JP2017155307A - 機械部品の製造方法 - Google Patents

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Naoki Yashiro
尚樹 八代
大平 晃也
Akinari Ohira
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Abstract

【課題】所望の機械的強度、寸法精度および表面性状等を具備した多孔質金属製の機械部品を低コストに製造可能とする。
【解決手段】120MPa以上の圧環強さを有する機械部品を製造するための方法において、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末であって、純鉄粉末の占有割合が95質量%以上の金属粉末を主成分とした原料粉末を圧縮することで所定形状の圧粉体10を得る圧縮成形工程と、酸化性ガス雰囲気下で圧粉体10を金属粉末の焼結温度未満で加熱しつつ、金属粉末を酸化性ガスと反応させることにより、金属粉末の粒子間に酸化物皮膜5が形成された強化圧粉体11を得る皮膜形成工程と、を備える。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機械部品の製造方法に関し、より詳細には、金属粉末を主成分とした原料粉末の圧粉体を母材とする機械部品(多孔質金属製の機械部品)の製造方法に関する。
例えば、機械部品の一種であるすべり軸受としては、無数の内部気孔を有する多孔質体からなり、内部気孔に潤滑油等の潤滑剤を含浸させた、いわゆる含油軸受が好適に使用されている。このようなすべり軸受は、金属粉末を主成分とした原料粉末の圧粉体を得る圧縮成形工程、圧粉体に高強度化処理を施す高強度化処理工程、および圧粉体の内部気孔に潤滑油を含浸させる含油工程などを順に経ることで得られる。上記の高強度化処理としては、例えば、金属粉末の粒子同士をネック結合させる焼結処理が広く採用されている。
上記の焼結処理は、圧粉体を構成する金属粉末の焼結温度以上の高温で圧粉体を加熱する必要があるため、処理後に得られる焼結体には、熱膨張および収縮に伴って各部の寸法・形状精度に崩れが生じ易い。従って、焼結体の各部に機械部品として実使用可能なレベルの寸法精度を確保するためには、焼結体に対してサイジング等の寸法矯正加工を追加的に施すことが必要不可欠になる。しかしながら、この場合、工程数が増加する分、機械部品の製造コストが高くなる。
そこで、高強度化処理としては、焼結処理に替えて、例えば下記の特許文献1に記載されている水蒸気処理を採用する場合がある。水蒸気処理とは、圧粉体を加熱しつつ、圧粉体を構成する金属粉末(酸化物皮膜を形成可能な金属粉末)を水蒸気と反応させることにより、金属粉末の粒子表面(粒子間)に酸化物皮膜を形成する処理であり、酸化物皮膜が金属粒子同士を結合させるネッキングの役割を代替する。そして、水蒸気処理は、その処理温度が焼結処理よりも格段に低い関係上、熱膨張および収縮に伴う圧粉体の寸法変化量を抑制することができる。従って、処理後の寸法矯正加工を省略できるという利点がある。
特開昭63−72803号公報
特許文献1に開示された方法は、多孔質金属からなる機械部品を比較的低コストに製造可能である点で有用である。しかしながら、本発明者らの検証によれば、圧粉体の成形用粉末の組成等を適正化しなければ、実使用可能なレベルの機械的強度(例えば、圧環強さ120MPa以上)、寸法精度および表面性状(表面精度)を得ることができないことが判明した。
