマの照射時間は3分間である。プラズマ照射処理装置1によるプラズマ照射によって溶血が生じ、その結果として、膜(以下、溶血膜)が一様に形成されている。矢印41は、プラズマ照射により一様な溶血膜が形成された部分を示す。この例では、溶血膜の厚みが比較的大きく、例えば、溶血膜は、その厚みが20μmより大きい部分を含む。溶血膜は赤血球由来の膜状構造物を含む。
図5は、プラズマ照射処理装置1によってサンプル7にプラズマ照射した後の画像である。本例は、図4と同様に、血液から単離精製した赤血球をPBSに入れた溶液(以下、サンプル)に対して大気圧環境下でプラズマ照射処理装置1によって低温プラズマを照射した後に撮像した画像である。(a)は、プラズマ照射後のサンプルの光学顕微鏡像であり、(b)は、同じサンプルの電子顕微鏡像である。図5の例において、サンプルを介して流れた電流値は0.2mAであり、プラズマ電力は0.5〜0.7W相当であり、プラズマの照射時間は3分間である。矢印51は、溶血が生じていない部分である。矢印52、53は、溶血が生じた部分を示す。矢印52は、赤血球に溶血が生じただけで、凝集物が存在しない部分であり、矢印53は、溶血後に凝集物が生じた部分を示す。この例では、一様な溶血膜は形成されないが、プラズマ照射によって凝集物による膜状構造物が形成されている。図5におけるプラズマの凝固能は、図4におけるプラズマの凝固能に比べて低い。
図6は、プラズマ照射処理装置1によってサンプル7にプラズマ照射した後の画像である。本例は、全血(以下、サンプル)に対して大気圧環境下でプラズマ照射処理装置1によって低温プラズマを照射した後に撮像した画像である。(a)は、プラズマ照射後のサンプルの光学顕微鏡像であり、(b)は、同じサンプルの電子顕微鏡像である。図6の例において、サンプルを介して流れた電流値は0.8mAであり、プラズマ電力は約3W相当であり、プラズマの照射時間は3分間である。この例では、全血(血球、血漿を含む)に対してプラズマ照射をして、図4とほぼ同様に、一様な溶血膜が形成されている。例えば、図4の溶血膜は単一成分(図4では赤血球)で構成されているが、図6の溶血膜は複数成分(赤血球以外を含む)で構成されている。また、図6の溶血膜のうち矢印部分が赤血球由来である。
図7は、プラズマ照射処理装置1によってサンプル7にプラズマ照射した後の画像である。本例は、全血(以下、サンプル)に対して大気圧環境下でプラズマ照射処理装置1によって低温プラズマを照射した後に撮像した画像である。(a)は、プラズマ照射後のサンプルの光学顕微鏡像であり、(b)は、同じサンプルの電子顕微鏡像である。図7の例において、サンプルを介して流れた電流値は0.2mAであり、プラズマ電力は約0.7W相当であり、プラズマの照射時間は3分間である。この例では、一様な溶血膜は形成されないが、プラズマ照射によって凝集物による膜状構造物が形成されている。図7におけるプラズマの凝固能は、図6におけるプラズマの凝固能に比べて低い。
評価部13は、図4から図7の例、および、電流値と電圧値との相関関係から、電流値とプラズマの凝固能との間の相関関係(相関情報)を作成できる。プラズマ照射処理装置1は、この相関関係を利用して、プラズマの凝固能を評価したり、プラズマの凝固能を制御することが可能となる。
図8は、放電管10に印加される電圧が10V、13V、15Vの場合における、プラズマ電力(W)とアルブミン析出量との関係を表すグラフ(例、関連情報)である。例えば、アルブミン析出量は、アルブミン分散液にプラズマを照射することによって該アルブミン分散液の液面上に生成させた膜状構造物の質量を計測することで求めた。したがって、例えば、図8は、プラズマ照射によって生成された、凝固結果としての膜状構造物と、プラズマ電力との関係を表すグラフである。図8に示すように、プラズマ電力が大きいほど、アルブミン析出量が大きくなる。また、放電管10に印加される電圧が大きくなるほど、アルブミン析出量が大きくなる。上述したように、放電管10に印加される電圧値と、測定部12によって測定された電流値との間には相関関係がある。したがって、これらの関係から、上述と同様に、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を把握することができる。
