JP2017156072A - 解凍機 - Google Patents

解凍機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017156072A
JP2017156072A JP2016042760A JP2016042760A JP2017156072A JP 2017156072 A JP2017156072 A JP 2017156072A JP 2016042760 A JP2016042760 A JP 2016042760A JP 2016042760 A JP2016042760 A JP 2016042760A JP 2017156072 A JP2017156072 A JP 2017156072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
thawing
support
thawed
storage material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016042760A
Other languages
English (en)
Inventor
大治 澤田
Daiji Sawada
大治 澤田
秀和 志摩
Hidekazu Shima
秀和 志摩
夕香 内海
Yuka Utsumi
夕香 内海
別所 久徳
Hisatoku Bessho
久徳 別所
亮二 高木
Ryoji Takagi
亮二 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2016042760A priority Critical patent/JP2017156072A/ja
Publication of JP2017156072A publication Critical patent/JP2017156072A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/85Food storage or conservation, e.g. cooling or drying

Landscapes

  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Abstract

【課題】熱交換の効率が高く、温度ムラがなく、短時間で解凍対象物を解凍する。
【解決手段】本発明の解凍機は、蓄熱材を用いて解凍対象物を放冷する解凍機100であって、単一の空間を形成し、解凍対象物106の少なくとも一側面を包摂する大きさを有する第1の収容部に蓄熱材が充填された少なくとも一つの蓄熱パック102a、102bと、蓄熱パック102aおよび102bを解凍対象物106に押圧する押圧機構104と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱材を用いて解凍対象物を放冷する解凍機に関する。
従来から、家庭で冷凍保存された食品の解凍方法として、冷蔵庫の冷凍庫から冷蔵室に移す冷蔵庫解凍、室温における室温解凍、水道水に浸す流水解凍、電子レンジで加熱する電子レンジ解凍などが知られている。一般に、解凍による食品の品質上のトラブル、つまり菌の繁殖やドリップ(水分)が多く出ることによる旨味成分の流出などを避けるため、冷凍食品を温度ムラなく解凍すること、また解凍時間を短縮することが求められている。
解凍時間を短縮するための用具として、例えば、特許文献1には、形態順応解凍板具が開示されている。この解凍板具は、対象となる解凍物の大きさや形態に関わらず解凍が可能である。また、例えば、特許文献2には、蓄熱材を用いて冷凍食品を解凍する解凍用具が開示されている。この解凍用具は、室温に保存した蓄熱材をシート状に分包し、袋状に構成した解凍袋である。この解凍袋は、蓄熱材が偏らないように均一に分散させることによって、蓄熱材が固体になることで熱伝導効率が低下することを防止している。
特開平7−227263号公報 特開2005−185208号公報
食材の解凍に適した温度帯は、0℃前後であることが分かっているが、電子レンジ解凍は解凍時間が短いが、マイクロ波が液体の水に集中しやすい性質を持ち、解凍されたところに加熱が集中するため解凍ムラが起きやすく、食品が劣化する場合もある。また、冷蔵庫解凍では、解凍温度が約5℃と低いため、食材の劣化は起こりにくいが、食材によっては非常に時間がかかるため、調理などのタイミングに合わせるのが難しい。
また、室温解凍では菌の繁殖など衛生面の問題や夏場等比較的高い温度で解凍するため、ドリップ(水分)が多く出る。このドリップ中には旨味成分が含まれているので、ドリップが多く出るほど旨味が失われる。流水解凍では室温解凍より早く解凍できるが、直接水が付くと風味や鮮度が落ちるので、ポリ袋などに入れてボウルを使って流水をかけながら解凍する必要がある。この手法でも水温が高い時期等は衛生面の問題が残る。
また、特許文献1記載の形態順応解凍板具では、金属板による熱伝導の向上を見込んだ冷却方法が採用されており、蓄熱材を用いた手法に比べて解凍時間が長くなってしまう。
また、特許文献2記載の解凍袋では、袋状であることから解凍食品の大きさに制限があると共に、蓄熱材を分包させることで蓄熱材との接触が不十分である。また、袋状であるため、蓄熱材と解凍対象物との間に圧力がかからず、密着性の点で問題がある。
また、個別に分包された蓄熱材では対流が起こりにくく、解凍対象物と接している部分またはその近傍の蓄熱材のみが解凍に寄与することとなり、冷気の放出効率が悪い。また、蓄熱材として可燃性の高いパラフィン等が主剤となっている点で、好ましくない。さらに、適切な材料量(潜熱量)が確保されておらず、解凍性能の点で問題がある。その結果、豚肉80gを解凍させるために、最短でも60分を要してしまっている。
従来から、一般的に利用されている解凍方法、その標準的な解凍時間、およびその品位(
ドリップ発生の低さ)は、以下の表の通りに表される。すなわち、“冷蔵庫解凍法”の場合は、解凍時間が約10時間で、品位は「◎(大変良好)」である。解凍対象物の下に熱伝導性の良いアルミトレイを敷いた“自然解凍法”の場合は、解凍時間が50〜70分で、品位は「○(良好)」である。“流水解凍法”の場合は、解凍時間が20〜30分で、品位は「○(良好)」であるが、経済性は「×(劣る)」である。よって、特許文献2の方法では、自然解凍法に対して必ずしも優位とは言えない。
Figure 2017156072
市販の冷凍食品には、生鮮状態の保持を主目的としたもの、或いは消費者の手を省くよう調理加工した冷凍調理食品などがある。近年、簡単な調理で食膳に供される手軽さや、社会事情の変化に伴って、冷凍調理された食品が広く流通するようになってきている。市販の調理加工された冷凍調理食品の多くは、袋状に包装されており、比較的薄い形状をしている。また、家庭での一般的な冷凍方法として、食品を薄く、平たくした状態で冷凍することによって、早く冷凍でき保存しやすい方法であることが知られている。このため、薄く平な食品に対して、温度ムラなく短時間での解凍手法が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱交換の効率が高く、温度ムラがなく、短時間で解凍対象物を解凍することができる解凍機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の解凍機は、蓄熱材を用いて解凍対象物を放冷する解凍機であって、単一の空間を形成し、前記解凍対象物の少なくとも一側面を包摂する大きさを有する第1の収容部に蓄熱材が充填された少なくとも一つの蓄熱パックと、前記蓄熱パックを前記解凍対象物に押圧する押圧機構と、を備える。
