以下、本発明の一実施形態を示す遊技機としてパチスロ機を例に挙げ、図面を参照しながら、その構成及び動作について説明する。
[機能フロー]
まず、図1を参照して、パチスロ機の機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロ機にメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値という)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部当籤役決定手段は、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。内部当籤役の決定により、後述の有効ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出しが行われる小役、再遊技(リプレイ)の作動が行われるリプレイ、ボーナスの作動が行われるボーナス役などのように特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、最大滑り駒数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第二種特別役物であるチャレンジボーナス(以下、「CB」という)及び「CB」を連続して作動させる「MB」(ミドルボーナス)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1駒分)内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン19L、19C、19Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段もまた、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロ機では、以上のような一連の流れが1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロ機では、上述した一連の遊技動作の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
具体的には、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値という)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機では、例えば、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態におけるパチスロ機の構造について説明する。
<外観構造>
図2は、パチスロ機1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ機1は、図2に示すように、外装体2を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有する。キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。把手7は、パチスロ機1を運搬するときに運搬者の手がかけられる凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられる。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rともいう。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bの中央よりも上側には、上パネルユニット10と、液晶表示装置11とが設けられる。上パネルユニット10は、フロントドア2bの上端領域に設けられ、液晶表示装置11は、上パネルユニット10の下側に配置される。上パネルユニット10は、光源を有し、該光源から射出される光による演出を実行する。また、液晶表示装置11は、映像の表示による演出を実行する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が設けられる。台座部12には、枠部材13と、遊技者の操作対象となる各種装置とが設けられる。
枠部材13は、図柄表示領域4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15とを有する。図柄表示領域4及び情報表示窓14は、図2に示すように、枠部材13の開口部に設けられ、ストップボタン取付部15は、枠部材13の開口部の下部に設けられる。
図柄表示領域4は、正面(遊技者側)から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する領域で、かつ、3つのリール3L,3C,3Rより手前側(遊技者側)に配置される。図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後(キャビネット2a側)に配置された3つのリール3L,3C,3Rが透過して視認できる構成になっている。それゆえ、以下では、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リールの周面に設けられた複数の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)が表示される。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられ、かつ、その情報表示面の面方向が上方に向くように配置される。なお、情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能な構成になっている。
また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の情報表示面と対向するシート載置部17を有する。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置される。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われており、窓カバー16は情報シートの取付部となる。
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、かつ、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有するので、情報シートの取付部を介してパチスロ機1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。なお、情報シートの交換については、後で図4を参照して説明する。
本実施形態では、上述のように、枠部材13の開口部において、情報表示窓14がリール表示窓4と連続して形成される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。情報表示窓14が、リール表示窓4と連続して形成されていなくてもよい。すなわち、リール表示窓4の開口部と情報表示窓14の開口部とが、上下方向に並んで配置されるような構成にしてもよい。
ストップボタン取付部15は、面形状が略台形の平板部材で構成される。そして、ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられ、かつ、略台形状の面が正面(遊技者側)に向くように設けられている。ストップボタン取付部15の略台形状の面には、3つのストップボタン19L,19C,19Rがそれぞれ貫通する3つの貫通孔が横並びに設けられる。
3つのストップボタン19L,19C,19Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられ、各ストップボタンは、対応するリールの回転を停止するために設けられる。これらのストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者の操作対象となる各種装置の一つである。なお、以下では、ストップボタン19L,19C,19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rともいう。
また、台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置として、ストップボタン以外に、メダル投入口20、MAXベットボタン21、1ベットボタン22及びスタートレバー23が設けられる。
メダル投入口20は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口20から受け入れられたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる。すなわち、パチスロ機1は、いわゆるクレジット機能を有する。
MAXベットボタン21及び1ベットボタン22は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。また、スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、正面から見て、フロントドア2bのリール表示窓4の左側部には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられる。7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。さらに、フロントドア2bのリール表示窓4の右側部には、選択ボタン25(チャンスボタン)が設けられる。選択ボタン25は、遊技性等の選択操作が必要となった場合に遊技者に押下されるボタンである。なお、選択ボタン25は、後述の副制御基板72に接続され、選択ボタン25の押下の検出及びそれに基づく選択操作の制御は副制御基板72により行われる。
フロントドア2bの台座部12の両側には、それぞれサイドパネルユニット26L,26Rが設けられる。各サイドパネルユニットは、光源を有しており、光源から射出される光による演出を実行する。また、左側のサイドパネルユニット26Lの下方には、精算ボタン27が設けられる。精算ボタン27は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
フロントドア2bの台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられる。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を射出する光源とを有する。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34とが設けられる。メダル払出口32は、後述のホッパー装置51(メダル払出装置)の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダルトレイユニット34は、メダル払出口32から排出されたメダルを貯める。スピーカ用孔33L,33Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力するために設けられる。
[内部構造]
次に、パチスロ機1の内部構造を、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。図3は、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じられ状態を示す図である。また、図4は、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開放された状態を示す図である。
キャビネット2aは、箱状部材であり、上面板と、底面板と、左右の側面板と、背面板とを有する。キャビネット2a内部の上側には、例えば、効果音を出力するためのキャビネット側スピーカ42が設けられる。
キャビネット側スピーカ42の一方の側部(図3及び図4では左側)には、キャビネット側中継基板44が配設される。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述の主制御基板71(後述の図5参照)と、ホッパー装置51、後述のメダル補助収納庫スイッチ75(後述の図5参照)及びメダル払出カウントスイッチ(不図示)とを電気的に接続するための中継基板である。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設される。また、図3及び図4には図示しないが、キャビネット2a内部を正面(遊技者側)から見て、アンプ基板45の他方の側部(図3及び図4では右側)には、後述の外部集中端子板47(後述の図5参照)が配設される。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられる。
キャビネット2aの内部の下部には、ホッパー装置51(メダル払出装置)、メダル補助収納庫52及び電源装置53が配設される。
ホッパー装置51は、キャビネット2aの底面板の略中央部に取り付けられる。ホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は、精算ボタン27が押下されてメダルの精算が行われるときに、メダルを払い出す。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。メダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置される。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bとを有する(後述の図5参照)。電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置される。電源装置53は、交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換し、該変換した電力を各部へ供給する。
ミドルドア41は、図3及び図4に示すように、フロントドア2bの裏面の略中央部に配設され、フロントドア2bに対してリール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に取り付けられている。
ミドルドア41には、図3及び図4に示すように、後述の主制御基板71(後述の図5参照)が収納された主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rとが取り付けられている。また、図示しないが、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれには、所定の減速比を有するギアを介してステッピングモータ(図柄変動手段)が接続されている。
本実施形態では、フロントドア2bに対してミドルドア41を開くと、図4に示すように、窓カバー16の裏面とシート載置部17とがフロントドア2bの裏面に露出される。上述のように、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間には、遊技に関する情報が記載された情報シートが配置される。この情報シートは、ミドルドア41を開いて窓カバー16の裏面及びシート載置部17を露出させた状態で、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間に形成された間隙に挿入される。また、情報シートを交換する場合も、ミドルドア41を開いてから情報シートの交換作業が行われる。
図3及び図4には示さないが、主制御基板ケース55には、後述の設定用鍵型スイッチ56(後述の図5参照)が設けられる。設定用鍵型スイッチ56は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。本実施形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71とにより、主制御基板ユニットが構成される。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述の主制御回路91(後述の図6参照)を有する。なお、主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成については、後で図面を参照しながら詳述する。
フロントドア2bのミドルドア41の上部には、後述の副制御基板72(後述の図5参照)が収容された副制御基板ケース57が配設される。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(後述の図7参照)を有する。なお、副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成については、後で図面を参照しながら詳述する。
図3及び図4には示さないが、フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側には、後述の副中継基板61(後述の図5参照)が配設される。副中継基板61は、副制御基板72及び主制御基板71間の接続配線を中継する基板である。また、副中継基板61は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に設けられた基板とを電気的に接続する中継基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述のLED基板62A,62B等が挙げられる。
図3及び図4には示さないが、LED基板62A,62Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の上方に設けられている。LED基板62A,62Bは、副制御回路101(後述の図7参照)の制御により実行される演出に応じて、後述のLED(Light Emitting Diode)85(後述の図5参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施形態のパチスロ機1は、LED基板62A,62B以外に複数のLED基板を備える。
また、図3及び図4には示さないが、副中継基板61の下方には、後述の24hドア開閉監視ユニット63が配設される(後述の図5参照)。24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴情報を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41が開放されたときに、液晶表示装置11によりエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、図3及び図4に示すように、下部スピーカ65L,65Rが配設される。下部スピーカ65L,65Rは、フロントドア2bの裏面において、それぞれスピーカ用孔33L,33R(図2参照)と対向する位置に配置される。