図9は、電流値が0.8mAの時のプラズマ照射前とプラズマ照射後とで比較した赤血球数の差を表すグラフ(例、関連情報)である。照射時間が長くなるほど、赤血球数が減少し(溶血量が増加)、プラズマの照射時間と赤血球数との間に相関関係があることが分かる。また、図3、図4及び図5に示す通り、溶血量が多いときほど一様で緻密な溶血膜が形成されることが分かるので、評価部13は図9を用いて単位時間あたりの溶血量を算出することによってその使用条件における生成されたプラズマの凝固能を評価できる。また、同様に、評価部13は、電流値が0.2mAや0.6mAの時にプラズマの照射時間に対する溶血量を算出することによって各電流値に対するプラズマの凝固能を評価できる。
また、上述したように、放電管10に印加される電圧値と、測定部12によって測定された電流値との間には相関関係がある。評価部13は、この相関関係を用いて、放電管10に印加される電圧値と、サンプル7の凝固結果との相関関係も把握できる。したがって、評価部13は、ある電圧値の時のプラズマの照射時間に対する溶血量を算出することによって、各電圧値に対するプラズマの凝固能を評価してもよい。
図3から図9を用いて複数の相関関係を説明したが、本実施形態におけるプラズマ照射処理装置1は、これらの相関関係の1つあるいはこれらの組み合わせから、プラズマの凝固能を容易に、あるいは迅速に評価することができる。
<膜の製造方法>
上述の相関関係を利用して照射対象物に膜を製造することができる。まず、測定部12を用いて、プラズマ生成部2によってプラズマをサンプル7に照射している間にサンプル7を介して流れる電流値を測定する。その後、プラズマが照射された後のサンプル7は、プラズマ照射による凝固結果が測定(観察)される。
次に、評価部13を用いて、プラズマをサンプル7に照射してサンプル7を介して流れる電流値と、サンプル7の凝固結果との相関関係が作成される。次に、この相関関係を用いて、赤血球の溶血後に膜(例、溶血膜、凝集物による膜状構造物)が生成される電流値のしきい値(以下、膜生成用電流しきい値)を求める。制御部11は、測定部12によって測定された電流値が膜生成用電流しきい値を満たすようにプラズマ生成部2に印加する電圧を制御する。これにより、サンプル7に対して膜(例、溶血膜)を形成することができる。本実施形態は、電流値とサンプル7の凝固結果との相関関係から、ある一定の電流値を超えた場合には溶血が生じるという新たな知見により得られたものである。したがって、好ましくは、サンプル7は血液であり、膜生成用電流しきい値は溶血が生じる値に基づいて設定される。この構成によれば、プラズマ照射処理装置1のプラズマ照射により、血液に溶血膜あるいは凝集物による膜状構造物を生じさせることができる。
なお、上記の電流値のしきい値は一例であり、プラズマの凝固能に合わせて各種しきい値が設定されてよい。例えば、上記の膜の製造は、予め作成された相関関係(サンプル7を介して流れる電流値とプラズマの凝固能との相関関係)をもとに設定された膜生成用電流しきい値を制御部11が記憶部14などから取得し、制御部11が膜生成用電流しきい値を満たすようにプラズマ生成部2に印加する電圧を制御することによって、サンプル7に対して膜を形成するように構成しても良い。なお、図3から図9を用いて説明した電流値の数値は例示であり、膜生成用電流しきい値は上述した数値に限定されない。膜生成用電流しきい値は、サンプル7(例、組織)に応じて変わる可能性があり、サンプル7(例、組織)ごとに設定されてもよい。
なお、上述したように、放電管10に印加される電圧値と、測定部12によって測定された電流値との間には相関関係がある。したがって、評価部13は、この相関関係を用いて、所望の膜が生成される電圧値のしきい値(以下、膜生成用電圧しきい値)を求めてもよい。制御部11は、膜生成用電圧しきい値あるいはそれより大きい電圧値で放電管10に電圧を印加し、プラズマの凝固能を制御してもよい。
<製品の製造>
図10は、製品を出荷するまでの流れの一例である。例えば、まず、製造者は、製品の仕様を決定し(S61)、製品の試作を製造する(S62)。その後、製品を量産製造し(S63)、製品が出荷される(S64)。本実施形態におけるプラズマ照射処理装置1は、これらS61〜63の各プロセスの課題を解決することができる。
<仕様決定(S61)>
プラズマ照射処理装置1によれば、プラズマの凝固能を推定し、装置の仕様を決定することができる。測定部12は、プラズマをサンプル7に照射している間にサンプル7を介してステージ4に流れる電流を測定する。評価部13は、電流値と溶血量(ヘモグロビン比色測定法により定量)との相関関係を示すグラフ(例、関連情報)を出力する。評価部13は、出力されたグラフ、および、電流値と放電管10に印加された電圧との相関関係に基づいて、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を作成する。例えば、ユーザインタフェース15に表示された当該相関関係を用いて、ユーザは、装置の仕様(電源の設定電圧など)を決定することができる。