そこで、本発明の課題は、所望の機械的強度、寸法精度および表面性状等を具備した多孔質金属製の機械部品を低コストに製造可能とすることにある。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、120MPa以上の圧環強さを有する機械部品を製造するための方法において、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末であって、純鉄粉末の占有割合が95質量%以上の金属粉末を主成分とした原料粉末を圧縮することにより、所定形状の圧粉体を得る圧縮成形工程と、酸化性ガス雰囲気下で圧粉体を金属粉末の焼結温度未満で加熱しつつ、金属粉末を酸化性ガスと反応させることにより、金属粉末の粒子間に酸化物皮膜が形成された強化圧粉体を得る皮膜形成工程と、を備えることを特徴とする。なお、本発明でいう「圧環強さ」とは、JIS Z 2507に規定された方法に基づいて算出される値である。
本発明によれば、上記の皮膜形成処理によって金属粉末の粒子間に形成される酸化物皮膜が粒子同士の結合媒体として機能し、圧粉体を焼結したときに形成されるネッキングの役割を代替するので、圧粉体(強化圧粉体)を、そのまま所定の機械部品として使用可能なレベル、具体的には圧環強さ120MPa以上にまで高強度化することができる。また、酸化物皮膜を、金属粉末(純鉄粉末)を水蒸気と反応させる水蒸気処理ではなく、酸化性ガスと反応させて形成したことにより、表面性状に優れた機械部品、具体的には各面の凹凸の高低差が3μm未満にまで高められた機械部品を得ることができる。
また、上記の皮膜形成処理は、圧粉体を金属粉末の焼結温度未満で加熱することにより行われるので、処理前後における寸法変化量を小さくすることができる。そのため、圧粉体を焼結した場合には、その後の実施が必要不可欠であったサイジング等の寸法矯正加工を省略することができる。また、寸法変化量を小さくできれば、圧粉体の成形金型の設計が容易となる。さらに、処理温度が低ければ、処理時に必要なエネルギーも削減できて処理コストが減じられる。以上より、本発明によれば、実使用可能なレベルの機械的強度、寸法精度および表面性状等を具備した多孔質金属製の機械部品を低コストに製造することができる。
圧粉体の密度が高すぎると、皮膜形成処理時に圧粉体の芯部に存在する金属粒子を酸化性ガスと反応させること、すなわち圧粉体の強度向上に寄与する酸化物皮膜を圧粉体の芯部に形成することが難しくなるという懸念がある。これとは逆に、圧粉体の密度が低すぎると、圧粉体の取り扱い性が低下する、金属粉末の粒子間距離が拡大するため酸化物皮膜を所定態様で形成することが難しくなる、などといった懸念がある。従って、圧粉体の密度は、5.8g/cm以上7.2g/cm以下とするのが好ましい。
皮膜形成工程における圧粉体の加熱温度は350℃以上700℃未満に設定するのが好ましく、また、皮膜形成工程の処理時間は60分以下に設定するのが好ましい。
原料粉末には、圧粉体の成形性や離型性を高めるための固体潤滑剤を含めるのが好ましい。この場合、圧縮成形工程と皮膜形成工程との間に、圧粉体に含まれる固体潤滑剤を除去するための脱脂工程を設けるのが好ましく、さらに、当該脱脂工程は非酸化性雰囲気下で実施するのが好ましい。脱脂工程を酸化性雰囲気下で実施すると、強化圧粉体(機械部品)に必要とされる寸法精度および表面性状を確保することが難しくなるからである。
上記構成において、強化圧粉体の内部気孔に潤滑油を含浸させる含油工程をさらに設けることもできる。
圧縮成形工程では、圧粉体に、支持すべき軸を支持するための軸受面を成形することができ、この軸受面は、型成形された動圧発生部を有するものとしても良い。すなわち、本発明は、例えば、多孔質体からなるすべり軸受、さらにはすべり軸受の一種である動圧軸受を製造するための方法として好ましく適用することができる。
以上より、本発明によれば、実使用可能なレベルの機械的強度、寸法精度および表面性状を備えた機械部品を低コストに製造することができる。
