以下、商品読取装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係るチェックアウト端末の外観図である。
チェックアウト端末100は、本体101、支柱102、ベース脚103を備える。
一点鎖線で示したXYZ座標のZ軸方向において、本体101の左下側が本体101の前側、本体101の右上側が本体101の後ろ側であるものとする。Y軸の矢印が示す向きを上であるものとする。X軸に平行な方向を左右方向であるものとする。
ベース脚103は支柱102の下部を支持する。ベース脚103は地面に対して支柱102を半固定的に支持することが可能なように相当の重みと面積とをもつとよい。支柱102は本体101を支持する。支柱102は本体101の天面を固定的に水平に支持するとよい。本体101の天面は地面から90cm度の位置するとよい。
本体101はディスプレイ110、非接触式カード読取部112、リーダスロット114、ゲートバー116、を備える。本体101は天面にディスプレイ110と非接触式カード読取部112とを備える。ディスプレイ110は客に見せるための商品の金額を表示する。非接触式カード読取部112は客が会計を行うために近づける非接触カードの情報を読取る。本体101の天面に開いているリーダスロット114を通して客が商品3を1点ずつ、バッグ2へ挿入する。商品3は例えば、音楽ディスクや映像ディスクや書籍等である。商品3はバーコード31を外面に有する。客は本体101の前側に立って商品3をバッグ2へ挿入する。なお、客を操作者とするセルフチェックアウト端末のように説明するが、例えば店舗の従業員など、どのような者が操作者になってもよい。
図2は、チェックアウト端末100のゲートバー116を開いた状態の外観図である。
本体101はゲートバー116を蝶番124で回動自在に支持する。本体101はゲートバー116を蝶番124で水平面内にスイングするよう支持するとよい。
ゲートバー116はリング126を有する。本体101はロックピット128を有する。ゲートバー116の蝶番124から遠い端が本体101に近づく方向へスイングしてリング126がロックピット128に入ると、ロックピット128のなかのフックが、リング126を係止して本体101に対してゲートバー116を、スイングしないよう固定する。本体101に対してゲートバー116がスイングしないよう固定した状態が、ゲートバー116を閉じた状態である。
ゲートバー116を閉じた状態においてはゲートバー116の後ろ側面がリーダスロット114の前側面となる。
図3は、チェックアウト端末100のゲートバー116を開いてバッグ2を本体101に装着した状態の外観図である。
ゲートバー116はゲート側スキャナ134とゲート側粘着パッド130を有する。また、本体101は本体側スキャナ136と本体側粘着パッド132を有する。
ゲート側粘着パッド130は後ろ側面がバッグ2に対して粘着性を有する。本体側粘着パッド132は前側面がバッグ2に対して粘着性を有する。ゲート側粘着パッド130と本体側粘着パッド132とがバッグ2に対して粘着して、バッグ2を支持する。
ゲートバー116を閉じた状態においては、ゲートバー116の後ろ側面にあるゲート側スキャナ134とリーダスロット114の後ろ側面にある本体側スキャナ136とが対向する。互いの光の影響で読み取りに支障を来してしまうのを避けるためにゲート側スキャナ134と本体側スキャナ136とを対向させず上下にずらした位置にしてもよい。
なおゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136は、商品3に表示されたバーコード31を光学的に読み取る構成に限らず、例えば商品に取り付けられた非接触式電子タグと通信する構成であってもよい。商品に取り付けられた非接触式電子タグと通信する構成にする場合は、リーダスロット114の外にある非接触式電子タグを読み取らぬよう、ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136の通信範囲を制限するとよい。商品に取り付けられた非接触式電子タグと通信する構成であれば例えばゲート側スキャナ134を省き本体側スキャナ136のみを備える構成としても、商品3の表裏どちらに非接触式電子タグが取り付けられてあっても読み取ることができる構成にできる可能性がある。
ゲート側スキャナ134と本体側スキャナ136との下方でゲート側粘着パッド130と本体側粘着パッド132とが対向する。本体側粘着パッド132がバッグ2の後ろ側上部へ貼りつく。本体側粘着パッド132は本体101に対してZ軸方向に進退する。本体側粘着パッド132の本体101に対して進退させる駆動源は例えばリニアモータである。
