JP2023549245A - オイルコア包含マイクロカプセル - Google Patents

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Abstract

オイルコアを包むマトリクスシェルを有するカプセルを生成するための方法であって、当該方法は、油相において水溶性の分散相のコア形成エマルションを、第1のチャンバ内に供給するステップであって、水溶性の分散相は、水およびゲル化誘導剤を含み、当該エマルションは、第1の界面活性剤をさらに含む、ステップと、第2のチャンバ内に第2の水溶液を供給するステップであって、当該水溶液は、水および第2の界面活性剤を含む、ステップと、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、1つまたは複数のチャネルによって、好ましくは、マイクロチャネルによって、流体接続され、上記のステップの上記の水溶液においてコア形成エマルションの分散を形成するために、ステップa.のコア形成エマルションを、第1のチャンバから1つまたは複数のチャネルを通って第2のチャンバ内へ案内するステップと;形成された分散を、水性のシェル形成溶液と混合するステップであって、水性のシェル形成溶液は、水と、水溶性のマトリクス形成剤と、を含む、ステップと、ゲル化誘導剤およびマトリクス形成剤は、互いに化学反応を生じて、水に不溶なマトリクスシェルを形成できるように構成され、オイルコアを包み、かつ、水に不溶なマトリクスシェルのカプセルを形成するために、形成された分散液において、ゲル化誘導剤と、マトリクス形成剤と、を反応させるステップと、を含む、方法が、開示される。

Description

本発明は、カプセル、特にオイルコアを包むシェルを有するマイクロカプセル、および微小液滴の分散液、を生成する方法に関する。
カプセル、特に、粒子サイズ(粒子の大きさ)が1mm未満のマイクロカプセルは、薬剤、化粧品、診断、食品、および材料科学の分野において広く応用されている。そのようなカプセルは、連続相における単分散液滴のエマルションから製造され得る。単分散性は、安定性を高め、複数の化学反応または生物学的反応において体積を精密に制御することを可能にし、周期構造の生成を可能にする。マイクロ流体力学は、単分散液滴を正確に形成するための優れたプラットフォームを提供する。単分散液滴は、薬物、香料、香味、ペプチド、細菌またはファージなどの生体物質、肥料、殺虫剤、および健康状態のための他の活性物質などの有効成分をカプセル化するためのマイクロカプセルを生成するために硬化され得る。
多くの用途では、適切なシェルによってオイルコアが包まれたカプセルを提供することが望ましい。これは主に、香味、香料、医薬活性成分、ビタミンなどの多くの対象化合物が疎水性であるか、および/または油相にのみよく溶けるが水には溶けないという事実によるものである。これにより、オイルコアは、そのような対象化合物の優れたキャリアとして機能する。さらに、いくつかのオイルが、これら化合物の作用機序を高める。例えば、ビタミンなどのいくつかの化合物は、オイルの存在下で十分な量だけ体に取込まれる。
カプセルの構造的完全性を維持することに加えて、そのようなカプセルのコアを包むシェルは、特定の調整可能な特性をさらに有することができる。例えば、シェルがサルビア(salvia)との接触時に壊れるのを避けるが、胃の中においてのみ対象化合物を放出することが望ましい場合がある。あるいは、特定の対象化合物、特に、有効医薬成分が腸においてのみ放出されるが口の中および胃の中においては放出されないことが考えられる。さらに、対象化合物の放出のより良い制御のために、粘膜付着性特性を有するカプセルを提供することが望ましい場合がある。
単分散液滴からカプセルを製造するためのこれまで知られている方法は、かなりの限界がある。既知の方法は、全体的な使用可能な収容能力が大幅に制限されること、および/または再現性およびサイズ調整が不十分という問題を抱えている。しかし、カプセルのサイズを調整することは、様々な用途、特に、製薬産業、香料産業、および香味産業における用途にとって最も重要なことである。さらに、シェルの厚さはオイルコア包まれる対象化合物の放出性(release profile)に直接影響するため、シェルの厚さを精密に制御できることも重要である。したがって、シェルの一般的な厚さを制御することだけでなく、カプセル全体にわたってシェルの厚さ均一に分布させることも重要である。
したがって、主な目的は、オイルコアと、オイルコアを包むシェルと、を有するカプセル、特に、マイクロカプセルを生成する技術を進歩させること、好ましくは、先行技術の不利益を完全にまたは部分的に克服することである。好ましい実施形態において、そのようなカプセルを製造するための方法であって、カプセルのサイズおよびサイズの分布の精密な制御が可能な方法が提供される。さらに好ましい実施形態において、そのようなカプセルを製造するための方法であって、シェルの厚さの制御が可能な方法が提供される。
本開示の第1の態様において、以下の方法によって、一般的な目的が達成される。
オイルコアを包むマトリクスシェル(matrix shell)を有するカプセルを生成するための方法であって、上記方法は、
a.油相において水溶性の分散相のコア形成エマルションを、第1のチャンバ内に供給するステップであって、水溶性の分散相は、水およびゲル化誘導剤を含み、当該エマルションは、第1の界面活性剤をさらに含む、ステップと、
b.第2のチャンバ内に第2の水溶液を供給するステップであって、当該水溶液は、水および第2の界面活性剤を含む、ステップと、
を含む。
第1のチャンバおよび第2のチャンバは、1つまたは複数のチャネルによって、好ましくは、マイクロチャネルによって、流体接続されている。上記方法は、
c.ステップb.の第2の水溶液においてステップa.のコア形成エマルションの分散液を形成するために、ステップa.のコア形成エマルションを、第1のチャンバから1つまたは複数のチャネルを通って第2のチャンバ内へ案内するステップと、
d.ステップc.において形成された分散液を、水性のシェル形成溶液(aqueos shell-forming solution)と混合するステップであって、水性のシェル形成溶液は、水と、水溶性のマトリクス形成剤とを含むステップと、
をさらに含む。
ゲル化誘導剤およびマトリクス形成剤は、互いに化学反応を生じて、水に不溶なマトリクスシェル(matrix shell)を形成できるように構成される。上記方法は、
e.オイルコアを包み、かつ、水に不溶なマトリクスシェルのカプセルを形成するために、ステップc.において形成された分散液において、ゲル化誘導剤と、マトリクス形成剤とを反応させるステップ、
をさらに含む。
ステップa.およびb.は、この順番で必ずしも行われる必要はないことが理解される。最初にステップb.を行って、それからステップa.を行うこともできるし、あるいはこれらステップを同時に行うこともできる。
ステップc.で形成された分散液は、連続相としての第2の水溶液の中でステップa.のコア形成エマルションを含む複数の単分散液滴を含むことが理解される。
水溶性のマトリクスシェルによって包まれた形成されたオイルコアは、少量の水性の残留分散相、すなわち、少量の水を含み得ることがさらに理解される。しかし、大部分のこれらコアは、油相から構成される。典型的には、60wt%超、特に、70wt%超、特に、80wt%超、特に、90wt%超、特に、95wt%超、特に、99wt%超、である。
さらに、コア形成エマルションは、最終的なカプセルのコアそれ自体を形成するエマルションではなく、反応するおよび/またはコアから拡散する試薬を送ることもする。したがって、ステップa.におけるコア形成エマルションは、特にその組成に関しては、最終的な生産物のオイルコアと完全に同一である必要はない。
本発明に係る方法の利点は、ステップc.が水の中においてエマルションの単分散を生成するということである。したがって、ステップc.において、生成された各液滴は、大部分がステップa.の油相の油を含むが、ステップa.のゲル化誘導剤を有する水溶性の分散相も含む。したがって、ステップc.において形成された分散液は、水分散における油の中の水である。ステップ乳化(step emulsification)を使用すること、すなわち、マイクロチャネルを通じてステップa.のコア形成エマルションを案内することが、サイズを精密に制御し、かつステップc.において形成された分散の一様なサイズ分布を保証することを可能にする。さらに、当該方法は、先行技術において既知の方法よりもはるかに速いカプセルの作製を可能にする。本明細書において記載されている方法は、100g/h以上の、または500g/hまでものカプセル作製を可能にする。形成された液滴は、第2の界面活性剤によって安定化される。したがって、ステップd.の分散液を水性のシェル形成溶液と混合すると、それらのサイズは、実質的に一定のままであり、水に不溶なマトリクスの形成を引き起こす。したがって、各液滴の中に存在するゲル化誘導剤と、水性のシェル形成溶液の中に存在するマトリクス形成剤との間の化学反応によって、マトリクスが、安定なコアの周りで成長する。
いくつかの実施形態では、ゲル化誘導剤は、ステップa.の水性の分散相の水に溶解される。溶解されたたゲル化誘導剤の利点は、チャネルの詰まりが避けられるということである。特に、炭酸塩は、チャネル内の不溶性の塩の蓄積を引き起こす場合がある。
ステップa.において供給されたコア形成エマルションは、60分~600分間、好ましくは、100分から500分間、安定であり得る。そのような安定性は、液滴が、特にステップc.の間に直ちに破壊されないことを保証する。しかし、液滴の安定性はあまり高くはないため、シェル形成、すなわち、ステップe.の効率が低下するであろう。
ステップd.におけるマトリクス形成剤は、典型的には、水性のシェル形成溶液に溶解される。
ゲル化誘導剤およびマトリクス形成剤は、それらが互いに化学反応を起こして非水溶性マトリックスシェルを形成できるように構成される。これらは、例えば、錯体形成反応、イオン交換反応、または相間限定重合反応(interaction limited polymerization reaction)を受けるように構成され得る。
本明細書において使用される用語「マイクロカプセル」は、一般的に、粒径が4mm未満の、好ましくは、1μm以上4mm未満の、より好ましくは、1μm以上1mm未満のカプセルを指す。付随して、微小液滴は、4mm未満、好ましくは、1μm以上4mm未満の、より好ましくは、1μm以上1mm未満の液滴サイズ、すなわち、直径を有し、マイクロチャネルは、一般的に、4mm未満、好ましくは、1μm以上4mm未満の、より好ましくは、1μm以上1mm未満の直径を有する。
第1のチャンバおよび第2のチャンバは、一般的に、第1のチャンバと第2のチャンバとを接続する1つまたは複数のチャネルを除いて、互いに分離されている。本明細書において使用されるチャンバは、溶液で満たされるように構成されている。典型的には、チャンバは、入口、チャネル、および出口を除いて、密閉されている。
第1のチャンバは、典型的には、ステップa.におけるコア形成エマルションを第1のチャンバの中へ導入する、特に連続的に導入するための第1の流体入口を有する。第2のチャンバは、ステップb.において第2の水溶液を第2のチャンバの中へ導入する、特に連続的に導入するための第2の入口を有する。第2のチャンバも、ステップc.の間に形成された分散液を第2のチャンバから除去する、好ましくは連続的に除去するための分散液出口を有する。
1つまたは複数のチャネルが各々、第1のチャンバ内への入口開口部と、第2のチャンバ内への出口開口部と、を備えることが理解される。したがって、1つまたは複数のチャネルは、第1のチャンバおよび第2のチャンバに直接接続される。典型的には、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、複数のチャネル、すなわち少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、または少なくとも100個のチャネルによって流体接続される。好ましくは、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、1~10000000個、好ましくは20~500000個のチャネルによって流体接続される。典型的には、チャネルは、実質的に互いに平行に配置される。
例えば、1つまたは複数のチャネルは、0.25~2000μm、好ましくは、2~800μmの範囲の直径を有することができる。膜の複数のチャネルは、典型的には、マイクロチャネルである。例えば、各チャネルは、0.04μm2~4000000μm2、好ましくは4μm2~640000μm2の断面積を有することができる。
さらなる実施形態において、チャネルの長さ/最小直径として定義される各チャネルのアスペクト比は、5~1000、特に、10~500、より特に、10~50である。いくつかの実施形態においては、チャネルの長さは、0.05mm~20mmの範囲の中に、特に0.1mm~20mmの間、特に0.1mm~5mm、特に0.5~20mmの範囲の中にあるようにできる。