本発明に係る製造方法を適用して製造した機械部品の一例であるすべり軸受の概略断面図である。 図1に示すすべり軸受を製造する際に実施される圧縮成形工程を模式的に示す断面図であって、(a)図は同工程で使用される成形金型に原料粉末を充填した状態を示す断面図、(b)図は原料粉末を圧縮成形している状態を示す断面図である。 図1に示すすべり軸受の変形例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る機械部品の製造方法は、例えば、図1に示すように、内周に挿入される軸Sをラジアル方向に相対回転自在に支持するためのすべり軸受1、より具体的には、無数の内部気孔2を有する多孔質金属製のすべり軸受1を製造する際に適用される。このすべり軸受1は、その内部気孔2に潤滑油を含浸させた、いわゆる含油状態で使用される。従って、例えば、軸Sが回転すると、これに伴って、すべり軸受1の内部気孔2に保持された潤滑油がすべり軸受1の円筒状内周面(ラジアル軸受面3)と軸Sの外周面との間の軸受隙間(ラジアル軸受隙間)に滲み出して油膜を形成し、この油膜を介して軸Sがラジアル方向に回転自在に支持される。
すべり軸受1は、純鉄粉末の占有割合が95質量%以上(本実施形態では純鉄粉末の占有割合が100質量%)の金属粉末を主成分とした原料粉末の圧粉体、より具体的には、図1中の拡大図に模式的に示すように、純鉄粉末の粒子(Fe粒子)4表面に形成され、隣接するFe粒子4同士を結合した酸化物皮膜5を有する強化圧粉体11からなり、120MPa以上の圧環強さを有する。また、このすべり軸受1は、各面に存在する微小な凹凸の高低差が極めて小さくなっており、少なくともラジアル軸受面3における上記凹凸の高低差は3μm以下となっている。なお、ここでいう「凹凸の高低差」とは、換言するならば、JIS B 0021に規定の「円筒度」を意味し、例えばラジアル軸受隙間内の潤滑油に流体動圧を発生させるべく、ラジアル軸受面3に意図的に設ける凹凸(動圧発生部)の高低差は含まないものとする。このようなすべり軸受1は、主に、圧縮成形工程、脱脂工程、酸化物皮膜形成工程および含油工程を順に経て製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
[圧縮成形工程]
圧縮成形工程では、原料粉末を圧縮成形することにより、原料粉末を構成する粒子同士が密着した圧粉体10を得る。圧粉体10は、例えば一軸加圧成形法により成形することができ、具体的には図2(a)(b)に示すような成形金型装置20を用いて成形される。この成形金型装置20は、圧粉体10の外周面を成形する円筒状のダイ21と、ダイ21の内周に配され、圧粉体10の内周面(軸受面3)を成形するコアピン22と、圧粉体10の一端面(下端面)および他端面(上端面)を成形する一対の下パンチ23および上パンチ24とを備え、コアピン22、下パンチ23および上パンチ24はダイ21に対して軸方向(上下)に相対移動可能にダイ21と同軸に配置されている。
以上の構成を有する成形金型装置20において、まず、図2(a)に示すように、ダイ21の内周にコアピン22を配置した状態で下パンチ23を下降させ、ダイ21の内周面、コアピン22の外周面および下パンチ23の上端面でキャビティ25を画成してから、キャビティ25に原料粉末Mを充填する。そして、図2(b)に示すように上パンチ24を下降移動させ、キャビティ25に充填した原料粉末Mを軸方向に圧縮すると、内周面にラジアル軸受面3となる円筒面が成形された円筒状の圧粉体10が得られる。
ここで、原料粉末Mは、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末を主成分とし、これに所定量の固体潤滑剤(例えば、0.3質量%以上3質量%未満の固体潤滑剤)を添加・混合した混合粉末であって、上記金属粉末は、純鉄粉末の占有割合が95質量%以上(ここでは100質量%)とされる。原料粉末Mに固体潤滑剤を含めることにより、Fe粒子同士の摩擦、さらにはFe粒子と金型間の摩擦を低減して圧粉体10の成形性や離型性を高めることができる。
原料粉末Mを構成する純鉄粉末としては、どのような製法で製造されたものであっても問題なく使用することができる。すなわち、例えば、ガスアトマイズや水アトマイズ等のアトマイズ法により製造されるアトマイズ鉄粉、還元法により製造される還元鉄粉、電解法により製造される電解鉄粉、カルボニル法により製造されるカルボニル鉄粉などが使用できる。但し、ここでは、機械的強度や含油性に優れたすべり軸受1を得る上で好適な還元鉄粉を使用する。また、使用する純鉄粉末の粒径も特に問わないが、コストや圧粉体10の成形性を考慮すると、純鉄粉末としては、その平均粒径が20μm以上100μm以下のものを使用するのが好ましい。