また、フロントドア2bの下部スピーカ65Lの上方には、セレクタ66及び後述のドア開閉監視スイッチ67(後述の図5参照)が配設される。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口20に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ67は、図3及び図4には示さないが、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左側に配置される。ドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ機1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方領域で、かつ、ミドルドア41により開閉される領域には、図4に示すように、ドア中継端子板68が設けられる。ドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72、セレクタ66及び遊技動作表示基板81との間の接続配線を中継する基板である(後述の図5参照)。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXベットボタン21、1ベットボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述のBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<パチスロ機が備える制御系>
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図5を参照して説明する。図5は、パチスロ機1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機1は、ミドルドア41に設けられた主制御基板71と、フロントドア2bに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ機1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板74、設定用鍵型スイッチ56、キャビネット側中継基板44及び電源装置53を有する。さらに、パチスロ機1は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75を有する。なお、設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47及びホッパー装置51の構成については上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52に設けられ、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53は、主制御基板71に接続された電源基板53bと、電源基板53bに接続された電源スイッチ53aとを有する。電源スイッチ53aは、パチスロ機1に必要な電源を供給するときに押下される。
また、パチスロ機1は、ドア中継端子板68、並びに、該ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61を有する。なお、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
BETスイッチ77は、MAXベットボタン21又は1ベットボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押下されたことを検出する。スタートスイッチ79(開始操作検出手段)は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン19L,19C,19Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、7セグ表示器24に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板81は、LED82が接続され、LED82は、例えば、遊技動作表示基板81から入力される信号に基づいて、遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68及び副中継基板61を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ機1は、副中継基板61を介して副制御基板72に接続された、サウンドI/O基板84、LED基板62A,62B、及び、24hドア開閉監視ユニット63を有する。LED基板62A,62B及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、下部スピーカ65L,65Rや図示しない各種スピーカなどからなるスピーカ群に音声の出力を行う。
また、パチスロ機1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87を有する。なお、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72とともに副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、光(LED群85)及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72及び液晶表示装置11間の接続配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71に実装される主制御回路91の構成について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ機1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主に、主制御基板71に実装されたマイクロコンピュータ92により構成される。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM94には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続される。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リールのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各リールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リールの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
<副制御回路>
次に、副制御基板72に実装される副制御回路101の構成について、図7を参照して説明する。図7は、パチスロ機1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成される。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶される。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクを実行するための各種プログラムが含まれる。また、制御プログラムには、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ65L,65Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等を実行するための各種プログラムも含まれる。
データ記憶領域には、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれる。また、データ記憶領域には、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等も含まれる。
サブRAM103には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ65L,65R等のスピーカ群により出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群85の点灯及び消灯を制御する。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図8を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御回路91(メインCPU93)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
本実施形態では、主制御回路91は、ボーナスの作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。図8に示すように、主制御回路91は、ボーナス(いわゆる役物連続作動装置)の作動の有無に基づいて、一般遊技状態及びボーナス状態を区別する。また、本実施形態では、ボーナスとして複数種類のボーナスを設け、作動しているボーナスの種類に基づいて、BB遊技状態及びMB遊技状態を区別する。
一般遊技状態は、ボーナスが作動していない状態であり、本実施形態では、1回の遊技に使用するメダルの枚数が「1枚(1BET)」「2枚(2BET)」「3枚(3BET)」のいずれかである場合に遊技が可能な状態である。
BB遊技状態は、第一種特別役物(RB)の連続作動装置が作動している状態であり、BBに係る役(後述の「F_赤赤赤」又は「F_鼠鼠鼠」)に応じた図柄の組合せ(後述の「C_赤BB」又は「C_鼠BB」)が有効ラインに沿って表示されることで開始し、BB遊技状態中に払い出されたメダルの枚数が予め定められた払出枚数(第1終了閾値)を超えたときに終了する。なお、本実施形態では、BB遊技状態中に払い出されたメダルの枚数が「343枚」を超えると(すなわち、「344枚」以上になると)、主制御回路91は、BB遊技状態を終了する。
また、本実施形態では、BB遊技状態は、1回の遊技に使用するメダルの枚数が「2枚(2BET)」である場合に遊技が可能な状態である。後述するように、主制御回路91は、BB遊技状態中に、BET数が同数の一般遊技状態中とは異なる確率で内部当籤役を決定するとともに、一般遊技状態中には内部当籤役として決定されることのない役(後述の「F_2BET調整役」)を所定の確率で内部当籤役として決定する。
MB遊技状態は、第二種特別役物(CB)の連続作動装置が作動している状態であり、MBに係る役(後述の「F_MB」)に応じた図柄の組合せ(後述の「C_赤MB」又は「C_鼠MB」)が有効ラインに沿って表示されることで開始し、MB遊技状態中に払い出されたメダルの枚数が予め定められた払出枚数(第2終了閾値)を超えたときに終了する。なお、本実施形態では、MB遊技状態中に払い出されたメダルの枚数が「118枚」を超えると(すなわち、「119枚」以上になると)、主制御回路91は、MB遊技状態を終了する。
また、本実施形態では、MB遊技状態は、1回の遊技に使用するメダルの枚数が「2枚(2BET)」である場合に遊技が可能な状態である。後述するように、主制御回路91は、MB遊技状態中は、BET数が同数の一般遊技状態中に内部当籤役として決定され得る小役に対応付けられた図柄の組合せの全て(すなわち、「入賞」に係る図柄の組合せのうち、リプレイ及びボーナス役以外の図柄の組合せ)に対応する役(後述の「F_CB役」)を必ず内部当籤役として決定する。
また、本実施形態では、主制御回路91は、BB遊技状態中に常に第一種特別役物(RB)を作動させ、MB遊技状態中に常に第二種特別役物(CB)を作動させる。そのため、BB遊技状態とRB遊技状態とは等価であり、以下においては両者を区別することなく単に「BB遊技状態」と呼び、同様に、MB遊技状態とCB遊技状態とは等価であり、以下においては両者を区別することなく単に「MB遊技状態」と呼ぶ。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図9〜図23を参照して、メインROM94に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図9に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「赤7」、「鼠」、「BAR1」、「BAR2」、「スイカ」、「チェリー1」、「チェリー2」、「オレンジ1」、「オレンジ2」及び「リプレイ」を含んでいる。
図9に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときにリール表示窓4の中段に位置する図柄(リール表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。このように、リール表示窓4の中段を基準にすることで、リール表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3R毎に特定することができる。
ここで、リール3L,3C,3Rには、回転方向に沿って図柄が配されるとともに、リール3L,3C,3Rに配される図柄の図柄位置は、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に割り当てられるため、基本的には、値が小さい図柄位置の図柄は、値が大きい図柄位置の図柄よりもリール3L、3C、3Rの回転方向に対して上流側に配されているといえ、反対に、値が大きい図柄位置の図柄は、値が小さい図柄位置の図柄よりもリール3L、3C、3Rの回転方向に対して下流側に配されているといえる。例えば、図柄位置「11」の図柄は、図柄位置「12」の図柄よりも回転方向に対して上流側に配されている。
なお、図柄位置は「0」〜「20」まで更新された後に再び「0」に戻ることから、図柄位置「20」「19」・・・の図柄は、図柄位置「0」「1」・・・の図柄よりも上流側に配されているともいえる。
<図柄コード表>
また、図9に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図9に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「鼠」、「BAR1」、「BAR2」、「スイカ」、「チェリー1」、「チェリー2」、「オレンジ1」、「オレンジ2」及び「リプレイ」の10種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「鼠」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「BAR1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「BAR2」、「スイカ」、「チェリー1」、「チェリー2」、「オレンジ1」、「オレンジ2」及び「リプレイ」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図10〜図12を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM95に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続差動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報を規定する。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を11個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図10に示す「C_赤BB」は、格納領域0のビット7に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図10を参照すると、1BET又は2BETの遊技でコンビネーション名「C_オレンジ_01」が表示された場合には、15枚のメダルが払い出され、3BETの遊技でコンビネーション名「C_オレンジ_01」が表示された場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図10を参照して、例えば、コンビネーション名「C_赤BB」及び「C_鼠BB」は、第一種特別役物(RB)の連続差動装置に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がBB遊技状態に移行する(図8参照)。同様に、コンビネーション名「C_赤MB」及び「C_鼠MB」は、第二種特別役物(CB)の連続差動装置に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がMB遊技状態に移行する(図8参照)。
また、コンビネーション名「C_リプA」〜「C_リプB_02」は、リプレイに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われる。また、コンビネーション名「C_オレンジ_01」〜「C_オレンジ_12」は、オレンジに係る図柄の組合せであり、3BET時に有効ラインに沿って表示されると、8枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_スイカ」は、スイカに係る図柄の組合せであり、コンビネーション名「C_スイカ制御A」及び「C_スイカ制御B」は、リーチ目非表示用スイカに係る図柄の組合せである。3BET時にコンビネーション名「C_スイカ」〜「C_スイカ制御B」が有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。なお、スイカ及びリーチ目非表示用スイカに係る図柄の組合せの詳細については、後述する。
また、コンビネーション名「C_特殊A」及び「C_特殊B」は、特殊役に係る図柄の組合せであり、3BET時に有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_チェリーA_01」〜「C_チェリーF_12」は、チェリーに係る図柄の組合せであり、3BET時に有効ラインに沿って表示されると、2枚のメダルが払い出される。
なお、図10〜図12に示すように、コンビネーション名「C_オレンジ_01」〜「C_チェリーF_12」は、1BET又は2BET時に有効ラインに沿って表示されると、15枚のメダルが払い出される。そのため、1BET又は2BET時のコンビネーション名「C_オレンジ_01」〜「C_チェリーF_12」を以下では、「2BET時15枚役」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_調整A_01」及び「C_調整A_02」は、2BET時に有効ラインに沿って表示されると、7枚のメダルが払い出される。同様に、コンビネーション名「C_調整B_01」及び「C_調整B_02」は、2BET時に有効ラインに沿って表示されると、6枚のメダルが払い出される。ここで、本実施形態では、有効ラインとして複数の有効ラインを設けており(後述の図18参照)、コンビネーション名「C_調整A_01」及び「C_調整A_02」と、コンビネーション名「C_調整B_01」及び「C_調整B_02」とを、必ず同時に有効ラインに沿って表示させ、いずれか一方の図柄の組合せのみを有効ラインに沿って表示させることがない。そのため、コンビネーション名「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」は、有効ラインに沿って表示されると、13(7+6)枚のメダルが払い出される図柄の組合せといえ、以下では、「2BET時13枚役」と呼ぶことがある。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図13を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図13(A)は、一般遊技状態において参照される内部抽籤テーブルであり、図13(B)は、BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブルであり、図13(C)は、MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図13(A)を参照すると、一般遊技状態中は、2BET時に「F_1,2BET役」及び「F_2BET役」を所定の確率で内部当籤役として決定する一方で、「F_2BET調整役」は内部当籤役として決定しないことが分かる。また、図13(B)を参照すると、BB遊技状態中は、「F_1,2BET役」及び「F_2BET役」に加えて、「F_2BET調整役」も内部当籤役として決定可能であることが分かる。また、図13(C)を参照すると、MB遊技状態中は、必ず「F_CB役」を内部当籤役として決定することが分かる。