本発明によれば、単一の空間内に蓄熱材が充填されているので、個別に分包された蓄熱材を用いた場合に比較して、対流が生じやすく、放冷効率を高めることが可能となる。また、蓄熱パックが、解凍対象物の少なくとも一側面を包摂する大きさを有するので、蓄熱パックと解凍対象物との接触面積が大きくなり、熱交換の効率を高めることが可能となる。さらに、蓄熱パックを解凍対象物に押圧するので、蓄熱材と解凍対象物との密着性が高まり、熱交換の効率を高めることが可能となる。その結果、解凍時間を短縮することが可能となる。
本発明の実施形態に係る解凍機の概略構成を示す図である。 実施例1の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。 実施例1の実験結果を示す図である。 実施例2で使用する蓄熱材の種類を示す図である。 実施例2の実験結果を示す図である。 実施例3の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。 実施例3の実験結果を示す図である。 実施例4の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。 実施例4の実験結果を示す図である。 図9に示した実験結果を書き直したグラフである。 蓄熱パックの斜視図である。 解凍対象物と蓄熱材との熱交換の概念を模式的に示す図である。 プラスチックの種類と熱伝導率を示す図である。 蓄熱材における熱伝導率の優劣を概念的に示す図である。 各フィラーの熱伝導率を示す図である。 フィラーの添加量と熱伝導率との関係を示す図である。 実施例5の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。 実施例5の実験結果を示す図である。 図17に示した実験結果を書き直したグラフである。 解凍対象物としてのテストパッケージの斜視図である。 市販の冷凍合挽ミンチ肉を解凍させる際、押圧力とドリップ発生の関係を評価したものである。 実施例6の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。 実施例6の実験結果を示す図である。 実施例7の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。 実施例7の実験結果を示す図である。 実施例8に係る解凍機の概略構成を示す二面図である。 実施例8に係る解凍機の概略構成を示す二面図である。 実施例9に係る解凍機の概略構成を示す二面図である。 実施例9に係る解凍機の概略構成を示す二面図である。 実施例10に係る解凍機の概略構成を示す図である。 実施例11に係る解凍機の概略構成を示す図である。 実施例12に係る解凍機の概略構成を示す図である。 揺動機構がない場合の時間(min)の経過に対する温度を示すグラフである。 揺動機構がある場合の時間(min)の経過に対する温度を示すグラフである。 実施例13に係るモデルの斜視図である。 実施例13に係るモデルの平面図である。 実施例13に係るモデルの正面図である。 実施例13に係るモデルの右側面図である。 水の物性値を示す図である。 解凍対象物の中心部分における時間の経過に伴う温度変化を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る解凍機の概略構成を示す図である。この解凍機100は、単一の空間内に蓄熱材が充填された2つの蓄熱パック102aおよび102bを有している。この蓄熱パック102aおよび102bは、解凍対象物106の少なくとも一側面を包摂する大きさを有する。解凍機100は、蓄熱パック102aおよび102bを解凍対象物106に押圧する押圧機構104を有している。図1に示す押圧機構104は、上支持体104aおよび下支持体104bが、ヒンジ部104cによって回動可能に接続されている。解凍対象物106を下支持体104b上の蓄熱パック102bに載置し、上支持体104aを回動させて蓄熱パック102aを解凍対象物106の上側から密着させることによって、解凍対象物106を短時間で解凍させることが可能である。
本発明の実施形態に係る解凍機は、以下の特徴を有する。
(1)蓄熱材と解凍対象物との接触面積が大きい。すなわち、蓄熱材が入ったフィルムパックのサイズを解凍対象物より大きくすることによって、蓄熱材と解凍対象物との接触面積が大きくなる。
(2)フィルムパックを分割せずに単一のパックとする。これにより、蓄熱材を対流させ、熱交換の効率化を図り、解凍時間を短縮させる。特許文献2に開示されているように、フィルムパックを分割して分包とした場合、分包間の連結部分に熱交換に寄与できない領域(関節機構等によるロス領域)が存在するため、結果的に対象物の解凍時間を長くしてしまう。また、分包の場合、ある一室が相変化領域、すなわち、液相から固相に入ったとしても、仕切り部と関節機構、つまり“熱交換に寄与できない領域”が妨げとなって、隣接する他の分包へ伝搬する確率が低くなる。本実施形態では、蓄熱材を分包ではなく、一体包装とするため、ある一部分が相変化領域に入ったとしても、分包のように仕切りがないので、自由に熱伝導が行われ、結果として熱交換効率を上げることが可能となる。
(3)蓄熱材と解凍対象物との接触の強さ(押圧力)が高い。すなわち、蓄熱材と解凍対象物との密着性を上げ、熱交換を効率良く行い、解凍時間を短縮させる。ただし、押圧力が一定値に到達すると、解凍時間の短縮が見られなくなるため、押圧力の適正な範囲を規定する。
(4)蓄熱材に不凍材料を積重させた二層構造にしても良い。すなわち、解凍対象物と接触する方の面に蓄熱材を配置し、接触しない方の面に不凍材を配置することによって、蓄熱材が凍結し始めたとしても、不凍材の方で対流が起こり、蓄熱材の凍結を妨げることができる。これにより、冷気の放出の効率が向上し、解凍時間を短縮させることが可能となる。一般的に、効率良く熱交換が成された場合、少なくとも解凍対象物と接触する側の蓄熱材は凍結する。蓄熱材が凍結すると、解凍対象物と蓄熱材との接触(密着性)は悪くなると共に、凍結部分が効率的な熱交換をするための阻害要因となり、結果的に解凍時間を長くしてしまう。本実施形態では、蓄熱材の蓄えた熱を不凍材料がその対流によって外部に逃がす働きをする。これによって蓄熱材を凍結させることなく効率的に解凍対象物から熱を奪うことが可能となる。これに対して、特許文献2に開示されている「分包タイプ」では、蓄熱材が凍結しても、その関節機構によって解凍対象物との密着性がある程度維持されるというメリットもあるが、本実施形態のような構成であれば、そもそも蓄熱材を凍結させずに熱交換を可能とするため、分包する必要性は無い。
(5)蓄熱材に高熱伝導性を有するアルミ板を積重させた二層構造にしても良い。すなわち、解凍対象物と接触しない方の面に蓄熱材を配置し、接触する方の面にアルミ板を配置することによって、効率良く冷気を蓄熱材に伝達することができ、解凍時間を短縮させることが可能となる。
(6)蓄熱材として、融点が12℃のテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、または、融点が15℃のテトラブチルアンモニウムクロリド(TBAC)を用いる。例えば、東京の平均気温は5℃〜25℃であるが、この温度帯で凍結せず(つまり液体)、かつ、融点が高い蓄熱材として、TBAB又はTBACが挙げられる。融点が高い蓄熱材ほど解凍速度を向上させることができる。このように、蓄熱材は、融点が0℃よりも大きいため、解凍対象物を迅速に放冷することが可能となる。また、融点が30℃よりも小さいため、解凍対象物が高温になりすぎることがなく、高熱により変性する解凍対象物を解凍する際にも不具合を回避することが可能となる。仮に、融点が30℃以上を有する蓄熱材を用いる場合、使用者が生活する大抵の環境下においては、その蓄熱材は固体状態(凍結状態)となる。この場合、解凍対象物との接触(密着性)が悪くなるという課題がある。このため、密着性による効率的な熱交換の観点から、使用する蓄熱材としては、使用開始時は「液相状態」であるものが好ましい。つまり、30℃以下に融点を有する蓄熱材がより好ましい。