純鉄粉末に添加・混合する固体潤滑剤(潤滑剤粉末)としては、例えば、ステアリン酸アルミニウムやステアリン酸亜鉛等の金属石けん、脂肪酸、高級アルコール、グリセリン、エステル、アミンおよびその誘導体、脂肪酸アミドなどのワックス、各種樹脂などが使用できる。例示した固体潤滑剤は、一種のみを使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。但し、後述する脱脂工程で実施される脱脂処理の処理温度で完全に分解・除去し得るような固体潤滑剤を選択使用するのが好ましい。
原料粉末Mの成形圧は、密度が5.8g/cm以上7.2g/cm以下の圧粉体10を得ることができるように調整される。このような密度を有する圧粉体10は、本実施形態で採用した一軸加圧成形法であっても確実に得ることができる。一軸加圧成形法であれば、圧粉体10を得る際に利用できるその他の加圧成形法(例えば、多軸CNCプレスを用いた成形、冷間等方圧加圧法、熱間等方圧加圧法等)に比べて圧粉体10を低コストに得ることができるという利点がある。もちろん、一軸加圧成形法に替えて、多軸CNCプレスを用いた成形、冷間等方圧加圧法、熱間等方圧加圧法等を利用して圧粉体10を成形しても構わない。
[脱脂工程]
この脱脂工程では、圧粉体10に含まれる固体潤滑剤を分解・除去するための脱脂処理が実施される。脱脂処理は、不活性ガス、還元性ガスあるいは真空等の非酸化性ガス雰囲気下に配置した圧粉体10を、後述する皮膜形成処理の処理温度よりも低い温度で所定時間(例えば、350℃×90分間)加熱することにより行われる。このような処理条件で脱脂処理を実施することにより、固体潤滑剤が十分に分解・除去されるより前にFe粒子4表面に酸化物皮膜5が形成され、その結果、すべり軸受1の表面性状が粗悪化するのを可及的に防止することができる。
[酸化物皮膜形成工程]
この工程では、酸化性ガス雰囲気下(例えば、大気、酸素等の酸化性ガス、あるいはこれらに窒素やアルゴンなどの不活性ガスを混合したガス雰囲気下)に置かれた圧粉体10を、純鉄粉末の焼結温度未満で所定時間加熱しつつ、圧粉体10を構成するFe粒子4を酸化性ガスと反応させる。これにより、圧粉体10を構成するFe粒子4の表面に酸化物皮膜5が徐々に形成され、この皮膜5が成長するのに伴って、隣接するFe粒子4同士が酸化物皮膜5を介して結合した強化圧粉体11が得られる。なお、酸化物皮膜5は、主にFe、Fe、FeOの群から選択される2種類以上の混相となり、どのような相になるかは、皮膜形成処理の処理条件等によって異なる。
処理対象の圧粉体10の形状や大きさにもよるが、皮膜形成処理の具体的な処理温度および処理時間は、それぞれ、350℃以上700℃未満、および10分以上60分以下とするのが好ましい。処理温度が350℃未満および/又は処理時間が10分未満であると、すべり軸受1に必要とされる機械的強度を確保し得るだけの酸化物皮膜5を形成することができない可能性が高まる。一方、処理温度が700℃以上になると、当該処理によって形成される酸化物皮膜5がいわゆる赤錆を主成分としたものになるため、強化圧粉体11の表面性状が粗悪になり、特にラジアル軸受面3に必要とされる3μm以下の円筒度を確保できなくなる。また、皮膜形成処理の処理時間が60分を超えると、酸化物皮膜5の成長が停止して圧粉体10(強化圧粉体11)の強度向上効果が飽和することに加え、皮膜形成処理に多大なコストが必要になる。以上のことから、皮膜形成処理の処理温度は350℃以上700℃未満とし、また、処理時間は10分以上60分以下とする。
[含油工程]
この含油工程では、上記の酸化物皮膜形成工程を経て得られた強化圧粉体11の内部気孔2に潤滑油を含浸させる。潤滑油の含浸方法としては、例えば真空含浸を採用することができる。なお、この含油工程は、必ずしも実施する必要はなく、必要に応じて実施すれば良い。