図4は、ゲートバー116を開いてバッグ2を本体101に装着した状態のチェックアウト端末100のYZ断面を右方から見た模式図である。本体側粘着パッド132はゲートバー116が開いている状態では前側へ進出した位置にある。
図5は、バッグ2を本体101に装着しゲートバー116を閉じた直後の状態のチェックアウト端末100のYZ断面を右方から見た模式図である。バッグ2の後ろ側上部が本体側粘着パッド132へ貼りついた状態でゲートバー116を閉じると、閉じた直後には本体側粘着パッド132がゲート側粘着パッド130へバッグ2を圧接した状態になる。
図6は、バッグ2を本体101に装着しゲートバー116を閉じたのちに図5に示した状態のあとのチェックアウト端末100のYZ断面を右方から見た模式図である。本体側粘着パッド132はゲートバー116が閉じられたのちに後ろ側のほうへ後退する。バッグ2の前側上部に貼りついたゲート側粘着パッド130と、バッグ2の後ろ側上部に貼りついた本体側粘着パッド132とが、バッグ2の上部を開いたかたちで保持する状態となる。
図7は、上部が開いたかたちで保持されたバッグ2へ商品3を上方から挿入する際のチェックアウト端末100のYZ断面を右方から見た模式図である。
バッグ2へ挿入される商品3は、互いに対向しているゲート側スキャナ134と本体側スキャナ136との間を通過する。通過する商品3のバーコード31をゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136が読み取る。
上方から挿入される商品3がバッグ2の前側上部やゲート側粘着パッド130に干渉しにくくするため、バッグ2の前側上部やゲート側粘着パッド130が、リーダスロット114の前側面やゲート側スキャナ134の後ろ側面よりも前側に位置する。
上方から挿入される商品3がバッグ2の後ろ側上部や本体側粘着パッド132に干渉しにくくするため、バッグ2の後ろ側上部や本体側粘着パッド132が、リーダスロット114の後ろ側面や本体側スキャナ136の前側面よりも後ろ側に位置する。
このような位置関係なので、バッグ2の上部の前後方向の開口長よりも、リーダスロット114の前後方向の長さやゲート側スキャナ134と本体側スキャナ136との前後方向の間隔は、狭い。このように、商品3の移動経路に対してバッグ2の上部の前後方向の開口長がゲート側スキャナ134と本体側スキャナ136とよりも遠くなる径の設計で、上方から挿入される商品3がバッグ2の上部に干渉しにくくなる。
また、バッグ2の上部が開いたかたちとなって短くなるバッグ2の上部の左右方向の長さよりも、商品3の移動経路を囲うリーダスロット114の左右方向の長さが狭くなるよう設計するとよい。このような径の設計で、上方から挿入される商品3がバッグ2の上部に干渉しにくくなる。
上方から見て、上部が開いたかたちのバッグ2の上部の左右方向中央に、リーダスロット114の左右方向中央がおさまる位置関係だと商品3の挿入がスムースである。また、上方から見て、上部が開いたかたちのバッグ2の上部の前後方向中央に、リーダスロット114の前後方向中央がおさまる位置関係だと商品3の挿入がスムースである。鉛直上方から見て、上部が開いたかたちのバッグ2の上部長手方向の開口区間に、リーダスロット114の水平面上長手方向の開口区間がおさまる位置関係だと商品3の挿入がスムースである。鉛直上方から見て、上部が開いたかたちのバッグ2の上部短手方向の開口区間に、リーダスロット114の水平面上短手方向の開口区間がおさまる位置関係だと商品3の挿入がスムースである。
バーコードの表示位置は商品の種類によっては定められている場合がある。例えば書籍バーコードであれば書籍商品の上端から10mm程度の位置、雑誌バーコードであれば雑誌商品のほぼ下端の位置で高さ12mmを確保するよう定められている。また、商品の種類によっては商品自体の上下の長さが定まっている場合がある。例えばA4サイズの書籍や雑誌であれば上下の長さは297mm、デジタルビデオディスクのケースであれば上下の長さは約182mm、コンパクトディスクのケースであれば上下の長さは約118mmと定まっている。ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136のうち下方にあるほうからバッグ2の上部までの距離を、商品3の定められた長さの半分程度とすれば、商品3がバッグ2に入る位置まで客が挿入した商品3の上下の向きを変えれば、必ず商品3のバーコードを読み取れる位置にゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136があることになる。