(7)蓄熱材の量を多くする。すなわち、材料量(潜熱量)は多いほど、解凍速度は向上する。ここで、蓄熱材の搭載量を増やすことによって解凍完了時間は短くなる傾向にあるが、その傾向は、ある一定の搭載量まで見られた後、それ以降は、搭載量を増やしても解凍完了時間は変わらない。これは、後述するように、蓄熱材および蓄熱材を保持する包装材の熱伝導性が影響している。また、例えば、後述する実施例4では、蓄熱材の量を、0g、513g、600g、800gの4種類に変えて検証を行なったが、800gとするのが最善であった。ただし、上述したように、蓄熱材の量が一定値に到達すると、解凍時間の短縮が見られなくなるため、蓄熱材の量の適正な範囲を規定すると共に、熱伝導性の高いフィラーを配合することによって改善を図ることも可能である
(蓄熱パックと解凍対象物)
図2は、実施例1の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。実施例1では、蓄熱材として、12℃に融点を持つTBAB_40wt%水溶液を用いる。この蓄熱材125gを、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102bのそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、22cm×17cmである。
また、実施例1において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、16cm×11cmであり、重量は、約85gである。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図2に示すように、常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、10mmである。
(3)テストパッケージ内部の中心温度変化を熱電対で測定する。このときの環境温度は、25℃(ペルチェ恒温槽内で評価)である。なお、リファレンスとして蓄熱材を用いない状態における測定も行なう。
(実験結果)
図3は、実施例1の実験結果を示す図である。−18℃から0℃に到達する時間は、蓄熱材を用いた方は24分であり、蓄熱材を用いなかった方は51分であった。つまり、蓄熱材を用いた方は、テストパッケージの−18℃から0℃に到達する時間が、蓄熱材を用いなかった方よりも約27分早かった。このように、蓄熱材を解凍対象物に接触させることによって、熱交換を効率的に行なうことができるため、常温下(25℃)での自然解凍よりも解凍速度を向上させることが可能となる。
(蓄熱パックと解凍対象物)
図4は、実施例2で使用する蓄熱材の種類を示す図である。すなわち、融点が−11℃であるKCl_20wt%水溶液、融点が0℃である水、そして融点が12℃であるTBAB_40wt%水溶液の3種類の蓄熱材を用いる。これらの各蓄熱材125gを、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102bのそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、図2に示すように、22cm×17cmである。
また、実施例2において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、図2に示すように、16cm×11cmであり、重量は、約85gである。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図2に示すように、常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、10mmである。
(3)3種類の蓄熱材毎に、テストパッケージ内部の中心温度変化を熱電対で測定する。このときの環境温度は、25℃(ペルチェ恒温槽内で評価)である。なお、リファレンスとして蓄熱材を用いない状態における測定も行なう。
(実験結果)
図5は、実施例2の実験結果を示す図である。−18℃から0℃に到達する時間は、蓄熱材を用いない場合は51分であり、融点が−11℃である蓄熱材を用いた場合は45分であり、融点が0℃である蓄熱材を用いた場合は36分であり、融点が12℃である蓄熱材を用いた場合は24分であった。すなわち、融点がより高い蓄熱材を用いると、解凍速度が高くなると言える。このように、融点が高い蓄熱材を解凍対象物に接触させることによって、解凍速度をより向上させることが可能となる。
(蓄熱パックと解凍対象物)
図6は、実施例3の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。実施例3では、蓄熱パックを9つの分包を有する場合と、分包を有さず一体とした場合の2種類の蓄熱パックを比較する。蓄熱材として、12℃に融点を持つTBAB_40wt%水溶液を用い、この蓄熱材207gを、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102b(分包ありと分包なし)のそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、22cm×17cmである。
また、実施例3において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、16cm×11cmであり、重量は、約170gである。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図6に示すように、常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、19mmである。
(3)9つの分包を有する蓄熱パックと、分包を有さず一体とした蓄熱パックのそれぞれの蓄熱材が凍結する様子を観察する。このときの環境温度は、25℃(ペルチェ恒温槽内で評価)である。
(実験結果)
図7は、実施例3の実験結果を示す図である。[分包あり]の場合、解凍対象物との接触面積が大きい蓄熱パックの蓄熱材は凍結し、解凍対象物との接触面積が小さい蓄熱パックの蓄熱材は凍結しなかった。つまり、蓄熱材の凍結量が非常に少ないことが目視で確認できた。一方、[分包なし]の場合、蓄熱材は、蓄熱パックの中心を含む広い領域で凍結しており、凍結量が非常に多いことが目視で確認できた。これにより、蓄熱パック(フィルムパック)を分割せずに、一体包とすることによって、熱交換を効率良く行ない、解凍時間の短縮をさせることが可能となる。なお、以上説明した実施例1から3に示したように、蓄熱材を封入するフィルムパックのサイズを解凍対象物より大きくし、蓄熱材と解凍対象物との接触面積を増やすことが有効である。
(蓄熱パックと解凍対象物)
図8は、実施例4の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。実施例4では、蓄熱材の量を、0g、513g、600g、800gの4種類に変えて検証を行なった。蓄熱材は、12℃に融点を持つTBAB_40wt%水溶液を用い、各量の蓄熱材を、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102bのそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、22cm×17cmである。
また、実施例4において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、16cm×11cmであり、重量は、約170gである。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図8に示すように、常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、19mmである。