<内部当籤役と図柄組合せの対応表>
図14及び図15は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
図14及び図15を参照して、例えば、「F_オレンジ1」が内部当籤役である場合には、有効ライン上にコンビネーション名「C_オレンジ_01」〜「C_オレンジ_12」の図柄の組合せが停止表示可能となる。言い換えると、「F_オレンジ1」は、「C_オレンジ_01」〜「C_オレンジ_12」の12個のフラグが同時に重複して当籤する役の総称であるといえる。「F_赤赤赤」〜「F_CB役」も同様に、図14及び図15において対応付けられたフラグが同時に重複して当籤する役の総称であるといえる。
上述のようにBB遊技状態では一般遊技状態中には内部当籤役として決定されることのない役の総称である「F_2BET調整役」を所定の確率で内部当籤役として決定する。すなわち、一般遊技状態は、「F_2BET調整役」のように「C_オレンジ_01」〜「C_オレンジ_12」、「C_チェリーA_01」〜「C_チェリーF_12」、及び「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」のみが同時に重複して当籤することはない。
また、上述のようにMB遊技状態では、BET数が同数の一般遊技状態中に内部当籤役として決定され得る小役に対応付けられた図柄の組合せの全てに対応する役(「F_CB役」)を必ず内部当籤役として決定する。ここで、図15を参照して、2BET時の一般遊技状態中に内部当籤役として決定され得る「F_2BET役」に対応付けられた図柄の組合せを確認すると、2BET時の一般遊技状態中に内部当籤役として決定され得る役に対応付けられた図柄の組合せには、「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」が含まれることが分かる。そのため、図14及び図15に示すように、「F_CB役」には、「C_オレンジ_01」〜「C_チェリーF_12」に加えて、「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」が対応付けられている。
パチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図14及び図15に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図14及び図15に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せに応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。例えば、「F_2BET役」が内部当籤役である場合には、優先して引き込む図柄の関係上、コンビネーション名「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」に対応する図柄の組合せは実際には表示されることがない。この点、本実施形態において実際に停止表示される図柄の組合せの一例を、図19などで後述する。
なお、本実施形態において「優先して引き込む」とは、優先順位に基づき優先順位の高い図柄を優先して引き込む優先引込だけでなく、滑り駒数を規定する停止テーブルを「優先して引き込む」ように予め定めておくことを含む概念である。
<回胴停止初期設定テーブル>
続いて、図16及び図17を参照して、リール3L,3C,3Rの回転を停止するためのリール停止制御情報を決定する際に参照される回胴停止初期設定テーブルについて説明する。回胴停止初期設定テーブルは、内部当籤役として決定された役及び現在の遊技状態に対応付けて、当該役が内部当籤役として決定された際に用いられるリール停止制御情報を規定する。主制御回路91(メインCPU93)は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役及び遊技状態に対応するリール停止制御情報を取得し、当該リール停止制御情報を用いてリール3L、3C、3Rを停止させる。
当籤役及び遊技状態に対応付けられたリール停止制御情報は、回胴停止用番号、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)、テーブル番号選択値(変更ステータス、ストップ用テーブルデータ)、第一回胴第一停止用テーブル変更データ、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)、及び検索順序データテーブル番号を含む情報である。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、引込優先順位テーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、引込優先順位選択テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、変更ステータスと、ストップ用テーブルデータと、を含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
図16及び図17に示すように、パチスロ機1では、当籤役(より具体的には、役に対応付けられた図柄の組合せ)に応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が規定されている。すなわち、パチスロ機1では、内部当籤役が決定されると、主制御回路91は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、当該内部当籤役に応じた役に対して一対一で対応付けられたリール停止制御情報(回胴停止用番号など)を取得し、取得した当該リール停止制御情報と停止操作のタイミング(停止操作を検出した際の図柄位置)とに基づいて、停止操作が行われた対象のリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
[リール停止制御の一例]
続いて、図18〜図22を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリール停止制御の一例について説明する。なお、以下に例示するリール停止制御は、回胴停止初期設定テーブルを参照して決定されるリール停止制御情報に基づいて行われる。
<リール表示窓の構成>
初めに、図18を参照して、リール表示窓4の構成について説明する。図18(A)は、リール表示窓4の枠内に表示される図柄の表示領域(単位図柄表示領域)を示す図であり、図18(B)は、リール表示窓4に設けられる有効ラインを示す図である。
(単位図柄表示領域)
図18(A)に示すように、リール表示窓4には、リール3L、3C、3Rに配された複数の図柄のうちの一の図柄を表示する領域である単位図柄表示領域4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4iが設けられる。単位図柄表示領域4a,4b,4cは、リール3Lに配された図柄を上段、中段及び下段に表示する領域であり、単位図柄表示領域4d,4e,4fは、リール3Cに配された図柄を上段、中段及び下段に表示する領域であり、単位図柄表示領域4g,4h,4iは、リール3Rに配された図柄を上段、中段及び下段に表示する領域である。
これら上段、中段及び下段の領域は、リール3L,3C,3Rの回転方向に沿って設けられる。そのため、上段の領域(単位図柄表示領域4a,4d,4g)は、中段の領域(単位図柄表示領域4b,4e,4h)及び下段の領域(単位図柄表示領域4c,4f,4i)よりもリール3L、3C、3Rの回転方向に対して上流側に設けられているといえ、同様に、中段の領域は、上段の領域よりもリール3L、3C、3Rの回転方向に対して下流側に設けられ、かつ、下段の領域よりもリール3L、3C、3Rの回転方向に対して上流側に設けられているといえ、また、下段の領域は、上段の領域及び中段の領域よりもリール3L、3C、3Rの回転方向に対して下流側に設けられているといえる。
(有効ライン)
図18(A)に示すように、リール表示窓4には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに配された複数の図柄のうちの3個の図柄が表示されるため、リール表示窓4には、3×3の図柄が表示される。本実施形態のパチスロ機1では、これら3×3の図柄を任意に結ぶラインを有効ラインとして用いる。
図18(B)に示すように、3×3の図柄を任意に結ぶラインとして、例えば、センターライン8a、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8d及びクロスアップライン8eの5本のラインが考えられる。なお、センターライン8aは、リール3L,3C,3Rの中段の領域を結ぶラインであり、トップライン8bは、リール3L,3C,3Rの上段の領域を結ぶラインであり、ボトムライン8cは、リール3L,3C,3Rの下段の領域を結ぶラインであり、クロスダウンライン8dは、リール3Lの上段、リール3Cの中段及びリール3Rの下段を結ぶラインであり、クロスアップライン8eは、リール3Lの下段、リール3Cの中段及びリール3Rの上段を結ぶラインである。
本実施形態のパチスロ機1では、1BET時には、これら5本のラインのうちのセンターライン8aを有効ラインとして用い、2BET又は3BET時には、センターライン8a、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8d及びクロスアップライン8eの5本全てのラインを有効ラインとして用いる。
<リーチ目表示のためのリール停止制御>
続いて、図19及び図20を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリール停止制御の一例であるリーチ目表示のためのリール停止制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、リール3L,3Cの停止時にクロスダウンライン8dに沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目をボーナスのリーチ目として扱う。すなわち、ボーナスに係る役(「F_赤赤赤」「F_鼠鼠鼠」「F_MB」)が内部当籤役として決定されていない場合には、リール3L,3Cの停止時にクロスダウンライン8dに沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示させない。
ところで、図柄「スイカ」を図柄の組合せ(コンビネーション)の構成図柄とする役(F_スイカ)が内部当籤役として決定されている場合、パチスロ機1では当該役に対応する図柄の組合せを構成する構成図柄(図柄「スイカ」)を最大滑り駒数の範囲で可能な限り引き込むように停止制御しなければならない。そのため、「F_スイカ」が内部当籤役として決定された時にクロスダウンライン8dにしか図柄「スイカ」を表示できないタイミングでリール3Cに対する停止操作が行われた場合、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていないにも関わらず、クロスダウンライン8dに沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示させてしまうことになる。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示すリール停止制御を行うことで、ボーナスに係る役の非当籤時に図柄「スイカ」のテンパイ出目をクロスダウンライン8dに表示させないように制御する。
(ボーナス当籤時のリール停止制御(リーチ目表示))
図19は、ボーナスに係る役の当籤時のリール停止制御例を示す図である。図19(A)においてリール3L,3C,3Rの全てが回転している。この場合において、リール3Lに対する停止操作が行われると、停止操作のタイミングに応じて主制御回路91は、図19(B)に示すように、リール3Lの上段の領域(単位図柄表示領域4a)に図柄「スイカ」が表示されるようにリール3Lの回転を停止させる。
続いて、リール3Cに対する停止操作が行われると、停止操作のタイミングに応じて主制御回路91は、図19(C)に示すように、リール3Cの中段の領域(単位図柄表示領域4e)に図柄「スイカ」が表示されるようにリール3Cの回転を停止させる。より具体的には、主制御回路91は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、リール3Lの上段の領域に図柄「スイカ」が表示されているときにリール3Cに対する停止操作を検出すると、停止操作を検出したタイミングにおいてクロスダウンライン8dを構成するリール3Cの中段の領域に位置する図柄から最大滑り駒数の範囲内(引込許容図柄数以内)に図柄「スイカ」がある場合に、この図柄「スイカ」をリール3Cの中段の領域(クロスダウンライン8d)に停止させるようにリールの回転を停止させる。
これにより、パチスロ機1では、ボーナスに係る役の当籤時に、図柄「スイカ」のテンパイ出目をクロスダウンライン8dに表示させることができる。
(ボーナス非当籤時のリール停止制御(リーチ目非表示))
続いて、図20は、ボーナスに係る役が非当籤、かつ、「F_スイカ」が当籤している場合のリール停止制御例を示す図である。図20(A1)に示すように、ボーナス非当籤かつ「F_スイカ」当籤時にリール3Lに対する停止操作が行われると、停止操作のタイミングに応じて主制御回路91は、リール3Lの上段の領域(単位図柄表示領域4a)に図柄「スイカ」が表示されるようにリール3Lの回転を停止させる。
ここで、図14に示す対応表を参照すると、「F_スイカ」は、コンビネーション名「C_スイカ」を含む図柄の組合せが対応しており、図10に示す図柄組合せテーブルを参照すると、コンビネーション名「C_スイカ」は、リール3L,3C,3Rの全てにおいて図柄「スイカ」を構成図柄としている。また、図18を参照すると、リール3Lの上段の領域を通る有効ラインには、トップライン8b及びクロスダウンライン8dが含まれる。
そのため、リール3Cに対する停止操作を検出したタイミングにおいて、トップライン8bを構成するリール3Cの上段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に図柄「スイカ」がある場合、又はクロスダウンライン8dを構成するリール3Cの中段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に図柄「スイカ」がある場合には、コンビネーション名「C_スイカ」の構成図柄である図柄「スイカ」を有効ラインに沿って表示することができることになる。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、トップライン8bに図柄「スイカ」を表示可能(引込可能)である場合には、図20(A2)に示すように、リール3Cの上段の領域に図柄「スイカ」を停止させる。より具体的には、主制御回路91は、ボーナス非当籤の「F_スイカ」当籤時にリール3Lの上段の領域に図柄「スイカ」が表示されているときにリール3Cに対する停止操作を検出すると、停止操作を検出したタイミングにおいて少なくともトップライン8bを構成するリール3Cの上段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に図柄「スイカ」がある場合に、この図柄「スイカ」をリール3Cの上段の領域(トップライン8b)に停止させるようにリールの回転を停止させる。
なお、停止操作を検出したタイミングにおいてトップライン8bを構成するリール3Cの上段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に図柄「スイカ」がある場合とは、トップライン8bを基準として図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にあり、かつ、クロスダウンライン8dを基準として図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にある場合と、トップライン8bを基準として図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にある一方で、クロスダウンライン8dを基準としては図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にない場合と、を含む。
このように本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス非当籤の「F_スイカ」当籤時に、図柄「スイカ」のテンパイ出目をトップライン8bに表示する一方で、クロスダウンライン8dには表示しない。
ところで、リール3Cの停止操作を検出したタイミングによっては、図柄「スイカ」をクロスダウンライン8dに引込可能である一方で、トップライン8bに引込不可能な場合もある。具体的には、リール3Cの停止操作を検出したタイミングにおいて、トップライン8bを基準としては図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内になく、クロスダウンライン8dを基準としては図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にある場合には、図柄「スイカ」をトップライン8bに表示することはできず、クロスダウンライン8dにしか表示できないことになる。このような場合に、クロスダウンライン8dに図柄「スイカ」を停止してしまったのでは、クロスダウンライン8dにおける図柄「スイカ」のテンパイ出目をリーチ目として扱うことができない。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図14の対応表に示すように、「F_スイカ」に対してコンビネーション名「C_スイカ」の他に「C_スイカ制御A」を対応付けている。このコンビネーション名「C_スイカ制御A」は、図10に示す図柄組合せテーブルを参照すると、リール3Lにおいて図柄「スイカ」を構成図柄とするものの、リール3C,3Rでは図柄「リプレイ」を構成図柄としている。