以上で説明したように、本発明によれば、上記の皮膜形成処理によってFe粒子4間に形成される酸化物皮膜5がFe粒子4同士の結合媒体として機能し、圧粉体を焼結したときに形成されるネッキングの役割を代替するので、圧粉体10(強化圧粉体11)を、そのまますべり軸受1として使用可能なレベル、具体的には圧環強さ120MPa以上にまで高強度化することができる。また、酸化物皮膜5を、金属粉末(純鉄粉末)を水蒸気と反応させる水蒸気処理ではなく、酸化性ガスと反応させて形成したことにより、表面性状に優れたすべり軸受1、特にラジアル軸受面3に存在する微小な凹凸の高低差(ラジアル軸受面3の円筒度)が3μm未満にまで高められたすべり軸受1を得ることができる。
また、酸化物皮膜5の存在により、強化圧粉体11の気孔率は、圧粉体10のそれよりも小さくなる。そのため、この強化圧粉体11をすべり軸受1として用いれば、圧粉体10をいたずらに高密度に成形せずとも、また、圧粉体10に対して別途の封孔処理等を施さずとも、ラジアル軸受隙間に形成される油膜の剛性低下を可及的に防止し、所望の軸受性能を安定的に発揮可能なすべり軸受1を実現することができる。
また、酸化物皮膜5を形成するために圧粉体10に施される皮膜形成処理は、その処理温度が、圧粉体10を焼結する場合の加熱温度よりも格段に低いので、処理に伴う寸法変化量(寸法変化率)を小さくすることができる。そのため、圧粉体10を焼結した場合には、焼結工程後の実施が必要不可欠であったサイジング等の寸法矯正加工を省略することも可能になる。また、寸法変化量を小さくできれば、圧粉体10を成形するための成形金型装置20の設計が容易となる。さらに、処理温度が低ければ、処理時に必要なエネルギーも削減できるため、処理コストを低減できる。以上より、本発明によれば、実使用可能なレベルの機械的強度、寸法精度および表面性状を具備したすべり軸受1を低コストに製造することができる。
以上では、ラジアル荷重を支持する(軸Sをラジアル方向に支持する)すべり軸受1を製造するにあたり本発明を適用したが、本発明は、ラジアル荷重およびスラスト荷重の双方を支持するすべり軸受1や、スラスト荷重のみを支持するすべり軸受1を製造する際にも好ましく適用することができる。
また、本発明は、ラジアル軸受面3に、ラジアル軸受隙間内の潤滑油に流体動圧を発生させるための動圧発生部が設けられた、いわゆる動圧軸受を製造する際に適用することもできる。図3は、軸方向に離間した二箇所にラジアル軸受面3が設けられ、かつ両ラジアル軸受面3のそれぞれに動圧発生部6が設けられたすべり軸受1(動圧軸受)の一例である。図示例の動圧発生部6は、ヘリングボーン形状に配置された複数の動圧溝7で構成されている。図示は省略するが、このような動圧軸受は、例えば、圧縮成形工程において、外周面に動圧発生部6の形状に対応した型部を有するコア22(図2を参照)を用いて圧粉体10を成形し、その後、この圧粉体10に対して上記の脱脂処理や酸化物皮膜の形成処理を施すことで得られる。なお、図3に示す動圧発生部6はあくまでも一例であり、ラジアル軸受隙間内の潤滑油に流体動圧を発生させ得るものであればその形態は特に問わない。また、図示は省略するが、本発明は、スラスト荷重を支持するためのスラスト軸受面に、スラスト軸受隙間内の潤滑油に流体動圧を発生させるための動圧発生部が設けられたすべり軸受1(動圧軸受)を製造する際にも好ましく適用することができる。
また、本発明は、以上で述べたすべり軸受1のみならず、ギヤやカム等、その他の機械部品を製造する際にも好ましく適用することができる。
本発明の有用性を実証するため、(1)圧粉体の密度、(2)金属粉末(酸化物皮膜を形成可能な金属粉末。以下同様。)の組成、(3)脱脂処理の実施雰囲気、(4)皮膜形成処理の処理温度・時間、および(5)皮膜形成処理の実施雰囲気のそれぞれが、機械部品(上記の強化圧粉体11を母材とする機械部品)の(A)強度、(B)寸法変化率および(C)表面性状に与える影響を調査・確認した。なお、各試験では、図1に示すすべり軸受1に対応する円筒状の試験体を使用した。以下、まず、上記(A)−(C)の評価項目の評価方法および評価基準を説明する。