以下は、仕様決定の手順の一例である。
(1)全血から精製された赤血球をPBSに溶かし、2.0×10RBCs/mL溶液(サンプル7)とする。
(2)ウェルプレートの任意のウェルにサンプル7を加える。
(3)制御部11は、プラズマ生成部2によって生成された大気圧低温プラズマを、サンプル7に対して一定時間(決められた時間)照射させる。
(4)プラズマを照射している間、サンプル7を介してステージ4に流れる電流値(第1電流値)を測定部12によって測定する。
(5)制御部11によって電源及びガス源3の設定電圧を変えながら、手順(1)〜(4)を繰り返し実行する。
(6)手順(1)〜(4)を繰り返し実行して得られた各サンプル7に関して、ヘモグロビン比色測定法によってヘモグロビン濃度を求める。
(7)評価部13に、手順(4)で測定された電流値(第1電流値)と、手順(6)で求められたヘモグロビン濃度とをセットにして入力する。評価部13によって、電流値とヘモグロビン濃度との相関関係を示すグラフを作成する。
(8)評価部13は、作成したグラフ、および、電流値と放電管10に印加された電圧値との相関関係に基づいて、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を作成する。当該相関関係を用いて、ユーザは、当該装置の仕様(電源の設定電圧など)を決定する。
(9)サンプル7をステージ4から取り除く。制御部11は、プラズマ生成部2によって生成されたプラズマを、サンプル7がステージ4に配置されていない状態のステージ4に照射させる。
(10)プラズマを照射している間、サンプル7を介さない状態においてステージ4に流れる電流値(第2電流値)を測定部12によって測定する。評価部13は、同じ照射条件(例えば、電源の設定電圧など)において、第1電流値と、第2電流値とを比較演算する。評価部13は、比較結果(例えば、電流値の差分など)に基づいて、第2電流値を第1電流値に補正するための補正情報(例えば、補正値、補正式)を算出する。
以降、別の装置の仕様を決定する。
(11)制御部11は、プラズマ生成部2によって生成されたプラズマを、サンプル7がステージ4に配置されていない状態のステージ4に照射させる。
(12)プラズマを照射している間、サンプル7を介さない状態においてステージ4に流れる電流値を測定部12によって測定する。
(13)評価部13は、手順(12)で測定された電流値を、手順(10)で算出された補正情報を用いて補正する。評価部13は、手順(8)で作成したグラフ、および、補正された電流値と放電管10に印加された電圧値との相関関係に基づいて、プラズマの凝固能を推定する。ユーザは、推定された凝固能に基づいて、当該装置の仕様(電源が印加する電圧など)を決定する。
なお、上記の手順は、製品(例、プラズマ照射処理装置1)の出荷のための評価(検査)に用いられてもよい。例えば、製品に要求される性能を満たしているかの基準値をグラフを参考に予め決定しておき、評価部13が、測定された電流値と装置の使用目的に応じて設定した基準値(基準範囲でも良い)とを比較して、装置の評価を行ってもよい。例えば、製品を用いて測定された電流値が該設定した基準値内に収まるようであれば、製品の出荷が可能となる。
プラズマ照射処理装置によって生成されたプラズマが血液を凝固して膜を形成したことを確認するためには、組織学的解析又は電子顕微鏡による観察を行わなければなかった。本実施形態によれば、容易に、短時間でプラズマ照射によるプラズマの凝固能を評価することができる。一例として、血液から単離精製した赤血球又は単離精製した赤血球をPBSに溶かした溶液を、評価のインジケータとして使用する。この場合、評価部13は、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を作成する。この相関関係を利用して、プラズマ照射処理装置1の凝固能をリアルタイム又は短時間で評価することができる。また、評価部13は、相関関係を利用することで、安定した血液凝固膜の形成を予測することができる。
<試作の製造(S62)及び量産製造(S63)>
プラズマ照射処理装置1によれば、生体由来(例、血液)のサンプル7を使わずにプラズマの凝固能を推定し、試作の評価、及び、量産製造時の出荷前検査を行うことが可能となる。