特定の実施形態において、各チャネルは、それぞれのチャネルの残りの部分の断面積よりも大きい断面積を有するチャネル出口を備える。長手方向、すなわち、流れの方向に、チャネル出口は、数マイクロメータ、例えば200μm~20mm、好ましくは500μm~5mmという一般的な長さを有する。チャネル出口は、例えば、漏斗状、V字状、またはU字状にすることができる。いくつかの実施形態において、チャネル出口は、楕円形の輪郭を有することができる。特に、チャネル出口は、回転対称ではなく、3以上である長さ/幅の比を有する。したがって、チャネル出口は、円形のまたは四角形の断面を有していなくてもよい。そのようなチャネル出口は、外力なしで液滴の分離(detachment)を可能にする。結果として、第2の水溶液におけるコア形成エマルションの液滴形成は、流速から切り離され、したがって、実質的に流速に依存しない。ヤング・ラプラス方程式によれば、混ざらない液体の界面における圧力は、第2の貯留容器(reservoir)におけるものよりも、チャネル出口において高い。したがって、流れ方向に沿う圧力勾配が生成され、流体スレッドを分離(detachment)して個々の液滴にすることを引き起こす。そのため、流体境界層の分離、したがって個々の液滴の形成を促進する圧力勾配が、チャネルの端部において生成される。チャンネル出口に達すると、チャネルの中および外側の分散相の圧力勾配が、外力なしで液滴を分離する(detaches)。そのようなノズルは、流速を乳化プロセスから切り離すので、好適である。
典型的に、各チャネルは、チャネル壁によって画定される。チャネル壁は、湾曲していてもよい。すなわち、チャネル壁は、チャネル出口に向かって凸状または凹状に形成されてもよい。さらに、各チャネルは、チャネルの残りの断面よりも小さい断面を有するくびれ(constriction)を備えることができ、当該くびれは、チャネル出口に隣接して配置される。したがって、当該くびれは、チャネル出口と、チャネルの残りと、の間に配置される。
さらなる実施形態において、各チャネル出口の断面積は、0.12~36000000μm2、好ましくは、12~5760000μm2である。特に、膜の第2の面の開口の総面積は、300%~1500%、好ましくは、400%~900%であり、主要部分および/またはチャネル入口などの、任意の他の所定の位置におけるチャネルの開口の総面積よりも大きい。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のチャネルは、第1のチャンバを第2のチャンバから分離する膜において構成され得る。そのような実施形態において、当該膜は、平坦、例えば、円盤状にすることができる。膜は、典型的に、第1のチャンバに面する第1の面と、第1の面とは反対側でかつ第2のチャンバに面する第2の面とを有する。したがって、膜の第1の面は、第1のチャンバを部分的に区画することが可能であり、膜の第2の面は、第2のチャンバを部分的に区画することができる。1つまたは複数のチャネル、典型的には、複数のチャネルは、第1の面から第2の面へと膜を通って延在する。各チャネルは、第1の面に配置されたチャネル入口と、第2の面に配置されたチャネル出口と、チャネル入口とチャネル出口との間に配置された主要部分とを備え、チャネル出口は、主要部分の形状から逸脱する形状を備える。
膜は、典型的には、単分子層膜とすることができる。すなわち、膜は、単一の片から作製される。好ましくは、そのような膜は、塊状の材料から作製され、膜の複数のチャネルに加えて、どのような相界面も、またどのような遷移領域も含まない。どのような相界面および遷移も液滴の形成および液滴の安定性に有害であるので、そのような膜は、生成された液滴の品質にとって好適である。
いくつかの実施形態において、膜は、交換可能であってもよい。膜の複数のチャネルは、典型的には、マイクロチャネルである。例えば、各チャネルは、0.04μm2~4000000μm2、好ましくは、4μm2~640000μm2の断面積を有することができる。
さらなる実施形態において、チャネル出口は、楔形であってもよい。特に、チャネル出口は、延在するチャネルに垂直な横断面(transversal plane)に関して、楕円状の断面を備えることができる、すなわち、チャンネル出口は、第2の方向よりも第1の方向に大きくてもよい。
さらなる実施形態において、膜の第2の面は、第1側の開口総面積よりも大きい開口総面積を有する。そのような膜は、高品質の液滴が5L/hまでの流速においても生成されるという利点を有する。いくつかの実施形態において、チャンネルごとの流速は、1μL/h~50mL/hの間、好ましくは10μL/h~5mL/hの間であってもよい。
特定の実施形態において、各チャネル出口は、楕円状の輪郭を有することができる。したがって、チャネル出口は、延在するチャネルに横断し(transverse to)かつ膜の第1の面または第2の面に対して平行である平面に関して楕円状の断面を有することができる。チャネル内のどのようなエッジも不安定でかつ不均質な液滴をもたらし得るので、楕円状の輪郭を有するチャネル出口は、形成された液滴の品質に有益な効果を生じる。
いくつかの実施形態において、膜は、円盤状である。そのような膜は、円形の輪郭を有することができる。あるいは、膜は、角張った輪郭、特に、三角形状または矩形状の輪郭を有してもよい。
さらなる実施形態において、膜は、単位cm2あたり0.06~600000個のチャネル、好ましくは、単位cm2あたり20~30000個のチャネルを備える。
いくつかの実施形態において、膜は、ポリメチル(メタ)クリレートまたはPTFEなどの、ガラスまたはポリマー材料、または鋼など金属材料から作製される。
いくつかの実施形態において、ステップa.における油相は、少なくとも1つの対象化合物をさらに含む。対象化合物は、タンパク質、小さな分子、特に香料(fragrant)また香味(flavor)、カンナビノイド、ヘンプ抽出物(hemp extracts)、カフェイン、メラトニン、またはヒアルロン酸などの医薬品有効成分、抗体、ペプチド、酵素、RNA、DNA、ビタミン、および微生物から選択されてもよい。対象化合物は、例えば、適切な濃度で油相の中へ混合されてもよい。
いくつかの実施形態において、ステップa.は、溶液を形成するためにゲル化誘導剤を水に溶解させることと、形成された溶液を油相および第1の界面活性剤と混合することとを含む。少なくとも1つの対象化合物は、これら実施形態において、油相の中に予め混合されてもよいし、あるいは、形成されたゲル化誘導剤の水溶液を油相と混ぜた後にのみ添加されてもよい。いくつかの実施形態において、形成されたゲル化誘導剤の水溶液を油相および第1の界面活性剤と混合させるステップは、スターラーによって、少なくとも8000rpmで、好ましくは10000rpm~20000rpmの間、例えば、13000rpm~15000rpmの間で撹拌することを含む。
特定の実施形態において、コア形成エマルション中の、特に、油相または水性分散相中の少なくとも1つの対象化合物は、ファージまたは単細胞を含む生体、特に、バクテリア、ウイルスなどの微生物である。いくつかの実施形態において、生体は、コア形成エマルションの中へ、特に、油相または水性分散相の中へ、休眠状態で供給されてもよい。生体の休眠状態が不活性状態と関連することが理解される。
本発明に係る方法は、先行技術の方法に比べてわずかなせん断力だけを働かせるので、生体をカプセル化するのに特に適している。さらに、このカプセル化の効率は、先行技術における既知の方法のものと比べて著しく高い。生体に関しては、90%まであるいは95%までカプセル化の効率を達成することができる。
いくつかの実施形態において、本方法は室温で行われ、このことは、生存能力が増大するので、生体をカプセル化するのに非常に有益である。
さらに、1つまたは複数のチャネルを通じてコア形成エマルションを案内することによって、チャネルの寸法、特に、チャネルの直径が、液滴ごとの生体の量を規定し、したがって、形成されるカプセルごとの有機体の量を規定する。したがって、予め定義されたチャネルの寸法を選択することによって、カプセルごとの有機体の充填の精密な制御が可能である。
少なくとも1つの対象化合物が生体であるいくつかの実施形態において、細胞またはバクテリアなどの生体は、コア形成エマルションの中に、特に油相または水性の分散相の中に添加される前に、培養によって提供される。例えば、培養を、寒天などの適切な栄養培地において行うことができる。特定の実施形態において、生体の有効性が培養の間に監視され、有効性がその最大限に達したときに、生体は、凍結乾燥され、続けて、コア形成エマルションに、特に、オイル相または水性の分散相の中に添加される。
特定の実施形態において、油相または水性の分散相などの、コア形成エマルションまたはその成分、および/または第2の水溶液を脱酸素化することが有益である。脱酸素化は、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスを用いた脱気などの一般的な実験技術によって、または凍結ポンプ解凍技術によって達成され得る。生体がその休眠状態で維持されるので、そのような脱酸素化は有益である。
いくつかの実施形態において、特に、油相または水性の分散相におけるコア形成エマルションは、糖類、電解質溶液などの、生きた微生物のための栄養成分をさらに含む。
特定の実施形態において、特に、油相または水性の分散相におけるコア形成エマルションは、対応する生きた微生物に適したpHを維持するように構成された緩衝液をさらに含む。
いくつかの実施形態において、ステップc.において形成された分散液は、ステップc.の後に、ステップd.の水性シェル形成溶液が入っているゲル化容器へ送られる。したがって、第2のチャンバは、ゲル化容器に流体接続される出口を含んでもよい。特に、ステップc.において形成された分散液は、第2のチャンバからゲル化容器へ連続的に送られる。あるいは、ステップc.において形成された分散液は、第2のチャンバから中間保存容器へと連続的に送られ、中間保存容器では、それがゲル化容器に送られる前に保存できかつ所定量の分散液を集めることができる。これら実施形態において、第2のチャンバの出口は、中間保存容器に流体的に接続できることが理解される。中間保存容器は、ゲル化容器に流体的に接続してもよい。
ゲル化容器を用いた実施形態では、ゲル化容器は、典型的に、ステップc.において形成された分散液をゲル化容器に送る前にステップd.の水性のシェル形成溶液を収容することが理解される。
特別な実施形態において、ステップb.の第2の水溶液中のステップa.のコア形成エマルションの送られた分散液、および水性のシェル形成溶液が、スターラーによって、好ましくは、機械式の撹拌機によって、ゲル化容器内において撹拌される。ステップe.の間、撹拌は、50rpm~150rpmで、好ましくは、100~120rpmで行われてもよい。そのような撹拌速度は、形成されたカプセルの凝集を回避しかつカプセルの一様なサイズの分布をさらに保証するが成長するカプセルまたは生成されたカプセルが破壊されないほど十分に低いために、最適であることが判明した。
いくつかの実施形態では、油相は、中鎖脂肪酸(MCT)、メントール、ひまわり油、などを含むか、またはそれらから構成され得る。
いくつかの実施形態において、第1の界面活性剤は、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、Span80またはSpan85などのSpan誘導体、またはそれらの組み合わせなどの非イオン界面活性剤である。さらに、第1の界面活性剤は、用途に応じて固体粒子であってもよく、好ましくは、ピッカリングエマルションをもたらすために構成された疎水性の、親水性の、またはヤヌス型(Janus-type)の粒子であってもよい。例えば、固体粒子は、コロイドシリカであってもよい。
好ましくは、第1の界面活性剤、特に、非イオン界面活性剤は、600~120000g/molの間の、好ましくは、800~80000g/molの間の、分子量を有する。
非イオン界面活性剤は、コア形成エマルションの中の水性の分散相の微小液滴に対する十分な安定性をもたらすことに適していることが判明した。PGPRは、水性の分散相の微分散液滴が特にチャネルを通じて当該エマルションを案内する間に直ちに破壊されないように、コア形成エマルションを十分に安定化させるが、マトリクス形成剤と反応できるようにステップe.において液滴の界面へのゲル化誘導剤の拡散プロセスの効果をこれが減らすので微小液滴を過度に安定化しないために、PGPRは好適であることが判明した。ステップc.の間に、微小液滴が、コア形成エマルションの中の水性の分散相の微小液滴を破壊し得るかなりのせん断力に曝されるので、安定化は重要である。
いくつかの実施形態において、コア形成エマルションの中の第1の界面活性剤の量は、0.01wt%~0.80wt%の間、好ましくは、0.05wt%~0.12wt%の間である。
いくつかの実施形態において、第2の水溶液の中の第2の界面活性剤の量は、0.5wt%~5wt%の間、特に、1wt%~2wt%である。
いくつかの実施形態において、第2の界面活性剤は、600~120000g/molの間、好ましくは、800~80000g/molの間の分子量を有する。
典型的に、第1の界面活性剤と第2の界面活性剤は相違していて、したがって、同一のものではない。