また、図9に示す図柄配置テーブルを参照すると、リール3Cでは、図柄「スイカ」がリール3Cの全体において引込許容図柄数以内に配されていない一方で、図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内には図柄「リプレイ」が配されていることが分かる。具体的には、図柄位置「11」の図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内には、上流側である図柄位置「10」及び下流側である図柄位置「14」に図柄「リプレイ」が配されており、図柄位置「4」の図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内には、上流側である図柄位置「1」及び下流側である図柄位置「6」に図柄「リプレイ」が配されている。
本実施形態のパチスロ機1では、図柄「スイカ」をトップライン8bに表示することができず、クロスダウンライン8dにしか表示できない場合には、図20(B2)に示すように、当該図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に配されている図柄「リプレイ」を、リール3Cの上段(又は中段)の領域に停止させ、クロスダウンライン8dに図柄「スイカ」のテンパイ出目が表示されてしまうことを禁止する。
より具体的には、主制御回路91は、ボーナス非当籤の「F_スイカ」当籤時にリール3Lの上段の領域に図柄「スイカ」が表示されているときにリール3Cに対する停止操作を検出すると、停止操作を検出したタイミングにおいてトップライン8bを構成するリール3Cの上段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に図柄「スイカ」がなく、かつ、クロスダウンライン8dを構成するリール3Cの中段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に図柄「スイカ」がある場合には、この図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に配されている図柄「リプレイ」をリール3Cの上段又は中段の領域(トップライン8b又はクロスダウンライン8d)に停止させるようにリールの回転を停止させる。
(リーチ目を表示する有効ライン)
なお、図19及び図20では、リーチ目を表示する有効ラインをクロスダウンライン8dとして、リーチ目を非表示にするために用いる有効ラインをトップライン8bとしているが、いずれの有効ラインをリーチ目表示用のラインとして用いるかは任意である。また、その他、ボトムライン8c及びクロスアップライン8eのようにその他の複数の有効ラインを用いて、リーチ目を表示/非表示することにしてもよい。
また、図19及び図20では、リール3L,3Cの停止時にリーチ目を表示/非表示にすることとしているが、これに限られるものではない。すなわち、リール3L,3Rの停止時にリーチ目を表示/非表示にすることとしてもよく、また、リール3C,3Rの停止時にリーチ目を表示/非表示にしてもよい。同様に、図19及び図20では、リール3Lの停止後にリール3Cを停止するときにリーチ目を表示/非表示にすることとしているが、この停止順序についても任意である。すなわち、リール3Cの停止後にリール3Lを停止するときにリーチ目を表示/非表示にすることとしてもよく、また、その他の停止順序においてリーチ目を表示/非表示にすることとしてもよい。
(リーチ目非表示のためのリール配列)
本実施形態のパチスロ機1では、リーチ目を非表示にするために「F_スイカ」に対応する図柄の組合せの構成図柄として図柄「リプレイ」を設け、この図柄「リプレイ」を図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に配している。ここで、図9を参照すると、図柄「リプレイ」は、リール3Cの全体において引込許容図柄数以内に配されているが、リーチ目を非表示にするための図柄は、少なくともテンパイ出目を構成する図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に配されていれば足り、リール3Cの全体において引込許容図柄数以内に配されている必要はない。
より詳細には、リーチ目を非表示にするための図柄は、リーチ目表示用のラインとリーチ目非表示用のラインとの関係性に応じて、テンパイ出目を構成する図柄「スイカ」の上流又は下流側の一方にのみ引込許容図柄数以内に配されていれば足りる。例えば、本実施形態のようにリーチ目表示用のラインがクロスダウンライン8dであり、リーチ目非表示用のラインがトップライン8bである場合、リーチ目を非表示にするための図柄は、テンパイ出目を構成する図柄「スイカ」の下流側にのみ引込許容図柄数以内に配されていれば足り、反対に、リーチ目表示用のラインがトップライン8bであり、リーチ目非表示用のラインがクロスダウンライン8dである場合、リーチ目を非表示にするための図柄は、テンパイ出目を構成する図柄「スイカ」の上流側にのみ引込許容図柄数以内に配されていれば足りる。
言い換えると、リーチ目表示用のラインが結ぶ単位図柄表示領域が、リーチ目非表示用のラインが結ぶ単位図柄表示領域よりも、リールの回転方向に対して下流側である場合には、リーチ目を非表示にするための図柄は、対象のリールにおいてテンパイ出目を構成する図柄の下流側に引込許容図柄数以内に配されていればよい。反対に、リーチ目表示用のラインが結ぶ単位図柄表示領域が、リーチ目非表示用のラインが結ぶ単位図柄表示領域よりも、リールの回転方向に対して上流側である場合には、リーチ目を非表示にするための図柄は、対象のリールにおいてテンパイ出目を構成する図柄の上流側に引込許容図柄数以内に配されていればよい。
<ボーナス中の払出枚数調整のためのリール停止制御>
本実施形態のパチスロ機1では、BB遊技状態は、払い出されたメダルの枚数が第1終了閾値「343枚」を超えると終了し、MB遊技状態は、払い出されたメダルの枚数が第2終了閾値「118枚」を超えると終了する。図10〜図12を参照すると、2BETで遊技が行われるBB遊技状態及びMB遊技状態では、基本的には毎遊技「15枚(所定数量)」のメダルが払い出されるため、BB遊技状態は、23回の遊技に伴い「345枚」のメダルが払い出されて終了し、MB遊技状態は、8回の遊技に伴い「120枚」のメダルが払い出されて終了する。なお、BB遊技状態及びMB遊技状態では、1回の遊技にあたり「2枚」のメダルがベットされているため、23回の遊技で終了するBB遊技状態中に遊技者が獲得するメダルの枚数は、「299枚」となり、8回の遊技で終了するMB遊技状態中に遊技者が獲得するメダルの枚数は、「104枚」となる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、2BETで遊技が行われるBB遊技状態及びMB遊技状態中に、「13枚(特定数量)」のメダルが払い出される2BET時13枚役を成立させることができる。ここで、BB遊技状態において「13枚」のメダルの払い出しを1回、「15枚」のメダルの払い出しを22回受けた場合、計23回の遊技で払い出されたメダルの枚数は「343枚」であり、第1終了閾値を超えないため、1回多く「15枚」のメダルの払い出しを受けることができる。その結果、本実施形態のパチスロ機1では、「13枚」のメダルの払い出しを1回受けることで、BB遊技状態中に、24回の遊技で最大「358枚」のメダルが払い出され、また、遊技者は最大「310枚」のメダルを獲得することができる。MB遊技状態についても同様に、「13枚」のメダルの払い出しを1回受けることで、9回の遊技で最大「133枚」のメダルが払い出され、また、遊技者は最大「115枚」のメダルを獲得することができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、BB遊技状態及びMB遊技状態中に払い出されるメダルの枚数を最大化するために、特定数量(13枚)のメダルの払い出しを「1回」受けることとしているが、特定数量のメダルの払い出しを受ける回数は任意であり、以下の関係を満たすようにBB遊技状態及びMB遊技状態中の遊技が設計されていればよい。
所定数量×(n−x)≦第1終了閾値<所定数量×n
所定数量×(m−y)≦第2終了閾値<所定数量×m
ただし、n、m、x及びyは自然数であり、かつ、(所定数量−特定数量)のx倍、及び(所定数量−特定数量)のy倍が前記所定数量よりも小さいものとする。
このような関係を満たす場合には、「所定数量×(n−x)+特定数量×x」である場合(すなわち、総遊技回数がn回)に第1終了閾値を超えることなく、「所定数量×n+特定数量×x」である場合(すなわち、総遊技回数がn+1回)に第1終了閾値を超えることになり、同様に、「所定数量×(m−y)+特定数量×y」である場合(すなわち、総遊技回数がm回)に第2終了閾値を超えることなく、「所定数量×y+特定数量×y」である場合(すなわち、総遊技回数がm+1回)に第2終了閾値を超えることになり、BB遊技状態及びMB遊技状態中に払い出されるメダルの枚数に差をつけることができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1に当てはめると、所定数量は「15枚」、特定数量は「13枚」、nは「23回」、mは「8回」、xは「1回」、yは「1回」である。また、x及びyは、同一の値(回数)であってもよく、また、異なる値(回数)であってもよい。x及びyが同一の値である場合には、BB遊技状態及びMB遊技状態において払い出されるメダルの枚数を最大化するための手順及び当該手順を行う回数も一致することになる一方で、x及びyが異なる値である場合には、BB遊技状態及びMB遊技状態において払い出されるメダルの枚数を最大化するための手順は同一であるものの、当該手順を行う回数がそれぞれ異なることになる。
(BB及びMB中のリール停止制御(2BET時13枚役を表示))
以上説明したように、BB遊技状態及びMB遊技状態では、特定数量(13枚)のメダルの払い出しを1回受けることで、BB遊技状態及びMB遊技状態中に払い出されるメダルの枚数を最大化することができる。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、BB遊技状態中に「13枚」のメダルの払い出しを受けるための手順と、MB遊技状態中に「13枚」のメダルの払い出しを受けるための手順と、を同一の手順としている。
具体的には、図21(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、BB遊技状態(より詳細には、「F_2BET調整役」当籤時)及びMB遊技状態(より詳細には、「F_CB役」当籤時)中に、左のリール3Lを停止することなく中のリール3C及び右のリール3Rを停止すると、図柄「オレンジ1(又はオレンジ2)」がクロスアップライン8eに沿って表示される。なお、図9の図柄配置テーブルを参照すると、中のリール3Cでは、図柄「オレンジ1(又はオレンジ2)」の上には図柄「リプレイ」が配され、右のリール3Rでは、図柄「オレンジ1(又はオレンジ2)」の二つ下には図柄「リプレイ」が配されていることが分かる。
そして、図柄「オレンジ1(又はオレンジ2)」がクロスアップライン8eに沿って表示されている状況で、左のリール3Lに対する停止操作を行うと、主制御回路91は、停止操作を検出したタイミングに応じて2BET時13枚役を表示する。具体的には、停止操作のタイミングが適切(目押し成功)である場合には、主制御回路91は、図21(B)に示すように、左のリール3Lの図柄を表示する領域の上段(単位図柄表示領域4a)に図柄「鼠」、中段(単位図柄表示領域4b)に図柄「リプレイ」、下段(単位図柄表示領域4c)に図柄「赤7」が表示されるように、リール3Lの回転を停止する。この結果、クロスダウンライン8dに沿ってコンビネーション名「C_調整A_01」「C_調整A_02」の図柄の組合せ「鼠−オレンジ1(又はオレンジ2)−リプレイ」が表示され、また、トップライン8bに沿ってコンビネーション名「C_調整B_01」「C_調整B_02」の図柄の組合せ「鼠−リプレイ−オレンジ1(又はオレンジ2)」が表示される(図12参照)。これにより、BB遊技状態及びMB遊技状態において、「13枚(特定数量)」のメダルの払い出しを受けることができる。
一方で、停止操作のタイミングが適切(目押し成功)である場合には、主制御回路91は、図21(C)又は(D)に示すように、2BET時15枚役の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるようにリール3Lの回転を停止する。
なお、本実施形態において、上述の停止操作のタイミングが適切とは、いわゆるビタ押しであることをいう。具体的には、回転中のリール3Lにおいてリール3Lの図柄を表示する領域の上段に図柄「鼠」、中段に図柄「リプレイ」、下段に図柄「赤7」が表示されているタイミングで停止操作を検出した場合に、停止操作のタイミングが適切であるとしている。もちろん、停止操作のタイミングが適切であることの条件は、ビタ押しに限られるものではなく、任意に設計することができる。
(一般中のリール停止制御(2BET時13枚役を非表示))
このようにパチスロ機1では、BB遊技状態及びMB遊技状態中は、2BET時13枚役を表示可能にリール停止制御を行うものの、一般遊技状態中は、2BET時13枚役を表示不可能にリール停止制御を行う。ここで、パチスロ機1では、図13の内部抽籤テーブルを参照すると、一般遊技状態中であっても「F_2BET役」を内部当籤役として決定することがあり、また、図15を参照すると、この「F_2BET役」には、2BET時13枚役を構成するコンビネーション名「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」が対応付けられている。しかしながら、パチスロ機1は、一般遊技状態中(より詳細には、「F_2BET役」当籤時)には、2BET時13枚役を表示させることなく、2BET時15枚役を表示させるようにリール停止制御を行う。
具体的には、図22(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、一般遊技状態(より詳細には、「F_2BET役」当籤時)中に、左のリール3Lを停止することなく中のリール3C及び右のリール3Rを停止すると、図柄「オレンジ1(又はオレンジ2)」がクロスアップライン8eに沿って表示される。パチスロ機1の主制御回路91は、一般遊技状態中は、図22(B)又は(C)に示すように、2BET時15枚役の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるようにリール3Lの回転を停止し、図22(D)に示す2BET時15枚役の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることを禁止する。これにより、一般遊技状態中は、「13枚」のメダルの払い出しを受けることがない。
なお、パチスロ機1では、一般遊技状態中に2BET時13枚役が表示されないようにリール停止制御を行えばよく、左のリール3Lを停止することなく中のリール3C及び右のリール3Rを停止したときに、そもそも、図柄「オレンジ1(又はオレンジ2)」がクロスアップライン8eに沿って表示されないように、より具体的には、2BET時13枚役を構成するコンビネーション名「C_調整A_01」「C_調整A_02」及びコンビネーション名「C_調整B_01」「C_調整B_02」の双方が有効ラインに沿って表示されないようにリール停止制御を行うこととしてもよい。
(パチスロ機の規則上の制約)
パチスロ機では、第二種特別役物が作動している状態(MB遊技状態)中に、作動していない状態(一般遊技状態)中に成立することのないフラグ(図柄の組合せ)を新たに追加することはできない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、一般遊技状態中にコンビネーション名「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」が対応付けられている「F_2BET役」を内部当籤役として決定することとして、第二種特別役物が作動している状態(MB遊技状態)中に、コンビネーション名「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」が対応付けられた「F_CB役」を内部当籤役として決定可能にした。
また、パチスロ機では、現在成立しているフラグに基づいて停止制御を行うため、第一種特別役物が作動している状態(BB遊技状態)で2BET時13枚役を表示可能に停止制御する一方で、一般遊技状態中に2BET時13枚役を表示不可能に停止制御するためには、それぞれにおいて成立しているフラグが異なる必要がある。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、コンビネーション名「C_調整A_01」〜「C_調整B_02」が対応付けられている役として、「F_2BET調整役」及び「F_2BET役」を設け、一般遊技状態中は、「F_2BET役」のみを内部当籤役として決定可能にし、BB遊技状態中は、「F_2BET調整役」を内部当籤役として決定可能にした。そして、「F_2BET調整役」「F_CB役」及び「F_2BET役」のそれぞれにおいて、リール停止制御を異ならせることで、「F_2BET調整役」又は「F_CB役」当籤時に2BET時13枚役を表示可能に制御する一方で、「F_2BET役」当籤時には2BET時13枚役を表示することなく2BET時15枚役のみを表示することとした。
より具体的には、パチスロ機では、小役に係る図柄の組合せ(フラグ)が重複している場合、「獲得枚数が最大の図柄」又は「対応するフラグが多い図柄」のいずれかを優先させて、リール停止制御を行う(なお、どちらを優先させるかは、停止操作の順序により決定することもできる)。
本実施形態のパチスロ機1では、「F_2BET調整役」「F_CB役」に対して設定されたリール停止制御情報(図17参照)は、停止操作の順序が所定の順序(例えば、第1停止操作が「左以外」)である場合には、「対応するフラグが多い図柄」を優先して引き込むように優先順位が規定され、停止操作の順序が所定の順序以外(例えば、第1停止操作が「左」)である場合には、「獲得枚数が最大の図柄」を優先して引き込むように優先順位が規定されている。一方で、「F_2BET役」に対して設定されたリール停止制御情報(図17参照)は、停止操作の順序に関わらず、「獲得枚数が最大の図柄」を優先して引き込むように優先順位が規定されている。
2BET時13枚役は「13枚」のメダルが払い出され、2BET時15枚役は「15枚」のメダルが払い出されるため、「獲得枚数が最大の図柄」を優先して引き込む場合には、2BET時15枚役を優先して引き込むことになる。一方で、2BET時13枚役は、コンビネーション名「C_調整A_01」「C_調整A_02」及びコンビネーション名「C_調整B_01」「C_調整B_02」の二つの図柄の組合せ(フラグ)からなる一方で、2BET時15枚役は、コンビネーション名「C_オレンジ_01」〜「C_チェリーF_12」の一つの図柄の組合せ(フラグ)からなるため、「対応するフラグが多い図柄」を優先して引き込む場合には、2BET時15枚役よりも優先して2BET時13枚役を引き込むことができる。
