JP2017154070A - カプセル製造装置、カプセルの製造方法、カプセル、および培養方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞等の生体物質を内包するのに適したシームレスカプセルを製造できるカプセル製造装置を提供する。
【解決手段】外側のノズル2aからカプセルの皮膜となる皮膜液が噴出し、内側のノズル2bから内容物が噴出する多重ノズル2を有するカプセル製造装置1であって、多重ノズル2の噴出口と接続された硬化用ノズル3と、硬化用ノズル3の周囲に形成された硬化液供給部4とを備え、硬化用ノズル3は、硬化液供給部4とつながり、硬化用ノズル3内における硬化液のレイノルズ数と液流れ方向を調整する開口を有し、被膜液が噴出するノズル内の流路が、噴出口に近づくに従って皮膜液がノズルの中心軸方向に向かって流れる形状を有しているカプセル製造装置。
【選択図】図1
【解決手段】外側のノズル2aからカプセルの皮膜となる皮膜液が噴出し、内側のノズル2bから内容物が噴出する多重ノズル2を有するカプセル製造装置1であって、多重ノズル2の噴出口と接続された硬化用ノズル3と、硬化用ノズル3の周囲に形成された硬化液供給部4とを備え、硬化用ノズル3は、硬化液供給部4とつながり、硬化用ノズル3内における硬化液のレイノルズ数と液流れ方向を調整する開口を有し、被膜液が噴出するノズル内の流路が、噴出口に近づくに従って皮膜液がノズルの中心軸方向に向かって流れる形状を有しているカプセル製造装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、薬品等の内容物を内包するカプセルを製造する装置に関するものである。また、この製造装置を用いたカプセルの製造方法、カプセル、および培養方法に関するものである。
内部に液体等を閉じ込めたカプセルは、薬品、食品、洗剤等、様々な用途で用いられている。カプセルには、ロータリーダイカプセルとシームレスカプセルという2種類がある。
ロータリーダイカプセルは、シー ト状にしたゼラチン等で内容物を挟み込み、回転する円筒形の金型で打ち抜くことで製造される。
ロータリーダイカプセルは、シー ト状にしたゼラチン等で内容物を挟み込み、回転する円筒形の金型で打ち抜くことで製造される。
一方、シームレスカプセルは、カプセル皮膜に継ぎ目の無いカプセルである。多重ノズルを用いて、内容物とカプセル皮膜となるゼラチン等の皮膜液をノズルから同時に噴出させると、表面張力により、皮膜液が内容物を包み込み球状の液滴となる。そして、冷却することで、硬化した球状のカプセルが得られる。ロータリーダイカプセルに比べて、小さな球状のカプセルが高いスループットで得られる。
しかし、内容物とカプセル皮膜とが確実に均一な液滴となるためには、多様な工夫が必要である。
しかし、内容物とカプセル皮膜とが確実に均一な液滴となるためには、多様な工夫が必要である。
例えば、最外ノズルからシームレスカプセル皮膜液が噴出し、同時にその内側の1以上のノズルからその他の液体が噴出する多重ノズルと、該多重ノズルのそれぞれに所定液体を送液するノズルと同数の送液管と、該多重ノズルから噴出したジェット液流を液滴状にすると同時に冷却する冷却液が流れる冷却管とからなるシームレスカプセルの製造装置であって、該多重ノズルの送液管の少なくとも1つ、またはいずれか1つのノズル内部に剛体振動付加装置を介在させる製造装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この装置を用いることにより、高い生産速度で均一な皮膜厚さを有する均一粒径のシームレスカプセルを液滴法で連続的に生産できる。
さらに、カプセルは、細胞や微生物、あるいは酵素といった生体物質を内容物として使用することも検討されている。生体物質を培養するための構造体として、シームレスカプセルを使用することで、大量に且つ効率的に生体物質を培養できる可能性が有る。
例えば、水性細胞懸濁液と高分子溶液とを共通押し出し出口から同時押し出しして、細胞懸濁液を内包する、繊維形状の高分子皮膜の形成方法が提案されている(例えば、特許文献2、および特許文献3)。
例えば、水性細胞懸濁液と高分子溶液とを共通押し出し出口から同時押し出しして、細胞懸濁液を内包する、繊維形状の高分子皮膜の形成方法が提案されている(例えば、特許文献2、および特許文献3)。
上述の特許文献1においては、カプセル皮膜としてゼラチンや寒天等が用いられる。これらの皮膜物質は、冷却管中で冷却することで硬化し、カプセルとなる。この冷却硬化は、比較的ゆっくりとした硬化現象であり、したがって、ノズルから噴出された皮膜液が表面張力により液滴となる時間的な余裕があるので、きれいな球状のカプセルが得られる。
以上のように、カプセルが冷却硬化により形成される場合には、上述の方法で効率良く製造が行える。
一方、カプセルが相分離による凝固現象により形成される場合には、一般に硬化速度が速いため、液滴となるまでに硬化が開始し、球状に液滴化しないことがある。あるいは、液滴化しても、均一できれいな球状のカプセルが得られないことがある。
一方、カプセルが相分離による凝固現象により形成される場合には、一般に硬化速度が速いため、液滴となるまでに硬化が開始し、球状に液滴化しないことがある。あるいは、液滴化しても、均一できれいな球状のカプセルが得られないことがある。
特許文献2においては、高分子皮膜の末端をシールするために、物理的な手法が用いられている。このように物理的な手法でシールすると、独立したカプセルを形成することが不可能であり、高分子皮膜は複数のセルを持つ管状体になってしまう。また、物理的な手法であるため、装置構成が複雑になり、さらに、内包する細胞等を破壊してしまうという問題点も有している。
特許文献3においては、特許文献2に開示された発明を改良し、シールをすることなく、カプセルを形成する方法が示されている。すなわち、キャスティング溶液の噴出、および生体物質と凝固液の噴出を断続的とすることで、シームレスカプセルを形成することができる。しかし、この手法では、液の噴出を断続的に行うため、液の噴出開始や停止時に、噴出量の大きな変化や液だれ等が生じ、所望の形状のシームレスカプセルを形成することが困難であった。また、被膜の厚みや孔密度がカプセル全体で一様では無く、カプセルの強度が低下するという問題が生じていた。さらに、スループットも小さくなるという課題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、カプセルが凝固現象により形成される場合でも、硬化が完了する前に皮膜液が液滴となり、効率良くカプセルが製造できる製造装置を提供するものである。
特に、相分離による凝固現象で形成したポリマーは連通する多孔構造を形成するため、細胞や微生物、あるいは酵素といった生体物質を内容物とした場合、カプセル内外間の物質移動が容易に行えるので、培養用の構造体として最適なものが得られる。
さらに、硬化用ノズルを成形容器として、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造することが可能となる。
また、カプセルの外表面と内表面にスキン層を形成することで、高い強度のカプセルを製造することができる。
すなわち、本発明は連通する多孔構造の被膜によって、内外間の物質移動が容易であり、また、外表面と内表面にスキン層を形成することで、高い強度を有し、さらには、内包する生体物質に応じて、形状や大きさを容易に変えることが可能である、カプセル製造装置を提供するものである。
特に、相分離による凝固現象で形成したポリマーは連通する多孔構造を形成するため、細胞や微生物、あるいは酵素といった生体物質を内容物とした場合、カプセル内外間の物質移動が容易に行えるので、培養用の構造体として最適なものが得られる。
さらに、硬化用ノズルを成形容器として、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造することが可能となる。
また、カプセルの外表面と内表面にスキン層を形成することで、高い強度のカプセルを製造することができる。
すなわち、本発明は連通する多孔構造の被膜によって、内外間の物質移動が容易であり、また、外表面と内表面にスキン層を形成することで、高い強度を有し、さらには、内包する生体物質に応じて、形状や大きさを容易に変えることが可能である、カプセル製造装置を提供するものである。