いくつかの実施形態において、第2の界面活性剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、Tween20またはTween80などのポリソルベート、サポニン、サポゲニン、すなわち、キラヤ抽出物、アラビアゴム、βラクトグロブリン、ドデシル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、カゼインナトリウム、分離ポテトプロテイン(potato protein isolate)(例えば、Solanic300、Avebe(登録商標))、分離ホエイタンパク質、オクテニルコハク酸デンプン、またはそれらの組み合わせから選択される。好ましくは、ポリビニルアルコール、Tween20またはTween80などのポリソルベート、βラクトグロブリン、およびオクテニルコハク酸デンプンから選択される。ポリビニルアルコール、Tween20またはTween80などのポリソルベート、βラクトグロブリン、およびオクテニルコハク酸デンプンに対しては、他の第2の界面活性剤と比べて比較的厚くて安定したシェルが得られる。ポリビニルアルコールは、第2の水溶液の中のコア形成エマルションの液滴の優れた単分散をさらにもたらした。さらに、第2の界面活性剤は、用途に応じて固体粒子であってもよく、好ましくは、ピッカリングエマルションをもたらすために構成された疎水性の、親水性の、またはヤヌス型(Janus-type)の粒子であってもよい。例えば、固体粒子は、コロイドシリカであってもよい。もしPVAを避けるべきであれば、アラビアゴム、Tween20、ポテトプロテイン、ペクチン、またはそれらの混合物が、PVAの代替物としての第2の界面活性剤として、それぞれ使用できる。特に適切な例の中には、1wt%~5wt%、特に、2wt%~4wt%のアラビアゴム(例えば、Agri-Spray Acacia RE、Agrigum(登録商標))の、第2の水溶液中の第2の界面活性剤としての0.25wt%~4wt%、特に、1wt%~2wt%のTweet20との、または第2の水溶液中の第2の界面活性剤として0.5wt%~5wt%、特に、1wt%~3wt%の分離ポテトプロテイン(例えば、Solanic300、Avebe(登録商標))との併用、または0.5wt%~5wt%、特に、0.5wt%~2wt%のペクチン(例えば、シュガービートペクチン、Swiss Beta Pectin、Schweizer Zucker AG(登録商標))の、第2の水溶液中の第2の界面活性剤としての0.25wt%~4wt%、特に、1wt%~2wt%のTweet20との併用が、含まれる。第2の界面活性剤としてのこれらの例に対して、10%未満の変動係数を有するサイズ分布が、容易に可能である。分離ポテトプロテインが第2の界面活性剤として使用されるいくつかの実施形態において、第2の水溶液のpHは、9~11のpH、好ましくは10のpHに調整される。
いくつかの実施形態において、マトリクス形成剤は、多糖類、またはその適切な塩である。適切な塩は、水に完全に溶解できる塩形態である。一般的には、多糖類の塩は、アニオン性の多糖類成分と、適切なカウンターカチオンとから構成される。適切な多糖類は、キトサン、セルロース、アルギン酸塩、特に、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、アガロース、ペクチン、ジェラン、スターチなどから選択される。好ましい多糖類は、アルギン酸塩、好ましくは、アルギン酸ナトリウム、キトサン、カラギーナン、およびセルロース、より好ましくは、アルギン酸塩、好ましくは、アルギン酸ナトリウム、キトサンである。いくつかの実施形態において、多糖類は、pHを調節することによって、例えば、水性のシェル形成溶液のpHを塩基性化することによって、可溶性にすることができる。
いくつかの実施形態において、マトリクス形成剤およびゲル化誘導剤は、水に不溶の形成されたマトリクスが、少なくとも80℃、特に少なくとも90℃の温度で壊れるおよび/または融解するように選択される。そのような実施形態は、カプセルの中の対象化合物が特定の所定の温度で放出されるという利点を有する。これは、例えば、食品添加物として使用されるカプセルが対象である。そのようなカプセルは、そのままであるときには完全に無臭であるが、対象のにおいが調理の間においてのみ解放されるように調理されたときに壊れてもよい。特定の実施形態において、ゲル化誘導剤は、アルカリ土類金属塩、特に、CaCl2などのカルシウム塩、またはKClなどのアルカリ金属塩であってもよく、マトリクス形成剤は、カラギーナン、またはカラギーナンとアルギン酸ナトリウムとの混合物であって、好ましくは2:1~1:2の割合の混合物であってもよい。あるいは、アルギン酸ナトリウムと選択的に組み合わされる寒天が、そのような実施形態においてマトリクス形成剤として使用してもよい。好ましくは、0.25wt%~2wt%、特に、0.5wt%~1.5wt%のカラギーナンが、水性のシェル形成溶液の中に使用される。例えば、水の中において、1.5wt%のカラギーナンがステップd.において水性のシェル形成溶液として使用されれば、80℃で融解し始めるカプセルが形成される。他方、水の中において、0.5wt%のアルギン酸ナトリウムとともに、0.75wt%のカラギーナンが、ステップd.において水性のシェル形成溶液として使用されれば、より安定しかつ約80℃でこじ開けられる(break open)がまだ完全にはまだ融解しないカプセルが形成される。
あるいは、マトリクス形成剤は、ポリカルボン酸塩であってもよい。この場合において、ゲル化誘導剤は、上記したような、ポリカルボン酸塩とのイオン交換を行うと水に不溶なマトリクスを形成できる無機塩であってもよい。あるいは、ゲル化誘導剤は、ポリアンモニウム塩、すなわち、複数のポリアンモニウム基(polyammonium groups)を含むポリマーであってもよい。
代替物として、マトリクス形成剤は、水相に溶解可能であるが油には溶解可能でないモノマーであってもよい。そのようなモノマーは、逐次重合を受けることができるように選択されなければならず、例えば、ジアミンである。この場合において、ゲル化誘導剤は、油相に溶解可能であるが水には溶解可能でない、二酸塩化物(diacid chloride)などのモノマーである。それによって、水に不溶なマトリクスを形成するためのステップの間に界面重合を可能にする。
いくつかの実施形態においては、水性のシェル形成溶液の中のマトリクス形成剤の量は、0.1wt%~2wt%の間、好ましくは、0.5wt%~1.0wt%の間にある。
いくつかの実施形態において、第3の界面活性剤、例えば、Tween20などのポリソルベートが、ステップd.の前に、水性のシェル形成溶液の中に存在するかまたは水性のシェル形成溶液に添加してもよい。そのような第3の活性界面剤は、ゲル化反応を改善することが判明した。
いくつかの実施形態において、ゲル化誘導剤は、無機塩、特に、アルカリ土類金属塩、特に、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属カルボン酸塩、またはアルカリ土類金属硝酸塩、あるいはアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ金属カルボン酸塩、またはアルカリ金属硝酸塩である。ゲル化誘導剤が無機塩であるいくつかの実施形態において、上記に概説したように、ゲル化誘導剤とマトリクス形成剤との間のステップe.における反応は、イオン交換反応、すなわち、イオンチャンネル型のゲル化である。したがって、無機塩(そして、逆もまた同様に、マトリクス形成剤)は、マトリクス形成剤とのその反応の結果として水に不溶な反応産生物が生じるように、選択される。特に適切な塩は、特に、多糖類については、したがって、Kの塩、Mgの塩、Srの塩、またはCaの塩であってもよい。当業者であれば、用語「擬ハロゲン化物」を理解する。「擬ハロゲン化物」は、ハロゲンの多原子類似体として「Pseudohalogenide」とも呼ばれ、その化学的性質は、純粋なハロゲンのものと類似する。非限定的な例の中には、シアン化物、イソシアン化物、シアン酸塩、イソシアン酸塩、メチルスルホニル、およびトリフリルが、含まれる。カルボン酸の非限定的な例には、酢酸塩、ギ酸塩、ラクテート、シュウ酸塩、酪酸塩、コハク酸塩、などがある。ゲル化誘導剤は、室温で水に完全に溶解できるように、すなわち、10g/100mL超の、好ましくは、20g/100mL超の、特に、50g/100mL超の、水への溶解度を有するように、一般的には選択される。安定的なゲル化誘導剤の非限定的な例には、CaCl2、CaF2、乳酸カルシウム、MgCl2、Sr(OAc)2がある。
無機塩は、一般的に、水溶性の塩である。しかし、ゲル化誘導剤として、水に不溶な塩の粉末を使用することも考えられる。例えば、特に粉末としては、CaCO3またはMgCO3を使用することができる場合がある。
いくつかの実施形態においては、ゲル化誘導剤は、光酸発生剤の組成物、すなわち、ジフェニルアイオドニウムナイトレート、および無機塩のキレート、特に、アルカリ土類金属塩またはアルカリ金属塩などの、照射、好ましくは、UV照射を行うと酸を産生するように構成された化合物である。当該キレートは、例えば、カルボン酸のキレートであってもよい。適切な例は、ストロンチウムのキレート、エチレングリコールビス四酢酸であってもよい。ステップe.において行われてもよいUV光の照射を行うと、光酸発生剤が酸を生成し、そして、ストロンチウムイオンを遊離させ、水に不溶な母体のシェル(matric shell)を形成するために、マトリクス形成剤、例えば、アルギン酸ナトリウムと次々に反応させる。
いくつかの実施形態において、ゲル化誘導剤は、CO2またはCO2ジェネレータである。CO2ジェネレータは、特定の条件の下で、CO2を遊離させることができる。例えば、重炭酸塩は、酸の存在下でCO2を遊離させることができる。
いくつかの実施形態において、ゲル化誘導剤は、ブレンステッド酸、例えば、鉱酸、またはカルボン酸であってもよい。この場合において、マトリクス形成剤は、アルギン酸塩、キトサンなどの多糖類と、Ca-Na2-EDTA、Mg-Na2-EDTA、Sr-Na2-EDTAなどの適切な水溶性のアルカリ金属錯体またはアルカリ土類金属錯体と、の組成物であってもよい。
いくつかの実施形態において、コア形成エマルションの中のゲル化誘導剤の量は、1.5wt%~7.0wt%の間、好ましくは、2.0wt%~5.0wt%の間である。
いくつかの実施形態において、アルコール、特に、メタノール、エタノール、またはプロパノールは、ステップd.の前に水性のシェル形成溶液に添加される。アルコールは、微小液滴の界面の方へのゲル化誘導剤の拡散を高めることが判明した。アルコールは、一般的に、10~30wt%の量の水性のシェル形成溶液の中に存在する。アルコールの量は、10~20wt%の間、好ましくは、13~17wt%の間であり、カプセルのコアのサイズ、すなわち、コアの直径は、もっとエタノールが使用される場合よりも大きいことが観察された。例えば、300μmより大きなマイクロカプセルの直径が達成できる。アルコールの量が、20~30wt%の間、好ましくは、23~27wt%の間であれば(その他は同一条件の下で)、カプセルのコアのサイズ、すなわち、コアの直径は、より小さくなる。例えば、300μm未満のマイクロカプセルの直径が達成できる。
いくつかの実施形態において、浸透調整剤(osmosis regulator)が、ステップd.の前に水性のシェル形成溶液に添加される。浸透調節剤は、微小液滴の界面の方へのゲル化誘導剤の拡散を高めるように構成され、それによってシェルの厚さを増やし、カプセルの安定性を高める。浸透調整剤は、上記したようなアルコール、あるいは糖、例えば単糖類または二糖類、すなわち、グルコースまたはフルクトースであってもよい。そのような糖誘導体は、単独で使用してもよいし、上記したアルコールと組み合わせて使用してもよい。
いくつかの実施形態において、構造安定剤が、ステップd.の前に、水性のシェル形成溶液に添加されるかまたはその中に存在してもよい。構造安定剤は、シェルの構造的安定性を高めるように構成された化合物である。例には、アガロース、同様に、キサンタンガムまたはセルロースおよび誘導体、例えば、メチルセルロースまたは微結晶セルロース、などが含まれる。これらは、一般的に、シェル形成溶液の中に存在し、ステップe.の間に成長するシェルにそのとき統合される。
いくつかの実施形態において、ステップd.の水性のシェル形成溶液は、マトリクス形成剤に加えて、ペクチン(例えば、GENU(登録商標)pectin type LM-104AS-FG)などの追加の生体高分子を、構造安定剤として含む。好ましくは、追加の生体高分子は、マトリクスシェルを形成することもできる。
特定の実施形態において、追加の生体高分子は、固体の生体高分子の粒子、例えば、スターチであってもよい。そのような追加の生体高分子と、特に、固体の生体高分子粒子と、を設けることが、生成されたカプセルの機械的強度を高める。
いくつかの実施形態において、追加の生体高分子の濃度、および特に、水性のシェル形成溶液の中の固体の生体高分子の粒子の濃度は、1wt%~10wt%、特に、3wt%~7wt%である。特定の適切な固体粒子は、コーンスターチ粒子などのスターチ粒子である。
いくつかの実施形態において、固体の粒子の粒子サイズは、20μm以下、特に15μm以下である。
いくつかの実施形態において、固体の生体高分子の粒子の粒子サイズに対する、作製されるマイクロカプセルのオイルコアの直径の比は、10:1~100:1の間であり、好ましくは、20:1~60:1である。