(3)テストパッケージ内部の中心温度変化を熱電対で測定する。このときの環境温度は、25℃(ペルチェ恒温槽内で評価)である。
(実験結果)
図9は、実施例4の実験結果を示す図である。−18℃から0℃に到達する時間は、蓄熱材がない場合(0g)は68分であり、蓄熱材が513gである場合は56分であり、蓄熱材が600gである場合は49分であり、蓄熱材が800gである場合は39分であった。つまり、蓄熱材の量が多いほど解凍速度が速くなることが確認できた。従って、上記の4種類の量では、800gを選択することが最善である。このように、用いる蓄熱材の量が多いほど、解凍速度を向上させることが可能となる。ただし、蓄熱材の量が、一定値を超えると、解凍速度の向上は見られなくなる。
(蓄熱材の適正量)
図10は、図9に示した実験結果を書き直したグラフである。図10では、横軸を蓄熱材の量(g)とし、縦軸を解凍完了時間(min)とした。蓄熱パックは、図11に示すように、表面積(22cm×17cm)を一定とし、厚みによって重さを変えて評価を行なった。図10に示すように、解凍完了時間は、蓄熱材の量を増やすに従って短縮化される傾向がある。しかし、蓄熱材の量が、ある一定量(図10では約830g)以上となると、それ以上、解凍完了時間は短くならなくなった。以下、この理由について説明する。
図12は、解凍対象物と蓄熱材との熱交換の概念を模式的に示す図である。図12に示すように、蓄熱材がある一定量以上の厚みになると、解凍対象物と接触しない側に蓄えられた熱源が、解凍対象物との間で熱交換ができなくなり、ロスを生じていると考えられる。さらに、蓄熱パッケージの低い熱伝導率も要因になると考えられる。これが、蓄熱材の量がある一定量以上となると、それ以上、解凍完了時間は短くならない理由である。
この理由から、蓄熱材の量を増加させる効果と、省スペースおよび低コストの観点から、蓄熱材の量には、最適値が存在すると言える。従来、包装材としては、図13Aに示すように、プラスチック類が使用されることが多い。
ここで、図13Bに示すように、熱伝導率が高い物性で構成された蓄熱材は、熱伝導率が低い物性で構成された蓄熱材よりも蓄えた冷熱をより素早く冷却対象物に熱交換することができるため、結果として、冷却対象物をより早く冷却することが可能になる。一方、熱伝導性が低い物性で構成され、任意の厚みを持った蓄熱材では、解凍対象物と接触する周辺部分だけが先に凍結し、解凍対象物の反対側に蓄えられた冷熱は、先に凍結した周辺部分の蓄熱材が邪魔になり、解凍対象物に対して熱交換しにくくなるという問題が発生してしまう。
図13Aに示したプラスチック類の熱伝導率を高めるため、プラスチック類に高熱伝導性の粒子(フィラー)を配合し、複合プラスチック類とする手法が知られている。具体的な粒子(フィラー)として、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。
図14は、各フィラーの熱伝導率を示す図であり、図15は、フィラーの添加量と熱伝導率との関係を示す図である。図14および図15に示すように、包装材を構成するプラスチック類に対し、熱伝導率の高いフィラーを、より多く添加することによって、包装材の熱伝導率を高めることが可能となる。なお、これらの高熱伝導率を有するフィラーを、蓄熱材に混合させて、蓄熱材自体の熱伝導率を高める手法を採っても良い。
(蓄熱パックと解凍対象物)
図16は、実施例5の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。実施例5では、耐圧試験機110を用いて、解凍対象物106に蓄熱パック102aおよび102bを押圧する。押圧力は、0Nから530Nの範囲内の6段階を加えるものとする。蓄熱材として、12℃に融点を持つTBAB_40wt%水溶液を用い、この蓄熱材400gを、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102bのそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、22cm×17cmである。
また、実施例5において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、16cm×11cmであり、重量は、約170gである。なお、蓄熱パック102aおよび102bと耐圧試験機110との接触面上に、断熱用発泡スチロール112を設けた。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図16に示すように、常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、19mmである。
(3)耐圧試験機110により、押圧力を加える。押圧力は、0N、10N、30N、100N、270N、530Nの6段階である。
(4)テストパッケージ内部の中心温度変化を熱電対で測定する。このときの環境温度は、26℃(実験室内での評価)である。
(実験結果)
図17は、実施例5の実験結果を示す図である。−18℃から0℃に到達する時間は、押圧力なしの場合(0N)は42分であり、押圧力が10Nの場合は27分であり、押圧力が30Nである場合は27分であり、押圧力が100Nである場合は25分であり、押圧力が270Nである場合は25分であり、押圧力が530Nである場合は、24分であった。このように、押圧力が高いほど解凍速度が速くなることが確認できた。このように、高い押圧力を与えることによって、蓄熱材と解凍対象物との密着性が高まり、熱交換を効率良く行なうことができるため、解凍時間を短縮させることが可能となる。ただし、押圧力が一定値に到達すると、解凍時間の短縮は見られなくなる。
(押圧力の適正値)
図18は、図17に示した実験結果を書き直したグラフである。図18では、横軸を蓄熱材の押圧力(N/cm)とし、縦軸を解凍完了時間(min)とした。蓄熱パックは、図19に示すように、16cm×11cm×2.5cmのサイズを有する。図18に示すように、解凍完了時間は、押圧力を増やすに従って短縮化される傾向がある。しかし、押圧力が、ある一定量(図18では約1.5N/cm)以上となると、それ以上、解凍完了時間は短くならなくなった。
一方、与える押圧力を増やし過ぎると、特に冷凍肉などの場合、ドリップが発生し易くなる傾向がある。図20は、市販の冷凍合挽ミンチ肉(200g、80×135×t25mm)を解凍させる際、押圧力とドリップ発生の関係を評価したものである。0.5N/cmの押圧力を与えても発生するドリップ量は僅か4.4ml程度であることが分かった。
このように、図18に示した押圧力と解凍完了時間との関係と、図20に示した押圧力とドリップ発生量との関係から、解凍対象物を高速、かつ、高品位に解凍するために必要な押圧力は、0.25から0.4N/cm程度が良好であると考えられる。ここで、一般的に、解凍品位が良好と言われている冷蔵庫解凍法にて、ブリの切り身(50g)を解凍した際に発生したドリップ量を測定すると、その量は、2〜3g程度であった。すなわち、ドリップの発生量は、解凍対象物量の約0.04倍程度以下であれば、十分品位があると言える。このため、図20に示す0.5N/cmの加重を与えた場合に発生したドリップ率は、約0.02倍(解凍物重さが200g、発生したドリップ量が4.4mL≒4.4g)であるため、十分に高品位であると言える。これらのことから、解凍速度の向上を図り、かつ冷蔵庫解凍法と同等以上の品位を示す押圧力の上限値は「0.5N/cm」が好適である。
(蓄熱パックと解凍対象物)