本発明に係るカプセル製造装置は、外側のノズルからカプセルの皮膜となる皮膜液が噴出し、内側のノズルから内容物が噴出する多重ノズルを有するカプセル製造装置であって、上記多重ノズルの噴出口と接続された硬化用ノズルと、当該硬化用ノズルの周囲に形成された硬化液供給部とを備え、上記硬化用ノズルは、上記硬化液供給部とつながり、上記硬化用ノズル内における上記硬化液のレイノルズ数と液流れ方向を調整する開口を有し、上記被膜液が噴出するノズル内の流路が、上記噴出口に近づくに従って上記皮膜液が上記ノズルの中心軸方向に向かって流れる形状を有していることを特徴とする。
本発明に係るカプセルの製造方法は、生体物質を内包する多孔質カプセルの製造方法であって、上記カプセル製造装置を用い、上記皮膜液は、ポリマーと当該ポリマーを溶解する溶媒からなるポリマー溶液であり、上記硬化液は、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、または凝固剤を含有する液、あるいは貧溶媒と凝固剤の両方を含有した上記ポリマーの凝固液であり、上記内容物は、生体物質を含み、且つ上記内容物は、生体物質の分散液、培養液、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、上記ポリマーの凝固剤、上記ポリマーの凝固剤を含有する液のうち、少なくとも1種を含み、上記ポリマーに対して凝固能を有する、ことを特徴とする。
本発明に係るカプセルは、生体物質を内包するカプセルであって、皮膜が連通多孔構造のポリマーであり、外表面と内表面にスキン層が存在することを特徴とする。
本発明に係る培養方法は、上記カプセルを用い、三次元方向に細胞または微生物を培養する方法であることを特徴とする。
近年において、カプセルの用途は拡大している。薬品の服用のためだけでは無く、一般的食品や嗜好品にもカプセルは用いられている。また、DDS(ドラッグデリバリーシステム)や接着剤、香料、農業病害虫の抑制といった多様な分野にも、その用途は拡大している。
シームレスカプセルは、小さなカプセルを高いスループットで製造できるという長所を有しているが、ゼラチンや寒天といった冷却硬化素材のカプセルの製造には適しているものの、凝固現象による硬化を必要とする素材には適していなかった。上述したように、カプセルの用途拡大に伴い、カプセルの素材も多様なものが求められており、凝固現象による硬化を必要とする素材にも、シームレスカプセルの製造方法を適用できることが求められている。
例えば、カプセルの皮膜となる皮膜液としてポリマー溶液を用い、相分離等を原理とした湿式凝固を行うことで、連通多孔構造を持つカプセルが得られる。凝固過程の初期において、凝固液と接したポリマー溶液が凝固を開始し、スキン層が形成される。凝固速度が速い場合には、緻密なスキン層が形成され、一方、凝固速度が遅い場合には、多孔質のスキン層が形成される。したがって、所望の凝固速度が得られるようにポリマー溶液を調製することで、緻密なカプセルを製造することもできるし、あるいは、多孔質のカプセルも得ることができる。多孔質の孔密度を制御することも可能である。
DDSや香料といった用途においては、内容物の外部への拡散を早める必要性から、多孔質のカプセルが有効である。孔密度や孔径を制御することで、液体内容物をカプセル内部にしっかりと内包しつつ、外部への拡散を効率化できる。
本発明は、硬化液(凝固液)の流れを制御可能としたことで、凝固現象による硬化を必要とする素材にも適したカプセル製造装置を実現した。すなわち、硬化用ノズルの周囲に硬化液供給部を設け、硬化用ノズルの開口形状を変えることで、硬化用ノズル内での硬化液(凝固液)の流れを制御して乱流を生み出すことを特徴としている。これにより、表面張力により皮膜液が球状化するまで、連続したスキン層の形成を一時的に阻害し、安定してカプセルが形成されることを可能とした。
一方、硬化用ノズルを着脱可能とすれば、硬化用ノズルの開口形状を変えて、硬化用ノズル内での硬化液(冷却液)の流れを制御して層流を生み出すこともできる。冷却硬化はゆっくりとした硬化であるため、皮膜液が球状化し硬化するまでの間、層流により形状が乱れないようにすることで、一定した球状のカプセルを安定に製造することができる。
さらには、硬化用ノズルに液流れ方向を制御する開口を設けることで、凝固現象による硬化、冷却硬化のいずれにおいても、液物性に適した液の流れ方向を制御することができる。たとえば、凝固現象による硬化であり、被膜液の粘度が高く、被膜液が多重ノズル部から離れにくい場合には、凝固液をジェット流にして多重ノズル方向に噴出させることで、被膜液が多重ノズルから容易に脱離させることができる。
以上のように、本発明の製造装置は、冷却硬化にも、凝固現象による硬化にも対応可能な装置であり、いずれの場合においても、より安定したカプセルの製造を実現するものである。
特に、カプセルに内包する内容物が、細胞、微生物、または酵素といった生体物質である場合において、本発明の製造装置は優れた優位性を有している。
まず、生体物質を内包したカプセルを高スループットで作製できる。細胞等を大量に培養する際には非常に有効である。
また、生体物質を傷つけることなく、カプセルに内包できる。内包後のハンドリングも容易に行える。
そして、生体物質をカプセル内で培養する場合、酸素や二酸化炭素といった気体や、培養液等の液体をカプセル外と十分にやりとりできることが必須である。上述したように、本発明の製造装置を用いることで、多孔質のカプセルが得られ、孔密度を制御することも可能である。したがって、内包する生体物質が求める最適な環境を生み出すカプセルを形成することが可能である。
さらに、硬化用ノズルを成形容器として、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造することが極めて容易に可能となる。
また、細胞等を大量に培養する際には、比較的長い期間に渡り、培養液中でカプセルを攪拌し続ける必要があるため、カプセルはある程度の強度を持つことが必要となる。本発明の製造装置により形成したカプセルは、外表面と内表面にスキン層が形成されるため、多孔質でありながら、高い強度を有し、培養といった長期間の使用用途に最適である。
まず、生体物質を内包したカプセルを高スループットで作製できる。細胞等を大量に培養する際には非常に有効である。
また、生体物質を傷つけることなく、カプセルに内包できる。内包後のハンドリングも容易に行える。
そして、生体物質をカプセル内で培養する場合、酸素や二酸化炭素といった気体や、培養液等の液体をカプセル外と十分にやりとりできることが必須である。上述したように、本発明の製造装置を用いることで、多孔質のカプセルが得られ、孔密度を制御することも可能である。したがって、内包する生体物質が求める最適な環境を生み出すカプセルを形成することが可能である。
さらに、硬化用ノズルを成形容器として、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造することが極めて容易に可能となる。
また、細胞等を大量に培養する際には、比較的長い期間に渡り、培養液中でカプセルを攪拌し続ける必要があるため、カプセルはある程度の強度を持つことが必要となる。本発明の製造装置により形成したカプセルは、外表面と内表面にスキン層が形成されるため、多孔質でありながら、高い強度を有し、培養といった長期間の使用用途に最適である。
本発明のカプセル製造装置について、以下の実施の形態において、構成、原理および特長等を説明する。
なお、以下の説明は本発明に関する良好な一例を開示するものであり、本発明が実施の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態において開示する発明品の形状や構造等は、良好な一例を示すに過ぎず、その他の可能性を否定するものでは無い。
なお、以下の説明は本発明に関する良好な一例を開示するものであり、本発明が実施の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態において開示する発明品の形状や構造等は、良好な一例を示すに過ぎず、その他の可能性を否定するものでは無い。
実施の形態1.