いくつかの実施形態において、ステップe.は、室温より高い温度で、特に25℃~95℃の間で、特に40℃~85℃の間で、特に50℃~80℃の間で、特に65℃~80℃の間で、特に70℃~80℃の間で、行われる。さらに、または代替的に、ステップe.の後、形成されたカプセルは、室温より高い温度、特に25℃~95℃の間の温度、特に40℃~85℃の間の温度、特に50℃~80℃の間の温度、特に65℃~80℃の間の温度、特に70℃~80℃の間の温度、に曝露される。例えば、そのような温度への暴露は、5分~60分間、特に、15分~30分間行われてもよい。ステップe.の間またはその後に温度を高めることは、粒子の機械的強度に著しい効果を与えることが判明した。理論に拘束されることを望まないが、生体高分子、例えば、固体のスターチ粒子などは、高められた温度でのゲル化の後に、より広大なネットワークを形成し、カプセルのより高い機械的強度をもたらすと、考えられる。
いくつかの実施形態において、カプセルは、ステップe.の後に、追加の多糖類の溶液に曝露されてもよい。一般的に、それは、ステップd.のマトリクス形成剤とは異なる多糖類であってもよい。適切な多糖類が、キトサン、セルロース、アルギン酸塩、特に、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、アガロース、ペクチン、ジェラン(gellan)、スターチ、など、から選択され、好ましくは、キトサンである。
さらなる実施形態において、1.01bar~1.15bar、好ましくは、1.03bar~1.07barの圧力が、特にステップc.の間に第1のチャンバに加えられる、および/または1.02bar~1.2bar、好ましくは、1.05bar~1.1barの圧力が、特にステップc.の間に第2のチャンバに加えられる。これら圧力の値は、絶対圧に関連する、すなわち、1.01barの圧力は、大気圧に関して0.01barの過圧力となる圧力であることが理解される。
いくつかの実施形態において、第1のチャンバに加えられる圧力は、第2のチャンバに加えられる圧力よりも小さい。第1のチャンバの第1の流体入口を介して第1のチャンバにコア形成エマルションを供給させる圧力によって、第1の圧力は調整できる、および/または第2のチャンバの第2の流体入口を介して第2のチャンバにステップb.の第2の水溶液を供給させる圧力によって、第2の圧力は調整できると理解される。
いくつかの実施形態において、ステップd.における混合は、10rpm~800rpm、好ましくは、50rpm~700rpmで撹拌するスターラーによって行われる。ステップd.の間の混合は、ステップc.において形成された分散液の単分散液滴および/または形成されたカプセルの凝集をさらに回避させるので、有益である。したがって、これが、カプセルの一様なサイズ分布をさらに保証する。一般的には、オーバーヘッドスターラーが使用できる。
特定の実施形態においては、水性のシェル形成溶液は、ステップd.の前においては500rpm~800rpmでスターラーによって撹拌され、ステップd.の間においては50rpm~150rpm、好ましくは、100rpm~120rpmで撹拌される。したがって、ステップc.において形成された分散が、水性のシェル形成溶液と混合される前に、水性のシェル形成溶液は、水性のシェル形成溶液の均一性を保証するために、より精力的に撹拌される。添加している間に、撹拌速度は、減少させられ、したがって、成長するカプセルまたは生成されたカプセルが破壊されないほど十分に低い。
いくつかの実施形態において、ステップe.は、5分~10分間、好ましくは、8分~12分または15分~20分間行われる。ステップe.の反応時間、すなわち、例えばカプセルを水性のシェル形成溶液から分離または単離することによって反応が妨げられるまでの時間は、カプセルの粒子のサイズおよびコアのサイズに直接影響を与える。例えば、ステップe.が8分~12分間行われれば、600μm未満の平均直径を有するオイルコアが達成可能であり、ステップe.が15分~20分間行われれば、600μmより大きな平均直径を有するオイルコアが達成できる。当業者であれば、粒子のサイズを決定するためのいくつかの方法、例えば、異なるメッシュサイズを有する複数の篩を使用する篩分けを知っている。
いくつかの実施形態において、当該方法は、ステップe.の後に、追加の包み込みステップをさらに含み、追加の包み込みステップは浸漬コーティングを特に含んでもよい。追加の包み込みステップは、いくつかの実施形態において、以下のステップを含むことができる。
f.ステップe.において形成されたカプセルを、さらなる水性のシェル形成溶液に浸すステップであって、さらなる水性のシェル形成溶液は、一般的に、ステップd.におけるシェル形成溶液と異なる、ステップ。さらなる水性のシェル形成溶液は、水と、pHに依存するマトリクス形成剤と、を含み、また、さらなる水性のシェル形成溶液は、無機塩、好ましくは、アルカリ土類金属塩またはアルカリ金属塩を選択的に含む。
g.ステップf.のマトリクス形成剤、すなわち、pHに依存するマトリクス形成剤が、水に不溶なマトリクスコーティング(matrix coating)、好ましくは、追加のシェルによるカプセルの十分なコーティング、に変化させられるようにpHを調整するステップ。したがって、結果得られるカプセルは、ステップe.において形成されたマトリクスによって直接包まれたオイルコアであって、ステップg.において形成されたマトリクス、好ましくは異なる材料のマトリクスによって次々に包まれるオイルコアを構成することが可能であり、その結果、マルチコートカプセル(multicoated capsules)をもたらす。
マトリクス形成剤は、多糖類であってもよい。一般的には、それは、ステップd.のマトリクス形成剤とは異なる多糖類であってもよい。適切な多糖類が、キトサン、セルロース、アルギン酸塩、特に、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、アガロース、ペクチン、ジェラン(gellan)、スターチ、などから選択される。好ましい多糖類は、アルギン酸塩、好ましくは、アルギン酸ナトリウム、キトサン、カラギーナン、セルロース、より好ましくは、アルギン酸塩、好ましくは、アルギン酸ナトリウム、キトサン、である。好ましくは、ステップd.のマトリクス形成剤は、アルギン酸ナトリウムであってもよく、ステップf.のマトリクス形成剤は、キトサン、または微結晶カルボキシメチルセルロースであってもよい。
典型的に、pHの調整は、酸性化であり、すなわち、pHを下げる。例えば、pHは、7以上から5以下に、好ましくは、4~5のpHに下げられ得る。
いくつかの実施形態において、カプセルは、2つ以上の追加の層によってコーティングされる。したがって、浸漬コーティングが、異なるマトリクス形成剤を使用して繰り返し行われてもよい。特に、ステップf.およびステップg.は、同じマトリクス形成剤の使用、異なる多糖類などの異なるマトリクス形成剤の使用、あるいはEudragit(登録商標)またはEudraguard(登録商標)などのpH保護被膜の使用のいずれかによって、少なくとも1回は繰り返されてもよい。
いくつかの実施形態において、特に、ステップe.の後に、または選択的にステップg.の後に、形成されたカプセルが単離され、硬化(cured)および/または保存される(preserved)。カプセルの単離は、カプセルを水性のシェル形成溶液から分離するために、例えば、濾過または篩分けを含むことが可能である。カプセルの単離は、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、Tween20または80などのTween誘導体、あるいはPVAなどの界面活性剤を選択的に含有する水によるカプセルの洗浄を、選択的に含むことができる。硬化は、例えば、結合していない水の全てまたは少なくとも大部分を蒸発させるために、例えば気流または凍結乾燥によるカプセルの乾燥を含むことができる。硬化は、CaCl2またはMgCl2溶液などの水性の無機塩溶液の中での、好ましくは、1~10、より好ましくは、1~5wt%の無機塩の水溶液の中でのカプセルの撹拌もさらに含むことができる。これは、カプセルの、特にシェルの安定性および構造的完全性をさらに高める。保存は、蒸留水の中に、あるいはCaCl2またはMgCl2溶液などの水性の無機塩溶液の中に、好ましくは、1~10、より好ましくは、1~5wt%の無機塩の水溶液の中にカプセルを浸すことによって達成できる。そのような保存は、カプセルのベンチ安定性(bench stability)を高めることが判明した。
いくつかの実施形態において、特にステップe.の後に、または選択的にステップg.の後に、カプセルは、溶媒の中でキレート剤の溶液に曝露される。キレート剤は、ゲル化誘導剤によりキレート錯体を形成することができるように、構成される。例えば、キレート化誘導剤が、CaCl2などのカルシウム塩であるならば、キレート剤は、Ca2+を有するキレート錯体を形成することができる。適切なキレート剤は、EDTA、GLDA(N、N-ビス(カルボキシメチル)-L-グルタミン酸4ナトリウム)、MGDA(ジカルボキシメチルアラニン3ナトリウム)、クエン酸塩、酒石酸塩、などのルイス塩基である。溶媒は、一般的には、キレート剤が溶媒に溶解可能でるように、かつ形成されたカプセルと、それぞれ、水に不溶なマトリクスが溶解されないように、選択される。したがって、適切な溶媒は、水であってもよい。カプセルをそのような溶液に所定の期間の間曝露させることによって、キレート剤が、ゲル化誘導剤のいくつかによりキレート化合物、それぞれ、その誘導体を形成するので、カプセルのシェルが弱められる。例えば、ゲル化誘導剤がCaCl2でありキレート化誘導剤がクエン酸ナトリウムであれば、形成されたカプセルのシェルを弱めるクエン酸カルシウムが、形成する。利点は、シェルを弱めることと、したがって、機械的強度とが、精密に制御できるということである。当該弱めることは、例えば、肌クリームなどの化粧品製品において、シェルがかなり早く壊れ、それぞれ、崩壊するようになっている製品に対して、望まれる場合がある。例として、0.001~0.4wt%、特に0.01~0.1wt%のクエン酸ナトリウムが、水に溶解されてもよく、クエン酸カルシウムの量の0.6倍のNaClが、水に選択的に溶解されてもよい。カプセルは、この溶液の中で10分~50分間、特に20分~40分間、撹拌される。NaClの添加は、軟化効果がより類似の方法でカプセルからカプセルへと観察され、カプセルの破壊を少なくするという効果を生じる。
いくつかの実施形態において、第2の水溶液においてコア形成エマルションの分散液を生成するための装置によって、すなわち当該装置において、ステップc.が行われ、当該装置は、ステップa.のコア形成エマルションを供給するための第1の入口であって、第1のチャンバの方へ通じる第1の入口と、第2の水溶液を供給するための第2の入口であって、第2のチャンバに開口し、かつ分散液を集めるための分散出口に開口する第2の入口と、を備える。さらに、当該装置は、第1のチャンバと第2のチャンバとを分離する膜であって、第1のチャンバに面する第1の面と、第2のチャンバに面する第2の面とを備える膜、特に、上記したような膜を備える。膜は、第1の面から第2の面へと延在する、すなわち、第1のチャンバと第2のチャンバとの流体接続をもたらす複数のチャネルを備える。各チャネルは、第1の面に配置されたチャネル入口と、第2の面に配置されたチャネル出口とを備える。第1のチャンバは、一般的に、個々のチャネル全てを通るコア形成エマルションの流速が、実質的に等しいように構成させることができる。本技術の状況では、不均一な圧力分布、特に、コア形成エマルションの不均一な圧力分布では、少ない割合のチャネルのみに液滴を能動的に生産することを可能にするだけである。しかし、第1の面にわたる均一な(equal)圧力分布は、第2の水溶液の中へのコア形成エマルションの安定した流れを可能にし、かつ1時間当たり5リッターまでという高い処理量で、かつ再現可能な品質で、液滴の生成を可能にする。
特定の実施形態において、第2のチャンバは、ガラス、またはPTFE、ポリメチル(メタ)クリレート、またはポリオキシメチレンなどの透明なポリマーで作製してもよいし、あるいはスチール、アルミニウム、またはチタニウムなどの金属で作製してもよい。一般的に、本装置は、ガラス容器などの、第2チャンバを部分的に形成する容器を備えることができる。膜とともに、容器は、第2のチャンバを形成してもよい。いくつかの実施形態において、第1のチャンバは、金属、例えば、アルミニウムまたはスチールで作製してもよいし、あるいは、PTFE、ポリメチル(メタ)クリレート、またはポリオキシメチレンなどの透明なポリマーで作製してもよい。
分散出口は、例えば、ゲル化容器または中間保存容器と流体連通していてもよい。
いくつかの実施形態において、第1のチャンバは、膜の第1の面に沿う圧力が動作状態において実質的に等圧(isobaric)であるように構成される。例えば、第1の入口は、膜の第1の面にわたって等圧分布をもたらすためのノズルを備えることができる。特に、スプレーノズルが使用できる。あるいは、第1のチャンバは、膜の第1の面にわたる等圧分布がもたらされるように形成されてもよい。