図21は、実施例6の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。実施例6では、耐圧試験機110を用いて、解凍対象物106に蓄熱パック102aおよび102bを押圧する。押圧力は0.5N/cmとする。また、実施例6では、蓄熱パック102aおよび102bと解凍対象物106との間に、アルミ板114をそれぞれ設けた。蓄熱材として、12℃に融点を持つTBAB_40wt%水溶液を用い、この蓄熱材400gを、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102bのそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、22cm×17cmである。
また、実施例6において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、16cm×11cmであり、重量は、約170gである。なお、蓄熱パック102aおよび102bと耐圧試験機110との接触面上に、断熱用発泡スチロール112を設けた。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図21に示すように、アルミ板114を介して、常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、19mmである。
(3)耐圧試験機110により、押圧力を加える。押圧力は、0.5N/cmである。
(4)テストパッケージ内部の中心温度変化を熱電対で測定する。このときの環境温度は、26℃(実験室内での評価)である。なお、比較のため、実施例5のように蓄熱材のみを用いた場合と、蓄熱材を用いずにアルミ板のみとした場合についても測定した。
(実験結果)
図22は、実施例6の実験結果を示す図である。−18℃から0℃に到達する時間は、蓄熱材のみを用いた場合は27分であり、アルミ板のみを用いた場合は40分であり、図21に示したように、解凍対象物と蓄熱材との間にアルミ板を設けた場合は17分であった。このように、蓄熱材と、高熱伝導性を有するアルミ板とを組み合わせることによって、解凍速度が速くなることが確認できた。このように、解凍対象物と蓄熱材との間に高熱伝導性を有するアルミ板を設けた二層構造を採ることによって、効率良く冷気を蓄熱材に伝達することが可能となり、解凍時間を短縮させることが可能となる。
(蓄熱パックと解凍対象物)
図23は、実施例7の蓄熱パックと解凍対象物の概要を示す図である。実施例7では、耐圧試験機110を用いて、解凍対象物106に蓄熱パック102aおよび102bを押圧する。押圧力は0.5N/cmとする。また、実施例7では、蓄熱パック102aおよび102bと断熱用発泡スチロール112との間に、不凍材層116をそれぞれ設けた。すなわち、不凍材層を、蓄熱材の解凍対象物の反対側の面に設けた。この不凍材として、実施例7では「水」を用い、水200gを冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)に封入して、不凍材層116とした。また、蓄熱材として、12℃に融点を持つTBAB_40wt%水溶液を用い、この蓄熱材400gを、冷凍対応軟質フィルムパック(NY/PE)で形成された2つの蓄熱パック102aおよび102bのそれぞれに封入した。蓄熱パック102aおよび102bの2次元的な寸法は、22cm×17cmである。
また、実施例7において、解凍対象物として、冷凍用疑似負荷テストパッケージを用いた。このテストパッケージ(解凍対象物106)の2次元的な寸法は、16cm×11cmであり、重量は、約170gである。なお、実施例5、6と同様に、蓄熱パック102aおよび102bと耐圧試験機110との接触面上に、断熱用発泡スチロール112を設けている。
(実験方法)
(1)テストパッケージを、−18℃環境の冷凍室で凍結させる。
(2)テストパッケージを、図23に示すように、各不凍材層116と常温(25℃)の2つの蓄熱パック102aおよび102bで挟む。このとき、2つの蓄熱パック102aおよび102bの間隔は、19mmである。
(3)耐圧試験機110により、押圧力を加える。押圧力は、0.5N/cmである。
(4)テストパッケージ内部の中心温度変化を熱電対で測定する。このときの環境温度は、26℃(実験室内での評価)である。なお、比較のため、蓄熱パック102aおよび102bと断熱用発泡スチロール112との間に、不凍材層116がない場合についても測定した。
(実験結果)
図24は、実施例7の実験結果を示す図である。−18℃から0℃に到達する時間は、不凍材層がない場合は27分であり、図23に示したように、不凍材層がある場合は18分であった。このように、蓄熱材と、不凍材層とを組み合わせることによって、解凍速度が速くなることが確認できた。このように、蓄熱材の解凍対象物の反対側の面に不凍材層を設けた二層構造を採ることによって、蓄熱材が冷気を吸収して凍結し始めたとしても、不凍材層の内部で対流が生じ、蓄熱材の凍結を妨げることとなる。これにより、効率良く冷気を放出することが可能となり、解凍時間を短縮させることが可能となる。
(押圧機構)
図25Aおよび図25Bは、実施例8に係る解凍機の概略構成を示す二面図である。図25Aは、解凍機250の正面図であり、図25Bは、解凍機250の左側面図である。上支持体31と下支持体32を押圧機構5により押圧をかけたまま保持する。上支持体31には、上蓄熱パック21が固定されており、下支持体32には、下蓄熱パック22が固定されている。上支持体31と下支持体32とが対向する位置において、解凍機250は、解凍対象物1に対して上蓄熱パック21および下蓄熱パック22を押し当てる機能を有する。上支持体31と下支持体32は、ヒンジ部4において、相互に回転可能に接続されている。ヒンジ部4は回転中心に対して遠心方向に移動可能となるようにスライドするヒンジスライド部41を備える。
上蓄熱パック21および下蓄熱パック22は、蓄熱材が包装材に封入された構成を採っており、蓄熱材は解凍対象物1との接触面積を広くするために液体であることが好ましい。例えば、上記実施例1から7に示した蓄熱材を用いることが可能である。また、蓄熱材を封入する包装材は、解凍対象物1の表面凹凸に沿うようにフレキシブルであり、かつ熱を伝えやすいに高熱伝導材料もしくは薄膜であることが好ましい。
上支持体31と下支持体32をヒンジ部4で連結させることにより、開閉が可能となり、解凍対象物1の設置/取り出しが容易となる。また、解凍対象物1が上蓄熱パック21および下蓄熱パック22の領域をはみ出す場合、例えば、細長い場合であっても、複数箇所の領域に分けて、若しくは複数の解凍機を並べて挟み込むことによって、解凍が可能になる。
押圧機構5は、図25Aの正面図に示すように、正面に対して左右に二つ備えられ、例えば、引っ掛けフック51と弾性体52によって構成されるのが好ましい。引っ掛けフック51の伸縮によって解凍対象物1にかかる押圧を調整することが可能になる。これにより、解凍対象物1の厚みが変わっても、一定以上の押圧を加えられるように調整することが可能である。左右の押圧機構5を、上支持体31および下支持体32のそれぞれの両端に備えることにより、解凍対象物1の厚さに応じて一定の荷重を加えることが可能である。また、押圧機構5は上支持体31に乗せる重りで代用することも可能である。
なお、本解凍機は、解凍品のみを対象とするのではなく、逆に高温対象物の放熱を促進させることも可能である。例えば、ヒンジ部4の開閉角度に制限を与えない機構とし、鍋などの容量が大きく粗熱を取りたい対象物においても、ヒンジ部4を180度開くことによって、各蓄熱パック21、22上に静置することができ、これにより放熱を促すことも可能である。
(押圧機構)