例えば、評価の基準となる装置(例えば、仕様決定S61において基準となった装置)に関して、以下の作業を予め行っておく。既定量(たとえば1mL)の水をサンプル7として用意する。制御部11は、プラズマ生成部2と電源及びガス源3とを制御して、サンプル7としての水にプラズマを照射させる。そして、測定部12は、水にプラズマを照射している間に電流値を測定する。その後、評価部13は、水にプラズマを照射している間の電流値と設定電圧値との関係を示す情報(例、関連情報)を作成する。例えば、当該情報は、横軸に設定電圧、縦軸に電流値をとったグラフである。また、作成されたグラフのフィッティング直線の傾きを基準として、当該傾きの基準範囲の情報が記憶部14に格納される。図11は、横軸に設定電圧、縦軸に電流値をとったグラフ上で、フィッティング直線を求めた場合の一例である。
以下は、試作の製造(S62)及び量産製造(S63)における製品評価の手順例である。
(1)既定量(たとえば1mL)の水をステージ4に載せる。制御部11は、プラズマ生成部2によって生成された大気圧低温プラズマを水に照射させる。
(2)測定部12は、プラズマを照射している間、水を介してステージ4に流れる電流値を測定する。
(3)制御部11は、電源及びガス源3の設定電圧を変えながら、手順(1)〜(2)を実行する。
(4)評価部13は、設定電圧値と電流値との関係を表す情報を作成する。例えば、当該情報は、横軸に設定電圧、縦軸に電流値をとったグラフを示す情報である。
(5)評価部13は、手順(4)で作成されたグラフの電流値のフィッティング直線の傾きが、上述の基準範囲に入るかを判定する。
(6)傾きが基準範囲内に収まる場合、評価部13は、その装置(例、プラズマ照射処理装置1)が合格であると判定する。傾きが基準範囲を逸脱する場合、評価部13はその装置が不合格であると判定して、制御部11は、設定電圧などを補正して、設定電圧による出力のばらつきが装置間で比較した際に一定範囲内に収まるようにする。
上記の通り、プラズマ照射処理装置1によれば、プラズマを照射している間の電流値と設定電圧値との関係を用いて、当該プラズマ照射処理装置1の性能あるいは安全性などを評価することができる。なお、上記の手順は、仕様検討に適用されてもよい。
上述の実施形態では、照射対象物として血液、水、ステージ4を用いた例を説明したが、この例に限定されない。例えば、照射対象物は、モノマー、又は、高分子あるいは低分子のポリマーを含むものでもよい。一例として、照射対象物は、2段階の凝固状態を有するポリマーが挙げられる。例えば、ポリマーの中には、ある一定の条件で凝集する第1段階と、一定の条件を超えると、凝集せずに高温で変形する(又は変色する)第2段階となるポリマーがある。処理装置6は、このようなポリマーを含む照射対象物にプラズマ生成部2によってプラズマを照射している間に照射対象物を介して流れる電流値と、その凝固結果とを測定し、電流値とプラズマの凝固能との相関関係を作成してもよい。
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態のプラズマ照射処理装置の一例を示す概略構成図である。図1と同じ構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する。
プラズマ照射処理装置1は、電極パッド(試料載置部)81を備える。電極パッド81は、照射対象物82に接触させて取付けられる。一例として、照射対象物82は、人体であり、図12は、人体の腕や足に電極パッド81を取付けた例を示す。
なお、本実施形態は、電極パッド81を人体に直接装着するような構成でなくてもよく、えば、手術台の一部に電極パッド81に相当する部材が取り付けられ、電流値を測定する部分が電極パッド81に接触するように患者を手術台に載せる構成でもよい。また、以下で説明するように、患者の体外でプラズマ照射を行う場合には、図1と同様に、照射対象物82がステージ4上に配置されてもよい。
図13は、記憶部14に格納されている制御情報の一例である。一例として、制御情報は、電源から供給される電圧と、プラズマを照射対象物82に照射している間に照射対象物82を介して流れる電流値と、照射対象物82の凝固結果との関係を含む。一例として、制御情報は、電源から供給される電圧と、プラズマを照射対象物82に照射している間に照射対象物82を介して流れる電流値と、プラズマの凝固能との関係を含む。照射対象物の凝固結果、および、プラズマの凝固能は、第1実施形態で説明したものと同様の内容である。