(A)強度
[評価方法]
JIS Z 2507に規定の方法に則って試験体の圧環強さ[単位:MPa]を測定・算出し、この圧環強さに基づいて試験体の強度を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。なお、ここでいう圧環強さは、同一条件で作製した試験体3個について測定・算出した圧環強さの平均値である。
[評価基準]
「◎」:圧環強さ150MPa以上
「○」:圧環強さ120MPa以上150MPa未満
「×」:圧環強さ120MPa未満
(B)寸法変化率
[評価方法]
原料粉末を圧縮成形することにより得られた圧粉体の内径寸法と、この圧粉体に対して脱脂処理および酸化物皮膜の形成処理を施すことにより得られた強化圧粉体の内径寸法とをボアゲージで測定することで寸法変化率[単位:%]を算出し、この算出値に基づいて寸法変化率を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。なお、ここでいう寸法変化率は、同一条件で作製した試験体3個について算出した寸法変化率の平均値である。また、寸法変化率の算出式は以下のとおりである。
“寸法変化率(σ)”=[(“圧粉体の内径寸法”−“強化圧粉体の内径寸法”)/“強化圧粉体の内径寸法”]×100
[評価基準]
「◎」:−0.1%≦σ<0
「○」:−0.2%≦σ≦−0.1%
「×」:σ<−0.2%
(C)表面性状
[評価方法]
同一条件で作製した試験体を3個準備し、一の試験体につき、周方向の任意の4箇所における内径面の軸方向の輪郭形状をデータ化してから、各輪郭形状データにおいて基準線との高低差が最も大きい突起の高さ(最大突起高さ)を記録した。そして、計12個の“最大突起高さ”のうち、値が最大の“最大突起高さ”に基づき、試験体の表面性状を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。
[評価基準]
「◎」:最大突起高さ3μm未満
「○」:最大突起高さ3μm以上7μm未満
「×」:最大突起高さ7μm以上
以下、各試験の実施態様および試験結果を説明する。
(1)第1の確認試験:圧粉体の密度
圧粉体の密度が、上記の強化圧粉体11を母材とする機械部品の強度、寸法変化率および表面性状に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際して、7種類の試験体(実施例1−5および比較例1−2)を作製した。7種類の試験体は、圧粉体の密度が相互に異なるように原料粉末の成形圧を相互に異ならせる以外は、同様の条件・手順で作製した。詳細は、以下のとおりである。
[試験体の作製手順]
まず、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末(ここでは還元純鉄粉末が質量比で100%の金属粉末)に対し、アミドワックス系の潤滑剤粉末を0.5質量%添加・混合することで原料粉末を得た。次いで、この原料粉末をSKD11製の成形金型に充填してから、一軸加圧成形法によって所定の密度に圧縮成形し、円筒状の圧粉体を得た。次いで、この圧粉体に対して脱脂処理および酸化物皮膜の形成処理を施した。脱脂処理の処理条件は、雰囲気:窒素ガス、加熱温度:350℃、加熱時間:90分とし、皮膜形成処理の処理条件は、雰囲気:大気、加熱温度:500℃、加熱時間:10分とした。
この試験で確認・評価した各試験体の密度、および評価結果を下記の表1に示す。なお、この第1の確認試験および後述する第2−第5の確認試験では、上記(A)−(C)の評価項目のうち、何れか一つにでも「×」の評価が付いた試験体については、要求特性を満足せず、そのままでは実使用できないものであるとして総合評価を「×」とした。一方、各試験において、上記(A)−(C)の全ての評価項目で「◎」又は「○」の評価が付いた試験体については、そのままでも実使用できるものであるとして総合評価を「○」とした。