図26Aおよび図26Bは、実施例9に係る解凍機の概略構成を示す二面図である。図26Aは、この解凍機260の正面図であり、図26Bは、左側面図である。この解凍機260は、上支持体31と下支持体32をガイド部6により連結させており、実施例8におけるヒンジ部4を備えていない。上蓄熱パック21と下蓄熱パック22は、上支持体31と下支持体32にそれぞれ片面が固定されている。上支持体31と下支持体32とが対向する位置において、解凍機260は、解凍対象物1に対して上蓄熱パック21および下蓄熱パック22を押し当てる機能を有する。
上蓄熱パック21および下蓄熱パック22は、蓄熱材が包装材に封入された構成を採っており、蓄熱材は解凍対象物1との接触面積を広くするために液体であることが好ましい。例えば、上記実施例1から7に示した蓄熱材を用いることが可能である。また、蓄熱材を封入する包装材は、解凍対象物1の表面凹凸に沿うようにフレキシブルであり、かつ熱を伝えやすい高熱伝導材料もしくは薄膜であることが好ましい。
上支持体31と下支持体32は、ガイド部6により連結されており、ガイド部6は、上支持体31を昇降させる機能を有する。なお、上支持体31と下支持体32は分離可能であっても構わない。
実施例9に係る解凍機は、使用者が、取手7を上方に引き上げることにより、解凍対象物1を設置したり、取り出したりすることが可能な構成となっている。
(押圧機構および揺動機構)
図27は、実施例10に係る解凍機の概略構成を示す図である。この解凍機270は、実施例8に係る解凍機250に加え、下支持体32の下に揺動機構8aを備えている。揺動機構8aは、載置台としてのスライドガイド80、弾性体81およびカム82から構成されている。揺動機構8aが揺動することによって、解凍機270全体を揺動することとなり、包装された蓄熱材が均一に対流する。蓄熱材を均一にすることにより、解凍対象物1と接している蓄熱材、または解凍対象物1の近傍の蓄熱材が氷結することを防止し、解凍効率の低下を防ぐ。揺動機構8aは、同様にして垂直方向に揺動させても構わない。
(押圧機構および揺動機構)
図28は、実施例11に係る解凍機の概略構成を示す図である。この解凍機280は、実施例8に係る解凍機250に加え、上支持体31の一部に揺動機構8bを有する。揺動機構8bは、弾性体81、カム82から構成されている。揺動機構8bは、上蓄熱パック21を揺動させることにより、包装内の蓄熱材が対流するだけでなく、解凍対象物1を介して下蓄熱パック22にも揺動が伝播し、包装内の蓄熱材も対流する。なお揺動機構8bについては、下支持体32の一部に備えても構わない。
(押圧機構および揺動機構)
図29は、実施例12に係る解凍機の概略構成を示す図である。この解凍機290は、実施例8に係る解凍機250に加え、下支持体32とスターラー装置91が固定されており、下蓄熱パック22内部にスターラーバー92が封入されている。スターラー装置91およびスターラーバー92は、液体を強制的に対流させるため、下蓄熱パック22内の蓄熱材を高効率に揺動することが可能である。なお、蓄熱材の内部にビーズなどの審美性を向上するような不溶物や高伝熱物質を封入することも可能である。また、撹拌するスターラーバー92が液中にあるため、静音性に優れている。
さらに、上支持体31にもスターラー装置91を設け、上蓄熱パック21内にスターラーバー92を封入しても同様の効果が得られる。
[揺動機構の効果について]
図30および図31は、時間(min)の経過に対する温度を示すグラフである。図30は揺動機構がない場合、図31は揺動機構がある場合であり、それぞれが経時的な解凍対象物の中心温度(T1、T5)と蓄熱材の温度(T2、T3、T4、T6、T7、T8)の変化を示す。T2、T6は解凍対象物に近い箇所の蓄熱材温度、T3、T7は解凍対象物の中央部の蓄熱材温度、T4、T8は解凍対象物から遠い箇所の蓄熱材温度である。
図30と図31の蓄熱材の温度を比較すると、図30の揺動機構が搭載されていない場合では、蓄熱材の温度が、解凍対象物との位置関係に相関しているため、包装された蓄熱材内部で温度ムラが生じている。特に、解凍対象物に近い箇所の蓄熱材は凝固点を下回ると凝結し伝熱性が下がることから、解凍対象物からの吸熱を蓄熱材全体で効率良く活用することが望ましい。
図31の揺動機構を搭載された場合では、近い箇所T6、中央部T7、遠い箇所T8の温度が均一なっており、蓄熱材が凝結することなく吸熱することが可能となっている。そのため、解凍対象物の中心温度T1とT5を比較すると、揺動機構を搭載している方が早く解凍することが可能であることが分かる。
(解凍対象物を覆うパッケージの材質の影響)
本実施例では、解凍対象物を覆うパッケージの材質の違いが、解凍対象物の解凍完了時間に与える影響について検証を行なった。
(実験方法)
流体解析シミュレーションツール(ANSYS−CFX)を用いて、(1)樹脂(PS)フィルム_t0.1mm、(2)金属(AL)フィルム_t1.0mmのぞれぞれで包装/シールした解凍対象物を、相変化温度(融点)が12℃である蓄熱材に浸した場合における解凍対象物の解凍完了時間を比較評価した。なお、本実施例では、解凍対象物を氷(270g)とした。
図32Aは、実施例13に係るモデルの斜視図であり、図32Bは、実施例13に係るモデルの平面図であり、図32Cは、実施例13に係るモデルの正面図であり、図32Dは、実施例13に係るモデルの右側面図である。これらの図において、解凍対象物320は、80mm×135mm×25mmの大きさを有し、初期温度が−5℃であり、熱伝導率、密度、比熱は水(水相当)であり、潜熱が334kJ/kgであり、融点が0℃である。
解凍媒体領域322は、図32A〜図32Dに示すように、105mm×160mm×50mmの大きさを有し、上記解凍対象物320を上下方向および左右方向から完全に包含した状態で、12℃(一定)の液体を、Inlet部322aからOutlet部322bに流通させる。周囲媒体は空気(無風)であり、周囲温度は25℃(一定)である。ここで流通される液体が、本発明の蓄熱材に相当する。実施例13では、蓄熱材として水を用いた。図33は、水の物性値を示す図である。また、解凍対象物320と解凍媒体領域322との境界は、(1)厚さが0.1mmのポリスチレン(PS)である場合と、(2)厚さが1.0mmのアルミニウム(Al)である場合との2種類とした。
(実験結果)
図34は、解凍対象物320の中心部分における時間の経過に伴う温度変化を示す図である。解凍対象物320と解凍媒体領域322との境界が、(1)厚さが0.1mmのポリスチレン(PS)である場合は、解凍開始から22分で潜熱がなくなって温度の上昇がみられた。これに対し、解凍対象物320と解凍媒体領域322との境界が、(2)厚さが1.0mmのアルミニウム(Al)である場合は、8分未満で潜熱が無くなり、温度が上昇し始めた。
すなわち、厚さが1.0mmのアルミニウムは、厚さが0.1mmのポリスチレンに対して、10倍の厚さを有しているにも関わらず、解凍完了時間が約半分になることが分かった。これは、解凍対象物320を覆うパッケージの材質の違いが、解凍対象物320の解凍完了時間に対して、大きな影響を与えることを意味しており、熱伝導率が高いことが解凍完了時間の短縮につながることが確認された。
なお、以上の説明では、解凍対象物を上下方向から挟む形態を説明したが、本発明は、これに限定されるわけではなく、解凍対象物を側面から覆っても良いし、蓄熱パックを上方が開口する箱のような形状としても良い。また、押圧機構による押圧力を検知するセンサを設け、押圧力を調整したり、適切な押圧状態を表示するようにしても良い。
(A)本発明は、以下のような形態を採ることも可能である。本発明の解凍機は、蓄熱材を用いて解凍対象物を放冷する解凍機であって、単一の空間を形成し、前記解凍対象物の少なくとも一側面を包摂する大きさを有する第1の収容部に蓄熱材が充填された少なくとも一つの蓄熱パックと、前記蓄熱パックを前記解凍対象物に押圧する押圧機構と、を備える。