その結果、BB遊技状態(より詳細には、「F_2BET調整役」当籤時)及びMB遊技状態(より詳細には、「F_CB役」当籤時)中に、所定の順序で停止操作が行われ、かつ、所定のリールにおいて所定のタイミングで停止操作が行われた場合(第2停止操作手順)には、主制御回路91は、2BET時13枚役が表示されるようにリールの回転を停止し、第2停止操作手順以外の手順で停止操作が行われた場合(第1停止操作手順)には、主制御回路91は、2BET時15枚役が表示されるようにリールの回転を停止することになる。一方で、一般遊技状態(より詳細には、「F_2BET役」当籤時)中には、停止操作の手順に関わらず、主制御回路91は、2BET時15枚役が表示されるようにリールの回転を停止することになる。
これにより、一般遊技状態中に2BET時13枚役を表示させることなく、BB遊技状態及びMB遊技状態中に共通の手順で2BET時13枚役を表示させることができ、結果、複数種類のボーナスにおいて共通の手順で払い出されるメダルの枚数を最大化することができる。
(2BET時13枚役を構成する図柄の組合せ)
以上説明したように、本実施形態のパチスロ機1では、二つの図柄の組合せ(フラグ)からなる2BET時13枚役を優先して引き込むことで、BB遊技状態及びMB遊技状態中の払出枚数の最大化を実現しているが、2BET時13枚役を構成する図柄の組合せは、二つに限るものではなく、三つ以上の任意の数の図柄の組合せにより構成されることとしてもよい(「対応するフラグが多い図柄」を優先して引き込む必要があるため、二つ以上の図柄の組合せで構成されていればよい)。
(2BET時13枚役を表示するための手順)
また、本実施形態のパチスロ機1では、所定の順序で停止操作が行われ、かつ、所定のリールにおいて所定のタイミングで停止操作が行われた場合(第2停止操作手順)に2BET時13枚役を表示することとしているが、2BET時13枚役を表示するための手順は、この手順に限られるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、停止操作の順序のみで2BET時13枚役を表示可能にしてもよく、また、停止操作のタイミングのみで2BET時13枚役を表示可能にしてもよく、また、停止操作の順序と停止操作のタイミングとを組み合わせることで2BET時13枚役を表示可能にしてもよい。
(BB遊技状態及びMB遊技状態中のBET数)
また、本実施形態のパチスロ機1では、BB遊技状態及びMB遊技状態中のBET数を「2BET」としているが、これに限られるものではなく、「1BET」又は「3BET」など任意のBET数を採用することとしてもよい。加えて、BB遊技状態中のBET数とMB遊技状態中のBET数とは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
<設定値変換テーブル>
続いて、図23を参照して、メイン(主制御回路91)側からサブ(副制御回路101)側に送信する設定値に関連する情報(変換データ)を決定する際に参照される設定値変換テーブルについて説明する。設定値変換テーブルは、設定値毎に設けられ、変換データに対応する抽籤値の情報を規定する。本実施形態のパチスロ機1では、サブ側の制御のもとに、設定を示唆する設定示唆演出を行うが、この設定示唆演出を行うためにメイン側からサブ側に設定値をそのまま送信することなく、設定値を変換した変換データを送信することとしている。設定値変換テーブルは、メイン側で設定されている設定値を、サブ側に送信する変換データに変換するために用いられる。
図23を参照すると、例えば、設定値「1」「3」「5」の場合には、変換データAに比べて変換データBが決定され易く、設定値「2」「4」「6」の場合には、反対に、変換データBに比べて変換データAが決定され易いことが分かる。また、設定値「4」「5」「6」の場合には、設定値「1」「2」「3」では決定されることのない変換データXが決定され、更には、設定値「6」の場合には、設定値「1」〜「5」では決定されることのない変換データYが決定されることが分かる。
[副制御側の各種のデータテーブル]
次に、図24を参照して、ロムカートリッジ基板86に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<設定示唆演出抽籤テーブル>
図24は、メイン側から受信した変換データに基づいて設定示唆演出を決定する際に参照される設定示唆演出抽籤テーブルである。設定示唆演出抽籤テーブルは、変換データ毎に設けられ、設定示唆演出に対応する抽籤値の情報を規定する。
図24を参照すると、例えば、変換データAからは設定示唆演出Aが決定されるように、変換データに一対一で対応する設定示唆演出が決定されることが分かる。もちろん、一の変換データから複数の設定示唆演出を決定可能に設定示唆演出抽籤テーブルを構成することとしてもよい。
なお、それぞれの設定示唆演出の内容は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、例えば、フロントドア2bの台座部12の両側に設けられたサイドパネルユニット26L,26Rの点灯(点滅)パターンにより設定示唆演出を行う。具体的には、設定示唆演出Aはサイドパネルユニット26L(左)のみを点灯し、設定示唆演出Bはサイドパネルユニット26R(右)のみを点灯し、設定示唆演出Xはサイドパネルユニット26L,26R(左右)を点灯し、設定示唆演出Yはサイドパネルユニット26L,26R(左右)を点滅させる演出である。
[主制御回路の動作説明]
次に、図25〜図29を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU93の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図25に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU93は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU93は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM95における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)毎にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU93は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサやスタートスイッチ79の入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU93は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU93は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図13)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。
続いて、メインCPU93は、図26で後述する設定値変換処理を行う(S5)。この処理では、メインCPU93は、設定値変換テーブル(図23)を参照してメイン側で設定されている設定値から変換データを抽籤する。
続いて、メインCPU93は、スタートコマンド生成処理を行う(S6)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信するスタートコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたスタートコマンドは、後述の図29で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役に加え、設定値から決定された変換データが含まれる(設定値自身は含まれない)。
続いて、メインCPU93は、図27で後述するリール停止初期設定処理を行う(S7)。この処理では、S4で決定した内部当籤役に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM95に格納され、S9のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU93は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S8)。この処理において、メインCPU93は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU93は、図28で後述するリール停止制御処理を行う(S9)。この処理では、S7で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン19L、中のストップボタン19C及び右のストップボタン19Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU93は、入賞判別メダル払出処理を行う(S10)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU93は、入賞作動コマンド生成処理を行う(S11)。この処理では、メインCPU93は、入賞作動コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存された入賞作動コマンドは、後述の図29で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU93は、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)中に払い出されたメダルの枚数に応じてボーナス状態を終了させ、遊技状態を一般遊技状態に移行させる。続いて、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU93は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて、ボーナス(第一種特別役物又は第二種特別役物)を作動させる。ボーナス作動チェック処理を行うと、メインCPU93は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<設定値変換処理>
次に、図26を参照して、設定値変換処理について説明する。設定値変換処理では、初めに、メインCPU93は、設定値を変換データに変換するタイミング(所定のタイミング)であるか否かを判定する(S21)。所定のタイミングである場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、設定値変換テーブル(図23)を参照して設定値から変換データを抽籤し(S22)、設定値変換処理を終了する。他方、所定のタイミングでない場合には(NO)、メインCPU93は、設定値変換処理を終了する。なお、所定のタイミングは任意のタイミングであってよいが、その詳細については図32で後述する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図27を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU93は、回胴停止初期設定テーブル(図16及び図17)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S31)。続いて、メインCPU93は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S32)。この処理では、メインCPU93は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU93は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S33)。すなわち、メインCPU93は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU93は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S34)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン19L、19C、19Rの数を判別するためのものであり、メインRAM95の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図27を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU93は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S41)。この処理は、ストップスイッチ基板80から信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU93は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS41の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU93は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S42)。すなわち、メインCPU93は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU93は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S43)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S44)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM95に格納する(S45)。停止開始位置は、ストップスイッチ基板80によって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU93は、滑り駒数決定処理を実行する(S46)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU93は、主制御回路91から副制御回路101へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM95に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S47)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU93は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM95に格納する(S48)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU93は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S49)。次に、メインCPU93は、図柄コード格納処理を実行する(S50)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU93は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S51)。次に、メインCPU93は、制御変更処理を行う(S52)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU93は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S53)。この処理は、ストップスイッチ基板80から信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU93は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS53の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU93は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、続いて、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S54)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU93は、引込優先順位格納処理を実行し(S55)、ステップS41の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU93は、リール停止制御処理を終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
続いて、図29を参照して、メインCPU93の制御による割込処理について説明する。初めに、メインCPU93は、レジスタの退避を行う(S61)。次いで、メインCPU93は、入力ポートチェック処理を行う(S62)。この処理では、ストップスイッチ等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU93は、タイマ更新処理を行う(S63)。この処理では、メインCPU93は、例えば、割込処理毎に所定のタイマの値を減算する処理を行う。次いで、メインCPU93は、通信データ送信処置を行う(S64)。この処理では、メインCPU93は、メインRAM95の通信データ格納領域に格納された各種コマンドを副制御回路101に送信する。
次いで、メインCPU93は、リール制御処理を行う(S65)。この処理では、メインCPU93は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU93は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU93は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致するのを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU93は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S66)。この処理では、メインCPU93は、7セグ表示器24を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU93は、レジスタの復帰処理を行う(S67)。そして、その後、メインCPU93は、割込処理を終了する。
[副制御回路の動作説明]
次に、図30及び図31を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<主基板通信タスク>