本発明に係るカプセル製造装置は、いわゆるシームレスカプセルを製造する装置であり、冷却硬化にも、凝固現象による硬化にも対応可能な装置であり、特に、細胞、微生物、または酵素といった生体物質を内容物として内包するカプセルを製造する装置である。なお、本発明においてシームレスカプセルとは、継ぎ目の無い略球状等のカプセルである。カプセルは、被膜に孔の無い連続体も、多孔質のものも製造できるが、以下においては、主に多孔質のカプセルの製造について説明する。
<装置要部構成>
まず、カプセル製造装置の要部の構成について、図1を用いて説明する。
本発明に係るカプセル製造装置は、いわゆるシームレスカプセルを製造する装置であり、冷却硬化にも、凝固現象による硬化にも対応可能な装置であり、特に、細胞、微生物、または酵素といった生体物質を内容物として内包するカプセルを製造する装置である。なお、本発明においてシームレスカプセルとは、継ぎ目の無い略球状等のカプセルである。カプセルは、被膜に孔の無い連続体も、多孔質のものも製造できるが、以下においては、主に多孔質のカプセルの製造について説明する。
<装置要部構成>
まず、カプセル製造装置の要部の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、カプセル製造装置の構成を説明する図である。
カプセル製造装置1は、外側のノズル2aからカプセルの皮膜となる皮膜液が噴出し、内側のノズル2bからカプセルの内容物が噴出する多重ノズル2を有する装置であって、多重ノズル2の噴出口と接続された硬化用ノズル3と、当該硬化用ノズル3の周囲に形成された硬化液供給部4とを備えている。硬化用ノズル3は側面に開口を有し、その開口は硬化液供給部4とつながり、硬化用ノズル3内における硬化液の流れ、特にレイノズル数と流れ方向を調整する働きを持つ。また、一部の開口が、多重ノズルの噴出口に対し略水平な位置に設置されている。
なお、本実施の形態において、硬化液とは、カプセルの皮膜となる皮膜液を固体状に硬化させるための液である。皮膜液が冷却により硬化する場合には、硬化液は冷却液である。他方、皮膜液が湿式凝固により硬化する場合には、硬化液は凝固液である。
カプセル製造装置1は、外側のノズル2aからカプセルの皮膜となる皮膜液が噴出し、内側のノズル2bからカプセルの内容物が噴出する多重ノズル2を有する装置であって、多重ノズル2の噴出口と接続された硬化用ノズル3と、当該硬化用ノズル3の周囲に形成された硬化液供給部4とを備えている。硬化用ノズル3は側面に開口を有し、その開口は硬化液供給部4とつながり、硬化用ノズル3内における硬化液の流れ、特にレイノズル数と流れ方向を調整する働きを持つ。また、一部の開口が、多重ノズルの噴出口に対し略水平な位置に設置されている。
なお、本実施の形態において、硬化液とは、カプセルの皮膜となる皮膜液を固体状に硬化させるための液である。皮膜液が冷却により硬化する場合には、硬化液は冷却液である。他方、皮膜液が湿式凝固により硬化する場合には、硬化液は凝固液である。
多重ノズル2は、外側ノズル2aと内側ノズル2bとが、例えば、同心円状に形成されたノズルである。外側ノズル2aには、カプセルの皮膜となる皮膜液を供給するための図示しない供給系が接続されている。同様に、内側ノズル2bには、カプセルの内容物を供給するための図示しない供給系が接続されている。
外側ノズル2aは、被膜液が噴出するノズル内の流路が、噴出口に近づくに従って皮膜液がノズルの中心軸方向に向かって流れる形状を有している。
ノズルの素材はガラスや金属等であり、中を流れる皮膜液や内容物によって腐食や劣化を生じず、また、被膜液が剥がれやすい素材が望ましい。
外側ノズル2aは、被膜液が噴出するノズル内の流路が、噴出口に近づくに従って皮膜液がノズルの中心軸方向に向かって流れる形状を有している。
ノズルの素材はガラスや金属等であり、中を流れる皮膜液や内容物によって腐食や劣化を生じず、また、被膜液が剥がれやすい素材が望ましい。
なお、カプセルの内容物が複数種類である場合には、内側ノズルは1本では無く、複数本としても良い。あるいは、複数種類の内容物を1本の内側ノズルから吐出させても良い。
また、皮膜液を硬化させるための補助液等が必要な場合、補助液等を噴出するノズルを別途設けても良い。例えば、外側ノズル2aのさらに外側に設けても良い。
また、皮膜液を硬化させるための補助液等が必要な場合、補助液等を噴出するノズルを別途設けても良い。例えば、外側ノズル2aのさらに外側に設けても良い。
被膜液を噴出させるノズル内の流路は、吐出方向に行くにしたがい、中心軸方向に向かって液が流れる形状であり、かつ吐出孔に近づくに従って断面積が小さくなるテーパ形状を有している。これは、ノズル先端部で被膜液が中心軸方向に吐出されることで、カプセル作製の初期段階で、被膜液が内容液を覆いやすくする効果がある。
硬化用ノズル3は、多重ノズル2の噴出口と接続され、噴出液が落下する経路となる。硬化用ノズル3の周囲には開口が設けられている。開口の形状等については後述する。
硬化用ノズル3は、多重ノズル2の周囲にねじ込んで固定するといった方法で、着脱可能であることが望ましい。
硬化用ノズル3は、多重ノズル2の周囲にねじ込んで固定するといった方法で、着脱可能であることが望ましい。
硬化用ノズル3の周囲には硬化液供給部4が形成される。硬化用ノズル3は、開口により、硬化液供給部4とつながり、硬化液供給部4から流入する硬化用ノズル3内における硬化液の流れ、特にレイノズル数と液の流れ方向が、開口形状を変えることで調整可能である。
硬化用ノズル3の開口形状の一例を、図2に示す。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、開口形状の一例である。これらのどれを選択するかは、硬化用ノズル3内における硬化液の流れを層流とするか乱流とするか、開口部から吐出される液の流れをどの方向に向けるか等によって決定される。これらは、内容液、被膜液、補助液の粘度やレオロジー特性、各液の送液ポンプの能力、各液の温度などを総合的に判断して決定される。
この中で、(b)は、多重ノズル先端部で、カプセルの剥離を促進する効果を有する。
このように、図1のポンプ6の吐出流量に合わせて、硬化用ノズル3の開口形状やノズル自体の形状を変えることで、硬化用ノズル3内における硬化液の流れをレイノルズ数が大きな乱流、あるいはレイノルズ数が小さな層流とすることができる。なお、開口は流れの軸、すなわち、硬化用ノズル3の中心軸に回転対称な位置に複数個設けることが望ましい。これは、硬化用ノズル3内における硬化液の流れを偏らせないためである。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、開口形状の一例である。これらのどれを選択するかは、硬化用ノズル3内における硬化液の流れを層流とするか乱流とするか、開口部から吐出される液の流れをどの方向に向けるか等によって決定される。これらは、内容液、被膜液、補助液の粘度やレオロジー特性、各液の送液ポンプの能力、各液の温度などを総合的に判断して決定される。