Figure 2017155307
表1からも明らかなように、圧粉体の密度が所定の水準を下回る場合(比較例1)、所望の圧環強さおよび表面性状(内径面の円筒度)を確保することができず、また、圧粉体の密度が所定の水準を上回る場合(比較例2)、所望の圧環強さ、寸法変化率(形状精度)および内径面の円筒度を確保することができない。従って、当該第1の確認試験の試験結果から、圧粉体の密度は、5.8g/cm以上7.2g/cm以下とするのが好ましく、6.0g/cm以上6.5g/cm以下とするのが一層好ましいことが理解される。
(2)第2の確認試験:金属粉末の組成
金属粉末の組成が、上記の強化圧粉体11を母材とする機械部品の(A)強度、(B)寸法変化率および(C)表面性状に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに4種類の試験体(実施例6−7および比較例3−4)を作製した。新たに作製した4種類の試験体は、金属粉末の組成を相互に異ならせる(金属粉末として、還元純鉄粉末と所定量の電解銅粉末とを混合した混合粉末を使用する)以外は、第1の確認試験を実施するにあたって作製した実施例3に係る試験体と同様の条件・手順で作製した。
この確認試験で確認・評価した各試験体の作製用粉末の組成、および評価結果を下記の表2に示す。
Figure 2017155307
表2からも明らかなように、金属粉末における銅粉末の占有割合が増すにつれて、試験体内径面の表面性状(円筒度)が顕著に低下し、特に金属粉末における銅粉末の占有割合が所定の水準を超えると(比較例3,4)、すべり軸受1として使用可能なレベルの円筒度を確保できないことが判明した。これは、主に、Fe粒子の表面に形成される酸化物皮膜の膜厚(皮膜の成長速度)と、Cu粒子の表面に形成される酸化物皮膜の膜厚とが相互に異なるためであると推察される。従って、この試験結果から、金属粉末としては、純鉄粉末の占有割合が95%以上のものを使用するのが好ましく、純鉄粉末の占有割合が100%のものを使用するのが特に好ましいことがわかる。
(3)第3の確認試験:脱脂処理の実施雰囲気
次に、圧粉体に脱脂処理を施す際の雰囲気が、上記の強化圧粉体11を母材とする機械部品の(A)強度、(B)寸法変化率および(C)表面性状に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに4種類の試験体(実施例8−9および比較例5−6)を作製・準備した。新たに作製した4種類の試験体は、脱脂雰囲気を異ならせる以外は、実施例3に係る試験体と同様の条件・手順で作製した。
各試験体の作製に際して採用した脱脂雰囲気を、各試験体についての評価とともに下記の表3に示す。
Figure 2017155307
表3からも明らかなように、圧粉体に対する脱脂処理を大気や酸素等の酸化性雰囲気下で実施すると、すべり軸受1として実使用可能なレベルの形状精度および内径面の円筒度を確保することができない。従って、圧粉体に対する脱脂処理は、窒素等の非酸化性雰囲気下で実施するのが好ましいことが理解される。
(4)第4の確認試験:皮膜形成処理の処理温度・時間
酸化物皮膜の形成処理の処理温度および処理時間が、上記の強化圧粉体11を母材とする機械部品の(A)強度、(B)寸法変化率および(C)表面性状に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに6種類の試験体(実施例10−13および比較例7−8)を作製した。新たに作製した6種類の試験体は、皮膜形成処理の処理条件を異ならせる以外は、実施例3に係る試験体と同様の条件・手順で作製した。
各試験体の作製に際して採用した皮膜形成処理の処理温度および時間を、各試験体についての評価とともに下記の表4に示す。
Figure 2017155307