リーダスロット114に上から挿入される商品3がゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136の高さを通過してさらに下方へ進んでバッグ2が受ける。客は、リーダスロット114へ商品3を上から挿入する動作を行うだけで、ゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136にバーコード31を読取らせることと、バッグ2に商品3を入れることとを行うことができ、短い時間で商品を購入することが可能になる。
リーダスロット114に上から挿入される商品3の一部分がバッグ2の上部の位置に達してもゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136の高さにその商品の別の部分があるよう、ゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136とバッグ2の上部の位置を設定するとよい。客は、ゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136がバーコード31を読取りやすいよう商品3を支持しながら下げていく動作の延長として、バッグ2に商品3を安定した姿勢で支持しながら下げていく動作を行うことができる。客は、商品3をリーダスロット114に挿入する動作を行うことによって、商品3のバーコード31をゲート側スキャナ134あるいは本体側スキャナ136に読み取らせる動作と、商品3をバッグ2に挿入する動作とを一度に行うことができる。
図8は、チェックアウト端末100の機能ブロック図である。
チェックアウト端末100は、CPU181を搭載する。CPU181は、バスライン182を介して、ROM183、RAM184、通信インターフェース186、ディスプレイ110、非接触式カード読取部112、ゲート側スキャナ134、本体側スキャナ136、モータドライバ138と通信する。ROM183は、CPU181によって実行されるプログラムを記憶する。RAM184は、商品の名称や単価を記憶する。CPU181は、商品3がリーダスロット114に挿入されたことをゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に検知させる。CPU181は、ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品の名称や単価をRAM184から探してディスプレイ110表示する。CPU181は、ディスプレイ110に表示した商品の単価の合計や税額などを計算してディスプレイ110に表示する。CPU181は、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信して、商品の単価の合計や税額などの決済処理を行う。CPU181は、モータドライバ138を用いて、ロックピット128のなかのフックや本体側粘着パッド132の物理的動作を制御する。
通信インターフェース186は、ストアコンピュータSC等と通信するための、LAN(Local Area Network)等のネットワークアダプタである。CPU181は、決済処理が済んだら売上情報をストアコンピュータSCへ配信する。
図9は、チェックアウト端末100のCPU181の処理を表すフローチャートである。
ゲートバー116を閉じた状態で、商品がリーダスロット114に挿入されたことをゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136によって検知すると、CPU181は処理を開始する。ゲートバー116を閉じた状態にして、上方から下方への商品3の移動経路を客から区切ることによって、客に決済処理がまだ行われていないことを認識させやすいし、客が商品3が入ったバッグ2を取さぬようにしやすい。
CPU181は、リーダスロット114に挿入され下方へ移動していく商品3のバーコード31をゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136で読み取る(191)。
CPU181は、ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品の名称や単価をRAM184から探して、商品の単価の合計や税額などを計算して、ディスプレイ110に表示する。(192)。
CPU181は、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信可能になるのを待つ(193)。
CPU181は、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信可能になったら(193のYes)、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信して、商品の単価の合計や税額などの決済処理を行う(194)。