この中で、(b)は、多重ノズル先端部で、カプセルの剥離を促進する効果を有する。
このように、図1のポンプ6の吐出流量に合わせて、硬化用ノズル3の開口形状やノズル自体の形状を変えることで、硬化用ノズル3内における硬化液の流れをレイノルズ数が大きな乱流、あるいはレイノルズ数が小さな層流とすることができる。なお、開口は流れの軸、すなわち、硬化用ノズル3の中心軸に回転対称な位置に複数個設けることが望ましい。これは、硬化用ノズル3内における硬化液の流れを偏らせないためである。
また、硬化用ノズル3内における硬化液の流れを変えるもうひとつの構造は、硬化液供給部4の底部付近の構造である。例えば、図1に示すように、硬化液供給部4の底部4aを着脱可能とすることで、硬化液の流れを変えることができる。底部4aに開口を設けることで、硬化用ノズル3内に単位時間当たりに流入する硬化液の量を減少させたり、流入方向を微調したりできる。異なった開口を有する複数の底部4aを用意し、それを取り替えることで、硬化液の流れを変えることができる。なお、開口は必ずしも底部に開ける必要は無く、硬化液供給部4の底部近くの側面に開けても良い。また、開口は流れの軸に対称に複数個設けることが望ましい。
<硬化液の流れ>
次に、カプセル製造装置1における硬化液の流れ全体を示す構成について、さらに、図1を用いて説明する。
硬化液は、図1において、点線で示している。硬化液供給部4の硬化液は、硬化用ノズル3に設けられた開口から硬化用ノズル3に流入し、硬化用ノズル3から硬化液槽5に流れ込む。硬化液供給部4の硬化液は、底部付近に設けられた開口からも硬化液槽5に流れ込む。そして、硬化液槽5内の硬化液は、ポンプ6により汲み上げられ、硬化液供給部4内へと循環する。必要によっては、この液循環部に熱交換器を設置して、冷却液、凝固液の温度を制御することができる。
次に、カプセル製造装置1における硬化液の流れ全体を示す構成について、さらに、図1を用いて説明する。
硬化液は、図1において、点線で示している。硬化液供給部4の硬化液は、硬化用ノズル3に設けられた開口から硬化用ノズル3に流入し、硬化用ノズル3から硬化液槽5に流れ込む。硬化液供給部4の硬化液は、底部付近に設けられた開口からも硬化液槽5に流れ込む。そして、硬化液槽5内の硬化液は、ポンプ6により汲み上げられ、硬化液供給部4内へと循環する。必要によっては、この液循環部に熱交換器を設置して、冷却液、凝固液の温度を制御することができる。
ポンプ6は、単位時間当たり定量を送り出すものが望ましく、レートを調整できるものがさらに望ましい。 なお、製造したカプセルを収集し取り出す機構については、特に図示していないが、例えば、硬化用ノズル3の直下に、カプセルの径よりも小さな網目の金網かご等を配置するといったことで容易に収集可能である。
<カプセル形成原理>
次に、本カプセル製造装置を用いて、カプセルが製造される原理を説明する。
まず、冷却により皮膜液を硬化させる場合について述べる。多重ノズル2の内側ノズル2bから噴出される内容物は、外側ノズルから噴出される皮膜液に周囲を囲まれた塊状となる。硬化用ノズル3内の硬化液中を層状で落下するうちに、表面張力により、皮膜液は滴状から球状の液滴となり、内容物を内包した球状体となり硬化液中を落下する。そして、硬化液の冷却作用により、被膜は硬化し、固体状のカプセルとなる。カプセルを製造装置から取り出した後、必要に応じて乾燥させ、水分等を除去することで、さらに硬化が進む。
次に、本カプセル製造装置を用いて、カプセルが製造される原理を説明する。
まず、冷却により皮膜液を硬化させる場合について述べる。多重ノズル2の内側ノズル2bから噴出される内容物は、外側ノズルから噴出される皮膜液に周囲を囲まれた塊状となる。硬化用ノズル3内の硬化液中を層状で落下するうちに、表面張力により、皮膜液は滴状から球状の液滴となり、内容物を内包した球状体となり硬化液中を落下する。そして、硬化液の冷却作用により、被膜は硬化し、固体状のカプセルとなる。カプセルを製造装置から取り出した後、必要に応じて乾燥させ、水分等を除去することで、さらに硬化が進む。
一方、凝固による硬化の場合は、状況がかなり異なる。
凝固による硬化の場合、ポリマー溶液等の硬化液は、硬化液(凝固液)に触れると直ちに硬化(相分離等による凝固)を開始し、表面層であるスキン層を形成する。したがって、硬化用ノズル3内の硬化液中を層状で落下し始めた際に、連続したスキン層が形成されてしまうと、表面張力による液滴化が生じない場合があったり、不均一な液滴化が生じたりすることがある。
凝固による硬化の場合、ポリマー溶液等の硬化液は、硬化液(凝固液)に触れると直ちに硬化(相分離等による凝固)を開始し、表面層であるスキン層を形成する。したがって、硬化用ノズル3内の硬化液中を層状で落下し始めた際に、連続したスキン層が形成されてしまうと、表面張力による液滴化が生じない場合があったり、不均一な液滴化が生じたりすることがある。
そこで、硬化用ノズルの周囲に硬化液供給部を設け、硬化用ノズルの開口形状を変えることで、硬化用ノズル内での硬化液(凝固液)の流れを制御して乱流を生み出すことが必要となる。これにより、表面張力により皮膜液が液滴化するまで、連続したスキン層の形成を一時的に阻害し、安定したカプセルの形成が可能となる。
使用する皮膜液、硬化液、および内容物について説明する。
皮膜液は、ポリマーと当該ポリマーを溶解する溶媒からなるポリマー溶液である。また、上記硬化液は、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、または凝固剤を含有する液、あるいは貧溶媒と凝固剤の両方を含有した上記ポリマーの凝固液である。そして、内容物は、生体物質を含み、且つ上記内容物は、生体物質の分散液、培養液、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、上記ポリマーの凝固剤、上記ポリマーの凝固剤を含有する液のうち、少なくとも1種を含み、上記ポリマーに対して凝固能を有するものである。