さらなる実施形態において、第1のチャンバは、断面平面に関して丸い断面であって、膜に対して垂直であり、かつ中心長手方向軸に関して回転対称な丸い断面を有する。本明細書において使用される用語「丸い断面」は、増分のない(without increments)連続的な曲面、特に、膜に対して垂直である断面平面において少なくとも1mmの、特に、少なくとも5mmの、特に、少なくとも10mmの半径を有する曲面を指す。断面図における曲率が上記の半径を有する円弧の一部として描かれ得ることが理解される。したがって、第1のチャンバの側壁は、互いに向かって上流方向へと連続的に収束することができる。中心長手方向軸は、本装置の長手方向に延在する軸であって、装置の中心に配置される、および/または膜に対して垂直でありかつ膜の中心を横切る軸に対して配置される軸である。例えば、第1のチャンバは、U字形状の断面を有してもよいし、あるいは凹形に丸いまたは半円形状であってもよい。丸い断面は、一般的に、角がなく、したがって、コア形成エマルションが膜を無理に通過させられるときに不均一な圧力分布をもたらす角を含んでいない。好ましくは、第1のチャンバは、球形ドームの形状を有してもよい。第1のチャンバの形状は、一般的に、好ましくは、中心長手方向軸に対して実質的に回転対称であってもよい。
特定の実施形態において、分散出口は、中心長手軸上に、および/または、膜に対して垂直でありかつ膜の中心を横切る軸上に、実質的に配置されてもよい。好ましくは、第2のチャンバは、分散出口に向かって先細にされる。例えば、第2のチャンバの少なくとも一部が、分散出口に向かってアーチ型状に、または円錐状にされてもよい。これら実施形態は、捕捉される(entrapped)液滴は存在せず、全て分散出口を介して直接的に収集することができることを保証する。
いくつかの実施形態において、第1のチャンバは、半球の形状または円錐台の形状を有する。一般的に、半球または円錐台は、膜に向かって開放している、すなわち、最大半径は、一般的に、膜に最も近い。本明細書において使用される用語「半球」は、球の3分の1の部分などの、他の球欠(spherical segment)も含む。したがって、いくつかの実施形態において、第1のチャンバの形状は、球形ドーム(spherical dome)または球形キャップ(spherical cap)である。好ましくは、第1のチャンバが、球形ドームの形状、および/または特に、半球形状を持てば、第1の入口は、第1のチャンバの球形ドームの、特に、半球形状の第1のチャンバの極(pole)の領域に隣接して配置されてもよいし、あるいは当該領域において配置されてもよい。そのような形状は、コア形成エマルションの材料の流れが、膜の第1の面にわたって均一に分布され、それによって、個々のチャネルに隣接する均一な圧力分布をもたらすのに役立つという利点を有する。第1の入口は、例えば、中心長手方向軸に対して実質的に垂直に、すなわち、膜の第1の面に対して実質的に平行に配置されてもよいし、あるいは中心長手方向軸に対しても平行に、すなわち、膜の第1の面に関して垂直に配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、第1の入口は、膜のチャネルに関して実質的に90°以下の角度に配置される。一般的には、全てのチャネルは、互いに対して実質的に平行に配置される。これは、コア形成エマルションが無理に膜上に直接的に位置させられず、それによって、膜の各チャネルにわたって均一な圧力分布をもたらすことをさらに可能にするという有益な効果を生じる。例えば、第1入口と膜のチャネルとの間の角度は、60°~90°の間、特に、75°~90°の間であってもよい。好ましくは、第1の入口は、膜の複数のチャネルに対して、実質的に横断的に、好ましくは垂直に配置される。したがって、そのような実施形態において、第1の入り口は、膜の第1の面に平行であってもよい。
さらなる実施形態において、本装置は、膜を取り付けるための膜ホルダーを備える。
特定の実施形態において、本装置は、容器を保持するための容器ホルダーであって、第2チャンバを部分的に形成する容器ホルダーを備える。容器ホルダーは、膜ホルダーに固定および取り外し可能に接続されてもよい。容器ホルダー、および/または膜ホルダー、および/または台座(basis)は、PTFE、ポリメチル(メタ)クリレート、またはポリオキシメチレンなどのプラスチック材料、または金属、好ましくは、スチールなど、任意の適切な材料から作製できる。
好ましくは、もし容器がガラス容器であれば、ガラス容器の損傷を避けかつガラス容器を密封するために、減衰パッド(damping pad)が、ガラス容器と容器ホルダーとの間に配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、膜ホルダーは、膜を取り付けるための締付け手段を備え、膜ホルダーおよび/または締付け手段は、様々な厚さを有する膜を収容するように構成される。一般的には、締付け手段は、調整可能であってもよい。締付け手段の例には、スクリュー、クランプ、ボルト、ロック、などが含まれる。
いくつかの実施形態において、本装置は、台座(base)を備え、好ましくは、第1のチャンバは、台座によって部分的に形成される。
さらなる実施形態において、台座および/または膜ホルダーは、台座に対しておよび/または膜ホルダーに対して膜をシールするために少なくとも1つのシール部(sealing)を備える。シールリングは、膜の外縁を周方向に完全に囲むように構成できる。シールリングは、第1のチャンバと流体的に連通するガス出口であって、第1のチャンバに存在するどのようなガスも第1のチャンバから出すように構成されたガス出口も備えることができる。
いくつかの実施形態において、台座および/または膜ホルダーは、スペーサーリングを備える。そのようなスペーサーリングは、異なる厚さの膜を使用することを可能にする。
いくつかの実施形態において、第1のチャンバは、ガス出口、特に、例えば、バルブなどの流体スイッチを備える。ガス出口および膜は、第1チャンバ内の気体が、コア形成エマルションを第1のチャンバに供給する間に、特に、第1のチャンバへのコア形成エマルションの第1の/最初の充填の間に、ガス出口の方に向けられて第1のチャンバからガス出口を介して除去されるように、配置される。いくつかの実施例において、膜は、本装置の中心長手方向軸に対して傾斜している。したがって、中心長手方向軸と膜の第1および/または第2の面との間の、断面図における中心長手方向軸に沿った角度は、90°とは異なる。例えば、膜の第2の面と中心長手方向軸との間の鋭角は、45°~89°の間、好ましくは、70°~88°の間、より好ましくは、78°~87°の間であってもよい。そのような実施形態において、ガス出口は、膜と別のチャンバ壁とによって形成された第1のチャンバの上端に配置されてもよい。これは、第1のチャンバに存在するどのような残留ガス、特に空気も、例えば、本装置を使用する前に、膜まで上昇し、膜を傾斜させる配置のために上端の方に、したがってガス出口の方に向けられることを保証する。通常は、膜のチャネルは、空気が通るにはあまりにも狭く、したがって、実施形態において上記されるようなガス出口は、全ての残っているガスを除去することができる。さもなければ、一様な液滴サイズおよび分布に悪影響を及ぼすか、または第1の流体が全てのマイクロチャネルに到達するのを妨げ、それゆえ、処理量を減らすことになる。一般的に、ガス出口は、本装置の環境と流体連通していてもよい。
いくつかの実施形態において、本装置は、コア形成エマルションおよび/または第2の水溶液を加熱するための少なくとも1つの加熱部、および/またはコア形成エマルションおよび/または第2の水溶液を冷却するための少なくとも1つの冷却部、を備える。生成された分散液滴の硬化が、温度変化によって、例えば、分散液を冷却することを可能にすることによって、容易に達成される場合があるので、相のいずれかを加熱または冷却することが、有益である場合がある。一般的に、少なくとも1つの加熱部は、100℃まで、125℃まで、または150℃まで、コア形成エマルションおよび/または第2の水溶液を加熱するのに十分な熱エネルギーを供給することができる。加熱部は、例えば、水浴または油浴などの熱浴を備える。あるいは、加熱部は、IRラジエーター(IR-radiator)、加熱コイル、または他の任意の適切な加熱器であってもよい。
さらなる実施形態において、本装置は、コア形成エマルションのための第1の貯留容器(reservoir)、および/または第2の水溶液のための第2の貯留容器を備える。第1の貯留容器および第2の貯留容器は両方とも加圧されてもよい。例えば、これら貯留容器は、コンプレッサーなどの圧力源に流体接続されてもよい。あるいは、これら貯留容器は、シリンジであってもよいし、または共通のシリンジポンプおよび/またはプランジャー、あるいは蠕動ポンプ、歯車ポンプ、または任意の他のポンピングシステムによって加圧されてもよい。
いくつかの実施形態において、流量制限部が、第2の水溶液のための第2の貯留容器と第2のチャンバとの間に配置される。第2のチャンバは第2の水溶液に対して著しい流量制限を一般的にはもたらさないので、そのような制限部は有益である。したがって、流量制限部を使用することによって、例えば空気圧を変動させることによる意図しない圧力差を避けることができるので、本装置はより安定的である。
さらなる実施形態において、第2の入口は、中心長手方向軸、それぞれ、膜の第1および第2の面に対して垂直でありかつ膜の中心を横切る軸の周りに少なくとも部分的に周方向に配置された供給チャネルを備える。供給チャネルは、第2のチャンバの中への1つまたは複数の開口を備える。「上記した軸の周りに少なくとも部分的に周方向に配置された」は、供給チャネルが、半円または円の3分の1の部分などの部分円の輪郭を有することができることを意味する。好ましくは、供給チャネルは、中心長手方向軸、それぞれ、膜に対して垂直でありかつ膜の中心を横切る軸の周りに完全に周方向に配置される。そのような実施形態において、供給チャネルは、リング状構造を形成する。好ましくは、供給チャネルは、第2のチャンバの中への複数の開口であって、特に供給チャネルの周に沿って実質的に一様に分布した複数の開口を備える。一般的には、供給チャネルの1つまたは複数の開口は、分散出口の方向に、すなわち、これら開口が分散出口に面するようにして、配置されてもよい。供給チャネルを備える実施形態は、生成された微小液滴の一様な形状およびサイズ分布に悪影響を及ぼす有害な乱流を生じさせることなく、第2の水溶液が第2チャンバの中へと均一にかつ円滑に導入できるという利点を有する。いくつかの実施形態において、第2の水溶液が第2のチャンバに供給されるときに渦が生成されるように、供給チャネルの1つまたは複数の開口が配置される。特に、1つまたは複数の開口は管状であってもよく、各管状の開口の長手方向軸は、本装置の中心長手方向軸に関して傾斜させることができる。一般的に、全ての管状の開口が、均一に傾斜させられる。渦の形成は、第1には、第1のおよび/または第2の水溶液に一般的に含まれ得る表面安定剤がより一様に分布させることが可能であり、したがって、形成された分散の安定性を高めるため、また第2には、分散出口への生成された分散の輸送が加速させられるため、有益であり、もし第1のおよび第2の水溶液の密度が実質的に同じであれば特に有益である。
一般的に、供給チャネルは、第2のチャンバの底部に、すなわち、膜に隣接して配置される。供給チャネルも、例えば、膜の周りに周方向に配置されてもよい。供給チャネルは、2mm~100mm、好ましくは、5mm~20mmの直径を有することができる。
あるいは、第2の入口は、第2のチャンバの方に、好ましくは、第2のチャンバの側方から直接通じる単一の入口を構成してもよい。
第2の態様において、全体的な一般的な目標となる技術的課題は、本明細書において記載されるような実施形態のうちのいずれかの方法に基づいて作製された複数のカプセルを備えるカプセルの集合体(assembly)、特に、マイクロカプセルの集合体によって達成される。
カプセルの集合体のいくつかの実施形態において、これらカプセルは、10%以下、特に、8%以下、特に、6%以下、特に、5%以下、特に、4%以下、の変動係数を有する均一なサイズ分布を有する。
当業者であれば、変動係数は、平均μ、すなわち、集合体のカプセルの平均カプセルサイズに対する標準偏差σの比によって計算できることを理解する。
いくつかの実施形態において、カプセルの集合体は、その数が50を超える、特に100を超える、特に500を超える、特に1000を超える、特に10000を超えるカプセルを備え、本明細書において記載された実施形態の内のいずれかに基づく方法に従って作製される。
いくつかの実施形態において、カプセルの集合体の各カプセルは、4mm未満の、好ましくは、1μm~4mm未満の間、より好ましくは、1μm~1mm未満の間の粒子サイズを有する。
いくつかの実施形態において、集合体のカプセル、特に、集合体の全てのカプセルは、完全な球体に対して1%の最大ズレ(maximum difference)を有する。特に、カプセルの表面は、完全な球体に対して5%のまたは最大1%の最大ズレを有する。
いくつかの実施形態において、集合体のカプセルは、水に不溶なマトリクスであって、少なくとも80℃の温度、特に、少なくとも90℃の温度、好ましくは、80℃~100℃の間の温度、好ましくは、70℃~90℃の間の温度で壊れるおよび/または溶解するマトリクスを備える。そのような実施形態は、カプセルの中の対象化合物が、特定の所定の温度で放出されるという利点を有する。これは、例えば、食品添加物として使用されるカプセルが対象である。そのようなカプセルは、損傷を受けていないときには完全に無臭であってもよいが、調理されるときには、調理の間に関心の香りのみが解放されるように壊れてもよい。特定の実施形態において、水に不溶なマトリクスは、カルシウム、カラギーナン、アルギン酸カルシウムアルギン酸カリウム、および/またはカラギーナンカリウム(potassium carrageenan)から成るか、またはこれらを含んでもよい。