記憶部14には、制御情報として、1つ又は複数の動作モード設定情報(例、レシピ91)が格納されている。レシピ(制御情報)91は、モード92と、電流値93と、設定電圧94との関係を格納する。モード92は、照射対象物82の凝固に関するモードの識別情報を保持する。電流値93は、例えば、仕様決定の際に測定された電流値を保持する。設定電圧94は、電流値93が測定された際の設定電圧を保持する。例えば、評価部13は、仕様決定の際に照射対象物としての組織ごと(例、組織A、組織Bなど)に図3のグラフを作成する。制御部11は、組織ごとに作成されたグラフ(相関関係)に基づいて、各組織に関して凝固能ごとの設定電圧を求めることができる。
一例として、制御部11は、レシピ91を用いて電源の設定電圧を制御し、モード1とモード2との間で照射対象物に対するプラズマの凝固能を選択的又は自動的に切り替えることができる。一例として、モード(例、第1モード)1は、照射対象物に含まれる赤血球を溶血させることができるモード(又は、赤血球を溶血させて膜を生成させることができるモード)である。一例として、モード(例、第2モード)2は、赤血球を溶血できないが、照射対象物に含まれる血清タンパク成分を凝固させることができるモードである。ここでは、2つのモードについて説明したが、これに限定されない。レシピ91は、他のモードを保持してもよいし、また、3つ以上のモードの情報を保持してもよい。
一例として、レシピ91は、剤形加工に関する少なくとも1つのモードを含んでもよい。例えば、剤形加工は、薬の形状加工、および、生物学的製剤の加工を含む。一例として、剤形加工に関するモードは、溶血膜を生成するモード、および、その他の生物学的製剤の凝固(成膜、凝集物の生成、固化)のモードを含んでもよい。
例えば、サンプル7は、抗体や生体分子を主成分とする生物学的製剤の溶解液である。評価部13を用いて、サンプル7にプラズマを照射している間にサンプル7を介して流れる電流値と、設定電圧と、生物学的製剤の凝固結果(成膜又は固化など)との関係を示すレシピデータが作成される。作成された関係(レシピデータ)は、所定の照射対象物(例、組織A)に対するレシピ91として記憶部14に格納される。制御部11は、レシピ91を用いて電源の設定電圧を制御し、剤型加工に関するモードに切り替えることができる。
一例として、レシピ91は、タンパク成分に対するプラズマの凝固能に関する少なくとも1つのモードを含んでもよい。例えば、サンプル7は、タンパク成分(アルブミン、コラーゲンなど)、又はタンパク成分を含む溶液である。ここでは、サンプル7が、タンパク質水溶液である場合について説明する。まず、水系溶媒にタンパク質を混合してタンパク質水溶液を作製する。次に、プラズマ照射処理装置1により発生させたプラズマをタンパク質水溶液に照射する。これにより、タンパク質水溶液中のタンパク質は重合し、タンパク質膜が成膜される。ここで、評価部13を用いて、サンプル7にプラズマに照射している間にサンプル7を介して流れる電流値と、設定電圧と、タンパク成分の凝固結果(凝固状態)との関係を示すレシピデータが作成される。作成された関係(レシピデータ)は、所定の照射対象物(例、組織A)に対するレシピ91として記憶部14に格納される。この例において、レシピ91は、アルブミンやコラーゲンなどのタンパク成分におけるカテゴリ2(Surgical hemostats)に対応するモードの情報、及び、カテゴリ3(Tissue sealant)に対応するモードの情報を含む。制御部11は、レシピ91を用いて電源の設定電圧を制御し、血液又は赤血球に対するプラズマの凝固能に関するモード、或いはタンパク成分に対するプラズマの凝固能に関するモードに切り替えることができる。このような構成によれば、プラズマ照射処理装置1は、タンパク成分を溶解した液の構成又は赤血球を含む液の構成において、モードを切り替えて、剤型を整えたり、膜を生成することができる。
一例として、レシピ91は、タンパク成分の二次元構造物又は三次元構造物の成形に関するモードを含んでもよい。例えば、プラズマ照射処理装置1により発生させたプラズマをタンパク質水溶液に照射したとき、タンパク質水溶液中のタンパク質は重合し、タンパク質膜が成膜される。このとき、タンパク質膜を積層化し、タンパク成分の三次元構造物を成形することができる。ここで、サンプル7にプラズマを照射している間にサンプル7を介して流れる電流値と、設定電圧と、タンパク成分の凝固結果(三次元構造物の成形)との関係を示すレシピデータが作成され、所定の照射対象物(例、組織A)に対するレシピ91として記憶部14に格納される。制御部11は、レシピ91を用いて電源の設定電圧を制御し、例えば赤血球成分又はタンパク成分の三次元構造物の成形に関するモードに切り替えることができる。このような構成によれば、タンパク成分が存在する生体を材料として、プラズマを利用した固化により二次元構造物又は三次元構造物を成形することができる。なお、この三次元構造物の成形処理は、三次元プリンターのインクジェット部の計測制御などに適用されてもよい。