CPU181は、モータドライバ138を用いて、ロックピット128のなかのフックにリング126をリリースさせ、ゲートバー116を本体101に対して開いた状態にすることを可能にする(195)。
ゲートバー116を本体101に対して開いた状態にすることによって、客に決済処理を行ったことを認識させやすいし、客は商品3が入ったバッグ2を取り出しやすい。
(第2の実施形態)
図10は、一実施形態に係るチェックアウト端末200のゲートバー216を開いた状態の外観図である。第1の実施形態のチェックアウト端末100と同様な構成については同じ符号を付し詳細な説明は省略する。
チェックアウト端末200は、バッグサポート140とバッグロール20を備える。バッグロール20は図11に示すように、バッグを連続的に巻いたものである。バッグの後側フィルムが、連続的に形成されており一のバッグ21の上辺と次のバッグ22の下辺との境となる部分毎にミシン目を有する。バッグの前側フィルムは一のバッグ21の上辺と次のバッグ22の下辺との境となる部分で分かれている。
図12は、チェックアウト端末200のゲートバー216を開いた状態でバッグロール20からバッグ21が出て垂れている状態の外観図である。バッグサポート140は、バッグサポート140の後ろ側に位置するバッグロール20からバッグサポート140の前側へ連続的に出てくるバッグの後ろ側フィルムを、その上面が摺接的に支持する。
Z方向においてバッグサポート140の前側中央はその左右両側よりもリーダスロット114の前側面から遠い。また、Z方向においてバッグサポート140の前側中央はその左右両側よりもバッグロール20に近い。バッグサポート140の上面に支持されてその後ろ側のバッグロール20から前側へ出るバッグ21の上部は、バッグサポート140より下の位置で開いたかたちとなる。ゲートバー216はゲート側粘着パッド130を有さなくてよい。
図13はバッグ21を本体101に装着しゲートバー216を閉じた状態でバッグロール20からバッグ21が出て垂れている状態のチェックアウト端末200のYZ断面を右方から見た模式図である。上方から挿入される商品3がバッグ21の前側上部に干渉しにくくするため、バッグ21の前側上部が、リーダスロット114の前側面やゲート側スキャナ134の後ろ側面よりも、前側に位置する。上方から挿入される商品3がバッグ21の後ろ側上部に干渉しにくくするため、バッグ21の後ろ側上部が、リーダスロット114の後ろ側面や本体側スキャナ136の前側面よりも後ろ側に位置してもよい。このような位置関係なので、バッグ21の上部の前後方向の開口長よりもリーダスロット114の前後方向の長さは狭い。
バッグ21の後ろ側上部が、リーダスロット114の後ろ側面や本体側スキャナ136の前側面よりも後ろ側に位置させることによって、バッグ21の後ろ側上部がバッグロール20から連続している次のバッグに繋がっている部分のミシン目が、上方から挿入される商品3と干渉してしまうのを避けることもできる。
もし、バッグ21の後ろ側上部は、バッグロール20から連続している次のバッグに繋がっていて、上方から挿入される商品3が引っかかりにくければ、バッグ21の後ろ側上部が、リーダスロット114の後ろ側面や本体側スキャナ136の前側面よりも前側に位置してもよい。
バッグ21の上部が開いたかたちとなって短くなるバッグ21の上部の左右方向の長さよりも、リーダスロット114の左右方向の長さが狭くなるよう設計するとよい。このような径の設計で、上方から挿入される商品3がバッグ21の上部に干渉しにくくなる。
(第3の実施形態)
図14は、一実施形態に係るチェックアウト端末300のゲート316を開いた状態の外観図である。第1の実施形態のチェックアウト端末100と同様な構成については同じ符号を付し詳細な説明は省略する。
チェックアウト端末300は、へら340とハンガー342とを備える。
バッグ302の後ろ側フィルムはその上部にハンガーホール303を有する。バッグ302はハンガーホール303にハンガー342を通すことで本体101に対して吊るされる。ハンガー342は同時に複数のバッグのハンガーホールを貫くかたちで前後方向に重ねて支持することができる。一番前にあるバッグ302のハンガーホール303が自然に抜け落ちてしまうのを妨げるために、ハンガー342が後ろから前に向かって上反角を有してもよい。
ハンガー342が左右対称な位置に一対あるとよい。一対のハンガー342の左右方向の間隔は、バッグ302の幅よりも短い。ハンガー342が左右対称な位置に一対あれば、バッグ302は左右対称な位置にハンガーホール303を一対有するとよい。ハンガーホール303はハンガー342が通る程度の上下方向の長さがあり、上下方向よりも長い左右方向の長さを有するとよい。ハンガーホール303を横長にするとよいのは、バッグ302の上部が開いたかたちとなって短くなるのをハンガー342に邪魔させないためである。そのため、一対のハンガーホール303を一対のハンガー342が貫いている状態において、バッグ302の上部が閉じたかたちでは左右方向において、ハンガー342よりもバッグ302の外向きに長く内向きに短いとよい。