このように、単一の空間内に蓄熱材が充填されているので、個別に分包された蓄熱材を用いた場合に比較して、対流が生じやすく、放冷効率を高めることが可能となる。また、蓄熱パックが、解凍対象物の少なくとも一側面を包摂する大きさを有するので、蓄熱パックと解凍対象物との接触面積が大きくなり、熱交換の効率を高めることが可能となる。さらに、蓄熱パックを解凍対象物に押圧するので、蓄熱材と解凍対象物との密着性が高まり、熱交換の効率を高めることが可能となる。その結果、解凍時間を短縮することが可能となる。
(B)また、本発明の解凍機において、前記蓄熱パックは、前記第1の収容部に積重され、前記蓄熱材の相変化温度で液相状態を維持する不凍材が充填された第2の収容部を備え、前記第1の収容部側が前記解凍対象物に押圧される。
このように、蓄熱パックは、第1の収容部に積重され、蓄熱材の相変化温度で液相状態を維持する不凍材が充填された第2の収容部を備え、第1の収容部側が解凍対象物に押圧されるので、第2の収容部内で不凍材が対流することにより、効率良く放冷することが可能となる。これにより、蓄熱材が凍結し始める温度に近づいたとしても、放冷効果が維持され、解凍時間の短縮を図ることが可能となる。
(C)また、本発明の解凍機において、前記蓄熱パックは、前記第1の収容部に積重された高熱伝導材を備え、前記高熱伝導材が前記解凍対象物に押圧される。
このように、蓄熱パックは、第1の収容部に積重された高熱伝導材を備え、高熱伝導材が解凍対象物に押圧されるので、解凍対象物の冷気が高熱伝導材を介して、効率良く蓄熱材に伝達される。これにより、解凍時間の短縮を図ることが可能となる。また、解凍対象物側から、高熱伝導材、第1の収容部、第2の収容部の順に積重させることによって、放冷効果をより高めることが可能となる。
(D)また、本発明の解凍機において、前記蓄熱材は、融点が0℃〜30℃の範囲内にある。
このように、蓄熱材は、融点が0℃よりも大きいため、解凍対象物を迅速に放冷することが可能となる。また、融点が30℃よりも小さいため、解凍対象物が高温になりすぎることがなく、高熱により変性する解凍対象物を解凍する際にも不具合を回避することが可能となる。
(E)また、本発明の解凍機において、前記押圧機構は、0.25N/cmから0.55N/cmの押圧力で前記蓄熱パックを前記解凍対象物に押圧する。
このように、押圧機構は、0.25N/cmから0.55N/cmの押圧力で蓄熱パックを解凍対象物に押圧するので、解凍時間を短縮させることが可能となる。すなわち、押圧力を高めると、蓄熱材による解凍対象物に対する解凍速度が高くなるが、押圧力が一定値を超えると解凍速度の上昇がみられなくなることが分かっている。また、押圧力が大きすぎると、解凍対象物からうまみ成分等が漏れ出してしまうため、これを避ける必要もある。そこで、本発明では、押圧力の好適な範囲を0.25N/cmから0.55N/cmとした。
(F)また、本発明の解凍機において、前記押圧機構は、板状に形成された第1の支持体および第2の支持体と、前記第1の支持体および前記第2の支持体が近接する方向に、前記第1の支持体および前記第2の支持体の一端部を加圧する弾性体を有する第1のフックと、前記第1の支持体および前記第2の支持体が近接する方向に、前記第1の支持体および前記第2の支持体の他端部を加圧する弾性体を有する第2のフックと、を備え、前記蓄熱パックおよび前記解凍対象物は、前記第1の支持体および前記第2の支持体によって挟持される。
このように、第1の支持体および第2の支持体の両端部を一組のフックで固定して、弾性体によって加圧する構成を採るので、第1の支持体または第2の支持体を取り外すことによって、解凍対象物の設置および取出しが容易となる。また、一組の弾性体によって、第1の支持体および第2の支持体が近接する方向に、第1の支持体および第2の支持体の両端部を加圧するので、蓄熱パックを解凍対象物に押圧する状態を維持することが可能となると共に、解凍対象物ごとに厚さが変化したとしても、常に一定値以上の圧力を加えることが可能となる。
(G)また、本発明の解凍機において、前記第1の支持体および前記第2の支持体が相互に回動可能となるように前記第1の支持体および前記第2の支持体のそれぞれの一端部を連結するヒンジ部を備え、前記第1の支持体および/または前記第2の支持体は、前記ヒンジ部の回転中心に対して遠心方向に移動可能となるように連結するスライド部を備える。
このように、第1の支持体および第2の支持体が相互に回動可能となるように、第1の支持体および第2の支持体のそれぞれの一端部をヒンジ部で連結するので、第1の支持体および第2の支持体を他端部で開閉することができ、解凍対象物の設置および取出しが容易となる。また、第1の支持体および/または第2の支持体は、ヒンジ部の回転中心に対して遠心方向に移動可能となるように連結するスライド部を備えるので、第1の支持体および/または第2の支持体が、解凍対象物の厚さに応じてスライドすることができ、解凍対象物に対して圧力を均一にかけることが可能となる。
(H)また、本発明の解凍機は、解凍機を載置する載置台と、前記載置台を水平方向または垂直方向の少なくとも一つの方向に揺動させる揺動機構と、をさらに備える。
このように、解凍機を載置し、載置台を水平方向または垂直方向の少なくとも一つの方向に揺動させるので、解凍機全体が揺動することとなる。これにより、蓄熱材が対流し、解凍対象物近傍の蓄熱材が局所的に凍結することを回避し、解凍効率の低下を防ぐことが可能となる。
(I)また、本発明の解凍機は、前記第1の支持体または前記第2の支持体の少なくとも一方に設けられ、前記蓄熱パックを揺動もしくは伸縮させる揺動機構をさらに備える。
このように、蓄熱パックを揺動若しくは伸縮させるので、蓄熱材が対流し、解凍対象物近傍の蓄熱材が局所的に凍結することを回避し、解凍効率の低下を防ぐことが可能となる。これにより、例えば、チューブポンプのようなパックの一部圧縮による対流を生じさせることも可能となる。
(J)また、本発明の解凍機は、前記第1の支持体または前記第2の支持体の少なくとも一方に設けられ、前記蓄熱パック内に封入された撹拌器を含む撹拌機構をさらに備える。
このように、蓄熱パック内に封入された攪拌機を含む撹拌機構を備えるので、蓄熱パック内の蓄熱材が撹拌される。これにより、蓄熱材が強制的に対流させられ、解凍対象物近傍の蓄熱材が局所的に凍結することを回避し、解凍効率の低下を防ぐことが可能となる。これにより、例えば、ミキサーのような軸駆動形式で撹拌を行なうことも可能となる。
(K)また、本発明の解凍機は、前記蓄熱材が解凍対象物を放冷することによって固体になる前に、前記揺動機構もしくは撹拌機構により前記蓄熱パック内の前記蓄熱材を流動させる。
このように、蓄熱材が解凍対象物を放冷することによって固体になる前に、揺動機構もしくは撹拌機構により蓄熱パック内の蓄熱材を流動させるので、蓄熱材が液体である状態を維持することが可能となる。これにより、解凍効率の低下を防ぐことが可能となる。
以上、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 解凍対象物
21 上蓄熱パック
22 下蓄熱パック
31 上支持体
32 下支持体
4 ヒンジ部
5 押圧機構
51 引っ掛けフック
52 弾性体
6 ガイド部
7 取手
8a 揺動機構
8b 揺動機構
41 ヒンジスライド部
80 スライドガイド
81 弾性体
82 カム
91 スターラー装置
92 スターラーバー
100 解凍機
102a 蓄熱パック
102b 蓄熱パック
104 押圧機構
104a 上支持体
104b 下支持体
104c ヒンジ部
106 解凍対象物
110 耐圧試験機
112 断熱用発泡スチロール
114 アルミ板
116 不凍材層
250 解凍機
260 解凍機
270 解凍機
280 解凍機
290 解凍機
320 解凍対象物