第3の態様において、全体的な一般的な目標となる技術的課題は、微小液滴の分散によって達成される。当該分散は、水性の連続相と、分散相の微小液滴とを含む。一般的には、当該分散は、本発明の第1の態様の実施形態のうちのいずれかに基づく方法のステップa.~c.によって形成できる。分散相の微小液滴の各々は、オイル相における水性の分散相のマイクロエマルションである。したがって、各微小液滴の材料の大部分は、オイル相によって形成される。一般的に、オイル相は、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、または少なくとも70wt%のコア形成エマルションを構成することができる。微小液滴の各々の水性の分散相は、水と、溶解したゲル化誘導剤と、を含む。さらに、微小液滴は各々、第1の界面活性剤をさらに含む。水性の分散相は、一般的に、本発明の第1の態様の実施形態のうちのいずれかに基づく方法のステップa.において供給される水性の分散相であってよい。微小液滴の分散は、第2の界面活性剤をさらに含む。
いくつかの実施形態において、油相は、少なくとも1つの対象化合物を含む。対象化合物は、タンパク質、小さな分子、特に芳香性(fragrant)また味(flavor)、カンナビノイド、ヘンプ抽出物(hemp extracts)、カフェイン、メラトニン、またはヒアルロン酸などの医薬品有効成分、抗体、ペプチド、酵素、RNA、DNA、ビタミン、および微生物から選択されてもよい。
いくつかの実施形態において、第1の界面活性剤は、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、Span80またはSpan85などのSpan誘導体、またはそれらの組み合わせなどの非イオン界面活性剤である。さらに、第1の界面活性剤は、適用に応じて固体粒子であってもよく、好ましくは、ピッカリングエマルションをもたらすために構成された疎水性の、親水性の、またはヤヌス型(Janus-type)の粒子であってもよい。例えば、固体粒子は、コロイドシリカであってもよい。
好ましくは、第1の界面活性剤、特に、非イオン界面活性剤は、600~120000g/molの間の、好ましくは、800~80000g/molの間の分子量を有する。
非イオン界面活性剤は、コア形成エマルションの中の水性の分散相の微小液滴に対する十分な安定性をもたらすことに適していることが判明した。PGPRは、水性の分散相の微分散液滴が特にチャネルを通じて当該エマルションを案内する間に直ちに破壊されないように、コア形成エマルションを十分に安定化させるが、マトリクス形成剤と反応できるようにステップe.において液滴の界面へのゲル化誘導剤の拡散プロセスの効果をこれが減らすので微小液滴を過度に安定化しないために、PGPRは好適であることが判明した。
いくつかの実施形態において、コア形成エマルションの中の第1の界面活性剤の量は、0.03wt%~0.15wt%の間、好ましくは、0.05wt%~0.10wt%の間である。
いくつかの実施形態において、第2の界面活性剤は、600~120000g/molの間、好ましくは、800~80000g/molの間の分子量を有する。
一般的には、第1の界面活性剤と第2の界面活性剤は相違していて、したがって、同一のものではない。
いくつかの実施形態において、第2の界面活性剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、Tween20またはTween80などのポリソルベート、サポニン、サポゲニン、すなわち、キラヤ抽出物、アラビアゴム、βラクトグロブリン、ドデシル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ポテトプロテイン(例えば、Solanic300、Avebe(登録商標))、カゼインナトリウム、分離ポテトタンパク質、分離ホエイタンパク質、オクテニルコハク酸デンプン、またはそれらの組み合わせから選択される。好ましくは、ポリビニルアルコール、Tween20またはTween80などのポリソルベート、βラクトグロブリン、およびオクテニルコハク酸デンプンから選択される。ポリビニルアルコール、Tween20またはTween80などのポリソルベート、βラクトグロブリン、およびオクテニルコハク酸デンプンに対しては、他の第2の界面活性剤と比べて比較的厚くて安定したシェルが得られる。ポリビニルアルコールは、第2の水溶液の中のコア形成エマルションの液滴の優れた単分散をさらにもたらした。さらに、第2の界面活性剤は、用途に応じて固体粒子であってもよく、好ましくは、ピッカリングエマルションをもたらすために構成された疎水性の、親水性の、またはヤヌス型(Janus-type)の粒子であってもよい。例えば、固体粒子は、コロイドシリカであってもよい。
いくつかの実施形態において、ゲル化誘導剤は、本発明の第1の態様に関して開示された化学物質である。いくつかの実施形態において、ゲル化誘導剤は、したがって、本発明の第1の態様に関して開示されたような無機塩、特に、アルカリ土類金属塩、特に、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属カルボン酸塩、またはアルカリ土類金属硝酸塩、である。
第4の態様において、本発明は、オイルコアを包むマトリクスシェルを有するカプセルを生成するための装置を含み、当該装置は、
a.油相の中の水性の分散相のコア形成エマルションを供給するための第1の入口(2)であって、水性の分散相が、水と、溶解したゲル化誘導剤とを含み、当該エマルションが、第1の界面活性剤をさらに含む、第1のチャンバ(4)に開口する第1の入口(2)と、
b.第2の水溶液を供給するための第2の入口(3)であって、水溶液が、水と、第2の界面活性剤とを含む、第2のチャンバ(5)の方へ通じる第2の入口(3)と、
c.分散液または微小液滴を第2のチャンバ(5)から収集するための分散液出口/6)と、
d.第1のチャンバ(4)を第2のチャンバ(5)に流体接続させる1つまたは複数のチャネル(10)であって、好ましくは、マイクロチャネルである、1つまたは複数のチャネル(10)と、
e.水性のシェル形成溶液を含むゲル化容器(105)であって、水性のシェル形成溶液が、水と、水溶性のマトリクス形成剤とを含み、好ましくは分散出口(6)に流体的に接続される、ゲル化容器(105)と、
を備える。
本発明の第4の態様の装置は、本発明の第1の態様に関して記載された装置についての実施形態、すなわち、本発明の第1の態様に基づく方法において使用できる装置も含むことができることが理解される。
いくつかの実施形態において、当該装置は、油相の中の水性の分散相のコア形成エマルションを混合するための混合容器、好ましくは、スターラーを備える混合容器を備えていてもよく、水性の分散相は、水と、溶解したゲル化誘導剤とを含み、当該エマルションは、第1の界面活性剤をさらに含む。混合容器は、本装置の第1のチャンバに開口する第1の入口に、流体接続されていてもよい。好ましくは、混合容器は、少なくとも油相を含み、また、油相の中の水性の分散相のコア形成エマルションを選択的にすでに含む。
第5の態様において、全体的な目標となる技術的課題は、本発明の第1の態様の方法の実施形態のうちのいずれかによって生成されるカプセルによって、解決される。
第6の態様において、一般的な目的は、オイルコアを包み込むマトリクスシェルを有するカプセルを生成するための方法によって、達成され、当該方法は、
a.油相の中の水溶性の分散相のコア形成エマルションを、第1のチャンバ内に供給するステップであって、水溶性の分散相は、水と、溶解したマトリクス形成剤とを含み、当該エマルションは、第1の界面活性剤をさらに含む、ステップと、
b.第2のチャンバ内に第2の水溶液を供給するステップであって、第2の水溶液は、水および第2の界面活性剤を含む、ステップと、
を含む。
第1のチャンバおよび第2のチャンバは、1つまたは複数のチャネルによって、好ましくは、マイクロチャネルによって、流体接続される。上記の方法は、
c.ステップb.の第2の水溶液においてステップa.のコア形成エマルションの分散液を形成するために、ステップa.のコア形成エマルションを、第1のチャンバから、1つまたは複数のチャネルを通って、第2のチャンバの中へと案内するステップと、
d.ステップc.において形成された分散液を、水性のシェル形成溶液と混合するステップであって、水性のシェル形成溶液は、水と、水溶性のゲル化誘導剤とを含む、ステップと、
をさらに含む。
ゲル化誘導剤およびマトリクス形成剤は、それらが、水に不溶なマトリクスシェルを形成するために互いとの化学反応を受けることができるように構成される。当該方法は、
e.オイルコアを包みかつ水に不溶なマトリクスシェルのカプセルを形成するために、ステップc.において形成された分散液において、ゲル化誘導剤と、マトリクス形成剤とを反応させるステップ、
をさらに含む。
本発明の第6の態様に基づく方法が、本発明の第1の態様に関して記載された実施形態も含むことができることが理解される。
本明細書に記載の発明は、以下の詳細な説明および添付の図面からより十分に理解されるであろうが、これらは添付の特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものとみなすべきではない。図面は、以下のことを示す。
本発明に係る方法の概略図である。 本発明の第1の実施形態による第2の水溶液中においてコア形成エマルションの分散液を生成するための装置の模式図である。 図2に示される装置の断面図である。 図2に示される装置の一部が切り取られた分解組立図分解組立図である。 本発明の別の実施形態による装置1’の模式図である。 本発明の実施形態による膜の第2の面の模式的拡大図である。 本発明の別の実施形態による装置の部分的な断面図である。 本発明の別の実施形態による装置の断面図である。 本発明の実施形態による方法において使用可能な別の装置を示す図である。 本発明の実施形態による方法によって生成されるカプセルの顕微鏡画像を示す図である。 本発明の実施形態によるカプセルの集合体のサイズ分布を示す図である。 固体のスターチ粒子が水性のシェル形成溶液に添加されたカプセルの機械的特性と、そのような粒子を含まないカプセルの機械的特性との比較を示す図である。 ペクチンが水性のシェル形成溶液に添加されたカプセルの機械的特性と、そのような添加が行われないカプセルの機械的特性との比較を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る方法を模式的に示す。第1のステップにおいて、ゲル化誘導剤と水とを含む溶液101を、油相102と混合することによって、コア形成エマルションが生成される(図1a)。これは、例えば、スターラー103を用いて行うことができる。図1a)は、エマルション中の溶液101の液滴の拡大図も示している。液滴の複数の直線は、水と、その中に溶解したゲル化誘導剤、例えば、無機塩A+-と、を含む液滴を表している。したがって、図1a)に示される全ての液滴は、ゲル化誘導剤の水溶液である。次いで、油相102中のゲル化誘導剤の水溶液101の形成されたエマルションは、適切な装置の第1のチャンバ4内に供給される(図1b)。装置の第2のチャンバ5は、水と第1の界面活性剤とを含む第2の水溶液104を含む。見て分かるように、第1のチャンバ4および第2のチャンバ5は、複数のチャネル10によって流体接続されている。図示の実施形態では、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、第1の面8が第1のチャンバに面し、かつ、第2の面9が第2のチャンバに面する膜7によって分離されている。チャネル10は、第1の面8から第2の面9に向かって延在する。一般的に、適切な圧力が、第1のチャンバ4内のコア形成エマルションに加えられる。次いで、第1のチャンバ4内のエマルションは、チャネル10を通じて案内される。当該エマルションは、一般的に、主要な成分として油相102を含むので、当該エマルションが第2のチャンバ5に開口するチャネル出口に到達すると、ステップ乳化が行われ、それによって、第2の水相104においてコア形成エマルションの分散液、すなわち、単分散液滴103が形成される。液滴のサイズが、分かりやすくするために誇張されていることに注意すべきである。さらに、液滴103および/または106に対する液滴101の相対的なサイズは、実際のものとは似ていない。第2のチャンバ5内の単分散液滴103は各々、液滴の拡大図に示されているように、油相102内で分散された1つまたは複数の液滴101を含んでいる。したがって、第2のチャンバ5内の分散液は、「水中油中水型エマルション(W/O/Wエマルション)」と考えることができる。次いで、この分散液は、水と、水溶性の溶解したマトリクス形成剤とを含む水性のシェル形成溶液108と混合される。水性のシェル形成溶液108が、スターラー107を備えたゲル化容器105に入っている。コア形成エマルションの分散液、すなわち、第2の水相104の中の単分散液滴103が水性のシェル形成溶液108と混合されると、液滴103の中のゲル化誘導剤が液滴表面に向かって拡散する。次いで、液滴103の中のゲル化誘導剤が、水に不溶なマトリクスシェルを形成するためにマトリクス形成剤との界面においてマトリクス形成剤と化学的に反応する。水に不溶なマトリクスセルは、各液滴の周囲で完全に成長し、それによって、オイルコアを包みかつ水に不溶なマトリクスシェルのカプセル106を形成する。