バッグ302の前側フィルムはその上部が後ろ側フィルムよりも短く低い位置にあり、後ろ側フィルムに対して開く。
ゲート316はへら340を回動可能に支持する。へら340の回転軸端とは反対側の端を先端とする。閉じた状態のゲート316に対してへら340は先端が上方へ行くように付勢される。リーダスロット114を通して客が上方から挿入する商品3が、付勢に反してへら340を下向きに回動させる。へら340はその先端側に弾性へら341を支持する。弾性へら341は、へら340の先端側よりもへら340の回転軸から遠くにその先端を有する。
へら340は、ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品3の名称や単価をRAM184から探し出すまで回動しないようロックされ、商品3がバッグ302へ進むのを妨げる。商品3の名称や単価をRAM184から探し出すとへら340は回動可能となり、商品3がバッグ302へ進むことができるようになる。
バーコードの表示位置は商品の種類によっては定められている場合がある。例えば書籍バーコードであれば書籍商品の上端から10mm程度の位置、雑誌バーコードであれば雑誌商品のほぼ下端の位置で高さ12mmを確保するよう定められている。また、商品の種類によっては商品自体の上下の長さが定まっている場合がある。例えばA4サイズの書籍や雑誌であれば上下の長さは297mm、デジタルビデオディスクのケースであれば上下の長さは約182mm、コンパクトディスクのケースであれば上下の長さは約118mmと定まっている。ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136のうち下方にあるほうから商品3がへら340に当る位置までの距離を、商品3の定められた長さの半分程度とすれば、商品3がへら340に当る位置まで客が挿入した商品3の上下の向きを変えれば、必ず商品3のバーコードを読み取れる位置にゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136があることになる。
図15は、バッグ群をハンガー342に装着しゲート316を閉じた状態のチェックアウト端末300のYZ断面を右方から見た模式図である。
弾性へら341の先端が、ハンガー342が前後方向に重ねて支持しているバッグ群のうち最前面のバッグ302の後ろ側フィルムに当接する。バッグ302の前側フィルムの上端は、弾性へら341がバッグ302の後ろ側フィルムに当接する位置よりも下方にある。
図16は、バッグ群をハンガー342に装着しゲート316を閉じた状態で、リーダスロット114を通して商品3を挿入する際のチェックアウト端末300のYZ断面を右方から見た模式図である。
リーダスロット114の上方から挿入されてゲート側スキャナ134と本体側スキャナ136とが位置する高さを通過した商品3が、へら340を押し下げる。商品3に押し下げられるへら340が支持する弾性へら341の先端が、最前面のバッグ302の後ろ側フィルムをなでながら下方へ移動して前側フィルムの上端をひっかける。へら340がさらに商品3に押し下げられると弾性へら341と回動するへら340とによって前側フィルムが前のほうへ引かれて、最前面のバッグ302が開いたかたちとなる。商品3を下方へ進めることによって開いたかたちとなったバッグ302へ商品3が入っていく。
図17はチェックアウト端末300の機能ブロック図である。
チェックアウト端末300は、ロックドライバ338を搭載する。CPU181は、バスライン182を介して、ロックドライバ338と通信する。
CPU181は、商品3の名称や単価をRAM184から探し出すと、ロックドライバ338を用いて、へら340の回動可否を制御する。
図18は、チェックアウト端末300のCPU181の処理を表すフローチャートである。
CPU181はゲート316を閉じた状態かつロックドライバ338にへら340が回動しないようロックした状態で処理を開始する。
CPU181は、リーダスロット114に挿入され下方へ移動していく商品3のバーコード31をゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136で読み取る(391)。
CPU181は、ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品の名称や単価をRAM184から探す(392)。
ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品の名称や単価が見つかると(392のYes)、CPU181はロックドライバ338にへら340のロックを解除させてへら340を回動可能にする(393)。リーダスロット114へ挿入した商品3が何なのかの照合を行ってからへら340のロックを解除して商品3がバッグ302へ進むことを可能にする。
ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品の名称や単価が見つからなければ(392のNo)、再度391を行う。再度391を行うために客は商品3を一旦リーダスロット114の外へ引上げてから再度リーダスロット114へ挿入する。
CPU181は、RAM184から探し出した商品の単価の合計や税額などを計算して、ディスプレイ110に表示する。(394)。
CPU181は、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信可能になるのを待つ(395)。
CPU181は、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信可能になったら(395のYes)、非接触式カード読取部112で非接触式カードと通信して、商品の単価の合計や税額などの決済処理を行う(396)。
CPU181は、モータドライバ138を用いて、ロックピット128のなかのフックにリング126をリリースさせ、ゲート316を本体101に対して開いた状態にすることを可能にする(397)。
この実施形態では、へら340は、ゲート側スキャナ134や本体側スキャナ136に読み取らせたバーコード31に対応する商品3の名称や単価をRAM184から探し出すまで回動しないようロックされるようロックドライバ338を制御するよう説明したが、ロックドライバ338やへら340のロック制御がない形態での実施もあり得ることはいうまでもない。
(第4の実施形態)
図19は、一実施形態に係るチェックアウト端末400の外観図である。第1の実施形態のチェックアウト端末100と同様な構成については同じ符号を付し詳細な説明は省略する。
チェックアウト端末400は、左ゲートバー416と、右ゲートバー417と、ハンガー442とを備える。
第1の実施形態におけるリーダスロット114は本体101の前側中央部分を後ろ側へ後退させたかたちで形成していたが、第4の実施形態におけるリーダスロット114は左ゲートバー416と右ゲートバー417とを薄肉化してその後ろ側に空間を設けることによって形成されている。左ゲートバー416と右ゲートバー417とを湾曲したかたちに形成し、リーダスロット114をより前方に形成することによって、客は商品3をより手前で挿入することができて、商品3の挿入が容易になる。薄肉化によってゲート側にスキャナを持つことができなくなるが、客にバーコードを後ろ側に向けて商品をリーダスロット114へ挿入してもらえばよい。薄肉化を控えめにして、左ゲートバー416と右ゲートバー417とのそれぞれにゲート側のスキャナを持たせる構成としてもよい。
図20は、チェックアウト端末400の左ゲートバー416と右ゲートバー417とを開いた状態の外観図である。
チェックアウト端末400は、第1の実施形態におけるゲートバー116にかえて左ゲートバー416と、右ゲートバー417と、を備える。チェックアウト端末400を前から見て中央の位置で左ゲートバー416と、右ゲートバー417と、が分かれている。本体101は蝶番424で左ゲートバー416を回動自在に支持する。本体101は左ゲートバー416を蝶番424で水平面内にスイングするよう支持するとよい。蝶番424はモータドライバ138によってその回動可否を制御される。左ゲートバー416の蝶番424から遠い端を本体101に対して近づけて左ゲートバー416がスイングしないよう固定した状態が、左ゲートバー416を閉じた状態である。本体101は右ゲートバーも同様に回動自在に支持する。
図21は、チェックアウト端末400の左ゲートバー416と右ゲートバー417とを開いた状態でハンガー442にバッグ402を吊るした状態の外観図である。
バッグ402はその上部にハンガーホール403を有する。バッグ402はハンガーホール403にハンガー442を通すことで本体101に対して吊るされる。ハンガー442は、バッグ402の上部が開いたかたちでバッグ402を支持するために、バッグ402の前側フィルムのハンガーホール403が係合する位置とバッグ402の後ろ側フィルムのハンガーホール403が係合する位置とにそれぞれ係合溝を有する。
各実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROMに発明の機能を実現させるプログラムが予め記録されているものとしたが、これに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。