皮膜液は、ポリマーと当該ポリマーを溶解する溶媒からなるポリマー溶液である。また、上記硬化液は、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、または凝固剤を含有する液、あるいは貧溶媒と凝固剤の両方を含有した上記ポリマーの凝固液である。そして、内容物は、生体物質を含み、且つ上記内容物は、生体物質の分散液、培養液、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、上記ポリマーの凝固剤、上記ポリマーの凝固剤を含有する液のうち、少なくとも1種を含み、上記ポリマーに対して凝固能を有するものである。
例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(PmIA)を溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させたポリマー溶液を皮膜液とし、水を硬化液(凝固液)とした場合、ポリマーであるPmIAは、水に触れると直ちにスキン層が形成される。しかし、硬化用ノズル内での硬化液(凝固液)の流れを乱流にしてやると、連続したスキン層の形成は阻害され、表面張力による皮膜液の液滴化が可能となる。
そして、液滴化により球状になった後に、凝固が進行し、緻密な構造のカプセルが得られる。
そして、液滴化により球状になった後に、凝固が進行し、緻密な構造のカプセルが得られる。
また、上記のポリマー溶液に水を適量加えた溶液を皮膜液とすると、凝固速度がやや遅くなり、多孔質の構造を持つカプセルが得られる。このように、水等の凝固速度を制御するものを共に加えることで、凝固速度を調整可能であり、多孔質構造の孔密度や孔径を制御できる。
そして、内容物として、生体物質を含み、
且つ上記内容物は、生体物質の分散液、培養液、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、上記ポリマーの凝固剤、上記ポリマーの凝固剤を含有する液のうち、少なくとも1種を含み、上記ポリマーに対して凝固能を有するものとすることで、ポリマーの内側においてもスキン層を形成することが可能となり、カプセルの強度を大幅に高めることが可能となる。
且つ上記内容物は、生体物質の分散液、培養液、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、上記ポリマーの凝固剤、上記ポリマーの凝固剤を含有する液のうち、少なくとも1種を含み、上記ポリマーに対して凝固能を有するものとすることで、ポリマーの内側においてもスキン層を形成することが可能となり、カプセルの強度を大幅に高めることが可能となる。
以下、凝固による硬化の原理を、カプセル製造装置として最適な一例を基に、図3から図8を用いて詳細に説明する。
図3は、多重ノズル2より液が供給される前の初期状態を表している。
硬化用ノズル3には、ノズル吐出位置に対して略水平な位置に、スリット状の開口3aを設けている。また、外側ノズル2aは、吐出方向に行くにしたがい、中心軸方向に向かって液が流れる形状の流路を有している。
図3は、多重ノズル2より液が供給される前の初期状態を表している。
硬化用ノズル3には、ノズル吐出位置に対して略水平な位置に、スリット状の開口3aを設けている。また、外側ノズル2aは、吐出方向に行くにしたがい、中心軸方向に向かって液が流れる形状の流路を有している。
次いで、図4は液の供給を開始した状態を示している。被膜液は、吐出方向において液の流れが中心軸方向に向かう流路から中心軸方向に吐出され、さらに、スリット状の開口3aから吐出される硬化液(凝固液)による剪断力によって、硬化液(凝固液)が中央に寄せられて、表面張力によって、内容液の表面に被膜7aが形成される。この皮膜7aの外表面および内表面の双方において、スキン層が形成され始める。なお、図4における白抜き矢印は、スリット上の開口3aから吐出される硬化液(凝固液)による剪断力を示している。
図5は、内容液と被膜液の供給が継続されている状態を表している。
内容液と被膜液の供給が継続され、内容液を包んだ被膜液の塊7bが形成される。被膜液の外郭は凝固液と接して固化し、多孔構造の被膜を形成する。また、被膜の外表面および内表面の双方において、スキン層が形成されていく。
内容液と被膜液の供給が継続され、内容液を包んだ被膜液の塊7bが形成される。被膜液の外郭は凝固液と接して固化し、多孔構造の被膜を形成する。また、被膜の外表面および内表面の双方において、スキン層が形成されていく。
図6は、内容液と被膜液の供給がさらに継続され、内容液を包んだ被膜液の塊7cが、図5に示す皮膜液の塊7bよりも大きくなった状態である。
内容液を包んだ被膜液の塊7cが、比重、粘性あるいは剪断力等によって決まる所定の大きさ以上に大きくなると、自重と剪断力によって、供給される内容液と被膜液とから塊が離れ、凝固液中に落下する。この状態では、内容液の一部がポリマー溶液の塊の表面に出ている。
内容液を包んだ被膜液の塊7cが、比重、粘性あるいは剪断力等によって決まる所定の大きさ以上に大きくなると、自重と剪断力によって、供給される内容液と被膜液とから塊が離れ、凝固液中に落下する。この状態では、内容液の一部がポリマー溶液の塊の表面に出ている。
図7は、内容液を包んだ被膜液の塊7dが凝固液中を落下する状態を表している。
硬化用ノズル3内の乱流によって、内容液を包んだ被膜液の塊7dは回転し、回転で生じる剪断力によって、ポリマー溶液の全表面がポリマーで覆われる。ポリマー溶液の外郭は凝固液と接して固化が進み、多孔構造が形成されていく。皮膜7dの外表面および内表面の双方において、スキン層が形成され、高い強度を持つカプセルになっている。
一方、次の塊8aが、図4、図5と同じ原理で形成されている。
硬化用ノズル3内の乱流によって、内容液を包んだ被膜液の塊7dは回転し、回転で生じる剪断力によって、ポリマー溶液の全表面がポリマーで覆われる。ポリマー溶液の外郭は凝固液と接して固化が進み、多孔構造が形成されていく。皮膜7dの外表面および内表面の双方において、スキン層が形成され、高い強度を持つカプセルになっている。
一方、次の塊8aが、図4、図5と同じ原理で形成されている。
図8は、カプセルの被膜液の凝固が進み、外郭全体が固化して、多孔質構造を形成した状態を示す(7e)。
次のポリマー溶液塊8bはノズルから落下寸前であり、この繰り返しにより連続的にカプセルが形成される。
次のポリマー溶液塊8bはノズルから落下寸前であり、この繰り返しにより連続的にカプセルが形成される。
次に、硬化用ノズルをカプセルの成形容器、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造する方法を記載する。
まず、図9のように、目的とするカプセル形状、大きさに適合し、且つ底部に多孔板30bを設けた硬化用ノズル30を取り付ける。