図2は、本発明による方法、特に、第2の水溶液の中でコア形成エマルションの分散液を生成するための方法に使用可能な装置1を示す。装置1は、ガラス製の容器19と、金属製の台座14とを備える。台座14は、コア形成エマルションを供給するための、第1のチャンバに開口する第1の入口(図示せず、図2を参照)を備える。第1のチャンバは、台座14および膜7によって部分的に形成され得る(図3を参照)。容器19は、第2の水溶液104を供給するための、第2のチャンバに開口する第2の入口3と、第2のチャンバ内で生成された分散液を収集するための分散出口6とを備えている。第2のチャンバは、容器19および膜7によって形成されている(図3を参照)。装置1は、台座14に固定的に接続された膜保持構造20をさらに備えている。さらに、この装置は、締付け手段18を介して膜保持構造20に固定的に接続される容器保持構造21を含む。結果として、容器19は、台座14に固定的に接続される。
図3は、図2の装置1の断面図である。装置1は、コア形成エマルションを供給するための第1の入口2を有する台座14を備える。入口2は、台座14によって部分的に形成された第1のチャンバ4に開口している。装置1は、第2の水溶液104を供給するための第2の入口3と、第2の水溶液の中のコア形成エマルションの分散液を収集するための分散液出口6とを有する容器19をさらに含む。第2の出口3は、容器19によって部分的に形成される第2のチャンバ5に開口している。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、膜7によって分離されている。図2から直ちに分かるように、第1のチャンバは、中心長手方向軸15沿った断面であって、膜7に対して垂直な断面に対して丸い断面を有する。図示される特定の実施形態において、第1のチャンバ4は、半円形状の断面を有し、したがって、半球の形状を有することができる。第1の入口2は、半球の極13の領域に配置されている。第2のチャンバ5は、長手方向軸15上に配置される分散出口6に向かって先細になっている。長手方向軸15は、装置の長手方向に沿って延在し、第1および第2のチャンバの中心と交差し、膜7に対して垂直であり、膜の中心と交差する。図から分かるように、長手方向軸15は、長手方向において装置の中心軸となる。図示されている実施形態において、第2のチャンバは、分散出口6に向かってアーチ状に形成されている。したがって、第2のチャンバ6は、U字形状の断面を有する。第1の入口2は、中心軸15に対して、および一般的に軸15に平行である膜のチャネルに対して、実質的に90°の角度αで配置されている。装置1は、取り外し可能な締付け手段18を介して互いに固定的に接続された、膜ホルダー20および容器ホルダー21を備えている。膜7は、膜ホルダー7と台座14との間で膜を締め付けることによって、膜ホルダー20に取り付けられる。膜ホルダー20は、締付け手段18を介して台座14に固定的に接続される。ガラス容器19を膜ホルダー20と容器ホルダー21との間に安全に固定するために、特定の場合にはフォームパッドであるパッド23が容器19と容器ホルダー21との間に配置され得る。膜ホルダー20は、容器19を受容するための溝22を備えている。
図4は、部分的に切り取られた図2の装置1の分解組立図を示す。図から分かるように、第1のチャンバは、台座14によって部分的に形成され、半球の形状を有する。第1の入口2は、中心軸15に対して実質的に90°の角度で配置され、半球の極に配置される。台座14は、異なる厚さを有する異なる膜の使用を可能にするスペーサーリング16を備えている。膜ホルダー20は、シールリング17を備えている。膜7は、リング16と17との間に配置される。調整可能な締付け手段18を有する装置1の設計は、様々な厚さの膜を使用することを可能にする。膜ホルダー20は、容器19の下端部を受容するための周方向溝22をさらに備えている。締付け手段18は、膜ホルダー20を容器ホルダー21に対して固定的にかつ取り外し可能に接続する。
図5は、本発明の好ましい実施形態にしたがって使用され得る装置1の模式図を示す。第2のチャンバ5は、容器19と、第1のチャンバ4を第2チャンバ5から分離する膜7とによって形成される。容器19は、生産物容器29および廃棄物容器30と流体接続された分散液出口6を備えている。一般的に、流体の流れは、三方弁などのバルブによって制御され得る。装置1は、第1のチャンバ4と流体連通する第1の貯留容器24をさらに備えている。第1のチャンバ4は、第2の入口2を介して第1のチャンバ4の中へコア形成エマルションを供給するための貯留容器としてのみ機能するか、あるいは、コア形成エマルションを作製するための混合容器として機能し得る。第1の貯留容器24と第1の入口2との間には、コア形成エマルションの流体流れを測定するための流量計が配置されている。第1の貯留容器24は、圧力源32と流体接続されている。さらに、圧力調整器27aが、第1の貯留容器24と圧力源32との間に配置されている。第1の貯留容器24に加えて、装置1は、第1のチャンバ4と圧力源32との両方に流体連通する濯ぎ液貯留容器31を備えている。濯ぎ液貯留容器31は、装置1をその目的の使用後に洗浄するために濯ぎ液を第1のチャンバ4の中へ供給するように構成されている。一般的には、濯ぎ液が第1のチャンバ4に供給されれば、生産物容器29と、廃棄物容器30と、分散出口6との間に配置された三方弁は、濯ぎ液が廃棄物容器30の中へ流れることができるように構成されている。生産物容器29は、例えば、ゲル化容器として直接的に機能することができる。あるいは、生産物容器29は、形成された分散液が水性のシェル形成溶液と混合される前の中間保存容器として機能することもできる。装置1は、分散相を生成する間に第1および第2のチャンバを加熱するように構成された加熱部33をさらに備えている。さらに、第2のチャンバ5は、第2のチャンバ5に第2の水溶液を供給するための第2の貯留容器25と流体連通している。流量制限部26および流量計28が、第2のチャンバ5と第2の貯留容器25との間に配置されている。図示されている実施形態では、流量制限部26は、流れ方向において流量計28の後方に配置されている。第2の貯留容器25は、さらに、圧力源32と流体接続されている。さらに、第2の圧力レギュレータ27bが、第2の貯留容器25と圧力レギュレータ27aとの間に配置されている。
図6は、第2の水溶液の中でコア形成エマルションの分散液を生成するための単層膜7を示す。単層膜7は、本明細書に開示された実施形態のいずれかに記載されるような方法および/または装置において使用可能である。膜7は、第1の面8(図示せず)と、作動状態においては第2のチャンバに面する第2の面9とを有する。複数のマイクロチャネル10は、膜7を貫通している。各チャネル10は、楕円形の輪郭を有する。さらに、膜7は、膜の外周を完全に取り囲む膜シールリング44を備えている。
図7は、本発明の実施形態において使用可能な装置の部分的な断面図である。装置1は、コア形成エマルションを供給するための第1の入口2を有する。第1の入口2は、丸い断面を有する第1のチャンバに開口している。図示されている実施形態では、第1のチャンバ4は、対応する仮想の完全な球の半径よりも小さい半径をドームの基部において有する球形ドームの形状を有する。第2のチャンバ5は、容器19によって、少なくとも部分的に画定される。この装置は、第2の水溶液の中のコア形成エマルションの生成された分散液を収集するための分散液出口6をさらに備えている。対応する膜は、より良く可視化するために示されていない。第2のチャンバ5に向かって開口する第2の入口は、図示の実施形態では、供給チャネル34を備えている。供給チャネル34は、中心長手方向軸15の周りに、および/または、膜の第1の面および第2の面に対して垂直でありかつ膜の中心と交差する軸の周りに、周方向に配置されている。供給チャネル34は、第2のチャンバ5の中への複数の開口部35を備えている。複数の開口部35は、供給チャネルの周に沿って均一に分布し、分散液出口7の方向に配置されている。図示されている実施形態では、供給チャネル34は、リング状構造を形成し、第2のチャンバ5の底部、すなわち、膜および容器19の端部に配置されている。図示されている実施形態では、供給チャネルは、角形の断面を有する。あるいは、供給チャネルは、丸い断面、特に、円形の断面を有していてもよい。
図8は、図7に示される装置の別の実施形態の断面図である。装置1は、コア形成エマルションを供給するための第1の入口2を有する。第1の入口2は、丸い断面を有する第1のチャンバに開口している。図示される実施形態では、第1のチャンバ4は、球形ドームの形状を有する。膜7は、第1のチャンバ4を第2のチャンバ5から分離する。図2に示される実施形態とは対照的に、膜は、装置1の中心長手方向軸15に対して傾斜している。断面図における中心長手方向軸に沿う、中心長手方向軸と膜の第2の面との間の鋭角βは、45°~89°の間、好ましくは、70°~88°の間、より好ましくは、78°~87°の間である。装置1は、ガス出口36をさらに備える。ガス出口および膜は、第1のチャンバ内のガスが、コア形成エマルションを第1のチャンバに供給する間、特に、第1の充填の間に、ガス出口の方に向かって導かれ、ガス出口36を介して第1のチャンバ4から除去されるように配置される。図から分かるように、ガス出口36は、第1のチャンバ4の上端に配置される。第1のチャンバ4は、膜7およびチャンバ壁によって形成される。チャンバ壁は、台座14の一部である。第1のチャンバ4をコア形成エマルションで最初に充填する前に、ガス、特に空気が第1チャンバ内に存在する。第1のチャンバ4にコア形成エマルションを充填すると、空気がガス出口36から押し出される。膜7とガス出口36の配置により、実質的に全てのガスを、第1のチャンバ4から除去することができる。残留するガス、特に気泡は、圧力分布に有害な影響を及ぼすので、このような構成によりサイズおよび粒子分布がより均一になる。
図9は、本発明による方法において使用可能な別の装置の断面図である(図1bを参照)。この装置は、マイクロチャネル10を介して第2のチャンバ5と流体接続された第1のチャンバ4を備えている。したがって、第1のチャンバ内に、油相の中の水性の分散相のコア形成エマルションを供給可能である。水性の分散相は、水と、溶解したゲル化誘導剤とを含む。当該エマルションは、第1の界面活性剤をさらに含む。次いで、このエマルションは、マイクロチャネル10を介して、第1のチャンバから、第2のチャンバ5内へ案内される。第2のチャンバ5には、水と第2の界面活性剤とを含む第2の水溶液が入っている。次いで、当該エマルションが、水性のシェル形成溶液を含むゲル化容器(図示せず)内へ移送される。
図10aは、本発明による方法によって作製されたカプセルであって、270μmの平均コア直径を有する均一なサイズ分布を有するカプセルの顕微鏡画像を示す。図10bは、本発明による方法によって作製されたカプセルであって、550μmの平均コア直径を有する均一なサイズ分布を有するカプセルの顕微鏡画像を示す。
図11は、本発明の実施形態による、MCTオイルコアを有するアルギン酸塩カプセルの集合体のサイズ分布を示す。左側のサイズ分布は、カプセル全部のシェル厚さの分布を示す。カプセルの集合体の平均シェル厚さは、94μmである。中央のグラフは、各カプセルのオイルコアの平均直径が265μmであり、変動係数が2.4%であることを示している。右側のグラフは、カプセルの集合体の総サイズ分布、すなわち、シェル厚さおよびオイルコア直径が2倍であることを示す。カプセルの平均粒径は453μm、変動係数は3.9%である。
図12は、(a)実質的にアルギン酸カルシウムから成るシェルをもたらす1wt%のアルギン酸ナトリウムのみを含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルの、(b)1wt%のNa-アルギン酸と、15μm以下の粒子サイズを有する5wt%のコーンスターチの固体粒子と、を含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルの、(c)1wt%のNa-アルギン酸と、15μm以下の粒子サイズを有する5wt%のコーンスターチの固体粒子と、を含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルであって、カプセルの焼き戻し(tempering)が75℃で行われる、カプセルの、(d)(c)に基づくカプセルであって、28日後のカプセルの、測定されたバネ性(◆)、保持力(●)、ピーク力(▲)を示す。図から分かるように、スターチなどの追加の生体高分子を使用することは、シェル形成剤としてアルギン酸塩のみを使用する場合と比べて大幅な増加をもたらす((a)と(b)を比較)。さらに、カプセルを加熱すると、使用されるスターチ自体が、より顕著なネットワークを生成するので、さらなる機械的強度をもたらす((a)/(b)と(c)を比較)。さらに、(d)によって証明されるように、観察される効果は、経時的に安定している。