322 解凍媒体領域
322a Inlet部
322b Outlet部

Claims (11)

  1. 蓄熱材を用いて解凍対象物を放冷する解凍機であって、
    単一の空間を形成し、前記解凍対象物の少なくとも一側面を包摂する大きさを有する第1の収容部に蓄熱材が充填された少なくとも一つの蓄熱パックと、
    前記蓄熱パックを前記解凍対象物に押圧する押圧機構と、を備える解凍機。
  2. 前記蓄熱パックは、前記第1の収容部に積重され、前記蓄熱材の相変化温度で液相状態を維持する不凍材が充填された第2の収容部を備え、前記第1の収容部側が前記解凍対象物に押圧される請求項1記載の解凍機。
  3. 前記蓄熱パックは、前記第1の収容部に積重された高熱伝導材を備え、前記高熱伝導材が前記解凍対象物に押圧される請求項1または請求項2記載の解凍機。
  4. 前記蓄熱材は、融点が0℃〜30℃の範囲内にある請求項1から請求項3のいずれかに記載の解凍機。
  5. 前記押圧機構は、0.25N/cmから0.4N/cmの押圧力で前記蓄熱パックを前記解凍対象物に押圧する請求項1から請求項4のいずれかに記載の解凍機。
  6. 前記押圧機構は、
    板状に形成された第1の支持体および第2の支持体と、
    前記第1の支持体および前記第2の支持体が近接する方向に、前記第1の支持体および前記第2の支持体の一端部を加圧する弾性体を有する第1のフックと、
    前記第1の支持体および前記第2の支持体が近接する方向に、前記第1の支持体および前記第2の支持体の他端部を加圧する弾性体を有する第2のフックと、を備え、
    前記蓄熱パックおよび前記解凍対象物は、前記第1の支持体および前記第2の支持体によって挟持される請求項1から請求項5のいずれかに記載の解凍機。
  7. 前記第1の支持体および前記第2の支持体が相互に回動可能となるように前記第1の支持体および前記第2の支持体のそれぞれの一端部を連結するヒンジ部を備え、
    前記第1の支持体および/または前記第2の支持体は、前記ヒンジ部の回転中心に対して遠心方向に移動可能となるように連結するスライド部を備える請求項6に記載の解凍機。
  8. 解凍機を載置する載置台と、
    前記載置台を水平方向または垂直方向の少なくとも一つの方向に揺動させる揺動機構と、をさらに備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の解凍機。
  9. 前記第1の支持体または前記第2の支持体の少なくとも一方に設けられ、前記蓄熱パックを揺動もしくは伸縮させる揺動機構をさらに備える請求項6または請求項7記載の解凍機。
  10. 前記第1の支持体または前記第2の支持体の少なくとも一方に設けられ、
    前記蓄熱パック内に封入された撹拌器を含む撹拌機構をさらに備える請求項6または請求項7記載の解凍機。
  11. 前記蓄熱材が解凍対象物を放冷することによって固体になる前に、
    前記揺動機構もしくは撹拌機構により前記蓄熱パック内の前記蓄熱材を流動させる請求項8から請求項10のいずれかに記載の解凍機。
JP2016042760A 2016-03-04 2016-03-04 解凍機 Pending JP2017156072A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016042760A JP2017156072A (ja) 2016-03-04 2016-03-04 解凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016042760A JP2017156072A (ja) 2016-03-04 2016-03-04 解凍機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017156072A true JP2017156072A (ja) 2017-09-07

Family

ID=59808516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016042760A Pending JP2017156072A (ja) 2016-03-04 2016-03-04 解凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017156072A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107843048A (zh) * 2017-11-02 2018-03-27 广东英得尔实业发展有限公司 一种具有迅速解冻的储能板制冷无源车载冰箱
CN107881101A (zh) * 2017-11-21 2018-04-06 赛慕特生物工程(上海)有限公司 一种按揉式细胞冻存袋干式复苏仪
JP2019103446A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 日清フーズ株式会社 フローズンチルド衣材付き具材の製造方法及びフローズンチルド衣付き揚げ物の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107843048A (zh) * 2017-11-02 2018-03-27 广东英得尔实业发展有限公司 一种具有迅速解冻的储能板制冷无源车载冰箱
CN107881101A (zh) * 2017-11-21 2018-04-06 赛慕特生物工程(上海)有限公司 一种按揉式细胞冻存袋干式复苏仪
JP2019103446A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 日清フーズ株式会社 フローズンチルド衣材付き具材の製造方法及びフローズンチルド衣付き揚げ物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9651311B2 (en) Thermal exchange food processing device and method of producing same
JP6107954B2 (ja) 保冷庫
JP2017156072A (ja) 解凍機
KR100629531B1 (ko) 액면접촉에 의한 식품의 급속냉동방법 및 장치
JP2006300511A (ja) キムチ冷蔵庫
JP2016211750A (ja) 蓄熱パックおよび熱交換ユニット
JPH10197124A (ja) 電気冷蔵庫
US11047609B2 (en) Freezer insert
WO2003013318A1 (en) Cold storage box
KR200396806Y1 (ko) 보냉백
JP2012255640A (ja) 冷却方法とその器具及び装置
EP2751504B1 (en) Cooling element for refrigerator
KR100483919B1 (ko) 열전모듈을 이용한 온도조절 챔버를 구비한 냉장고
KR102226253B1 (ko) 직냉식 냉장고
JP2015038391A (ja) 冷蔵庫
CN207894114U (zh) 保藏运输箱
JP2017212909A (ja) 解凍機
CN106196815B (zh) 便携式医用制冷运输设备及其控制方法
JP3131538U (ja) 液面接触による食品の急速冷凍装置
JP2020008254A (ja) 冷蔵庫
TWI554236B (zh) Food treatment device with adiabatic area
JP2012017968A (ja) 冷蔵庫
CN108317795A (zh) 一种新型保温冷藏室
JP2002107080A (ja) 蓄熱装置及びそれを用いた冷蔵庫
CN211084549U (zh) 冰箱