次いで、内容液、被膜液を供給するが、凝固液を調製して、凝固速度を弱めて、被膜液がゲル状になるように調整する。さらに、被膜液の外表面および内表面の双方においては、スキン層が形成されており、被膜は全体の形状を保持するための一定の強度を有している。
ゲル状の被膜液は、図9のように硬化用ノズル内で、風船のように広がっていく。
所定のカプセルの形状、大きさが得られたならば、内容液、被膜液の供給を停止し、今度は凝固速度の速い凝固液を大容量で供給する。これにより、被膜液のゲル相は完全に固化し、多孔質構造を形成する。
一方、上部スリットからの吐出液による剪断力により、多重ノズル噴出口で、カプセル塊は切断される。さらに前記剪断力により、多重ノズル噴出口近傍のカプセル塊の表面も被覆液で覆われ、その後凝固して、多孔質構造を形成する。
すなわち、硬化用ノズル30の形状により、製造するカプセルの形状が決定され、バッチ操作により、所定の形状、大きさのカプセルを作製することができる。
まず、図9のように、目的とするカプセル形状、大きさに適合し、且つ底部に多孔板30bを設けた硬化用ノズル30を取り付ける。
次いで、内容液、被膜液を供給するが、凝固液を調製して、凝固速度を弱めて、被膜液がゲル状になるように調整する。さらに、被膜液の外表面および内表面の双方においては、スキン層が形成されており、被膜は全体の形状を保持するための一定の強度を有している。
ゲル状の被膜液は、図9のように硬化用ノズル内で、風船のように広がっていく。
所定のカプセルの形状、大きさが得られたならば、内容液、被膜液の供給を停止し、今度は凝固速度の速い凝固液を大容量で供給する。これにより、被膜液のゲル相は完全に固化し、多孔質構造を形成する。
一方、上部スリットからの吐出液による剪断力により、多重ノズル噴出口で、カプセル塊は切断される。さらに前記剪断力により、多重ノズル噴出口近傍のカプセル塊の表面も被覆液で覆われ、その後凝固して、多孔質構造を形成する。
すなわち、硬化用ノズル30の形状により、製造するカプセルの形状が決定され、バッチ操作により、所定の形状、大きさのカプセルを作製することができる。
<実証実験>
このカプセル製造装置を用いて、生体物質を内包するカプセルを作製し、生体物質を培養する構造体として適切であるかを確認するための実証実験を行った。
(外側ノズルから噴出される皮膜液であるポリマー溶液の調製)
室温で、100重量部のポリメタフェニレンイソフタルアミド(PmIA)を1900質量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて、ポリマー溶液を調製した。
(内容液の調整)
デキストリン(日澱化学製、アミコール3L)100質量部を、300質量部の水に溶解させ、さらに400質量部の粉砕酵母(Saccharomyces cerevisiae)を加えて、充分に攪拌し、内容液を調製した。
(凝固液)
凝固液には常温の水を用いた。
このカプセル製造装置を用いて、生体物質を内包するカプセルを作製し、生体物質を培養する構造体として適切であるかを確認するための実証実験を行った。
(外側ノズルから噴出される皮膜液であるポリマー溶液の調製)
室温で、100重量部のポリメタフェニレンイソフタルアミド(PmIA)を1900質量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて、ポリマー溶液を調製した。
(内容液の調整)
デキストリン(日澱化学製、アミコール3L)100質量部を、300質量部の水に溶解させ、さらに400質量部の粉砕酵母(Saccharomyces cerevisiae)を加えて、充分に攪拌し、内容液を調製した。
(凝固液)
凝固液には常温の水を用いた。
(成形装置)
内側ノズル2bが吐出部で内径0.8mm、外形が1.8mm、外側ノズル2aが吐出部で内径2.8mm、外形が3.8mmの、図1に示すステンレス(SUS304)製の多重ノズル(二重吐出ノズル)2を製作した。
前記多重ノズル2の内筒部、外筒部には各々ノズルを設け、各ノズルにはテフロン(登録商標)製チューブを取り付けた。各テフロン(登録商標)製チューブの他端部にチューブポンプとポリマー溶液タンク、および内容液タンクを設置した。
また、多重ノズル2には、図1のように硬化液(凝固液)供給部4を設けて、小型ポンプ6から連続的に水を供給した。
さらに、内部の硬化用ノズル3として、内径8mm、長さ30mmのスレンレス(SUS304)製円筒を製作し、中心軸が多重ノズル2と合致するように、端部を図1のように多重ノズル2に溶接した。硬化用ノズル3には、幅1mm、長さ3mmの水平方向に開口したスリットを、多重ノズル2の吐出部と同じレベルになるように、3ケ設けた。さらに硬化用ノズル3内部に凝固液が流入するように、径2mmの穴を側面適所に10ケ設けた。
硬化用ノズル3は図1のように、凝固液バスに浸漬した。
内側ノズル2bが吐出部で内径0.8mm、外形が1.8mm、外側ノズル2aが吐出部で内径2.8mm、外形が3.8mmの、図1に示すステンレス(SUS304)製の多重ノズル(二重吐出ノズル)2を製作した。
前記多重ノズル2の内筒部、外筒部には各々ノズルを設け、各ノズルにはテフロン(登録商標)製チューブを取り付けた。各テフロン(登録商標)製チューブの他端部にチューブポンプとポリマー溶液タンク、および内容液タンクを設置した。
また、多重ノズル2には、図1のように硬化液(凝固液)供給部4を設けて、小型ポンプ6から連続的に水を供給した。
さらに、内部の硬化用ノズル3として、内径8mm、長さ30mmのスレンレス(SUS304)製円筒を製作し、中心軸が多重ノズル2と合致するように、端部を図1のように多重ノズル2に溶接した。硬化用ノズル3には、幅1mm、長さ3mmの水平方向に開口したスリットを、多重ノズル2の吐出部と同じレベルになるように、3ケ設けた。さらに硬化用ノズル3内部に凝固液が流入するように、径2mmの穴を側面適所に10ケ設けた。
硬化用ノズル3は図1のように、凝固液バスに浸漬した。
(成形加工)
硬化用ノズル3内における下降液のレイノルズ数がおおよそ5,000〜10,000になるように、凝固液供給ポンプの流量を設定した。
外筒用チューブポンプと内筒用チューブポンプの流量比を1:1として、さらに直径が2mmのカプセルを10秒に1ケの割合で作製するようにチューブポンプの流量を調製した。外筒用チューブポンプと内筒用チューブポンプから、連続的に内容液とポリマー溶液を凝固液中に供給して、直径が約2mmの内容液を含む、多孔質の球形カプセルを作製した。
(培養)
作製した酵母を内包するカプセルをYPD mediumで培養した。
培養液とカプセルを三角フラスコに入れて、培養器で培養を行い、適宜カプセルを取り出して、内部を透過型電子顕微鏡で観察した。