図13に示すように、記憶部14には、照射対象物(例、生物の組織)ごとにレシピ91が格納されているため、制御部11は、上述のモード及びレシピを用いて、照射対象物ごと(例、組織ごと)に設定電圧を制御することができる。
次に、装置使用時の補正について説明する。図14は、装置使用時の設定電圧補正のフローチャートの一例である。記憶部14のレシピ91には、各モードの電流値93の情報が保持されている。一例として、評価部13は、電流値93を基準値として、プラズマ照射処理装置1の性能及び安全性を評価することができる。
制御部11は、電源及びガス源3の電源に設定電圧値を入力する(S101)。プラズマ生成部2は、設定電圧に基づいてプラズマを生成する(S102)。評価部13は、測定部12によって測定された現在の電流値と、基準値であるレシピ91の電流値93とを比較する(S103)。評価部13は、現在の電流値が基準値の範囲内か、基準値から乖離しているかを判定する(S104)。一例として、評価部13は、現在の電流値と基準値との差がしきい値より大きいかを判定することにより、基準範囲内かを判定する。基準値から乖離している場合、制御部11は、評価部13の判定結果に基づいて、電源の設定電圧値を補正する(S105)。
この構成によれば、制御部11は、生体を対象としたプラズマ照射時に、刻々と変化する電流値に合わせてプラズマ照射処理装置1の出力を制御し、医療機器としての性能(凝固能)および安全性(臓器の保護、神経細胞等)を確保することができる。
別の例として、制御部11は、現在の電流値が基準値から乖離している場合、プラズマ生成部2からのプラズマの出力を停止してもよい。図9に示すように、プラズマの照射時間が長くなるにつれて、溶血量が増加する。血液の凝固が進んだ場合、照射対象物82の抵抗が上昇し、測定される電流値が小さくなる。一例として、一定の照射時間が過ぎ、かつ、現在の電流値が基準値に対して小さくなった場合、制御部11は、プラズマの出力を停止してもよい。この構成によれば、制御部11は、照射対象物82の抵抗値に合わせ、プラズマ照射処理装置1の出力を制御することで、医療機器としての安全性を確保できる。
別の例として、評価部13は、測定部12によって測定された現在の電流値と、基準値との比較結果(演算結果)に基づいて、プラズマ照射処理装置1の性能劣化を判定してもよい。制御部11は、現在の電流値が基準値から乖離している場合、性能劣化を理由として、プラズマ生成部2からのプラズマの出力を停止してもよい。この構成によれば、評価部13は、性能劣化を検出し、医療機器としての安全性を確保できる。
別の例として、血液の凝固が進んだ場合、照射対象物82の抵抗が上昇し、測定される電流値が小さくなることから、評価部13は、測定部12によって測定された現在の電流値と、基準値との比較結果(演算結果)に基づいて、サンプルの凝固の進捗又は程度(サンプルの凝固状態)を推定してもよい。この構成によれば、評価部13は、電流値の変化を検出して、安定した血液凝固膜の形成を予測することができる。
以上、添付図面を参照しながら本実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成要素の組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
処理装置6の処理は、それらの機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現してもよい。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体を装置に提供し、その装置のコンピュータ(又はCPUなど)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。別の例として、処理装置6の一部が、例えば集積回路等の電子部品を用いたハードウェアにより実現されてもよい。
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