表4からも明らかなように、皮膜形成処理の処理温度を高くするほど、また皮膜形成処理の処理時間を長くするほど、試験体の圧環強さを高めることができる一方で、寸法変化率が大きくなると共に表面性状が悪化することが理解される。特に、皮膜形成処理の処理温度又は処理時間が一定の水準を超えると、試験体の寸法変化率が過大となり、サイジング等の寸法矯正加工を追加的に施さなければすべり軸受1として使用可能なレベルの形状精度を確保することができない。また、皮膜形成処理の処理温度が高過ぎると、表面性状が著しく悪化した(比較例8)。これは、皮膜形成処理に伴って形成される酸化物皮膜が赤錆を主成分としたものになるためである。従って、この試験結果から、皮膜形成処理の処理温度(圧粉体の加熱温度)は、350℃以上700℃未満が好ましく、350℃以上600℃以下が一層好ましい。また、皮膜形成処理の処理時間は、10分以上60分以下が好ましい。
(5)第5の確認試験:皮膜形成処理の実施雰囲気
酸化物皮膜の形成処理の実施雰囲気が、上記の強化圧粉体11を母材とする機械部品の(A)強度、(B)寸法変化率および(C)表面性状に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに4種類の試験体(実施例14および比較例9−11)を作製した。新たに作製した4種類の試験体は、皮膜形成処理の実施雰囲気を異ならせる以外は、実施例3に係る試験体と同様の条件・手順で作製した。
各試験体の作製に際して採用した皮膜形成処理の実施雰囲気を、各試験体についての評価結果とともに下記の表5に示す。
Figure 2017155307
表5からも明らかなように、皮膜形成処理を真空や窒素等の非酸化性雰囲気下で実施した場合には、所望の圧環強さを確保することができず、皮膜形成処理を水蒸気の存在下で実施した場合(要するに、皮膜形成処理としていわゆる水蒸気処理を採用した場合)には、表面性状が粗悪であり、すべり軸受としてそのまま実使用できる品質を確保できなかった。
以上の確認試験結果から、本発明は、所望の機械的強度、寸法精度および表面性状等を具備した多孔質金属製の機械部品を低コストに製造することを可能にする極めて有用なものであることが理解される。
1 すべり軸受
2 内部気孔
3 ラジアル軸受面
4 Fe粒子
5 酸化物皮膜
10 圧粉体
11 強化圧粉体
20 成形金型装置
M 原料粉末
S 軸

Claims (8)

  1. 120MPa以上の圧環強さを有する機械部品を製造するための方法において、
    酸化物皮膜を形成可能な金属粉末であって、純鉄粉末の占有割合が質量比で95%以上の前記金属粉末を主成分とした原料粉末を圧縮することにより、所定形状の圧粉体を得る圧縮成形工程と、
    酸化性ガス雰囲気下で前記圧粉体を前記金属粉末の焼結温度未満で加熱しつつ、前記金属粉末を酸化性ガスと反応させることにより、前記金属粉末の粒子間に酸化物皮膜が形成された強化圧粉体を得る皮膜形成工程と、を備えることを特徴とする機械部品の製造方法。
  2. 前記圧縮成形工程では、密度が5.8g/cm以上7.2g/cm以下の前記圧粉体を得る請求項1に記載の機械部品の製造方法。
  3. 前記皮膜形成工程における前記圧粉体の加熱温度を350℃以上700℃未満に設定した請求項1又は2に記載の機械部品の製造方法。
  4. 前記皮膜形成工程の処理時間を60分以下に設定した請求項1〜3の何れか一項に記載の機械部品の製造方法。
  5. 前記原料粉末が固体潤滑剤を含むものであり、
    前記圧縮成形工程と前記皮膜形成工程との間に、前記圧粉体に含まれる前記固体潤滑剤を除去するための脱脂工程を有し、該脱脂工程を、非酸化性雰囲気下で実施する請求項1〜4の何れか一項に記載の機械部品の製造方法。
  6. 前記強化圧粉体の内部気孔に潤滑油を含浸させる含油工程をさらに有する請求項1〜5の何れか一項に記載の機械部品の製造方法。
  7. 前記圧縮成形工程では、前記圧粉体に、支持すべき軸を支持するための軸受面を成形する請求項1〜6の何れか一項に記載の機械部品の製造方法。
  8. 前記軸受面が型成形された動圧発生部を有する請求項7に記載の機械部品の製造方法。
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