図30は、副制御回路101のサブCPU102が実行する主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、通信メッセージキューの初期化を実行し(S101)、受信コマンドのチェックを実行する(S102)。次に、サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S103)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、S101の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM103に格納する(S104)。次に、サブCPU102は、図31に示すコマンド解析処理を実行し(S105)、S101の処理を実行する。
<コマンド解析処理>
続いて、図31を参照して、サブCPU102の制御によるコマンド解析処理について説明する。初めに、サブCPU102は、受信したコマンドに変換データが含まれているか否かを判定する(S111)。変換データが含まれている場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、設定示唆演出抽籤テーブル(図24)を参照して、変換データに基づいて実行する設定示唆演出を抽籤する(S112)。他方、変換データが含まれていない場合には、受信したコマンドから作成した遊技情報に基づいて実行する演出を抽籤する(S113)。S112又はS113で演出を抽籤すると、サブCPU102は、続いて、抽籤した演出を登録し(S114)、コマンド解析処理を終了する。なお、S114で登録した演出は、サブCPU102の制御のもと、適宜実行される。
[設定示唆演出に関する各種処理のタイミング]
以上、本実施形態のパチスロ機1について説明した。続いて、設定示唆演出を実行するための各種処理のタイミングについて説明する。すなわち、上記実施形態では、所定のタイミングで設定値から変換データを決定し(図26のS21参照)、この変換データをコマンドに含めてサブ側に送信することで、設定示唆演出を実行することとしているが、この設定値を変換データに変換するタイミング、変換データをサブ側に送信するタイミング、メイン側から受信した変換データに基づいて設定示唆演出を実行するタイミングは、それぞれ任意に設定することができる。
以下、図32を参照して、これらタイミングの設定例について説明する。なお、図32は、設定示唆演出に関する各種処理のタイミングの対応関係を示す表である。
(設定値から変換データを決定するタイミング)
図32に示すように、パチスロ機1においてメインCPU93は、「1日1回」「毎遊技」「所定の契機」などの様々なタイミングで設定値から変換データを決定することができる。「1日1回」とは、例えば、電源投入時や所定の時刻に設定値から変換データを決定することである。また、「毎遊技」とは、1回の遊技毎に設定値から変換データを決定することである。また、「所定の契機」とは、例えば、所定回数の遊技が行われること、所定の時間が経過すること、所定の時刻になること、所定の抽籤に当籤すること、所定の役が内部当籤役として決定されること、所定の遊技状態に遊技状態が移行すること(例えば、ボーナス状態の開始時)、所定の遊技状態が終了すること(例えば、ボーナス状態の終了時)、設定値が設定されることである。これら「所定の契機」は、単独で採用するもでき、また、適宜組み合わせて採用することもできる。
また、上記実施形態では、開始操作を検出したタイミングで、設定値から変換データを決定することとしているが、1回の遊技内における当該処理のタイミングについても任意である。すなわち、パチスロ機1のメインCPU93は、開始操作を検出したタイミング、第1停止操作、第2停止操作又は第3停止操作を検出したタイミング、入賞の判別を行ったタイミング(図25のS10)、ボーナスの終了を確認したタイミング(図25のS12)、ボーナスの開始を確認したタイミング(図25のS13)などのように、1回の遊技内における様々なタイミングで、設定値から変換データを決定することができる。
(変換データをサブ側に送信するタイミング)
図32に示すように、パチスロ機1においてメインCPU93は、「変換データを決定した遊技」やそれ以外の遊技で変換データをサブ側に送信することができる。すなわち、メインCPU93は、設定値から変換データを決定すると、この決定を契機に当該遊技において変換データをサブ側に送信することとしてもよく、また、この決定とは関係なく任意の遊技において変換データをサブ側に送信することとしてもよい。
変換データの決定とは関係のない任意の遊技としては、例えば、「1日1回」「毎遊技」「所定の契機」などの様々なタイミングの遊技を用いることができる。これらの具体例は、上述した通りである。
また、「変換データを決定した遊技」やそれ以外の遊技で変換データをサブ側に送信する場合において、1回の遊技内における送信処理のタイミングについても任意である。また、1回の遊技内において、変換データを決定したタイミングと、変換データを送信するタイミングとは、必ずしも一致する必要はない。例えば、変換データの決定は、開始操作を検出したタイミングで行う一方で、変換データの送信は、停止操作を検出したタイミングで行うなどのように、1回の遊技内におけるそれぞれのタイミングが異なることとしてもよい。
(設定示唆演出を実行するタイミング)
図32に示すように、パチスロ機1においてサブCPU102は、「変換データを受信した遊技」やそれ以外の遊技において、メイン側から受信した変換データに基づき設定示唆演出を実行することができる。すなわち、サブCPU102は、メイン側から変換データを受信すると、この受信を契機に当該遊技において設定示唆演出を実行することとしてもよく、また、この受信とは関係なく任意の遊技において設定示唆演出を実行することとしてもよい。
変換データの受信とは関係のない任意の遊技としては、例えば、「毎遊技」「所定の契機」などの様々なタイミングの遊技を用いることができる。これらの具体例は、上述した通りである。
また、「変換データを受信した遊技」やそれ以外の遊技で設定示唆演出を行う場合において、1回の遊技内における演出実行のタイミングについても任意である。また、1回の遊技内において、メイン側から変換データを受信したタイミングと、設定示唆演出を行うタイミングとは、必ずしも一致する必要はない。例えば、変換データの受信は、開始操作を検出したタイミングで行う一方で、設定示唆演出は、入賞の判別を行ったタイミングで行うなどのように、1回の遊技内におけるそれぞれのタイミングが異なることとしてもよい。
図32に示すように、「設定値から変換データを決定するタイミング(変換タイミング)」「変換データをサブ側に送信するタイミング(送信タイミング)」及び「設定示唆演出を実行するタイミング(演出実行タイミング)」は、任意に組み合わせて用いることができる。
[パチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
(設定示唆演出の実行方法)
パチスロ機1では、設定値を示唆する設定示唆演出を実行する際に、メイン側からサブ側に対して設定値をそのまま送信することなく、設定値から変換した変換データを送信する。これにより、メイン側からサブ側へ送信される情報を不正に盗み見られてしまったとしても、設定値が把握されることがない。また、変換データは、図32に示すように様々なタイミングでメイン側からサブ側に送信するため、変換データを盗み見るタイミングが特定し難くなり、不正行為による被害を軽減することができる。
(リーチ目表示のためのリール停止制御)
また、パチスロ機1では、クロスダウンライン8dに沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目がボーナスのリーチ目になるようにリール停止制御を行う。すなわち、パチスロ機1では、ボーナス非当籤時にはクロスダウンライン8dに沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示させずに、ボーナス当籤時に限りクロスダウンライン8dに沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示させる。具体的には、パチスロ機1では、「F_スイカ」に対応する図柄の組合せとして、中のリール3Cの構成図柄を図柄「スイカ」とするコンビネーション名「C_スイカ」の図柄の組合せに加え、中のリール3Cの構成図柄を図柄「リプレイ」とするコンビネーション名「C_スイカ制御A」の図柄の組合せを設けるとともに、中のリール3Cにおいて図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に図柄「リプレイ」を配置する。
そして、パチスロ機1では、「F_スイカ」当籤時に、中のリール3Cに対する停止操作のタイミングが、クロスダウンライン8dに沿って図柄「スイカ」を表示してしまうタイミングである場合に、当該図柄「スイカ」をクロスダウンライン8dに沿って表示することなく、当該図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に配置されている図柄「リプレイ」をトップライン8b又はクロスダウンライン8dに沿って表示するようにリール停止制御を行う。
これにより、図柄「スイカ」を構成図柄とする「F_スイカ」当籤時にクロスダウンライン8dに図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示させないように停止制御することができ、結果、現行の遊技機(いわゆる5号機)におけるリール停止制御を採用していても、クロスダウンライン8dに沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目がボーナスのリーチ目になるようにリール停止制御を行うことができる。
なお、中のリール3Cにおいて図柄「スイカ」を引込許容図柄数以内に配していれば、「F_スイカ」当籤時に、クロスダウンライン8dに図柄「スイカ」を表示することなく、トップライン8bにのみ図柄「スイカ」を表示することができるものの、中のリール3Cに図柄「スイカ」が多く配されることになるため、中のリール3Cの図柄配列の自由度が狭まってしまう。
この点、パチスロ機1のように、図柄「スイカ」とは異なる種類の図柄を構成図柄とすることで、図柄「スイカ」の周囲にのみ当該異なる種類の図柄を配するだけで、規則上求められるリール停止制御を採用しつつ、クロスダウンライン8dにおける図柄「スイカ」のテンパイ出目をボーナスのリーチ目として扱うことができる(なお、図柄「スイカ」の周囲にのみ異なる種類の図柄を配している場合には、当該異なる種類の図柄をクロスダウンライン8dに沿って表示してしまうこともあり得るが、この場合は、クロスダウンライン8dに沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目は表示されていない)。
(BB及びMB中のメダル獲得枚数最大化手順)
また、パチスロ機1では、BB遊技状態及びMB遊技状態中に2BET時13枚役を所定回数表示させることで、BB遊技状態及びMB遊技状態中に払い出されるメダルの枚数を最大化することができる。このとき、本実施形態のパチスロ機1では、BB遊技状態中に2BET時13枚役を表示させるための手順と、MB遊技状態中に2BET時13枚役を表示させるための手順と、を共通化する。これにより、複数種類のボーナスにおける払出枚数の調整を遊技者にとって分かり易い手順で行うことができる。
なお、パチスロ機の規則上、第二種特別役物が作動している状態(MB遊技状態)では、作動していない状態(一般遊技状態)中に成立することのないフラグ(図柄の組合せ)を新たに追加することはできず、また、リール停止制御は、現在成立しているフラグに基づいて行わなければならない。前者の規則上、パチスロ機1では、一般遊技状態中に、2BET時13枚役に応じたフラグを成立可能にしなければならない。一方で、一般遊技状態中に2BET時13枚役を表示可能にリール停止制御を行ってしまうと、一般遊技状態中にもボーナス中の枚数調整手順が有効であるという誤解を招いてしまい、遊技者を混乱させてしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、後者の規則を受けて、BB遊技状態中にそれぞれ成立しているフラグが異なる「F_2BET調整役」と「F_2BET役」とを設け、「F_2BET調整役」当籤時にのみ、2BET時13枚役を表示可能にリール停止制御を行うこととした。これにより、一般遊技状態中に2BET時13枚役を表示させることなく、BB遊技状態及びMB遊技状態中に共通の手順で2BET時13枚役を表示させることができ、結果、複数種類のボーナスにおいて共通の手順で払い出されるメダルの枚数を最大化することができる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。第1実施形態のパチスロ機1では、5本の有効ライン(センターライン8a、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8d及びクロスアップライン8e)を設けるとともに、これら5本の有効ラインのうちの一の有効ライン(クロスダウンライン8d)に沿って表示される特定図柄(図柄「スイカ」)のテンパイ出目をボーナスのリーチ目になるようにリール停止制御を行うこととしている。ここで、有効ラインの本数は任意であり、また、特定図柄のテンパイ出目を表示するラインが有効ラインであるか否かも任意である。
そこで、第2実施形態のパチスロ機1では、有効ラインをセンターライン8aの一本にし、その他のラインを入賞の判定とは関係のない疑似ラインとして用いる。そして、第2実施形態のパチスロ機1では、所定の疑似ラインに沿って表示される特定図柄のテンパイ出目がボーナスのリーチ目になり、当該所定の疑似ライン以外の疑似ラインに沿って表示される特定図柄のテンパイ出目はボーナスのリーチ目にならないようにリール停止制御を行う。
(「F_スイカ」に応じた図柄の組合せ)
第2実施形態のパチスロ機1では、有効ラインが一本になるため、第1実施形態のパチスロ機1とは図柄の組合せの種類が異なることになる。通常、有効ラインの本数が少ない場合には、図柄の組合せの種類が膨大になるが、理解を容易にするために、以下では、第2実施形態のパチスロ機1を説明するために必要な最小限の図柄の組合せについてのみ示す。
図33は、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せの一例を示す図である。有効ラインは一本であるものの、遊技者からすると図柄「スイカ」が一直線上に並ぶ図柄の組合せは、「スイカ」という役に対応する図柄の組合せであると認識することになる。そこで、第2実施形態のパチスロ機1では、疑似ラインに沿って「スイカ−スイカ−スイカ」が表示されるときに、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せを、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せとして規定する。
なお、図33中におけるカッコ内の数値は、対応するリールにおける図柄位置を示している。例えば、左のリール3Lにおける「スイカ(19)」とは、左のリール3Lの図柄位置「19」の図柄「スイカ」であることを示している(図9参照)。
具体的には、図33(A)に示すように、「スイカ(19)−スイカ(11)−スイカ(17)」が疑似ライン「トップライン8b」に沿って表示されるときに、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せである「鼠(18)−リプレイ(10)−オレンジ2(16)」、及び、図33(B)に示すように、「スイカ(19)−スイカ(11)−スイカ(17)」が疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示されるときに、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せである「鼠(18)−スイカ(11)−リプレイ(18)」を、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せとして規定する。
また、図33(C)に示すように、第2実施形態のパチスロ機1では、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せとして、スイカ制御用の図柄の組合せも規定する。具体的には、「スイカ(19)−リプレイ(14)−スイカ(17)」が疑似ライン「トップライン8b」に沿って表示されるときに、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せである「鼠(18)−オレンジ2(13)−オレンジ2(16)」を、スイカ制御用の図柄の組合せとして規定する。
なお、このスイカ制御用の図柄の組合せは、第1実施形態のパチスロ機1におけるリーチ目非停止用スイカの図柄の組合せ(「C_スイカ制御A」「C_スイカ制御B」)に相当する。
ここで、図33では、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せとして、「鼠−リプレイ−オレンジ2」「鼠−スイカ−リプレイ」及び「鼠−オレンジ2−オレンジ2」の図柄の組合せを例示しているが、図33では、上述のように必要な最小限の図柄の組合せについてのみ示している。すなわち、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せには、図33に例示する図柄の組合せ以外の図柄の組合せも含まれる。
(第2実施形態のリール停止制御)
第2実施形態のパチスロ機1におけるリール停止制御は、第1実施形態のパチスロ機1と基本的に同じである。以下では、第1実施形態のパチスロ機1のリール停止制御例を示す図20を参照して、第2実施形態のパチスロ機1におけるリール停止制御例について説明する。
図20(A1)に示すように、ボーナス非当籤かつ「F_スイカ」当籤時にリール3Lに対する停止操作が行われると、停止操作のタイミングに応じて主制御回路91は、リール3Lの上段の領域に図柄「スイカ」が表示されるようにリール3Lの回転を停止させる。ここで、リール3Lの上段の領域に表示される図柄「スイカ」が図柄位置「19」の図柄である場合、リール3Lの中段の領域には図柄位置「18」の図柄「鼠」が表示される。
ここで、図30に示す「F_スイカ」に応じた図柄の組合せを参照すると、疑似ライン「トップライン8b」に沿って図柄「スイカ」が揃う図柄の組合せでは、図柄位置「10」の図柄「リプレイ」をリール3Cの構成図柄としており、また、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って図柄「スイカ」が揃う図柄の組合せでは、図柄位置「11」の図柄「スイカ」をリール3Cの構成図柄としている。
そのため、リール3Cに対する停止操作を検出したタイミングにおいて、有効ライン「センターライン8a」を構成するリール3Cの中段の領域に位置する図柄から引込許容図柄数以内に、図柄位置「10」の図柄「リプレイ」がある場合、又は、図柄位置「11」の図柄「スイカ」がある場合には、「F_スイカ」に応じた図柄の組合せの構成図柄である図柄を有効ライン「センターライン8a」に沿って表示することができることになる。