1 …プラズマ照射処理装置
2 …プラズマ生成部
3 …電源及びガス源
4 …ステージ
5 …検出部
6 …処理装置
7 …サンプル
8 …サンプル保持部
9 …電線
10 …放電管
11 …制御部
12 …測定部
13 …評価部
14 …記憶部
15 …ユーザインタフェース
81 …電極パッド
82 …照射対象物
91 …レシピ

Claims (25)

  1. プラズマを生成するプラズマ生成部と、
    前記プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値を測定する測定部と、
    前記電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成する評価部と
    を備えるプラズマ照射処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記照射対象物は、血液を含み、
    前記プラズマの前記凝固能は、血液の溶血量に関する情報、血液内の凝固物の質量に関する情報、及び、血液内の赤血球の数に関する情報の少なくとも1つに基づいて決定される、プラズマ照射処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記照射対象物を配置する試料載置部を備え、
    前記測定部は、前記照射対象物が配置されていない状態の前記試料載置部に前記プラズマを照射している間に前記試料載置部を介して流れる電流値を測定し、
    前記評価部は、前記相関関係を用いて、当該プラズマ照射処理装置の性能を評価する、プラズマ照射処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記測定部は、電圧を供給する電源の接地側と前記照射対象物との間に配置された検出部を備える、プラズマ照射処理装置。
  5. 請求項4に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記測定部は、前記検出部において実際に検出された検出電流値から、前記電圧に起因する誘導電流分を差し引くことにより、前記電流値を算出する、プラズマ照射処理装置。
  6. 請求項4又は5に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記検出部はロゴスキーコイルを含む、プラズマ照射処理装置。
  7. 請求項1に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記評価部は、電源から供給される電圧と前記電流値との間の関係から、当該プラズマ照射処理装置の性能を評価する、プラズマ照射処理装置。
  8. プラズマを生成するプラズマ生成部と、
    前記プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値を測定する測定部と、
    電源から供給される電圧と前記電流値と前記照射対象物の凝固結果との関係を示す制御情報を用いて前記電圧を制御し、前記照射対象物の凝固に関するモードを切り替える制御部と
    を備えるプラズマ照射処理装置。
  9. 請求項8に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記照射対象物は、血液を含み、
    前記凝固結果は、血液の溶血量に関する情報、血液内の凝固物の質量に関する情報、及び、血液内の赤血球の数に関する情報の少なくとも1つを含む、プラズマ照射処理装置。
  10. 請求項8に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記制御部は、赤血球を溶血させることができる第1モードと、血清タンパク成分を凝固させることができる第2モードとの間で前記モードを切り替える、プラズマ照射処理装置。
  11. 請求項8に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記照射対象物は、生物学的製剤を含む溶液を含み、
    前記制御情報は、前記電圧と前記電流値と前記生物学的製剤の凝固結果との関係を含み、
    前記制御部は、前記モードとして、剤形加工に関するモードに切り替え可能である、プラズマ照射処理装置。
  12. 請求項8に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記照射対象物は、タンパク成分、又はタンパク成分を含む溶液を含み、