これらのパラメータを測定するために、粒子よりも大きな直径を有する平坦な幾何学的形状を有する圧縮要素によって、カプセルが0.5mm/sの一定の圧縮速度で25%の歪みとなるまで圧縮され(点1から点2まで)る。その後、0.5mm/sの同じ一定の圧縮速度で開始位置に戻される(点2から点3まで)。バネ性(すなわち、カプセルの弾性)は、収縮(retraction)および圧縮の力-距離曲線(force distance curve)のもとでの面積の比である(2~3および1~2)。ピーク力は、25%歪みにおける最大力に相当する(点2)。
保持されるエネルギーを測定するために、粒子よりも大きな直径を有する平坦な幾何学形状を有する圧縮要素によって、カプセルが0.5mm/sの一定の圧縮速度で25%の歪みとなるまで圧縮される。圧縮要素が0.5mm/sより大きい速度で収縮される前に、この位置(position)が15分間保たれる。保持されるエネルギー、すなわち保持力は、25%の歪みの圧縮の終了時の力と開始時の力との比である。
図13は、(a)実質的にアルギン酸カルシウムから成るシェルをもたらす1wt%のNa-アルギン酸のみを含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルの、(b)0.67wt%のNa-アルギン酸と、1.33wt%のペクチンと、を含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルの、(c)0.67wt%のNa-アルギン酸と、1.33wt%のペクチンと、を含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルであって、カプセルが、さらに、10分~30分間、水性のキトサン溶液(2wt%)に浸されることによってキトサンでコーティングされる、カプセルの、(d)0.67wt%のNa-アルギン酸と、1.33wt%のペクチンと、を含むステップd.における水性のシェル形成溶液を使用して作製されたカプセルであって、カプセルが、さらに、10分~30分間、水性のキトサン溶液(2wt%)に浸されることによってキトサンでコーティングされ、かつカプセルの焼き戻しが、90℃で行われる、カプセルの、測定されたバネ性(◆)、保持力(●)、ピーク力(▲)を示す。
以下の表は、本発明による方法において使用可能な適切なレシピを示す。
Figure 2023549245000002
Figure 2023549245000003
Figure 2023549245000004
第2の水相は、PVAの1wt%の水溶液である。

Claims (25)

  1. オイルコアを包むマトリクスシェルを有するカプセルを生成するための方法であって、前記方法は、
    a.油相において水溶性の分散相のコア形成エマルションを、第1のチャンバ内に供給するステップであって、前記水溶性の分散相は、水およびゲル化誘導剤を含み、前記エマルションは、第1の界面活性剤をさらに含む、ステップと、
    b.第2のチャンバ内に第2の水溶液を供給するステップであって、前記水溶液は、水および第2の界面活性剤を含む、ステップと、
    を含み、
    前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバは、1つまたは複数のチャネルによって、好ましくは、マイクロチャネルによって、流体接続され、
    前記方法は、
    c.前記ステップb.の第2の水溶液において前記ステップa.の前記コア形成エマルションの分散液を形成するために、前記ステップa.の前記コア形成エマルションを、前記第1のチャンバから前記1つまたは複数のチャネルを通って前記第2のチャンバ内へ案内するステップと、
    d.前記ステップc.において形成された前記分散液を、水性のシェル形成溶液と混合するステップであって、前記水性のシェル形成溶液は、水と、水溶性のマトリクス形成剤とを含む、ステップと、
    をさらに含み、
    前記ゲル化誘導剤および前記マトリクス形成剤は、互いに化学反応を生じて、水に不溶なマトリクスシェルを形成できるように構成され、
    前記方法は、
    e.オイルコアを包み、かつ、水に不溶なマトリクスシェルのカプセルを形成するために、前記ステップc.において形成された前記分散液において、前記ゲル化誘導剤と前記マトリクス形成剤とを反応させるステップと、
    をさらに含む、
    方法。
  2. 前記ステップa.における前記油相は、少なくとも1つの対象化合物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップa.は、
    溶液を形成するために、前記ゲル化誘導剤を水の中に溶解させるサブステップa1.と、
    形成された前記溶液を前記油相および前記第1の界面活性剤と混合するサブステップa2.と、
    を含む、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ステップc.の後に、前記ステップc.において形成された前記分散液が、前記ステップd.の前記水性のシェル形成溶液が入っているゲル化容器へ送られる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ステップb.の前記第2の水溶液における前記ステップa.の前記コア形成エマルションの送られた前記分散液、および前記水性のシェル形成溶液を、前記ゲル化容器内で撹拌するステップを、さらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の界面活性剤は、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、またはSpan80またはSpan85などのSpan誘導体などの、非イオン界面活性剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第2の界面活性剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、Tween20またはTween80などのポリソルベート、サポニン、サポゲニン、すなわち、キラヤ抽出物、アラビアゴム、βラクトグロブリン、ドデシル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、カゼインナトリウム、分離ポテトプロテイン、分離ホエイタンパク質、オクテニルコハク酸デンプン、から選択され、好ましくは、ポリビニルアルコール、Tween20またはTween80などのポリソルベート、βラクトグロブリン、およびオクテニルコハク酸デンプンから選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記マトリクス形成剤は、多糖類、またはその塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ゲル化誘導剤は、無機塩、特に、アルカリ土類金属塩、特に、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属カルボン酸塩あるいはアルカリ土類金属硝酸塩、または、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ金属カルボン酸塩あるいはアルカリ金属硝酸塩である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. アルコールまたは糖などの浸透作用調整剤が、前記ステップd.の前に、前記水性のシェル形成溶液に添加される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 1.01bar~1.15bar、好ましくは、1.03bar~1.07barの圧力が、前記第1のチャンバに加えられ、および/または、1.02bar~1.2bar、好ましくは、1.05bar~1.1barの圧力が、前記第2のチャンバに加えられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記第1のチャンバに加えられる前記圧力は、前記第2のチャンバに加えられる前記圧力よりも小さい、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ステップd.における混合は、10rpm~800rpm、好ましくは、50rpm~700rpmで撹拌するスターラーによって行われる、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記水性のシェル形成溶液は、ステップd.の前においては500rpm~800rpmでスターラーによって撹拌され、ステップd.の間においては50rpm~150rpm、好ましくは、100rpm~120rpmで撹拌される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ステップe.は、5分~25分間、好ましくは、8分~12分間または15分~20分間行われる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ステップe.の後に、前記カプセルは、浸漬コーティングによって、追加の層でコーティングされる、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記カプセルは、2つ以上の追加の層でコーティングされる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ステップe.の後に、形成された前記カプセルは、単離され、硬化および/または保存される、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. カプセル、特にマイクロカプセルの集合体であって、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法に基づいて生成された複数のカプセルを含む、集合体。
  20. 前記カプセルは、10%以下の変動係数を有する均一なサイズ分布を有する、請求項19に記載の集合体。
  21. 微小液滴の分散液であって、
    前記分散液は、水性の連続相と、分散相の微小液滴と、を含み、
    前記分散相の微小液滴の各々は、油相における水性の分散相のマイクロエマルションであり、
    前記水性の分散相は、水と、溶解したゲル化誘導剤とを含み、
    微小液滴は各々、第1の界面活性剤をさらに含み、
    微小液滴の前記分散は、第2の界面活性剤をさらに含む、
    分散液。
  22. 前記油相は、少なくとも1つの対象化合物を含む、請求項21に記載の分散液。
  23. 前記第1の界面活性剤は、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、またはSpan80またはSpan85などのSpan誘導体などの、非イオン界面活性剤であり、および/または、
    前記第2の界面活性剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、Tween20またはTween80などのポリソルベート、サポニン、サポゲニン、すなわち、キラヤ抽出物、アラビアゴム、βラクトグロブリン、ドデシル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、カゼインナトリウム、分離ポテトプロテイン、分離ホエイタンパク質、オクテニルコハク酸デンプン、から選択され、好ましくは、ポリビニルアルコール、Tween20またはTween80などのポリソルベート、βラクトグロブリン、およびオクテニルコハク酸デンプンから選択される、
    請求項21または22に記載の分散液。
  24. 前記ゲル化誘導剤は、無機塩、特に、アルカリ土類金属塩、特に、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属カルボン酸塩、またはアルカリ土類金属硝酸塩である、
    請求項21~23のいずれか1項に記載の分散液。
  25. オイルコアを包むマトリクスシェルを有するカプセルを生成するための装置であって、前記装置は、
    a.油相の中の水性の分散相のコア形成エマルションを供給するための第1の入口(2)であって、前記水性の分散相が、水と、溶解したゲル化誘導剤とを含み、前記エマルションが、第1の界面活性剤をさらに含む、第1のチャンバ(4)に開口する第1の入口(2)と、
    b.第2の水溶液を供給するための第2の入口(3)であって、前記水溶液が、水と、第2の界面活性剤とを含む、第2のチャンバ(5)に開口する第2の入口(3)と、
    c.分散液または微小液滴を前記第2のチャンバ(5)から収集するための分散液出口(6)と、
    d.前記第1のチャンバ(4)を前記第2のチャンバ(5)に流体接続させる1つまたは複数のチャネル(10)であって、好ましくは、マイクロチャネルである、1つまたは複数のチャネル(10)と、
    e.水性のシェル形成溶液を含むゲル化容器(105)であって、前記水性のシェル形成溶液が、水と、水溶性のマトリクス形成剤とを含み、好ましくは前記分散液出口(6)に流体接続される、ゲル化容器(105)と、
    を備える、
    装置。
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