この点、第2実施形態のパチスロ機1では、有効ライン「センターライン8a」に図柄位置「10」の図柄「リプレイ」を表示可能(疑似ライン「トップライン8b」に図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示可能)である場合には、図20(A2)に示すように、リール3Cの上段の領域に図柄位置「11」の図柄「スイカ」を停止させる(すなわち、図柄位置「10」の図柄「リプレイ」を有効ラインに沿って表示させる)。
具体的には、図20(A1)において、主制御回路91は、リール3Cに対する停止操作を検出したタイミングが、有効ライン「センターライン8a」を基準として図柄位置「10」の図柄「リプレイ」が引込許容図柄数以内にあり、かつ、図柄位置「11」の図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にないタイミングである場合、又は、有効ライン「センターライン8a」を基準として図柄位置「10」の図柄「リプレイ」が引込許容図柄数以内にあり、かつ、図柄位置「11」の図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にあるタイミングである場合には、図柄位置「10」の図柄「リプレイ」を有効ラインに沿って表示させるようにリール3Cの回転を停止する。この結果、疑似ライン「トップライン8b」に沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目が表示されることになる(図20(A2)参照)。
一方で、第2実施形態のパチスロ機1では、有効ライン「センターライン8a」に図柄位置「10」の図柄「リプレイ」を表示不可能、かつ、有効ライン「センターライン8a」に図柄位置「11」の図柄「スイカ」を表示可能(疑似ライン「トップライン8b」には図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示できず、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示可能)である場合には、図20(B2)に示すように、図柄位置「11」の図柄「スイカ」から引込許容図柄数以内に配されている図柄位置「14」の図柄「リプレイ」を、リール3Cの上段(又は中段)の領域に停止させ、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に図柄「スイカ」のテンパイ出目が表示されてしまうことを禁止する。
具体的には、図20(A1)において、主制御回路91は、リール3Cに対する停止操作を検出したタイミングが、有効ライン「センターライン8a」を基準として図柄位置「10」の図柄「リプレイ」が引込許容図柄数以内になく、かつ、図柄位置「11」の図柄「スイカ」が引込許容図柄数以内にあるタイミングである場合には、スイカ制御用の図柄の組合せ(図33(C)参照)を構成する図柄位置「13」の図柄「オレンジ2」を有効ラインに沿って表示させるように(すなわち、図柄位置「14」の図柄「リプレイ」をリール3Cの上段の領域に表示させるように)リール3Cの回転を停止する。
これにより、第2実施形態のパチスロ機1においても、ボーナス非当籤時のリール3L,3C停止時に、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示させないようにリール停止制御を行うことができる。そして、ボーナス当籤時には反対に、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目を表示可能にリール停止制御を行うことで、ボーナス当籤時のリール3L,3C停止時に、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目をボーナスのリーチ目として設計することができる。
なお、リール3L,3C停止時の疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目であるため、リール3L,3R停止時などのような場合には、疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示される図柄「スイカ」のテンパイ出目が表示されることはあり得る。すなわち、図33(B)に示す、「スイカ(19)−スイカ(11)−スイカ(17)」が疑似ライン「クロスダウンライン8d」に沿って表示されるときに、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せ「鼠(18)−スイカ(11)−リプレイ(18)」は、「F_スイカ」当籤時の押し順「左、中、右」である場合には、上述のように表示されることのない図柄の組合せである一方で、「F_スイカ」当籤時の押し順「左、右、中」などの他の押し順である場合には、表示可能な図柄の組合せである。
また、第1実施形態のパチスロ機1において説明したように、リーチ目を表示するラインの種別は、有効ライン及び疑似ラインを問わず任意であり、また、リーチ目を停止する停止順序についても任意である。
[変形例]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
(MB遊技状態中の小役当籤方法)
上記実施形態のパチスロ機1では、MB遊技状態中に、BET数が同じ一般遊技状態中に内部当籤役として決定され得る小役の全て(「C_オレンジ_01」〜「C_調整B_02」)を必ず内部当籤役として決定する。ここで、MB遊技状態中の当籤役の決定方法は、任意である。すなわち、上記実施形態のように、2BET時の一般遊技状態中に成立し得る小役の全てに対応する「F_CB役」を設け、この「F_CB役」が必ず抽籤するように制御することで(図13(C)参照)、MB遊技状態中の当籤役を決定することとしてもよく、また、抽籤処理を行わずに当該全ての小役を当籤扱いにする処理を行うこととしてもよい。
ここで、抽籤処理を行わずに全ての小役を当籤扱いにする処理とは、例えば、メインRAM95に設けられ、内部当籤役として決定された役を格納する内部当籤役格納領域(図示せず)に、乱数値に基づく内部抽籤処理(図25のS4)を行うことなく、全ての小役に相当するデータを格納する処理である。
また、内部抽籤処理を一般遊技状態と同様に(ただし、第一種特別役物の連続差動装置(BB)や第二種特別役物の連続差動装置(MB)に係る役は抽籤しない)行った後に、全ての小役に相当するデータを内部当籤役格納領域に格納することとしてもよい。この場合、内部抽籤処理によりいずれかの小役が当籤しても、その後の処理により全ての小役に相当するデータが内部当籤役格納領域に格納されてしまうため、全ての小役が当籤扱いになり、結果、内部当籤役の種類や内部当籤役に基づく停止制御は変わらない。一方で、リプレイに係る役が内部当籤役として決定された場合には、「リプレイ+全ての小役」が内部当籤役となるため、リプレイの当否が遊技の結果(停止制御など)に影響を与えることになる。
(特定図柄のテンパイ出目の意味合い)
上記実施形態では、特定図柄のテンパイ出目に対して、ボーナスのリーチ目という意味合いを持たせることとしているが、これに限られるものではない。すなわち、パチスロ機1は、制御用の図柄の組合せ(例えば、「C_スイカ制御A」など)を設け、この図柄の組合せにより、特定図柄のテンパイ出目が特定のライン(有効、疑似を問わず)に表示されることを避けるリール停止制御を行う点に特徴を有しており、このリール停止制御により避けた図柄の組合せに持たせる意味合いは任意である。なお、リール停止制御により避けた図柄の組合せに持たせる意味合いとしては、例えば、遊技性に影響を与えるものの他、遊技性には影響を与えず、制御又は設計を容易にするものが考えられる。
(遊技性に影響を与える意味合い)
例えば、上記実施形態のようなボーナスのリーチ目は、遊技性に影響を与えるものである。また、特定図柄のテンパイ出目を、ボーナスのリーチ目ではなく、ボーナスのチャンス目として用いることとしてもよい。例えば、ボーナス当籤時だけでなく、ボーナス非当籤時にも一定の条件下で特定図柄のテンパイ出目が表示され得るようにリール停止制御を行うことで、特定図柄のテンパイ出目を相対的にボーナスの期待度が高いチャンス目として扱うことができる。
また、特定図柄のテンパイ出目を、ボーナスのリーチ目(チャンス目)ではなく、遊技者にとって有利な状態に移行することのリーチ目(チャンス目)として扱うこととしてもよい。例えば、リプレイの当籤確率が高い高RTに移行する図柄の組合せが表示されることが、リール3L,3C停止時(第2停止操作時)に確定(又は相対的に期待度が高い)させる際に好適に利用することができる。
(制御又は設計を容易にする意味合い)
リールに配する図柄の配列によっては、第2停止時に複数の役に応じた図柄の組合せがテンパイしてしまうことがある。このような場合には、第3停止時に当籤していない役に応じた図柄の組合せを表示させることなく、当籤している役に応じた図柄の組合せを表示させなければならず、制御が複雑になりやすく、また設計時に図柄の配列や図柄の組合せのパターンを試行錯誤して厳密に設定する必要がある。この点、本実施形態のパチスロ機1のリール停止制御を行うことで、複数の役に応じた図柄の組合せがテンパイしてしまうことを、第2停止の時点で回避することができ、制御又は設計を容易にすることができる。
[付記1]
付記1のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコイン等の遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機では、出玉率(投入した遊技媒体に対する払い出された遊技媒体の割合)を定める複数段階の設定値(例えば、設定1〜設定6)が設けられており、これら複数段階の設定値のうちのいずれかが設定され、運用されている。遊技者にとってみれば、出玉率の高い設定値(いわゆる高設定)の遊技機ほど多くの遊技媒体を得られる可能性が高まるため、遊技中に自身が遊技を行っている遊技機の設定値を把握することを望む。
遊技中の遊技者が設定値を把握可能にするための工夫は、これまでいくつかなされており、近年では、ボーナス状態の終了時などに設定値に応じて表示内容が異なる演出を行うことで、遊技者が設定値を推測可能にした遊技機が知られている。
演出は、通常、サブ(副制御部)側で制御されるため、このような設定を示唆する演出(以下、「設定示唆演出」と呼ぶことがある)を行う場合には、メイン(主制御部)側からサブ側に設定値を送信する必要がある。この点、特許文献(特開2004−147786号公報)には、メイン側からサブ側に設定情報を毎ゲーム送信する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このように設定情報をサブ側に毎ゲーム送信することで、誤作動遊技を防止することができるものの、メイン側からサブ側へ送信される情報が毎ゲーム同じ情報であるため、メイン側からサブ側へ送信される情報を盗み見た遊技者に、設定値が把握されてしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、メイン側からサブ側へ送信される情報から設定値が把握されてしまうことを防止する遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技の進行に関する制御を行う主制御部(例えば、主制御回路91)と、演出に関する制御を行う副制御部(例えば、副制御回路101)と、を備える遊技機であって、前記主制御部は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定する設定手段(例えば、設定用鍵型スイッチ56)と、前記設定手段が設定した設定値に基づき、遊技の進行を制御する遊技進行制御手段(例えば、メインCPU93)と、前記複数の設定値のそれぞれに対して複数の変換データの中から一の変換データを所定の確率で抽籤するための抽籤情報を規定する抽籤情報規定手段(例えば、設定値変換テーブル)と、前記設定手段が設定した設定値に対して設定された前記抽籤情報に基づいて、前記複数の変換データの中から一の変換データを決定する設定値変換手段(例えば、メインCPU93)と、前記設定値変換手段が決定した前記一の変換データを含むコマンドを、前記副制御部に対して送信するコマンド送信手段(例えば、メインCPU93)と、前記副制御部は、前記主制御部から受信した前記コマンドに含まれる前記一の変換データに基づき、前記設定手段が設定した前記設定値を示唆する設定示唆演出を実行する演出制御手段(例えば、サブCPU102)、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、主制御部では、現在設定されている設定値を、複数の設定値のそれぞれに対して規定された確率(抽籤情報)に応じて一の変換データを決定し、決定した変換データを副制御部に対して送信する。このように本発明に係る遊技機では、サブ(副制御部)側に設定値を送信することなく、設定値から変換した変換データを送信するため、メイン(主制御部)側からサブ側へ送信される情報を不正に盗み見られてしまったとしても、設定値が把握されることがない。また、副制御部では、受信した変換データに基づいて、遊技者に対して設定値を示唆する設定示唆演出を実行するため、従来の遊技機のように、遊技者に対して演出による設定判別の機会を提供することができる。
[付記2]
付記2のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このリール停止制御に関して、特許文献(特開2012−200497号公報)には、内部当籤役として決定された役に対応する図柄の組合せを構成する図柄最大滑り駒数の範囲内で最大限に引き込むようにした遊技機(いわゆる5号機)が開示されている。このような遊技機によれば、従来の遊技機(いわゆる4号機)で可能であった、内部当籤しているにも関わらず停止制御しない制御が廃され、対応する図柄の組合せを狙えば、内部当籤している役に応じた図柄の組合せを必ずそろえることができるため、公平な遊技を実現することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、対応する図柄を最大限引き込む停止制御では、設計したい出目よりも図柄の引き込みを優先しなければならず、従来の遊技機(いわゆる4号機)で可能であったリーチ目などの特定出目を表示可能に設計開発することが困難になるという問題があった。
一例として、クロスダウンの有効ラインに図柄「スイカ」があと1つ表示されることで「スイカ−スイカ−スイカ」が揃うことになる出目(以下では、このようにあと1つ表示されることで同一の図柄が揃うことになる出目を「テンパイ出目」と呼ぶことがある)に対してリーチ目などの特別な意味を持たせる場合について考える。役「スイカ」が内部当籤している遊技では、対応する図柄「スイカ」を可能な限り引き込むことになるため、クロスダウンの有効ライン上に図柄「スイカ」を引き込むことができるにも関わらず蹴飛ばすことができない。そのため、ボーナスに当籤していない場合であっても、役「スイカ」当籤時にはクロスダウンに沿って図柄「スイカ」のテンパイ出目が表示されてしまい、図柄「スイカ」のテンパイ出目をリーチ目として扱うことができなくなってしまう。
パチスロ機のように遊技者の停止操作により図柄を停止表示する遊技機では、停止表示される図柄の組合せ(出目)が遊技性を高めるため、多様な出目を柔軟に表示できることが好ましい。この点、現行の遊技機(いわゆる5号機)では上述のように対応する図柄を最大限引き込む停止制御を行わなければならないため、特定図柄のテンパイ出目に対して特別な意味を持たせるためには、従来にない発想による工夫が求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、特定図柄のテンパイ出目に対して特別な意味を持たせることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される複数の有効ライン(例えば、センターライン8a、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8d及びクロスアップライン8e)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記停止操作が検出された際に内部当籤役に対応する図柄の組合せを構成する構成図柄が、前記複数の有効ラインのうちの一の有効ラインを基準として、前記停止操作が検出されてからリールの回転を停止させるまでの間に当該一の有効ラインに引き込むことが予め許容されている引込許容図柄数以内にある場合に、当該構成図柄を当該一の有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記複数の有効ラインには、第1リールの所定の単位図柄表示領域である第1単位図柄表示領域と第2リールの所定の単位図柄表示領域である第2単位図柄表示領域とを結ぶ第1有効ライン、及び前記第1リールの前記第1単位図柄表示領域と前記第2リールの前記第2単位図柄表示領域に隣接する単位図柄表示領域である第3単位図柄表示領域とを結ぶ第2有効ラインが少なくとも含まれ、前記内部当籤役決定手段により決定される内部当籤役には、有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域の全てにおいて特定図柄(例えば、図柄「スイカ」)が表示される図柄の組合せである第1の図柄組合せ(例えば、「C_スイカ」)、及び有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち前記第1リールの単位図柄表示領域において特定図柄が表示され、かつ、前記第2リールの単位図柄表示領域において前記特定図柄以外の所定図柄(例えば、図柄「リプレイ」)が表示される図柄の組合せである第2の図柄組合せ(例えば、「C_スイカ制御A」)の双方が対応付けられた所定役(例えば、「F_スイカ」)が含まれ、前記複数のリールのうちの前記第2リールには、前記特定図柄から前記引込許容図柄数以内に前記所定図柄が配されており、前記リール停止制御手段は、前記所定役が内部当籤役として決定され、かつ、前記第1リールの前記第1単位図柄表示領域に前記特定図柄が表示されているときに前記第2リールに対する停止操作が検出されると、前記第1有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内にあり、かつ、前記第2有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内にない場合には、前記特定図柄を前記第1有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させ、前記第1有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内にあり、かつ、前記第2有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内にある場合には、前記特定図柄を前記第1有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させ、前記第1有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内になく、かつ、前記第2有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内にある場合には、前記所定図柄を前記第1有効ライン又は前記第2有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1リールの第1単位図柄表示領域を通る有効ラインとして、第2リールの第2単位図柄表示領域を通る第1有効ラインと、第2リールの第3単位図柄表示領域を通る第2有効ラインと、を少なくとも有し、これら第1有効ライン及び第2有効ラインに部当籤役に対応する図柄の組合せを構成する構成図柄を引き込み可能な場合には、当該構成図柄を第1有効ライン又は第2有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させる。ここで、内部当籤役として決定される役の中には、所定役が含まれ、この所定役は、特定図柄を構成図柄とする第1の図柄組合せに対応している。そのため、通常であれば、所定役が内部当籤役として決定され、かつ、第1リールの第1単位図柄表示領域に特定図柄が停止している場合に、第2リールの第2単位図柄表示領域(第1有効ライン)又は第3単位図柄表示領域(第2有効ライン)に特定図柄を引き込むように停止制御を行うことになる。