    前記制御情報は、前記電圧と前記電流値と前記タンパク成分の凝固結果との関係を含み、
    前記制御部は、前記モードとして、前記タンパク成分の凝固に関するモードに切り替え可能である、プラズマ照射処理装置。
  13. 請求項12に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記タンパク成分の凝固は、前記タンパク成分の二次元構造物又は三次元構造物の成形に関する凝固を含み、
    前記制御部は、前記モードとして、前記タンパク成分の二次元構造物又は三次元構造物の成形に関するモードに切り替え可能である、プラズマ照射処理装置。
  14. 請求項8から13のいずれか一項に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記制御部は、前記測定部によって測定された現在の電流値と、基準値となる前記制御情報の電流値との比較結果に基づいて、前記電圧を制御する、プラズマ照射処理装置。
  15. 請求項8から14のいずれか一項に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記制御情報を記憶する記憶部をさらに備えるプラズマ照射処理装置。
  16. 請求項15に記載のプラズマ照射処理装置において、
    前記記憶部には、前記モードを有する、前記照射対象物に応じた動作モード設定情報が記憶されている、プラズマ照射処理装置。
  17. プラズマ照射処理装置の評価方法であって、
    プラズマを照射対象物に照射している間に、測定部によって、前記照射対象物を介して流れる電流の電流値を測定することと、
    評価部によって、前記電流値と前記プラズマの凝固能との関係を作成することと、
    前記関係を用いて、前記評価部によって、前記プラズマ照射処理装置の性能を評価することと
    を含む評価方法。
  18. プラズマ照射処理装置の評価方法であって、
    プラズマを照射対象物に照射している間に、測定部によって、前記照射対象物を介して流れる電流の電流値を測定することと、
    評価部によって、電源から前記プラズマ照射処理装置に供給される電圧と前記電流値との間の関係を作成することと、
    前記関係を用いて、前記評価部によって、前記プラズマ照射処理装置の性能を評価することと
    を含む評価方法。
  19. 請求項17又は18に記載の評価方法において、
    前記照射対象物は、血液から単離精製した赤血球又は前記赤血球を含む溶液であり、
    前記関係を作成することは、前記電流値と前記血液の凝固結果との関係を作成することを含む、評価方法。
  20. プラズマ照射処理装置の制御方法であって、
    プラズマを照射対象物に照射している間に、測定部によって、前記照射対象物を介して流れる電流の電流値を測定することと、
    電源から前記プラズマ照射処理装置に供給される電圧と前記電流値と前記照射対象物の凝固結果との関係を示す制御情報を用いて、前記電圧を制御し、前記照射対象物の凝固に関するモードを切り替えることと
    を含む制御方法。
  21. 請求項20に記載の制御方法において、
    前記電流値と所定の基準値との比較結果に基づいて、前記電圧を制御すること、を含む制御方法。
  22. プラズマを照射対象物に照射して前記照射対象物を介して流れる電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成することと、
    前記相関関係を用いて、電源からプラズマ照射処理装置に供給される電圧を制御することと
    を含む膜の製造方法。
  23. 請求項22に記載の膜の製造方法において、
    前記相関関係を用いて、膜生成用の前記電流値のしきい値を求めることを含む膜の製造方法。
  24. プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値の情報と、前記照射対象物の凝固結果の情報とを用いて、前記電流値と前記プラズマの凝固能との相関関係を作成する評価装置。
  25. 電源からプラズマ照射処理装置に供給される電圧と、プラズマを照射対象物に照射している間に前記照射対象物を介して流れる電流値と、前記照射対象物の凝固結果との関係を示す制御情報を用いて、前記プラズマ照射処理装置に対して前記電圧の設定値を出力する制御装置。
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