硬化用ノズル3内における下降液のレイノルズ数がおおよそ5,000〜10,000になるように、凝固液供給ポンプの流量を設定した。
外筒用チューブポンプと内筒用チューブポンプの流量比を1:1として、さらに直径が2mmのカプセルを10秒に1ケの割合で作製するようにチューブポンプの流量を調製した。外筒用チューブポンプと内筒用チューブポンプから、連続的に内容液とポリマー溶液を凝固液中に供給して、直径が約2mmの内容液を含む、多孔質の球形カプセルを作製した。
(培養)
作製した酵母を内包するカプセルをYPD mediumで培養した。
培養液とカプセルを三角フラスコに入れて、培養器で培養を行い、適宜カプセルを取り出して、内部を透過型電子顕微鏡で観察した。
(透過型電子顕微鏡のサンプル作製と観察)
培養開始後、0時間、24時間、48時間経過後のカプセルを取り出し、以下の方法で透過型電子顕微鏡用のサンプルを作製し観察を行った。
100質量部の水に過マンガン酸カリウムを1質量部添加して、固定液を調製した。得られた成形体を固定液に浸漬し、4℃で2時間保持した。成形体を固定液から取り出し、固定液に浸漬し、4℃で2日間保持して、透過型電子顕微鏡用のサンプルを作製した。
図10は、培養開始時点、すなわち0時間におけるカプセルの断面の透過型顕微鏡写真である。黒い塊に見える部分が酵母である。酵母はカプセル内に個々に固まった状態で存在しており、酵母の占める面積は、カプセルの断面積の1/10程度であることが分かる。
また、図11は、図10におけるカプセルの表層部分を拡大した透過型顕微鏡写真である。ポリマーの多孔構造が形成されていることが分かる。
図12は、培養開始後24時間経過時点におけるカプセルの断面の透過型顕微鏡写真である。酵母の占める面積は、カプセルの断面積の1/3程度に増加していることが分かる。
培養開始後、0時間、24時間、48時間経過後のカプセルを取り出し、以下の方法で透過型電子顕微鏡用のサンプルを作製し観察を行った。
100質量部の水に過マンガン酸カリウムを1質量部添加して、固定液を調製した。得られた成形体を固定液に浸漬し、4℃で2時間保持した。成形体を固定液から取り出し、固定液に浸漬し、4℃で2日間保持して、透過型電子顕微鏡用のサンプルを作製した。
図10は、培養開始時点、すなわち0時間におけるカプセルの断面の透過型顕微鏡写真である。黒い塊に見える部分が酵母である。酵母はカプセル内に個々に固まった状態で存在しており、酵母の占める面積は、カプセルの断面積の1/10程度であることが分かる。
また、図11は、図10におけるカプセルの表層部分を拡大した透過型顕微鏡写真である。ポリマーの多孔構造が形成されていることが分かる。
図12は、培養開始後24時間経過時点におけるカプセルの断面の透過型顕微鏡写真である。酵母の占める面積は、カプセルの断面積の1/3程度に増加していることが分かる。
図13は、培養開始後48時間経過時点におけるカプセルの断面の透過型顕微鏡写真である。酵母の占める面積は、カプセルの断面積の1/2以上を占める程度にまで増加していることが分かる。
図14は、図13における酵母を拡大した透過型顕微鏡写真である。この写真から、極めて緻密に酵母が増殖していることが分かる。透過型顕微鏡はサンプルの切片(50nm)に電子線を照射して、その投影をみるものであるが、任意のサンプル切片で、このように酵母が緻密に増殖していることは、上下を含めた3次元方向にも酵母が緻密に増殖していることを表している。
図14は、図13における酵母を拡大した透過型顕微鏡写真である。この写真から、極めて緻密に酵母が増殖していることが分かる。透過型顕微鏡はサンプルの切片(50nm)に電子線を照射して、その投影をみるものであるが、任意のサンプル切片で、このように酵母が緻密に増殖していることは、上下を含めた3次元方向にも酵母が緻密に増殖していることを表している。
以上のように、本発明のカプセル製造装置を用いて作製したカプセル中に、生体物質である酵母が内包され、また、カプセルが多孔質であることを確認できた。また、上記の培養期間中において、カプセルの大きな変形等は無く、カプセルが十分な強度を有することも確認できた。したがって、このカプセルは、生体物質である酵母の培養に適したものであることを検証できた。
<本発明の特長>
最後に、本発明のカプセル製造装置の特長についてまとめる。
近年において、カプセルの用途は拡大している。薬品の服用のためだけでは無く、一般的食品や嗜好品にもカプセルは用いられている。また、DDS(ドラッグデリバリーシステム)や接着剤、香料、農業病害虫の抑制といった多様な分野にも、その用途は拡大している。
最後に、本発明のカプセル製造装置の特長についてまとめる。
近年において、カプセルの用途は拡大している。薬品の服用のためだけでは無く、一般的食品や嗜好品にもカプセルは用いられている。また、DDS(ドラッグデリバリーシステム)や接着剤、香料、農業病害虫の抑制といった多様な分野にも、その用途は拡大している。
シームレスカプセルは、小さなカプセルを高いスループットで製造できるという長所を有しているが、ゼラチンや寒天といった冷却硬化素材のカプセルの製造には適しているものの、凝固現象による硬化を必要とする素材には適していなかった。上述したように、カプセルの用途拡大に伴い、カプセルの素材も多様なものが求められており、凝固現象による硬化を必要とする素材にも、シームレスカプセルの製造方法を適用できることが求められている。
例えば、カプセルの皮膜となる皮膜液としてポリマー溶液を用い、相分離等を原理とした湿式凝固を行うことで、連通多孔構造を持つカプセルが得られる。凝固過程の初期において、凝固液と接したポリマー溶液が凝固を開始し、スキン層が形成される。凝固速度が速い場合には、緻密なスキン層が形成され、一方、凝固速度が遅い場合には、多孔質のスキン層が形成される。したがって、所望の凝固速度が得られるようにポリマー溶液を調製することで、緻密なカプセルを製造することもできるし、あるいは、多孔質のカプセルも得ることができる。多孔質の孔密度を制御することも可能である。
DDSや香料といった用途においては、内容物の外部への拡散を早める必要性から、多孔質のカプセルが有効である。孔密度や孔径を制御することで、液体内容物をカプセル内部にしっかりと内包しつつ、外部への拡散を効率化できる。
本発明は、硬化液(凝固液)の流れを制御可能としたことで、凝固現象による硬化を必要とする素材にも適したカプセル製造装置を実現した。すなわち、硬化用ノズルの周囲に硬化液供給部を設け、硬化用ノズルの開口形状を変えることで、硬化用ノズル内での硬化液(凝固液)の流れを制御して乱流を生み出すことを特徴としている。これにより、表面張力により皮膜液が球状化するまで、連続したスキン層の形成を一時的に阻害し、安定してカプセルが形成されることを可能とした。