この点、本発明に係る遊技機では、特定図柄を第2単位図柄表示領域(第1有効ライン)には停止するものの、第3単位図柄表示領域(第2有効ライン)には停止せず、所定役が内部当籤役として決定された場合に、第2有効ラインに特定図柄のテンパイ出目を表示させない。具体的には、本発明に係る遊技機では、所定役に対応する図柄の組合せとして、第1の図柄組合せに加えて、第1リールの構成図柄を特定図柄とするものの、第2リールの構成図柄を特定図柄以外の所定図柄とする第2の図柄組合せを規定するとともに、第2リールの特定図柄から引込許容図柄数以内に所定図柄が配置する。そして、本発明に係る遊技機では、所定役が内部当籤役として決定され、かつ、第1リールの第1単位図柄表示領域に特定図柄が表示されているときに第2リールに対する停止操作が検出されると、第1有効ライン(第2単位図柄表示領域)に特定図柄を引き込み可能な場合には第1有効ラインに特定図柄を停止させるように第2リールを停止制御する一方で、第1有効ラインには特定図柄を引き込むことができないものの、第2有効ライン(第3単位図柄表示領域)に特定図柄を引き込み可能な場合には、第2有効ラインに特定図柄を停止させることなく、当該特定図柄から引込許容図柄数以内に配されている所定図柄を第1有効ライン又は第2有効ラインに停止させるように第2リールを停止制御する。
これにより、現行の遊技機(いわゆる5号機)における停止制御(対応する図柄を最大限引き込む停止制御)を採用していても、特定図柄を構成図柄とする所定役が内部当籤役として決定された場合に、第2有効ラインに特定図柄のテンパイ出目を表示させないように停止制御することができる(すなわち、第2リールにおいて特定図柄の代わりに引き込んだ所定図柄も所定役の構成図柄であるため、いわゆる5号機の規則上求められる停止制御を満たすことができる)。その結果、本発明に係る遊技機によれば、第2有効ラインにおける特定図柄のテンパイ出目に対して特別な意味を持たせることができる。
また、本発明に係る遊技機おいて、前記入賞判定手段によりボーナス役(例えば、「F_赤赤赤」「F_鼠鼠鼠」「F_MB」)が入賞したと判定されるとボーナス遊技(例えば、BB遊技状態、MB遊技状態)を開始するボーナス開始手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記リール停止制御手段は、前記ボーナス役が内部当籤役として決定され、かつ、前記第1リールの前記第1単位図柄表示領域に前記特定図柄が表示されているときに前記第2リールに対する停止操作が検出されると、前記第2有効ラインを基準として前記特定図柄が前記引込許容図柄数以内にある場合に、前記特定図柄を前記第2有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役が内部当籤役として決定されている場合に、第2有効ラインに特定図柄のテンパイ出目を表示することができるため、第2有効ラインにおける特定図柄のテンパイ出目をボーナスのリーチ目として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン(例えば、センターライン8a)と、前記図柄表示手段において前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域とは異なる単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される疑似ライン(例えば、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8d及びクロスアップライン8e)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記停止操作が検出された際に内部当籤役に対応する図柄の組合せを構成する構成図柄が、前記有効ラインを基準として、前記停止操作が検出されてからリールの回転を停止させるまでの間に当該有効ラインに引き込むことが予め許容されている引込許容図柄数以内にある場合に、当該構成図柄を当該有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記複数の疑似ラインには、第1リールの所定の単位図柄表示領域である第1単位図柄表示領域と第2リールの所定の単位図柄表示領域である第2単位図柄表示領域とを結ぶ第1疑似ライン(例えば、トップライン8b)、及び前記第1リールの前記第1単位図柄表示領域と前記第2リールの前記第2単位図柄表示領域に隣接する単位図柄表示領域である第3単位図柄表示領域とを結ぶ第2疑似ライン(例えば、クロスダウンライン8d)が少なくとも含まれ、前記内部当籤役決定手段により決定される内部当籤役には、前記第1疑似ラインが結ぶ単位図柄表示領域の全てにおいて特定図柄(例えば、図柄「スイカ」)が表示されるときに、前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域に表示される第1の図柄組合せ(例えば、「鼠−リプレイ−オレンジ2」)、前記第2疑似ラインが結ぶ単位図柄表示領域の全てにおいて前記特定図柄が表示されるときに、前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域に表示される第2の図柄組合せ(例えば、「鼠−スイカ−リプレイ」)、及び前記第2疑似ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち第1リールの前記第1単位図柄表示領域において前記特定図柄が表示され、かつ、第2リールの前記第3単位図柄表示領域において前記特定図柄以外の所定図柄(例えば、図柄「リプレイ」)が表示されるときに、前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域に表示される第3の図柄組合せ(例えば、「鼠−オレンジ2−オレンジ2」)を含む複数の図柄組合せが対応付けられた所定役(例えば、「F_スイカ」)が含まれ、前記複数のリールのうちの前記第2リールには、前記特定図柄から前記引込許容図柄数以内に前記所定図柄が配されており、前記リール停止制御手段は、前記所定役が内部当籤役として決定され、かつ、前記第1リールの前記第1単位図柄表示領域に前記特定図柄が表示されているときに前記第2リールに対する停止操作が検出されると、前記有効ラインを基準として前記第1の図柄組合せを構成する第1図柄が前記引込許容図柄数以内にあり、かつ、前記第2の図柄組合せを構成する第2図柄が前記引込許容図柄数以内にない場合には、前記第2図柄を前記有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させ、前記有効ラインを基準として前記第1の図柄組合せを構成する前記第1図柄が前記引込許容図柄数以内にあり、かつ、前記第2の図柄組合せを構成する前記第2図柄が前記引込許容図柄数以内にある場合には、前記第2図柄を前記有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させ、前記有効ラインを基準として前記第1の図柄組合せを構成する前記第1図柄が前記引込許容図柄数以内になく、かつ、前記第2の図柄組合せを構成する前記第2図柄が前記引込許容図柄数以内にある場合には、前記第3の図柄組合せを構成する第3図柄を前記有効ラインに沿って停止させるようにリールの回転を停止させることを特徴とする。
このような遊技機においても、所定役当籤時に有効ラインに沿って、所定役に対応する図柄の組合せ(第1〜第3の図柄組合せなど)を引き込みつつ、第2疑似ラインに特定図柄のテンパイ出目(第2の図柄組合せの一部)を表示させないように停止制御することができる(すなわち、第1リールの次に第2リールの停止操作が行われた場合には、第2リールにおいて第2の図柄組合せ(第2疑似ラインに特定図柄のテンパイ出目)を構成する図柄を引き込まずに、第3の図柄組合せを構成する図柄を引き込むため、いわゆる5号機の規則上求められる停止制御を満たすことができる)。その結果、本発明に係る遊技機によれば、第1リール及び第2リール停止時の第2疑似ラインにおける特定図柄のテンパイ出目に対して特別な意味を持たせることができる。
[付記3]
付記3のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年のパチスロ機(いわゆる5号機)では、ボーナス中に払い出されたメダルの枚数を、ボーナスの終了条件として用いており、特許文献(特開2013−135971号公報)には、遊技者の停止操作に応じて払出枚数を調整可能にした遊技機が開示されている。また、遊技機によっては、ボーナスとしてBB(第一種特別役物の連続差動装置)及びMB(第二種特別役物の連続差動装置)のように複数種類のボーナスを有することがあり、これら複数種類のボーナスのそれぞれにおいて、ボーナス中に獲得できるメダルの枚数を異ならせる遊技機も知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機では、遊技者の技量や知識に応じてボーナス中に獲得できるメダルの枚数が異なるため、遊技者はボーナス中に最大利益を得るために必要な手順を行うことになり、ボーナス中の遊技が単調になってしまうことを防止できる。一方で、最大利益を得るために必要な手順が複雑すぎると、手順を覚えることやその手順を行うことが煩わしく感じてしまい、かえってボーナス中の興趣を低下させてしまうという問題があった。
特に、上述のような複数種類のボーナスを有する遊技機では、それぞれのボーナスにおいて最大利益を得るための手順が異なるため、遊技者に煩わしさを感じさせ易く、更なる改善が求められていた。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、複数種類のボーナスにおける払出枚数の調整を遊技者にとって分かり易い手順で行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な第1有利状態(例えば、BB遊技状態)及び第2有利状態(例えば、MB遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて遊技媒体を付与する利益付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に第1特定役(例えば、「F_赤赤赤」「F_鼠鼠鼠」)に応じた図柄の組合せ(例えば、「C_赤BB」「C_鼠BB」)が表示されると第1有利状態を開始し、前記図柄表示手段に第2特定役(例えば、「F_MB」)に応じた図柄の組合せ(例えば、「C_赤MB」「C_鼠MB」)が表示されると第2有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1有利状態において前記利益付与手段により第1終了閾値(例えば、343枚)を超える量の遊技媒体が付与されると、当該第1有利状態を終了し、前記第2有利状態において前記利益付与手段により第2終了閾値(例えば、118枚)を超える量の遊技媒体が付与されると、当該第2有利状態を終了する有利状態終了手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記利益付与手段は、前記図柄表示手段に第1の図柄組合せ(例えば、2BET時15枚役)が表示されると所定数量(例えば、15枚)の遊技媒体を付与するとともに、前記図柄表示手段に第2の図柄組合せ(例えば、2BET時13枚役)が表示されると前記所定数量よりも少ない特定数量(例えば、13枚)の遊技媒体を付与し、前記リール停止制御手段は、前記通常状態において前記内部当籤役決定手段により前記第1の図柄組合せ及び前記第2の図柄組合せの双方が対応付けられた役(例えば、「F_2BET役」)が内部当籤役として決定された場合には、前記停止操作検出手段により検出される前記複数のリールに対する停止操作の手順に関わらず、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せが表示されるように前記リールの回転を停止させ、前記第1有利状態又は前記第2有利状態において前記内部当籤役決定手段により前記第1の図柄組合せ及び前記第2の図柄組合せの双方が対応付けられた役(例えば、「F_2BET調整役」「F_CB役」)が内部当籤役として決定された場合には、前記停止操作検出手段により検出される前記複数のリールに対する停止操作の手順が、第1停止操作手順であるときに前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せが表示されるように前記リールの回転を停止させ、第2停止操作手順であるときに前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せが表示されるように前記リールの回転を停止させ、前記第1終了閾値は、前記所定数量のn倍より小さく、かつ、前記所定数量の(n−x)倍に前記特定数量のx倍を加算した値以上であり、前記第2終了閾値は、前記所定数量のm倍より小さく、かつ、前記所定数量の(m−y)倍に前記特定数量のy倍を加算した値以上であり、n、m、x及びyは自然数であり、かつ、(前記所定数量−前記特定数量)のx倍、及び(前記所定数量−前記特定数量)のy倍が前記所定数量よりも小さい、ことを特徴とする。
このような遊技機では、第1有利状態及び第2有利状態は、通常、所定数量の遊技媒体がn回又はm回付与されると終了するため、第1有利状態及び第2有利状態中に遊技者が獲得できる遊技媒体は、所定数量のn(又はm)倍になる。これに対して、所定数量の遊技媒体の付与をn回又はm回受ける前に特定数量の遊技媒体の付与を受けた場合には、未だ所定数量の遊技媒体のn(又はm)倍に達していないため、第1有利状態(又は第2有利状態)は終了せず、結果、第1有利状態及び第2有利状態中に遊技者は、所定数量のn(又はm)倍に特定数量を加算した値の遊技媒体を獲得することができる。
ここで、第1有利状態及び第2有利状態中は、停止操作の手順に応じて、所定数量の遊技媒体が付与される第1の図柄組合せ、又は特定数量の遊技媒体が付与される第2の図柄組合せが表示されるように停止制御が行われる。そのため、本発明に係る遊技機では、停止操作の手順に応じて、第1有利状態及び第2有利状態中に付与される遊技媒体の総数を調整することができる。
具体的には、第1有利状態中は、第1停止操作手順である場合に所定数量の遊技媒体が付与される第1の図柄組合せが表示され、第2停止操作手順である場合に特定数量の遊技媒体が付与される第2の図柄組合せが表示される。そのため、第1有利状態中は、第1停止操作手順及び第2停止操作手順という2つの停止操作の手順を使い分けることで、第1有利状態中に付与される遊技媒体の総数を調整することができる。これに対して、第2有利状態中も第1有利状態と同様に、第1停止操作手順及び第2停止操作手順という2つの停止操作の手順を使い分けることで、第2有利状態中に付与される遊技媒体の総数を調整することができる。
これにより、本発明に係る遊技機では、複数種類の有利状態(ボーナス)において共通の手順で有利状態中に付与される遊技媒体の総数を調整することができる。その結果、最大利益を得るための手順を遊技者が容易に理解できるようになり、当該手順を採用し遊技を行うことについての煩わしさを感じてしまうことを防止できるとともに、最大利益を得るという観点から遊技者には当該手順を行うことについての動機づけがなされるため、有利状態中の遊技が単調になってしまうことを防止できる。
一方で、本発明に係る遊技機では、通常状態中は、停止操作の手順に関わらず第1の図柄組合せが表示されるように停止制御を行うため、通常状態においても枚数調整手順(第2停止操作手順)が有効であるという誤解を招くことを防止することができる。また、通常状態では、付与される遊技媒体の数が多い第1の図柄組合せのみを表示するため、枚数調整が不要な通常状態中に少ない数の遊技媒体を付与してしまうことがなく、遊技者に対して不要な損失を与えることがない。
また、本発明に係る遊技機おいて、前記第1の図柄組合せ及び前記第2の図柄組合せの双方が対応付けられた役には、複数種類の役が含まれ、前記内部当籤役決定手段は、前記第1有利状態中に、前記複数種類の役のうち、前記通常状態中には内部当籤役として決定不可能な種類の役を内部当籤役として決定可能であることを特徴とする。
パチスロ機において第一種特別役物が作動している状態(第1有利状態)では、作動していない状態(通常状態)中に成立することのないフラグ(図柄の組合せ)を新たに追加することができるものの、第二種特別役物が作動している状態(第2有利状態)では、作動していない状態(通常状態)中に成立することのないフラグ(図柄の組合せ)を新たに追加することはできない。そこで、本発明に係る遊技機では、通常状態中に第1の図柄組合せ及び第2の図柄組合せの双方が対応付けられた役を内部当籤役として決定することとし、第2有利状態(第二種特別役物が作動している状態)でも第2の図柄組合せを表示可能にした。
また、パチスロ機では、現在成立しているフラグに基づいて停止制御を行うため、第一種特別役物が作動している状態で第2の図柄組合せを表示可能に停止制御する一方で、通常状態中は第2の図柄組合せを表示不可能に停止制御するためには、それぞれにおいて成立しているフラグが異なる必要がある。そこで、本発明に係る遊技機では、第1の図柄組合せ及び第2の図柄組合せの双方が対応付けられた役として複数種類の役を有し、通常状態では内部当籤役として決定不可能な種類の役を、第1有利状態中に内部当籤役として決定することとした。これにより、第1の図柄組合せ及び第2の図柄組合せの双方が対応付けられた役が内部当籤役として決定された場合に成立しているフラグが、第1有利状態と通常状態とで異なることになるため、第1有利状態中に第2の図柄組合せを表示可能に停止制御する一方で、通常状態中に第2の図柄組合せを表示不可能に停止制御することができる。その結果、上述のように複数種類の有利状態(ボーナス)において共通の手順で有利状態中に付与される遊技媒体の総数を調整することができ、かつ、通常状態においても枚数調整手順が有効であるという誤解を招くことを防止することができる。