一方、硬化用ノズルを着脱可能とすれば、硬化用ノズルの開口形状を変えて、硬化用ノズル内での硬化液(冷却液)の流れを制御して層流を生み出すこともできる。冷却硬化はゆっくりとした硬化であるため、皮膜液が球状化し硬化するまでの間、層流により形状が乱れないようにすることで、一定した球状のカプセルを安定に製造することができる。
さらには、硬化用ノズルに液流れ方向を制御する開口を設けることで、凝固現象による硬化、冷却硬化のいずれにおいても、液物性に適した液の流れ方向を制御することができる。たとえば、凝固現象による硬化であり、被膜液の粘度が高く、被膜液が多重ノズル部から離れにくい場合には、凝固液をジェット流にして多重ノズル方向に噴出させることで、被膜液が多重ノズルから容易に脱離させることができる。
以上のように、本発明の製造装置は、冷却硬化にも、凝固現象による硬化にも対応可能な装置であり、いずれの場合においても、より安定したカプセルの製造を実現するものである。
特に、カプセルに内包する内容物が、細胞、微生物、または酵素といった生体物質である場合において、本発明の製造装置は優れた優位性を有している。
まず、生体物質を内包したカプセルを高スループットで作製できる。細胞等を大量に培養する際には非常に有効である。
また、生体物質を傷つけることなく、カプセルに内包できる。内包後のハンドリングも容易に行える。
一方、生体物質をカプセル内で培養する場合、酸素や二酸化炭素といった気体や、培養液等の液体をカプセル外と十分にやりとりできることが必須である。上述したように、本発明の製造装置を用いることで、多孔質のカプセルが得られ、孔密度を制御することも可能である。したがって、内包する生体物質が求める最適な環境を生み出すカプセルを形成することが可能である。
さらに、硬化用ノズルを成形容器として、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造することが極めて容易に可能となる。
また、細胞等を大量に培養する際には、比較的長い期間に渡り、培養液中でカプセルを攪拌し続ける必要があるため、カプセルはある程度の強度を持つことが必要となる。本発明の製造装置により形成したカプセルは、外表面と内表面にスキン層が形成されるため、多孔質でありながら、高い強度を有し、培養といった長期間の使用用途に最適である。
さらに、細胞等を三次元方向に、緻密に培養することが可能である。
まず、生体物質を内包したカプセルを高スループットで作製できる。細胞等を大量に培養する際には非常に有効である。
また、生体物質を傷つけることなく、カプセルに内包できる。内包後のハンドリングも容易に行える。
一方、生体物質をカプセル内で培養する場合、酸素や二酸化炭素といった気体や、培養液等の液体をカプセル外と十分にやりとりできることが必須である。上述したように、本発明の製造装置を用いることで、多孔質のカプセルが得られ、孔密度を制御することも可能である。したがって、内包する生体物質が求める最適な環境を生み出すカプセルを形成することが可能である。
さらに、硬化用ノズルを成形容器として、すなわち、成形金型のように使用することで、任意の形状、大きさのカプセルを製造することが極めて容易に可能となる。
また、細胞等を大量に培養する際には、比較的長い期間に渡り、培養液中でカプセルを攪拌し続ける必要があるため、カプセルはある程度の強度を持つことが必要となる。本発明の製造装置により形成したカプセルは、外表面と内表面にスキン層が形成されるため、多孔質でありながら、高い強度を有し、培養といった長期間の使用用途に最適である。
さらに、細胞等を三次元方向に、緻密に培養することが可能である。
1 カプセル製造装置
2 多重ノズル
2a 外側ノズル
2b 内側ノズル
3 硬化用ノズル
3a 開口
4 硬化液供給部
4a 硬化液供給部底部
5 硬化液槽
6 ポンプ
30 硬化用ノズル
30a、30b 開口
2 多重ノズル
2a 外側ノズル
2b 内側ノズル
3 硬化用ノズル
3a 開口
4 硬化液供給部
4a 硬化液供給部底部
5 硬化液槽
6 ポンプ
30 硬化用ノズル
30a、30b 開口
Claims (6)
- 外側のノズルからカプセルの皮膜となる皮膜液が噴出し、内側のノズルから内容物が噴出する多重ノズルを有するカプセル製造装置であって、
上記多重ノズルの噴出口と接続された硬化用ノズルと、
当該硬化用ノズルの周囲に形成された硬化液供給部と、
を備え、
上記硬化用ノズルは、上記硬化液供給部とつながり、上記硬化用ノズル内における上記硬化液のレイノルズ数と液流れ方向を調整する開口を有し、
上記被膜液が噴出するノズル内の流路が、上記噴出口に近づくに従って上記皮膜液が上記ノズルの中心軸方向に向かって流れる形状を有している
ことを特徴とするカプセル製造装置。 - 上記硬化用ノズルに設けられた開口が、上記多重ノズルの噴出口に対し略水平な位置に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のカプセル製造装置。 - 上記硬化用ノズルの形状、大きさを変えることにより、目的とする形状または大きさを有するカプセルを製造する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカプセル製造装置。 - 生体物質を内包する多孔質カプセルの製造方法であって、
請求項1から3のいずれかに記載のカプセル製造装置を用い、
上記皮膜液は、ポリマーと当該ポリマーを溶解する溶媒からなるポリマー溶液であり、
上記硬化液は、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、または凝固剤を含有する液、あるいは貧溶媒と凝固剤の両方を含有した上記ポリマーの凝固液であり、
上記内容物は、生体物質を含み、
且つ上記内容物は、生体物質の分散液、培養液、上記ポリマーの貧溶媒である溶媒、上記ポリマーの凝固剤、上記ポリマーの凝固剤を含有する液のうち、少なくとも1種を含み、
上記ポリマーに対して凝固能を有する、
ことを特徴とするカプセルの製造方法。 - 生体物質を内包するカプセルであって、
皮膜が連通多孔構造のポリマーであり、
外表面と内表面にスキン層が存在する
ことを特徴とするカプセル。 - 請求項5に記載のカプセルを用い、三次元方向に細胞または微生物を培養する
ことを特徴とする培養方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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